JP2018054079A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムローラおよびカム面が潤滑油に浸漬するような油溜部を設けた状態で、カム面を有するカム板がディスク側のカム面から離れるように変形するのを抑制するトロイダル型無段変速機を提供する。【解決手段】押圧装置100は、入力側ディスク2の外側面に設けられた第1カム面104と、前記第1カム面104に対向する第2カム面105と、前記第2カム面105を備えたカム板106とを備える。また、これら第1および第2カム面104,105どうしの間には、カムローラ103を備えている。第1および第2カム面104,105どうしの間に潤滑油を溜める第1油室132が設けられている。カム板106の第2カム面105の反対側に潤滑油を溜める第2油室133が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機として、図2および図3に記載されているものが知られている。
このダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図2および図3に示すように構成されている。図2に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転可能に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転可能に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された中間壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
図2に示すように、出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転可能に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図3参照)が回転可能に挟持されている。
図2中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図2の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。図3に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図3においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図3の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転可能に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図3の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図2の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ(シリンダボディ)31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図3で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、ローディングカム式の押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動可能に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図3の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、ローディングカム式の押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図3の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機におけるローディングカム式の押圧装置12は、駆動軸22とともに回転するローディングカム(カム板)7と、保持器により転動自在に保持された複数個(例えば4個)のカムローラ(転動体)とを備えている。カム板7の片側面(図2の右側面)には、円周方向に亙る凹凸面(波状面)であるカム面が形成され、入力側ディスク2の外側面(図2の左側面)にも、同様の形状を有するカム面が形成され、これらカム面どうしの間にカムローラが挟まれた状態となっている。
このような押圧装置12では、その動きをスムーズにするためカム面やカムローラの部分を潤滑油により潤滑している(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1には、カムローラを保持する保持器とそのカバーにより、カムローラに潤滑油を供給する油路が形成され、カムローラの部分に潤滑油が供給されるようになっていることが記載されている。
また、特許文献2には、カムローラを保持する保持器に、カム面とカムローラの接触部分に潤滑油を供給する油穴と油溝が形成されていることが記載されている。
また、特許文献3には、カム面を有するローディングカムの外周面と、外側面にカム面を有するディスクの外周面とに跨って配置される筒状の部材により、2つのカム面に挟まれたカムローラの部分が油密にされることにより、カム面どうしの間に潤滑油が溜められて油溜部が設けられ、カムローラとカム面が潤滑油に浸漬された状態となっていることが記載されている。
また、特許文献4には、ローディングカム式の押圧装置のトロイダル変速部側部材(ローディングカム)とトルク伝達軸側部材(駆動軸)との間に、これら両部材間に介在されるスラスト軸受を設け、このスラスト軸受を潤滑油に浸漬する油溜部を形成し、この油溜部の潤滑油にカムローラも浸漬するようになっていることが記載されている。
特開平09−291999号公報 特開2006−2882号公報 特開2013−100884号公報 特公平06−72656号公報
ところで、上述の特許文献1、2においては、カム面やカムローラ部分に潤滑油を供給するために、潤滑油の経路が設けられており、ローディングカム式の押圧装置の動きをスムーズにするための潤滑油が押圧装置に供給されている。しかし、押圧装置が高速回転することによりカムローラとカム面との接触面に十分に潤滑油が入り込めていない可能性がある。さらに、押圧装置に潤滑油を供給していても、応力を受けながらカム面をカムローラが繰り返し移動することでカム面やカムローラ外周面にフレッチングが発生してしまう。
それに対して、特許文献3、4では、カムローラやカム面が潤滑油に浸漬するような油溜部を設けているので、ローディングカム式の押圧装置が高速回転していてもカム面とカムローラとに十分に潤滑油を行き渡らせることができるとともに、フレッチングを抑制することができる。
ここで、押圧装置でパワーローラに押し付けたディスクの反力を受けたカム板が、カム面を有するディスクの反対側に変形する虞がある。この場合に、必要な押付力が得られず伝達効率の低下が懸念される。
このような状況で、特許文献3、4のように、2つのカム面の間のカムローラが潤滑油に浸漬するように、潤滑油を溜めた場合に、カム板のカム面に上述の押付荷重による反力に加え、油溜部に溜まった潤滑油による遠心油圧も受けることとなり、さらにカム板の変形が増してしまう虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、カムローラおよびカム面が潤滑油に浸漬するような油溜部を設けた状態で、カム面を有するカム板がディスク側のカム面から離れるように変形するのを抑制するトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転可能に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクを互いに近づけ合うように、前記第1ディスク側から押圧するローディングカム式の押圧装置とを備え、
前記押圧装置は、前記第1ディスクの外側面に設けられた第1カム面と、前記第1カム面に対向する第2カム面と、前記第2カム面を備えたカム板と、これら第1および第2カム面どうしの間で転動する転動体とを備え、
第1および第2カム面どうしの間に潤滑油を溜める第1油室が設けられるとともに、前記カム板の前記第2カム面の反対側に潤滑油を溜める第2油室が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1油室の潤滑油に転動体や第1および第2カム面が浸漬し、ローディングカム式の押圧装置に十分な潤滑油を供給して、円滑に押圧装置を作動させることができる。また、第1および第2カム面と転動体の外周面とでフレッチングの発生を抑制することができる。さらに、カム板に第1油室の潤滑油による遠心油圧が作用して、カム板が変形するのを、カム板の第1油室の反対側の第2油室の潤滑油により抑制することができる。これにより、カム板の変形に基づく、第1および第2カム面と転動体の外周面との片当たりによる動作不良などの不具合を抑制することができる。また、第1油室に溜められた潤滑油を押圧装置の潤滑に用いているので、押圧装置への潤滑油の供給量を削減することができる。この場合に、油圧供給手段の容量を大きくしなくとも圧装置以外の部分への潤滑油の供給量を増加させることが可能になる。
本発明の前記構成において、前記第1油室と、前記第2油室とが連通して一体的に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、カム板が第1油室および第2油室からなる一体の油溜部の内側にある状態となり、第1および第2油室の遠心油圧が作用するのを防止することができる。また、第1ディスク側に作用する遠心油圧の低減を図ることができる。これにより、上述の押圧装置の動作不良等の抑制を図ることができる。
本発明によれば、ローディングカム式の押圧装置に潤滑油の油溜を設けて押圧装置を潤滑する際の遠心油圧による悪影響を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るトロイダル型無段変速機の押圧装置を示す断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施の形態のトロイダル型無段変速機は、押圧装置に特徴を有し、当該押圧装置以外の構成は従来と同様であるので、図示とその説明を省略し、以下では押圧装置について説明する。
ローディングカム式の押圧装置100は、図1に示すように、ローディングカム101と、保持器102と、保持器102に転動自在に保持されるカムローラ(転動体)103と、入力側ディスク(第1ディスク)に設けられた第1カム面104と、ローディングカム101の後述のカム板106に、第1カム面に対向して設けられた第2カム面105とを備えている。
ローディングカム101は、入力軸1の拡径された基部110を囲むように配置された円筒状の中央筒部107と、中央筒部107の外周面にフランジ状(鍔状)に形成されたカム板106とを備える。カム板106は、中央に中央筒部107が貫通した状態の円板状に形成され、このカム板106の入力側ディスク2の第1カム面104に対向する側面に第2カム面105が設けられている。なお、第1カム面104および第2カム面105は、上述の従来のカム面と同様のものである。
第1カム面104を有する入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して接続され、入力軸1の軸方向に移動可能で、入力軸1と一体に回転可能となっている。ローディングカム101は、入力軸1の拡径された基部110の内輪部111と、ローディングカム101の中央筒部107の図1の入力側ディスク2側の端部を縮径した状態の部分に設けられた外輪部112と、これら内輪部111と外輪部112との間に配置された球113と、球113を回転自在に保持する保持器114とからなるアンギュラ軸受115が設けられている。
ローディングカム101は、アンギュラ軸受115により、入力側ディスク2側への押圧による反力を入力軸1に設けられた内輪部111で受けるとともに、入力軸1の軸回りに回転自在となっている。また、ローディングカム101の外輪部112の入力側ディスク側の端面と、入力側ディスク2の内側面の反対側の第1カム面104が設けられた外側面の第1カム面104の内周側に設けられた凹部108内面との間には、入力側ディスク2に予圧を付与するための皿バネ109が設けられている。
カム板106の径は、入力側ディスク2の径より少しだけ短くなっている。ローディングカム101のカム板106の外周側および第2カム面105の反対側となる背面側(外側面側)には、油室形成部材121により覆われた状態となっている。
油室形成部材121は、内径が入力側ディスク2の外径より僅かに大きい円筒状の筒体部122と、筒体部122の一方の端部に設けられた円板状の円板部123とを備えている。筒体部122と円板部123は一体に形成されている。
油室形成部材121の筒体部122は、円板部123が設けられた端部の反対側の端部が入力側ディスク2の外周を囲むように配置され、筒体部122の入力側ディスク2側の端部の内周面には、シールリング124が設けられ、このシールリング124が筒体部122の内周面と、入力側ディスク2の外周面との間を油密としている。また、円板部123の中央部には、ローディングカム101の中央筒部107が貫通した状態となっている。円板部123の中央部には、中央筒部107が貫通する円形の開口部125が設けられている。円板部123の開口部125の内周面には、シールリング126が設けられ、円板部123の開口部125の内周面と、ローディングカム101の中央筒部107のカム板106より外側の外周面との間が油密にされている。
すなわち、油室形成部材121は、その内部側にカム板106が配置される状態で、入力側ディスク2の外周面と、中央筒部107の外周面との間を油密にして、カム板106を覆う状態となっており、この油室形成部材121と入力側ディスク2の外側面とで囲まれた部分に、カム板106を潤滑油に浸漬させる油溜部131が設けられていている。
油溜部131内においては、入力側ディスク2の外側面の第1カム面104、カム板106の第2カム面105。カムローラ103が潤滑油に浸漬された状態となっている。また、保持器102も油溜部131で潤滑油に浸漬されている。また、油溜部131は、第1カム面104、第2カム面105。カムローラ103が潤滑油に浸漬される第1油室132と、カム板106の第2カム面105の反対側の外側面側に設けられた第2油室133とを備える。第1油室132は、第1カム面104と第2カム面105との間の空間であり、第2油室133は、カム板106の外側面と、油室形成部材121の円板部123の内側面との間の空間である。
カム板106の外周面と、油室形成部材121の筒体部122の内周面との間には、潤滑油が流動可能な間隔があいており、第1油室132と第2油室133は、互いに連通して一体的な油溜部131となっている。
この油溜部131は、外周側が油密であるが、内周側は開放された状態であり、中空の入力軸1内部の潤滑油が供給される内部空間140に連通する油穴が入力軸1に多数形成されており、入力軸1の内周側から外周側に潤滑油を供給するようになっている。
入力軸1のアンギュラ軸受115および油溜部131に対応する部分に油穴135および油穴136が設けられて、アンギュラ軸受115および油溜部131に潤滑油が供給されるようになっている。油溜部131は、上述のように外周側が油密になっているので、入力側ディスク2、ローディングカム101および油室形成部材121が入力軸1の軸回りに回転している状態では、供給された潤滑油が油溜部131に溜まるようになっている。
このような本実施の形態のトロイダル型無段変速機によれば、油溜部131の第1油室132に溜まった潤滑油に第1カム面104、第2カム面105、カムローラ103が浸漬された状態で十分に潤滑されることで押圧装置100が円滑に動作することになる。また、第1カム面104、第2カム面105、カムローラ103の外周面におけるフレッチングの発生を抑制することができる。
また、供給された潤滑油が油溜部131に溜められて押圧装置100を潤滑するので、潤滑油を流している状態より、潤滑油の供給量を削減することができる。この場合に、供給量を削減する代わりに押圧装置100以外の部分への潤滑油の供給量を増加させてもよい。
また、油溜部131は、カム板106の第2カム面105側の第1油室132と、カム板106の第2カム面105の反対側の外側面(背面)側の第2油室133とからなり、第1油室132と、第2油室133が外周側で連通して一体に油溜部131となっているので、油溜部131内に浸かった状態のカム板106には、カム板106を入力側ディスク2から離れるように変形させるような遠心油圧が作用せず、カム板106の変形を抑制することができる。また、この場合に、入力側ディスク2の出力側ディスク3側への変形も抑制することができる。
これにより、第1カム面104および第2カム面105に対するカムローラ103の片当たりによる動作不良などの不具合を抑制することができる。なお、本実施の形態においては、第1油室132と第2油室133を連通させて一体的な油溜部131を設けているが、第1油室132と、第2油室133とをカム板106で分離した状態としてもよい。なお、油溜部131の内周側は連通した状態となっていてもよい。すなわち、第1油室132の遠心油圧と、第2油室133の遠心油圧が別々にカム板106に作用する状態であってもよい。この場合にカム板106においては、第1油室132の遠心油圧と、第2油室133の遠心油圧が相殺された状態となり、カム板106にカム板106を変形する遠心油圧が作用するのを防止することができる。
この場合に、カム板106に第1油室132からかかる力と、第2油室133からかかる力を調整することが好ましい。この場合に、第1油室132からの遠心油圧による力と、第2油室133からの遠心油圧による力とを等しくする場合は、第1油室132における入力側ディスク2の外側面における貯まった潤滑油に押される受圧面の面積と、第2油室133における油室形成部材121の円板部123の内側面における貯まった潤滑油に押される受圧面を同様にすることが好ましい。
なお、本実施の形態では、入力側ディスク2を押圧装置100によって押圧する場合を例にとって説明したが、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は出力側ディスクを押圧装置100によって押圧する場合にも適用できる。
また、本実施の形態では本発明を、ダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はダブルキャビティ式フルトロイダル型無段変速機にも適用でき、さらに、シングルキャビティ式のハーフトロイダル型やフルトロイダル型のトロイダル型無段変速機にも適用できる。
2 入力側ディスク(第1ディスク)
3 出力側ディスク(第2ディスク)
11 パワーローラ
100 押圧装置
101 ローディングカム
103 カムローラ(転動体)
104 第1カム面
105 第2カム面
106 カム板
132 第1油室
133 第2油室

Claims (2)

  1. それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転可能に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクを互いに近づけ合うように、前記第1ディスク側から押圧するローディングカム式の押圧装置とを備え、
    前記押圧装置は、前記第1ディスクの外側面に設けられた第1カム面と、前記第1カム面に対向する第2カム面と、前記第2カム面を備えたカム板と、これら第1および第2カム面どうしの間で転動する転動体とを備え、
    第1および第2カム面どうしの間に潤滑油を溜める第1油室が設けられるとともに、前記カム板の前記第2カム面の反対側に潤滑油を溜める第2油室が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記第1油室と、前記第2油室とが連通して一体的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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