JP2018058749A - 炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板及びその製造方法並びに炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板及びその製造方法並びに炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】昇華再結晶法によるSiC単結晶の製造において、マクロ欠陥の発生を抑制して、大口径のSiC単結晶を成長させることができる種結晶基板及びその製造方法の提供。
【解決手段】坩堝内に装填したSiC原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置したSiCからなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板1であって、炭化珪素単結晶を成長させる成長面に対して反対の種結晶基板の裏面が、機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層14を有する炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板。前記成長面は研磨加工による鏡面研磨面を有し、前記種結晶基板の裏面は、(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有する種結晶基板。
【選択図】図3

Description

本発明は、坩堝内に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板及びその製造方法、並びにこの種結晶基板を用いた炭化珪素単結晶の製造方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、優れた機械特性および半導体特性等を有することから、近年、大電力を制御するパワーデバイス製造用の基板用材料として大きな注目を集めている。SiC単結晶ウェハから作製されるSiCショットキーバリアダイオードやMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)をはじめとするSiCパワーデバイスにより、耐電圧を大きくできることに加えて、導通時のオン抵抗が小さくできるため、変換時の電力損失が少ない大電力制御用インバーターをはじめとする各種の電力制御装置が開発されている。
SiC単結晶ウェハを切り出すためのSiC単結晶は、目下のところ、改良レーリー法と称される昇華再結晶法(或いは、技術的には同義であるが単に昇華法とも呼ばれる)により製造されるのが一般的である(非特許文献1参照)。すなわち、坩堝本体と坩堝蓋体とからなる坩堝の坩堝蓋体にSiC単結晶からなる種結晶基板(以下、単に種結晶基板という場合がある)を取り付けると共に、坩堝本体にSiC粉末等からなるSiC原料を配置して、2000〜2400℃程度に加熱し、その際、SiC原料側を高温にし、種結晶基板側を低温にして成長方向に温度勾配を設けてSiC原料を昇華させることで、種結晶基板上にバルク状のSiC単結晶を成長させる。そして、略円柱状をしたバルク状のSiC単結晶(インゴット)を得た後、一般には、所定の厚さに切り出した上で(予め外形加工を行う場合や切り出した後に外形加工を行う場合もある)、研削加工や研磨加工を施してSiC単結晶ウェハを製造し、SiCデバイスの作製に供される。
近年、SiC単結晶の製造技術が大きく進捗し、SiC単結晶の結晶品質の改善が著しい。同時に、より大きなSiC単結晶が製造できるようになり、切り出されるウェハは、現時点では100mm口径ウェハ(4インチ口径ウェハとも称される)が主流となり、150mm口径ウェハ(同6インチ口径ウェハ)も市場に流通すると共に、それを超えるウェハの製造が可能な、高品質大口径SiC単結晶の開発が進められている。このようなSiC単結晶ウェハの大口径化は、デバイス製造の生産効率化に直接寄与でき、SiCパワーデバイスの普及に大きく貢献すると考えられる。
SiC単結晶の大口径化を進めることと並行して、大きな耐電圧特性やデバイス長期動作信頼性に優れるSiCパワーデバイスを製造するためには、既に小口径SiC単結晶で実現されている結晶品質を維持すること、すなわち、例えば転位欠陥密度を十分に小さくすることが必要不可欠である。例えば、SiC単結晶ウェハの場合、特徴的な欠陥の一つとして、マイクロパイプ欠陥が挙げられる。マイクロパイプ欠陥とは、バーガースベクトルが大きな貫通らせん転位の転位芯部分に微細な穴が形成されたものであるが、マイクロパイプ欠陥が存在すると、高い逆電圧を印加する際に電流リークの原因となるため、パワーデバイスの高耐圧特性が著しく劣化してしまう。従って、100mm口径以上の大口径ウェハにおいても、マイクロパイプ欠陥密度をできる限り低減化することがパワーデバイスとして応用する上で重要となっている。
マイクロパイプ欠陥の発生原因の一つとしては、異種ポリタイプの発生が挙げられるため、異種ポリタイプ発生を極力抑制可能な大口径SiC単結晶を成長させて、インゴットを安定的に製造できる方法の確立が必須である(非特許文献2参照)。このような異種ポリタイプの発生を防ぐためには、成長時の単結晶表面形状が概略凸形状になるように成長時の温度分布を整えることが有効であり(非特許文献3参照)、これを実現するために坩堝構造等のホットゾーン最適化が重要となる。
また他方で、マイクロパイプ欠陥以外にも、デバイス特性に重大な影響を与える結晶欠陥として亜粒界、或いは小傾角粒界のようなマクロ欠陥が挙げられる。なかでも、結晶成長方向に線状に伸長したボイド状のマクロ欠陥は、成長結晶をウェハ状に加工した際に、ウェハを厚さ方向に貫通する中空欠陥となるため、デバイスを作製するための薄膜をこの中空欠陥上にエピタキシャル成長させることが困難となり、このようにして作製したデバイスの特性劣化は避けられない。
そこで、マクロ欠陥の発生を抑制するために、例えば、昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させる際に用いる坩堝内の結晶成長空間にガイド部材を設けて、坩堝内に備え付けられた種結晶基板の外周端部(ベベル部)を覆い隠すことで、種結晶基板の外周端部から成長結晶に伸展するマクロ欠陥の発生をガイド部材で抑止する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、種結晶基板をSiC単結晶インゴットから製造する際に、インゴット外周面に加工を施さずに種結晶基板を得るようにして、外周端部にダメージ層が導入されていない種結晶基板を用いて、SiC単結晶の成長の際にダメージ層に起因する欠陥の発生を抑制する方法も提案されている(特許文献2参照)。
一方、種結晶基板が装着される坩堝の蓋体表面と種結晶基板の裏面とをそれぞれ表面粗さRaが5μm以下に平坦化処理して、互いの接触面を鏡面に仕上げることや(特許文献3参照)、種結晶基板の裏面と坩堝蓋体の表面を互いに研磨面として仕上げた上で、耐熱性を備えた接着剤により種結晶基板を坩堝の蓋体表面に固定する方法が提案されている(特許文献4参照)。
これらの技術は、種結晶基板と坩堝蓋体との接触が不均一であると、接触が不十分な領域では、成長結晶から坩堝蓋体への抜熱が不十分となり、結果として種結晶基板の近傍の成長結晶に大きな温度勾配が生じてしまい、種結晶基板の裏面からのSiC単結晶の分解や昇華現象が促されて、種結晶基板を通じて成長結晶側にマクロ欠陥が発生して伸長したり、不均一な接触により種結晶基板と坩堝蓋体との間に空隙が形成されると、この空隙へ、或いは空隙を通じて更に系外へ昇華ガスが抜け易くなり、やはりこの空隙に接する部分の種結晶基板の分解・昇華が促進されて、成長結晶側にマクロ欠陥が発生するのを防ぐためである。
特開2011-184,208号公報 特開2015-137,217号公報 特許第4,523,733号公報 特許第4,224,755号公報
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, vol.52 (1981) pp.146 N. Ohtani, M. Katsuno, T. Fujimoto, T. Aigo, and H. Tashiro: J. Cryst. Growth 226 (2001) p.254 E. Tymicki, K. Grasza, R. Diduszko, R. Bozek, and M. Gala: Cryst. Res. Technol., 42 (2007) p.1232
近年、昇華法によるSiC単結晶の成長技術開発が進捗し、現在市場の主流は4インチ(100mm)口径ウェハとなっているが、口径が4インチを超え、6インチ以上に達する更に大口径のウェハを得るためのSiC単結晶インゴットの製造開発が進められている。
そのため、パワーデバイスの製造効率改善を意図した単結晶の口径拡大を実際として実現するためには、SiC単結晶の口径増大に伴って、マイクロパイプ欠陥の発生抑制と共に、亜粒界等のマクロ欠陥を発生させない大口径単結晶成長条件を実現する必要がある。すなわち、4インチ口径ウェハやこれを超える大口径SiC単結晶ウェハにおいても、それらから作製されるSiCパワーデバイスが良好な特性を実現できるように、SiC単結晶の結晶品質を高められるようにすることが極めて重要である。ところが、従来の製造条件をそのまま適用しても、2インチ口径ウェハ等を得るための小口径SiC単結晶で実現されている結晶品質を確保するのは難しい。
この原因を究明すべく、本発明者らが詳細な検討を重ねたところ、4インチ口径ウェハやそれ以上の口径のウェハを得るためのSiC単結晶を昇華再結晶法により成長させる場合には、種結晶基板の熱分解、特に種結晶基板の外側周辺部(外周部)の熱分解が頻発することが明らかとなり、これが原因となって成長する単結晶内に亜粒界等のマクロ欠陥を発生させ、従来の小口径SiC単結晶の成長で得られているような高い結晶品質を有するSiC単結晶が歩留まり良く得られない理由のひとつであることが分かった。この熱分解現象の発生リスクを下げるために、例えば、種結晶基板の厚みを一定以上確保しようとすると、種結晶基板の切り出し厚みが大きくなって、製造コストの増大に直結してしまうという問題がある。
そこで、昇華再結晶法で用いる種結晶基板について、従来の常識とは異なり、種結晶基板の裏面が研磨加工による鏡面研磨面ではなく、機械加工が施され、加工変質層を有する非鏡面加工面の状態にして結晶成長を実施したところ、驚くべきことには、種結晶基板の外周部での熱分解を防ぐことができ、しかも、種結晶基板の厚みを従来より薄くしても熱分解を起こさず、マクロ欠陥の発生が抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、昇華再結晶法によるSiC単結晶の製造において、マクロ欠陥の発生を抑制して、大口径のSiC単結晶を成長させることができる種結晶基板を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記種結晶基板の製造方法を提供することにある。
更に本発明の別の目的は、上記の種結晶基板を用いてマクロ欠陥の発生を抑制しながら、大口径のSiC単結晶を成長させることができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)坩堝内に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板であって、炭化珪素単結晶を成長させる成長面に対して反対の種結晶基板の裏面が、機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有することを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板。
(2)前記加工変質層の表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下である(1)に記載の種結晶基板。
(3)前記成長面は研磨加工による鏡面研磨面を有する(1)又は(2)に記載の種結晶基板。
(4)前記鏡面研磨面の表面粗さRaが0.0001μm以上5μm以下である(3)に記載の種結晶基板。
(5)前記種結晶基板の裏面は、(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有する(1)〜(4)のいずれかに記載の種結晶基板。
(6)4インチ口径以上のウェハ製造用の炭化珪素単結晶を成長させるのに用いられる(1)〜(5)のいずれかに記載の種結晶基板。
(7)坩堝内に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板の製造方法であって、炭化珪素単結晶インゴットから炭化珪素板状体を所定の厚みで切り出した後、炭化珪素単結晶を成長させる成長面側は研磨加工により鏡面研磨面とすると共に、成長面と反対側の裏面は、機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有するようにすることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板の製造方法。
(8)前記機械加工は、♯1000以上♯8000以下の粒度を有する砥石又は砥粒を用いて行う(7)に記載の種結晶基板の製造方法。
(9)前記機械加工が研削加工である(7)又は(8)に記載の種結晶基板の製造方法。
(10)前記炭化珪素板状体は、少なくとも種結晶基板の裏面が(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有するように切り出される(7)〜(9)のいずれかに記載の種結晶基板の製造方法。
(11)坩堝本体と坩堝蓋体とからなる坩堝の坩堝本体側に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝蓋体側に配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、種結晶基板が、炭化珪素単結晶を成長させる成長面側は研磨加工により形成された鏡面研磨面を有し、それとは反対側は機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有して、該加工変質層を坩堝蓋体に接触させるようにして種結晶基板を配置し、炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
(12)前記加工変質層の表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下である(11)に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
本発明の種結晶基板によれば、昇華再結晶法によりSiC単結晶を製造する際に、その種結晶基板の外周部周辺等での熱分解を防ぐことができ、マクロ欠陥の発生が抑制されて、高品質な大口径SiC単結晶を成長させることができるようになる。そのため、現在主流である4インチ口径ウェハをはじめ、6インチ口径ウェハのような大口径ウェハを歩留まり良く製造することができ、SiCデバイスの生産効率を高めて、SiCデバイスの更なる普及に貢献できる。更には、本発明によれば、種結晶基板の外周部周辺等での熱分解を防ぐことができることから、特に厚い種結晶基板を使用する必要がなく、むしろ従来より薄い種結晶基板を用いることも可能であることから、製造コストの低減を図ることができる。
図1(a)は、種結晶基板の外周部でSiC単結晶が熱分解する様子を説明した模式図であり、図1(b)は、そのような種結晶基板にSiC単結晶を成長させた様子を説明した模式図である。 図2は、種結晶基板の裏面における加工変質層を示した透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図3は、種結晶基板の裏面である機械加工面における加工変質層の様子を説明した模式図である。 図4は、SiC単結晶の成長に使用した単結晶成長装置を説明する模式図である。 図5は、種結晶基板を坩堝の蓋体に取り付ける様子を説明する模式図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明における種結晶基板は、昇華再結晶法においてSiC単結晶を成長させる成長面と反対側である種結晶基板の裏面が、研磨加工による鏡面研磨面ではなく、機械加工が施されて形成された加工変質層を有するものである。
従来、種結晶基板を得るにあたっては、一般に、事前に製造したSiC単結晶インゴットの外周側面を円筒研削等により外形加工し、マルチ(多重)ワイヤーソーやダイヤモンドブレード等を用いた切断加工により所定の厚みのSiC板状体に切り出す(外形加工が後になる場合もある)。次いで、平面研削盤等を用いた研削加工によりSiC板状体の切り出し面を平坦化した後、研磨装置を用いた研磨加工により、平坦化したSiC板状体の切り出し面を片面ずつ又は両面同時に研磨(ラッピング処理)する。その際、砥粒の粒径を段階的に小さくしながら研磨して、種結晶基板の表裏両面がいずれも鏡面研磨面を有するようにする。また、場合によっては、コロイダルシリカ等の極微細懸濁粒子を含むスラリーを使用した化学機械研磨(CMP)を施して仕上げることもある。
このように、種結晶基板は、通常、表裏両面共に研磨加工による鏡面研磨面を有するようにして、これにより、先の切断や研削加工で形成された加工変質層を取り除くと共に、特許文献3や特許文献4に記載されるように、種結晶基板と坩堝蓋体との接触をより均一にして、成長結晶に欠陥が発生したり、伸長したりするのを防ぐようにする。
ところで、種結晶基板を用いた昇華再結晶法によるSiC単結晶の成長では、上述したように、高い結晶品質を実現するための成長条件の一つとして、成長時の単結晶インゴットの表面形状を成長方向に略凸状となるようにすることが必要である(非特許文献3参照)。一般に、結晶のc軸方向に対して略平行に結晶成長を行う際には、SiC単結晶は貫通らせん転位から繰り出される渦巻き状ステップの進展による。そのため、SiC単結晶の成長を略凸状にすることにより、成長表面上のステップ供給源が実質的にその頂部1箇所となり、ポリタイプ安定性を向上することが可能になると考えられる。仮に、成長表面が凹面、或いは複数の頂部を有する場合には、成長ステップの供給源が複数箇所となり、これによってそれぞれの供給源から繰り出される異なるステップのぶつかり合う部分が生じてしまう。そして、このぶつかり合う部分から転位等の欠陥が発生する場合があるばかりでなく、例えば4H型ポリタイプの場合には、特有のc軸方向の原子積層状態が乱れやすくなるため、6H型や15R型等のような積層構造が異なる異種ポリタイプが発生して、マイクロパイプ欠陥が形成される。
そのため、いわゆるシングルポリタイプ結晶を成長させるためには、成長結晶の成長表面形状を概略凸状とすることが重要となる。具体的には、成長結晶の中心部の温度を成長速度等の観点で最適化しつつ、かつ成長時の温度分布、すなわち等温線形状を制御して略凸状になるようにすることで成長結晶の凸形状が実現される。このような、略凸状の等温線が実現されている成長条件下で成長するSiC単結晶インゴットは、概ね等温線に沿う成長面が形成することで、ポリタイプ安定性が確保されるようになる。
しかしながら、成長結晶の口径(すなわち直径)を大型化する場合、成長結晶の中心部の温度を成長速度等の観点で従来の単結晶成長と同等に最適化しつつ、成長時の温度勾配を制御して成長結晶の成長表面形状が成長方向に略凸状になるようにすると(結晶成長表面の中心部近傍の温度を従来と同等の最適温度に維持しようとすると)、必然的に種結晶基板の外周側が小口径結晶成長の場合と比較して温度が高くなってしまう。その結果、種結晶基板の外周部では、それ自体のSiC単結晶が熱分解し易くなる。
その結果、本来であればSiC原料から昇華したガスが種結晶基板の成長面で反応して結晶化するものが、加熱条件の意図しない擾乱等により、種結晶基板が成長に適した温度からやや高温状態になると、初期の昇華ガスとの反応によって逆に分解やエッチングが生じてしまう。ちなみに、SiC原料を加熱して発生する昇華ガスは、温度が低いと相対的にSi過剰なガスとなることが知られており、成長初期にはこのようなSi過剰なガスが種結晶基板の表面に輸送されやすい。その際、種結晶基板が比較的低温であれば、エッチング作用は起きないが、種結晶基板が高温状態であると、分解やエッチングが進行してしまうと考えられる。なお、このようなエッチングについて、種結晶基板の成長表面から見てC過剰なガスであれば成長機構となり、Si過剰なガスであればエッチング機構となることの報告がある(ECS Journal of Solid State Science and Technology, 2 (8) N3018-N3021 (2013).)。
そのため、図1(a)に示したように、結晶成長の極初期において、SiC原料側から発生する昇華ガスが十分に種結晶基板1に到達するまでの時間帯に種結晶基板の外周部でSiC単結晶の熱分解11が発生し、場合によっては種結晶基板が部分的に消失することもある。このような場合、引き続く成長過程で昇華ガスの供給が確保され、結晶成長が種結晶基板1の全面に亘って開始されたとしても、図1(b)のように、熱分解が発生した外周部では下地層としての種結晶基板1が部分的に消失しているために正常な単結晶が成長できず、亜粒界等のマクロ欠陥13が発生し、良好な大口径のSiC単結晶12を得るのが難しい。なお、このような種結晶基板の熱分解を回避するために、成長時の等温線の形状を平坦化(すなわち成長方向に対して垂直方向に平坦化)しようとすると、特に成長結晶の中央付近の領域で成長端形状を凸状に維持することができず、ポリタイプが不安定化して、かえって結晶品質が劣化してしまう。
また、このような問題に対して、熱分解が起きたとしても種結晶基板が十分厚い状態であれば、部分的に消失する前に結晶成長へ移行させることが可能となるため、通常、十分な厚みを有するように種結晶基板を準備して結晶成長に利用することが行われる。結晶成長のホットゾーンにもよるが、熱分解による結晶品質劣化のリスクを回避する観点で、例えば、4インチ口径ウェハを製造する場合では2.0mm程度以上、6インチ口径ウェハを製造する場合では3.0mm程度以上の厚みで種結晶基板を加工準備することが望ましい。しかしながら、厚みの大きな種結晶基板を使用することは、インゴットから切出すことのできる種結晶基板の枚数が減少することとなり、製造コストの増大に直結してしまう。
このような種結晶基板の外周部での熱分解を防ぐために、本発明者らは、従来のように種結晶基板の裏面を研磨加工による鏡面研磨面とするのではなく、機械加工を施して、所定の厚みで加工変質層を有する非鏡面加工面としたところ、驚くべきことに、種結晶基板の外周部での熱分解を防ぐことができ、マクロ欠陥の発生が抑制できることが分かった。この理由については現時点で定かではないが、種結晶基板の裏面を機械加工による非鏡面加工面とすることで、通常の研磨加工による鏡面仕上げとした場合と比べて、輻射率が増すなどの要因で、裏面での放熱が促進されて、種結晶基板が高温熱分解するのを防ぐことができると推測される。すなわち、機械的な非鏡面加工により形成された加工変質層の存在により、種結晶基板の裏面の透過性が下がり、高温側の原料部から種結晶基板を通して坩堝蓋体の下面(種結晶基板との接触面)に到達する輻射光が遮断されて、坩堝蓋体の下面(種結晶基板との接触面)における発熱温度が低下することが一因として考えられる。或いは、このように機械的な非鏡面加工によって単純に輻射率が増加した可能性に加えて、非鏡面に加工したことにより結晶成長の初期に種結晶基板裏面の炭化が促進されて黒色化したことで、裏面の輻射率が増大し、相対的に種結晶基板の裏面からの放熱が大きくなって、熱分解エッチング反応が抑止されるようになった可能性も考えられる。
このように本発明の種結晶基板は、裏面側の機械的な非鏡面加工により形成された加工変質層をある程度の厚みで(均一に)備えていることにより、成長初期の種結晶基板の裏面からの輻射放熱を増大させて熱分解を有意に抑止することができる。この加工変質層の厚さは0.05μm以上2μm以下であり、好ましくは0.1μm以上1.5μm以下である。加工変質層の厚みが0.05μm未満であると上記のような効果を発現するのが難しくなり、反対に2μmを超えても効果が飽和すると共に、裏面側全面からボイド欠陥が伸展する要因となる場合がある。
このような加工変質層は、種結晶基板の断面を電子顕微鏡(SEM、TEM等)で観察して、周辺領域とのコントラストから確認することができる。図2は、種結晶基板の裏面における加工変質層を示した透過型電子顕微鏡(TEM)写真であり、図の中央で斜めに写る濃い部分が加工変質層である。また、図3は、非鏡面加工面である機械加工面を断面で見た加工変質層の様子を模式的に示したものである。加工変質層14の境界は必ずしも直線状にならない場合があるが、加工変質層14の厚みを規定した先の数値範囲は、局所的に深く導入された山型部分の最大厚み14bではなく、裏面に略平行に形成された層状部の厚み14aとする。
本発明の種結晶基板を製造するにあたっては特に制限はなく、SiC単結晶インゴットから所定の厚みのSiC板状体を切り出した後、SiC単結晶を成長させる成長面側は研磨加工により鏡面研磨面とし、成長面と反対側の裏面は機械的な加工により加工変質層を有する非鏡面加工面とすればよく、例えば、従来の方法と同様に、SiC単結晶インゴットの外形加工、切断加工、研削加工、及び研磨加工を行い、表裏両面が鏡面研磨面を有するようにしてから、裏面側を再度研削加工して加工変質層を有する非鏡面加工面を形成したり、裏面側の研磨加工を行わず、或いは、砥粒の粒径を段階的に小さくしながら研磨していく研磨加工の途中の段階で研磨を終了して裏面側を非鏡面加工面のままとして、成長面側のみ鏡面研磨面として仕上げるようにしてもよい。
ここで、種結晶基板の裏面を形成する機械的な非鏡面加工については、好ましくは♯1000以上♯8000以下、より好ましくは♯1500以上♯3000以下の粒度を有する砥石又は砥粒を用いて行うのがよい。♯1000未満の粗い粒度の場合であると、表面の凹凸が大きくなってしまい、ボイド状の欠陥の発生に繋がるおそれがある。反対に♯8000を超える細かい粒度の場合には、十分な厚みで加工変質層が形成されないことがある。例えば、研削加工による場合には、これらの範囲の粒度を有する砥石を用いるようにするのがよく、研磨加工による場合には、♯8000までの粒度の砥粒で研磨をしても、♯8000を超える細かい砥粒で研磨を行わないようにするのがよい。また、このような機械加工により、好適には、表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下、より好適には表面粗さRaが0.01μm以上1μm以下の非鏡面加工面が形成される。なお、表面粗さRaは、JIS B0601:2013規定の算術平均粗さを表す。
また、本発明における種結晶基板の裏面は、好ましくは、(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有するようにするのがよく、より好ましくは1°以上4°以下である。オフ角度を有することにより、c面(基底面)が表面に交わる密度(表面に現れるSiC分子のステップ密度)が増すため、機械加工時に基底面のステップ端部から基底面に沿って加工変質層が導入され易くなり、加工変質層を十分な厚みで形成するのに適している。なお、種結晶基板の裏面がオフ角を有するようにするには、SiC単結晶インゴットから所定の厚みのSiC板状体に切り出す際に、少なくとも裏面が上記のようなオフ角を有するようにすればよく、好適には、成長面側も同様のオフ角を有するようにするのがよい。
一方で、本発明における種結晶基板の成長面は、公知のものと同様にすることができる。一般には、成長面は研磨加工により鏡面研磨面を形成するようにすればよく、必要に応じて、更に化学機械研磨(CMP)を施すようにしてもよい。この鏡面研磨面は、成長させるSiC単結晶の品質を考慮して、表面粗さRaが5μm以下となるようにするのがよい。ここで、砥粒を小さくしながらチッピングなどによる深い研磨痕を注意深く除去して平坦化すれば、SiC分子ステップ以下の値となる表面粗さRaの形成も可能であることから、下限値を設定するのは難しいが、原子間力顕微鏡を用いた実際の測定ではサブナノメートル程度が実質的な下限となり、十分に平坦化された場合でも表面粗さRaはおよそ0.0001μm以上となることから、鏡面研磨面の表面粗さRaは0.0001μm以上5μm以下であるのがよい。また、上限値については、好ましくは1μm以下であり、結晶成長の初期界面での転位発生などの擾乱を抑制する観点から、より好ましくは0.1μm以下、更により好ましくは0.01μm未満であるのがよい。
また、本発明における種結晶基板は、先に述べたように、成長結晶の大口径化に伴って種結晶基板の外周部が高温になるような場合に用いるのが好適である。具体的には、4インチ口径以上のSiC単結晶ウェハを製造するSiC単結晶の成長に用いるのに好適であり、6インチ口径以上のSiC単結晶ウェハを製造するSiC単結晶の成長に用いるのがより好適である。
但し、先に述べた、意図しない擾乱等で種結晶基板が高温状態になるとは、成長結晶の大口径化に伴って種結晶基板の外周部が高温になるようなケースのほかに、坩堝の材質やSiC原料の物性的なばらつきにより、加熱制御においてこれらの物性的バラつきを原因とした擾乱が発生することもあることから、このようなケースにおいても種結晶基板の熱分解が生じるおそれがある。そのため、本発明における種結晶基板は4インチ口径未満のSiC単結晶ウェハを製造するSiC単結晶の成長に用いるようにしてもよい。なお、昇華再結晶法により成長させるSiC単結晶の大きさは、現時点での製造技術の難易度増による製造コスト増加を避ける観点から、実質的には300mm口径ウェハが上限であると言える。
本発明における種結晶基板によれば、昇華再結晶法によりSiC単結晶を製造する際に、その種結晶基板の外周部周辺等での熱分解を防ぐことができ、マクロ欠陥の発生が抑制されて、高品質な大口径SiC単結晶を成長させることができる。そのため、現在主流である4インチ口径ウェハをはじめ、6インチ口径ウェハのような大口径ウェハを歩留まり良く製造することができ、SiCデバイスの生産効率を高めて、SiCデバイスの更なる普及に貢献できる。更には、種結晶基板の熱分解を怖れて従来は厚く切り出す必要があった種結晶基板を、より薄く、ひとつのインゴットからより多くの枚数を切り出すことが可能となり、製造コストの低減にも繋がる。上述したように、従来、4インチ口径ウェハを製造する場合では2.0mm程度乃至はそれ以上、6インチ口径ウェハを製造する場合では3.0mm程度乃至はそれ以上の厚みの種結晶基板が用いられているところ、本発明の種結晶基板では、それらの厚みの制約は無くなる。ただし、現実的には、上述した昇華ガスによる熱分解エッチング現象のほかに、単純に種結晶基板端部や裏面側で炭化による損耗も僅かながら発生することと、基板が薄くなると剛性が低下し、反りの発生など平板形状を加工・維持することが難しくなる場合があることから、種結晶基板の厚みは、例えば、4インチ口径ウェハを製造する場合には少なくとも0.8mm程度、6インチ口径ウェハを製造する場合には少なくとも1mm程度あることが望ましい。
また、本発明における種結晶基板では、裏面に形成された加工変質層の存在により、種結晶基板の裏面での放熱が促進されたり、坩堝蓋体の下面における発熱温度が低下することなどが要因となって、種結晶基板の外周部での熱分解を防ぐことができると推測される。そのため、本発明に係る種結晶基板を用いてSiC単結晶を製造するにあたっては、種結晶基板と坩堝蓋体との間を接着剤等で接合させるのではなく、種結晶基板の裏面の加工変質層を坩堝蓋体に直に接触させるようにして、種結晶基板を配置するのがよい。その際、黒鉛製のネジや、先端に爪状の突起部を有した黒鉛製の支持棒等のような保持部材を使って、種結晶基板の外周端部を坩堝蓋体に固定したり、係止したりして、種結晶基板を坩堝蓋体に対して機械的に取り付けるようにするのがよい。また、坩堝蓋体側には、種結晶基板を取り付けるための黒鉛製の台座を設けておくようにしてもよい。
以下、本発明について実施例等に基づいて説明するが、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実施例1)
4インチ口径ウェハが製造可能であって、昇華再結晶法により{0001}を主面として成長させた4H型SiC単結晶インゴットを準備した。このSiC単結晶インゴットの外周側面を円筒研削により外形加工して平坦化した後、マルチワイヤーソーを用いて厚さ1.2mmのSiC板状体を切り出した。その際、切り出し面(スライス面)は、{0001}を主面として[11−20]方向へc軸が4°傾斜(オフ角4°)するようにした。
次いで、上記で得られたSiC板状体について、表裏両面のスライス面を定盤両面加工機でラップ研磨した(研磨加工)。その際、平均粒径が9μm(♯1500〜2000に相当)の砥粒を有するダイヤモンドスラリーを使用した(スライス後加工1)。次に、SiC単結晶を成長させる面となる成長面とは反対の裏面側をロータリー型平面研削盤(ウェハー研削盤)で機械研削加工した。その際、♯2000(平均粒径8μm)の粒度を有する砥石を使用して研削加工面を形成した(スライス後加工2)。一方、成長面(表面)側は、ダイヤモンドスラリーにおける砥粒の粒径(平均粒径)を3μm、1μm、0.5μmの順に段階的に小さくしながら定盤片面加工機でラップ研磨して鏡面研磨面を形成し(スライス後加工3、4、5)、厚さ1.0mm、口径4インチであり、かつ、主面(成長面)がc面からなり4°のオフ角を有する種結晶基板を得た。
得られた実施例1に係る種結晶基板について、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて成長面(鏡面研磨面)の表面粗さRaを測定したところ0.0004μmであった。また、裏面(研削加工面)の表面粗さRaは接触式段差計を用いて測定したところ0.024μmであった。更に、この種結晶基板を厚み方向で切断し、切断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、裏面には研削加工により導入された欠陥領域のコントラストから判断して、図2に示したような加工変質層が厚さ0.70μmで存在することが確認された。一方の成長面側には、僅かながら加工変質層の存在が確認されたものの、その厚みはおよそ0.02μmであった。なお、表1には、実施例1に係る種結晶基板を得るための工程手順の概要と評価した物性値をまとめて示している。その際、種結晶基板の成長面を「表面」とし、その反対側を「裏面」として表記している。
Figure 2018058749
上記の実施例1に係る種結晶基板と加工プロセスを全て同じにして得られた同一サイズの種結晶基板を用意し、これを実施例1に係る種結晶基板として、昇華再結晶法によりSiC単結晶の成長を行った。図4には、SiC単結晶の成長に使用した単結晶成長装置の概略図が示されている。この単結晶成長装置では、アチソン法で製造したSiC結晶原料粉末2が黒鉛製の坩堝3に充填されており、その対向位置には実施例1の種結晶基板1が取り付けられる。その際、図5に示したように、加工変質層14を有した種結晶基板1の裏面を坩堝3の坩堝蓋体3aに向けて配置し、坩堝蓋体3aに差し込んだ4本の黒鉛製ネジ15の頭部で種結晶基板1の外周端部を機械的に押さえ付けるようにして、接着剤を用いずに種結晶基板1を固定した。
種結晶基板1が取り付けられた坩堝蓋体3aとSiC結晶原料粉末2が充填された坩堝本体3bとからなる坩堝3は、熱シールドのための断熱保温材5で覆われ、二重石英管4の内部に設置される。二重石英管4は、真空排気装置6により高真空排気(10-3Pa以下)することができ、かつ内部雰囲気をアルゴンガスにより圧力制御することができる。また、二重石英管4の外周には、ワークコイル7が設置されており、高周波電流を流すことにより坩堝3を加熱し、内部のSiC原料粉末2及び種結晶基板1を所望の温度に加熱することができる。坩堝温度の計測は、坩堝3の上部方向の中央部に半径2〜5mm程度の光路8を設け、坩堝3の坩堝蓋体3aの断熱材抜熱穴10から輻射光を取り出し、二色温度計9を用いて行うことができる。
そこで、この実施例1では、二重石英管4の内部を真空排気装置6によって真空排気した後、雰囲気ガスとしてアルゴンガス及び窒素ガスを流入させて、1.3kPaの圧力に制御した条件にてワークコイル7に高周波電流を流し、SiC原料粉末2と種結晶基板1とを2000℃から2400℃の範囲となるように加熱して、種結晶基板1の成長面へのSiC単結晶の成長を100時間行って、成長高さが約35〜40mmであり、結晶成長端面が凸面形状を有する4インチ口径ウェハ製造用のSiC単結晶インゴットを得た。得られたSiC単結晶インゴットについて、種結晶基板の裏面側を含めて全体を目視にて観察したところ、インゴットの外周縁部に形成され易い多結晶や粒界等の結晶の乱れた領域は特に確認されなかった。また、結晶成長初期に種結晶基板が熱分解して損耗した場合に見られるような、種結晶基板の裏面に多結晶が付着して結晶化したような形跡は確認されなかった。
(実施例2)
6インチ口径ウェハが製造可能であって、昇華再結晶法により{0001}を主面として成長させた4H型SiC単結晶インゴットを用いた以外は実施例1と同様にし、同じ加工プロセスにより厚さ1.5mm、口径6インチであり、かつ、主面(成長面)がc面からなり4°のオフ角を有する種結晶基板を得た。得られた種結晶基板について、実施例1と同様にして測定及び観察を行ったところ、成長面(鏡面研磨面)の表面粗さRaは0.0005μmであった。また、裏面(研削加工面)の表面粗さRaは0.024μmであった。更に、裏面の加工変質層の厚さは0.70μmであった。なお、成長面側にも僅かながら加工変質層の存在が確認されたものの、その厚みはおよそ0.02μmであった。
また、この実施例2に係る種結晶基板と加工プロセスを全て同じにして得られた同一サイズの種結晶基板を用意し、これを用いて実施例1と同様にして、昇華再結晶法によりSiC単結晶の成長を行って、6インチ口径ウェハ製造用のSiC単結晶インゴットを得た。得られたSiC単結晶インゴットは成長高さが実施例1のインゴットと同程度であり、また、実施例1の場合と同様に結晶成長端面が凸面形状を有していた。更に、このSiC単結晶インゴットについて、種結晶基板の裏面側を含めて全体を目視にて観察したところ、インゴットの外周縁部に形成され易い多結晶や粒界等の結晶の乱れた領域は特に確認されなかった。また、結晶成長初期に種結晶基板が熱分解して損耗した場合に見られるような、種結晶基板の裏面に多結晶が付着して結晶化したような形跡は確認されなかった。
(実施例3)
実施例2と同様に、6インチ口径ウェハが製造可能であって、昇華再結晶法により{0001}を主面として成長させた4H型SiC単結晶インゴットを用い、成長面とは反対の裏面側の機械研削加工は施さず、その他は同じ加工プロセスにより厚さ1.5mm、口径6インチであり、かつ、主面(成長面)がc面からなり4°のオフ角を有する種結晶基板を得た。得られた種結晶基板について、実施例1と同様にして測定及び観察を行ったところ、成長面(鏡面研磨面)の表面粗さRaは0.0005μmであった。また、裏面(粒径9μm砥粒のラップ研磨面)の表面粗さRaは0.030μmであった。更に、裏面の加工変質層の厚さは1.47μmであった。なお、成長面側にも僅かながら加工変質層の存在が確認されたものの、その厚みはおよそ0.02μmであった。
また、この実施例3に係る種結晶基板と加工プロセスを全て同じにして得られた同一サイズの種結晶基板を用意し、これを用いて実施例1と同様にして、昇華再結晶法によりSiC単結晶の成長を行って、6インチ口径ウェハ製造用のSiC単結晶インゴットを得た。得られたSiC単結晶インゴットは成長高さが実施例1のインゴットと同程度であり、また、実施例2の場合と同様に結晶成長端面が凸面形状を有していた。更に、このSiC単結晶インゴットについて、種結晶基板の裏面側を含めて全体を目視にて観察したところ、インゴットの外周縁部に形成され易い多結晶や粒界等の結晶の乱れた領域は特に確認されなかった。また、結晶成長初期に種結晶基板が熱分解して損耗した場合に見られるような、種結晶基板の裏面に多結晶が付着して結晶化したような形跡は確認されなかった。
(比較例1)
6インチ口径ウェハが製造可能であって、昇華再結晶法により{0001}を主面として成長させた4H型SiC単結晶インゴットを準備した。このSiC単結晶インゴットの外周側面を円筒研削により外形加工して平坦化した後、マルチワイヤーソーを用いて厚さ1.7mmのSiC板状体を切り出した。その際、切り出し面(スライス面)は、{0001}を主面として[11−20]方向へc軸が4°傾斜(オフ角4°)するようにした。
次いで、上記で得られたSiC板状体について、表裏両面のスライス面を定盤両面加工機でラップ研磨した(研磨加工)。その際、平均粒径が9μmの砥粒を有するダイヤモンドスラリーを使用した(スライス後加工1)。次に、SiC単結晶を成長させる面となる成長面(表面)とその反対側の裏面とを、それぞれロータリー型平面研削盤(ウェハー研削盤)で機械研削加工した。その際、いずれも♯2000(平均粒径8μm)の粒度を有する砥石を使用した(スライス後加工2、3)。そして、定盤両面加工機を用いて表面と裏面の両面をラップ研磨し、機械研削加工で形成された研削加工面の加工変質層を取り除くと共に、ダイヤモンドスラリーにおける砥粒の粒径(平均粒径)を3μm、1μm、0.5μmの順に段階的に小さくして鏡面研磨面を形成し(スライス後加工4、5、6)、厚さ1.5mm、口径6インチであり、かつ、主面(成長面)がc面からなり4°のオフ角を有する種結晶基板を得た。
得られた種結晶基板について、実施例1と同様にして測定及び観察を行ったところ、表面及び裏面共に表面粗さRaは0.0005μmであった。また、この種結晶基板を厚み方向で切断し、切断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、表面及び裏面共に僅かであるが、およそ0.04μmの厚さの加工変質層の存在が確認された。
この比較例1に係る種結晶基板と加工プロセスを全て同じにして得られた同一サイズの種結晶基板を用意し、これを用いて実施例1と同様にして、昇華再結晶法によりSiC単結晶の成長を行って、6インチ口径ウェハ製造用のSiC単結晶インゴットを得た。得られたSiC単結晶インゴットの成長高さは実施例1と同程度であり、実施例1の場合と同様に結晶成長端面が凸面形状を有していたが、このSiC単結晶インゴットについて、種結晶基板の裏面側を含めて全体を目視にて観察したところ、結晶成長端面の最外周縁部から5〜10mmの幅で結晶粒界と見られる多数の筋が混入しており、結晶の乱れた領域が形成されていた。また、種結晶基板の裏面には、上記結晶の乱れた領域に対応する位置に多結晶が付着して結晶化したものが確認された。これは、比較例1に係る種結晶基板を用いた結晶成長において、結晶成長初期に種結晶基板の外周縁部に沿って熱分解が生じて損耗した結果、種結晶基板の外周部に部分的な穴があき、SiC原料の昇華ガスがその領域で多結晶化したものと推測される。
(比較例2)
比較例1と同様にして、6インチ口径で厚さ1.7mmのSiC板状体を切り出した。その後、裏面側はマルチワイヤーソーのスライス面のままとし、表面側のスライス面のみ、定盤片面加工機でラップ研磨した(研磨加工)。その際、ダイヤモンドスラリーにおける砥粒の粒径(平均粒径)を9μm、3μm、1μm、0.5μmの順に段階的に小さくして鏡面研磨面を形成し(スライス後加工1、2、3、4)、厚さ1.5mm、口径6インチであり、かつ、主面(成長面)がc面からなり4°のオフ角を有する種結晶基板を得た。
得られた種結晶基板について、実施例1と同様にして測定及び観察を行ったところ、表面側、裏面側の表面粗さRaはそれぞれ、0.0005μm、0.4μmであった。また、この種結晶基板を厚み方向で切断し、切断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、加工変質層の厚みは、表面側でおよそ0.02μm、裏面側で4.10μmの厚さが確認された。
この比較例2に係る種結晶基板と加工プロセスを全て同じにして得られた同一サイズの種結晶基板を用意し、これを用いて実施例1と同様にして、昇華再結晶法によりSiC単結晶の成長を行って、6インチ口径ウェハ製造用のSiC単結晶インゴットを得た。得られたSiC単結晶インゴットは成長高さが実施例1のインゴットと同程度であり、また、実施例2の場合と同様に結晶成長端面が凸面形状を有していた。更に、このSiC単結晶インゴットについて、種結晶基板の裏面側を含めて全体を目視にて観察したところ、インゴットの外周縁部に形成され易い多結晶や粒界等の結晶の乱れた領域は特に確認されなかった。また、結晶成長初期に種結晶基板が熱分解して損耗した場合に見られるような、種結晶基板の裏面に多結晶が付着して結晶化したような形跡は確認されなかった。しかしながら、この結晶を厚み方向に切断し、切断面を光学顕微鏡で観察したところ、種結晶裏面側から成長層へ向かって、多数のボイド欠陥が伸展しており、成長面まで貫通するほど伸展してはいないものの、製品ウェハへ加工した場合には、成長高さ20mm程度までの結晶から切り出したウェハは、ボイド欠陥を多数含む品質の劣るウェハとなることが分かった。
上記実施例、比較例から分かるように、本発明に係る種結晶基板を用いれば、その種結晶基板の外周部周辺等での熱分解を防ぐことができ、マクロ欠陥の発生が抑制されて、高品質な大口径SiC単結晶を成長させることができる。更には、従来であれば、一定程度以上の厚みを持たせて種結晶基板を準備し、種結晶基板の熱分解による結晶品質劣化を避ける必要があったものが、本発明により、厚みを大きく切り出して準備する必要のあった種結晶基板を薄く切出して利用することが可能となり、製造コストを低減可能となる効果も得られる。
1:種結晶基板、2:SiC原料、3:坩堝、3a:蓋体、3b:坩堝本体、4:二重石英管、5:断熱材、6:真空排気装置、7:ワークコイル、8:光路、9:二色温度計、10:断熱材抜熱穴、11:SiC単結晶の熱分解、12:SiC単結晶、13:マクロ欠陥、14:加工変質層、15:黒鉛製ネジ。

Claims (12)

  1. 坩堝内に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板であって、炭化珪素単結晶を成長させる成長面に対して反対の種結晶基板の裏面が、機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有することを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板。
  2. 前記加工変質層の表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下である請求項1に記載の種結晶基板。
  3. 前記成長面は研磨加工による鏡面研磨面を有する請求項1又は2に記載の種結晶基板。
  4. 前記鏡面研磨面の表面粗さRaが0.0001μm以上5μm以下である請求項3に記載の種結晶基板。
  5. 前記種結晶基板の裏面は、(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有する請求項1〜4のいずれかに記載の種結晶基板。
  6. 4インチ口径以上のウェハ製造用の炭化珪素単結晶を成長させるのに用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の種結晶基板。
  7. 坩堝内に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝内に対向配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる際に用いる種結晶基板の製造方法であって、炭化珪素単結晶インゴットから炭化珪素板状体を所定の厚みで切り出した後、炭化珪素単結晶を成長させる成長面側は研磨加工により鏡面研磨面とすると共に、成長面と反対側の裏面は、機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有するようにすることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶基板の製造方法。
  8. 前記機械加工は、♯1000以上♯8000以下の粒度を有する砥石又は砥粒を用いて行う請求項7に記載の種結晶基板の製造方法。
  9. 前記機械加工が研削加工である請求項7又は8に記載の種結晶基板の製造方法。
  10. 前記炭化珪素板状体は、少なくとも種結晶基板の裏面が(0001)面に対して0.1°以上8°以下のオフ角を有するように切り出される請求項7〜9のいずれかに記載の種結晶基板の製造方法。
  11. 坩堝本体と坩堝蓋体とからなる坩堝の坩堝本体側に装填した炭化珪素原料を加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝蓋体側に配置した炭化珪素からなる種結晶基板上に再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、種結晶基板が、炭化珪素単結晶を成長させる成長面側は研磨加工により形成された鏡面研磨面を有し、それとは反対側は機械加工により形成された厚さ0.05μm以上2μm以下の加工変質層を有して、該加工変質層を坩堝蓋体に接触させるようにして種結晶基板を配置し、炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  12. 前記加工変質層の表面粗さRaが0.01μm以上5μm以下である請求項11に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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