JP2018056269A - 基板の表面物性を制御する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の種類に依存せずに所望の表面物性が得られ、パターン剥がれを抑制できる基板の表面物性を制御する方法の提供。【解決手段】表面に少なくとも2種の金属を含有する基板の該表面にエポキシ基含有樹脂を塗布する塗布工程と、前記基板をベークするベーク工程と、を含む、基板の表面物性を制御する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、基板の表面物性を制御する方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。また、その後、該レジストパターンが形成された基板に対して、該レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を行うことによりパターンを形成する工程が行われる。
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEB(電子線)、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として化学増幅型レジストが知られている。化学増幅型レジストとしては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する組成物が一般的に用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジスト組成物の場合、基材成分として、酸の作用により基材成のアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられている。
従来、化学増幅型レジスト組成物の基材成分としては主に樹脂(ベース樹脂)が用いられている。ポジ型の場合、ベース樹脂としては、一般的に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂が用いられている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主流である(たとえば特許文献1参照)。
ここで本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
また、パターンの解像性の向上を目的としてレジストパターンの基板からの剥がれを抑制したパターン形成方法、具体的には、1,2−ポリブタジエン(重量平均分子量約15万)をエポキシ化したエポキシ化1,2−ポリブタジエンを有機溶剤に溶解してなる溶液を用い、シリコンウェーハ上に、該溶液を塗布して約10Åの薄膜(表面改質層)を形成し、さらに130℃でベーク処理を行い、次いで、該表面改質層が形成されたシリコンウェーハ上にレジストパターン(線幅1000〜1500nm)を形成し、その後、エッチング処理を行うパターン形成方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−241385号公報 特開昭56−16129号公報
パターンの微細化がますます進むなか、リソグラフィー技術においては、種々のリソグラフィー特性の向上のために、膜厚、面内均一性、表面粗さ(Ra)、密着性、接触角等の基板の表面特性を制御することが求められている。従来、シリコンウェーハなどの基板等に、たとえばヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施したり、有機系反射防止膜を設けたりする方法により、レジストパターンの基板等に対する密着性の向上が図られている。
しかしながら、たとえばシリコンウェーハに、HMDS処理を施した支持体又は特許文献2の方法と同様にして形成した表面改質層が設けられた支持体は、支持体表面の膜厚、表面粗さ、基板密着性、接触角等の支持体の表面特性に改善の余地があった。また、従来の基板表面の処理方法では、基板の種類によって表面物性が変わるため、支持体の表面物性を制御することが困難であった。
また、シリコンウェーハに前記表面改質層を形成した後、さらに130℃でベーク処理を施した支持体上に、レジストパターンを形成してエッチング処理を行った場合、レジストパターン縁が支持体から剥がれやすい問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基板の種類に依存せずに所望の表面物性が得られ、パターン剥がれを抑制できる基板の表面物性を制御する方法を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、表面に少なくとも2種の金属を含有する基板の該表面にエポキシ基含有樹脂を塗布する塗布工程と、前記基板をベークするベーク工程と、を含む、基板の表面物性を制御する方法である。
本発明によれば、基板の種類に依存せずに所望の表面物性が得られ、パターン剥がれを抑制できる基板の表面物性を制御する方法を提供することができる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基(Rα0)は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。また、置換基(Rα0)がエステル結合を含む置換基で置換されたイタコン酸ジエステルや、置換基(Rα0)がヒドロキシアルキル基やその水酸基を修飾した基で置換されたαヒドロキシアクリルエステルも含むものとする。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
「アクリルアミドから誘導される構成単位」とは、アクリルアミドのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
アクリルアミドは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、アクリルアミドのアミノ基の水素原子の一方または両方が置換基で置換されていてもよい。なお、アクリルアミドのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリルアミドのカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリルアミドのα位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたもの(置換基(Rα0))と同様のものが挙げられる。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。
「スチレン誘導体」とは、スチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
<基板の表面物性を制御する方法>
本実施形態にかかる基板の表面物性を制御する方法は、表面に少なくとも2種の金属を含有する基板の該表面にエポキシ基含有樹脂を塗布する塗布工程と、前記基板をベークするベーク工程と、を含む。
以下、本実施形態において、エポキシ基含有樹脂を含む材料を「表面改質材料」という場合がる。また、ベーク工程において形成される膜を「表面改質層」という場合がある。
[塗布工程]
塗布工程においては、表面に少なくとも2種の金属を含有する基板の該表面にエポキシ基含有樹脂を塗布する。
エポキシ基含有樹脂を基板の表面に塗布する方法は特に限定されず、例えばスピンコート、スリットコート等、従来公知の方法が挙げられる。
(基板)
基板としては、表面に少なくとも2種の金属を含有するものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、Si基板、SiO基板、SiON基板等のSi含有基板、TiN、銅、クロム、鉄、アルミニウム、リチウム、GaN、GaAs、Al等の金属・金属化合物製の基板や、水晶、石英、ガラス基板等が挙げられる。中でも、基板としては、Si基板、SiO基板、SiON基板及びTiN基板からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
基板の表面に含まれる少なくとも2種の金属としては、例えば従来配線パターンの材料として公知のものを用いることができる。前記金属としては、具体的には、銅、アルミニウム、ニッケル、金等が挙げられる。
本実施形態において、基板としては、1種を単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(エポキシ基含有樹脂)
本実施形態において「エポキシ基含有樹脂」は、1分子中にエポキシ基を2個以上もつ比較的低分子のポリマー(プレポリマー)、及びそのエポキシ基の開環反応によって生じた熱硬化性樹脂を包含する。
エポキシ樹脂(以下「(G)成分」という。)としては、レジストパターンと支持体との密着性が良好で、パターン倒れ、レジストパターンの支持体からの剥がれがより抑制されることから、未開環のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、たとえば、
下記一般式(g0−1)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の途中に存在して当該エポキシ基の炭素原子が主鎖の一部を形成しているもの;
下記一般式(g0−2)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、下記一般式(g0−2)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の末端を形成しているもの;
下記一般式(g0−3)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、下記一般式(g0−3)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の末端を形成しているもの;
下記一般式(g0−4)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、下記一般式(g0−4)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の末端を形成しているもの;
下記一般式(g0−5)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、下記一般式(g0−5)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の末端を形成しているもの
等が挙げられる。
Figure 2018056269
[式中、R63及びR64はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基である。R66〜R68はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基である。R66a、R69a及びR69bはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基であり、g4は1〜20の整数であり、g5は1〜20の整数である。]
前記式(g0−1)中、R63及びR64は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。R63及びR64におけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。なかでも、R63及びR64は、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましい。
前記式(g0−2)中、R66〜R68は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。R66〜R68におけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。なかでも、R66は、水素原子又はメチル基が好ましく;R67〜R68は、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
前記式(g0−3)中、R66a、R69a及びR69bは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。R66a、R69a及びR69bにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。なかでも、R66aは、水素原子又はメチル基が好ましく;R69a及びR69bは、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
g4は1〜20の整数であり、1〜5であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、2であることが最も好ましい。
g5は1〜20の整数であり、1〜5であることが好ましく、1又は2であることがよ
り好ましく、1であることが最も好ましい。
上記のなかでも、一般式(g0−1)で表されるエポキシ基が高分子化合物の主鎖の途中に存在して当該エポキシ基の炭素原子が主鎖の一部を形成しているもの、一般式(g0−2)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、一般式(g0−3)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているもの、一般式(g0−4)で表されるエポキシ基が高分子化合物の側鎖に含まれているものが好ましい。
(G)成分の好適なものとして、より具体的には、エポキシ基を含む構成単位(g1)の繰り返し構造を有するものが挙げられる。
この繰り返し構造を有するものは、質量平均分子量が1000〜50000の範囲内で、レジストパターンと支持体との密着性がより良好となることから、好ましい。
(構成単位(g1))
エポキシ基を含む構成単位(g1)は、特に限定されず、たとえば、エポキシ基を含む有機基からなり、当該エポキシ基の炭素原子が主鎖の一部を形成している構成単位が挙げられる。
これ以外の構成単位(g1)としては、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位、アクリル酸エステルから誘導される構成単位、又は主鎖が環状型の構成単位(以下「主鎖環状型構成単位」という。)であってもよく、これらの中では、アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
構成単位(g1)としては、たとえば、下記一般式(g1−1)〜(g1−4)で表される構成単位、特開2003−076012号公報の段落[0012]〜[0042]に開示されている化合物から誘導される構成単位などが挙げられる。
なかでも、本発明の効果に優れることから、下記一般式(g1−1)〜(g1−4)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
Figure 2018056269
[式中、R61およびR62はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、R63およびR64はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基である。Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R65は置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、R66〜R68はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基である。R65aは置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、R66a、R69a及びR69bはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基であり、g4は1〜20の整数であり、g5は1〜20の整数である。R65bは置換基を有していてもよい二価の炭化水素基である。]
前記式(g1−1)中、R61およびR62は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい二価の炭化水素基である。
該炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部又は全部が、水素原子以外の基又は原子で置換されていることを意味する。
61又はR62において、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
「脂肪族炭化水素基」は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
61又はR62における脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、その構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(以下「鎖状の脂肪族炭化水素基」という。)は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
その構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個以上を除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
61又はR62における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等で、かつ、その芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
61又はR62としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
前記式(g1−1)中、R63およびR64は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
63およびR64におけるアルキル基は、上記式(g0−1)における説明と同様である。
なかでも、R63およびR64は、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましい。
前記式(g1−2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
Rのアルキル基又はハロゲン化アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基と同様である。
なかでも、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(g1−2)中、R65は、置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、上記式(g1−1)におけるR61およびR62と同様のものが挙げられ、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
前記式(g1−2)中、R66〜R68は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。R66〜R68におけるアルキル基は、上記式(g0−2)における説明と同様である。
なかでも、R66〜R68は、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましい。
前記式(g1−3)中、R65aは、置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、上記式(g1−2)におけるR65と同様のものが挙げられ、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
前記式(g1−3)中、R66a、R69a及びR69bは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。R66a、R69a及びR69bにおけるアルキル基は、上記式(g0−3)における説明と同様である。なかでも、R66〜R68は、それぞれ、水素原子又はメチル基が好ましい。
g4及びg5は、いずれも、上記式(g0−3)における説明と同じである。
前記式(g1−4)中、R65bは、置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、上記式(g1−2)におけるR65と同様のものが挙げられ、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
以下に、上記一般式(g1−1)〜(g1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2018056269
Figure 2018056269
Figure 2018056269
(G)成分においては、構成単位(g1)の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、(G)成分としては、前記式(g1−1)で表される構成単位を有するものが好ましい。
前記式(g1−1)で表される構成単位を用いる場合、(G)成分は、当該式(g1−1)で表される構成単位の1種の繰り返しからなる重合体(ホモポリマー)であることが好ましい。
前記の式(g1−2)又は式(g1−3)で表される構成単位を用いる場合、(G)成分は、当該式(g1−2)で表される構成単位と、後述のその他の構成単位とを有する共重合体(コポリマー);
当該式(g1−3)で表される構成単位と、後述のその他の構成単位とを有する共重合体(コポリマー);
当該式(g1−2)で表される構成単位と、当該式(g1−3)で表される構成単位との繰返しからなる共重合体(コポリマー);
当該式(g1−2)で表される構成単位と、当該式(g1−3)で表される構成単位と、後述のその他の構成単位とを有する共重合体(コポリマー)
であることが好ましい。
(G)成分中、構成単位(g1)の割合は、(G)成分を構成する全構成単位の合計に対して10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることがさらに好ましく、35モル%以上であることが特に好ましく、100モル%であってもよい。
構成単位(g1)の割合が下限値以上であると、支持体との架橋効率が高まり、レジストパターンと支持体との密着性がより高くなる。
(G)成分が共重合体(コポリマー)である場合、構成単位(g1)の割合は、(G)成分を構成する全構成単位の合計に対して10〜80モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(g1)の割合が下限値以上であると、支持体との架橋効率が高まり、レジストパターンと支持体との密着性がより高くなる。一方、上限値以下であると、表面改質層とした際、レジストパターンの解像性、パターン倒れ等のリソグラフィー特性が向上する。
(その他構成単位(g2))
(G)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて上記構成単位(g1)以外のその他構成単位(g2)を有していてもよい。
かかるその他構成単位(g2)としては、特に限定されるものではなく、上記構成単位(g1)を誘導する化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位が好ましい。
かかるその他構成単位(g2)として具体的には、たとえば、アクリル酸から誘導される構成単位、メタクリル酸から誘導される構成単位(以下これらをまとめて「構成単位(g21)」という。);アクリル酸メチル若しくはアクリル酸エチル等のアクリル酸アルキル(好ましくは、当該アルキルの炭素数1〜5である。)から誘導される構成単位(以下「構成単位(g22)」という。);メタクリル酸メチル若しくはメタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキル(好ましくは、当該アルキルの炭素数1〜5である。)から誘導される構成単位(以下「構成単位(g23)」という。);後述する(A1−1)成分についての説明における構成単位(a1)〜(a4)などが好適なものとして挙げられる。構成単位(a1)〜(a4)のなかでも、パターン倒れ、レジストパターンの支持体からの剥がれがより抑制されることから、構成単位(a1)、(a2)、(a4)がより好ましく、構成単位(a4)がさらに好ましい。
(G)成分においては、構成単位(g2)の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(G)成分中、構成単位(g2)の割合は、(G)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜30モル%であることが好ましく、5〜25モル%であることがより好ましく、10〜20モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(g2)の割合が下限値以上であると、表面改質層とした際、レジストパターンの解像性、パターン倒れ等のリソグラフィー特性が向上する。一方、上限値以下であると、レジストパターンの形成において、パターン倒れがより抑制される。また、構成単位(g1)とのバランスをとることができる。
本実施形態における表面改質材料において、(G)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、(G)成分は、たとえば、構成単位(g1)の繰り返しからなる重合体(ホモポリマー)、構成単位(g1)と構成単位(g2)とを有する共重合体(コポリマー)が好適なものとして挙げられる。
かかる共重合体(コポリマー)として具体的には、構成単位(g1)と構成単位(g21)とを有する共重合体が好適なものとして挙げられる。
かかる(G)成分としては、下記の様な構成単位を有するエポキシ樹脂が特に好ましい。
Figure 2018056269
[式中、g6およびg7はそれぞれ独立して1〜5の整数である。]
前記式(G−1)で表されるエポキシ樹脂は、当該式(G−1)で表される構成単位の繰り返しからなるホモポリマーである。
前記式中、g6およびg7は、それぞれ独立して、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましく、g6およびg7のいずれも1であることが特に好ましい。
Figure 2018056269
[式中、Rは上記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。g8は1〜5の整数であり、Rはアルキル基である。]
前記式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
g8は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
は、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
Figure 2018056269
[式中、Rは上記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。g8は上記と同じである。g9は1〜5の整数であり、g4及びg5はそれぞれ上記と同じである。]
前記式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
g8は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
g9は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
g4は、1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
g5は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
構成単位(g1)の繰り返し構造を有する重合体(ホモポリマー)又は共重合体(コポリマー)は、所望とする構成単位を誘導するモノマーを、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル等のラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。
本実施形態におけるエポキシ樹脂(以下「(G)成分」という。)は、質量平均分子量が2000〜30000であることが好ましく、5000〜28000であることがより好ましく、10000〜25000であることがより好ましく、15000〜22000が最も好ましい。
(G)成分の質量平均分子量が前記範囲であることにより、支持体と良好に貼り合わされた表面改質層を形成でき、レジストパターンと支持体との密着性に優れる。
当該質量平均分子量が下限値以上であると、支持体との架橋効率が高まり、支持体と表面改質層とが強固に貼り合わされる。また、表面改質材料として(G)成分を有機溶剤に溶解してなる溶液を用いた際、当該溶液は適度な粘度を有し、支持体上に当該溶液を均一に塗布しやすくなる。一方、上限値以下であることにより、当該溶液の粘度増加が抑えられ、支持体上に当該溶液を均一に塗布しやすくなる。
本発明において「質量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準の値を示す。以下、当該質量平均分子量をMwと表すことがある。
(G)成分の分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、2.0〜4.8がより好ましく、3.0〜4.5が最も好ましい。なお、「Mn」は数平均分子量を示す。
本実施形態における表面改質材料中、(G)成分の含有量は、0.010〜0.300質量%であることが好ましく、0.010〜0.250質量%であることがより好ましく、0.015〜0.200質量%であることがさらに好ましい。
(G)成分の含有量が下限値以上であると、レジストパターンと支持体との密着性がより高くなる。また、表面改質材料として(G)成分を有機溶剤に溶解してなる溶液を用いた際、当該溶液は適度な粘度を有し、支持体上に当該溶液を均一に塗布しやすくなる。一方、上限値以下であると、当該溶液の粘度増加が抑えられ、支持体上に当該溶液を均一に塗布しやすくなる。
(その他成分)
本実施形態における表面改質材料は、上記(G)成分以外のその他成分を含有してもよい。
その他成分としては、たとえば、有機溶剤、含硫黄有機化合物、含窒素有機化合物、界面活性剤、有機酸類、光酸発生剤、光塩基発生剤、染料等が挙げられる。
有機溶剤としては、(G)成分を溶解して均一な溶液とすることができるものであればよく、たとえば、一般的な化学増幅型レジスト組成物の有機溶剤として用いられているものが挙げられる。
この有機溶剤は、たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい]; ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などが挙げられる。
有機溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上の混合溶剤として用いてもよい。
本実施形態における表面改質材料は、(G)成分を含有して表面改質層を形成し得るものであればその形態は特に限定されず、たとえば、(G)成分を有機溶剤に溶解してなる溶液として用いるものであってもよく、その溶液を乾燥してなるシート状物として用いるものであってもよい。
(ベーク工程)
ベーク工程においては、前記エポキシ基含有樹脂(表面改質材料)を塗布した基板をベークし、膜(表面改質層)を形成する。
ベーク工程におけるベーク温度は80〜400℃であることが好ましく、180〜300℃であることがより好ましく、ベーク処理時間は15〜120秒間であることが好ましく、30〜90秒間であることがより好ましい。
表面改質材料に用いるエポキシ樹脂が前記一般式(g1−1)で表される構成単位を有するものである場合、前記ベーク温度は160〜260℃であることが好ましく、180〜250℃であることがより好まく、200〜240℃であることがさらに好ましい。
表面改質材料に用いるエポキシ樹脂が前記一般式(g1−2)で表される構成単位、前記一般式(g1−3)で表される構成単位又は前記一般式(g1−4)で表される構成単位を有するものである場合、前記ベーク温度は85〜350℃であることが好ましく、120〜300℃であることがより好ましい。
上記のいずれのベーク温度も下限値以上であると、レジストパターンと支持体との密着性が高まる。一方、上限値以下であれば、当該密着性の向上効果が充分に得られる。
表面改質層の厚さは、好ましくは0.01〜3.5nm、より好ましくは0.3〜2.5nmである。この厚さの下限値以上とすることにより、レジストパターンと支持体との密着性が高まる、エッチングに対する耐性が得られる等の効果がある。この厚さの上限値以下とすることにより、表面改質層を設けることによる効果が充分に得られる。
本実施形態において、ベーク工程後の基板の算術平均粗さRa(表面改質層の算術平均粗さRa)は、1.0nm以下であることが好ましく、0.9nm以下であることがより好ましく、0.85nm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における算術平均粗さRaは、JIS B0601:2001で規定される、いわゆる算術平均粗さを意味する。
ベーク工程後の基板の算術平均粗さRaが上記好ましい範囲の上限値以下であることにより、該基板上に形成したレジストパターンのリソグラフィー特性が向上する。
本実施形態において、ベーク工程後の基板の接触角(表面改質層の接触角)は、70°以下であることが好ましく、65°以下であることがより好ましく、60°以下であることがさらに好ましい。
ベーク工程後の基板の接触角が上記好ましい範囲の上限値以下であることにより、該基板上に形成したレジストパターンと基板との密着性が向上する。
ベーク工程後の基板の接触角(表面改質層の接触角)は、ベーク工程後の基板の表面(表面改質層が形成された面)に、所定量の水を滴下した後、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学社製)、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(製品名、協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(製品名、協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
<レジストパターン形成方法>
本実施形態においては、ベーク工程後の基板(表面改質層が形成された基板)上に、レジストパターンを形成することができる。
レジストパターン形成方法は特に限定されないが、例えば、ベーク工程後の基板上にレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(以下「レジスト膜形成工程」という。)と、前記レジスト膜を露光する工程(以下「露光工程」という。)と、前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程(以下「現像工程」という。)とを含む方法が挙げられる。
[レジスト膜形成工程]
表面改質層が形成された支持体上に、レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、表面改質層が形成された支持体上に、レジスト組成物を、たとえばスピンナー等を用いる従来公知の方法により塗布し、好ましくは80〜150℃の温度条件下、ベーク処理(プレベーク)を、好ましくは40〜120秒間、より好ましくは60〜90秒間施して、有機溶剤を揮発等させることによりレジスト膜を形成できる。
レジスト膜の厚さは、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜450nmである。この範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、エッチングに対する充分な耐性が得られる等の効果がある。
本実施形態におけるレジストパターン形成方法においては、微細解像加工から、前記レジスト組成物が化学増幅型レジスト組成物であることが好ましい。レジスト組成物の詳細については後述する。
[露光工程]
次に、表面改質層が形成された支持体上に形成されたレジスト膜を露光する。
具体的には、たとえば上記のようにして形成したレジスト膜を、フォトマスクを介して選択的に露光し、好ましくは露光後加熱(PEB)処理を施す。
露光に用いる波長は、特に限定されず、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。
レジスト膜の選択的露光は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光で行ってもよい。
液浸露光では、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のフォトマスクを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、たとえば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
PEB処理は、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性を変化(増減)させるベーク温度で行う。
すなわち、レジスト膜は、たとえば化学増幅型レジスト組成物からなるレジスト膜は、露光後、PEB処理を行うことで、酸発生剤成分から発生した酸の当該レジスト膜内での拡散と、該酸の作用による当該レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性の変化(増減)とが進行する。
具体的には、たとえば所定のパターンが形成されたフォトマスクを介してレジスト膜を選択的に露光した後、好ましくは80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を、好ましくは40〜120秒間、より好ましくは60〜90秒間施される。
[現像工程]
次に、露光後、好ましくは露光後加熱(PEB)処理後のレジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する。
アルカリ現像は、アルカリ水溶液、例えば濃度0.1〜10質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて、公知の方法により実施できる。
上記アルカリ現像後、水等によるリンス処理を行ってもよい。
また、上記アルカリ現像後、さらに、ベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。ポストベークは(アルカリ現像やリンス処理後の水分を除去する目的で行われるため)通常100℃程度の条件で行われ、処理時間は、好ましくは30〜90秒間である。
本実施形態におけるレジストパターン形成方法においては、上述した表面改質層形成工程、レジスト膜形成工程、露光工程及び現像工程を行うことにより、本発明の効果に加えて、マスクパターンに忠実なレジストパターンを形成できる。
≪パターン形成方法≫
本実施形態におけるパターン形成方法は、上記本実施形態におけるレジストパターン形成方法によりレジストパターンが形成された支持体に対してエッチング処理を行う工程を含む。
エッチング処理の方法は、公知の方法が利用できる。
たとえば、ウェットエッチング処理は、エッチング液としてフッ酸(HF)、フッ化アンモニウム(NHF)又はこれらを混合した水溶液などを用いて、当該エッチング液中に、レジストパターンが形成された支持体を浸漬等し、好ましくは、処理温度が23〜60℃、処理時間が15〜3600秒間で行われる。
ドライエッチング処理は、酸素プラズマエッチング、ハロゲンガス(好ましくは、CFガス、CHFガス等のフッ化炭素系ガス)を用いたエッチングが好適な方法として挙げられる。
このように支持体に対してエッチング処理を行うことにより、半導体デバイス等を製造することができる。
本実施形態におけるパターン形成方法においては、レジストパターンが形成された支持体に対してエッチング処理を行った際、特にレジストパターン縁が支持体から剥がれにくく、高解像性のパターンを形成できる。
以上説明した、本実施形態にかかる基板の表面物性を制御する方法によれば、基板の種類に依存せずに所望の表面物性が得られる、という効果が得られる。また、本実施形態のレジストパターン形成方法によれば、基板との密着性に優れ、リソグラフィー特性が良好なレジストパターンを形成できる、という効果が得られる。また、本実施形態のパターン形成方法によれば、エッチング処理を行った際に支持体からレジストパターンが剥がれにくい、という効果が得られる。
これらの効果が得られる理由は定かではないが以下のように推測される。
たとえば基板に対してヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した場合、基板表面における親水性基を物理的に押圧して接触角やレジストパターンとの密着性を向上している。これに対し、本実施形態においては、エポキシ基含有樹脂を用いるため、ベーク工程により、基板表面における親水性基とエポキシ基含有樹脂中のエポキシ基とが反応し、エポキシ基含有樹脂が自己架橋により熱硬化し、基板表面において表面改質層が形成される。そのため、本実施形態においては、基板に対してHMDS処理をする場合に比べ、基板表面(表面改質層)の膜厚が薄く、かつ、基板表面の面内均一性、表面粗さが改善されると推測される。
また、表面改質層には、上記架橋反応において未反応であったエポキシ基が残存している。そのため、表面改質層の上にレジストパターンを形成する場合、残存エポキシ基とレジスト膜中の親水性基とが反応し、表面改質層とレジストパターンとの密着性が向上すると推測される。
また、本実施形態にかかる基板の表面物性を制御する方法によれば、例えば2種以上の基板を組み合わせて用いる場合でも、同等の表面物性に制御することができる。
また、本実施形態におけるレジストパターン形成方法においては、レジストパターンと支持体との密着性に優れ、エッチング処理を行っても、レジストパターンが支持体から剥がれにくくなる。前記の効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
接触角と接着性との関係を示す式(Dupreの式、Youngの式、Young−Dupreの式)から、接触角の値が小さいほど接着力は高くなることが知られている。
本発明者らの検討によると、ベーク温度が高くなるのに伴い、支持体上に形成された表面改質層の表面の接触角の値は小さくなることが確認されている。これは、前記関係を示す式より、ベークを高い温度で行うほど、支持体と表面改質層とが強固に貼り合わされていることを示している。これにより、支持体と強固に貼り合わされた表面改質層を介して形成されるレジストパターンは支持体との密着性に優れ、前記の効果が得られると考えられる。
レジスト組成物の詳細について:
本実施形態にかかるレジストパターン形成方法で用いるレジスト組成物は、特に限定されず、従来公知のものを利用できる。
上述したように、かかるレジスト組成物は、化学増幅型レジスト組成物であることが好ましく、具体的には、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)と、有機溶剤成分(S)(以下「(S)成分」という。)と、を含有し、かつ、酸発生能を備えるものが好ましい。
かかるレジスト組成物としては、例えば露光により酸を発生する酸発生能を備えるものが挙げられ、(A)成分が露光により酸を発生してもよく、(A)成分とは別に配合された添加剤成分が露光により酸を発生してもよい。
このようなレジスト組成物は、具体的には、
(1)露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という)を含有するものであってもよく、
(2)(A)成分が露光により酸を発生する成分であってもよく、
(3)(A)成分が露光により酸を発生する成分であり、かつ、さらに(B)成分を含有するものであってもよい。
すなわち、上記(2)及び(3)の場合、(A)成分は、「露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分」となる。(A)成分が露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分である場合、後述する(A1)成分が、露光により酸を発生し、かつ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物であることが好ましい。このような高分子化合物としては、露光により酸を発生する構成単位を有する樹脂を用いることができる。露光により酸を発生する構成単位としては、公知のものを用いることができる。中でも、本発明のレジスト組成物は、上記(1)の場合であるものが好ましい。
・(A)成分について
本発明において、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、加えて、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、「樹脂」又は「高分子化合物」という場合は、分子量が1000以上の重合体を示す。
重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
レジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてネガ型レジストパターンを形成する「アルカリ現像プロセス用ネガ型レジスト組成物」である場合、または、溶剤現像プロセスにおいてポジ型レジストパターンを形成する「溶剤現像プロセス用ポジ型レジスト組成物」である場合、(A)成分としては、好ましくは、アルカリ現像液に可溶性の基材成分(A−2)(以下「(A−2)成分」という。)が用いられ、さらに、架橋剤成分が配合される。かかるレジスト組成物は、例えば、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が作用して該(A−2)成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、この結果、アルカリ現像液に対する溶解性が減少(有機系現像液に対する溶解性が増大)する。そのため、レジストパターンの形成において、該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性(有機系現像液に対して可溶性)へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性(有機系現像液に対して難溶性)のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することによりネガ型レジストパターンが形成される。また、このとき有機系現像液で現像することによりポジ型のレジストパターンが形成される。
(A−2)成分の好ましいものとしては、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性樹脂」という。)が用いられる。
架橋剤成分としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンを形成でき、好ましい。架橋剤成分の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。
レジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてポジ型レジストパターンを形成する「アルカリ現像プロセス用ポジ型レジスト組成物」である場合、または、溶剤現像プロセスにおいてネガ型レジストパターンを形成する「溶剤現像プロセス用ネガ型レジスト組成物」である場合、(A)成分としては、好ましくは、酸の作用により極性が増大する基材成分(A−1)(以下「(A−1)成分」という。)が用いられる。(A−1)成分を用いることにより、露光前後で基材成分の極性が変化するため、アルカリ現像プロセスだけでなく、溶剤現像プロセスにおいても良好な現像コントラストを得ることができる。
アルカリ現像プロセスを適用する場合、該(A−1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、例えば、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型レジストパターンが形成される。
一方、溶剤現像プロセスを適用する場合は、該(A−1)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなり有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成される。
本実施形態におけるレジスト組成物に用いられる(A)成分としては、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)、ラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(a3)、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)、カーボネート含有環式基、又は−SO−含有環式基を含む構成単位(a5)等を有する樹脂成分が好ましい。
・・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、例えばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらの中でも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基又は水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基が酸解離性基で保護された基(例えばOH含有極性基の水素原子を、酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
ここで「酸解離性基」とは、
(i)酸の作用により、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基、又は、
(ii)酸の作用により一部の結合が開裂した後、さらに脱炭酸反応が生じることにより、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る基、
の双方をいう。
酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。この結果、(A)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、アルカリ現像液の場合には現像液に対する溶解性が増大し、有機系現像液の場合には現像液に対する溶解性が減少する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができる。
(A)成分が有する構成単位(a1)は、1種でもよいし2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、20〜80モル%が好ましく、20〜75モル%がより好ましく、25〜70モル%がさらに好ましい。
・・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含む構成単位(但し、上述した構成単位(a1)に該当するものを除く。)である。
構成単位(a2)のラクトン含有環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高める上で有効なものである。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
(A)成分が有する構成単位(a2)は、1種でもよいし2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜80モル%が好ましく、5〜70モル%がより好ましく、10〜65モル%がさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
・・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(但し、上述した構成単位(a1)、(a2)に該当するものを除く。)である。
(A)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、環状の脂肪族炭化水素基(環式基)が挙げられる。該環式基としては、単環式基でも多環式基でもよく、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該環式基としては多環式基であることが好ましく、炭素数は7〜30であることがより好ましい。
(A)成分が含有する構成単位(a3)は、1種でもよいし2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
・・構成単位(a4)
構成単位(a4)は、酸非解離性環式基を含む構成単位である。
(A)成分が構成単位(a4)を有することにより、形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。
構成単位(a4)における「酸非解離性環式基」は、露光により(B)成分から酸が発生した際に、該酸が作用しても解離することなくそのまま当該構成単位中に残る環式基である。
(A)成分中の構成単位(a4)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%が好ましく、10〜20モル%がより好ましい。
・・構成単位(a5)
構成単位(a5)は、−SO−含有環式基又はカーボネート含有環式基を含む構成単位である。
「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
「カーボネート含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−O−を含む環(カーボネート環)を含有する環式基を示す。カーボネート環をひとつ目の環として数え、カーボネート環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。カーボネート含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
(A)成分が有する構成単位(a5)は、1種でもよいし2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a5)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜80モル%が好ましく、5〜70モル%がより好ましく、10〜65モル%がさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(A)成分は、極性基を含む構成単位(ap)を有する高分子化合物(A1)(以下「(A1)成分」ともいう。)を含有するものが好ましい。
構成単位(ap)における極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)、カーボネート基(−O−C(=O)−O−)、スルホニル基(−S(=O)−)、スルホニルオキシ基(−S(=O)−O−)等が挙げられる。
好ましい(A1)成分としては、例えば、構成単位(a1)を有する高分子化合物が挙げられる。(A1)成分として、具体的には、構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有する高分子化合物、構成単位(a1)と構成単位(a3)とを有する高分子化合物、構成単位(a1)と構成単位(a5)とを有する高分子化合物、構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)とを有する高分子化合物、構成単位(a1)と構成単位(a3)と構成単位(a5)とを有する高分子化合物が挙げられる。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜20000が特に好ましい。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態におけるレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
・(S)成分について
本実施形態におけるレジスト組成物は、レジスト材料を有機溶剤成分((S)成分)に溶解することで調製できる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。
(S)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
例えば、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶剤が好ましいものとして挙げられる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的には、レジスト組成物の固形分濃度が、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%の範囲内となるように(S)成分は用いられる。
・任意成分について
本実施形態におけるレジスト組成物は、(A)成分及び(S)成分以外に、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)((B)成分)、酸拡散制御剤(以下「(D)成分」という。)、有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)、フッ素添加剤(以下「(F)成分」という。)等を含有してもよい。
・(B)成分について
(B)成分は、露光により酸を発生する酸発生剤成分である。
(B)成分には、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを用いることができる。
(B)成分としては、例えば、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが挙げられる。中でも、オニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜60質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましく、1〜40質量部がさらに好ましい。(B)成分の含有量を前記範囲とすることで、パターン形成が充分に行われる。また、レジスト組成物の各成分を有機溶剤に溶解した際、均一な溶液が得られやすく、保存安定性がより良好となる。
・(D)成分について
(D)成分は酸拡散制御剤成分である。
(D)成分は、前記(B)成分等から露光により発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものである。
(D)成分は、露光により分解して酸拡散制御性を失う光崩壊性塩基(D1)(以下「(D1)成分」という。)でもよいし、該(D1)成分に該当しない含窒素有機化合物(D2)(以下「(D2)成分」という。)でもよい。
(D1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜10.0質量部が好ましく、0.5〜8.0質量部がより好ましく、1.0〜8.0質量部がさらに好ましい。前記範囲の好ましい下限値以上であると、特に良好なリソグラフィー特性又はレジストパターン形状が得られやすくなる。前記範囲の好ましい上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
(D2)成分としては、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基の炭素数は1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミン又はアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
(D2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。前記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、0.3〜12質量部がより好ましく、0.5〜12質量部がさらに好ましい。前記範囲の好ましい下限値以上であると、レジスト組成物とした際、LWR等のリソグラフィー特性がより向上する。また、より良好なレジストパターン形状が得られる。前記範囲の好ましい上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
・(E)成分について
(E)成分は、有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。(E)成分を含有することで、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上が図れる。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(E)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
・(F)成分について
(F)成分は、フッ素添加剤である。(F)成分を含有することで、レジスト膜に撥水性が付与される。
(F)成分としては、例えば、特開2010−002870号公報、特開2010−032994号公報、特開2010−277043号公報、特開2011−13569号公報、特開2011−128226号公報に記載の含フッ素高分子化合物が挙げられる。
本実施形態におけるレジスト組成物において、(F)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲で用いられる。
レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<エポキシポリマー溶液の調製>
下記化学式(G−1−1)で表されるエポキシポリマー(質量平均分子量(Mw):20000、分散度(Mw/Mn):4.0)を、PGMEA/γ−ブチロラクトン=90/10(質量比)の混合溶剤に、エポキシポリマー溶液(エポキシポリマー濃度0.02質量%)を調製した。
Figure 2018056269
<基板依存性の評価>
(試験例1〜4)
表1に示す基板上に、前記エポキシポリマー溶液を塗布し、240℃で60秒間のベーク処理を行い、乾燥することにより、有機膜を形成した。
得られた有機膜の表面に、水2μLを滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて静的接触角の測定を行った。この測定値を「接触角(°)」として表1に示す。
(比較試験例1〜4)
表1に示す基板上に、180℃で75秒間のヘキサメチルシラザン(HMDS)処理を施し、形成された膜について試験例1〜4と同様に接触角(°)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018056269
表1に示す結果から、試験例1〜4においては、同じ基板を用いた比較試験例1〜4に比べて、同等以上に接触角を制御出来ていることが確認できた。また、試験例1〜4では、接触角が同程度の値に制御されているので、基板の種類に依らずに接触角を制御できることが確認された。

Claims (6)

  1. 表面に少なくとも2種の金属を含有する基板の該表面にエポキシ基含有樹脂を塗布する塗布工程と、
    前記基板をベークするベーク工程と、
    を含む、基板の表面物性を制御する方法。
  2. 前記エポキシ基含有樹脂が、下記一般式(g1−1)で表される構成単位を有する、請求項1に記載の基板の表面物性を制御する方法。
    Figure 2018056269
    [式中、R61およびR62はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、R63およびR64はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基である。]
  3. 前記ベーク工程において、基板を160〜260℃で加熱する、請求項1又は2に記載の基板の表面物性を制御する方法。
  4. 前記ベーク工程後の前記基板の算術平均粗さRaが1.0nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の表面物性を制御する方法。
  5. 前記ベーク工程後の前記基板の接触角が70°以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板の表面物性を制御する方法。
  6. 前記エポキシ基含有樹脂の質量平均分子量が10000〜30000であり、分散度が3.0〜5.0である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板の表面物性を制御する方法。
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