以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図3は、本発明に係る通信システム1の概略構成を説明する図である。図1は、通信システムにおいて本発明に係る特徴となる機能を有するeNB、HSS及びOSSについて説明する図である。また、図2は、通信システムに含まれるノードについて説明する図である。また、図3は、eNBの機能について説明する図である。
本実施形態に係る通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)ネットワークの通信規格(通信プロトコル)に準拠して、ユーザが使用する端末装置であるUE(User Equipment)90(90A,90B)に対して、データ通信によりネットワークサービスを提供するシステムである。ネットワークサービスとは、通信サービス(専用線サービス等)やアプリケーションサービス(動画配信、エンベデッド装置等のセンサ装置を利用したサービス)等のネットワーク資源を用いたサービスをいう。また、通信システム1に含まれるノードの一部は、ネットワークインフラ上に論理的に生成される仮想ネットワークであるスライス上に設けられる。
図1に示すように、通信システム1は、eNB(eNodeB)10(基地局装置)、HSS(Home Subscriber Server)20(制御装置)、及び、OSS(Operations Support System)30(制御装置)を含んで構成されている。また、図2に示すように、通信システム1には、eNB10と、HSS20及びOSS30との間に、MME(Mobility Management Entity)40、SGW(Serving Gateway)50、PGW(Packet Data Gateway)60及びPCRF(Policy and Charging Rules Function)70が含まれる。PCRF70についても、本実施形態に係る通信システム1としての一部の機能を有する。また、UE90は、例えば、スマートフォン又はタブレット等の通信機能を有する端末装置により実現される。
通信システム1に含まれるeNB10、HSS20、MME40、SGW50、PGW60及びPCRF70は、IP(Internet Protocol)ベースモビリティ制御技術を適用したSAE(System Architecture Evolution)アーキテクチャに含まれるノードである。また、OSS30は、仮想化されたネットワークであるスライスに係る制御を行うノードである。
通信システム1においてSAEアーキテクチャに含まれる各ノードについて説明する。
eNB10は、基地局装置である。UE90(90A,90B)が通信を行う場合にはeNB10との間で情報を送受信する。eNB10毎にカバーするエリアが設定されていて、UE90は自機の位置に対応したエリアのeNB10との間で交信することにより、通信システム1によるデータ通信を利用することができる。
HSS20は、通信システム1が提供する加入者情報データベースである。HSS20は、UE90等の端末装置に係る契約情報、認証情報、通信サービス情報、在圏情報等を管理する機能を有する。
MME40は、eNB10を収容し、端末の移動管理、認証(セキュリティ制御)およびユーザデータ転送経路(ベアラ)の設定処理を行う機能を有する。また、MME40はeNB10及びSGW50との間で制御信号の送受信を行い、eNB10とSGW50との間のユーザデータ転送経路の設定・解放を行う。
SGW50は、ユーザデータの伝送を行う在圏パケットゲートウェイである。SGW50は、eNB10との間でユーザデータの送受信を行うとともに、SGW50とPGW60との間において、外部パケットネットワーク(PDN)単位の通信経路の設定・解放を実施する。
PGW60は、PDNと接続するゲートウェイ装置として機能し、IPアドレスの割当てなどを実施する。
PCRF70は、通信品質制御に係る機能を有する装置である。PCRF70は、SGW50、PGW60における通信品質制御を行うための、QoS(Quality of Service)や課金方法などのポリシーを決定し、ポリシー制御情報を配布する。PCRF70は、ユーザデータ転送経路毎のQCI(QoS Class Identifier)を設定する機能を有する。
また、通信システム1では、仮想化ネットワークであるスライスに対してサービスを割り当てることで、UE(User Equipment)90に対してネットワークサービスを提供する。スライスとは、ネットワーク装置のリンクとノードの資源を仮想的に切り分けて、切り分けた資源を結合し、ネットワークインフラ上に論理的に生成される仮想化ネットワーク又はサービス網であり、スライス同士は資源を分離しており、互いに干渉しない。
サービス毎のスライスの作成及び管理については、DCN(Dedicated Core Network)を用いたスライス選択技術、及び、NFV(Network Function Virtualisation)/SDN(Software Defined Network)などの仮想化技術に基づくネットワークスライス制御技術を用いて実現することができる。
NFV及びSDNを活用したスライス制御アーキテクチャは、物理サーバやトランスポートスイッチなどのネットワークを構成する物理/仮想資源層、物理/仮想資源上にサービスを提供するための必要な機能セットを有するネットワークスライスを構成する仮想ネットワーク層、及び、最上位層であってエンドユーザに提供されるサービスインスタンスを管理するサービスインスタンス層を含む。物理/仮想資源層は、例えば、SDN−C(SDN Controller)を含むVIN(Virtualized Infrastructure Manager)によって管理される。また、仮想ネットワーク層は、例えば、ネットワークスライス毎にVNFM(Virtual Network Function Manager)、NFVO(NFV Orchestrator)によって管理される。また、サービスインスタンス層におけるサービスインスタンスの要求条件は、OSS/BSS(Operation Support System/Business Support System)により監視され、保証される。なお、図1の通信システム1に含まれるOSS30は、OSS/BSSに含まれるノードであり、本実施形態のOSS30もOSS/BSSとして実現されていてもよい。
SDN−Cによるネットワークのスライシング及びVIMによるサーバ資源のスライシングによって、物理/仮想資源層の割り当てが行われ、VNGFM及びNFVOによって、割り当てられた資源スライス上に機能セットを配置する。そして、このようにして作成されたネットワークスライスについて、OSS/BSSが監視を行う。この結果、サービスに対応したスライスが作成及び管理される。
図1では、互いに独立するスライスSL1、SL2、SL3を示している。スライスSL1、SL2、SL3は、互いに独立してネットワークサービスを提供するとする。図1に示す例では、スライスSL1、SL2、SL3には、それぞれのサービスを提供するためのユーザデータ転送経路が設けられるコアネットワーク側のノード、すなわち、図2で示すSGW50及びPGW60に対応するノードが収容されている。なお、複数のスライスにおいて同一のネットワークサービスが提供される構成であってもよい。
図1に示す例では、第1のサービスを利用するUE90Aは、上記のネットワークのスライシングにより作成されたスライスSL1との間でユーザデータ転送経路(ベアラ)R1が作成されている。これにより、UE90Aは、ユーザデータ転送経路R1を利用して第1のサービスを提供するPDNとの間でデータを送受信することができる。また、第3のサービスを利用するUE90Bは、上記のネットワークのスライシングにより作成されたスライスSL3との間でユーザデータ転送経路(ベアラ)R2が作成されている。これにより、UE90Bは、ユーザデータ転送経路R2を利用して第3のサービスを提供するPDNとの間でデータを送受信することができる。
なお、図1に示す例では、スライスSL1、SL2、SL3にはそれぞれサービスに対応したコアネットワーク側のノードが収容されている例について説明したが、スライスの定義を変更することにより、各スライスが他のノードも収容する構成にしてもよい。また、コアネットワークではなく無線区間に含まれるノードについてもネットワークのスライシングを利用した構成としてもよい。
図1に示す通信システム1では、eNB10は、スライスSL1を経由するユーザデータ転送経路R1を設けているUE90Aと、スライスSL3を経由するユーザデータ転送経路R2を設けているUE90Bと、に係るユーザデータの処理を行う。
従来は、eNB10では、eNB10からUE90に対してユーザデータを送信する場合、ユーザデータ転送経路毎に設定されているQCI(QoS Class Identifier)に基づいてユーザデータの送信スケジュールの調整が行われる。具体的には、eNB10は、ユーザデータに係る無線フレームのスケジューリングを行う。QCIは、PCRF70により設定されるQoS(Quality of Service)のクラスを示す識別子である。従来は、QCIはサービス毎に個別に設定される。ユーザデータ転送経路は、UE90が使用するサービス毎に作成されるものであるから、UE90が特定のサービスを利用するためにユーザデータ転送経路を設けた場合、当該経路には特定のQCIが設定される。eNB10では、UE90に対して送信すべきユーザデータを上位の装置から受信した場合、ユーザデータ転送経路に対して設定されているQCIを参照して、QCIにより指定される要求条件を満たすように、eNB10から送信するユーザデータに係る無線フレームのスケジューリングを行い、当該スケジューリングに基づくタイミングでユーザデータを送信する。すなわち、QCIは、サービスを利用するためのユーザデータ転送経路毎に設定されるユーザデータ送信の優先度を示す情報である。
しかしながら、ネットワークの仮想化により、サービス毎に互いに異なるスライスが設けられ、UE90毎にユーザデータ転送経路を設ける対象のスライスが異なる場合が生じている。また、同一のサービスでも、複数の互いに異なるスライスによって提供される場合がある。このような場合、情報処理の優先度がスライスによって異なることも考えられるため、スライス毎に情報処理の優先度を変化させるというニーズが生じている。つまり、ベストエフォート型の通信システムに含まれる基地局装置(eNB)において、従来はユーザデータ転送経路(すなわち当該ユーザデータ転送経路を利用して提供されるサービス)に応じたQCIに基づく無線フレームのスケジューリングのみが行われていたが、スライスの優先度を考慮した無線フレームのスケジューリングを行うことが望まれている。
これに対して、本実施形態に係る通信システム1では、HSS20又はOSS30において、UE90が接続するスライスの情報処理における優先度を特定する情報を取得し、これをeNB10に対して提供する。そして、eNB10において、HSS20又はOSS30から提供される情報に基づいて、無線フレームのスケジューリングを決定し、ユーザデータを送信するという特徴を有する。
上記の構成を実現するため、図2に示すように、HSS20は、通信部21(送信部)と、QoS情報記憶部22(優先度情報記憶部)と、を有する。また、OSS30は、通信部31(送信部)と、QoS情報記憶部32(優先度情報記憶部)と、を有する。また、図3に示すように、eNB10は、分類部11(Classifier)(優先度情報管理部)と、ユーザデータ管理部12(優先度情報管理部)と、出力部13(Scheduler)(ユーザデータ送信部)と、を有する。なお、HSS20及びOSS30の少なくとも一方が上記の機能部を有していればよいが、本実施形態では、どちらも上記の機能部を有しているとして説明する。
HSS20の通信部21及びOSS30の通信部31は、いずれも、スライスの優先度に係る情報をeNB10に対して提供する機能を有する。また、HSS20のQoS情報記憶部22及びOSS30のQoS情報記憶部32は、いずれも、スライスの優先度に係る情報を記憶する機能を有する。
HSS20のQoS情報記憶部22及びOSS30のQoS情報記憶部32に記憶される情報の例を図4に示す。図4(A)はHSS20のQoS情報記憶部22に記憶される情報の例であり、図4(B)はOSS30のQoS情報記憶部32に記憶される情報の例である。
HSS20では、サービスを利用するための外部のPDNとの間で通信を行う場合に用いられるPDNを特定する情報であるAPN(Access Point Name)と、スライスとが1対1で対応している場合に、スライスを特定する情報と当該スライスの優先度を特定する情報とを記憶する。すなわち、図4(A)に示すように、HSS20のQoS情報記憶部22では、APNがスライスを特定する情報に相当し、APNに対して当該スライスの優先度を示す情報が記憶される。また、HSS20のQoS情報記憶部22では、APNとQCIとの対応関係が別途記憶されていてもよい。
HSS20は、APNに対応付けられたスライスの作成に係る処理が行われた時点で、当該スライスに係る優先度を特定する情報をOSS30から取得する。そして、OSS30から取得された情報が、QoS情報記憶部22に記憶される。なお、APNに対応付けられるスライスが複数設けられる場合がある。この場合、HSS20は、スライスの優先度を特定する情報を保持しない。したがって、eNB10において上記の情報を利用する場合には、OSS30から取得する必要がある。
OSS30は、スライスの作成に係る処理及び監視を行う機能を有する装置である。したがって、図4(B)に示すように、OSS30のQoS情報記憶部32では、スライスを特定する情報に対して、当該スライス当該スライスの優先度を示す情報と、が対応付けられる。また、スライスを特定する情報に対応付けて、当該スライスに含まれるPGWを特定する情報が記憶される。PGWはPDNに接続するためのコアネットワーク側のゲートウェイとしての機能を有するため、PGWを特定する情報は、通信を行う対象のPDNを特定する情報に類する情報である。また、スライスを経由して設けられるユーザデータ転送経路毎のQCIが別途記憶されていてもよい。OSS30は、上述したようにスライスの作成に係る処理及び監視を開始する時点で、上記の情報を取得する。
このように、HSS20及びOSS30では、スライスを特定する情報と、当該スライスを利用した通信の優先度を示す情報と、が記憶される。この情報は、eNB10においてスライスを経由するユーザデータ転送経路を設ける処理を行う時点で、eNB10に対して提供される。
なお、ユーザデータ転送経路毎に設定されるQCIについては、PCRF70において設定され、PCRF70からeNB10に対して提供され得る。このため、PCRF70は、本実施形態に係る通信システム1における制御装置における送信部及び優先度情報記憶部としての機能を有するといえる。
図3に戻り、eNB10の分類部11は、上流のスライス等からUE90宛のユーザデータを取得した場合、ユーザデータの取得元に応じてユーザデータを分類する機能を有する。ユーザデータ管理部12は、分類部11より分類されたユーザデータを分類して保持する機能を有する。出力部13は、ユーザデータ管理部12に保持されるユーザデータをUE90宛に出力する場合、スライスに対応付けられた優先度及びユーザデータ転送経路(当該ユーザデータ転送経路を利用したユーザデータの送受信により提供されるサービス)に対応付けられたQCIに基づいて無線フレームのスケジューリングを行う。また、出力部13は、当該スケジューリングに基づいて、ユーザデータをUE90宛に出力する機能を有する。
eNB10がHSS20又はOSS30から、スライスの優先度に係る情報を取得すると、ユーザデータ管理部12においてスライスの優先度及びユーザデータ転送経路(当該ユーザデータ転送経路を利用したユーザデータの送受信により提供されるサービス)に対応付けられたQCIが対応付けられた分類枠を作成する。図3では、2つのUE90(UE#1、UE#2)について、それぞれ1つの分類枠が作成された例を示している。UE#1については、QCI=9であり、スライスの優先度が1である分類枠12Aが作成されている。また、UE#2については、QCI=9であり、スライスの優先度が2である分類枠12Bが作成されている。分類枠12A,12Bは、スライスにも対応付けられているが、ユーザデータ転送経路にも対応付けられている。したがって、eNB10がUE#1との間で作成済みのユーザデータ転送経路を経由したUE#1宛のユーザデータを取得した場合には、分類部11によってユーザデータ管理部12のUE#1用に作成された当該ユーザデータ転送経路に対応付けられた分類枠12Aに対して当該データが割り当てられて、保持される。また、eNB10がUE#2宛との間で作成済みのユーザデータ転送経路を経由したUE#2宛のユーザデータを取得した場合には、分類部11によってユーザデータ管理部12のUE#2用に作成された分類枠12Bに対して当該データが割り当てられて、保持される。なお、図3では、1つのUEについて1つのユーザデータ転送経路が設けられている場合を示しているが、1つのUEが複数のユーザデータ転送経路を同時に設けている場合には、ユーザデータ転送経路毎に分類枠が設けることができる。この場合、1つのUEについて複数の分類枠が設けられることになる。また、分類部11は、どのユーザデータ転送経路を経由したユーザデータであるかを判断しながら、ユーザデータの分類を行うことになる。
図3で示す2つの分類枠12A,12Bは、QCIが同じクラスであるが、スライスの優先度の数字が異なっている。本実施形態では、優先度が高いほど優先度の数字が小さいとしている。この場合、分類枠12Aの方が分類枠12Bよりも優先度が高く設定されていることから、分類枠12Aが設けられているUE#1に係るユーザデータのほうが優先してスケジューリングされる。したがって、出力部13では、UE#1のユーザデータを優先して出力するようにスケジューリングされる。つまり、図3では、UE#1のユーザデータが優先して処理される状態を模式的に示している。このように、eNB10では、従来から用いられているサービス毎に決定されるQCIだけでなく、スライス毎に定められる優先度を利用して、無線フレームのスケジューリングが行われ、当該スケジューリングに基づいてユーザデータの送信が行われる。
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるeNB10、HSS20、及びOSS30、PCRF70などは、本実施形態の通信システム1に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図5は、本実施形態に係るeNB10、HSS20、及びOSS30のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のeNB10、HSS20、及びOSS30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。eNB10、HSS20、及びOSS30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
eNB10、HSS20、及びOSS30における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、eNB10の分類部11、HSS20の通信部21、及び、OSS30の通信部31などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、eNB10の分類部11、HSS20の通信部21、及び、OSS30の通信部31は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のeNB10の分類部11、HSS20の通信部21、及び、OSS30の通信部31などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、eNB10、HSS20、及びOSS30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
次に、通信システム1において、eNB10に対してHSS20又はおSS30からスライスの優先度に係る情報が提供される際の具体的な手順について説明する。eNB10に対してHSS20又はOSS30からスライスの優先度に係る情報を提供するタイミングは、UE90に関して特定のスライスを経由するユーザデータ転送経路が作成されるタイミングである。ユーザデータ転送経路が作成されるタイミングとは、UE90がアタッチ要求をeNB10に対して送信してアタッチ処理を行う際、もしくは、UE90から新たなPDNとの接続要求が送信されてユーザデータ転送経路を作成する処理を行う際である。なお、前提として、HSS20のQoS情報記憶部22及びOSS30のQoS情報記憶部32は、いずれも、スライスの優先度に係る情報を事前に記憶しているとする。
図6では、アタッチ処理に係る一連の流れを説明する。図6に示す一連の処理の流れについては、3GPP TS23.401 5.3.2の記載が参照される。また、アタッチ処理において通常行われる処理については、説明を省略する。
まずUE90からeNB10宛にアタッチ要求(Attach Request)S01を送信すると、eNB10は、MME40(図6では「新MME」)に、アタッチ要求(Attach Request)を中継する(S02)。MME40は、アタッチ要求(AttachRequest)を受信すると、必要に応じてIdentification Request/Response(S03)にて、旧MME(UE90に係る処理を以前に行っていたMME)との間でUE90に係る情報を取得する。その後、MME40は、Identity Request/Response(S04、S05B)にて、UE90から、端末情報(ME Identity)を取得する。また、MME40は、UE90及びHSS20と連携して、UE90の認証に係る処理(Authentication/Security:S05A)を行う。
さらに、MME40は、EIR(Equipment Identity Register)との間でME Identity Check(S05B)を行った後に、Ciphered Options Request/Response(S06)において、UE90との間でアタッチ処理に係る情報を取得する。
その後、Delete Session Request/Response及びPCEF Initiated IP-CAN Session Termination(S07)により、MME40とSGW50、PGW60及びPCRF70の間で、従前のセッションの消去に係る処理が行われた後に、MME40からHSS20に対して位置登録要求(Update Location Request:S08)が送信される。
HSS20では、旧MMEに対してCancel Location/Ack(S09)により従前のセッションの消去に係る指示を行う。これに基づき、Delete Session Request/Response及びPCEF Initiated IP-CAN Session Termination(S10)により、旧MMEとSGW50、PGW60及びPCRF70の間で、従前のセッションの消去に係る処理が行われる。その後、HSS20からMME40に対して、位置登録要求応答(Update Location Request Ack:S11)が送信される。HSS20では、上記の処理(S08〜S11)により、MME40の配下にUE90が接続したことが記憶される。
その後、MME40は、UE90に係るクリエイト・セッション要求(Create Session Request:S12)をSGW50へ送信する。ここで要求されるセッションの作成とは、UE90と外部パケットネットワークとの間で通信を行うためのユーザデータ転送経路の作成が含まれる。SGW50は、PGW60に対して、クリエイト・セッション要求(Create Session Request:S13)を送信する。そして、PGW60とPCRF70との間で、新たに設けるセッションに係るポリシーの設定に係る処理(PCEF Initiated IP-CAN Session Establishment/Modification:S14)が行われる。
この後、PCRF70は、HSS20又はOSS30に対して、QoSの問い合わせを行う(S31)。図6では、OSS30に対して問い合わせを行う場合を示しているが、HSS20に対して問い合わせを行う場合にも同じタイミングで処理が行われる。PCRF70がHSS20及びOSS30のどちらに対して問い合わせるかは、各サービスに対してスライスをどのように割り当てるか等スライスの割り当て状況や管理状況に応じて適宜変更することができる。またPCRF70において予め問い合わせの手順等を定めておいてもよい。
PCRF70は、UE90に対して設けられるユーザデータ転送経路が経由するPGW(ここではPGW60)を特定する情報を含めて、OSS30に対してQoSに係る情報を問い合わせる。HSS20に対して問い合わせを行う場合には、UE90から送信されるサービスを利用するための外部のPDNとの間で通信を行う場合に用いられるPDNを特定する情報であるAPNを利用してHSS20に対してQoSに係る情報を問い合わせる。
OSS30の通信部31が、PCRF70から問い合わせを受けると、通信部31は、QoS情報記憶部32を参照して、PCRF70から送信されるPGWを特定する情報に対応するスライスを特定し、そのスライスに係る優先度の情報を取得する。そして、その結果を問い合わせに対する応答として、PCRF70へ送信する(S32)。PCRF70はこの情報を取得すると、ユーザデータ転送経路に対応するQCIと共にPGW60に対して送信する(S33)。なお、HSS20に対して問い合わせを行った場合には、HSS20の通信部21が、PCRF70から問い合わせを受けると、QoS情報記憶部22を参照して、PCRF70から送信されるAPNを特定する情報に対応するスライスを特定し、そのスライスに係る優先度及びQCIの情報を取得し、PCRF70に対して送信する(S32)。
その後、PGW60からSGW50に対してクリエイト・セッション応答(Create Session Response:S15)が送信される。このとき、PGW60からSGW50に対してUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIが送信される。また、PGW60からSGW50に対して、最初のダウンリンクデータ(First Down Link Data)が送信される(ハンドオーバ(HO)でない場合)。
その後、SGW50からMME40へのクリエイト・セッション応答(Create Session Response:S16)が送信される。このとき、PGW60からSGW50へ送信されていたUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIがMME40に対して送信される。
そして、MME40からeNB10に対して、イニシャル・コンテキスト・セットアップ要求/アタッチ受理(Initial Context Setup Request/Attach Accept:S17)が送信される。このとき、SGW50からMME40へ送信されていたUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIがeNB10に対して送信される。この結果、eNB10では、ユーザデータ転送経路が経由するスライスの優先度を示す情報と、ユーザデータ転送経路に係るQCIとが取得される。eNB10ではこれらの情報に基づいて、ユーザデータ管理部12において、UE90について作成されるユーザデータ転送経路に対応する分類枠を作成する。
引き続き、アタッチの処理が行われる。すなわち、eNB10からUE90に対してRRCコネクション再構成(RRC Connection Reconfiguration:S18)が送信され、これに対して、UE90からeNB10に対してRRCコネクション再構成完了(RRC Connection Reconfiguration Complete:S19)が送信される。その後、eNB10からMME40に対してイニシャル・コンテキスト・セットアップ応答(Initial Context Setup Response:S20)が送信される。その後、UE90からeNB10に対して、ダイレクト転送(Direct Transfer:S21)が行われ、eNB10からMME40に対して、アタッチ完了(Attach Complete:S22)を送信する。
この後、UE90からSGW50及びPGW60への最初のアップリンクデータ(First Uplink Data:S34)の送信が可能となる。
そして、さらに、MME40からSGW50に対して修正ベアラ要求(Modify Bearer Request:S23)が送信され、SGW50とPGW60との間での修正ベアラに係る処理(Modify Bearer Request/Response:S23)が行われた後に、SGW50からMME40に対して修正ベアラ応答(Modify Bearer Response:S24)が送信される。その後、PGW60、SGW50からUE90への最初のダウンリンクデータ(First Downlink data:S35)の送信が行われる。さらに、MME40とHSS20との間で処理の完了に係る情報の送受信(Notify Request/Response:S25、S26)が行われ、アタッチ処理が完了する。
図7では、新たなPDNとの接続要求に基づく一連の流れを説明する。図7に示す一連の処理の流れについては、3GPP TS23.401 5.10.2の記載が参照される。また、アタッチ処理において通常行われる処理については、説明を省略する。
まずUE90からMME40へ、新たな外部のパケットネットワーク(PDN)との接続を要求(PDN Connectivity Request)する(S01)。MME40は、UE90からの要求に基づき、UE90に係るクリエイト・セッション要求(Create Session Request:S42)をSGW50へ送信する。ここで要求されるセッションの作成とは、UE90と外部パケットネットワークとの間で通信を行うためのユーザデータ転送経路の作成が含まれる。SGW50は、PGW60に対して、クリエイト・セッション要求(Create Session Request:S43)を送信する。そして、PGW60とPCRF70との間で、新たに設けるセッションに係るポリシーの設定に係る処理(PCEF Initiated IP-CAN Session Establishment/Modification:S44)が行われる。
この後、PCRF70は、HSS20又はOSS30に対して、QoSの問い合わせを行う(S61)。図7では、OSS30に対して問い合わせを行う場合を示しているが、HSS20に対して問い合わせを行う場合にも同じタイミングで処理が行われる。PCRF70がHSS20及びOSS30のどちらに対して問い合わせるかは、各サービスに対してスライスをどのように割り当てるか等スライスの割り当て状況や管理状況に応じて適宜変更することができる。またPCRF70において予め問い合わせの手順等を定めておいてもよい。
PCRF70は、UE90に対して設けられるユーザデータ転送経路が経由するPGW(ここではPGW60)を特定する情報を含めて、OSS30に対してQoSに係る情報を問い合わせる。HSS20に対して問い合わせを行う場合には、UE90から送信されるサービスを利用するための外部のPDNとの間で通信を行う場合に用いられるPDNを特定する情報であるAPNを利用してHSS20に対してQoSに係る情報を問い合わせる。
OSS30の通信部31が、PCRF70から問い合わせを受けると、通信部31は、QoS情報記憶部32を参照して、PCRF70から送信されるPGWを特定する情報に対応するスライスを特定し、そのスライスに係る優先度の情報を取得する。そして、その結果を問い合わせに対する応答として、PCRF70へ送信する(S62)。PCRF0はこの情報を取得すると、ユーザデータ転送経路に対応するQCIと共にPGW60に対して送信する(S63)。なお、HSS20に対して問い合わせを行った場合には、HSS20の通信部21が、PCRF70から問い合わせを受けると、QoS情報記憶部22を参照して、PCRF70から送信されるAPNを特定する情報に対応するスライスを特定し、そのスライスに係る優先度及びQCIの情報を取得し、PCRF70に対して送信する(S62)。
その後、PGW60からSGW50に対してクリエイト・セッション応答(Create Session Response:S65)が送信される。このとき、PGW60からSGW50に対してUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIが送信される。また、PGW60からSGW50に対して、最初のダウンリンクデータ(First Down Link Data)が送信される。
その後、SGW50からMME40へのクリエイト・セッション応答(Create Session Response:S46)が送信される。このとき、PGW60からSGW50へ送信されていたUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIがMME40に対して送信される。
そして、MME40からeNB10に対して、ベアラ・セットアップ要求/PDN接続受理(Bearer Setup Request/PDN Connectivity Accept:S47)が送信される。このとき、SGW50からMME40へ送信されていたUE90に係るユーザデータ転送経路が経由するスライスに係る優先度を示す情報及び当該ユーザデータ転送経路に係るQCIがeNB10に対して送信される。この結果、eNB10では、ユーザデータ転送経路が経由するスライスの優先度を示す情報と、ユーザデータ転送経路に係るQCIとが取得される。eNB10ではこれらの情報に基づいて、ユーザデータ管理部12において、UE90について作成されるユーザデータ転送経路に対応する分類枠を作成する。
引き続き、新たなパケットネットワークとの接続に係る処理が行われる。すなわち、eNB10からUE90に対してRRCコネクション再構成(RRC Connection Reconfiguration:S48)が送信され、これに対して、UE90からeNB10に対してRRCコネクション再構成完了(RRC Connection Reconfiguration Complete:S49)が送信される。その後、eNB10からMME40に対してベアラ・セットアップ応答(Bearer Setup Response:S50)が送信される。この後、UE90からSGW50及びPGW60への最初のアップリンクデータ(First Uplink Data:S64)の送信が可能となる。
さらに、MME40からSGW50に対して修正ベアラ要求(Modify Bearer Request:S53)が送信され、SGW50とPGW60との間での修正ベアラに係る処理(Modify Bearer Request/Response:S53)が行われた後に、SGW50からMME40に対して修正ベアラ応答(Modify Bearer Response:S54)が送信される。その後、PGW60、SGW50からUE90への最初のダウンリンクデータ(First Downlink data:S65)の送信が行われる。さらに、MME40とHSS20との間で処理の完了に係る情報の送受信(Notify Request/Response:S55、S56)が行われ、新たなパケットネットワークとの接続に係る処理が完了する。
上記のUE90のアタッチ処理及びPDNとのユーザデータ転送経路の作成処理のいずれにおいても、本実施形態で説明したユーザデータの送信スケジュールの決定をeNB10で行うための処理が含まれる。したがって、eNB10において上述したスライスの優先度を考慮した無線フレームのスケジューリング及びユーザデータの送信が可能な状態となる。
すなわち、本実施形態に係る通信システム1による通信方法によれば、基地局装置(eNB10)において、一のスライスを経由するユーザデータ転送経路を経由して送信された通信端末(UE90)宛のユーザデータを取得した場合、複数のスライスに含まれるスライス毎に、スライスを経由する通信を行う場合のスライス毎のユーザデータの処理優先度のうち、一のスライスに関する処理優先度を特定するステップと、基地局装置(eNB10)において特定された、一のスライスに関する前記処理優先度に係る情報に基づくタイミングにて、基地局装置(eNB10)から通信端末(UE)へユーザデータの送信を行うステップと、が実現される。
以上のように、本発明に係る通信システム及び通信方法によれば、特定のスライスを経由するユーザデータ転送経路を経由するユーザデータがUE90(通信端末)に対して送信される場合、eNB10(基地局装置)において、HSS20又はOSS30から送信されるスライスを経由する通信を行う場合のスライス毎のユーザデータの処理優先度を特定する情報に基づくタイミングでユーザデータの送信が行われる。したがって、無線区間についても、スライス毎に設定される優先度に応じてユーザデータの送信処理を行うことが可能となる。
また、上記実施形態の通信システムでは、制御装置として機能するPCRF70の優先度情報記憶部において、ユーザデータ転送経路を経由して前記通信端末が利用するサービス毎に決定されるユーザデータ送信の優先度を示す情報であるサービス優先度情報(QCI)をさらに保持し、制御装置(PCRF70)の送信部は、前記優先度情報記憶部に記憶される情報のうち前記ユーザデータ転送経路に対応するサービス優先度情報と、を前記基地局装置に送信し、基地局装置(eNB10)の管理部は、制御装置から送信される前記ユーザデータ転送経路に対応するサービス優先度情報をさらに保持し、基地局装置のユーザデータ送信部(出力部13)は、一のスライスを経由するユーザデータ転送経路を経由して送信された通信端末宛のユーザデータを取得した場合、管理部において保持されるユーザデータ転送経路に対応するサービス優先度情報にも基づいて、ユーザデータの送信タイミングを決定し、ユーザデータを送信することができる。
つまり、eNB10は、サービス毎に決定されるユーザデータ送信の優先度を示す情報であるサービス優先度情報(QCI)にも基づいてユーザデータの送信のタイミングを決定し、送信する。したがって、本実施形態に係るeNB10では、従来から利用されているQCIと、スライス毎に設定される優先度とを組み合わせることで、ユーザデータの送信スケジュールをより適切に調整することが可能となる。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC ConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において特定の装置によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。例えば、特定の装置が基地局であった場合においては、当該基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS−GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。 本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(accesspoint)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動通信端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(include)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。
スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。