JP2013144397A - 耐火構造及びその製造方法、並びに耐火用組成物 - Google Patents

耐火構造及びその製造方法、並びに耐火用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱によるドリップを防ぎ、耐火性及びその堅牢性に優れた耐火構造を提供する。
【解決手段】基材と、前記基材上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層とを備えた耐火構造である。
【選択図】なし

Description

本発明は、断熱性と共に優れた耐火性及びその堅牢性をそなえた耐火構造及びその製造方法、並びに耐火用組成物に関する。
従来から、工場、倉庫、体育館等の屋根又は壁は、波形スレート葺きや、金属製の折板、瓦葺き、コンクリート、又はモルタル葺き等により施工されてきた。このような施工がなされた屋根や壁等の外装材では、長期間の経年変化によって強度低下や破損が生じる傾向があり、強度低下や破損が生じると、取付け部や破損部等から雨漏りが発生したり美観を損なうほか、断熱強化のための定期的な補修が必要とされてきた。また、近年では、地球温暖化防止の観点から、従来構造の断熱性能を改善し、冷暖房の省エネルギー化に対する補修の必要性も高まっている。
例えば従来のスレート葺きの屋根は、経年変化に伴なう強度低下が著しい。そのため、従来のスレート構造では、経年でクラック等が入りやすく、耐水性、断熱性を保てないほか、耐火、防火に対する懸念も大きい。
耐火の観点からは、単に外壁面に火が接触した場合の熱や燃焼に耐えて形状を保持し得るのみならず、内壁側への熱伝達を少なく抑える断熱効果をそなえていることが求められる。
また、従来のスレート構造は、発癌性のあるアスベストが含有されているため、補修時にその周囲や補修作業者にダストが飛散したり、廃材処理が困難である等、環境上の問題を免れない。また、補修施工に際して作業者が屋根上に乗る場合、劣化したスレートが割れて墜落する等による災害が頻繁に発生する状況にあり、その災害防止も重要な課題の一つとなっている。
上記との関連において、スレート等の素地の表面に発泡層を設け、さらにその上に高強度樹脂製の補強防水層と表面層とを順次設けた施工構造が開示されており、断熱性、防水性、環境的に優れているとされている(例えば、特許文献1参照)。
また、軟質ウレタンフォームに膨張製黒鉛、ホウ酸及び/又は無機充填剤とからなる組成物から形成される膨張層(A)と、軟質ウレタンフォームに膨張性マイクロカプセルと膨張性黒鉛、ホウ酸及び/又は無機充填剤とからなる組成物から形成される膨張層(B)からなる熱膨張性防火用構造体が開示されており、長期高温下での脆弱化を防いで優れた耐火性能が発揮されるとされている(例えば、特許文献2参照)。さらに、プライマー層を形成した屋根基材に二成分系ウレタン発泡配合物を吹き付けてポリウレタン断熱層を形成し、その上にウレタン系エラストマを吹き付けてトップコート層を形成する断熱施工方法も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−168878号公報 特開2005−88559号公報 特開平7−166655号公報
上記従来の技術では、外装材としてある程度の耐火性、防火性は期待されるものの、上記のような層構成のみでは、必ずしも充分な耐火効果が得られ難いことがある。つまり、発泡層や発泡状のポリウレタン断熱層、あるいはウレタンフォームを用いた膨張層で下層を構成することで、ある程度の断熱効果は期待されるが、表面をなす上層が崩壊して下層が露出してしまったり、外壁面からの熱伝達が防げないために、内壁側の温度が上昇して防火効果が充分に得られない場合がある。
また、スレート等を用いた屋根等に使用されている外装材(素地)の強度劣化による墜落防止までは考慮されておらず、依然として強度劣化による墜落災害に対しては解消されるに至っていない。また、経年変化によるクラックの発生、及びそれに伴なう防水性の低下も解消されていないため、例えば上記従来のような発泡層にクラックができるとその微細な開孔への雨水の浸入や凍結等によって発泡層が更に破壊され、かえって発泡層が吸水する結果を来し、著しく安全性を損なうことがある。そのため、安全性を確保するための方策に対する要望は大きい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、炎や熱風等によるドリップ現象を防ぎ、耐火性及びその堅牢性に優れた耐火構造及びその製造方法、並びに成形後の炎や熱風等によるドリップ現象が起き難く、耐火性及びその堅牢性に優れた耐火用組成物を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明において、「ドリップ現象」とは、接炎する表層の樹脂材料が熱で分解して低分子量化し、軟粘化し、さらに流動しはじめた後に着火することで延焼する現象や、該表面が炎熱で燃えた際に層が軟粘化し、それが流動して更に燃え広がることで延焼する現象をいう。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 基材と、前記基材上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層とを備えた耐火構造である。
<2> 基材と、前記基材上に設けられ、硬質ポリウレタン系樹脂及び膨張性黒鉛を含み、多孔構造を有する硬質ポリウレタン系発泡層と、前記硬質ポリウレタン系発泡層上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層とを備えた耐火構造である。
<3> 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ層中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である前記<2>に記載の耐火構造である。
<4> 前記基材は、スレート材、コンクリート材、木質材、又は金属材を用いた基材である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の耐火構造である。
<5> イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを有し、前記第1の原料溶液及び前記第2の原料溶液が混合され反応することでポリウレタン系エラストマ材料が調製される耐火用組成物である。
<6> イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液、並びに、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液を有し、前記第1の原料溶液と前記第2の原料溶液とが混合され反応することでポリウレタン系エラストマ材料が調製されるエラストマ材料用組成物と、イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液、並びにポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液を有し、前記第3の原料溶液及び前記第4の原料溶液が混合され、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせることで硬質ポリウレタン系発泡材料が調製される発泡材料用組成物と、を有する耐火用組成物である。
<7> 前記エラストマ材料用組成物及び前記発泡材料用組成物は、有機溶剤の含有比率が各組成物の全質量に対して、各々1.0質量%未満である前記<6>に記載の耐火用組成物である。
<8> 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ材料用組成物中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である前記<6>又は前記<7>に記載の耐火用組成物である。
<9> イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを混合した混合液を、噴出ノズルから噴出して基材上に付与する耐火構造の製造方法である。
<10> イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液と、ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液とを混合した混合液を、噴出ノズルから噴出することで、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせて基材上に硬質ポリウレタン系発泡層を形成する発泡層形成工程と、イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを混合した混合液を噴出ノズルから噴出することで、前記硬質ポリウレタン系発泡層上にエラストマ層を形成するエラストマ層形成工程とを有する耐火構造の製造方法である。
<11> 前記第1の原料溶液、前記第2の原料溶液、前記第3の原料溶液、及び前記第4の原料溶液は、有機溶剤の含有比率が各原料溶液の全質量に対して、各々1.0質量%未満である前記<10>に記載の耐火構造の製造方法である。
<12> 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ層中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である前記<10>又は前記<11>に記載の耐火構造の製造方法である。
<13> 前記基材は、スレート材、コンクリート材、木質材、又は金属材を用いた基材である前記<9>〜前記<12>のいずれか1つに記載の耐火構造の製造方法である。
本発明によれば、炎や熱風等によるドリップ現象を防ぎ、耐火性及びその堅牢性(耐火堅牢性)に優れた耐火構造及びその製造方法が提供される。また、
本発明によれば、成形後の炎や熱風等によるドリップ現象が起き難く、耐火性及びその堅牢性(耐火堅牢性)に優れた耐火用組成物が提供される。
接炎面からみて裏面となる表面の温度上昇を測定して断熱性を評価するための方法を説明するための概略図である。
以下、本発明の耐火構造及びその製造方法、並びに耐火用組成物について、詳細に説明する。
<耐火構造>
本発明の耐火構造は、少なくとも、基材と、該基材上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層と、を設けて構成されている。更に好ましい態様として、本発明の耐火構造は、前記基材と前記エラストマ層との間に、硬質ポリウレタン系樹脂及び膨張性黒鉛を含み、多孔構造を有する硬質ポリウレタン系発泡層が設けられたエラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造に構成される。
本発明の耐火構造は、スレート材等の基材上に設けて耐火性能を高める層の形成に、ポリウレタン系樹脂とともに膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を用いることで、耐水性に加え、優れた耐火性を発揮する層構造(エラストマ層/基材の重層構造)に構成されるので、炎や熱風があたって表層等が燃焼し炭化されるような状況下でも、層自体のドリップ現象が防止され、耐水機能を保持しながら優れた耐火性及びその堅牢性を示し、長時間に亘って耐火材としての機能が保たれる。これにより、従来の防火・耐火のための構造や方法に比べて、建屋内部への炎や熱の侵入が長時間に亘ってより効果的に防止され、耐火性及びその持続性(耐火堅牢性)により優れている。
中でも特に、本発明の耐火構造は、好ましくはエラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造に構成される。この重層構造による構成においては、外層をなすエラストマ層は、そのドリップ現象が起き難く、耐火材としての機能を長時間保ち、建屋内部への火の侵入を防ぐと共に、硬質ポリウレタン系発泡層による断熱機能が相乗して、建屋外部からの熱伝達に伴なう火災等に対する防火効果に特に優れる。これにより、従来の防火・耐火のための構造や方法に比べて、外装材側から建屋内部への炎及び熱の浸入がより効果的に防止され、より優れた耐火性及びその持続性(耐火堅牢性)が発揮される。
また、本発明の耐火構造は、スレート材等の基材の割れや破損を防ぐため、耐水性が長期に亘り保持されるほか、作業上、墜落等の災害防止にも寄与する利点がある。さらに、本発明の耐火構造では、ダストの飛散や廃材処理等の環境上の問題も解消される。
本発明における「ドリップ現象」は、接炎する表層の樹脂材料が熱で分解して低分子量化し、軟粘化し、さらに流動しはじめた後に着火することで延焼する現象や、該表面が炎熱で燃えた際に層が軟粘化し、それが流動して更に燃え広がることで延焼する現象である。
(基材)
本発明の耐火構造は、基材を設けて構成されている。基材は、後述するエラストマ層等が形成される素地をなす材料である。基材は、特に制限されるものではなく、建屋の屋根や壁(特に外壁)、鉄骨等の支柱などを形成している建材が含まれる。
基材の具体例としては、スレート材、コンクリート材、防水シート(例えばポリエチレン等のポリマー材やアルミ等の金属材、又はこれらの複合材)、木質材等の非金属材、及び鉄骨等の金属材料などが挙げられる。
(エラストマ層)
本発明の耐火構造は、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層を設けて構成されている。このエラストマ層は、耐火構造の好ましくは最表層に設けられる層であり、膨張性黒鉛と共にホウ酸化合物及びケイ酸塩を含有することで、膨張性黒鉛の炎熱時における膨張効果により層のドリップ現象を防ぎつつ、炎熱でポリウレタン系樹脂が燃焼、炭化した場合にも層構造を維持できる高強度をそなえている。また、エラストマ層は、耐水機能をも有する。
このような構成により、炎熱下に曝された場合にも、表層が崩れずに保持されることで、優れた耐火性を発揮する。
なお、「膨張効果」とは、炎熱時に膨張性黒鉛が膨張し、ポリウレタン系樹脂が燃焼する等で開いた層中の貫通口や層間を埋めて閉塞することで熱的なバリア効果が発現されて、延焼が防止される効果をいう。
また、「断熱性」とは、熱伝導率が0.040W/mK以下であることをいう。
−ポリウレタン系樹脂−
本発明におけるエラストマ層は、ポリウレタン系樹脂として、ポリウレタンエラストマ、ポリウレタン・ポリウレアエラストマ、及びポリウレアエラストマから選ばれる少なくとも一種を含有する。エラストマ層は、低温硬化が可能で低温環境下での伸び及び耐候性に優れるポリウレタン系樹脂を含むことで、長期に亘り高強度が保たれるため割れや破損等が生じ難く、長期耐久性を付与できる。
エラストマ層におけるポリウレタン系樹脂は、分子中にウレタン結合(−O−CONH−)を有するポリマーであり、イソシアネート基を2個以上持つイソシアネート系化合物(O=C=N−R−N=C=O)と、活性水素化合物として水酸基を2個以上持つポリオール化合物(HO−R'−OH)及び/又はポリアミン化合物(HN−R''−NH)と、の反応により得られる(R',R'':脂肪族、芳香族等)。
前記イソシアネート系化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート、及びポリオールと低分子量ポリイソシアネート系化合物とを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー、等を挙げることができる。
これらは、一種単独で用いるほか、二種以上を混合して用いてもよい。
ジフェニルメタンジイソシアネート系の化合物の具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートなどの液状のもの(液状MDI)が好ましい。
イソシアネート系化合物は、上市されている市販品を用いてもよく、その例として、スミジュール44V−10,スミジュール44V−20,スミジュールH−420,V−460等(住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業社製)等が挙げられる。また、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)等が挙げられる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとしては、ポリオールとMDIやTDI等の低分子量ポリイソシアネート系化合物を反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが好適である。
上記のうち、取扱いの容易さ、反応の速さの観点から、ジフェニルメタンジイソシアネート系の化合物が好ましい。
イソシアネート基の含有率を調整する観点から、ジフェニルメタンジイソシアネート系化合物又はイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを単独で用いてもよい。また、これらを混合して用いてもよい。イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを用いると、硬化塗膜の弾性や伸びを制御しやすい。
前記ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール(PEP)、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリカーボネートジオール(PCD)などのポリエーテルポリオール、ポリプロピレングルコール(PPG)、ポリマーポリオール(POP)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、1,4−ブタンジオール(1/4-BD)、ひまし油系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどが挙げられる。なお、ひまし油系ポリオールには、ひまし油、ひまし油に水酸基を導入した変性ポリオールが含まれる。
上記のうち、本発明においては、ポリエーテルポリオールが好ましい。
これらは、一種単独で用いるほか、二種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリオール化合物の水酸基数は、2〜4が好ましい。また、水酸基価は、25〜280mgKOH/gが好ましく、30〜120mgKOH/gが特に好ましい。水酸基数は2以上であり、また水酸基価が25mgKOH/g以上であることで、得られる硬化塗膜の機械強度により優れる。また、水酸基価が280mgKOH/g以下であることで、硬化塗膜の弾性や伸びにより優れる。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)などが挙げられる。中でも、ジエチルトルエンジアミンが特に好ましい。
ポリウレタン系樹脂の調製に際して、上記成分のほか、反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤等を用いることができる。
前記反応触媒としては、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(例:花王(株)製のカオライザーNo.1)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(例:花王(株)製のカオライザーNo.3)等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類;1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン‐7(例:サンアプロ(株)製のDBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(例:エアープロダクツアンドケミカルズ社製のポリキャット−8)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類等が挙げられる。
また、ポリウレタン分子の構造中に難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒の使用も好ましい。このような触媒としては、例えば、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、第4級アンモニウム塩触媒(特開平9−104734号公報に記載の触媒)が例示される。
また、イソシアネート基の含有率を調整する観点から、可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、アジピン酸ジオクチル、ラードのメチルエステル、大豆油のメチルエステルなどのエステル類、塩素化パラフィン、石油系可塑剤などが挙げられる。中でも、フタル酸ジオクチルが特に好ましい。
前記整泡剤としては、特に制限はなく、例えば、B−8465(ゴールドシュミット社製);SH−193、S−824−02、SZ−1704(東レ・ダウコーニング社製)等の整泡剤が挙げられる。
前記難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が挙げられる。難燃剤を含有する場合、難燃剤のエラストマ層中における含有量は、ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、5.0〜25.0質量部が好ましい。
−膨張性黒鉛−
本発明におけるエラストマ層は、膨張性黒鉛の少なくとも一種を含有する。エラストマ層は、膨潤性黒鉛を含有することで、難燃化に寄与すると共に、炎熱時に膨張することで延焼の防止効果が得られる。すなわち、黒鉛自体は、可燃性ながら高温中でも直ぐに燃焼せず安定なため難燃性が得られ、また膨張することで、層の厚みが増大(膨張)したエラストマ層が熱的なバリアとなる。バリア材として機能している間にその部分の樹脂成分(有機分)は分解、燃焼するが、膨張したエラストマ層は安定に残りそれ以上(樹脂成分のほか)は速い速度で燃える成分がないため、延焼が防止される。このエラストマ層は、膨張性黒鉛が存在し、生成した層間に低粘化した有機分が吸収されることで、ドリップ現象が防止される。なお、吸収された有機分は、そのまま燃焼されるか炭化される。
前記膨張性黒鉛としては、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、無機酸(例えば硫酸、硝酸等)と強酸化剤(例えば濃硝酸、過マンガン酸塩等)とで処理し、グラファイト層状構造が保持されている結晶化合物などが好適に用いられる。粉末には、脱酸処理に加え、更に中和処理が施されたタイプのほか、各種品種を用いることができる。
「膨張性」とは、150℃以上の温度に曝された場合に、体積が40倍以上に大きくなる性質をいう。
上記のような膨張性黒鉛は、例えば200℃程度以上の温度に曝された場合に、100倍以上の体積膨張を発現する。
膨張性黒鉛の粒度は、400〜20メッシュ程度が好ましい。粒度は、20メッシュ以下にサイズを抑えることでスプレー施行が良好に行なえ、また400メッシュ以上のサイズにすることで、膨張度を確保し、良好な耐火性が発揮される点で好ましい。
膨張性黒鉛のエラストマ層中における含有量は、樹脂成分100質量部に対して、10〜40質量部が好ましく、15〜30質量部がより好ましい。膨張性黒鉛の含有量が10質量部以上であることで、炎熱時に延焼防止に有利な熱膨張倍率が得られ、耐火構造の耐火性及びその堅牢性により優れる。また、膨張性黒鉛の含有量が40質量部以下であると、良好な粘度が得られ、粘度が高過ぎるためにスプレー施工できないようなことが生じない。
−ホウ酸化合物−
本発明におけるエラストマ層は、ホウ酸化合物の少なくとも一種を含有する。エラストマ層は、ホウ酸化合物を下記ケイ酸塩と共に含有することで、高温時に低融点ガラス相が形成されて高粘度な無機相が付与されるので、炭化したウレタン樹脂や黒鉛を補強して、層の飛散や割れを抑制する。これにより、燃焼中及び燃焼後の樹脂層(燃焼残滓層)の強度が向上し、結果として所期の層構造が保たれる。
ホウ酸化合物としては、例えば、ホウ酸のほか、メタホウ酸ナトリウム(NaBO)、四ホウ酸ナトリウム(Na)、八ホウ酸二ナトリウム四水和物、ホウ酸亜鉛、及びホウ酸塩鉱物等のホウ酸の金属塩などが含まれる。前記ホウ酸塩鉱物としては、小藤石(kotoite)−Mg(BO、ルドウィヒ石(ludwigite)−(Mg,Fe)Fe+3(BO)、硼砂(borax)−Na(OH)・8HO、曹灰硼石(ulexite、ウレキサイト、ウレックス石、”テレビ石”)−NaCaB(OH)・5HO、ウィゼル石(wiserite)−(Mn,Mg)14(Si,Mg)O22(OH)10Cl等が挙げられる。中でも、雨等で水分がかかるおそれを考慮すると、水溶性をほとんど有しないホウ酸化合物(特にホウ酸亜鉛)が好ましい。
ホウ酸化合物のエラストマ層中における含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。ホウ酸化合物の含有量が前記範囲内であることで、燃焼中及び燃焼後の樹脂層の強度を向上させることできる。
−ケイ酸塩−
本発明におけるエラストマ層は、ケイ酸塩の少なくとも一種を含有する。エラストマ層は、ケイ酸塩を前記ホウ酸化合物と共に含有することで、高温時に低融点ガラス相が形成されて高粘度な無機相が付与されるので、炭化したウレタン樹脂や黒鉛を補強して、層の飛散や割れを抑制する。これにより、燃焼中及び燃焼後の樹脂層(燃焼残滓層)の強度が向上し、結果として所期の層構造が保たれる。
ケイ酸塩としては、ケイ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが含まれ、具体例として、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウムなどが挙げられる。また、ケイ酸塩として、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物であるタルクや、雲母、粘度鉱物、石英など、ケイ酸塩を含むケイ酸塩鉱物を使用してもよい。
ケイ酸塩のエラストマ層中における含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。ケイ酸塩の含有量が前記範囲内であることで、燃焼中及び燃焼後の樹脂層の強度を向上させることできる。
また、エラストマ層中に含有されるホウ酸化合物(x)及びケイ酸塩(y)の含有比率(x:y、[質量比])としては、炎熱下に曝されて炭化した層の強度をより高める観点から、1:4〜4:1の範囲が好ましく、1:3〜3:1の範囲がより好ましい。
更に、エラストマ層中に含有されるホウ酸化合物及びケイ酸塩の合計量(質量換算)としては、エラストマ層の全固形分100質量部に対して、1.5〜15質量部が好ましい。
−その他成分−
本発明におけるエラストマ層は、上記成分のほか、必要に応じて、他の成分として安定化剤、着色剤などの添加剤を含有することができる。
前記安定化剤としては、ポリウレタン系樹脂に一般に用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、脱水剤などが挙げられる。
前記着色剤としては、酸化クロム、酸化チタンなどの無機顔料や、フタロシアニン顔料などの有機顔料が挙げられる。
(硬質ポリウレタン系発泡層)
本発明の耐火構造は、前記基材と前記エラストマ層との中間層として、硬質ポリウレタン系樹脂及び膨張性黒鉛を含み、多孔構造を有する硬質ポリウレタン系発泡層(以下、単に「発泡層」又は「本発明における発泡層」ともいう。)が設けられた構造に構成されていることが好ましい。硬質ポリウレタン系発泡層は、発泡硬化体に構成されて断熱性に優れると共に、膨張性黒鉛を含めて炎熱時に膨張効果が発現するように構成されている。膨張効果については、前記エラストマ層における場合と同様である。
この発泡層を設けることで、発泡層を設けない場合に比べて炎熱下での断熱性がより高められる。
−硬質ポリウレタン系樹脂−
本発明における硬質ポリウレタン系発泡層は、硬質ポリウレタン系樹脂の少なくとも一種を、多孔構造にして含有する。すなわち、硬質ポリウレタン系発泡層は、発泡ポリウレタンを用いて構成されている。本発明における発泡層は、硬質なウレタンフォームの層であり、多孔構造を有することで優れた断熱機能を発現する。また、発泡層は、この多孔構造によりクッション性をそなえ、強風等で飛来物が衝突した場合など外力が与えられてもその衝撃を吸収するので、割れや破損等が生じ難く、長期耐久性を付与できる。
硬質ポリウレタン系樹脂は、既述のポリウレタン系樹脂と同様に、分子中にウレタン結合(−O−CONH−)を有するポリマーであって、イソシアネート基を2個以上持つイソシアネート系化合物と、活性水素化合物として水酸基を2個以上持つポリオール化合物との樹脂化反応により得られる。硬質ポリウレタン系樹脂は、この樹脂化反応と同時に発泡反応が進行することで形成されるので、複数の孔が独立して存在し、比較的硬く復元性を有しないものである。
なお、ポリウレタンが硬質であることは、主原料であるポリオール化合物及びイソシアネート系化合物の種類、官能基数、分子量、反応触媒、鎖延長剤(短鎖ジオール等)や架橋剤(低分子量ポリオール等)を適宜選択して分子設計することで、所望の硬質ウレタンフォームが得られる。
また、断熱であることは、熱伝導率が0.040W/mK以下であることをいう。
硬質ポリウレタン系樹脂を形成する原料のうち、イソシアネート系化合物は、既述のエラストマ層に含有されるポリウレタン系樹脂におけるイソシアネート系化合物と同様のものを使用することができ、好ましい態様も同様である。具体的には、イソシアネート系化合物としては、液状MDIが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート系の化合物がより好ましい。その中でも、特に好ましいイソシアネート系化合物は、ポリメリックMDI(クルードMDI(c−MDI))である。
また、硬質ポリウレタン系樹脂を形成する他の原料であるポリオール化合物は、既述のエラストマ層に含有されるポリウレタン系樹脂におけるポリオール化合物と同様のものを使用することができ、好ましい態様も同様である。具体的には、ポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリオール化合物の水酸基数についても、既述のエラストマ層に含有されるポリウレタン系樹脂におけるポリオール化合物と同様であり、好ましい態様も同様である。
硬質ポリウレタンフォームの製造にあたり、イソシアネート系化合物とポリオール化合物とを混合する際の、イソシアネート基(NCO)/活性水素含有基(NH+OH)の比率(当量比;NCOインデックス)は、0.8〜1.2が好ましい。
硬質ウレタンフォームの製造には、架橋剤を使用してもよい。架橋剤の例としては、低分子量の多価アルコールが挙げられ、具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が例示される。
硬質ウレタンフォームは、ガス発生剤(発泡剤)を用いて製造されてもよい。ガス発生剤としては、イソシアネート系化合物と反応して発泡し得るものを適宜選択することができ、例えば、水、有機溶剤などが挙げられる。
ガス発生剤の添加量は、形成するフォームの密度に応じて適宜設定すればよい。例えば水を用いる場合、水の添加量は、ポリオール化合物に対して、2〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
硬質ポリウレタン系発泡層を構成する硬質ウレタンフォームの密度としては、30〜120kg/mが好適である。
更に、硬質ポリウレタン系樹脂の調製には、既述のエラストマ層に含有されるポリウレタン系樹脂の調製に使用可能な反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤等と同様のものを用いることができる。
ポリウレタン系樹脂の発泡硬化体である硬質ウレタンフォームは、イソシアネートとポリオールを、ガス発生剤(発泡剤)、整泡剤、反応触媒などとともに混合し、下記の樹脂化反応と発泡反応とを同時に進行させることで得られる。
・樹脂化反応:n(OCN-R-NCO)+n(HO-R'-OH) → [-(R'-O-CO-NH-R-NH-CO-O)-]n
・発泡反応 :n(OCN-R-NCO)+2n・H20 → n・H2N-R-NH2+2n・CO2
−膨張性黒鉛−
本発明における硬質ポリウレタン系発泡層は、膨張性黒鉛の少なくとも一種を含有する。発泡層は、膨潤性黒鉛を含有することで、難燃化に寄与すると共に、炎熱時に膨張することで延焼の防止効果が得られる。すなわち、発泡層中に含まれる黒鉛自体は、既に層中に存在する空孔を充填するように膨張し、膨張することで元の厚みを維持するかあるいは黒鉛量に応じて厚み変化を伴なうが、この発泡層が熱的なバリアとなる。黒鉛がバリア材として機能している間にその部分の樹脂成分(有機分)は分解、燃焼するが、発泡層は安定に残り延焼が防止される。この発泡層は、膨張性黒鉛が存在し、膨張生成した層間に低粘化した有機分が吸収されることで、ドリップ現象に寄与する。
前記膨張性黒鉛としては、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、無機酸(例えば硫酸、硝酸等)と強酸化剤(例えば濃硝酸、過マンガン酸塩等)とで処理し、グラファイト層状構造が保持されている結晶化合物などが好適に用いられる。粉末には、脱酸処理に加え、更に中和処理が施されたタイプのほか、各種品種を用いることができる。
「膨張性」については、前記エラストマ層における場合と同様である。上記のような膨張性黒鉛は、例えば200℃程度以上の温度に曝された場合に、100倍以上の体積膨張を発現する。
膨張性黒鉛の粒度は、400〜20メッシュ程度が好ましい。粒度は、20メッシュ以下にサイズを抑えることでスプレー施行が良好に行なえ、また400メッシュ以上のサイズにすることで、膨張度を確保し、良好な耐火性が発揮される点で好ましい。中でも、粒度は、50〜200メッシュがより好ましい。
膨張性黒鉛の硬質ポリウレタン系発泡層中における含有量は、樹脂成分100質量部に対して、10〜40質量部が好ましく、12〜30質量部がより好ましい。膨張性黒鉛の含有量が10質量部以上であることで、炎熱時に延焼防止に有利な熱膨張倍率が得られ、良好な耐火性が得られる。また、膨張性黒鉛の含有量が40質量部以下であると、良好な粘度が得られ、粘度が高過ぎるためにスプレー施工できないようなことが生じない。
−その他成分−
本発明における硬質ポリウレタン系発泡層は、上記成分のほか、必要に応じて、他の成分として安定化剤、着色剤などの添加剤を含有することができる。前記安定化剤及び着色剤等の詳細については、既述のエラストマ層における場合と同様である。
<耐火構造の製造方法及び耐火用組成物>
本発明の耐火構造は、既述のように、基材とエラストマ層とを重ねた重層構造(エラストマ層/基材の重層構造)、又は基材と硬質ポリウレタン系発泡層とエラストマ層とをこの順に重ねた重層構造(エラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造)が得られる任意の方法を選択して作製することができる。本発明においては、特に以下に示す本発明の耐火用組成物を用いた方法(本発明の耐火構造の製造方法)により最も好適に耐火構造を作製することができる。
前記「エラストマ層/基材の重層構造」を有する耐火構造を作製する場合、(a)イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、(b)ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを有する本発明の耐火用組成物(エラストマ材料用組成物)を用い、前記(a)第1の原料溶液及び前記(b)第2の原料溶液を(好ましくは衝突させて)混合して反応させることによって、基材上にポリウレタン系エラストマ材料としてエラストマ層を形成することで、耐火構造を作製することができる。
詳細には、本発明の耐火構造の製造方法は、(a)イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、(b)ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを(好ましくは衝突させて)混合した混合液(エラストマ材料用組成物)を、噴出ノズルから噴出して基材上に付与することで、エラストマ層を形成する工程(エラストマ層形成工程)を設けて構成されている。
また、耐火構造は、前記「エラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造」を有する態様であることが好ましい。
このような「エラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造」を有する耐火構造を作製する場合、下記の〔I〕エラストマ材料用組成物と〔II〕発泡材料用組成物とを有する耐火用組成物を用い、まず〔II〕発泡材料用組成物の(c)第3の原料溶液及び(d)第4の原料溶液を(好ましくは衝突させて)混合し、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせることによって、基材上に硬質ポリウレタン系発泡材料として硬質ポリウレタン系発泡層を形成し、次いで〔I〕エラストマ材料用組成物の(a)第1の原料溶液及び(b)第2の原料溶液を(好ましくは衝突させて)混合して反応させることによって、硬質ポリウレタン系発泡層上に、更にポリウレタン系エラストマ材料としてエラストマ層を形成することで、耐火構造を作製することができる。
〔I〕(a)イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液、並びに(b)ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液を有し、前記(a)第1の原料溶液と前記(b)第2の原料溶液とを混合し反応させてポリウレタン系エラストマ材料を作製するエラストマ材料用組成物
〔II〕(c)イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液、並びに(d)ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液を有し、前記(c)第3の原料溶液及び前記(d)第4の原料溶液を混合し、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせて硬質ポリウレタン系発泡材料を作製する発泡材料用組成物
詳細には、前記好ましい態様に係る本発明の耐火構造の製造方法は、基材上にエラストマ層を形成する前に、(c)イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液と、(d)ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液とを(好ましくは衝突させて)混合した混合液を、噴出ノズルから噴出することで、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせて基材上に硬質ポリウレタン系発泡層を形成する工程(発泡層形成工程)を設け、この工程後に前記エラストマ層形成工程を設けて構成される。
−エラストマ層形成工程−
本発明におけるエラストマ層形成工程は、(a)イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、(b)ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを(好ましくは衝突させて)混合し、混合して得られた混合液(エラストマ材料用組成物)を噴出ノズルから噴出して基材上に付与する。これにより、基材の上に(好ましくは該基材上に設けられた下記硬質ポリウレタン系発泡層の上に)エラストマ層を形成する。
第1の原料溶液は、少なくともイソシアネート系化合物を含有する。また、第1の原料溶液には、可塑剤などの任意の成分を含有することができる。
なお、イソシアネート系化合物、可塑剤などの成分の詳細については既述した通りであり、好ましい態様も同様である。
第1の原料溶液に含有されるイソシアネート系化合物の含有比率としては、樹脂化反応でのポリウレタンの生成性の観点から、溶液全量に対して80質量%以上が好ましい。液状MDI等の液状化合物を用いる場合は、イソシアネート系化合物をそのまま第1の原料溶液として使用してもよい。
また、イソシアネート系化合物の第1の原料溶液中における含有比率は、エラストマ層形成用の調製液として第1の原料溶液及び第2の原料溶液を混合して調製した混合液(エラストマ材料用組成物)中に、イソシアネート基含有率が30〜70質量%となるように含有されていることが好ましい。
第1の原料溶液は、実質的に有機溶剤を含まない、すなわち第1の原料溶液中における有機溶剤の含有量が原料溶液全量に対して1.0質量%未満であることが好ましく、有機溶剤を含有しない(含有量が0質量%である)ことがより好ましい。
第1の原料溶液は、混合のし易さや取扱い性、スプレー法でエラストマ層を形成する場合の施工性の観点から、20℃での粘度が100〜10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは200〜2000mPa・sであり、更に好ましくは200〜1000mPa・sである。
粘度は、B型粘度計(タイプBLII、東機産業株式会社製)を用いて、原料溶液を20℃に保ちながら測定される値である。原料溶液の粘度について、以下同様である。
第2の原料溶液は、少なくとも、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含有する。また、第2の原料溶液には、安定化剤、着色剤、反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤などの任意の成分を含有することができる。
なお、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩、並びに安定化剤、着色剤、反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤などの成分の詳細については、既述した通りであり、好ましい態様も同様である。
第2の原料溶液において、イソシアネート系化合物とポリオール化合物及びポリアミン化合物とを混合する際のポリオールとイソシアネートの比としては、イソシアネート基(NCO)/活性水素含有基(NH+OH)の比率(当量比;NCOインデックス)で0.8〜1.2が好ましい。
第2の原料溶液に含有される膨張性黒鉛の含有比率としては、延焼防止効果の観点から、第1の原料溶液及び第2の原料溶液を混合した混合液(エラストマ材料用組成物)中の樹脂成分100質量部に対して、10〜40質量部の範囲となる量が好ましく、より好ましくは12〜30質量部の範囲となる量である。
膨張性黒鉛の含有比率が10質量部以上であることで、炎熱時に所望とする体積膨張が得られ、延焼防止に有利である。すなわち、体積膨張により炎に対して安定性の高い黒鉛薄片が炎に曝されることになり、その間はその部分に含まれる樹脂中の有機成分が燃焼分解して益々黒鉛リッチになり、残存する有機物と炎の距離が遠くなることで難燃性が付与されることになる。また、膨張性黒鉛の含有比率が40質量部以下であると、粘度の上昇が抑えられ、施工性に優れる。
第2の原料溶液に含有されるホウ酸化合物の含有比率としては、エラストマ層の強度を高める観点から、第1の原料溶液及び第2の原料溶液を混合した混合液(エラストマ材料用組成物)中の樹脂成分100質量部に対して、1〜10質量部の範囲となる量が好ましい。該含有比率が前記範囲内であると、燃焼中及び燃焼後の樹脂層の強度が向上する。
また、第2の原料溶液に含有されるケイ酸塩の含有比率としては、エラストマ層の強度を高める観点から、第1の原料溶液及び第2の原料溶液を混合した混合液(エラストマ材料用組成物)中の樹脂成分100質量部に対して、1〜10質量部の範囲となる量が好ましい。該含有比率が前記範囲内であると、燃焼中及び燃焼後の樹脂層の強度が向上する。
更には、第2の原料溶液中に含まれるホウ酸化合物及びケイ酸塩の合計量(質量換算)は、第2の原料溶液の全固形分100質量部に対して、1.5〜15質量部が好ましい。
第2の原料溶液は、混合のし易さや取扱い性、スプレー法でエラストマ層を形成する場合の施工性の観点から、20℃での粘度が100〜10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは200〜2000mPa・sであり、更に好ましくは200〜1000mPa・sである。粘度は、上記と同様にB型粘度計(タイプBLII、東機産業株式会社製)を用いて測定される値である。
第1の原料溶液と第2の原料溶液とを混合して調製した混合液(エラストマ材料用組成物)を噴出ノズルから噴出して基材上に付与する方法としては、スプレー法が好ましい。
スプレー法の中でも、スプレーガンの混合用チャンバー内に第1の原料溶液と第2の原料溶液とを導入して互いに衝突させると共に、衝突により瞬時に混ざり合わせながらノズル口から噴出させることができる方法がより好ましい。この場合、混ざった時点で樹脂化反応は開始するが、短時間のうちに噴出されて基材上に付与されるため、基材上で樹脂化反応の大部分を行なわせることができる。具体的には、2液が導入されて混合される混合チャンバーと、混合チャンバーに連通するノズルとを備えたスプレーガンを使用して好適に行なうことができる。この混合チャンバーへの2液の導入には、例えばグラコ社製のリアクターE−20等の送液装置を使用することができる。このようなスプレーガンの例としては、グラコ社製のフュージョンガン等の2成分衝突混合型吹き付け装置を挙げることができる。
基材上に形成されるエラストマ層の層厚としては、0.5〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。層厚が前記範囲であることで、比較的薄厚でありながら高強度を保持することができる。
また、エラストマ層の密度は、1.0〜1.5kg/mが好適であり、1.1〜1.3kg/mがより好ましい。
−発泡層形成工程−
本発明における発泡層形成工程は、前記エラストマ層形成工程の前に設けられ、エラストマ層/硬質ポリウレタン系発泡層/基材の重層構造に構成されるように、基板上に硬質ポリウレタン系発泡層が形成される。
本工程では、(c)イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液と、(d)ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液とを(好ましくは衝突させて)混合した混合液を、噴出ノズルから噴出することで、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせ、基材上に硬質ポリウレタン系発泡層を形成する。
第3の原料溶液は、少なくともイソシアネート系化合物を含有する。また、第3の原料溶液には、イソシアネート系化合物との反応が進行し難い成分であれば、可塑剤などの任意の成分を含有することができる。
なお、イソシアネート系化合物、可塑剤などの成分の詳細については既述した通りであり、好ましい態様も同様である。
第3の原料溶液に含有されるイソシアネート系化合物の含有比率としては、樹脂化反応でのポリウレタンの生成性の観点から、溶液全量に対して80質量%以上が好ましい。液状MDI等の液状化合物を用いる場合は、イソシアネート系化合物をそのまま第3の原料溶液として使用してもよい。
また、イソシアネート系化合物の第3の原料溶液中における含有比率は、発泡層形成用の調製液として第3の原料溶液及び第4の原料溶液を混合して調製した混合液(発泡材料用組成物)中に、イソシアネート基含有率が30〜70質量%となるように含有されていることが好ましい。
第3の原料溶液は、実質的に有機溶剤を含まない、すなわち第3の原料溶液中における有機溶剤の含有量が原料溶液全量に対して1.0質量%未満であることが好ましく、有機溶剤を含有しない(含有量が0質量%である)ことがより好ましい。
第3の原料溶液は、混合のし易さや取扱い性、スプレー法でエラストマ層を形成する場合の施工性の観点から、20℃での粘度が100〜10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは200〜2000mPa・sである。
第4の原料溶液は、少なくとも、ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤(発泡剤)を含有する。また、第4の原料溶液には、安定化剤、着色剤、反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤などの任意の成分を含有することができる。
なお、ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤、並びに安定化剤、着色剤、反応触媒、可塑剤、整泡剤、難燃剤などの成分の詳細については、既述した通りであり、好ましい態様も同様である。
第4の原料溶液において、イソシアネート系化合物とポリオール化合物及びポリアミン化合物とを混合する際のポリオールとイソシアネートの比としては、イソシアネート基(NCO)/活性水素含有基(NH+OH)の比率(当量比;NCOインデックス)で0.8〜1.2が好ましい。
断熱耐火層と基材との間に硬質ポリウレタン系発泡層を設ける場合には、発泡硬化体に構成されることで、炎熱時により優れた断熱効果、建物の変形吸収などの機能が与えられる。そのため、第4の原料溶液に含有される膨張性黒鉛の含有比率としては、延焼防止効果の観点から、第3の原料溶液及び第4の原料溶液を混合した混合液(発泡材料用組成物)中の樹脂成分100重量部に対して、10〜40質量部の範囲となる量が好ましく、より好ましくは12〜30質量部の範囲となる量である。
膨張性黒鉛の含有比率が10質量部以上であることで、炎熱時に所望とする体積膨張が得られ、ドリップ現象を防いで延焼の防止が図れる。また、膨張性黒鉛の含有比率が40質量部以下であると、第3の原料溶液及び第4の原料溶液を混合した混合液の粘度が高くなり過ぎず、送液を良好に行なえる点で有利である。
第4の原料溶液に含有されるガス発生剤(発泡剤)の含有比率は、ウレタンフォーム(発泡体)の密度から決定され、好ましくは密度が10〜150kg/mになるように含有され、更に好ましくは30〜120kg/mになるように含有される。
第4の原料溶液は、混合のし易さや取扱い性、スプレー法でエラストマ層を形成する場合の施工性の観点から、20℃での粘度が100〜10,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは200〜2,000mPa・sである。
第3の原料溶液と第4の原料溶液とを混合して調製した混合液(発泡材料用組成物)を噴出ノズルから噴出して基材上に付与する方法としては、スプレー法が好ましい。
スプレー法の中でも、スプレーガンの混合用チャンバー内に第3の原料溶液と第4の原料溶液とを導入して互いに衝突させると共に、衝突により瞬時に混ざり合わせながらノズル口から噴出させることができる方法がより好ましい。この場合、混ざった時点で樹脂化反応と発泡反応が進行するが、短時間のうちに噴出されて基材上に付与されるため、基材上で樹脂化反応及び発泡反応が進行して発泡硬化体を形成することができる。具体的には、2液が導入されて混合される混合チャンバーと、混合チャンバーに連通するノズルとを備えたスプレーガンを使用して好適に行なうことができる。この混合チャンバーへの2液の導入には、例えばグラコ社製のリアクターE−20等の送液装置を使用することができる。このようなスプレーガンの例としては、グラコ社製のフュージョンガン等の2成分衝突混合型吹き付け装置を挙げることができる。
基材上に形成される硬質ポリウレタン系発泡層の層厚としては、5〜50mmが好ましく、10〜25mmがより好ましい。層厚が前記範囲であることで断熱性に優れる。
本発明の耐火構造の製造方法においては、はじめに発泡材料用組成物を付与して硬質ポリウレタン系発泡層を形成する場合、基材上において樹脂化反応と発泡反応とを同時に進行させるため、その後のエラストマ層の形成を、硬質ポリウレタン系発泡層が形成されて高強度となった状態で行なえるので、作業時におけるスレート材等の基材の割れや損傷等で生じる墜落等の災害が効果的に防止される利点もある。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<ポリウレタンエラストマ層用溶液の事前準備>
以下に示すように、エラストマ層形成用のエラストマ材料用組成物を調製するための原料溶液を調製した。なお、イソシアネートプレポリマー溶液、ポリオール・ポリアミン混合液、着色剤、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩の混合量は、下記表1〜表2に示す通りである。
(a)イソシアネートプレポリマー溶液の準備
プロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加した分子量3,000(水酸基価37.4mgKOH/g)のポリオキシプロピレンジオール44.5部に、フタル酸ジオクチル15部と、MDI37部と、カルボジイミド変性MDI3.5部とを反応させ(NCO/OH=10.8)、イソシアネート基(NCO)含有率:12.2質量%、粘度:800mPa・s(20℃)のイソシアネートプレポリマー溶液〔(a)第1の原料溶液〕を用意した。イソシアネートプレポリマー溶液の20℃での粘度を、B型粘度計(タイプBLII、東機産業株式会社製)を用いて測定した。
(b)ポリオール・ポリアミン混合液の準備
下記の成分を秤量し、これらを攪拌しながら混合することにより、混合液を得た。
<ポリアミン・ポリオールの混合組成>
・ジエチルトルエンジアミン ・・・14部
(芳香族ポリアミン(活性水素化合物))
・ポリオキシプロピレンジオール・・・86部
(ポリオール(活性水素化合物)、分子量:2,000、水酸基価:56mgKOH/g)
・硬化触媒 ・・・0.5部
(2−エチルヘキサン酸と1,2−ジメチル−イミダゾールとの塩)
続いて、得られた混合液に、下記表1〜表2に示す膨張性黒鉛を攪拌しながら混合した。次に、添加剤として、下記表1〜表2に示す成分(着色剤、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩等)を撹拌しながら混合し、ポリオール・ポリアミン混合液〔(b)第2の原料溶液〕を調製した。ポリオール・ポリアミン混合液の20℃での粘度をB型粘度計(タイプBLII、東機産業株式会社製)を用いて測定した。なお、着色剤、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩の詳細は以下の通りである。
<成分>
・着色剤:酸化チタン40部、カーボンブラック10部、及び黄色酸化鉄10部からなる粉体混合物を、使用するポリオール・ポリアミン混合物40部に分散混合したもの
・ホウ酸化合物:ALCANEX FRF−30(ホウ酸亜鉛、水澤化学工業(株)製)
・ケイ酸塩:タルク(MS−K、日本タルク(株)製)
<硬質ウレタンフォーム層用溶液の事前調製>
以下に示すように、硬質ウレタンフォーム層(硬質ポリウレタン系発泡層)形成用の発泡材料用組成物を調製するための原料溶液を調製した。なお、ポリイソシアネート液、フォームポリオール混合液、膨張性黒鉛、及びTMCPPの混合量は、下記表1〜表2に示す通りである。
(c)ポリイソシアネート液の準備
イソシアネート系化合物として、クルードMDI(V−460(液状MDI)、住化バイエルウレタン社製、イソシアネート基(NCO)の含有比率:30%、粘度(20℃):100mPa・s)を用い、このポリイソシアネートをそのまま〔(c)第3の原料溶液として〕使用した。
(d)フォームポリオール混合液の調製
下記の成分を秤量し、攪拌しながら混合することにより、混合液を得た。
<ポリオールの混合組成>
・ポリオール1 ・・・70部
(テレフタル酸と該テレフタル酸に対して5質量%のリシノール酸とジエチレングリコール(グリコール成分)とを用いて作製されたエステルポリオール(活性水素化合物)、東邦理化(株)製、水酸基価=250mgKOH/g、粘度(25℃)=3000mPa・s)
・ポリオール2 ・・・20部
(エチレンジアミンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物(活性水素化合物)、旭硝子ウレタン(株)製、水酸基価=500mgKOH/g、粘度(25℃)=6000mPa・s)
・ポリオール3 ・・・10部
(DK−3810(活性水素化合物)、第一工業製薬(株)製、水酸基価=315mgKOH/g、粘度(25℃)=1300mPa・s)
・反応触媒(カオライザーNo.1、花王(株)製) ・・・5部
・整泡剤(SZ−1704、東レ・ダウコーニング(株)製)・・・1.5部
・水(発泡剤) ・・・4部
続いて、得られた混合液に、膨張性黒鉛(9550250、伊藤黒鉛工業株式会社製)を攪拌しながら混合した。次に、添加剤として難燃剤であるTMCPP(トリス(クロロプロピル)ホスフェート(含塩素リン酸エステル系難燃剤)、大八化学工業(株)製)を、下記表1〜表2に示す割合で撹拌しながら混合し、フォームポリオール混合液〔(d)第4の原料溶液〕を調製した。
なお、フォームポリオール混合物とクルードMDIとをスプレーガンに導入するに際し、活性水素含有基(NH+OH)に対するイソシアネート基(NCO)の比率(NCO/(NH+OH))が1/1となるようにした。
<基材の準備>
基材として、スレート材(大波スレートn(JIS A 5430;繊維強化セメント板スレート波板)、ウベボード株式会社製)を用意した。
<施工準備>
各層の形成は、スプレーガンを用い、下記の吹き付け条件にて、2種の原料溶液をガン内の混合チャンバーで衝突混合させて噴出し、基材上に吹き付けることにより行なった。
<吹き付け条件>
・スプレーガン:グラコ社製のフュージョンガン
・送液装置 :グラコ社製のリアクターE−20
・噴出速度 :9000ml/min
・各層の厚み :硬質ウレタンフォーム層=28.5mm
ポリウレタンエラストマ層=1.5mm
・原料溶液温度:硬質ウレタンフォーム層形成用の原料溶液:40℃
ポリウレタンエラストマ層形成用の原料溶液:50℃
(実施例1)
<ポリウレタンエラストマ層の形成>
スプレーガンの混合チャンバーに、前記イソシアネートプレポリマー溶液(第1の原料溶液)と前記ポリオール・ポリアミン混合液(第2の原料溶液)とを導入し、導入された2液の流体をチャンバー内で互いに衝突させて混合すると共に、混合後直ぐにその混合液をスプレーガンのノズル先端から噴出し、混合液をスレート材の片側の表面に吹き付けてポリウレタンエラストマ層を形成した。
上記のようにして、ポリウレタンエラストマ層/スレート材の2層構造を有する耐火構造体を作製した。なお、本実施例では、硬質ウレタンフォーム層用溶液を調製せず、基材上にはポリウレタンエラストマ層のみを形成した。
(実施例2〜8)
<硬質ウレタンフォーム層の形成>
スプレーガンの混合チャンバーに、前記ポリイソシアネート液(第3の原料溶液)と前記フォームポリオール混合液(第4の原料溶液)とを導入し、導入された2液の流体をチャンバー内で互いに衝突させて混合すると共に、混合後直ぐにその混合液をスプレーガンのノズル先端から噴出し、基材上のポリウレタンエラストマ層の表面に吹き付けた。このとき、ポリウレタンエラストマ層の表面で発泡し、発泡により多孔構造を形成すると共に硬化した。このようにして、発泡硬化体である硬質ウレタンフォーム層を形成した。
<ポリウレタンエラストマ層の形成>
次に、スプレーガンの混合チャンバーに、前記イソシアネートプレポリマー溶液(第1の原料溶液)と前記ポリオール・ポリアミン混合液(第2の原料溶液)とを導入し、導入された2液の流体をチャンバー内で互いに衝突させて混合すると共に、混合後直ぐにその混合液をスプレーガンのノズル先端から噴出し、混合液を基材の片側の表面に吹き付けて、硬質ウレタンフォーム層上で樹脂化反応及び発泡反応を行なわせることにより、発泡硬化体であるポリウレタンエラストマ層を形成した。
以上のようにして、ポリウレタンエラストマ層/硬質ウレタンフォーム層/スレート材の3層構造を有する耐火構造体を作製した。
(実施例9)
実施例1において、ポリウレタンエラストマ層の形成に用いるポリオール・ポリアミン混合液中の膨張性黒鉛を1/2量とし、ホウ酸亜鉛及びタルクをそれぞれ2倍量としたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタンエラストマ層/スレート材の2層構造を有する耐火構造体を作製した。
(比較例1)
実施例8において、ポリウレタンエラストマ層の形成に用いるポリオール・ポリアミン混合液の調製の際に、ホウ酸亜鉛及びタルクを用いなかったこと以外は、実施例8と同様にして、ポリウレタンエラストマ層/硬質ウレタンフォーム層/スレート材の3層構造を有する耐火構造体を作製した。但し、ポリウレタンエラストマ層の厚みを3mmとした。
(比較例2)
実施例2において、ポリウレタンエラストマ層の形成に用いるポリオール・ポリアミン混合液中の膨張性黒鉛を、鱗片状黒鉛(Z−100、伊藤黒鉛工業株式会社製)に代え、ホウ酸亜鉛及びタルクをそれぞれ2倍量としたこと以外は、実施例2と同様にして、ポリウレタンエラストマ層/硬質ウレタンフォーム層/スレート材の3層構造を有する耐火構造体を作製した。
(比較例3〜4)
実施例7において、ポリウレタンエラストマ層の形成に用いるポリオール・ポリアミン混合液中のホウ酸亜鉛又はタルクを用いなかったこと以外は、実施例7と同様にして、ポリウレタンエラストマ層/硬質ウレタンフォーム層/スレート材の3層構造を有する耐火構造体を作製した。
(比較例5〜8)
実施例7において、ポリウレタンエラストマ層の形成に用いるポリオール・ポリアミン混合液中のホウ酸亜鉛及びタルクを、下記表2に示す化合物及びその量にそれぞれ変更したこと以外は、実施例7と同様にして、ポリウレタンエラストマ層/硬質ウレタンフォーム層/スレート材の3層構造を有する耐火構造体を作製した。
(比較例9)
実施例2において、硬質ウレタンフォーム層上にポリウレタンエラストマ層を重層しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、硬質ウレタンフォーム層/スレート材の2層構造を有する耐火構造体を作製した。
<評価>
上記の実施例及び比較例で作製した耐火構造体について、下記の評価を行なった。評価結果は、下記表1〜表2に示す。
−1.裏面温度上昇−
図1に示すように、耐火構造体のスレート材上に形成された層表面に炎をあてることで、ISO834に準拠し、所定の標準加熱時間−温度曲線(曲線式:T=345log10(8t+1)+20、T:炉内平均温度、t:試験経過時間(分))に沿った加熱を行ない、スレート材の表面(裏面)の温度を測定した。このとき、裏面温度200K(ケルビン)上昇するのに要した時間[分]、及び加熱から1時間経過後の上昇温度[℃]を求めた。
なお、この試験方法は、国土交通省が認可した指定性能評価機関で定める「防耐火性能試験・評価業務方法書」に規定された方法である。
−2.ドリップの有無−
前記「1.裏面温度上昇」の評価と同様にして試験し、スレート材上に形成した層のドリップの発生の有無を目視により評価した。下記の評価基準のうち、ランクAのみが許容範囲である。
<評価基準>
A:表層のドリップ現象はみられなかった。
B:表層が直ぐに流動し、表層のドリップ現象がみられた。
C:表層が流動して大きく脱落し、著しいドリップ現象がみられた。


前記表1〜表2に示されるように、実施例では、200K上昇することはなく、表層のドリップに伴なう脱落、及び膨張した黒鉛の脱落はみられなかった。また、ポリウレタンエラストマ層を設けなかった実施例1では、実施例2〜8に比べ、炎熱後の層強度がやや低く、膨張した黒鉛の粉の脱落がややみられた。また、実施例1と同様にポリウレタンエラストマ層を有しない実施例9に示されるように、ホウ酸亜鉛及びタルクの量を増すことで、膨張性黒鉛の量を減らすことができた。
これに対し、比較例では、温度上昇が著しく数十分で200Kの上昇が観られたばかりか、表層のドリップ現象が抑えられず、耐火性及びその堅牢性の点で劣っていた。

Claims (13)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層と、
    を備えた耐火構造。
  2. 基材と、
    前記基材上に設けられ、硬質ポリウレタン系樹脂及び膨張性黒鉛を含み、多孔構造を有する硬質ポリウレタン系発泡層と、
    前記硬質ポリウレタン系発泡層上に設けられ、ポリウレタン系樹脂、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、及びケイ酸塩を含むエラストマ層と、
    を備えた耐火構造。
  3. 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ層中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である請求項2に記載の耐火構造。
  4. 前記基材は、スレート材、コンクリート材、木質材、又は金属材を用いた基材である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の耐火構造。
  5. イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、
    ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液と、
    を有し、前記第1の原料溶液及び前記第2の原料溶液が混合され反応することでポリウレタン系エラストマ材料が調製される耐火用組成物。
  6. イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液、並びに、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液を有し、前記第1の原料溶液と前記第2の原料溶液とが混合され反応することでポリウレタン系エラストマ材料が調製されるエラストマ材料用組成物と、
    イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液、並びにポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液を有し、前記第3の原料溶液及び前記第4の原料溶液を混合し、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせることで硬質ポリウレタン系発泡材料が調製される発泡材料用組成物と、
    を有する耐火用組成物。
  7. 前記エラストマ材料用組成物及び前記発泡材料用組成物は、有機溶剤の含有比率が各組成物の全質量に対して、各々1.0質量%未満である請求項6に記載の耐火用組成物。
  8. 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ材料用組成物中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である請求項6又は請求項7に記載の耐火用組成物。
  9. イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを混合した混合液を、噴出ノズルから噴出して基材上に付与する耐火構造の製造方法。
  10. イソシアネート系化合物を含む第3の原料溶液と、ポリオール化合物、膨張性黒鉛、及びガス発生剤を含む第4の原料溶液とを混合した混合液を、噴出ノズルから噴出することで、樹脂化反応及び発泡反応を行なわせて基材上に硬質ポリウレタン系発泡層を形成する発泡層形成工程と、
    イソシアネート系化合物を含む第1の原料溶液と、ポリオール化合物及びポリアミン化合物から選ばれる化合物、膨張性黒鉛、ホウ酸化合物、並びにケイ酸塩を含む第2の原料溶液とを混合した混合液を噴出ノズルから噴出することで、前記硬質ポリウレタン系発泡層上にエラストマ層を形成するエラストマ層形成工程と、
    を有する耐火構造の製造方法。
  11. 前記第1の原料溶液、前記第2の原料溶液、前記第3の原料溶液、及び前記第4の原料溶液は、有機溶剤の含有比率が各原料溶液の全質量に対して、各々1.0質量%未満である請求項10に記載の耐火構造の製造方法。
  12. 前記膨張性黒鉛の前記エラストマ層中における含有比率が、樹脂成分100質量部に対して、10質量部以上40質量部以下である請求項10又は請求項11に記載の耐火構造の製造方法。
  13. 前記基材は、スレート材、コンクリート材、木質材、又は金属材を用いた基材である請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の耐火構造の製造方法。
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