JP2018058277A - 積層方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の積層方法は、有機断熱材層の上に、無機結合材、金属水酸化物、起泡剤、及び、特定の高粘度水溶性高分子化合物を含む被覆材層を設けることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
例えば、ウレタンフォームは、その熱伝導率が約0.025W/(m・K)程度であり、断熱性に優れていること、比較的低コストで施工することができること等の特徴を有することから頻繁に用いられている。
1.有機断熱材層の上に被覆材層を設ける積層方法であって、
上記被覆材層は、
無機結合材、金属水酸化物、起泡剤、及び、1%水溶液の粘度(20℃)が8000mPa・s以上である水溶性高分子化合物を含み、
被覆材層中の有機分総量が3重量%以下である被覆材によって形成することを特徴とする積層方法。
有機断熱材層としては、例えば、ウレタンフォーム、イソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、セルロースファイバー等の発泡有機樹脂から形成されたもの、または、発泡有機樹脂粉粒体を含む有機断熱材組成物から形成されたもの等が挙げられる。
イソシアネート成分のイソシアネート指数は、通常150以上とすることで、ウレタンフォームの耐熱性が向上し、ひいては積層体の耐熱性を向上させることができるが、本発明ではイソシアネート指数が150未満のものでも、上記被覆材層を設けることによって、優れた耐熱性を有する積層体を得ることができる。なお、イソシアネート指数とは、(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100で示される値である。
触媒としては、例えば、第3級アミン触媒、イミダゾール系触媒、脂肪酸アルカリ金属塩触媒等の公知の触媒を使用することができる。
整泡剤としては、例えば、公知の硬質ポリウレタンフォーム用シリコーン整泡剤、即ちポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−プロピレングリコールのグラフト共重合体等を限定なく使用することができる。
難燃剤としては、例えば、有機リン酸エステル類等を使用することができる。
被覆材層は、無機結合材、金属水酸化物、起泡剤、及び、1%水溶液の粘度(20℃)が8000mPa・s以上である水溶性高分子化合物を含み、有機分総量が3重量%以下である被覆材によって形成されるものである。
金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化スカンジウム等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上で用いることができる。本発明では、特に、水酸化アルミニウムを用いることが好ましい。
起泡剤としては、特に限定されないが、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。本発明では、例えば具体的に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられ、そのHLB値が12〜19である界面活性剤が特に好ましい。
なお、HLBとは、親水性−親油性バランスの略称で、両親媒性物質の親水性と親油性の強度比を数値化して表したものであり、具体的にはグリフィンの計算式で求められる。
水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアルキレンオキサイド、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸及びその誘導体、ゼラチン、カゼイン及びアルブメンならびにこれらの誘導体、セルロース誘導体等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上で用いることができる。本発明では、特に、セルロース誘導体が好ましい。
なお、水溶性高分子化合物の粘度は、BM型粘度計において、20℃の条件で測定した値である。
金属水酸化物が好ましくは100重量部以上1000重量部以下、より好ましくは150重量部以上800重量部以下、さらに好ましくは200重量部以上500重量部以下、
起泡剤(固形分)が好ましくは0.005重量部以上5重量部以下、より好ましくは0.01重量部以上3重量部以下、
水溶性高分子化合物(固形分)が好ましくは0.01重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.1重量部以上5重量部以下である。
このような範囲であることにより、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。
炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩化合物、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、
シリカ、粘土、タルク、クレー、カオリン、ケイソウ土、シラス、マイカ、ベントナイト、ワラストナイト、モンモリロナイト、アロフェン、ゼオライト、セピオライト等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を併用して用いることができる。
本発明では、特に、防火性に優れるとともに、軽量性、断熱性にも優れることから軽量粉体を含むことが好ましい。また、強度維持のために、ベントナイト、ワラストナイト、モンモリロナイト等の無機充填剤(無機フィラー、補強材)を含むことが好ましい。
有機分としては、上述した起泡剤や水溶性高分子化合物、有機結合材、有機繊維等が挙げられ、これら有機分の総量のことである。
一般に有機分が少なくなると塗装時の作業性に悪影響を及ぼす恐れがあり、断熱性能も低下する恐れがある。一方、有機分が多くなると耐熱性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本願発明は、有機分総量が3重量%以下であることで耐熱性に優れるとともに、有機分総量が3重量%以下であっても、上記起泡剤及び特定の水溶性高分子化合物を使用することにより、優れた断熱性能、耐熱保護性能を維持することができる。
適用できる基材としては、例えば、カラー鋼板、ガルバニウム鋼板、塩ビ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、チタン板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ鋼板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板、鋼板、石膏ボード、合板、プラスチック板等が挙げられる。
有機断熱層の厚みは、用途によって適宜設定することができるが、好ましくは1mm以上200mm以下程度とすればよい。
さらに、有機断熱層の上に、下塗材を予め塗付積層していてもよい。
下塗材としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂をバインダーとする下塗材が好適に用いられる。
被覆材層の厚みは、用途によって適宜設定することができるが、好ましくは1mm以上20mm以下程度とすればよい。
亜鉛メッキ鋼板の上に、ポリオール成分としてテレフタル酸ポリエステルポリオール、イソシアネート成分としてMDIを用い、発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤を混合し、イソシアネート指数が120となるように調整した有機断熱材をスプレー発泡装置を使用してスプレー塗装し、厚さ約30mmの有機断熱材層1を形成した。
得られた有機断熱材層1の上に、アクリル樹脂下塗材を100g/m2で塗付して、1週間養生した。
養生後、表1、2に示す被覆材1を、吹き付けガンで塗装し、厚さ10mmの被覆材層を形成し、試験体を得、次の試験を行った。
被覆材を吹き付けガンで塗装する際、作業性を評価した。評価基準は次のとおりである。評価結果は表3に示す。
5:異常なくスムーズに吹き付けすることができた
4:異常なく吹き付けすることができた
3:被覆材を吹き付けガンへ送るホース内の圧力が上昇したが、異常なく吹き付けすることができた
2:一部被覆材がホース内に溜まり、全面を吹き付けるのに時間がかかってしまった
1:一部被覆材がホース内に溜まり、一定に吹き付けることができなかった
得られた試験体の一部を100mm×100mmに切断し、ISO5660規定のコーンカロリーメーターにより20分加熱(加熱強度:50kW/m2)を実施した。コーンカロリーメーターは(商標名「CONE2A」アトラス製)を用いた。
評価は発熱量測定及び表面状態観察(目視)にて行った。評価基準は次のとおりである。評価結果は表3に示す。
<発熱量測定>
5:総発熱量4.0MJ/m2以下、最高発熱温度200kW/m2未満
4:総発熱量6.0MJ/m2以下、最高発熱温度200kW/m2未満
3:総発熱量8.0MJ/m2以下、最高発熱温度200kW/m2未満
2:総発熱量8.0MJ/m2以下、最高発熱温度200kW/m2以上
1:総発熱量8.0MJ/m2超
<表面状態観察>
5:体積収縮及び亀裂が見られなかった
4:体積収縮及び亀裂がほとんど見られなかった
3:一部体積収縮が見られた
2:一部亀裂が見られた
1:一部脱落した
ポリオール成分としてテレフタル酸ポリエステルポリオール、イソシアネート成分としてMDIを用い、発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤を混合し、イソシアネート指数が170となるように調整した有機断熱材(有機断熱材層2)を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を得、実験例1と同様の試験を行った。
表1、2に示す被覆材を使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験体を得、実験例1と同様の試験を行った。
Claims (1)
- 有機断熱材層の上に被覆材層を設ける積層方法であって、
上記被覆材層は、
無機結合材、金属水酸化物、起泡剤、及び、1%水溶液の粘度(20℃)が8000mPa・s以上である水溶性高分子化合物を含み、
被覆材層中の有機分総量が3重量%以下である被覆材によって形成することを特徴とする積層方法。
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