JP4141228B2 - 斜面監視システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面等の斜面の状態をGPS観測値に基づいて監視するための斜面監視システムに関し、特に、各種外的要因(例えば、気象条件、電離層の影響、及びGPS衛星の周期等)によってGPS観測値に生じる周期的変動を除去して精度よく斜面の状態を監視することのできる斜面監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、法面等の斜面、特に、不安定要素がある大規模な斜面では崩落の危険が常に付きまとう関係上、斜面を適切に維持管理する必要があり、斜面の維持管理においては、各種の保護工及び対策工が施されている。しかしながら、斜面を維持管理する際において、地山の風化、植生の遷移、及び保護工や対策工の老朽化等の要因がどのように斜面崩落にかかわっているか未だに不明な点が多い。このため、斜面の状態を常に監視して、事前に斜面崩落を予測することが行われている。
【0003】
ところで、従来、GPSを用いて斜面の変位を計測する手法が知られており(以下GPS斜面計測と呼ぶ)、このようなGPS斜面計測では、例えば、斜面上に離間して配置された基準点と観測点との間の相対的変位を計測して、斜面変位を計測するようにしている。例えば、基準点及び観測点の各々にGPS受信機を配置して、各GPS受信機で受信した受信信号(GPS信号)を無線回線を介して、斜面から離れた現場事務所に送信し、現場事務所に設けられた解析装置でGPS信号に基づいて基準点及び観測点の位置座標と相対的位置の変位を算出するようにしている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−280978号公報(2ページ〜3ページ、第2図)
【0005】
上述のように、斜面の状態をGPS等を用いて、基準点と観測点との相対的位置の変位を計測して、その計測データ(観測データ)から斜面の状態を知ろうとする際には、微小な変位をも検出する必要がある関係上、観測データ自体の評価が極めて難しく、しかも天候等の外的要因(例えば、気象条件、電離層の影響、及びGPS衛星の周期等)によって観測データに周期的変動等のばらつきが発生することを考慮すると、専門的な知識を有しなければ、観測データから基準点と観測点との相対的位置の変位を精度よく求めることは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載されたGPS斜面計測においては、単に、基準点及び観測点にGPS受信機を配置して、GPS衛星からの電波(GPS電波)に応じて、基準点と観測点との相対的位置を算出しているだけであって、上述したような外的要因について、何等考慮しておらず、斜面の変位が微小であることを考慮すると、斜面変位の傾向を的確に把握することが難しいという課題がある。
【0007】
この結果、特許文献1に記載されたGPS斜面計測では、精度よく斜面の状態を監視できないという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、各種外的要因によってGPS観測値に生じる周期的変動を除去して精度よく斜面の状態を監視することのできる斜面監視システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、斜面の状態を監視する際に用いられ、前記斜面外の位置に配置され、GPS衛星からの電波を受けて該電波を基準GPSデータとして出力するGPS基準局と、前記斜面内の位置に配置され、前記GPS衛星からの電波を受けて該電波をGPSデータとして出力する少なくとも一つのGPS局と、前記基準GPSデータ及び前記GPSによってそれぞれ求められる前記GPS基準局の位置を示す基準点位置情報及び前記GPS局の位置を示す位置情報に基づいて前記斜面の変位を求めて、前記斜面の変位点からなる変位点列を得て、該変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、前記斜面変位の状態を連続的に示すトレンドラインを生成する監視センターとを有し、前記監視センターは、前記トレンドラインに周期的変動が存在すると、前記周期的変動の周期に応じた期間の移動平均値を求めて、該移動平均値から前記変位点列の標準偏差以上離れた前記変位点を除外して、残りの変位点列を前記フィルタ処理及び前記平滑化処理して、前記トレンドラインを得るようにしたことを特徴とする斜面監視システムが得られる。
【0010】
このようにして、斜面外に配置されたGPS基準局の基準点位置情報と斜面内に配置された他のGPS局の位置情報に基づいて斜面の変位を求めて、斜面の変位点からなる変位点列を得て、変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、斜面変位の状態を連続的に示すトレンドラインを生成する際、トレンドラインに周期的変動が存在すると、周期的変動の周期に応じた期間の移動平均値を求めて、移動平均値から変位点列の標準偏差以上離れた変位点を除外して、残りの変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、トレンドラインを得るようにすれば、各種外的要因によってGPS観測値に生じる周期的変動が除去される結果、トレンドラインによって斜面の変位状態を精度よく表すことができることになる。
【0011】
ここでは、前記監視センターは、前記トレンドラインに周期的変動が存在すると、前記変位点列を周波数解析して、周期と変動との関係を規定する周波数特性を得て、該周波数特性で予め規定された閾値を越える変動がある周期を変動周期として求めて該変動周期に応じて前記期間を設定しており、例えば、前記期間は(6×n(nは1以上の整数))時間単に設定され、前記変動周期のうち最も周期の長い変動周期に近い(6×n)時間単位の期間を設定する。
【0012】
なお、前記GPS基準局、及び前記GPS局はネットワークによって前記監視センターに接続されている。このように、GPS基準局及びGPS局をネットワークによって監視センターに接続するようにすれば、複数の斜面について一括して監視センターで監視できることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、その形状及び寸法等は特に限定的な記載がない限りは、これに限定するものではない。
【0014】
図1を参照して、まず、図示の斜面監視システムは、複数の斜面監視装置11−1〜11−N(Nは2以上の整数)を備えており、これら斜面監視装置11−1〜11−Nは、例えば、監視センター12に、光ケーブル通信回線等の有線通信回線13を介して接続されている。斜面監視装置11−1〜11−Nは互いに異なる斜面に配置され、それぞれ斜面の状態をリアルタイムで監視計測して時系列計測データ(観測データ:GPSデータ)を監視センター12に送る。ここでは、斜面監視装置11−1〜11−Nが送出する時系列計測データを、それぞれ第1〜第Nの時系列計測データと呼ぶことにする。
【0015】
監視センター12にはコンピュータシステム12a、表示装置等の出力装置(モニター)12b、入力装置(キーボード等)12c、及びデータベース12dが備えられており、後述するようにして、監視センター12では、コンピュータシステム12aによって、各斜面監視装置11−1〜11−Nから得られた第1〜第Nの時系列計測データに応じて斜面毎に後述するようにして斜面変位データを生成する。なお、監視センター12は、斜面監視装置11−1〜11−Nから離れた地点に配置されており、遠隔的に時系列計測データを収集する。
【0016】
斜面監視装置(GPS計測装置)11−n(nは1からNまでのいずれかの数)は、少なくとも2つのGPS(Global Positioning System)受信機(計測装置)を有しており、図示の例では、GPS受信機11a〜11cを有している。この内の一つ、例えば、GPS受信機11aは基準点受信機(GPS基準局)として、斜面以外の地点に配置されている。つまり、基準点受信機11aは斜面から離れて安定した地面に配置されている。
【0017】
一方、他のGPS受信機11b及び11cは斜面上に配置されている(斜面上には少なくとも一つのGPS受信機が配置される)。そして、GPS受信機11a〜11cはGPS衛星からの電波(GPS電波)を受信してリアルタイムにGPSデータを時系列計測データ(観測データ)として出力する。これらGPS受信機11a〜11cは、通信装置として用いられる通信集約機11d又は無線集約機11eに接続されており、通信集約機11dは有線通信回線13に接続されている。そして、通信集約機11dは各観測データを有線通信回線13を介して監視センター12に送る。
【0018】
無線集約機11eは、各観測データを、無線回線を介して無線中継機16に送る。図1には無線中継機16が一つ示されているが、実際には複数の無線中継機16が配置されており、無線中継機16毎に通信エリアが規定され、無線中継機16は自己の通信エリア内に位置する無線集約機11eから観測データを受けることになる。無線中継機16は前述の有線通信回線13に接続されており、無線中継機16から監視センター12に斜面毎の観測データが送られることになる。
【0019】
なお、各観測データにはGPS受信機を識別するための情報(GPS受信機識別情報)が付加されている。
【0020】
前述のようにして得られた観測データ(GPSデータ)は、各GPS受信機の位置情報を、時間を追って3次元的に表しており、いま、基準点受信機(GPS基準局)11aの位置情報を基準点位置情報とすると、この基準点位置情報と他のGPS受信機から得られた位置情報(以下他の位置情報と呼ぶ)とに基づいて斜面の変位を時系列的にしかも3次元的に得ることができる。
【0021】
図2も参照して、監視センター12(つまり、コンピュータシステム12a)では、前述のようにして得られた観測データ(基準点位置情報及び他の位置情報)に基づいて、斜面の変位データ(斜面変位データ)を得る。いま、GPS受信機11a〜11cによって予め定められた時間間隔でその位置計測を行っているものとし、各GPS受信機11a〜11cからは、それぞれ基準点位置情報及び他の位置情報が、観測データとして、前述のようにして、コンピュータシステム11aに与えられる(ステップS1)。
【0022】
基準点位置情報及び他の位置情報に応じて、コンピュータシステム12aでは、予め定められた時間間隔毎に斜面変位データを求める(ステップS2)。この斜面変位データは横軸を時間、縦軸を変位として示されることになる。斜面変位データは、例えば、南北方向、東西方向、及び鉛直方向の変位点列として表される。
【0023】
ここで、監視センター12(つまり、コンピュータシステム12a)では、斜面の変位状態の経時的変化を連続的に示すトレンドラインを生成するため、斜面変位データに対してフィルタ処理及び平滑化処理を行って(ステップS3)、処理済み変位データを生成し、この処理済み変位データに応じてモニター12b上にトレンドラインを表示するとともに、上述の変位点列を表示する(ステップS4)。
【0024】
ここで、フィルタ処理及び平滑化処理について説明すると、ここでは、カルマンフィルタのアルゴリズムによって、状態ベクトルxを推定する方法で、システムノイズの分散τ及び観測ノイズの分散σ、そして、次数kを推定して、xを離散的に求めて、対数尤度及びAICを用いて最適なxを推定する。
【0025】
つまり、状態空間モデルを、x=Fn−1+Gν,y=H+wとする。ここで、x:直接観測できない状態ベクトル(確率システムモデル)、ν:システムノイズ(平均0,分散共分散行列Q)、y:観測データ(観測モデル)、w:観測ノイズ(平均0,分散共分散行列R)であり、F,G,Hはそれぞれガウス・マルコフ過程で定義された推移行列である。そして、この状態空間モデルを、確率差分方程式とする。H=tとすると、y=t+w(観測モデル),Δkt=ν(k=1の場合、Δt=t−tn−1=ν,Δktはk階の差分方程式)となる。
【0026】
そして、カルマンフィルタによって、一期先予測(第1のステップ)、フィルタ(第2のステップ)、平滑化(第3のステップ)を一連の流れとして計算して、観測値y={y,y,…,y}が与えられた下の状態x={x,x,…,x}を求める。
【0027】
このようにして、フィルタ処理及び平滑化処理を行った後、この処理済み変位データは前述の変位データとともにデータベース12dに格納されるとともに、モニター12b上に表示される。例えば、図3(a)〜(c)に示すように、モニター12b上には、変位データ(変位点列:図中点で示されている)とともにトレンドライン(図中線分で示されている)が表示される。なお、図3(a)は南北方向の変位点列及びトレンドラインを示し、図3(b)は東西方向の変位点列及びトレンドラインを示す。また、図3(c)は鉛直方向の変位点列及びトレンドラインを示す。
【0028】
ところで、前述のように、観測データには、不可避的に天候等の外的要因(例えば、気象条件、電離層の影響、及びGPS衛星の周期等)によって周期的変動等のばらつきが発生する関係上、上述の斜面変位データにも、周期的変動が生じることになり、このような周期的変動を含む斜面変位データに応じて、前述したようにして、経時的な斜面の変位状態を示すトレンドラインを求めようとすると、トレンドラインが斜面変位データの周期的変動に追従してしまい、経時的な斜面の変位状態を精度よく把握することができない。
【0029】
図3に示す例では、南北方向の斜面変位データ(変位点列:図3(a))に応じて生成されたトレンドライン(以下南北方向トレンドラインと呼ぶ)が変位点列の周期的変動に追従して変動しており、図3(a)に示す南北トレンドラインから南北方向の斜面変位状態を経時的に把握することは難しい。
【0030】
そこで、図3(a)に示す南北方向の変位点列を周波数解析(FFT)したところ、図4に示す結果が得られた。図4に示す周波数特性から容易に分かるように、24時間(1日)周期の変動が最も多く、次いで、100時間周期、67時間周期が多い。一方、図3(a)を見ると、南北方向トレンドラインには24時間周期の変動が見られる。つまり、南北方向トレンドラインは、南北方向の変位点列の24時間周期変動に最も追従していることになる。
【0031】
ここでは、コンピュータシステム12aは、上述のような周期的変動を除去するため、次の処理を行う。まず、コンピュータシステム12aでは、南北方向、東西方向、及び鉛直方向のトレンドラインについて周期的変動が存在するか否かを調べる(ステップS5)。なお、周期的変動を調べる際には、トレンドラインが予め設定された周期以下で変動しているか否かを調べることになる。
【0032】
そして、周期的変動が存在すると認められたトレンドラインに対応する変位点列について、コンピュータシステム12aは、周波数解析(FFT)を行って、周期と変動との関係を規定する周波数特性を得る(ステップS6)。次に、コンピュータシステム12aでは、この周波数特性に、予め設定された閾値を越える周期変動があるか否かを調べて(ステップS7)、予め設定された閾値を越える周期変動があると、予め設定された閾値を越える周期変動に対応する周期(時間)に基づいて移動平均算出期間(時間)を設定する(ステップS8)。
【0033】
例えば、図3に示す例では、南北方向のトレンドライン(図3(a))に周期的変動が認められるから、コンピュータシステム12aでは、南北方向の変位点列について周波数解析を行って、図4に示す周波数特性を得る。そして、予め設定された閾値を越える周波数変動に応じた周期(ここでは、24時間、67時間、100時間)に基づいて移動平均算出時間を設定する(ここでは、例えば、移動平均算出時間として96時間が設定される)。
【0034】
なお、移動平均算出時間を設定する際には、(6×n(nは1以上の整数))時間、例えば、n=4の24時間(1日)単位で設定し、最も大きい周期に近い時間(一日単位)が移動平均算出時間とされる。ここでは、最も大きい周期は100時間であり、この100時間に近い24時間単位の時間は、96時間であるから、移動平均算出時間として96時間が設定されることになる。
【0035】
そして、コンピュータシステム12aでは、移動平均算出期間中の変位点列の移動平均を算出し、この移動平均値から標準偏差σ以上離れた変位点があるか否かを調べる(ステップS9)。ステップS8において、移動平均値から標準偏差σ以上離れた変位点があると、コンピュータシステム12aは当該変位点を除外する(ステップS10)。
【0036】
このようにして、図示の例では、南北方向の変位点列について、移動平均値から標準偏差σ以上離れた変位点を除外して、南北方向の変位点列について、再び上述したフィルタ処理及び平滑化処理を行う。つまり、ステップS3を行う。そして、コンピュータシステム12aでは、南北方向について再度処理済み変位データを生成し、この処理済み変位データに応じてモニター12b上にトレンドラインを表示するとともに、上述の変位点列を表示する。
【0037】
このようにして、観測データを除外して得られたトレンドライン(南北方向トレンドライン)には、図5に示すように、周期的変動が存在せず、南北方向における斜面の変位状態を的確に把握できることが分かる。
【0038】
上述のようにして、南北方向、東西方向、及び鉛直方向について、トレンドラインを求めた後、トレンドラインが予め規定された変位を越える斜面の変位を示していると、つまり、コンピュータシステム12aが斜面変位ありと判定すると(ステップS11)、監視センター12は、例えば、斜面に危険性があると警報を発することになる(ステップS12)。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、斜面外に配置されたGPS基準局の基準点位置情報と斜面内に配置された他のGPS局の位置情報に基づいて斜面の変位を求めて、斜面の変位点からなる変位点列を得て、変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、斜面変位の状態を連続的に示すトレンドラインを生成する際、トレンドラインに周期的変動が存在すると、周期的変動の周期に応じた期間の移動平均値を求めて、移動平均値から変位点列の標準偏差以上離れた変位点を除外して、残りの変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、トレンドラインを得るようにしたから、各種外的要因によってGPS観測値に生じる周期的変動が除去される結果、トレンドラインによって斜面の変位状態を精度よく表すことができるという効果がある。
【0040】
本発明では、GPS基準局及びGPS局をネットワークによって監視センターに接続するようにしたから、複数の斜面について一括して監視センターで監視できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による斜面監視システムの一例を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す斜面監視システムにおける処理を説明するためのフロー図である。
【図3】 図1に示す斜面監視システムで得られる変位点列及び処理済み変位データ(トレンドライン)を示す図であり、(a)は南北方向を示す図、(b)は東西方向を示す図、(c)は鉛直方向を示す図である。
【図4】 図3(a)に示す変位点列を周波数解析した周波数特性を示す図である。
【図5】 図3(a)に示すトレンドラインの周期的変動を除いた状態を示す図である。
【符号の説明】
11−1〜11−N 斜面監視装置
11a〜11c GPS受信機
11d 通信集約機
11e 無線集約機
12 監視センター
12a コンピュータシステム
12b 出力装置(モニター)
12c 入力装置
12d データベース
13 有線通信回線
16 無線中継機

Claims (4)

  1. 斜面の状態を監視する際に用いられ、
    前記斜面外の位置に配置され、GPS衛星からの電波を受けて該電波を基準GPSデータとして出力するGPS基準局と、
    前記斜面内の位置に配置され、前記GPS衛星からの電波を受けて該電波をGPSデータとして出力する少なくとも一つのGPS局と、
    前記基準GPSデータ及び前記GPSデータによってそれぞれ求められる前記GPS基準局の位置を示す基準点位置情報及び前記GPS局の位置を示す位置情報に基づいて前記斜面の変位を求めて、前記斜面の変位点からなる変位点列を得て、該変位点列をフィルタ処理及び平滑化処理して、前記斜面変位の状態を連続的に示すトレンドラインを生成する監視センターとを有し、
    前記監視センターは、前記トレンドラインに周期的変動が存在すると、前記周期的変動の周期に応じた期間の移動平均値を求めて、該移動平均値から前記変位点列の標準偏差以上離れた前記変位点を除外して、残りの変位点列を前記フィルタ処理及び前記平滑化処理して、前記トレンドラインを得るようにしたことを特徴とする斜面監視システム。
  2. 前記監視センターは、前記トレンドラインに周期的変動が存在すると、前記変位点列を周波数解析して、周期と変動との関係を規定する周波数特性を得て、該周波数特性で予め規定された閾値を越える変動がある周期を変動周期として求めて該変動周期に応じて前記期間を設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の斜面監視システム。
  3. 前記期間は(6×n(nは1以上の整数))時間単に設定され、前記変動周期のうち最も周期の長い変動周期に近い前記(6×n)時間単位の期間を設定するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の斜面監視システム。
  4. 前記GPS基準局、及び前記GPS局はネットワークによって前記監視センターに接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の斜面監視システム。
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