JP2018058626A - 包装袋 - Google Patents

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志歩 佐々
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Abstract

【課題】包装材料以外に特殊な材料を使用せず、また大掛かりな製造装置も必要とせず、包装袋の段階では平坦でありながら、注出時には注出路が広く開口する新規な包装袋を提案するもの。【解決手段】シール面同士を対向させた、積層体からなる表面材と裏面材の、AB両側辺と天辺と底辺をシールしてなる矩形状の包装袋であって、一方の側辺Aと天辺とがなす角部に斜めに開口する開口予定部13を有し、表裏面材において、前記開口予定部の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線9と、該第一山折線の終点Pから前記側辺Aに向かって斜めに下降する、第二山折線10を有し、前記開口予定部を切り裂いて開口した後、前記側辺Aを、前記第一山折線の終点に向かって水平方向に押圧することにより、前記第一山折線、および第二山折線が山折に折れて、開口部15が菱形形状に開口することを特徴とする包装袋である。【選択図】図1

Description

本発明は包装袋に関し、特に液体の内容物を収納した場合の注出性や、粒状の内容物を収納した場合の取出し性に優れた包装袋に関する。
各種合成樹脂フィルムや紙、アルミニウム箔などを貼り合わせた積層材料を、袋状に製袋した軟包装袋が、さまざまな内容物を収納するために用いられている。中でもシャンプーやリンスなど液状のトイレタリー用品を収納し、自立するように加工したいわゆるスタンディングパウチは、その代表的なものである。
シャンプーやリンスなどを収納したスタンディングパウチは、詰め替え用として用いられるものが多く、正規のボトル容器などに移し替えて使用する場合が多い。しかしこれらの液体類は、しばしば粘度が高いため、注出に時間がかかることが問題となっていた。
そこで、注出口の閉塞を防ぎ、開口を広く保つためのさまざまな技術が提案されている。特許文献1に記載された可撓性の袋は、注出路に折畳部を設け、注出時に注出路が大きく広がるようにした包装袋である。
特許文献2の袋及びその製造方法には、注出路にパイプを取り付けた包装袋及びその製造方法が記載されている。特許文献1に記載された包装袋も、特許文献2に記載された包装袋もいずれも注出性の改善という点においては、効果を発揮するものである。
特開平4−215957号公報 特開平5−132069号公報
しかしながら、特許文献1に記載された包装袋は、製袋工程において、包装材料を所定の形状に折り畳むための大掛かりな装置が必要であり、製造工程が煩雑であるという欠点があった。
また、特許文献2に記載された包装袋は、包装材料以外に別途パイプが必要であるため、材料費がかさむという問題がある。また、充填機において内容物を充填する段階で、包装袋をスタッカーに積み上げる際に、注出口部分の厚さのみが厚いため、多くの枚数を整然と積み上げることが出来ないという問題もあった。
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものである。本発明の解決しようとする課題は、包装材料以外に特殊な材料を使用せず、また大掛かりな製造装置も必要とせず、包装袋の段階では平坦でありながら、注出時には注出路が広く開口する新規な包装袋を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、シール面同士を対向させた、積層体からなる表面材と裏面材の、AB両側辺と天辺と底辺をシールしてなる矩形状の包装袋であって、一方の側辺Aと天辺とがなす角部に斜めに開口する開口予定部を有し、表裏面材において、前記開口予定部の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線と、該第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって斜めに下降する、第二山折線を有し、前記開口予定部を切り裂いて開口した後、前記側辺Aを、前記第一山折線の終点に向かって水平方向に押圧することにより、前記第一山折線、および第二山折線が山折に折れて、開口部が菱形形状に開口することを特徴とする包装袋である。
本発明に係る包装袋は、表裏面材に形成した折線の配置により、開口予定部を切り裂いて開口した後、側辺を水平方向に押圧することにより、開口部が菱形形状に開口するため、広い注出路が得られる。
また、請求項2に記載の発明は、1枚の積層体のシール面を内側にして折り曲げた折り返し部を天辺として、表面材と裏面材を形成し、AB両側辺と底辺をシールしてなる矩形状の包装袋であって、一方の側辺Aと天辺とがなす角部に斜めに開口する開口予定部を有し、表裏面材において、前記開口予定部の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線と、該第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって斜めに下降する、第二山折線を有し、前記開口予定部を切り裂いて開口した後、前記側辺Aを、前記第一山折線の終点に向かって水平方向に押圧することにより、前記第一山折線、および第二山折線が山折に折れて、開口部が菱形形状に開口することを特徴とする包装袋である。
また、請求項3に記載の発明は、表裏面材において、前記第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって水平に伸びる包装袋外方に凹の第一谷折線を有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋である。
また、請求項4に記載の発明は、表裏面材において、前記第一山折線の終点から前記側辺Bに向かって水平に伸びる包装袋外方に凸の第三山折線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋である。
また、請求項5に記載の発明は、前記表面材および裏面材が、紙層を含む積層体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋である。
また、請求項6に記載の発明は、底辺に折込片を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋である。
本発明に係る包装袋は、表裏面材に数本の折線を形成するだけの簡単な加工により、開封時には大面積の開口部を得ることができる。従って包装材料以外に特殊な材料を使用しないため、材料コストがかさむことがない。また大掛かりな製造装置を必要としないので、製造も容易である。またさらに、未充填の包装袋の段階では平坦であるため、充填機のフィーダー部におけるスタック適性も良好である。
さらに本発明に係る包装袋は、開口部を開封した後、内容物を注ぎ出すために胴部を手で持つ自然な動作によって側辺部が押圧され、開口部が大きく開口する。このため、注出に当たって特別な手順を踏む必要がなく、極めて使い易い。
請求項2に記載の発明のように、1枚の積層体を折り曲げて天辺を形成した場合には、天辺のシール部が存在しないため、製袋工程が簡略化される。また開口部の天面が平坦になりやすいため、開口部がさらに広く開口する。
請求項3に記載の発明のように、第一山折線の終点から側辺Aに向かって水平に伸びる第一谷折線を設けた場合には、開封後に側辺Aを押圧したとき、包装袋が折線に沿って凹み易くなり、また開口部は膨らみ易くなる。
請求項4に記載の発明のように、第一山折線の終点から側辺Bに向かって水平に伸びる第三山折線を設けた場合には、開封後に側辺を押圧したとき、包装袋全体が折線に沿って膨らみ易くなり、また開口部も膨らみ易くなる。
請求項5に記載の発明のように、表面材および裏面材が、紙層を含む積層体である場合には、形状保持性が向上し、開口状態を維持し易くなる。
請求項6に記載の発明のように、包装袋が底辺に折込片を有する場合には、自立性をもつ大容量の包装袋とすることができる。
図1は、本発明に係る包装袋の最も基本的な実施態様を示した斜視説明図である。 図2は、図1に示した包装袋の未開封の状態を示した平面説明図である。 図3は、本発明に係る包装袋の他の実施態様を示した斜視説明図である。 図4は、図3に示した包装袋の未開封の状態を示した平面説明図である。 図5は、本発明に係る包装袋の他の実施態様における未開封の状態を示した平面説明図である。 図6は、本発明に係る包装袋の他の実施態様における未開封の状態を示した平面説明図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る包装袋について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る包装袋1の最も基本的な実施態様を示した斜視説明図である。また、図2は、図1に示した包装袋の未開封の状態を示した平面説明図である。
本発明に係る包装袋1は、シール面同士を対向させた、積層体からなる表面材2と裏面材3の、両側辺6A、6Bと天辺5と底辺7をシールしてなる矩形状の包装袋である。一方の側辺A(6A)と天辺5とがなす角部に斜めに開口する開口予定部13を有し、表裏面材において、開口予定部13の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線9と、第一山折線の終点Pから側辺A(6A)に向かって斜めに下降する、第二山折線10を有することを特徴とする。
図1に示したように、開口予定部13を切り裂いて開口部15を形成した後、側辺A(6A)を、第一山折線の終点Pに向かって水平方向に押圧することにより、第一山折線9、および第二山折線10が山折に折れて、開口部15が菱形形状に開口することを特徴とする。
このように本発明に係る包装袋1は、表裏面材2、3にそれぞれ2本の折線を形成するだけの簡単な加工によって、開封時に大面積の開口部15を得ることができる。表裏面材に折線を形成する方法としては、雄雌の金型に挟んでプレスして折ぐせを付ける方法が最も一般的であるが、プレスに先立って、折線に沿った浅い傷を付けておいても良い。
切り裂き開口予定部13には、表裏面材の表面に刃物やレーザーで形成した傷を設けると、この傷に沿って円滑に開封することができる。開封開始部には、開口用ノッチ14を設けてもよい。
図3は、本発明に係る包装袋1の他の実施態様を示した斜視説明図であり、図4は、図3に示した包装袋1の未開封の状態を示した平面説明図である。図3、4に示した実施態様においては、1枚の積層体のシール面を内側にして折り曲げた折り返し部8を天辺5として、表面材2と裏面材3を形成し、6A、6B両側辺と底辺7をシールしてなる矩形状の包装袋である。
図3、4に示した実施態様においては、さらに底辺7に折込片4を有する。折込片4は、積層体のシール面を外側にして逆V字型に折ったものを表面材2と裏面材3の間に挿入したものであり、これにより底面が広がるため、自立性の包装袋とすることができる。折込片4は、底テープと称する場合もある。
図3、4に示した実施態様においては、天辺5にシール部が存在しないため、製袋工程が簡略化されるばかりでなく、使用時に開口部15が開口し易くなり、注出性が高まる。
図5は、本発明に係る包装袋1の他の実施態様における未開封の状態を示した平面説明図である。図5に示した実施態様においては、表裏面材において、第一山折線の終点Pから側辺A(6A)に向かって水平に伸びる包装袋外方に凹の第一谷折線12を有することを特徴とする。
第一山折線の終点Pから側辺A(6A)に向かって水平に伸びる第一谷折線12を設けたことにより、開封後に側辺A(6A)を押圧したとき、包装袋が第一谷折線12に沿って凹み易くなり、また開口部15は膨らみ易くなる。
図5では、山折線を実線で、また谷折線を一点鎖線で表している。以下、他の平面説明図においても同様である。
図6に示した実施態様においては、表裏面材において、第一山折線の終点Pから側辺B(6B)に向かって水平に伸びる包装袋外方に凸の第三山折線11を有することを特徴とする。第三山折線11を設けたことにより、開封後に側辺Aを押圧したとき、包装袋全体が折線に沿って膨らみ易くなり、また開口部15も膨らみ易くなる。
図6に示した実施態様では、1枚の積層体のシール面を内側にして折り曲げた折り返し部8を天辺5として、表面材2と裏面材3を形成し、さらに底辺7には、折込片4を挿入して円弧状にシールした底面部を備えている。このような底面部の構造は、スタンディングパウチと称する自立性の包装袋として一般的なものである。
本発明に係る包装袋の表面材、裏面材、折込片に用いる積層体としては、各種合成樹脂フィルム、アルミニウム箔、紙などを組み合わせて貼り合せた、通常軟包装袋に使用される積層体を用いることができる。基材としては、1層ないしは数層からなる紙や金属箔や合成樹脂フィルムを使用する。一例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルム、紙、金属箔等が単体または、複合して使用される。基材には、必要に応じて印刷層や接着剤層が含まれる。
シール面に用いるシーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用される。またこれらの樹脂を複合した多層フィルムが使用されることもある。
積層体の具体的な構成例としては、PET/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム(以下ONYと略す)/接着剤層/LLDPEからなる構成のフィルムや、ONY/接着剤層/LLDPE、などが挙げられる。積層体の一部に紙を用いた場合、折ぐせがつき易くなり、形状保持性が向上し、開口状態を維持し易くなる。
本発明に係る包装袋は、シャンプーやリンスなどの詰め替え容器として有用であるほか、大きな開口部が得られるという特徴を生かして、粒状のスナック菓子、あられなどの食品を収納する容器としても好ましく使用できる。
1・・・包装袋
2・・・表面材
3・・・裏面材
4・・・折込片
5・・・天辺
6A・・・側辺A
6B・・・側辺B
7・・・底辺
8・・・折り返し部
9・・・第一山折線
10・・・第二山折線
11・・・第三山折線
12・・・第一谷折線
13・・・開口予定部
14・・・開口用ノッチ
15・・・開口部
P・・・第一山折線の終点

Claims (6)

  1. シール面同士を対向させた、積層体からなる表面材と裏面材の、AB両側辺と天辺と底辺をシールしてなる矩形状の包装袋であって、
    一方の側辺Aと天辺とがなす角部に斜めに開口する開口予定部を有し、
    表裏面材において、前記開口予定部の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線と、
    該第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって斜めに下降する、第二山折線を有し、
    前記開口予定部を切り裂いて開口した後、前記側辺Aを、前記第一山折線の終点に向かって水平方向に押圧することにより、前記第一山折線、および第二山折線が山折に折れて、開口部が菱形形状に開口することを特徴とする包装袋。
  2. 1枚の積層体のシール面を内側にして折り曲げた折り返し部を天辺として、表面材と裏面材を形成し、AB両側辺と底辺をシールしてなる矩形状の包装袋であって、
    一方の側辺Aと天辺とがなす角部に斜めに開口する開口予定部を有し、
    表裏面材において、前記開口予定部の存在する角部から出発して、斜め下方向に向かって下降する、包装袋外方に凸の第一山折線と、
    該第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって斜めに下降する、第二山折線を有し、
    前記開口予定部を切り裂いて開口した後、前記側辺Aを、前記第一山折線の終点に向かって水平方向に押圧することにより、前記第一山折線、および第二山折線が山折に折れて、開口部が菱形形状に開口することを特徴とする包装袋。
  3. 表裏面材において、前記第一山折線の終点から前記側辺Aに向かって水平に伸びる包装袋外方に凹の第一谷折線を有することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 表裏面材において、前記第一山折線の終点から前記側辺Bに向かって水平に伸びる包装袋外方に凸の第三山折線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋。
  5. 前記表面材および裏面材は、紙層を含む積層体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋。
  6. 底辺に折込片を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋。
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