JP2004144623A - 斜面監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】斜面の状態を精度よく把握するとともに、緊急事態に的確に対処できるようにする。
【解決手段】基準点であるGPS受信機11aは斜面外の位置に配置され、GPS受信機11b及び11cは斜面内の位置に配置されている。監視センター12はスタティック測位に応じてそれぞれGPS受信機11aの位置を示す基準点位置情報及びGPS受信機11b及び11cの位置を示す位置情報を得て、基準点位置情報及び位置情報に基づいて斜面の変位を求めて斜面変位データとする。監視センターは、斜面変位データが示す斜面変位が予め設定された変位閾値を越えると、スタティック測位からRTK測位に変更して、予め規定された第1の時間間隔で斜面変位データを求めるとともに、リアルタイム(第2の時間間隔)で斜面の変位を監視する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面等の斜面の状態をGPS観測値に基づいて監視するための斜面監視システムに関し、特に、斜面の変位量が増加する等の緊急時に的確に対処することのできる斜面監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、法面等の斜面、特に、不安定要素がある大規模な斜面では崩落の危険が常に付きまとう関係上、斜面を適切に維持管理する必要があり、斜面の維持管理においては、各種の保護工及び対策工が施されている。しかしながら、斜面を維持管理する際において、地山の風化、植生の遷移、及び保護工や対策工の老朽化等の要因がどのように斜面崩落にかかわっているか未だに不明な点が多い。このため、斜面の状態を常に監視して、事前に斜面崩落を予測することが行われている。
【0003】
ところで、従来、GPSを用いて斜面の変位を計測する手法が知られており(以下GPS斜面計測と呼ぶ)、このようなGPS斜面計測では、例えば、斜面上に離間して配置された基準点と観測点との間の相対的変位を計測して、斜面変位を計測するようにしている。例えば、基準点及び観測点の各々にGPS受信機を配置して、各GPS受信機で受信した受信信号(GPS信号)を無線回線を介して、斜面から離れた現場事務所に送信し、現場事務所に設けられた解析装置でGPS信号に基づいて基準点及び観測点の位置座標と相対的位置の変位を算出するようにしている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−280978号公報(2ページ〜3ページ、第2図)
【0005】
上述のように、斜面の状態をGPS等を用いて、基準点と観測点との相対的位置の変位を計測して、その計測データ(観測データ)から斜面の状態を知ろうとする際には、微小な変位をも検出する必要がある関係上、観測データ自体の評価が極めて難しく、しかも天候等の外的要因によって観測データがばらつくことを考慮すると、専門的な知識を有しなければ、観測データから基準点と観測点との相対的位置の変位を精度よく求めることは難しい。
【0006】
つまり、観測データのばらつきを考慮して、基準点と観測点との相対的位置の変位を精度よく求める際には、通常の場合、斜面の変位は殆どないから、観測時間間隔を長くして(つまり、予め設定された時間毎(例えば、最短で0.5〜1.0時間程度)として、標準偏差を改善し、相対的位置の変位を求める必要があり、予め設定された毎にスタティック測位(静止測位)を行って、斜面変位を求めるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のようなスタティック測位では、観測点が測位中断中に移動したとしても、その移動量が±λ/4(λ:GPS電波搬送波の波長)の範囲内である際には、予め設定した時間経過後に、スタティック測位すれば、スタティック測位した際の位相のバイアスは前回の測位と同一であるため、搬送波位相を観測することによって、正しい位置を求めることが可能である。
【0008】
ところが、観測点が測位中断中に±λ/4の範囲を越えて移動すると、真のバイアス値は測位中断直前とは異なることになって、正しい位置を知ることができない。
【0009】
このため、予め定められた時間間隔でスタティック測位を行う際には、測位中断中の観測点の移動量が±λ/4以下となるような時間間隔とする必要がある。
【0010】
しかしながら、上述のように、時間間隔を設定して、スタティック測位を行うと、観測データのばらつきが抑えられ、斜面の変位傾向を精度よく把握することができるものの、緊急事態となると(例えば、斜面変位が大きくなる恐れがある場合等)、リアルタイムで斜面変位を監視できないという課題がある。
【0011】
一方、前述の予め設定された時間を短くして、リアルタイムで斜面変位を計測しようとすると、観測データのばらつきが大きく、通常状態(緊急事態以外の場合)では、斜面の変位傾向を精度よく把握することが難しいという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、斜面の状態を精度よく把握できるとともに緊急事態に的確に対処できる斜面監視システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、斜面の状態を監視する際に用いられ、前記斜面外の位置に配置され、GPS衛星からの電波を受けて該電波を基準GPSデータとして出力するGPS基準局と、前記斜面内の位置に配置され、前記GPS衛星からの電波を受けて該電波をGPSデータとして出力する少なくとも一つのGPS局と、前記基準GPSデータ及び前記GPSデータによってそれぞれ求められる前記GPS基準局の位置を示す基準点位置情報及び前記GPS局の位置を示す位置情報に基づいて前記斜面の変位を求めて、斜面変位データとする監視センターとを有し、前記監視センターは、予め規定された第1の時間間隔毎に第1のGPS測位手法に応じて前記斜面変位データを生成しており、前記斜面変位データが示す斜面変位が予め設定された変位閾値を越えると、前記第1のGPS測位手法から、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔による第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視するようにしたことを特徴とする斜面監視システムが得られる。例えば、前記第1のGPS測位手法は、スタティック測位手法であり、前記第2のGPS測位手法は、RTK測位手法であり、前記GPS基準局及び前記GPS局はネットワークによって前記監視センターに接続されている。
【0014】
このようにして、GPS基準局及びGPS局で、予め規定された時間間隔でGPS衛星から電波を受信してスタティック測位に応じてそれぞれ基準点位置情報及び位置情報を生成して、監視センターでは、斜面変位データが示す斜面変位が予め設定された変位閾値を越えると、第1の時間間隔で斜面変位データを求めるとともに第2の時間間隔で斜面の変位を監視するようにすれば、斜面の状態を精度よく把握できるばかりでなく、斜面の変位が大きい場合等の緊急事態に的確に対処することができることになり、通常の場合には、第1の時間間隔で第1のGPS測位手法(例えば、スタティック測位手法)を行うようにしたから、斜面等の観測地点における消費電力量を低減できる。そして、GPS基準局及びGPS局をネットワークによって監視センターに接続するようにしたから、複数の斜面について一括して監視センターで監視できることになる。
【0015】
また、本発明では、前記監視センターは、前記斜面又は前記斜面付近の降雨量を示す降雨量データを受けており、該降雨量データが示す降雨量が予め設定された降雨量閾値を越えると、前記監視センターは、前記斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、前記第1のGPS測位手法から前記第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視する。そして、前記監視センターでは、自然災害が発生したことを示す自然災害発生情報を受けた際、前記斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、前記第1のGPS測位手法から前記第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視するようにしてもよい。
【0016】
このように、降雨量データが示す降雨量が予め設定された降雨量閾値を越えるか又は自然災害情報を受けると、斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、第1の時間間隔で斜面変位データを求めるとともに、第2の時間間隔で斜面の変位を監視するようにすれば、斜面の状態を精度よく把握できるばかりでなく、大雨等の緊急事態に的確に対処することができることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、その形状及び寸法等は特に限定的な記載がない限りは、これに限定するものではない。
【0018】
図1を参照して、まず、図示の斜面監視システムは、複数の斜面監視装置11−1〜11−N(Nは2以上の整数)を備えており、これら斜面監視装置11−1〜11−Nは、例えば、監視センター12に、光ケーブル通信回線等の有線通信回線13を介して接続されている。斜面監視装置11−1〜11−Nは互いに異なる斜面に配置され、それぞれ斜面の状態を監視計測して観測データ(計測データ)として監視センター12に送る。ここでは、斜面監視装置11−1〜11−Nが送出する観測データを、それぞれ第1〜第Nの観測データと呼ぶことにする。
【0019】
監視センター12にはコンピュータシステム12a、表示装置等の出力装置(モニター)12b、入力装置12c、及びデータベース12dが備えられており、後述するようにして、監視センター12では、コンピュータシステム12aによって、各斜面監視装置11−1〜11−Nから得られた第1〜第Nの観測データに応じて斜面毎に後述するようにして斜面変位データを生成する。なお、監視センター12は、斜面監視装置11−1〜11−Nから離れた地点に配置されており、遠隔的にこれら観測データを収集する。
【0020】
斜面監視装置(GPS計測装置)11−n(nは1からNまでのいずれかの数)は、少なくとも2つのGPS(Global Positioning System)受信機(計測装置)を有しており、図示の例では、3つのGPS受信機11a〜11cを有している。この内の一つ、例えば、GPS受信機11aは基準点受信機(GPS基準局)として、斜面以外の地点に配置されている。つまり、基準点受信機11aは斜面から離れて安定した地面に配置されている。
【0021】
一方、他のGPS受信機11b及び11cは斜面上に配置されている(なお、斜面上には少なくとも一つのGPS受信機を配置すればよい)。そして、GPS受信機11a〜11cは、予め設定された時間間隔(第1の時間間隔)で少なくとも4つのGPS衛星からの電波(GPS電波)を受信して、上記の時間間隔毎にGPSデータを観測データとして出力する。なお、上記の時間間隔は、例えば、コンピュータシステム12aからの観測時間設定コマンドによって設定される。
【0022】
これらGPS受信機11a〜11cは、通信装置として用いられる通信集約機11d又は無線集約機11eに接続されており、通信集約機11dは有線通信回線13に接続されている。そして、通信集約機11dは各観測データを、有線通信回線13を介して監視センター12に送る。
【0023】
また、無線集約機11eは各観測データを、無線回線を介して無線中継機16に送る。図1には無線中継機16が一つ示されているが、実際には複数の無線中継機16が配置されており、無線中継機16毎に通信エリアが規定され、無線中継機16は自己の通信エリア内に位置する無線集約機11eから観測データを受けることになる。無線中継機16は前述の有線通信回線13に接続されており、無線中継機16から監視センター12に斜面毎の観測データが送られることになる。なお、各観測データにはGPS受信機を識別するための情報(GPS受信機識別情報)が付加されている。
【0024】
さらに、図示のように、各斜面には、例えば、雨量計21が設置されており、雨量計21で計測された降雨量は、雨量データとして、通信集約機11d又は無線集約機11eを介して監視センター12に送信される(なお、各斜面毎に雨量計を設置しなくても、気象データの配信を受けるようにしてもよい。つまり、斜面又は斜面付近の降雨量を示す気象データ(降雨量データ)の配信を受けるようにしてもよい)。
【0025】
前述のようにして得られた観測データ(GPSデータ)は、各GPS受信機の位置情報を、時間を追って3次元的に表しており、いま、基準点受信機(GPS基準局)11aの位置情報を基準点位置情報とすると、この基準点位置情報と他のGPS受信機から得られた位置情報(以下他の位置情報と呼ぶ)とに基づいて斜面の変位を時系列的にしかも3次元的に得ることができる。
【0026】
図2も参照して、監視センター12(つまり、コンピュータシステム12a)では、前述のようにして得られた基準点位置情報及び他の位置情報に基づいて、以下のようにして、斜面の変位データ(斜面変位データ)を得る。前述のように、各GPS受信機11a〜11cからは、それぞれ基準点位置情報及び他の位置情報が、コンピュータシステム11aに与えられる(ステップS1)。コンピュータシステム12aでは、基準点位置情報と他の位置情報とを用いて、予め定められた時間間隔毎に斜面変位データを求める(ステップS2)。この斜面変位データは横軸を時間、縦軸を変位として示され、モニター12b上に表示されるとともに、データベース12dに斜面毎に格納される。斜面変位データは、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、南北方向、東西方向、及び鉛直方向の変位点列として表される(図3(a)は、南北方向、図3(b)は東西方向、図3(c)は鉛直方向の変位点列を示す)。
【0027】
ところで、上述の斜面変位データは、各種外的要因(例えば、GPS衛星の状態、電離層及び対流圏の影響、マルチパス、及び基線長さ)によってバラツキ(帯状にばらつく)を含んでおり、このような斜面変位データから斜面の状態を正確に把握・評価することは難しい。そこで、監視センター12(つまり、コンピュータシステム12a)では、斜面変位データに対してフィルタ処理及び平滑化処理を行って、処理済み変位データ(フィルタデータ)を生成する(ステップS3)。
【0028】
ここで、フィルタ処理及び平滑化処理について説明すると、ここでは、カルマンフィルタのアルゴリズムによって、状態ベクトルxを推定する方法で、システムノイズの分散τ及び観測ノイズの分散σ、そして、次数kを推定して、xを離散的に求めて、対数尤度及びAICを用いて最適なxを推定する。
【0029】
つまり、状態空間モデルを、x=Fn−1+Gν,y=H+wとする。ここで、x:直接観測できない状態ベクトル(確率システムモデル)、ν:システムノイズ(平均0,分散共分散行列Q)、y:観測データ(観測モデル)、w:観測ノイズ(平均0,分散共分散行列R)であり、F,G,Hはそれぞれガウス・マルコフ過程で定義された推移行列である。そして、この状態空間モデルを、確率差分方程式とする。H=tとすると、y=t+w(観測モデル),Δkt=ν(k=1の場合、Δt=t−tn−1=ν,Δktはk階の差分方程式)となる。
【0030】
そして、カルマンフィルタによって、一期先予測(第1のステップ)、フィルタ(第2のステップ)、平滑化(第3のステップ)を一連の流れとして計算して、観測値y={y,y,…,y}が与えられた下の状態x={x,x,…,x}を求める。
【0031】
このようにして、フィルタ処理及び平滑化処理を行った後、この処理済み変位データは前述の変位データとともにデータベース12dに格納されるとともに、モニター12b上に表示される。この処理済み変位データは、図3(a)〜(c)において、実線で示す線分として表されることになる。
【0032】
そして、処理済み変位データを得た後、処理済み変位データが、例えば、予め設定された変位閾値を越えていると、処理済み変位データで示される斜面変位(スタティック斜面変位と呼ぶ)が変位閾値を越えていると(ステップS4)、コンピュータシステム12aでは、リアルタイムキネマティック(RTK)測位指令を当該変位が計測された斜面監視装置に対して行う(ステップS5)。
【0033】
RTK測位指令を受けた斜面監視装置では、内蔵するCPUがRTK測位指令に応答して、前述の予め定められた時間間隔に関係なく、リアルタイム(第2の時間間隔)でGPS電波を受信して、観測データを監視センター12に送ることになる(ステップS6)。以下、この観測データをRTK観測データと呼ぶことにする。
【0034】
監視センター12では、コンピュータシステム12aがRTK観測データを予め定められた時間間隔(第1の時間間隔)毎に抽出して、前述したようにして、フィルタ処理及び平滑化処理し、処理済み変位データとするとともに、RTK観測データに応じて、リアルタイムで時々刻々、南北方向、東西方向、及び鉛直方向の変位を検出する(ステップS7:以下この変位をRTK変位と呼ぶことにする)。そして、コンピュータシステム12aでは、このRTK変位が予め斜面毎に規定された変化量(RTK変化量)を越えると(ステップS8)、警報を発して緊急事態を報知する(ステップS9)。
【0035】
一方、前述のステップS4で、スタティック斜面変位が変位閾値以下であると、コンピュータシステム12aでは、雨量データが示す降雨量(例えば、一時間当たりの降雨量)が予め設定された降雨量閾値(この降雨量閾値は斜面毎に斜面の状況に応じて設定される)を越えたか否かを判定する(ステップS10)。そして、雨量データが示す降雨量が降雨閾値を越えると、コンピュータシステム12aは前述のステップS5を行うことになる。
【0036】
雨量データが示す降雨量が降雨閾値以下であると、前述のようにして、予め設定された時間間隔でスタティック測位が行われることになる。
【0037】
このようにして、スタティック斜面変位が変位閾値を越えるか又は降雨量が降雨量閾値を越えると、実質的にスタティック測位(第1の測位手法)及びRTK測位(第2の測位手法)を併用して斜面の状態を監視して、緊急事態に備えることになる。
【0038】
そして、スタティック斜面変位及びRTK斜面変位がともに納まると(つまり、スタティック斜面変位が斜面閾値以下で、RTK斜面変位がRTK変化量以下で、かつ、降雨量が降雨量閾値以下となると(ステップS11))、コンピュータシステム12aは、スタティック測位指令を前述の斜面監視装置に対して送出する(ステップS12)。これによって、斜面監視装置では、予め設定された時間間隔で、スタティック測位を実施することになる(つまり、ステップS1に戻ることになる)。なお、図示はしないが、斜面付近において、地震等の自然災害が発生したとの情報(自然災害発生情報)を受けると、コンピュータシステム12aでは、前述のようにして、スタティック測位からRTK測位に変更して、斜面の状態を監視するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明において、監視センターでは、第1のGPS測位手法(例えば、スタティック測位手法)に応じて観測した斜面変位データが示す斜面変位が予め設定された変位閾値を越えると、第1のGPS測位手法から第2のGPS測位手法(例えば、RTK測位手法)に変更して、予め規定された第1の時間間隔で斜面変位データを求めるとともに、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で斜面の変位を監視するようにしたから、斜面の状態を精度よく把握できるばかりでなく、斜面の変位が大きい場合等の緊急事態に的確に対処することができるという効果がある。
【0040】
さらに、通常の場合には、予め設定された第1の時間間隔で測位(例えば、スタティック測位)を行うようにしたから、監視センターにおける負荷が低減できるばかりでなく、斜面等の観測地点における消費電力量を低減できるという効果もある。
【0041】
また、GPS基準局及びGPS局をネットワークによって監視センターに接続するようにしたから、複数の斜面について一括して監視センターで監視できるという効果がある。
【0042】
本発明では、降雨量データが示す降雨量が予め設定された降雨量閾値を越えるか又は自然災害が発生すると、斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、第1のGPS測位手法(スタティック測位)から第2の測位手法(RTK測位)に変更して、予め規定された第1の時間間隔で斜面変位データを求めるとともに、第2の時間間隔(リアルタイム)で斜面の変位を監視するようにしたから、斜面の状態を精度よく把握できるばかりでなく、大雨等の緊急事態に的確に対処することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による斜面監視システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す斜面監視システムにおける処理を説明するためのフロー図である。
【図3】図1に示す斜面監視システムで得られる観測データ及び処理済み変位データを示す図であり、(a)は南北方向を示す図、(b)は東西方向を示す図、(c)は鉛直方向を示す図である。
【符号の説明】
11−1〜11−N 斜面監視装置
11a〜11c GPS受信機
11d 通信集約機
11e 無線集約機
12 監視センター
12a コンピュータシステム
13 有線通信回線
16 無線中継機
21 雨量計

Claims (5)

  1. 斜面の状態を監視する際に用いられ、
    前記斜面外の位置に配置され、GPS衛星からの電波を受けて該電波を基準GPSデータとして出力するGPS基準局と、
    前記斜面内の位置に配置され、前記GPS衛星からの電波を受けて該電波をGPSデータとして出力する少なくとも一つのGPS局と、
    前記基準GPSデータ及び前記GPSデータによってそれぞれ求められる前記GPS基準局の位置を示す基準点位置情報及び前記GPS局の位置を示す位置情報に基づいて前記斜面の変位を求めて、斜面変位データとする監視センターとを有し、
    前記監視センターは、予め規定された第1の時間間隔毎に第1のGPS測位手法に応じて前記斜面変位データを生成しており、前記斜面変位データが示す斜面変位が予め設定された変位閾値を越えると、前記第1のGPS測位手法から、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔による第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視するようにしたことを特徴とする斜面監視システム。
  2. 前記第1のGPS測位手法は、スタティック測位手法であり、前記第2のGPS測位手法は、RTK測位手法であることを特徴とする請求項1に記載の斜面監視システム。
  3. 前記GPS基準局及び前記GPS局はネットワークによって、前記監視センターに接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の斜面監視システム。
  4. 前記監視センターは、前記斜面又は前記斜面付近の降雨量を示す降雨量データを受けており、
    該降雨量データが示す降雨量が予め設定された降雨量閾値を越えると、前記監視センターは、前記斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、前記第1のGPS測位手法から前記第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の斜面監視システム。
  5. 前記監視センターには、自然災害が発生したことを示す自然災害発生情報が与えられており、
    前記自然災害発生情報を受けると、前記監視センターは、前記斜面変位データが示す斜面変位に関係なく、前記第1のGPS測位手法から前記第2のGPS測位手法に変更して、前記第1の時間間隔で前記斜面変位データを求めるとともに、前記第2の時間間隔で前記斜面の変位を監視するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の斜面監視システム。
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