JP2018053939A - スプライン伸縮軸 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立時の組付性が良く使用時の打音を抑制するスプライン伸縮軸を提供する。
【解決手段】スプライン伸縮軸(第1コラムシャフト11)が、雄軸14と雌軸13とを含む。雄軸14は、第1雄スプライン歯42と、第2雄スプライン歯43とを含む。第1雄スプライン歯42は、周方向Yに隣り合う雌スプライン歯52に対してバックラッシのない状態で噛み合わされた歯面71,72と、歯面71,72の反対側に配置されて周方向Yの隙間空間Sに面する背面71B,72Bとを含む。第2雄スプライン歯43は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52に対してバックラッシを有して噛み合わされている。第1雄スプライン歯42は、第2雄スプライン歯43よりも剛性の低い材料で形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】スプライン伸縮軸(第1コラムシャフト11)が、雄軸14と雌軸13とを含む。雄軸14は、第1雄スプライン歯42と、第2雄スプライン歯43とを含む。第1雄スプライン歯42は、周方向Yに隣り合う雌スプライン歯52に対してバックラッシのない状態で噛み合わされた歯面71,72と、歯面71,72の反対側に配置されて周方向Yの隙間空間Sに面する背面71B,72Bとを含む。第2雄スプライン歯43は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52に対してバックラッシを有して噛み合わされている。第1雄スプライン歯42は、第2雄スプライン歯43よりも剛性の低い材料で形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明はスプライン伸縮軸に関する。
ステアリング装置において、一端にステアリングホイールが連結されたコラムシャフトは、雄軸と雌軸とがスプライン嵌合されて形成されているため、ステアリングホイールの位置をコラムシャフトの軸方向に調整するテレスコ調整時に軸方向に伸縮する機能や、二次衝突時に軸方向に収縮する機能を有している。
雄軸と雌軸との嵌合部には、軸方向の摺動性を考慮して、周方向に所定のバックラッシが設けられている。歯強度を確保しつつバックラッシに起因する打音を抑制するために、表面に薄い樹脂被膜が形成された金属歯を用いる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
雄軸と雌軸との嵌合部には、軸方向の摺動性を考慮して、周方向に所定のバックラッシが設けられている。歯強度を確保しつつバックラッシに起因する打音を抑制するために、表面に薄い樹脂被膜が形成された金属歯を用いる技術が提案されている(特許文献1を参照)。
また、ユニバーサルジョイント用スプラインにおいて、雄歯または雌歯に、歯頂部から径方向に延びて歯形を軸方向に貫通するスリットを設けて、各歯を一対の分割歯で構成し、各分割歯をスリット側へ撓ませた状態で、相手方の歯に噛み合わせる技術が提案されている(特許文献2を参照)。
また、電動モータの入出力シャフトの端部と減速機のウォームの端部とを連結する動力伝達機構において、入出力シャフトの外周面に固定された金属製の歯車部材の少なくとも1つの歯部に、軸方向のスリットを設ける技術が提案されている(特許文献3を参照)。特許文献3では、多数の金属製(板金材製または焼結材製)の薄板が軸方向に積層されて歯車部材が形成されている。
また、電動モータの入出力シャフトの端部と減速機のウォームの端部とを連結する動力伝達機構において、入出力シャフトの外周面に固定された金属製の歯車部材の少なくとも1つの歯部に、軸方向のスリットを設ける技術が提案されている(特許文献3を参照)。特許文献3では、多数の金属製(板金材製または焼結材製)の薄板が軸方向に積層されて歯車部材が形成されている。
特許文献1では、樹脂被膜の膜厚の寸法精度がばらつき易い。このため、隣接するスプライン歯の歯面間に締め代が発生して、コラムシャフトの摺動性が悪化するおそれがある。そこで、摺動性の悪化を回避するために、通例、バックラッシは、大きめに設定される。しかし、その場合、薄い樹脂被膜の圧縮弾性のみでは、回転方向の隙間に起因するガタを吸収できず、打音の抑制が困難になる。
特許文献2,3では、雄軸と雌軸の回転方向のガタを抑制するために、歯の圧縮弾性のみならず歯の曲げ弾性を用いることができるという利点がある。
しかしながら、特許文献2では、全歯が同じ材料で形成され、全歯にスリットが形成されて全歯が予圧を付与された状態で相手方の歯と接している。このため、雄軸と雌軸とを組み付けるときに軸方向の摺動抵抗が大きくなって組付性が悪くなる。
しかしながら、特許文献2では、全歯が同じ材料で形成され、全歯にスリットが形成されて全歯が予圧を付与された状態で相手方の歯と接している。このため、雄軸と雌軸とを組み付けるときに軸方向の摺動抵抗が大きくなって組付性が悪くなる。
また、特許文献3では、全ての歯部が同じ金属材料で形成されるため、スリットが形成された歯部が、ある程度高い曲げ剛性を有する。このため、雄軸と雌軸とを組み付けるときに軸方向の摺動抵抗が大きくなって組付性が悪くなる。
本発明の目的は、組立時の組付性が良く且つ使用時の打音を抑制することができるスプライン伸縮軸を提供することである。
本発明の目的は、組立時の組付性が良く且つ使用時の打音を抑制することができるスプライン伸縮軸を提供することである。
請求項1の発明は、外周に複数の雄スプライン歯(42,43;42P,43;42Q,43;42R)を有する雄軸(14;14P;14Q;14R)と、前記雄軸とスプライン嵌合すべく内周に前記雄スプライン歯と周方向(Y)に交互に配列された複数の雌スプライン歯(52;52R,53R)を有する雌軸(13;13R)と、を備え、前記複数の雄スプライン歯および前記複数の雌スプライン歯の少なくとも一方が、少なくとも1つの第1スプライン歯(42;42P;42Q;52R)を含み、前記複数の雄スプライン歯および前記複数の雌スプライン歯の少なくとも一方が、複数の第2スプライン歯(43;53R)を含み、前記第2スプライン歯は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に対してバックラッシを有して噛み合わされており、前記第1スプライン歯は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に対してバックラッシがゼロであるか又は前記第2スプライン歯のバックラッシよりも少ないバックラッシを有して噛み合わされた少なくとも1つの歯面(71,72;71P,72P;71Q,72Q;91,92)と、その歯面の反対側に配置されて周方向の隙間空間(S;SP1,SP2)に面する背面(71B,72B;71PB,72PB;71QB,72QB;91B,92B)と、を含み、前記第2スプライン歯よりも剛性の低い材料で形成されている、スプライン伸縮軸(11;11P;11Q;11R)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記第1スプライン歯は、合成樹脂で形成されており、前記第2スプライン歯は、金属、又は合成樹脂により被覆された金属で形成されていてもよい。
請求項2のように、前記第1スプライン歯は、合成樹脂で形成されており、前記第2スプライン歯は、金属、又は合成樹脂により被覆された金属で形成されていてもよい。
請求項3のように、前記第1スプライン歯は、第1回転方向側の歯面を有する第1分割歯(61,61Q,81)と、前記第1回転方向の反対側の第2回転方向側の歯面を有する第2分割歯(62,62Q,82)と、を含み、前記隙間空間は、前記第1分割歯の前記歯面の背面(71B,71QB,91B)と前記第2分割歯の前記歯面の背面(72B,72QB,92B)との間に配置されていてもよい。
請求項4のように、前記第1スプライン歯は、第1回転方向側の歯面を有する第1片歯(61P)からなる第1タイプの第1スプライン歯と、前記第1回転方向の反対側の第2回転方向側の歯面を有する第2片歯(62P)からなる第2タイプの第1スプライン歯とを含み、前記隙間空間は、各タイプの第1スプライン歯の背面(71PB,72PB)と当該背面に対向する他方のスプライン歯との間に介在していてもよい。
請求項5のように、前記第1片歯および前記第2片歯は、それぞれ複数設けられ、前記第1片歯および前記第2片歯のそれぞれは、周方向に等間隔に配置されていてもよい。
請求項6のように、前記第1スプライン歯の歯面は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に噛み合う噛合領域(TA1,TA2)を含み、前記噛合領域は、前記第2スプライン歯のピッチ円(PC)よりも前記第1スプライン歯の歯先側(K1)に配置されていてもよい。
請求項6のように、前記第1スプライン歯の歯面は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に噛み合う噛合領域(TA1,TA2)を含み、前記噛合領域は、前記第2スプライン歯のピッチ円(PC)よりも前記第1スプライン歯の歯先側(K1)に配置されていてもよい。
請求項1の発明では、トルク負荷時に、バックラッシを有しないまたは第2スプライン歯よりもバックラッシの少ない第1スプライン歯が、隙間空間側へ曲げ変形して使用時における歯どうしの打音を抑制することができる。また、第1スプライン歯が、第2スプライン歯よりも剛性の低い材料で形成されているので、第1スプライン歯の曲げ剛性が低く抑制される。このため、雄軸と雌軸とを組み付けるときの軸方向の摺動抵抗を低く抑制することができ、組み付け性がよい。
請求項2の発明では、第1スプライン歯が合成樹脂で形成されているので、第1スプライン歯の曲げ剛性を低く抑制することができる。
請求項3の発明では、第1分割歯と第2分割歯とで第1スプライン歯が形成されているので、第1分割歯と第2分割歯との位置関係が設定し易い。
請求項4の発明では、第1スプライン歯にスリットが形成されていないので、例えば第1スプライン歯を樹脂成形により形成する場合に成形型の型寿命を長くすることができ、製造性が向上する。
請求項3の発明では、第1分割歯と第2分割歯とで第1スプライン歯が形成されているので、第1分割歯と第2分割歯との位置関係が設定し易い。
請求項4の発明では、第1スプライン歯にスリットが形成されていないので、例えば第1スプライン歯を樹脂成形により形成する場合に成形型の型寿命を長くすることができ、製造性が向上する。
請求項5の発明では、雄軸と雌軸との偏心を抑制しつつ、使用時の打音を抑制することができる。
請求項6の発明では、第1スプライン歯において歯面の噛合領域の位置を変更する簡単な構造で、第1スプライン歯の曲げ剛性をより低く抑制することができる。
請求項6の発明では、第1スプライン歯において歯面の噛合領域の位置を変更する簡単な構造で、第1スプライン歯の曲げ剛性をより低く抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のスプライン伸縮軸が適用されたステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、ステアリング装置1は、軸方向Xの一端3aに操舵部材2が連結されたコラムシャフト3と、自在継手4と、インターミディエイトシャフト5と、自在継手6と、ピニオンシャフト7と、転舵軸としてのラックシャフト8と、ハウジング10と、ステアリングコラム20と、アシスト機構30とを備える。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のスプライン伸縮軸が適用されたステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、ステアリング装置1は、軸方向Xの一端3aに操舵部材2が連結されたコラムシャフト3と、自在継手4と、インターミディエイトシャフト5と、自在継手6と、ピニオンシャフト7と、転舵軸としてのラックシャフト8と、ハウジング10と、ステアリングコラム20と、アシスト機構30とを備える。
コラムシャフト3の軸方向Xの他端3bが、自在継手4を介してインターミディエイトシャフト5の一端5aと連結されている。インターミディエイトシャフト5の他端5bが、自在継手6を介してピニオンシャフト7に連結されている。
ピニオンシャフト7に設けられたピニオン7aに、ラックシャフト8に設けられたラック8aが噛み合わされている。ピニオンシャフト7およびラックシャフト8を含むラックアンドピニオン機構によって、ステアリングギヤ機構Aが構成されている。
ピニオンシャフト7に設けられたピニオン7aに、ラックシャフト8に設けられたラック8aが噛み合わされている。ピニオンシャフト7およびラックシャフト8を含むラックアンドピニオン機構によって、ステアリングギヤ機構Aが構成されている。
ハウジング10は、車体側部材9に固定されている。ラックシャフト8は、ハウジング10によって、車両の左右方向に沿う軸方向(紙面とは直交する方向)に移動可能に支持されている。ラックシャフト8の各端部は、図示していないが、対応するタイロッドおよび対応するナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
コラムシャフト3は、第1実施形態のスプライン伸縮軸が適用された第1コラムシャフト11と、第2コラムシャフト12とを備える。第1コラムシャフト11は、スプライン結合を用いて、トルク伝達可能に且つ軸方向Xに相対摺動可能に嵌合された雌軸13および雄軸14を含む。
コラムシャフト3は、第1実施形態のスプライン伸縮軸が適用された第1コラムシャフト11と、第2コラムシャフト12とを備える。第1コラムシャフト11は、スプライン結合を用いて、トルク伝達可能に且つ軸方向Xに相対摺動可能に嵌合された雌軸13および雄軸14を含む。
雌軸13および雄軸14の何れか一方がアッパーシャフトを構成し、他方がロアーシャフトを構成している。本実施形態では、雌軸13がアッパーシャフトを構成し、雄軸14がロアーシャフトを構成する場合に則して説明する。操舵部材2は、アッパーシャフトである雌軸13の一端(コラムシャフト3の一端3aに相当)に連結されている。
また、第2コラムシャフト12は、入力シャフト15と、出力シャフト16と、トーションバー17とを含む。入力シャフト15は、雄軸14と同伴回転可能に連結されている。出力シャフト16は,自在継手4を介してインターミディエイトシャフト5と連結されている。トーションバー17は、入力シャフト15および出力シャフト16を相対回転可能に連結している。
また、第2コラムシャフト12は、入力シャフト15と、出力シャフト16と、トーションバー17とを含む。入力シャフト15は、雄軸14と同伴回転可能に連結されている。出力シャフト16は,自在継手4を介してインターミディエイトシャフト5と連結されている。トーションバー17は、入力シャフト15および出力シャフト16を相対回転可能に連結している。
ステアリングコラム20は、コラムシャフト3の周囲を取り込み、図示しない軸受を介してコラムシャフト3を回転可能に支持している。ステアリングコラム20は、車体側部材18,19に支持されている。
ステアリングコラム20は、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット21および筒状のロアージャケット22と、ロアージャケット22の軸方向下端に連結されたハウジング23とを含む。
ステアリングコラム20は、軸方向に相対移動可能に嵌め合わされた筒状のアッパージャケット21および筒状のロアージャケット22と、ロアージャケット22の軸方向下端に連結されたハウジング23とを含む。
アシスト機構30は、電動モータ31と、減速機構32とを含む。減速機構32は、ハウジング23内に収容されている。減速機構32は、電動モータ31の動力を減速して出力シャフト16に伝達する。
減速機構32は、駆動ギヤ33と、駆動ギヤ33と噛み合う被動ギヤ34とを含む。駆動ギヤ33は、電動モータ31の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結されている。被動ギヤ34は、出力シャフト16に一体回転可能に連結されている。駆動ギヤ33は例えばウォーム軸からなり、被動ギヤ34は例えばウォームホイールからなる。
減速機構32は、駆動ギヤ33と、駆動ギヤ33と噛み合う被動ギヤ34とを含む。駆動ギヤ33は、電動モータ31の回転軸(図示せず)と同行回転可能に連結されている。被動ギヤ34は、出力シャフト16に一体回転可能に連結されている。駆動ギヤ33は例えばウォーム軸からなり、被動ギヤ34は例えばウォームホイールからなる。
インターミディエイトシャフト5は、スプライン結合を用いて、トルク伝達可能に且つ軸方向Xに相対摺動可能に嵌合された雌軸35および雄軸36を含む。
雌軸35および雄軸36の何れか一方がアッパーシャフトを構成し、他方がロアーシャフトを構成している。本実施形態では、雌軸35がアッパーシャフトを構成し、雄軸36がロアーシャフトを構成する場合に則して説明する。雌軸35は、自在継手4を介してコラムシャフト3(具体的には第2コラムシャフト12の出力シャフト16)と接続されている。雄軸36は、自在継手6を介してピニオンシャフト7に接続されている。
雌軸35および雄軸36の何れか一方がアッパーシャフトを構成し、他方がロアーシャフトを構成している。本実施形態では、雌軸35がアッパーシャフトを構成し、雄軸36がロアーシャフトを構成する場合に則して説明する。雌軸35は、自在継手4を介してコラムシャフト3(具体的には第2コラムシャフト12の出力シャフト16)と接続されている。雄軸36は、自在継手6を介してピニオンシャフト7に接続されている。
図2は、第1コラムシャフト11の一部破断側面図である。図3は、雄軸14の断面図である。図4は、トルクが負荷されていない無負荷状態の第1コラムシャフト11の要部の断面図である。
図2に示すように、雄軸14は、軸方向Xの一端から所定長の範囲に、スプライン軸部41を有する。雌軸13は、スプライン軸部41とスプライン嵌合されたスプライン筒部51を有する金属軸である。
図2に示すように、雄軸14は、軸方向Xの一端から所定長の範囲に、スプライン軸部41を有する。雌軸13は、スプライン軸部41とスプライン嵌合されたスプライン筒部51を有する金属軸である。
雄軸14のスプライン軸部41の表面は、雄軸14の中心軸線C1の周囲に配置される。スプライン軸部41の表面には、複数の外歯部として、複数の第1雄スプライン歯42と、複数の第2雄スプライン歯43とが、軸方向Xにストレートに延びて形成されている。
雌軸13のスプライン筒部51の内面は、雌軸13の中心軸線C2の周囲に配置される。スプライン筒部51の内面には、軸方向Xの一端から所定長の範囲に、複数の内歯部としての雌スプライン歯52が、軸方向にストレートに延びて形成されている。
雌軸13のスプライン筒部51の内面は、雌軸13の中心軸線C2の周囲に配置される。スプライン筒部51の内面には、軸方向Xの一端から所定長の範囲に、複数の内歯部としての雌スプライン歯52が、軸方向にストレートに延びて形成されている。
図3に示すように、雄軸14のスプライン軸部41は、金属軸部44と、樹脂部45とを含む。金属軸部44の外周44aには、外歯部44bが形成されている。樹脂部45は、金属軸部44の外周44aの表面を覆う。樹脂部45は、金属軸部44を金型内にインサートして形成されている。
複数の第1雄スプライン歯42は、周方向Yに等間隔に配置されている。複数の第1雄スプライン歯42を除く残りの雄スプライン歯が、第2雄スプライン歯43で構成されている。
複数の第1雄スプライン歯42は、周方向Yに等間隔に配置されている。複数の第1雄スプライン歯42を除く残りの雄スプライン歯が、第2雄スプライン歯43で構成されている。
各第1雄スプライン歯42は、合成樹脂で形成されている。各第1雄スプライン歯42は、第1分割歯61と、第2分割歯62とに分割されている。第1分割歯61は、歯面として第1歯面71(第1回転方向Z1側の歯面)を有する第1片歯である。第2分割歯62は、歯面として第2歯面72(第1回転方向Z1の反対側の第2回転方向Z2側の歯面)を有する第2片歯である。以後、第1回転方向Z1および第2回転方向Z2を総称して言うときは、単に、回転方向Zと言う。
各第1雄スプライン歯42において、第1分割歯61と第2分割歯62との間には、スリット63が介在する。スリット63は、第1雄スプライン歯42の頂部から雄軸14の径方向Kの内方へ延び且つ雄軸14の軸方向(図3の紙面と直交する方向)に延びている。スリット63内の空間が、第1分割歯61と第2分割歯62との間の周方向Yの隙間空間Sに相当する。
図4に示すように、第1分割歯61は、第1歯面71の反対側の面である第1背面71B(スリット63の一方の内面に相当)を有している。第2分割歯62は、第2歯面72の反対側の面である第2背面72B(スリット63の他方の内面に相当)を有している。第1背面71Bおよび第2背面72Bは、隙間空間Sに面している。
第1歯面71および第2歯面72は、それぞれバックラッシのない状態でそれぞれ隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに噛み合わされている。第1歯面71および第2歯面72は、それぞれ隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに所定の締め代を有して噛み合わされている。従い、第1分割歯61および第2分割歯62は、それぞれの歯元部610,620を支点として隙間空間S側へ曲げ変形されている。
第1歯面71および第2歯面72は、それぞれバックラッシのない状態でそれぞれ隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに噛み合わされている。第1歯面71および第2歯面72は、それぞれ隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに所定の締め代を有して噛み合わされている。従い、第1分割歯61および第2分割歯62は、それぞれの歯元部610,620を支点として隙間空間S側へ曲げ変形されている。
図3および図4に示すように、第2雄スプライン歯43は、金属軸部44の外周44aに形成された外歯部44bと、外歯部44bの外面に被覆された合成樹脂製の樹脂被膜44c(樹脂部45の一部に相当)とで形成されている。図4に示すように、第2雄スプライン歯43は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52に対してバックラッシを有して噛み合わされている。
すなわち、負荷トルクがない状態で、第2雄スプライン歯43の各歯面43aとそれぞれ対向する雌スプライン歯52の歯面52aとの間に、所定量の隙間が介在している。
本実施形態では、トルク負荷時に、バックラッシを有しない第1雄スプライン歯42が、隙間空間S側へ曲げ変形して使用時における歯どうしの打音を抑制することができる。また、第1雄スプライン歯42が、第2雄スプライン歯43よりも剛性の低い材料で形成されているので、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低く抑制される。このため、雄軸14と雌軸13とを組み付けるときの軸方向Xの摺動抵抗を低く抑制することができ、組み付け性がよい。
本実施形態では、トルク負荷時に、バックラッシを有しない第1雄スプライン歯42が、隙間空間S側へ曲げ変形して使用時における歯どうしの打音を抑制することができる。また、第1雄スプライン歯42が、第2雄スプライン歯43よりも剛性の低い材料で形成されているので、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低く抑制される。このため、雄軸14と雌軸13とを組み付けるときの軸方向Xの摺動抵抗を低く抑制することができ、組み付け性がよい。
また、大トルク負荷時には、樹脂被覆された金属で形成され強度がありバックラッシを有する第2雄スプライン歯43が、大トルクを受ける。
隙間空間S側へ曲げ変形する第1雄スプライン歯42が、合成樹脂で形成されているため、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低く抑制される。可及的に、第1雄スプライン歯42の歯面(第1歯面71,第2歯面72)の締め代を大きく設定することが可能となる。このため、寸法精度のばらつきに拘らず、回転方向Zのガタを抑制することができる。可及的に、寸法公差を緩和することができ、製造性が向上する。しかも、前記締め代を大きくしても、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低いので、伸縮時の摺動抵抗の増加を抑制することができる。
隙間空間S側へ曲げ変形する第1雄スプライン歯42が、合成樹脂で形成されているため、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低く抑制される。可及的に、第1雄スプライン歯42の歯面(第1歯面71,第2歯面72)の締め代を大きく設定することが可能となる。このため、寸法精度のばらつきに拘らず、回転方向Zのガタを抑制することができる。可及的に、寸法公差を緩和することができ、製造性が向上する。しかも、前記締め代を大きくしても、第1雄スプライン歯42の曲げ剛性が低いので、伸縮時の摺動抵抗の増加を抑制することができる。
また、第1分割歯61と第2分割歯62とで第1雄スプライン歯42が形成されているので、第1分割歯61と第2分割歯62との位置関係が設定し易い。このため、第1雄スプライン歯42のバックラッシの設定が容易になる。
なお、第1実施形態において、第1雄スプライン歯42は、周方向に少なくとも1つ設けられればよい。また、第1雄スプライン歯42が、第2雄スプライン歯43のバックラッシよりも少ないバックラッシを持つようにしてもよい。その場合、組立時に雄軸14と雌軸13の組付性をより向上することができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Pの無負荷状態の概略断面図である。
なお、第1実施形態において、第1雄スプライン歯42は、周方向に少なくとも1つ設けられればよい。また、第1雄スプライン歯42が、第2雄スプライン歯43のバックラッシよりも少ないバックラッシを持つようにしてもよい。その場合、組立時に雄軸14と雌軸13の組付性をより向上することができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Pの無負荷状態の概略断面図である。
図5の第2実施形態の第1コラムシャフト11Pが、図4の第1実施形態の第1コラムシャフト11と主に異なるのは、下記である。
すなわち、第1コラムシャフト11Pの雄軸14Pのスプライン軸部41Pが、複数の第1雄スプライン歯42Pと、複数の第2雄スプライン歯43とを含む。第1雄スプライン歯42Pは、第1タイプの雄スプライン歯と、第2タイプの雄スプライン歯とを含む。
すなわち、第1コラムシャフト11Pの雄軸14Pのスプライン軸部41Pが、複数の第1雄スプライン歯42Pと、複数の第2雄スプライン歯43とを含む。第1雄スプライン歯42Pは、第1タイプの雄スプライン歯と、第2タイプの雄スプライン歯とを含む。
第1タイプの雄スプライン歯は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52の歯面52aと所定の締め代を有する歯面として第1回転方向Z1側の歯面である第1歯面71Pのみを有する第1片歯61Pからなる。
第2タイプの雄スプライン歯は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52の歯面52aと所定の締め代を有する歯面として第2回転方向Z2側の歯面である第2歯面72Pのみを有する第2片歯62Pからなる。
第2タイプの雄スプライン歯は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52の歯面52aと所定の締め代を有する歯面として第2回転方向Z2側の歯面である第2歯面72Pのみを有する第2片歯62Pからなる。
一方、第2雄スプライン歯43は、周方向Yに隣接する雌スプライン歯52に対してバックラッシを有して噛み合わされている。
第1片歯61P(第1タイプの第1雄スプライン歯42P)の第1歯面71Pの反対側の第1背面71PBと、該第1背面71PBと周方向Yに対向する雌スプライン歯52の歯面52aとの間に、隙間空間SP1が介在している。また、第2片歯62P(第2タイプの第1雄スプライン歯42P)の第2歯面72Pの反対側の第2背面72PBと、該第2背面72PBと周方向Yに対向する雌スプライン歯52の歯面52aとの間に、隙間空間SP2が介在している。
第1片歯61P(第1タイプの第1雄スプライン歯42P)の第1歯面71Pの反対側の第1背面71PBと、該第1背面71PBと周方向Yに対向する雌スプライン歯52の歯面52aとの間に、隙間空間SP1が介在している。また、第2片歯62P(第2タイプの第1雄スプライン歯42P)の第2歯面72Pの反対側の第2背面72PBと、該第2背面72PBと周方向Yに対向する雌スプライン歯52の歯面52aとの間に、隙間空間SP2が介在している。
本実施形態では、トルク負荷時に、バックラッシを有しない各タイプの第1雄スプライン歯42P(第1片歯61P,第2片歯62P)が、隙間空間S1,S2側へ曲げ変形して使用時における歯どうしの打音を抑制することができる。また、第1雄スプライン歯42P(第1片歯61P,第2片歯62P)が、第2雄スプライン歯43よりも剛性の低い材料で形成されているので、第1雄スプライン歯42Pの曲げ剛性が低く抑制される。このため、雄軸14Pと雌軸13とを組み付けるときの軸方向Xの摺動抵抗を低く抑制することができ、組み付け性がよい。
また、大トルク負荷時には、樹脂被覆された金属で形成され強度がありバックラッシを有する第2雄スプライン歯43が、大トルクを受ける。
スプライン歯自体にスリットを形成する場合には、成形型において、スリットを形成する型部分が、変形したり破損したりして、型寿命が短くなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、第1タイプおよび第2タイプの第1雄スプライン歯42Pをそれぞれ構成する第1片歯61Pおよび第2片歯62Pにスリットが形成されないので、例えば第1雄スプライン歯42Pを樹脂成形により形成する場合に、スリットが形成される場合と比較して、成形型の型寿命を長くすることができ、製造性が向上する。
スプライン歯自体にスリットを形成する場合には、成形型において、スリットを形成する型部分が、変形したり破損したりして、型寿命が短くなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、第1タイプおよび第2タイプの第1雄スプライン歯42Pをそれぞれ構成する第1片歯61Pおよび第2片歯62Pにスリットが形成されないので、例えば第1雄スプライン歯42Pを樹脂成形により形成する場合に、スリットが形成される場合と比較して、成形型の型寿命を長くすることができ、製造性が向上する。
隙間空間S側へ曲げ変形する第1雄スプライン歯42P(各片歯61P,62P)が、合成樹脂で形成されているため、各片歯61P,62Pの曲げ剛性が低くされる。可及的に、各片歯61P,62Pの歯面71P,72Pの締め代を大きく設定することが可能となる。このため、寸法精度のばらつきに拘らず、回転方向Zのガタを抑制することができる。可及的に、寸法公差を緩和することができ、製造性が向上する。しかも、前記締め代を大きくしても、第1雄スプライン歯42P(各片歯61P,62P)の曲げ剛性が低いので、伸縮時の摺動抵抗の増加を抑制することができる。
また、第1片歯61Pおよび第2片歯62Pは、それぞれ複数設けられており、周方向Yに交互に配置されている。第1片歯61Pおよび第2片歯62Pのそれぞれは、周方向Yに等間隔に配置されている。このため、雄軸14Pと雌軸13との偏心を抑制しつつ、使用時の打音を抑制することができる。
図5の第2実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
図5の第2実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
なお、第2実施形態において、第1片歯61Pおよび第2片歯62Pをそれぞれ一つずつ設けるようにしてもよい。その場合、第1片歯61Pおよび第2片歯62Pを雄軸14Pの径方向の反対側に配置するようにしてもよい。
また、第1雄スプライン歯42P(各片歯61P,62P)が、第2雄スプライン歯43のバックラッシよりも少ないバックラッシを持つようにしてもよい。その場合、組立時に雄軸14Pと雌軸13の組付性をより向上することができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Qの無負荷状態の概略断面図である。図6の第3実施形態の第1コラムシャフト11Qが、図4の第1実施形態の第1コラムシャフト11と主に異なるのは、下記である。
また、第1雄スプライン歯42P(各片歯61P,62P)が、第2雄スプライン歯43のバックラッシよりも少ないバックラッシを持つようにしてもよい。その場合、組立時に雄軸14Pと雌軸13の組付性をより向上することができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Qの無負荷状態の概略断面図である。図6の第3実施形態の第1コラムシャフト11Qが、図4の第1実施形態の第1コラムシャフト11と主に異なるのは、下記である。
すなわち、第1コラムシャフト11Qにおいて金属軸部44と樹脂部45で構成される雄軸14Qが、少なくとも1つの第1雄スプライン歯42Qと、複数の第2雄スプライン歯43とを含む。第1雄スプライン歯42Qは、スリット63によって分割された第1分割歯61Qと第2分割歯62Qとを含む。
第1分割歯61Qの歯面である第1歯面71Qと第2分割歯62Qの歯面である第2歯面72Qとが、それぞれ周方向Yに隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに噛み合う噛合領域TA1,TA2を含む。
第1分割歯61Qの歯面である第1歯面71Qと第2分割歯62Qの歯面である第2歯面72Qとが、それぞれ周方向Yに隣接する雌スプライン歯52の歯面52aに噛み合う噛合領域TA1,TA2を含む。
各噛合領域TA1,TA2は、第2雄スプライン歯43のピッチ円PCよりも、第1雄スプライン歯42Q(各分割歯61Q,62Q)の歯先側(径方向Kの外方K1に相当)に配置されている。具体的には、各歯面71Q,72Qにピッチ円PCと交差する凹部80が設けられることで、各噛合領域TA1,TA2が、ピッチ円PCよりも第1雄スプライン歯42Q(分割歯61Q,62Q)の歯先側(径方向Kの外方K1に相当)の位置にオフセットされている。
第1分割歯61Qの第1歯面71Qの背面である第1背面71QBと第2分割歯62Qの第2歯面72Qの背面である第2背面72QBとが、スリット63内の隙間空間Sに面している。
図6の第3実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
図6の第3実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
本実施形態では、第1雄スプライン歯42Qにおいて各歯面71Q,72Qの噛合領域TA1,TA2の位置を変更する簡単な構造で、第1雄スプライン歯42Qの曲げ剛性をより低く抑制することができる。
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Rの無負荷状態の概略断面図である。図7の第4実施形態の第1コラムシャフト11Rが、図4の第1実施形態の第1コラムシャフト11と異なるのは、下記である。
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態のスプライン伸縮軸としての第1コラムシャフト11Rの無負荷状態の概略断面図である。図7の第4実施形態の第1コラムシャフト11Rが、図4の第1実施形態の第1コラムシャフト11と異なるのは、下記である。
すなわち、雌軸13Rのスプライン筒部51Rは、金属筒部54と、樹脂部55とを含む。金属筒部54の内周54aには、内歯部54bが形成されている。樹脂部55は、金属筒部54の内周54aの表面を覆う。
雌軸13Rのスプライン筒部51Rの内面には、複数の内歯部として、複数の第1雌スプライン歯52Rと、複数の第2雌スプライン歯53Rとが、軸方向(図7の紙面と直交する方向)にストレートに延びて形成されている。
雌軸13Rのスプライン筒部51Rの内面には、複数の内歯部として、複数の第1雌スプライン歯52Rと、複数の第2雌スプライン歯53Rとが、軸方向(図7の紙面と直交する方向)にストレートに延びて形成されている。
雄軸14Rは、スプライン筒部51Rとスプライン嵌合されたスプライン軸部41Rを有する金属軸である。スプライン軸部41Rの表面には、軸方向Xの一端から所定長の範囲に、複数の外歯部としての雄スプライン歯42Rが、軸方向(図7の紙面と直交する方向)にストレートに延びて形成されている。
複数の第1雌スプライン歯52Rは、周方向Yに等間隔に配置されている。複数の第1雌スプライン歯52Rを除く残りの雌スプライン歯が、第2雌スプライン歯53Rで構成されている。
複数の第1雌スプライン歯52Rは、周方向Yに等間隔に配置されている。複数の第1雌スプライン歯52Rを除く残りの雌スプライン歯が、第2雌スプライン歯53Rで構成されている。
各第1雌スプライン歯52Rは、合成樹脂で形成されている。各第1雌スプライン歯52Rは、第1分割歯81と、第2分割歯82とに分割されている。第1分割歯81は、歯面として第1歯面91(第1回転方向Z1側の歯面)のみを有する第1片歯である。第2分割歯82は、歯面として第2歯面92(第1回転方向Z1の反対側の第2回転方向Z2側の歯面)のみを有する第2片歯である。
各第1雌スプライン歯52Rにおいて、第1分割歯81と第2分割歯82との間には、スリット83が介在する。スリット83は、第1雌スプライン歯52Rの頂部から雌軸13Rの径方向Kの外方へ延び且つ雌軸13Rの軸方向(図7の紙面と直交する方向)に延びている。スリット83内の空間が、第1分割歯81と第2分割歯82との間の周方向Yの隙間空間Sに相当する。
第1分割歯81は、第1歯面91の反対側の面である第1背面91B(スリット83の一方の内面に相当)を有している。第2分割歯82は、第2歯面92の反対側の面である第2背面92B(スリット83の他方の内面に相当)を有している。第1背面91Bおよび第2背面92Bは、隙間空間Sに面している。
第1歯面91および第2歯面92は、それぞれバックラッシのない状態でそれぞれ隣接する雄スプライン歯42Rの歯面に噛み合わされている。第1分割歯81および第2分割歯82は、それぞれの歯元部810,820を支点として隙間空間S側へ曲げ変形されている。第1歯面91および第2歯面92は、それぞれ隣接する雄スプライン歯42Rの歯面に所定の締め代を有して噛み合わされている。
第1歯面91および第2歯面92は、それぞれバックラッシのない状態でそれぞれ隣接する雄スプライン歯42Rの歯面に噛み合わされている。第1分割歯81および第2分割歯82は、それぞれの歯元部810,820を支点として隙間空間S側へ曲げ変形されている。第1歯面91および第2歯面92は、それぞれ隣接する雄スプライン歯42Rの歯面に所定の締め代を有して噛み合わされている。
第2雌スプライン歯53Rは、金属筒部54の内周54aに形成された内歯部54bと、内歯部54bの表面に被覆された合成樹脂製の樹脂被膜54c(樹脂部55の一部に相当)とで形成されている。
第2雌スプライン歯53Rは、周方向Yに隣接する雄スプライン歯42Rに対してバックラッシを有して噛み合わされている。すなわち、負荷トルクがない状態で、第2雌スプライン歯53Rの各歯面とそれぞれ対向する雄スプライン歯42Rの歯面との間に、所定量の隙間が介在している。
第2雌スプライン歯53Rは、周方向Yに隣接する雄スプライン歯42Rに対してバックラッシを有して噛み合わされている。すなわち、負荷トルクがない状態で、第2雌スプライン歯53Rの各歯面とそれぞれ対向する雄スプライン歯42Rの歯面との間に、所定量の隙間が介在している。
本実施形態では、トルク負荷時に、バックラッシを有しない第1雌スプライン歯52Rが、隙間空間S側へ曲げ変形して使用時における歯どうしの打音を抑制することができる。また、第1雌スプライン歯52Rが、第2雌スプライン歯53Rよりも剛性の低い材料で形成されているので、第1雌スプライン歯52Rの曲げ剛性が低く抑制される。このため、雄軸14Rと雌軸13Rとを組み付けるときの軸方向Xの摺動抵抗を低く抑制することができ、組み付け性がよい。
第1雌スプライン歯52Rが、合成樹脂で形成されているため、第1雌スプライン歯52Rの曲げ剛性が低く抑制される。可及的に、第1雌スプライン歯52Rの歯面91,92の締め代を大きく設定することが可能となる。このため、寸法精度のばらつきに拘らず、回転方向Zのガタを抑制することができる。可及的に、寸法公差を緩和することができる。しかも、前記締め代を大きくしても、第1雌スプライン歯52Rの曲げ剛性が低いので、伸縮時の摺動抵抗の増加を抑制することができる。
また、大トルク負荷時には、樹脂被覆された金属で形成されて強度がある第2雌スプライン歯53Rが、大トルクを受ける。
また、第1分割歯81と第2分割歯82とで第1雌スプライン歯52Rが形成されているので、第1分割歯81と第2分割歯82との位置関係が設定し易い。このため、第1雌スプライン歯52Rのバックラッシの設定が容易になる。
また、第1分割歯81と第2分割歯82とで第1雌スプライン歯52Rが形成されているので、第1分割歯81と第2分割歯82との位置関係が設定し易い。このため、第1雌スプライン歯52Rのバックラッシの設定が容易になる。
なお、第4実施形態において、第1雌スプライン歯52Rは、周方向に少なくとも1つ設けられればよい。また、第1雌スプライン歯52Rが、第2雌スプライン歯53Rのバックラッシよりも少ないバックラッシを持つようにしてもよい。その場合、組立時に雄軸14Rと雌軸13Rの組付性をより向上することができる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、図6の第3実施形態の各分割歯61Q,62Qの歯面71Q,72Qの構成が、図5の第2実施形態の各片歯61P,62Pの歯面71P,72Pに適用されてもよい。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、図6の第3実施形態の各分割歯61Q,62Qの歯面71Q,72Qの構成が、図5の第2実施形態の各片歯61P,62Pの歯面71P,72Pに適用されてもよい。
また、図示していないが、図5の第2実施形態の片歯61P,62Pの構成や図6の第3実施形態の歯面71Q,72Qの噛合領域TA1,TA2の構成が、図7の第4実施形態の雌軸13Rの一部の第1雌スプライン歯52Rに適用されてもよい。分割歯や片歯の構成は、雄スプライン歯および雌スプライン歯の少なくとも一方のスプライン歯の一部に適用されてもよい。
第1スプライン歯および第2スプライン歯は、各前記実施形態のように、雄軸および雌軸の何れか一方に設けられてもよいし、また、図示していないが、第1スプライン歯および第2スプライン歯が、雄軸および雌軸の双方に設けられてもよい。また、図示していないが、第1スプライン歯が、雄軸のみに設けられ、第2スプライン歯が雌軸のみに設けられてもよい。また、図示していないが、第1スプライン歯が、雌軸のみに設けられ、第2スプライン歯が、雄軸のみに設けられてもよい。
また、本発明のスプライン伸縮軸の構成がインターミディエイトシャフト5に適用されてもよい。また、本発明のスプライン伸縮軸の構成が、アシスト機構30を有していないマニュアル操舵のステアリング装置のコラムシャフトまたはインターミディエイトシャフトに適用されてもよい。
1…ステアリング装置、2…操舵部材、3…コラムシャフト、5…インターミディエイトシャフト、11;11P;11Q;11R…第1コラムシャフト(スプライン伸縮軸)、13;13R…雄軸、14;14P;14Q;14R…雌軸、35…雄軸、36…雌軸、41;41P;41R…スプライン軸部、42;42P;42Q…第1雄スプライン歯、43…第2雄スプライン歯、43a…歯面、44…金属軸部、44a…外周、44b…外歯部、44c…樹脂被膜、45…樹脂部、51;51R…スプライン筒部、52…雌スプライン歯、52a…歯面、52R…第1雌スプライン歯、53R…第2雌スプライン歯、61;61Q;81…第1分割歯、61P…第1片歯、62;62Q;82…第2分割歯、62P…第2片歯、63;83…スリット、71;71P;71Q;91…第1歯面、71B;71PB;71QB;91B…第1背面、72;72P;72Q;92…第2歯面、72B;72PB;72QB;92…第2背面、C1,C2…中心軸線、K…径方向、K1…(径方向の)外方、S;SP1,SP2…隙間空間、PC…ピッチ円、TA1,TA2…噛合領域、X…軸方向、Y…周方向、Z…回転方向、Z1…第1回転方向、Z2…第2回転方向
Claims (6)
- 外周に複数の雄スプライン歯を有する雄軸と、
前記雄軸とスプライン嵌合すべく内周に前記雄スプライン歯と周方向に交互に配列された複数の雌スプライン歯を有する雌軸と、を備え、
前記複数の雄スプライン歯および前記複数の雌スプライン歯の少なくとも一方が、少なくとも1つの第1スプライン歯を含み、
前記複数の雄スプライン歯および前記複数の雌スプライン歯の少なくとも一方が、複数の第2スプライン歯を含み、
前記第2スプライン歯は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に対してバックラッシを有して噛み合わされており、
前記第1スプライン歯は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に対してバックラッシがゼロであるか又は前記第2スプライン歯のバックラッシよりも少ないバックラッシを有して噛み合わされた少なくとも1つの歯面と、その歯面の反対側に配置されて周方向の隙間空間に面する背面と、を含み、前記第2スプライン歯よりも剛性の低い材料で形成されている、スプライン伸縮軸。 - 前記第1スプライン歯は、合成樹脂で形成されており、
前記第2スプライン歯は、金属、又は合成樹脂により被覆された金属で形成されている、請求項1に記載のスプライン伸縮軸。 - 前記第1スプライン歯は、第1回転方向側の歯面を有する第1分割歯と、前記第1回転方向の反対側の第2回転方向側の歯面を有する第2分割歯と、を含み、
前記隙間空間は、前記第1分割歯の前記歯面の背面と前記第2分割歯の前記歯面の背面との間に配置されている、請求項1または2に記載のスプライン伸縮軸。 - 前記第1スプライン歯は、第1回転方向側の歯面を有する第1片歯からなる第1タイプの第1スプライン歯と、前記第1回転方向の反対側の第2回転方向側の歯面を有する第2片歯からなる第2タイプの第1スプライン歯とを含み、
前記隙間空間は、各タイプの第1スプライン歯の背面と当該背面に対向する他方のスプライン歯との間に介在している、請求項1または2に記載のスプライン伸縮軸。 - 前記第1片歯および前記第2片歯は、それぞれ複数設けられ、
前記第1片歯および前記第2片歯のそれぞれは、周方向に等間隔に配置されている、請求項3に記載のスプライン伸縮軸。 - 前記第1スプライン歯の歯面は、周方向に隣接する他方のスプライン歯に噛み合う噛合領域を含み、前記噛合領域は、前記第2スプライン歯のピッチ円よりも前記第1スプライン歯の歯先側に配置されている、請求項1から5の何れか一項に記載のスプライン伸縮軸。
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Cited By (1)
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CN109505946A (zh) * | 2018-10-08 | 2019-03-22 | 北京新能源汽车股份有限公司 | 外花键与内花键的匹配方法及系统 |
-
2016
- 2016-09-26 JP JP2016187523A patent/JP2018053939A/ja active Pending
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