JP2018054594A - 接触式プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物に傷等が付くことを抑制することができると共に、接触抵抗を抑制しながら測定対象物に対して安定に接触させることができ、且つ耐久性及び再現性に優れた接触式プローブを提供すること。【解決手段】Co、Ni、Cr及びMoを含むCo−Ni基合金から形成され、片持ち状に支持される基端部23から先端部24に向けて一方向に延在する弾性変形可能なプローブ本体21を備え、プローブ本体は基端部から先端部に向けて延びる延在部25と、延在部に対して湾曲しながら、延在部から先端部に向けてさらに延びると共に、測定対象物に対して対向配置される接触部26とを備え、接触部は、延在部から先端部に向かうにしたがって測定対象物から離間するように、測定対象物とは反対側に向けて湾曲形成され、プローブ本体は、延在方向に対して直交する横幅Wが100nm以下とされている接触式プローブ20を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、接触式プローブに関する。
従来から半導体デバイスの故障解析の手法の1つとして、微細な探針を利用して電気的特性を評価し、電気的な故障原因の解析に繋げるプロービング技術が知られている。
このプロービング技術としては、例えばSEM(Scanning Electron Microscope)画像を利用しながら行うSEM式プローバや、AFM(Atomic Force Microscope)画像を利用しながら行うAFM式プローバ等が知られている。このうち、SEM式プローバは、LSI等の半導体素子の故障解析に好適に利用されている。
SEM式プローバを利用して半導体素子の故障解析を行う場合、半導体素子の電極(測定対象物)に対して探針(プローブ)を直接コンタクトさせ、SEM画像を見ながらプロービングを行うことで、半導体素子の電気的特性(例えば電圧−電流特性、表面電気特性等)を測定して、故障解析を行っている。従って、故障解析を行うためには、電極に対して探針を確実にコンタクトさせることが必要とされている。
この種の探針としては、一般的に細径化及び先鋭化した金属製(例えばタングステンや白金イリジウム等)の探針が使用される場合が多い。
また近年では、金属製探針に代わり、カーボンナノチューブの表面に金属膜を被膜させた探針を具備する微小接触式プローバも知られている(例えば、特許文献1参照)。金属膜の被膜方法としては、例えばパルスドレーザーデポジション(PLD)法等が用いられている。この微小接触式プローバでは、上記探針が形成されたカンチレバーを、加振機構を利用して振動させながら電気的特性の測定を行う。
特開2010−286419号公報
ところで近年では、半導体デバイス構造の微細化に伴って、さらなる細径化が探針に要求されている。しかしながら、探針を細径化するほど、電極に対する接触面積が減少するので接触応力が低下し易い。そのため、電極と探針との間の導電性の信頼性が低下し易くなると共に、接触抵抗が増大してしまう。従って、電気的特性を高精度且つ高分解能で測定することが難しくなってしまう。
さらに、探針を細径化するほど、探針の剛性が低下するので短命化に繋がり易いうえ、電極の表面に傷等を生じさせ易くなってしまう。さらには、探針を細径化するほど、電極の表面に付着したコンタミネーションを除去することが難しくなってしまい、コンタミネーションに起因する接触抵抗の増大を招いてしまう。
このように、探針のさらなる細径化を図る場合には、上述した種々の課題を克服することが必要とされている。
しかしながら従来の金属製探針では、さらなる細径化を図った場合、上述した課題を克服することが難しく、改善の余地があった。それに加え、タングステンや白金イリジウム等の金属は加工性が悪いので、形状自由度が低く、安定した加工再現性を得ることが難しい。従って、さらなる細径化を図りつつ所望の探針形状に仕上げること自体が困難である。さらに、タングステンや白金イリジウム等の金属は機械的強度の観点から耐久性に乏しいので、さらなる細径化を図った場合には探針に欠けや変形等が生じ易くなってしまう。そのため、例えば真空中において探針を交換するといった手間が生じてしまい、故障解析の作業効率の低下を招くおそれがあった。
一方、上記従来の微小接触式プローバでは、カーボンナノチューブに金属膜を被膜させる必要があるが、微細なカーボンナノチューブに均一な膜厚で、且つ精度良く金属膜を被膜させることは実際上困難である。しかもPLD法は高価であるので、この方法を用いて金属膜の被膜を行った場合には、探針にコストがかかり過ぎてしまい、実用的ではない。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、測定対象物に傷等が付くことを抑制することができると共に、接触抵抗を抑制しながら測定対象物に対して安定に接触させることができ、且つ耐久性及び再現性に優れた接触式プローブを提供することである。
(1)本発明に係る接触式プローブは、Co、Ni、Cr及びMoを含むCo−Ni基合金から形成され、片持ち状に支持される基端部から先端部に向けて一方向に延在する弾性変形可能なプローブ本体を備え、前記プローブ本体は、前記基端部から前記先端部に向けて延びる延在部と、前記延在部に対して湾曲しながら、前記延在部から前記先端部に向けてさらに延びると共に、測定対象物に対して対向配置される接触部と、を備え、前記接触部は、前記延在部から前記先端部に向かうにしたがって前記測定対象物から離間するように、前記測定対象物とは反対側に向けて湾曲形成され、前記プローブ本体は、延在方向に対して直交する横幅が100nm以下とされている。
本発明に係る接触式プローブによれば、プローブ本体が高強度、高耐蝕性、高耐熱性、非磁性体であるうえ、さらに高弾性であるCo−Ni基合金から形成されている。そのため、Co−Ni基合金が高弾性材料であるという観点から、プローブ本体を、接触部を介して測定対象物に対して例えば押し付けることで、片持ち状のプローブ本体を反るように(撓むように)弾性変形させることができる。
従って、適度な接触応力を確保した状態で、測定対象物に対して接触部を接触させることができる。しかも、接触部は測定対象物とは反対側に向けて反るように湾曲しているので、接触部を測定対象物に接触させる際に、プローブ本体の先端縁部が測定対象物に対して入り込む或いは食い込んでしまうことを防止できる。従って、測定対象物に対して局所的な外力を作用させ難いので、測定対象物に傷等が付いてしまうことを抑制しながら接触部を測定対象物に対して接触させることができる。また、接触部は反るように湾曲しているので、測定対象物に対して接触部を面接触或いは線接触させた状態で接触させることができる。
従って、適度な接触応力を確保した状態で測定対象物に対して接触部を安定に接触させることができ、接触抵抗を抑制しながら、接触部と測定対象物との間の導電性を確実に確保することができる。従って、接触式プローブを利用して、測定対象物の電気的特性を高精度且つ高分解能で安定に測定することが可能である。
なお、Co−Ni基合金が高弾性材料であるので、接触部を測定対象物から離間させることで、プローブ本体は弾性復元変形して元の状態に復帰する。
また、測定対象物に対して接触部を接触させる際、測定対象物の表面にコンタミネーションが付着していたとしても、例えば接触部のエッジ(側端縁)を利用してコンタミネーションを削ることが可能である。この際、Co−Ni基合金が高強度材料であるという観点から、プローブ本体に変形や欠損等の不具合が生じることを抑制しながらコンタミネーションの除去を行える。従って、コンタミネーションを間に介在させることなく、測定対象物に接触部を接触させることができるので、コンタミネーションに起因する接触抵抗の増大についても抑制することができる。
また、プローブ本体の横幅が100nm以下とされているので、例えば近年の半導体デバイス構造の微細化にも高精度に対応することができ、狙った測定対象物に対して接触部を高精度にアプローチして接触させ易い。さらに、例えばCo−Ni基合金製の板材をFIB加工することでプローブ本体を得ることが可能であるので、高い加工再現性を得ることができる。従って、従来のタングステンや白金イリジウム等を利用した金属製探針では得られない再現性を実現することができるうえ、高い耐久性も得ることができる。
(2)前記接触部は一定の曲率で湾曲しても良い。
この場合には、接触部が一定の曲率で湾曲しているので、測定対象物に対して接触部のどの部分が最初に接触したとしても、接触具合(接触状況)を同じ状態に維持し易い。従って、接触部を測定対象物に対して安定的に押し付けることができ、接触応力をさらに確保し易い。
(3)前記接触部は、その横幅に亘って一定の厚みを有するように形成されても良い。
この場合には、接触部を湾曲板状にすることができ、測定対象物に対して接触部を面接触させることができる。従って、測定対象物に対して接触部をさらに安定に接触させることができる。
(4)前記プローブ本体の延在方向に延びるように形成された保持部材を備え、前記プローブ本体は、前記保持部材に前記基端部が取り付けられることで前記保持部材に固定されても良い。
この場合には、保持部材を利用してプローブ本体を安定して保持できるので、狙った測定対象物に対して接触部を正確にアプローチさせて接触させることができる。また、例えばマニピュレータ装置等で保持部材を保持することも可能であるので、プローブ本体を微細且つ正確に操作することが可能となり、測定対象物に対して接触部をさらに正確に接触させ易い。
(5)前記保持部材は透明材料で形成されても良い。
この場合には、保持部材が透明であるので、保持部材に邪魔されることなくプローブ本体を確認することができ、狙った測定対象物に対してプローブ本体をさらに正確にアプローチさせて接触させることができる。
本発明に係る接触式プローブによれば、測定対象物に傷等が付くことを抑制することができると共に、接触抵抗が増大することを抑制しながら測定対象物に対して安定に接触させることができる。従って、接触式プローブを利用することで、測定対象物の電気的特性を高精度且つ高分解能で安定に測定することができる。さらに、耐久性及び再現性に優れた接触式プローブとすることができる。
半導体パッケージの一例を示す断面図である。 図1に示す半導体チップにおける電極面の一例を示す上面図である。 図1に示す半導体チップにおける各電極パッド部に、接触式プローブの接触部を接触させた状態を示す図である。 本発明に係る接触式プローブの実施形態を示す斜視図である。 図4に示す接触式プローブの側面図である。 図4に示す接触式プローブの作製に使用する、FIB加工装置の一例を示す構成図である。 図4に示す接触式プローブを作製する際の一工程図であって、Co−Ni基合金の板部材をピンセットで保持した状態を示す斜視図である。 図7に示す状態から板部材の一部をFIB加工した状態を示す斜視図である。 図8に示す状態から板部材をさらにFIB加工して、プローブ本体を形成した状態を示す斜視図である。 図9に示す状態の後、プローブ本体と保持部材とをデポジション膜を利用して固定している状態を示す斜視図である。 図4に示すプローブ本体の接触部を電極パッド部に対して接触させた状態を示す図である。 図11に示す状態から、プローブ本体を押し付け、接触応力を確保した状態で接触部を電極パッド部に接触させた状態を示す図である。 図12に示すA−A線に沿った断面図である。 接触部を利用して、電極パッド部の表面の一部に付着したコンタミネーションを削り落とすように除去する状態を示す図である。 図4に示す接触式プローブの変形例を示す斜視図である。 図15に示すB−B線に沿った断面図である。 その他の実施形態における接触式プローブの斜視図である。 その他の実施形態における接触部の概略図である。 その他の実施形態における接触部と保持部材との接続加工を示す図である。
以下、本発明に係る接触式プローブの実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、半導体チップを測定対象物とし、半導体チップの電気的特性を測定することで、半導体チップの故障解析を行う場合を例に挙げて説明する。
なお、各図面では、図面を見易くして発明の理解を助けるために、各構成部品の縮尺を適宜変更している。
はじめに、半導体チップを具備する半導体パッケージについて簡単に説明する。
図1に示すように、半導体デバイスである半導体パッケージ1は、ステージ部2及び複数のリード3を有するリードフレーム4と、ステージ部2上に配設された半導体チップ(測定対象物)5と、半導体チップ5とリード3とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤ6と、リードフレーム4、半導体チップ5及びボンディングワイヤ6を一体的に固定する樹脂モールド部7と、を備えている。
半導体チップ5は、電極面5aを上方に向けた状態でステージ部2上に固定されている。図2に示すように、電極面5aには複数の電極パッド部8が露出しており、この電極パッド部8にボンディングワイヤ6が電気的に接続されている。
ただし、ボンディングワイヤ6を利用する場合に限定されるものではなく、例えば導電性バンプを介して半導体チップ5をステージ部2上にフリップチップ実装しても構わない。この場合には、半導体チップ5は電極面5aを下方に向けた状態でステージ部2上に固定されると共に、導電性バンプを介して例えばステージ部2上に形成された電気回路等に電気的に接続される。
半導体チップ5は、図3に示すソース電極10、ドレイン電極11及びゲート電極12を有するトランジスタを少なくとも含む電気回路を具備している。
図示の例では、半導体チップ5は、P型半導体層13が形成されたシリコン基板14と、P型半導体層13上に形成された絶縁基板15と、P型半導体層13中に間隔をあけて形成された一対のN型半導体層16と、を備えている。一対のN型半導体層16は、P型半導体層13と絶縁基板15との界面付近に形成されている。P型半導体層13のうち一対のN型半導体層16の間に位置する部分と、絶縁基板15との間には、酸化膜層17が形成されている。
ソース電極10及びドレイン電極11はN型半導体層16上に形成され、ゲート電極12は酸化膜層17上に形成されている。そして、絶縁基板15には、ソース電極10、ドレイン電極11、ゲート電極12及びP型半導体層13に対してそれぞれ電気的に接続される複数のコンタクト電極18が形成されている。
これらコンタクト電極18は、絶縁基板15を貫通するように形成されていると共に、絶縁基板15の表面に露出している。コンタクト電極18のうち、絶縁基板15の表面に露出している部分が電極パッド部8として機能する。なお、絶縁基板15の表面が電極面5aとして機能する。
従って、電極パッド部8を介してソース電極10、ドレイン電極11及びゲート電極12に電圧を印加してトランジスタを作動させることが可能とされている。また、電極パッド部8に本実施形態の接触式プローブ20を接触させて、接触式プローブ20を通じて測定電圧を印加することで、半導体チップ5の電気的特性を測定することができる。これにより、電気的特性の結果に基づいて、半導体チップ5の故障解析を行うことが可能とされている。
なお、半導体チップ5には、上述したトランジスタが複数組み込まれており、それに対応して図2に示すように電極面5aに複数の電極パッド部8が露出している。
次に、接触式プローブ20について説明する。
図4及び図5に示すように、接触式プローブ20は、Co、Ni、Cr及びMoを含むCo−Ni基合金から形成された弾性変形可能なプローブ本体21と、プローブ本体21が取り付けられた保持部材22と、を備えている。
プローブ本体21は、基端部23から先端部24に向けて一方向に延在するように形成され、基端部23を介して保持部材22の先端部22bに取り付けられている。これにより、プローブ本体21は、先端部24が自由端となるように、基端部23が片持ち状に支持された状態で保持部材22に固定されている。
なお、プローブ本体21は、FIBの照射によって後述する化合物ガス(原料ガス)Gが分解されることで生じるデポジション膜Dによって、保持部材22の先端部22bに固定されている。これについては後に説明する。
ただし、プローブ本体21の固定はデポジション膜Dに限定されるものではなく、例えば接着や溶着等、他の固着方法で固定しても構わないし、係止等の嵌め合いを利用して固定しても構わない。
プローブ本体21は、基端部23から先端部24に向けて直線状に延びる延在部25と、延在部25に対して湾曲しながら、延在部25から先端部24に向けてさらに延びると共に、電極パッド部8に対して接触可能に対向配置される接触部26と、を備え、延在方向に長い長尺な板片状に形成されている。
なお、プローブ本体21の表面のうち、電極面5a側に向いた面を対向壁面27といい、対向壁面27とは反対側に向いた面を頂壁面28という。これら対向壁面27及び頂壁面28は、プローブ本体21の全長に亘って形成され、延在部25及び接触部26の一部を構成する。
なお、本実施形態では、図4において頂壁面28から対向壁面27に向かう方向を下方といい、その逆方向を上方という。よって、対向壁面27は下方を向き、頂壁面28は上方を向いている。
また、本実施形態ではプローブ本体21の延在方向に沿ったプローブ本体21の長さを本体長さLといい、上下方向に沿ったプローブ本体21の長さを本体高さTといい、プローブ本体21の延在方向に直交し、且つ電極面5aに対して平行な方向に沿ったプローブ本体21の長さを本体幅(横幅)Wという。
図示の例では、プローブ本体21は、全長に亘って本体幅Wが一定に形成されていると共に、対向壁面27が全長に亘って連続した平坦状となるように形成されている。そのうえで、プローブ本体21は、本体高さTが基端部23から先端部24に向かうにしたがって段階的に低くなるように形成されている。
具体的には、延在部25は、基端部23側に配置された基端延在部30と、基端延在部30よりも先端部24側に配置され、基端延在部30との接続部分から先端部24に向かうにしたがって本体高さTが漸次低くなる中間延在部31と、中間延在部31よりもさらに先端部24側に配置され、中間延在部31よりも本体高さTが低い先端延在部32と、を備えている。
図示の例では、先端延在部32における本体高さTは、本体幅Wに沿った長さの半分以下の長さとされている。これにより、先端延在部32は薄い平板状に形成されている。そのため、先端延在部32は上下方向に撓むように弾性変形し易い形状とされている。
ただし、延在部25の形状は上述した場合に限定されるものではなく、自由に設計して構わない。例えば、本体高さTがさらに多段階的に変化するように延在部25を形成しても構わないし、基端部23から先端部24に向かうにしたがって本体高さTが漸次低くなるように延在部25を側面視三角状に形成しても構わない。さらには、延在部25を全長に亘って薄い平板状に形成しても構わない。
接触部26は、先端延在部32から先端部24に向かうにしたがって上方に向けて湾曲するように形成されている。すなわち、接触部26は先端延在部32から先端部24に向かうにしたがって電極パッド部8から離間するように、電極パッド部8とは反対側に向けて湾曲するように形成されている。
接触部26は、先端延在部32と同じ本体幅Wとされていると共に、その横幅に亘って一定の厚みを有するように形成されている。そのため、接触部26は薄い湾曲板状に形成されている。図示の例では、接触部26は一定の曲率で滑らかに湾曲しており、その先端縁部26aは上方を向いている。なお、本実施形態において接触部26の厚みは、先端延在部32における本体高さTに相当する。
上述のように構成されたプローブ本体21の具体的なサイズを説明する。
本体長さLとしては、例えば100μm以下とされ、好ましくは10μm以下とされている。基端延在部30における本体高さTとしては、例えば100nm以下とされ、好ましくは50nm以下とされている。接触部26の厚みとしては、例えば50nm以下とされている。プローブ本体21における本体幅Wとしては、例えば100nm以下とされ、好ましくは50nm以下とされている。
本体幅Wを100nm以下とすることで、例えば近年の半導体デバイス構造の微細化にも十分に対応することができ、例えば直径が数十nmの電極パッド部8であっても、接触部26を確実に接触させることが可能となる。
また、プローブ本体21を構成する金属材料、すなわちCo、Ni、Cr及びMoを含むCo−Ni基合金の具体的な組成を説明する。
Co−Ni基合金としては、組成が質量比で、Co:28〜42%、Cr:10〜27%、Mo:3〜12%、Ni:15〜40%、Ti:0.1〜1%、Mn:1.5%以下、Fe:0.1〜26%、C:0.1%以下、Nb:3%以下を含み、残部不可避不純物からなる組成であることが好ましい。
より好ましくは、上記組成に加え、W:5%以下、Al:0.5%以下、Zr:0.1%以下、B:0.01%以下からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが良い。これらの組成範囲を限定した理由を以下に簡単に説明する。
Coはそれ自体加工硬化能が大きく、切り欠け脆さを減じ、疲労強度を高め、高温強度を高める効果を有するが、28%未満ではその効果が弱く、42%を超えるとマトリクスが硬くなり過ぎて加工困難となると共に面心立方格子相が最密六方格子相に対して不安定になる。従って、Coの質量比は28〜42%が好ましい。
Crは耐食性を確保するのに不可欠な成分であり、またマトリクスを強化する効果を有するが、10%未満では優れた耐食性を得る効果が弱く、27%を超えると加工性及び靱性が急激に低下する。従ってCrの質量比は10〜27%が好ましい。
Moはマトリクスに固溶してこれを強化する効果、加工硬化能を増大させる効果、及びCrとの共存において耐食性を高める効果を有するが、3%未満では所望する効果が得られず、12%を超えると加工性が急激に低下するうえ、脆いσ相が生成し易い。従って、Moの質量比は3〜12%が好ましい。
Niは面心立方格子相を安定化し、加工性を維持し、耐食性を高める効果を有するが、Co、Cr、Mo、Nb、Feの組成範囲において、Niが15%未満では安定した面心立方格子相を得ることが困難であり、40%を超えると機械的強度が低下する。従って、Niの質量比は15〜40%が好ましい。
Tiは強い脱酸、脱窒、脱硫の効果、及び鋳塊組織の微細化の効果を有するが、0.1%未満ではその効果が弱く、1%を超えると合金中に介在物が増える、或いはη相(Ni3Ti)が析出して靱性が低下する。従って、Tiの質量比は0.1〜1%が好ましい。
Mnは脱酸、脱硫の効果、及び面心立方格子相を安定化する効果を有するが、多過ぎると耐食性、耐酸化性を劣化させる。従って、Mnの質量比は1.5%以下が好ましい。
Feは、多過ぎると耐酸化性が低下するが、耐酸化性よりも、マトリクスに固溶してこれを強化する効果を重視することを考慮すると、質量比は0.1〜26%が好ましい。
Cはマトリクスに固溶するほか、Cr、Mo、Nb、W等と炭化物を形成し、結晶粒の粗大化の防止効果を有するが、多過ぎると靭性の低下、耐食性の劣化等が生じる。従って、Cの質量比は0.1%以下が好ましい。
Nbはマトリクスに固溶してこれを強化し、加工硬化能を増大させる効果を有するが、3%を超えるとσ相やδ相(Ni3Nb)が析出して靭性が低下することから、Nbを含有させる場合は質量比を3%以下とすることが好ましい。
Wは、マトリクスに固溶してこれを強化し、加工硬化能を著しく増大させる効果を有するが、5%を超えるとσ相を析出して靭性が低下することから、Wを含有させる場合は質量比を5%以下とすることが好ましい。
Alは、脱酸、及び耐酸化性を向上させる効果を有するが、多過ぎると耐食性の劣化等が生じるため、Alを含有させる場合は質量比を0.5%以下とすることが好ましい。
Zrは、高温での結晶粒界強度を上げて、熱間加工性を向上させる効果を有するが、多過ぎると逆に加工性が悪くなるため、Zrを含有させる場合は質量比を0.1%以下とすることが好ましい。
Bは、熱間加工性を改善する効果があるが、多過ぎると逆に熱間加工性が低下し割れ易くなるため、Bを含有させる場合は0.01%以下とすることが好ましい。
さらに、Feの質量比を0.1〜3%としたうえで、Nb:3%以下を含むことがより好ましい。
すなわち、組成が質量比で、Co:28〜42%、Cr:10〜27%、Mo:3〜12%、Ni:15〜40%、Ti:0.1〜1%、Mn:1.5%以下、Fe:0.1〜3%、C:0.1%以下、Nb:3%以下、及び残部不可避不純物よりなるCo−Ni基合金がより好ましい。
このような組成のCo−Ni基合金では、Feの上限を3%とすることにより、耐酸化性が低下することをより効果的に防ぐことができる。
上述の組成からなるCo−Ni基合金は、高強度、高耐蝕性、高耐熱性、非磁性であるうえ、高弾性で且つ塑性加工性に優れている。特に、このCo−Ni基合金は、高い加工硬化性能を有し、冷間で塑性変形を施した後に、高温領域(例えば400℃〜800℃)で時効熱処理を施すことにより、ひずみ時効硬化により強化される時効硬化型合金とされている。
本実施形態では、冷間加工として、後述するFIB加工によりプローブ本体21を加工し、その後、時効熱処理を施している。これにより、プローブ本体21は、例えばヤング率(縦弾性係数)として200〜240Gpa、剛性率(剪断弾性係数或いは横弾性係数)として80〜85GPaの特性を具備している。
このようにプローブ本体21は、高いヤング率及び剛性率を具備しているので、高い機械的強度を有しながら、本体高さT方向(上下方向)への弾性変形が可能とされている。
図4に示すように、保持部材22は、プローブ本体21の延在方向に沿って根元部22aから先端部22bに向けて延びるように形成されている。図示の例では、保持部材22は導電性材料によって円柱状に形成されている。ただし、保持部材22は円柱状に限定されるものではない。そして、保持部材22の先端部22bに、先に述べたようにプローブ本体21の基端部23がデポジション膜Dを介して固定されている。
なお、保持部材22が導電性材料によって形成されているので、保持部材22を介して外部とプローブ本体21とを導通させることができ、プローブ本体21に測定電圧を印加させることが可能である。
(接触式プローブの作製)
次に、上述のように構成された接触式プローブ20を作製する場合について簡単に説明する。
従来より、Co−Ni基合金のような難削材を微細加工して接触式プローブ20を作製することに関しては、何ら開示も示唆もされていない。これに対して本実施形態では、図6に示すように、FIB(集束イオンビーム)及びEB(電子ビーム)の2つの荷電粒子ビームを照射可能なFIB加工装置40を利用することで、精度良く接触式プローブ20を作製することが可能になった。以下、接触式プローブ20の作製について説明する。
まずFIB加工装置40について簡単に説明する。
FIB加工装置40は、Co−Ni基合金の板部材41を挟持可能な第1ピンセット42と、保持部材22を挟持可能な第2ピンセット43と、FIB及びEBを照射する照射機構44と、FIB或いはEBの照射によって発生した二次荷電粒子Eを検出する検出器45と、デポジション膜Dを形成するための化合物ガスGを供給するガス銃46と、検出された二次荷電粒子Eに基づいて画像データを生成すると共に該画像データを表示部47に表示させる制御部48と、真空チャンバ49と、を備えている。
上記板部材41は、例えばプローブ本体21の本体幅Wに相当する板厚、本体長さLに相当する長さ、及び基端延在部30における本体高さTに相当する幅のサイズに形成されたCo−Ni基合金の平板部材である。
第1ピンセット42及び第2ピンセット43は、ピンセット部50と、ピンセット部50を例えば5軸に変位(水平面に平行で且つ互いに直交するX軸及びY軸への移動、X軸及びY軸に直交するZ軸への移動、X軸又はY軸回りのチルト回転、及びZ軸回りのローテーション回転)させる変位機構51と、をそれぞれ備え、真空チャンバ49内に配置されている。
第1ピンセット42は、ピンセット部50で板部材41を挟持することで板部材41を安定的に保持している。第2ピンセット43は、ピンセット部50で保持部材22を挟持することで保持部材22を安定的に保持している。
照射機構44は、第1ピンセット42及び第2ピンセット43の上方に配置されており、例えばZ軸に平行にFIBを照射するFIB鏡筒55と、Z軸に対して斜めにEBを照射するSEM鏡筒56と、を備えている。
FIB鏡筒55は、イオン発生源55a及びイオン光学系55bを有しており、イオン発生源55aで発生したイオンをイオン光学系55bで細く絞ってFIBにした後、真空チャンバ49内において板部材41や保持部材22に向けてFIBを照射することが可能とされている。
SEM鏡筒56は、電子発生源56a及び電子光学系56bを有しており、電子発生源56aで発生した電子を電子光学系56bで細く絞ってEBにした後、真空チャンバ49内において板部材41や保持部材22に向けてEBを照射することが可能とされている。
検出器45は、FIB或いはEBが照射された際に、板部材41や保持部材22から発生した二次電子や二次イオン等の二次荷電粒子Eを検出して制御部48に出力している。ガス銃46は、デポジション膜Dの原料となる物質(例えば、フェナントレン、プラチナ、カーボンやタングステン等)を含有した化合物ガス(原料ガス)Gを放出する。
なお、化合物ガスGは、二次荷電粒子Eによって分解され、気体成分と固体成分とに分離する。そして、分離した固体成分が堆積することでデポジション膜Dとなる。
制御部48は、上述した各構成品を総合的に制御していると共に、FIB鏡筒55及びSEM鏡筒56の加速電圧やビーム電流を変化させるように制御している。特に、制御部48は、FIB鏡筒55の加速電圧やビーム量を変化させることで、FIBのビーム径を自在に調整可能とされている。これにより、観察画像を取得するだけでなく、例えば板部材41を局所的にエッチング加工(FIB加工)することが可能とされている。
また、制御部48は、検出器45で検出された二次荷電粒子Eを、例えば輝度信号に変換して観察画像データを生成した後、該観察画像データに基づいて表示部47に観察画像を出力させている。これにより、表示部47は観察画像を表示する。
制御部48には、オペレータが入力可能な入力部57が接続されている。これにより、制御部48は入力部57によって入力された信号に基づいて各構成品を制御している。つまり、オペレータは、入力部57を介して所望する領域にFIBやEBを照射して観察することや、所望する領域にFIBを照射してエッチング加工を行うことや、所望する領域に化合物ガスGを供給しながらFIBを照射してデポジション膜Dを堆積させることができる。
次に、FIB加工装置40を利用したプローブ本体21の作製について説明する。
図7に示すように、第1ピンセット42で板部材41の一端部を保持した後、適宜板部材41の姿勢を変化させながらFIBを照射して、板部材41の一部を切り落とすように板部材41を連続的にエッチング加工する。これにより、図8に示すように、基端延在部30、中間延在部31を形成することができると共に、先端延在部32及び接触部26となる基礎部分58を形成することができる。
次いで、板部材41の姿勢を変化させながらさらにFIBを照射して、図9に示すように、上記基礎部分58をさらに連続的にエッチング加工することで、先端延在部32及び接触部26を形成することができる。
なお、接触部26は上記基礎部分58のエッチング加工によって形成されているので、図5に示すように、接触部26の先端縁部26a(すなわちプローブ本体21の先端縁部)は、中間延在部31よりも上方に突出することがない。
以上により、FIB加工装置40を利用した冷間加工によってプローブ本体21を作製することができる。次いで、作製したプローブ本体21に対して時効熱処理を施して、ひずみ時効硬化によりプローブ本体21に高弾性特性を付与させる。
上記熱処理を行った後、再びFIB加工装置40を利用して、図10に示すように、第1ピンセット42で保持したプローブ本体21と、第2ピンセット43で保持した保持部材22の先端部22bとを接触させる。そして、プローブ本体21と保持部材22との接触部分の周辺にガス銃46から化合物ガスGを供給しながらFIBを照射する。
これにより、プローブ本体21と保持部材22との接触部分にFIBが照射されることで発生した二次荷電粒子Eが、化合物ガスGを分解して気体成分と固体成分とに分離させる。すると、分離した固体成分が、プローブ本体21と保持部材22との接触部分に堆積してデポジション膜Dとなる。
その結果、図4及び図5に示すように、プローブ本体21と保持部材22とを互いに固定させることができ、接触式プローブ20を作製することができる。
つまり、上述の作製方法によれば、難削材として知られるCo−Ni基合金であっても、接触式プローブ20を精度良く、さらには効率良く作製することができる。
(接触式プローブの作用)
次に、上述のように構成された接触式プローブ20を利用して、図3に示す半導体チップ5の電気的特性を測定する場合について説明する。
本実施形態のプローブ本体21は、高強度、高耐蝕性、高耐熱性、非磁性体であるうえ、さらに高弾性であるCo−Ni基合金から形成されている。そのため、Co−Ni基合金が高弾性材料であるという観点から、図11に示すようにプローブ本体21を、接触部26を介して電極パッド部8に対して接触させた後、図12に示すように接触部26を電極パッド部8に対して押し付けることで、片持ち状のプローブ本体21を本体高さT方向に反るように(撓むように)弾性変形させることができる。
従って、適度な接触応力を確保した状態で、電極パッド部8に対して接触部26を接触させることができる。しかも、接触部26は電極パッド部8とは反対側に向けて反るように湾曲しているので、図11に示すように、接触部26を電極パッド部8に接触させる際に、接触部26の先端縁部26aが電極パッド部8に対して入り込む或いは食い込んでしまうことを防止できる。従って、電極パッド部8に対して局所的な外力を作用させ難いので、電極パッド部8に傷等が付いてしまうことを抑制しながら接触部26を電極パッド部8に対して接触させることができる。
なお、電極パッド部8だけでなく、半導体チップ5の電極面5aに対しても傷等が付いてしまうことを抑制することができる。
また、接触部26は薄い湾曲板状に形成されているので、図13に示すように、電極パッド部8に対して接触部26における対向壁面27を面接触させることができる。従って、電極パッド部8に対して接触部26を安定して接触させることができる。
さらに、接触部26は一定の曲率で湾曲しているので、図11に示すように、電極パッド部8に対して接触部26のどの部分が最初に接触したとしても、接触具合(接触状況)を同じ状態に維持し易い。従って、接触部26を電極パッド部8に対して安定的に押し付けることができ、接触応力を確実に確保し易い。
以上のことから、適度な接触応力を確保した状態で電極パッド部8に対して接触を安定に接触させることができるので、接触抵抗が増大することを抑制しながら、接触部26と電極パッド部8との間の導電性を確実に確保することができる。
従って、図3に示すように、接触式プローブ20を利用してソース電極10、ドレイン電極11、ゲート電極12及びP型半導体層13に対して選択的に測定電圧を印加することができ、例えば各電極間における電気的特性等を測定することができる。これにより、半導体チップ5の電気的特性を高精度且つ高分解能で安定に測定することができる。
また、電極パッド部8に接触部26を接触させる際、電極パッド部8の表面や半導体チップ5の電極面5aに例えばコンタミネーションが付着していたとしても、接触部26のエッジ(側縁部)を利用してコンタミネーションを削ることが可能である。
例えば、図14に示すように、電極パッド部8の表面の一部にコンタミネーションCが付着していた場合、電極パッド部8の表面のうちコンタミネーションCが付着していない部分に対して接触部26を押し付けた状態を維持したまま、電極パッド部8に対してプローブ本体21を相対的に平行移動させる。これにより、コンタミネーションCに接触部26のエッジを側方から押し当てながら、コンタミネーションCを削り落とすように除去することができる。
このとき、Co−Ni基合金が高強度材料であるという観点から、プローブ本体21に変形や欠損等の不具合が生じることを抑制しながらコンタミネーションCの除去を行える。従って、コンタミネーションCを間に介在させることなく、電極パッド部8に接触部26を接触させることができるので、コンタミネーションCに起因する接触抵抗の増大についても抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の接触式プローブ20によれば、電極パッド部8や電極面5aに傷等が付くことを抑制することができると共に、接触抵抗が増大することを抑制しながら電極パッド部8に対して安定に接触させることができる。従って、接触式プローブ20を利用することで、半導体チップ5の電気的特性を高精度且つ高分解能で安定に測定することができる。
また、プローブ本体21の本体幅Wが100nm以下とされているので、例えば近年の半導体デバイス構造の微細化にも高精度に対応でき、狙った電極パッド部8に対して接触部26を高精度にアプローチして接触させ易い。また、電極パッド部8の直径が例えば数十nmの微小サイズであっても対応することが可能である。
さらに、先に述べたように、例えばCo−Ni基合金製の板部材41をFIB加工することでプローブ本体21を作製することが可能であるので、高い加工再現性を得ることができる。従って、従来のタングステンや白金イリジウム等を利用した金属製探針では得られない再現性を実現することができるうえ、高い耐久性も得ることができる。また、従来のように、カーボンナノチューブの表面に金属膜を被覆して接触式プローバを作製する場合と比較すると、安価に、機械的強度に優れ、且つ接触抵抗の低い接触式プローブを安価に提供することが可能になる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、半導体チップ5の電気的特性を測定する場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。測定電圧を外部から印加して電気的特性を測定する場合に、本発明に係る接触式プローブ20を利用することが可能であり、測定対象物は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態において、例えば3次元操作可能なマニピュレータアームを具備するマニピュレータ装置等を利用して、接触式プローブ20を操作しても良い。
この場合には、保持部材22の根元部22aをマニピュレータアームで片持ち状に保持することで、プローブ本体21を微細且つ正確に三次元操作することが可能となり、電気的特性をさらに高精度に測定することができる。
なお、この場合には、保持部材22を例えばガラス等の透明材料で形成することが好ましい。保持部材22を透明にすることで、保持部材22に影響されることなくプローブ本体21を確認することができるので、所望する位置にプローブ本体21を正確にアプローチし易い。
なお、保持部材22を透明にした場合には、例えばプローブ本体21と外部とを電気的に接続、或いは保持部材22の一部に接続配線等を設け、接続配線を介してプローブ本体21と外部とを電気的接続すれば良い。これにより、保持部材22がガラス製であったとしても、プローブ本体21を通じて測定対象物に測定電圧を印加することが可能となる。
また、上記実施形態では、接触部26をその横幅に亘って一定の厚みを有する湾曲板状に形成したが、この場合に限定されるものではなく、例えば接触部26において、頂壁面28から対向壁面27に向かうにしたがって本体幅Wが漸次小さくなるように形成されていても良い。
この場合には、例えば図15及び図16に示すように、接触部26の形状を縦断面視でU字状に形成することができる。この場合であっても、電極パッド部8に対して接触部26を線接触させることができるので、同様の作用効果を奏功することができる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
(その他の実施形態)
図17−図19を参照して、本発明に係るその他の実施形態について説明する。上述の実施形態では、プローブ本体21が、直線状に伸びる延在部25と、湾曲形状の接触部26とを有する構成であったが、本発明に係る接触式プローブの形状はこれに限定されるものではない。
即ち、図17(a)に示すように、プローブ本体が、保持部材32と、保持部材32の先端部32bに接続される円錐形の接触部38とを有していることを特徴とする。なお、円錐形の接触部38は、上述の実施形態におけるプローブ本体21と同様に、Co、Ni、Cr、及びMoを含むCo−Ni合金によって形成されている。
円錐形に加工をする際は、まず、Co−Ni合金の母材を準備し、この母材に対して、電解研磨、機械研磨、又はプレス加工を施すことで、所望の円錐形に加工をすることが可能である。上述したように、Co−Ni合金であれば、加工性も良好であるので、例えばタングステン等の従来の材料と比較すると、加工コストを大幅に低減しつつ、良好な電気的、機械的特性を有した接触部38を得ることができる。
また、棒状の保持部材32は、タングステンによって形成されているが、タングステン以外の材料であっても良く、好ましくは、電気的伝導性が良好な部材によって形成されているとよい。なお、タングステンであれば、電気的伝導性が良好であり、かつ製造コストを抑えることが可能になる。さらに、Alであれば、加工容易であるので、良好な電気的伝導性を確保しつつ、大幅に製造コストを抑えることが可能になる。
このような接触部38と保持部材32を有する接触式プローブによれば、図17(b)に示すように、円錐形の接触部38の先端が対象物(電極パッドや電極面など)に接触した際に、Co−Ni合金の特性により、先端が弾性変形する。
よって、電極パッド部や電極面に傷等が付くことを抑制することができると共に、接触抵抗が増大することを抑制しながら電極パッド部に対して安定に接触させることができる。
さらに、接触部38の先端が先細り形状であるので、より微細な電極パッドや回路パターンに対して高精度に接触部38を接触させることが可能になる。よって、従来と比較して、半導体チップの電気的特性を高精度且つ高分解能で安定に測定することができる。
なお、接触部38の先端が先細り形状ではあるが、Co−Ni合金が用いられているので、タングステン等を先細り形状とした場合と比較すると、接触式プローブの耐久性を大幅に向上させることができる。
次に、図18を参照して、接触部38の他の実施形態を説明する。
ここでは、円錐形の接触部38の側周表面に、タングステンによる金属配線40が形成されていてもよい。この金属配線40は、接触部38の頂点から基端側に沿って連続的に形成されており、FIB加工によって形成してもよいし、導電性ナノ粒子(Agナノ粒子など)を付着させることによって形成してもよい。
かかる構成によれば、金属配線40を接地面に沿うようにして接触式プローブの先端を対象物に接触させることで、接触式プローブの接触抵抗を大幅に低減させることができる。よって、半導体チップの電気的特性を、より高精度且つ高分解能で安定に測定することができる。
なお、ここでは金属配線40の材料としてタングステンを用いているが、導電性が向上し、かつCo−Ni合金との接着性が良好であれば、タングステン以外の材料を金属配線40に用いてもよい。
次に、図19(a)−(e)を参照して、本実施形態における接触部38と保持部材42の接続工程について説明する。
円錐形であり、かつCo−Ni合金からなる接触部38と、タングステンからなる棒状の保持部材42を接続させる際は、まず、タングステンの母材を機械加工し、一方の端部に凹部を形成し、他方の端部にはネジ山を形成する(図19(b))。なお、上述したように、保持部材42の材料はタングステン以外の材料、例えばAlであってもよい。
その後、接触部38を凹部内に配置する(図19(c)、図19(d))。
その後、凹部の周縁を内周側に変形させて、即ち、「かしめ加工」を行うことによって、保持部材42の端部と接触部38とを接続させる。これにより、接触式プローブを得ることができる。
なお、ここでは「かしめ加工」について説明したが、接続強度を向上させるために、導電性の接着剤を用いて両者を接続させてもよいし、その他の各種接合方法によって両者を接続してもよい。但し、「かしめ加工」によって両者を接続することで、加工コストを抑えることが可能になる。
また、保持部材42の他方の端部の外周にはネジ山が形成されているので、例えば、内周にネジ溝が形成された中空状の棒状部材(ガラス棒、金属棒)に対して、保持部材42の他方の端部を締結してもよい。これによれば、棒状部材に対して、接触式プローブを着脱自在とすることができる。よって、ユーザビリティの向上、製造コストの低減を図ることができる。
以上、上述の実施形態によれば、Co−Ni基合金製で、円錐形の接触部を作製することが可能であるので、高い加工再現性を得ることができる。従って、従来のタングステンや白金イリジウム等を利用した金属製探針では得られない再現性を実現することができるうえ、高い耐久性も得ることができる。また、従来のように、カーボンナノチューブの表面に金属膜を被覆して接触式プローバを作製する場合と比較すると、安価に、機械的強度に優れ、且つ接触抵抗の低い接触式プローブを安価に提供することが可能になる。
W…プローブ本体の横幅
5…半導体チップ(測定対象物)
20…接触式プローブ
21…プローブ本体
22…保持部材
23…プローブ本体の基端部
24…プローブ本体の先端部
25…延在部
26…接触部

Claims (5)

  1. Co、Ni、Cr及びMoを含むCo−Ni基合金から形成され、片持ち状に支持される基端部から先端部に向けて一方向に延在する弾性変形可能なプローブ本体を備え、
    前記プローブ本体は、
    前記基端部から前記先端部に向けて延びる延在部と、
    前記延在部に対して湾曲しながら、前記延在部から前記先端部に向けてさらに延びると共に、測定対象物に対して対向配置される接触部と、を備え、
    前記接触部は、前記延在部から前記先端部に向かうにしたがって前記測定対象物から離間するように、前記測定対象物とは反対側に向けて湾曲形成され、
    前記プローブ本体は、延在方向に対して直交する横幅が100nm以下とされている、接触式プローブ。
  2. 請求項1に記載の接触式プローブにおいて、
    前記接触部は、一定の曲率で湾曲している、接触式プローブ。
  3. 請求項1又は2に記載の接触式プローブにおいて、
    前記接触部は、その横幅に亘って一定の厚みを有するように形成されている、接触式プローブ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の接触式プローブにおいて、
    前記プローブ本体の延在方向に延びるように形成された保持部材を備え、
    前記プローブ本体は、前記保持部材に前記基端部が取り付けられることで前記保持部材に固定されている、接触式プローブ。
  5. 請求項4に記載の接触式プローブにおいて、
    前記保持部材は透明材料で形成されている、接触式プローブ。
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