JP2018056348A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置における閾値電圧の変動を抑制する。
【解決手段】半導体装置は、窒化物半導体層と、窒化物半導体層に接して形成され、窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有する酸化絶縁膜と、酸化絶縁膜を挟んで窒化物半導体層とは反対側において、酸化絶縁膜に接するゲート電極と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関する。
従来から、半導体装置として、窒化ガリウム(GaN)等の窒化物半導体から主に成る窒化物半導体層の上に、二酸化ケイ素(SiO)等の絶縁体から主に成る絶縁層が形成され、かかる絶縁層の上にゲート電極が形成された構造を有する半導体装置が提案されている(特許文献1参照)。このような半導体装置の製造過程において、窒化物半導体層の表面上に絶縁層が形成されると、例えば、窒化物半導体層に含まれるドーパントの活性化を目的とした加熱処理(アニール)が行われた場合等において、蒸気圧の高い窒素が窒化物半導体層から絶縁層へと拡散してしまう。その結果、窒化物半導体層と絶縁層との界面において窒素空孔が生じ、かかる窒素空孔に起因して界面準位が生じるおそれがある。このように界面準位が生じると、半導体装置が放射線を浴びた際に、絶縁層内で電離された電荷(電子またはホール)が界面準位に捕らわれることにより、閾値電圧が変動するおそれがある。
特表2013−518436号公報
例えば、特許文献1に記載のように、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)から成る窒化物半導体層の上に、窒化珪素(Si)から成る層と、二酸化ケイ素(SiO)から成る層とが、この順序で形成された構造を有するゲート絶縁層を設けることにより、窒化物半導体層から拡散された窒素を、窒化珪素(Si)から成る層に含まれる窒素によって補填することで、界面準位の発生を抑制して、閾値電圧の変動を抑制できる可能性がある。本発明は、このような従来の構成および方法とは異なる構成および方法により、半導体装置における閾値電圧の変動を抑制可能な技術を提供する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、半導体装置が提供される。この半導体装置は、窒化物半導体層と;前記窒化物半導体層に接して形成され、前記窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有する酸化絶縁膜と;前記酸化絶縁膜を挟んで前記窒化物半導体層とは反対側において、前記酸化絶縁膜に接するゲート電極と;を備える。この形態の半導体装置によれば、酸化絶縁膜は、窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有するので、窒化物半導体層と酸化絶縁膜との界面に窒素空孔が生じた場合でも、濃度傾斜部に含まれる窒素により窒素原子のダングリングボンドを終端して界面準位が生じることを抑制し、閾値電圧の変動を抑制できる。
(2)上記形態の半導体装置において、前記酸化絶縁膜は、前記窒化物半導体層に接して配置され、窒素を含有し、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る第1絶縁膜と;前記第1絶縁膜を挟んで前記窒化物半導体層とは反対側において前記第1絶縁膜に接し、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る第2絶縁膜と;を有し;前記濃度傾斜部は、前記第1絶縁膜を含んでもよい。この形態の半導体装置によれば、酸化絶縁膜は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る第1絶縁膜と、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る第2絶縁膜とを有するため、放射線照射に伴う電離で生じた電子とホールの対のうち、ホールを第2絶縁膜の深い準位に捕獲させて第2絶縁膜を正に帯電させ、他方、電子を第1絶縁膜の深い準位に捕獲させて第1絶縁膜を負に帯電させることができる。このため、酸化絶縁膜の全体として、正と負の電荷を打ち消し合わせて電荷増加を抑制し、界面準位の発生を抑制できる。
(3)上記形態の半導体装置において、前記酸化絶縁膜は、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る複数の副絶縁膜を有し;前記濃度傾斜部は、前記複数の副絶縁膜を含み;前記複数の副絶縁膜において、前記窒化物半導体層に近い膜ほど、平均窒素濃度が高くてもよい。この形態の半導体装置によれば、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る複数の副絶縁膜において、窒化物半導体層に近い膜ほど平均窒素濃度が高いので、酸化絶縁膜のうち、少なくとも複数の副絶縁膜から成る部分においては、ゲート電圧が印加された状態において電界を弱めることができる。換言すると、各層の積層方向に沿った伝導帯および価電子帯の電子のエネルギー(ポテンシャルエネルギー)を、平均窒素濃度が均一な場合に比べて平坦化させることができる。このため、放射線照射に伴う電離により酸化絶縁膜内に生じた電子とホールとが、互いに反対方向(窒化物半導体層から遠ざかる方向および近づく方向)に移動することを抑制し、互いに再結合することを促進できる。これにより、仮に、窒化物半導体層と酸化絶縁膜との界面に界面準位が生じた場合であっても、かかる界面準位に電離で生じた電荷が捕獲されることを抑制できる。このため、閾値電圧の変動を抑制できる。
(4)上記形態の半導体装置において、前記窒化物半導体層は、窒化ガリウム(GaN)を含んでもよい。この形態の半導体装置によれば、窒化物半導体層は、窒化ガリウム(GaN)を含むので、半導体装置の高温動作や、高速スイッチングが可能になる等の効果を奏する。
本発明は、半導体装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、半導体装置の製造方法、および酸化絶縁膜の形成方法等の形態で実現することができる。
本発明の半導体装置によれば、酸化絶縁膜は、窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有するので、窒化物半導体層と酸化絶縁膜との界面に窒素空孔が生じた場合でも、濃度傾斜部に含まれる窒素により窒素原子のダングリングボンドを終端して界面準位が生じることを抑制し、閾値電圧の変動を抑制できる。
本発明の一実施形態としての半導体装置の構成を模式的に示す断面図である。 図1における領域Ar1を拡大して示す断面図である。 半導体装置の製造方法を示す工程図である。 酸化絶縁膜の形成工程の詳細手順を示す工程図である。 工程P110が実行される際の、第1のn型半導体層と第1絶縁膜との界面の様子を模式的に示す断面図である。 第2実施形態における半導体装置の一部の領域を拡大して示す断面図である。 第2実施形態における酸化絶縁膜の形成工程の詳細手順を示す工程図である。 ゲート電極にゲート電圧が印加されていない状態における酸化絶縁膜の近傍のバンドダイアグラムを示す説明図である。 ゲート電極にゲート電圧が印加されている状態における酸化絶縁膜の近傍のバンドダイアグラムを示す説明図である。 ゲート電極にゲート電圧が印加されている状態における比較例の半導体装置のバンドダイアグラムを示す説明図である。 ゲート電極にゲート電圧が印加されている状態における比較例の半導体装置のバンドダイアグラムを示す説明図である。 第3実施形態における半導体装置の一部の領域を拡大して示す断面図である。 第3実施形態における酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順を示す工程図である。
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としての半導体装置100の構成を模式的に示す断面図である。図1には、相互に直交するX軸、Y軸およびZ軸が表されている。以降において、+Z方向を上方、−Z方向を下方と呼ぶ。なお、上方および下方とは、便宜上そのように呼ぶに過ぎず、半導体装置100が使用される際の半導体装置100の向きを限定するものではない。図1のX軸、Y軸およびZ軸は、他の図のX軸、Y軸およびZ軸に対応する。
半導体装置100は、トレンチゲート構造を有する縦型トランジスタである。半導体装置100は、基板110と、第1のn型半導体層112と、p型半導体層114と、第2のn型半導体層116と、トレンチ150と、酸化絶縁膜130と、ゲート電極122と、ソース電極124と、ドレイン電極126とを備えている。
基板110は、X−Y平面に沿って広がる板状の外観形状を有する。基板110は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層である。本実施形態において、「窒化ガリウム(GaN)から主に成る」とは、モル分率において窒化ガリウム(GaN)を50%以上含有することを意味する。基板110は、第1のn型半導体層112よりも高い濃度でドーパント(ドナー)が添加されている。本実施形態では、かかるドナーとして、ケイ素(Si)が添加されている。なお、基板110は、nGaN層とも呼ぶことができる。
第1のn型半導体層112は、基板110の上に接して形成されている。第1のn型半導体層112は、基板110と同様に、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層であり、ドナーとしてケイ素(Si)が添加されている。第1のn型半導体層112は、nGaN層とも呼ぶことができる。
p型半導体層114は、第1のn型半導体層112の上に接して形成されている。p型半導体層114は、窒化ガリウム(GaN)から主に成るp型半導体層である。p型半導体層114には、ドーパント(アクセプタ)としてマグネシウム(Mg)が添加されている。p型半導体層114は、pGaN層とも呼ぶことができる。
第2のn型半導体層116は、p型半導体層114の上に接して形成されている。第2のn型半導体層116は、基板110および第1のn型半導体層112と同様に、窒化ガリウム(GaN)から主に成るn型半導体層であり、ドナーとしてケイ素(Si)が添加されている。第2のn型半導体層116におけるドナー濃度は、第1のn型半導体層112におけるドナー濃度よりも高い。第2のn型半導体層116は、nGaN層とも呼ぶことができる。
トレンチ150は、第2のn型半導体層116とp型半導体層114とを連続して貫通して第1のn型半導体層112の上部まで達する溝部として形成されている。トレンチ150は、p型半導体層114を完全に貫いているため、p型半導体層114に反転層が十分に形成される。したがって、p型半導体層114を完全に貫いていない構成に比べて半導体装置100のオン抵抗を低減できる。なお、トレンチ150は、第1のn型半導体層112の中央または下部まで達する溝部として形成されてもよい。
酸化絶縁膜130は、電気絶縁性を有する膜である。酸化絶縁膜130は、トレンチ150の表面、すなわち、トレンチ150の底部および側面部の表面を覆うように形成されている。
図2は、図1における領域Ar1を拡大して示す断面図である。領域Ar1は、トレンチ150の底部近傍の酸化絶縁膜130を中心とした領域を示す。酸化絶縁膜130は、第1絶縁膜131と、第2絶縁膜132とから成る。
第1絶縁膜131は、第1のn型半導体層112の上に接して形成されている。本実施形態において、第1絶縁膜131は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る。第1絶縁膜131には、窒素が含まれており、かかる窒素の平均濃度(単位体積あたりの平均窒素量)は、第1のn型半導体層112に向かうにつれて高くなる。換言すると、第1絶縁膜131は、領域Ar1において、第1のn型半導体層112に向かうにつれて窒素の平均濃度が高くなる濃度傾斜部として構成されている。本実施形態において、第1絶縁膜131の厚さ(領域Ar1においては、Z方向の長さ)は、50nm(ナノメートル)以下である。なお、第1絶縁膜131の厚さとしては、20nm以下が好ましい。このようにすることで、後述する酸化絶縁膜130の形成工程(工程P25)において、窒素原子が、第1のn型半導体層112と第1絶縁膜131との界面に供給され易くできる。
上述のように、第1絶縁膜131において、窒素の平均濃度が第1のn型半導体層112に向かうにつれて高くなっていることにより、第1のn型半導体層112の上に第1絶縁膜131が形成された後、第1のn型半導体層112の窒素が第1絶縁膜131に拡散されて、第1のn型半導体層112と第1絶縁膜131との界面に窒素空孔が生じた場合でも、第1絶縁膜131に含まれる窒素により窒素原子のダングリングボンドを終端して界面準位が生じることを抑制できる。
第2絶縁膜132は、第1絶縁膜131の表面上に接して形成されている。換言すると、領域Ar1において、第2絶縁膜132は、第1絶縁膜131を挟んで第1のn型半導体層112とは反対側において、第1絶縁膜131に接して形成されている。本実施形態において、第2絶縁膜132は、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る。
図1に示すように、ゲート電極122は、酸化絶縁膜130に覆われたトレンチ150内に埋め込まれるように配置されている。本実施形態において、ゲート電極122は、アルミニウム(Al)から成る。なお、アルミニウム(Al)に代えて、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、金(Au)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ポリシリコン等の導電性材料の少なくとも1つにより構成してもよい。例えば、熱安定性の高い窒化チタン(TiN)膜と、かかるTiN膜の上に接して形成されたアルミニウムシリコン(AlSi)からなる電極とにより、ゲート電極122を構成してもよい。
ソース電極124は、第2のn型半導体層116の上に接して形成されている。ソース電極124は、ゲート電極122と同様な材料により形成してもよい。
ドレイン電極126は、基板110の下に接して配置されている。換言すると、ドレイン電極126は、基板110における第1のn型半導体層112と接する面とは反対側の面と接して形成されている。ドレイン電極126は、ゲート電極122と同様な材料により形成してもよい。
A2.半導体装置100の製造:
図3は、半導体装置100の製造方法を示す工程図である。まず、製造者は、基板110の上に第1のn型半導体層112を形成する(工程P5)。本実施形態では、第1のn型半導体層112は、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によって形成される。具体的には、例えば、用意した基板110をチャンバー内に配置し、Ga原子の原料ガスであるトリメチルガリウム(TMGa:Tri-Methyl-Gallium)と、窒素原子の原料ガスであるアンモニア(NH)と、ドーパント用ガスであるシラン(SiH)とを混合したガスをチャンバー内に供給する。このとき、キャリアガスとして、水素と窒素の混合ガスを用いる。
製造者は、工程P5により形成された第1のn型半導体層112上に、p型半導体層114を形成する(工程P10)。この工程P10も、MOCVDにより実行される。工程P10では、工程P5で用いた原料ガスと同じ原料ガスを用いる。他方、ドーパント用ガスとして、シクロペンタンジエチルマグネシウム(CPMg)を用いる。
製造者は、工程P10により形成されたp型半導体層114の上に、第2のn型半導体層116を形成する(工程P15)。この工程P15も、MOCVDにより実行される。工程P15において用いられる原料ガスおよびドーパント用ガスは、上述の工程P5で用いたガスと同じ種類のガスである。但し、工程P15におけるドーパント用ガス(シラン(SiH)ガス)の流量を、工程P5に比べて大きくして、第2のn型半導体層116におけるドナー濃度が、第1のn型半導体層112におけるドナー濃度よりも高くなるように調整する。
製造者は、エッチングによりトレンチ150を形成する(工程P20)。本実施形態では、工程P20は、第2のn型半導体層116、p型半導体層114、および第1のn型半導体層112に対する−Z方向のドライエッチングにより形成される。トレンチ150が形成された後、製造者は、トレンチ150の表面を覆うように、酸化絶縁膜130を形成する(工程P25)。
図4は、酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順を示す工程図である。製造者は、トレンチ150の表面上、すなわち、トレンチ150内に露出した、第1のn型半導体層112、p型半導体層114および第2のn型半導体層116の各層の表面上に、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る部分層を形成する(工程P105)。「部分層」とは、酸化絶縁膜130の一部(すなわち、第1絶縁膜131)を構成することとなる層であって、領域Ar1において、第1のn型半導体層112に向かうにつれて窒素の平均濃度が高くなる濃度傾斜部として構成される前段の層(膜)を意味する。換言すると、部分層とは、第1絶縁膜131の前駆体の層といえる。本実施形態では、部分層は、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマ発生装置を用いて、プラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition)によって形成される。
製造者は、部分層の表面側から窒素プラズマを照射することにより、第1絶縁膜131(濃度傾斜部)を形成する(工程P110)。本実施形態において、工程P110は、工程P105に引き続き、ECRプラズマ発生装置を用いて実行される。工程P110では、減圧下で窒素含有ガスを100%供給して高密度の窒素プラズマを発生させる。窒素含有ガスとしては、例えば、窒素(N)ガス、およびアンモニア(NH)ガス等を用いることができる。
図5は、工程P110が実行される際の、第1のn型半導体層112と第1絶縁膜131との界面の様子を模式的に示す断面図である。なお、図5では、図1および図2で示す領域Ar1と同じ位置の領域を拡大して示している。図5に示すように、窒素プラズマが第1絶縁膜131(部分層)の表面側、すなわち、第1のn型半導体層112とは反対側の露出した面側から第1絶縁膜131に照射されると、窒素原子が第1絶縁膜131(部分層)を通って第1のn型半導体層112と第1絶縁膜131との界面113に達する。工程P105の後、第1のn型半導体層112から第1絶縁膜131(部分層)に向かって窒素原子が拡散して窒素空孔が界面113に生じ得る。しかし、かかる窒素空孔(窒素のダングリンボンド)は、窒素プラズマにより供給される窒素原子により塞がれる。換言すると、窒素プラズマにより第1絶縁膜131(部分層)の表面から供給される窒素原子は、その多くが界面113まで達して界面113近傍において捕獲される。このため、第1絶縁膜131には、図2に示すような平均窒素濃度の傾斜、すなわち、第1のn型半導体層112に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜が形成されることとなる。特に、窒素プラズマのエネルギーが高いと、第1絶縁膜131の表面よりも第1のn型半導体層112の方に窒素原子がより高濃度に注入されるため、第1絶縁膜131の表面の窒素濃度は相対的に低くなり、第1のn型半導体層112の窒素濃度は相対的に高くなる。
図4に示すように、工程P110により第1絶縁膜131が形成された後、製造者は、第1絶縁膜131の表面上に、第2絶縁膜132を形成する(工程P115)。本実施形態において、工程P115は、工程P105およびP110に引き続き、ECRプラズマ発生装置を用いて実行される。このとき、窒素原子の原料ガスである窒素(N)と、酸素原子の原料であるオゾン(O)と、ケイ素(Si)の原料であるシラン(SiH)とを混合したガスをチャンバー内に供給する。また、キャリアガスとして、水素と窒素の混合ガスを用いる。工程P115が完了して第2絶縁膜132が形成されると、酸化絶縁膜130の形成工程(工程P25)は終了する。
図3に戻って、酸化絶縁膜130の形成工程(工程P25)が終了すると、ゲート電極122、ソース電極124、およびドレイン電極126が形成される(工程P30)。各電極122,124,126は、原料の金属材料を蒸着することにより形成される。なお、ソース電極124は、第2のn型半導体層116とオーミック接触するように形成される。また、各電極122,124,126は、蒸着に代えてスパッタリングにより形成されてもよい。
以上説明した第1実施形態の半導体装置100によれば、酸化絶縁膜130は、窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる第1絶縁膜131(濃度傾斜部)を有するので、第1のn型半導体層112と酸化絶縁膜130(第1絶縁膜131)との界面113に窒素空孔が生じた場合でも、第1絶縁膜131(濃度傾斜部)に含まれる窒素により窒素原子のダングリングボンドを終端して界面準位が生じることを抑制し、閾値電圧の変動を抑制できる。
また、半導体装置100では、酸化絶縁膜130は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る第1絶縁膜131と、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る第2絶縁膜132とを有するため、放射線照射に伴う電離で生じた電子とホールの対のうち、ホールを第2絶縁膜132の深い準位に捕獲させて第2絶縁膜132を正に帯電させ、他方、電子を第1絶縁膜131の深い準位に捕獲させて第1絶縁膜131を負に帯電させることができる。このため、酸化絶縁膜130の全体として、正と負の電荷を打ち消し合わせて電荷増加を抑制し、界面準位の発生を抑制できる。
また、半導体装置100では、基板110を含む各層112,114,116は、いずれも窒化ガリウム(GaN)を含むので、高温動作や高速スイッチングが可能になる等の効果を奏する。
B.第2実施形態:
B1.装置構成:
図6は、第2実施形態における半導体装置の一部の領域を拡大して示す断面図である。図6に示す領域Ar2は、第1実施形態における領域Ar1とほぼ同じ位置の領域、即ち、トレンチ150の底部近傍の酸化絶縁膜を中心とした領域を示す。
第2実施形態の半導体装置は、酸化絶縁膜130に代えて酸化絶縁膜130aを備えている点において、第1実施形態の半導体装置100と異なる。第2実施形態の半導体装置におけるその他の構成は、第1実施形態の半導体装置100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態の酸化絶縁膜130aは、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る複数の副絶縁膜を備える。具体的には、酸化絶縁膜130aは、第1のn型半導体層112に近い側から順番に、第1副絶縁膜131aと、第2副絶縁膜132aと、第3副絶縁膜133aとが積層された構造を有する。第1副絶縁膜131aの−Z方向の面は、第1のn型半導体層112に接する。第3副絶縁膜133aの+Z方向の面は、ゲート電極122に接する。第2副絶縁膜132aは、第1副絶縁膜131aの+Z方向の面および第3副絶縁膜133aの−Z方向の面に接する。
酸化絶縁膜130aにおける平均窒素濃度は、第1実施形態の第1絶縁膜131と同様に、第1のn型半導体層112に向かうにつれて高くなる。具体的には、第1副絶縁膜131aの平均窒素濃度は最も高く、第2副絶縁膜132aの平均窒素濃度は2番目に高く、第3副絶縁膜133aの平均窒素濃度は最も低い。即ち、第2実施形態では、酸化絶縁膜130aは、全体として濃度傾斜部として構成されている。
B2.第2実施形態の半導体装置の製造:
図7は、第2実施形態における酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順を示す工程図である。第2実施形態における半導体装置の製造方法は、酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順において、第1実施形態における半導体装置の製造方法と異なる。第2実施形態における半導体装置の製造方法のその他の手順は、第1実施形態における半導体装置の製造方法と同じである。
第2実施形態における酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)では、まず、製造者は、第1のn型半導体層112の表面上に、第1副絶縁膜131aを形成する(工程P205)。本実施形態では、第1副絶縁膜131aおよび他の2つの副絶縁膜132a,133aは、いずれも、第1実施形態における工程P115と同様に、ECRプラズマ発生装置を用いて形成される。この工程P205においてチャンバー内に供給される窒素(N)ガスの流量を第1流量とする。
製造者は、窒素ガス流量を第2流量として、第1副絶縁膜131aの表面上に、第2副絶縁膜132aを形成する(工程P210)。ここで、第2流量は、工程P205における第1流量よりも小さい。このようにすることで、第2副絶縁膜132aにおける平均窒素濃度を第1副絶縁膜131aにおける平均窒素濃度よりも小さくできる。
製造者は、窒素ガス流量を第3流量として、第2副絶縁膜132aの表面上に、第3副絶縁膜133aを形成する(工程P215)。ここで、第3流量は、工程P210における第2流量よりも小さい。このようにすることで、第3副絶縁膜133aにおける平均窒素濃度を第2副絶縁膜132aにおける平均窒素濃度よりも小さくできる。
このようにして形成された酸化絶縁膜130aでは、上述のように、酸化絶縁膜130aにおける平均窒素濃度は、第1のn型半導体層112に向かうにつれて高くなる。
図8は、ゲート電極122にゲート電圧Vgが印加されていない状態における酸化絶縁膜130aの近傍のバンドダイアグラムを示す説明図である。図8において縦軸は電子のエネルギー(ポテンシャルエネルギー)を示す。なお、図8では、フェルミレベルEfおよび伝導帯Ecを示しており、価電子帯は省略されている。
ゲート電圧Vgが印加されていない状態において、ゲート電極122における伝導帯Ecのエネルギーレベルは、フェルミレベルEfと一致している。また、ゲート電圧Vgが印加されていない状態において、酸化絶縁膜130a伝導帯Ecのエネルギーレベルは、第1のn型半導体層112に向かうにつれて階段状に下がっている。これは、上述したように、酸化絶縁膜130aでは、第1のn型半導体層112に近づくにつれて平均窒素濃度が階段状に高くなっているためである。
図9は、ゲート電極122にゲート電圧Vgが印加されている状態における酸化絶縁膜130aの近傍のバンドダイアグラムを示す説明図である。図9の縦軸は図8の縦軸と同じである。図9では、フェルミレベルEfおよび伝導帯Ecに加えて、価電子帯Evも表されている。なお、図9では、ゲート電圧Vgとして正の電圧が印加されている。
ゲート電圧Vgが印加されると、ゲート電極122における伝導帯Ecのエネルギーレベルは、ゲート電圧Vg分だけフェルミレベルEfから下がる。酸化絶縁膜130aにおける伝導帯Ecでは、各副絶縁膜131a,132a,133aの界面の段差の存在によって、各副絶縁膜131a,132a,133aの電界(伝導帯Ecの傾き)は、小さくなっている。したがって、本実施形態では、ゲート電圧Vgが印加されたときの酸化絶縁膜130aにおける電界を、酸化絶縁膜の伝導帯Ecに段差がない構成(後述の比較例)に比べて弱めることができる。
図9に示すように、酸化絶縁膜130aに放射線が照射されると、かかる照射で電離形成された電子とホールの対により、伝導帯Ecに電子が、価電子帯Evにホールが、それぞれ形成される。上述のように、ゲート電圧Vgが印加されている状態では、酸化絶縁膜130aにおける電界は弱くなっているため、伝導帯Ecに形成された電子は、ゲート電極122に向かって移動せずに酸化絶縁膜130a内に留まる可能性が高い。特に、各副絶縁膜131a,132a,133aの界面には段差があるため、電子は移動し難い。同様に、価電子帯Evに形成されたホールは、第1のn型半導体層112に向かって移動せずに酸化絶縁膜130a内の伝導帯Ecの段差に留まる可能性が高い。このように、放射線照射で電離形成された電子およびホールは、互いに反対方向に移動することが抑制されて酸化絶縁膜130a内に留まる可能性が高まるので、これら電子およびホールが、酸化絶縁膜130a内において再結合することが促進される。したがって、電離形成される電荷(電子およびホール)の増加を抑制でき、かかる電荷に起因して閾値電圧が変動することを抑制できる。
図10は、ゲート電極122にゲート電圧Vgが印加されている状態における比較例の半導体装置のバンドダイアグラムを示す説明図である。図10では、図8および図9と同様に、酸化絶縁膜近傍におけるバンドダイアグラムを示す。比較例の半導体装置では、酸化絶縁膜において、平均窒素濃度の傾斜が設けられていない。換言すると、比較例の酸化絶縁膜の平均窒素濃度は、積層方向(厚さ方向)のいずれの部分において略均一である。したがって、図10に示すように、比較例の酸化絶縁膜における伝導帯Ecのエネルギーレベルは、積層方向において平坦(一定)である。
図11は、ゲート電極122にゲート電圧Vgが印加されている状態における比較例の半導体装置のバンドダイアグラムを示す説明図である。図11では、図10と同様に、酸化絶縁膜近傍におけるバンドダイアグラムを示す。また、図11では、図9と同様に、フェルミレベルEfおよび伝導帯Ecに加えて、価電子帯Evも表されている。
比較例の半導体装置にゲート電圧Vg(正の電圧)が印加されると、伝導帯Ecおよび価電子帯Evは、いずれも傾斜する。具体的には、ゲート電極に近づくほど電子のエネルギーが下がり、第1のn型半導体層に近づくほど電子のエネルギーが上がる。このとき、伝導帯Ecおよび価電子帯Evの傾斜(電界)は、図9に示す本実施形態とは異なり段差が無いことにより、非常に高くなっている。このため、図11に示すように、放射線照射で電離形成された電子とホールの対により、伝導帯Ecに形成された電子は、ゲート電極に向かって移動する。他方、価電子帯Evに形成されたホールは、第1のn型半導体層に向かって移動し、酸化絶縁膜と第1のn型半導体層との界面に生じた界面準位に捕獲されることとなる。このため、酸化絶縁膜は正に帯電する。このように、酸化絶縁膜が正に帯電すると、閾値電圧がマイナス方向に変動する。その結果、ゲート電圧Vgを印加しなくても電流が流れるようになり、トランジスタがオフできなくなるという動作不良が生じるおそれがある。
このような比較例の半導体装置に対して、第2実施形態の半導体装置では、上述したように、ゲート電圧Vgが印加された場合に、酸化絶縁膜における伝導帯Ecおよび価電子帯Evの電界を低くすることができるため、放射線照射で電離形成された電子とホールの対が再結合することを促進して、電離形成される電荷の増加を抑制できる。このため、かかる電荷に起因する閾値電圧の変動を抑制できる。
以上説明した第2実施形態の半導体装置では、酸化絶縁膜130aを構成する複数の副絶縁膜において、第1のn型半導体層112に近い膜ほど平均窒素濃度が高いので、ゲート電圧Vgが印加された状態において酸化絶縁膜130aにおける電界を弱めることができる。換言すると、酸化絶縁膜130aにおける積層方向に沿った電子のエネルギー(ポテンシャルエネルギー)を、平均窒素濃度が均一な場合に比べて平坦化させることができる。このため、放射線照射に伴う電離で生じた電子とホールとが、それぞれゲート電極122および第1のn型半導体層112へと移動することを抑制し、互いに再結合することを促進できる。これにより、仮に、第1のn型半導体層112と酸化絶縁膜130aとの界面に界面準位が生じた場合であっても、かかる界面準位に電離で生じたホールが捕獲されることを抑制でき、閾値電圧の変動を抑制できる。
C.第3実施形態:
図12は、第3実施形態における半導体装置の一部の領域を拡大して示す断面図である。図12に示す領域Ar3は、第1実施形態における領域Ar1とほぼ同じ位置の領域、即ち、トレンチ150の底部近傍の酸化絶縁膜を中心とした領域を示す。
第3実施形態の半導体装置は、酸化絶縁膜130に代えて酸化絶縁膜130bを備えている点において、第1実施形態の半導体装置100と異なる。第3実施形態の半導体装置におけるその他の構成は、第1実施形態の半導体装置100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12に示すように、第3実施形態の酸化絶縁膜130bは、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る複数の副絶縁膜を備える。具体的には、酸化絶縁膜130bは、第1のn型半導体層112に近い側から順番に、第1副絶縁膜131bと、第2副絶縁膜132bと、第3副絶縁膜133bと、第4副絶縁膜134bとが積層された構造を有する。第1副絶縁膜131bの−Z方向の面は、第1のn型半導体層112に接する。第4副絶縁膜134bの+Z方向の面は、ゲート電極122に接する。第2副絶縁膜132bは、第1副絶縁膜131bの+Z方向の面および第3副絶縁膜133bの−Z方向の面に接する。第3副絶縁膜133bは、第2副絶縁膜132bの+Z方向の面および第4副絶縁膜134bの−Z方向の面に接する。
第1副絶縁膜131bにおける平均窒素濃度は、第1実施形態の第1絶縁膜131と同様に、第1のn型半導体層112に向かうにつれて高くなる。また、第2副絶縁膜132b、第3副絶縁膜133b、および第4副絶縁膜134bの平均窒素濃度は、第2実施形態の酸化絶縁膜130a(第1副絶縁膜131a、第2副絶縁膜132a、および第3副絶縁膜133a)と同様に、第1のn型半導体層112(第1副絶縁膜131b)に向かうにつれて高くなる。具体的には、第2副絶縁膜132bの平均窒素濃度は最も高く、第3副絶縁膜133bの平均窒素濃度は2番目に高く、第4副絶縁膜134bの平均窒素濃度は最も低い。即ち、第3実施形態では、第1副絶縁膜131bは、かかる層(膜)単体で濃度傾斜部として構成されている。加えて、残りの3つの副絶縁膜132b〜134bも、全体として濃度傾斜部として構成されている。すなわち、第3実施形態の酸化絶縁膜130bは、第1実施形態の酸化絶縁膜130の上に、第2実施形態の酸化絶縁膜130aが形成された構成と同様な構成を有する。
図13は、第3実施形態における酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順を示す工程図である。第3実施形態における半導体装置の製造方法は、酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)の詳細手順において、第1実施形態における半導体装置の製造方法と異なる。第3実施形態における半導体装置の製造方法のその他の手順は、第1実施形態における半導体装置の製造方法と同じである。
第3実施形態における酸化絶縁膜の形成工程(工程P25)では、まず、製造者は、トレンチ150の表面、すなわち、トレンチ150内に露出した、第1のn型半導体層112、p型半導体層114、および第2のn型半導体層116の表面上に、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る部分層を形成する(工程P305)。この工程P305は、「部分層」が、酸化絶縁膜130bの一部(すなわち、第1副絶縁膜131b)を構成することとなる層であって、領域Ar3において、第1のn型半導体層112に向かうにつれて窒素の平均濃度が高くなる濃度傾斜部として構成される前段の層(膜)を意味する点において、第1実施形態の工程P105と異なる。すなわち、第3実施形態における部分層は、第1副絶縁膜131bの前駆体といえる。部分層は、第1実施形態における工程P115と同様に、ECRプラズマ発生装置を用いて形成される。
製造者は、部分層の表面側から窒素プラズマを照射することにより、第1副絶縁膜131b(濃度傾斜部)を形成する(工程P310)。この工程は、第1実施形態の工程P110と同様である。
製造者は、第1副絶縁膜131bの表面上に、第2副絶縁膜132bを形成する(工程P315)。本実施形態では、第2副絶縁膜132bおよび他の2つの副絶縁膜133b,134bは、いずれも、第1実施形態における工程P115と同様に、ECRプラズマ発生装置を用いて形成される。この工程P315においてチャンバー内に供給される窒素(N)ガスの流量を第1流量とする。
製造者は、窒素ガス流量を第2流量として、第2副絶縁膜132bの表面上に、第3副絶縁膜133bを形成する(工程P320)。ここで、第2流量は、工程P315における第1流量よりも小さい。
製造者は、窒素ガス流量を第3流量として、第3副絶縁膜133bの表面上に、第4副絶縁膜134bを形成する(工程P325)。ここで、第3流量は、工程P320における第2流量よりも小さい。
以上の構成を有する第3実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置100および第2実施形態の半導体装置と同様な効果を有する。
D.変形例:
D1.変形例1:
各実施形態において、半導体装置100は、トレンチゲート構造を有する縦型トランジスタであったが、プレーナ型の縦型トランジスタであってもよい。このような構成であっても、ゲート絶縁膜を、酸化絶縁膜130,130a,130bと同様な構成とすることで、各実施形態の半導体装置と同様な効果を奏する。
D2.変形例2:
第1実施形態の工程P110および第3実施形態の工程P310において、部分層の表面側から照射されるものは、窒素プラズマであったが、窒素プラズマに代えて、窒素ラジカルであってもよい。具体的には、例えば、部分層が形成された基板を、ラジカル発生装置のチャンバー内に配置する。このチャンバー内には、互いに離間した2つの電極が配置されており、かかる電極には、高周波電源(RF電源)が接続されている。そして、チャンバーにアンモニア(NH)ガスや窒素(N)ガスを導入して、RF放電させることにより窒素原子を励起させて窒素ラジカルを生成して、部分層に照射させてもよい。
また、例えば、チャンバー内にタングステン(W)から成るフィラメントを有する加熱部を配置し、タングステンフィラメントを高温(例えば、1500℃程度)となるまで加熱した状態で、チャンバー内に窒素(N)ガスを導入することにより、窒素原子を熱エネルギーにより励起させて窒素ラジカルを生成して、部分層に照射させてもよい。これらの構成により製造された半導体装置は、各実施形態の半導体装置100と同様な効果を奏する。
D3.変形例3:
第2実施形態の第1副絶縁膜131a〜第3副絶縁膜133a、および第3実施形態の第2副絶縁膜132b〜第4副絶縁膜134bは、いずれも、第1のn型半導体層112または第1副絶縁膜131bに向かうにつれて平均窒素濃度が段階的に高くなっていたが、本発明はこれに限定されない。これらの複数の副絶縁層において、第1のn型半導体層112または第1副絶縁膜131bに向かうにつれて平均窒素濃度が連続的に高くなってもよい。この場合、例えば、ECRプラズマ発生装置のチャンバーに供給される窒素(N)ガスの流量を連続的に減少させながら酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る層を形成することにより、複数の副絶縁層において、第1のn型半導体層112または第1副絶縁膜131bに向かうにつれて平均窒素濃度を連続的に高くすることができる。
D4.変形例4:
第1実施形態において、第1絶縁膜131は、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る膜であったが、二酸化ケイ素(SiO)に代えて、酸化ジルコニウム(ZrO)や、酸化アルミニウム(Al)から主に成る膜であってもよい。かかる構成を有する半導体装置は、第1実施形態の半導体装置100と同様な効果を有する。
D5.変形例5:
第1実施形態において、第2絶縁膜132は、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る膜であったが、酸窒化ケイ素(SiON)に代えて、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る膜であってもよい。かかる構成を有する半導体装置は、第1実施形態の半導体装置100と同様な効果を有する。
D6.変形例6:
各実施形態の半導体装置100を構成する各層のうち、GaNから主に成る半導体層は、GaNに代えて、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化鉛ガリウム(ZnGaN)、窒化アルミニウム鉛ガリウム(AlZnGaN)から主と成る構成としてもよい。すなわち、一般には、これらの層を、GaNを含む層として構成してもよい。
D7.変形例7:
各実施形態において、ドナーとしてケイ素(Si)が用いられ、アクセプタとしてマグネシウム(Mg)が用いられていたが、本発明はこれに限定されない。ドナーとして、ゲルマニウム(Ge)や酸素(O)などを用いてもよい。また、アクセプタとして、亜鉛(Zn)や炭素(C)などを用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する本実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
100…半導体装置
110…基板
112…第1のn型半導体層
113…界面
114…p型半導体層
116…第2のn型半導体層
122…ゲート電極
124…ソース電極
126…ドレイン電極
130,130a,130b…酸化絶縁膜
131…第1絶縁膜
131a…第1副絶縁膜
131b…第1副絶縁膜
132…第2絶縁膜
132a…第2副絶縁膜
132b…第2副絶縁膜
133a…第3副絶縁膜
133b…第3副絶縁膜
134b…第4副絶縁膜
150…トレンチ
Ar1,Ar2,Ar3…領域
Ec…伝導帯
Ef…フェルミレベル
Ev…価電子帯

Claims (5)

  1. 半導体装置であって、
    窒化物半導体層と、
    前記窒化物半導体層に接して形成され、前記窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有する酸化絶縁膜と、
    前記酸化絶縁膜を挟んで前記窒化物半導体層とは反対側において、前記酸化絶縁膜に接するゲート電極と、
    を備える、半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記酸化絶縁膜は、
    前記窒化物半導体層に接して配置され、窒素を含有し、二酸化ケイ素(SiO)から主に成る第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜を挟んで前記窒化物半導体層とは反対側において前記第1絶縁膜に接し、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る第2絶縁膜と、
    を有し、
    前記濃度傾斜部は、前記第1絶縁膜を含む、半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記酸化絶縁膜は、酸窒化ケイ素(SiON)から主に成る複数の副絶縁膜を有し、
    前記濃度傾斜部は、前記複数の副絶縁膜を含み、
    前記複数の副絶縁膜において、前記窒化物半導体層に近い膜ほど、平均窒素濃度が高い、半導体装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の半導体装置において、
    前記窒化物半導体層は、窒化ガリウム(GaN)を含む、半導体装置。
  5. 窒化物半導体層と、前記窒化物半導体層に接して形成され、前記窒化物半導体層に向かうにつれて平均窒素濃度が高くなる濃度傾斜部を有する酸化絶縁膜と、前記酸化絶縁膜を挟んで前記窒化物半導体層とは反対側において前記酸化絶縁膜に接するゲート電極と、を有する半導体装置の製造方法であって、
    (a)酸化物または酸窒化物から主に成り前記酸化絶縁膜の一部を構成する部分層を、前記窒化物半導体層の表面上に形成する工程と、
    (b)前記部分層の表面側から、窒素プラズマまたは窒素ラジカルを照射することにより、前記濃度傾斜部を形成する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
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