JP2018053463A - ダブルスキン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】騒音の遮音性能を向上させることが可能なダブルスキン構造を提供する。【解決手段】本発明に係るダブルスキン構造1は、外側部材4と、前記外側部材4の屋内側に所定間隔離れて設けられた内側部材5と、からなる建物の外壁部を構成するダブルスキン構造1であって、スリット状開口部50を有する共鳴器10が、前記外側部材4と前記内側部材5との間に配されることを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、建物の外壁部を構成するダブルスキン構造に関する。
建物の断熱性能を高めるために採用される外装壁の1つしてダブルスキン構造を有するものが知られている。このようなダブルスキン構造においては、外側部材(アウタースキン)と内側部材(インナースキン)の間に空間(通気空間)が設けられている。夏季には、この空間内の温度上昇を防止する為に、アウタースキンとインナースキンの間、或いはアウタースキンの一部に開口を設けて、通気空間内への外気導入と空気の流通を確保する。
例えば、特許文献1(特開2013−181333号公報)には、枠状のPCユニットからなるダブルスキン構造であって、前記PCユニットの枠の左右前方に突設され、左右からの日射を遮るための袖壁と、前記袖壁に打ち込まれ、外側面材を設置可能な外部サッシと、中空層を介して前記外部サッシに対向配置され、内側面材を設置可能な内部サッシと、前記袖壁に設けられ、外部と前記中空層を連通する連通口とを備え、前記袖壁の少なくとも一方の側面外部に段差部を形成したダブルスキン構造が開示されている。
特開2013−181333号公報
ダブルスキン構造を有する外装壁では、アウタースキンとインナースキンの間の通気空間内に、開口端部から通気されることにより、建物内の温度調整に寄与することが可能となる。しかし一方で、当該開口端部が遮音欠損となり、開口端部が無い場合と比較して、ダブルスキン構造を有する外装壁の遮音性能は大きく低下する、という問題があった。
ダブルスキン構造における通気空間の幅が音波の半波長以下となる周波数では、騒音は通気空間内を2次元的に伝搬する。このため、下方の開口端部から上方へ向けて伝搬する騒音は3次元空間を伝搬する場合と比較して距離減衰が小さくなる。例えば、点音源の場合、3次元空間の距離減衰は音源からの距離が倍になるにしたがって−6dBであるが、2次元空間の場合は−3dBである。
したがって、ダブルスキン構造を有する外装壁では、上層階において、下層階の開口端部から通気空間を2次元的に伝搬する騒音の影響により、シングルスキン外装壁の場合と比較して、インナースキンに入射する外部騒音の音圧レベルが高くなり、より遮音性能の高い部材が必要になる場合があり、コストがかかるという問題もあった。
これまでダブルスキン構造における上記のような遮音性能低下などの課題については、これを解決する提案がなされておらず、問題であった。
この発明は、上記課題を解決するものであって、本発明に係るダブルスキン構造は、外側部材と、前記外側部材の屋内側に所定間隔離れて設けられた内側部材と、からなる建物の外壁部を構成するダブルスキン構造であって、スリット状開口部を有する共鳴器が、前記外側部材と前記内側部材との間に配されることを特徴とする。
また、本発明に係るダブルスキン構造は、前記外側部材と前記内側部材のそれぞれに共鳴器が配されることを特徴とする。
また、本発明に係るダブルスキン構造は、前記外側部材と前記内側部材の前記共鳴器の前記スリット状開口部が対向するように配されることを特徴とする。
また、本発明に係るダブルスキン構造は、前記外側部材と前記内側部材との間に形成される通気空間の下方開口端側に前記共鳴器が配されることを特徴とする。
また、本発明に係るダブルスキン構造は、前記共鳴器が仕切り板部材によって複数の区画に分けられていることを特徴とする。
本発明に係るダブルスキン構造は、音響インピーダンス比が0となるスリット状開口部を有する共鳴器が、前記外側部材と前記内側部材との間に配されるており、このような本発明に係るダブルスキン構造によれば、通気空間を伝搬する騒音の遮音性能を向上させることが可能となると共に、内側部材に遮音性能の高い高価な部材を用いる必要もなく、コストを低減することができるようになる。
また、本発明に係るダブルスキン構造によれば、通気空間の開口端部が遮音欠損となることを防ぎ、ダブルスキン構造を有する外装壁の遮音性能を向上することができると同時に、このとき、通気空間内への外気導入と空気の流通は維持できる。
また、本発明に係るダブルスキン構造によれば、共鳴器は同一断面の長尺体であるので、製作及び取付けが容易であり、製造や輸送、施工工数の増加に伴うコストを低減することができる。
本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1における通気空間100を示す図である。 本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1の騒音低減原理を説明する図である。 本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。 本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10の製造工程例を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。まず、本発明に係るダブルスキン構造1が採用する騒音低減方法の原理について説明する。図1は本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1における通気空間100を示す図である。また、図2は本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1の騒音低減原理を説明する図である。図2においては、ダブルスキン構造1の通気空間100における内面のみを抜き出して示す図である。
ダブルスキン構造1は、外側部材4と、この外側部材4の屋内側に所定間隔離れて設けられた内側部材5と、からなる建物の外壁部を構成するものである。外側部材4と前記内側部材5との間に形成される中空層空間を通気空間100と称することする。
夏季においては、このようなダブルスキン構造1の通気空間100には、下方開口端110から空気を流入させて、不図示の上方開口端から排出することで、日射の影響を緩和したり、室内温熱環境を改善したりする。しかし一方で、当該開口端部が遮音欠損となり、開口端部が無い場合と比較して、ダブルスキン構造を有する外装壁の遮音性能は大きく低下してしまう。
そこで、本発明に係るダブルスキン構造1においては、通気空間100における良好な通気性を阻害することなく、騒音低減を図るものである。次に、本発明に係るダブルスキン構造1に騒音低減の原理について説明する。
図2は、通気空間100における内側の空間のみを抜き出して示す図である。以下、本明細書中の実施形態に係る通気空間100においては、上流側(建物の下方側、下層階側)に騒音源が存在し、騒音源からの騒音が下流側(建物の上方側、上層階側)に伝搬されることを例として説明を行う。
通気空間100などの通路の内部を騒音が伝搬するとき、通気空間100の寸法断面(騒音伝搬方向に対して垂直な面)が騒音の波長に比べて半分以下の場合、騒音は管路内を平面波として一次元的に伝搬する。
本発明に係るダブルスキン構造1においては、通気空間100においては、通気空間100を形成する外側部材4及び内側部材5の面は、音響的に“ソフト”な状態であることを想定している。
図2に示すように、通気空間100内側で対向する壁面が音響的に“ソフト”な状態、すなわち、壁面の表面における音響インピーダンス比Zが0であるとき、上流側から伝搬してきた騒音は上流側へ反射され下流側へ伝搬しないことが知られている。
従来技術(例えば、特許第3831263号公報や特許第5454369号公報に記載の技術)では、音響管の管長が1/4波長と等しくなる周波数及びその奇数倍の周波数で、当該音響管の管口での音響インピーダンス比Zが0となることを利用している。
上記のような従来技術に対して、本発明に係るダブルスキン構造1では、図3に示す背後に密閉された空洞を持つスリット構造による共鳴現象が生じる共鳴器10を利用する。図3(A)は共鳴器10の斜視図である。また、図3(B)は、図3(A)の共鳴器10のスリット状開口部50の長手方向を垂直で切って見た断面図である。
図3に示すように、本発明に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10は、基本的に、内側の空間が中空である四角柱状の筐体40から構成されている。共鳴器10を構成する筐体40の一面には、長手状のスリット状開口部50と、このスリット状開口部50の両側に配され、共鳴器10の内側の空間に延在する隔壁部60と、を有することを特徴としている。ここで、共鳴器10の各寸法は図3に示す記号で表す。なお、スリット状開口部50が構成されている筐体40の一面と、隔壁部60とは互いに直交している。
共鳴器10の各寸法が波長に対して十分に小さい場合、スリット状開口部50における音響インピーダンス比Zは次式(1)で求めることができる。
Figure 2018053463
ただし、fは騒音の周波数、cは音速、ρは媒質(空気)密度を表す。また、Vnは、スリット状開口部50と隔壁部60とで囲まれた、図2(B)の斜線部以外の空間の体積で、開口端補正を考慮して次式(2)で計算される。なお、式(2)における[ ]内の第2項が、開口端補正に関連する項である。また、図3(B)で斜線部の空間は、共鳴器として機能する共鳴器10の空気層に相当する。
Figure 2018053463
また、Vは共鳴器10の空洞部の体積(空気層の体積)で、次式(3)で計算される。
Figure 2018053463
また、Sは、スリット状開口部50(スリット開口)の面積で、次式(4)で計算される。
Figure 2018053463
式(1)の右辺第1項のrは、共鳴器として機能する共鳴器10の隔壁部60表面と空気の間に生じる摩擦などの音響抵抗である。隔壁部60を金属など表面が平滑な材料で構成する場合、音響抵抗rは極めて小さな値となり、次式を満足する共鳴周波数fにおいてスリット状開口部50の開口における音響インピーダンス比Zがほぼ0となる。
Figure 2018053463
このような共鳴器として機能する、2つの共鳴器10を、図4に示すように、通気空間100の上下の内壁105に沿って対向配置すると、上記の周波数fにおいては対向するスリット部が音響的に“ソフト”な状態となり、上流側から伝搬してきた周波数fの騒音は上流側へ反射され下流側に伝搬しない。
図4は本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。図4(A)は、通気空間100に共鳴器10が適用された、本発明に係るダブルスキン構造1の斜視図であり、図4(B)のダブルスキン構造1を、通気空間100の水平方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図4に示すような通気空間100のダブルスキン構造1によれば、共鳴器10の共鳴周波数において、対向した共鳴器10のスリット状開口部50における音響インピーダンス比がほぼ0となり、建物の下方側(下層階側)から入射した騒音は、下方側へ反射され建物の上方側(上層階側)に伝搬することがない。
次に、ダブルスキン構造1を構成する共鳴器10の製造工程を説明する。図5は本発明の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10の製造工程例を説明する図である。
外殻部材20は、6面のうち1つの面が開口面25となっている直方体形状の箱状部材である。L型部材30は、断面がL字状で、互いに直交する2つの面を有する部材である。
図5に示すように、上記のようなL型部材30を2つ、外殻部材20の開口面25に取り付けることで、共鳴器10を製造することが可能である。
外殻部材20の開口面25に取り付けられた2つのL型部材30の間の間隔が、スリット状開口部50となる。また、L型部材30の2つの面のうち一つの面が、共鳴器10の隔壁部60として機能する。
以上のような共鳴器10の製造方法において、予め種々の寸法の、外殻部材20、L型部材30を用意しておくことで、低減したい周波数を容易に変更可能なダブルスキン構造1を構成することが可能となる。
以上のように、本発明に係るダブルスキン構造1は、音響インピーダンス比が0となるスリット状開口部50を有する共鳴器10が、建物の通気空間100の内面(外側部材4及び内側部材5の面)に、スリット状開口部50が対向するように対で配されるので、このような本発明に係るダブルスキン構造1によれば、通気空間100におけるダブルスキン構造1として、構成部材の種類及び数を削減でき、構造の単純化、装置の小型化、軽量化を図ることが可能となると共に、製造及び組み立てコストを抑制することが可能となる。
また、本発明に係るダブルスキン構造1によれば、通気空間100の開口端部が遮音欠損となることを防ぎ、ダブルスキン構造を有する外装壁の遮音性能を向上することができると同時に、このとき、通気空間100内への外気導入と空気の流通は維持できる。
また、本発明に係るダブルスキン構造1によれば、共鳴器は同一断面の長尺体であるので、製作及び取付けが容易であり、製造や輸送、施工工数の増加に伴うコストを低減することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図6は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。図6のダブルスキン構造1を、通気空間100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図6(A)は、ダブルスキン構造1を構成する外側部材4及び内側部材5の双方に共鳴器10を埋設した構造を示している。また、図6(B)は、ダブルスキン構造1を構成する外側部材4又は内側部材5のいずれかに共鳴器10を埋設した構造を示している。(図6(B)では、外側部材4にのみ共鳴器10を埋設し、内側部材5には共鳴器10を固着した例を示している。)
本実施形態においても、図6に示すように、ダブルスキン構造1の通気空間100で、2つの共鳴器10のスリット状開口部50が対向するように対で、共鳴器10を配するようにしている。
このような実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を享受することができると共に、内装壁110と外装壁120との間の空間を有効利用することが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。図7は、ダブルスキン構造1の通気空間100から対向する一対の共鳴器10を抜き出して示している。また、図7においては、隔壁部60については、図面が煩雑となるために図示省略している。
図7に示す実施形態では、対向する共鳴器10の間に、3枚仕切り板部材70を設けて、共鳴器10を第1区画11、第2区画12、第3区画13、第4区画14の4つの区画に分けたものである。ここで、本実施形態では共鳴器10を4つの区画に分けるようにしたが、共鳴器10をいくつの区画に分けるかは任意である。また、このような仕切り板部材70を設けて共鳴器10の区画分けを行うことは、図3に示した実施形態以外にも適用可能である。
通気空間100の開口が、水平方向に対して長手状に壁面に設けられた場合、特に屋外からの騒音が壁面に対して水平方向に斜めから入射する状況では、通気空間100経路内を1次元的に伝搬しないことも考えられる。
このような場合、図7に示すように、開口内及び組み込む共鳴器10に仕切り板部材70を設けることで、騒音が通気空間100内を1次元的に伝搬するようになり共鳴器10による騒音低減が効果を発揮する。
なお、仕切り板部材70を設ける間隔は、低減したい騒音の波長の1/2以下とすることが好ましい。
また、ダブルスキン構造1で低減しようとする対象となる騒音が、周波数特性に複数のピーク周波数を持っていたり、広帯域に周波数成分を持っていたり場合、仕切り板部材70等の間の間隔を、異なるように設定し、水平方向において異なる長さの区画を設けた共鳴器10とすることも好ましい実施形態の一つである。
以上、本発明に係るダブルスキン構造1は、音響インピーダンス比が0となるスリット部を有する共鳴器が、例えば、騒音の伝搬路の内壁における壁面に、スリット状開口部が対向するように対で配されるので、このような本発明に係るダブルスキン構造1によれば、通気空間100におけるダブルスキン構造1として、構成部材の種類及び数を削減でき、構造の単純化、装置の小型化、軽量化を図ることが可能となると共に、製造及び組み立てコストを抑制することが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これまで説明した実施形態に係る共鳴器10は、式(5)により決定される共鳴周波数fにおいて騒音低減効果を発揮する。共鳴周波数fは図3に示した各寸法A,B,C,a,lを調整することで騒音の周波数特性に合わせることができる。
しかし、共鳴器10で低減しようとする、対象となる騒音が、周波数特性に複数のピーク周波数を持っていたり、広帯域に周波数成分を持っていたり場合、異なる共鳴周波数を持つ共鳴器10を組み合わせる必要がある。
そこで、他の実施形態に係るダブルスキン構造1では、複数の共鳴周波数を持つ装置を単純かつ少ない部材で構成する。より具体的には、本実施形態に係るダブルスキン構造1では、共鳴器10は1面が開放されている直方体形状の外殻部材20(すでに説明したものと同様)と、一枚板状の仕切り板部材35及び寸法の異なるL型部材30(すでに説明したものと同様)で構成される。
図8は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。
図8(A)は他の実施形態に係るダブルスキン構造1の分解斜視図である。また、図8(B)は他の実施形態に係るダブルスキン構造1の斜視図である。また、図8(C)は、他の実施形態にダブルスキン構造1が取り付けられた通気空間100を、通気空間100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図8(A)及び図8(B)に示すように、上記のようなL型部材30を2つ、及び、仕切り板部材35を1つ、外殻部材20の開口面25に取り付けることで、共鳴器10を製造することが可能である。なお、仕切り板部材35は、この場合、隔壁部60としても機能する。
図8のように外殻部材20、L型部材30、仕切り板部材35を組み合わせることで、1つの共鳴器の中に、空間A及び空間Bを有する2つのスリット共鳴器を構成することができる。それぞれの共鳴器はそれぞれの共鳴周波数f1、f2においてスリット部50の音響インピーダンス比Zがほぼ0となり、図8(C)に図示するようにこれらを、通気空間100の内面に対向配置することで複数の周波数に対して騒音低減効果を発揮する。
以上のような他の実施形態に係るダブルスキン構造1は、仕切り板部材35の位置とL型部材30の寸法を変えれば、同じ寸法の外殻部材20と仕切り板部材35を用いて様々な共鳴周波数を持つ共鳴器10が構成可能である。
なお、空間Aや空間Bなどの「空間」については、図面中にアンダーバーが付されている。
図9は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。図9は通気空間100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図9に示すように、仕切り板部材35とL型部材30の数を増やせば、空間A、空間B及び空間Cを有する3つのスリット共鳴器を構成することができ、1つの外殻部材20の中に3つ以上の異なる共鳴周波数を持つ共鳴器10を構成することが可能である。なお、仕切り板部材35は、この場合、隔壁部60としても機能する。
また、図10は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を通気空間100に適用した際の断面図である。図10は通気空間100の長手方向(或いは、スリット状開口部50の長手方向)を垂直に切って見た断面図である。
図10の他の実施形態に係るダブルスキン構造1においては、共鳴器10は空間A及び空間Cからなる2つの共鳴器が、間隔at離れた2枚の仕切り板部材35で隔てられた構成となっている。この場合、2つの共鳴器の間のスリットは、背後に空気層を持たないスリット状開口部50となる。なお、仕切り板部材35は、この場合、隔壁部60としても機能する。
このような共鳴器10を通気空間100の内壁に沿って対向配置した場合、通気空間100の断面寸法及び仕切り板部材35の間隔atが半波長以下となる周波数に対して、背後に空気層を持たないスリット状開口部50は音響管(空間B)として機能する。
このとき、外殻部材20の寸法Dが音響管の管長に相当し、波長の1/4がDと等しくなる周波数ft及びその奇数倍の周波数において、音響管のスリット状開口部50の音響インピーダンス比Zが0となり騒音低減効果を発揮する。
一般に、上記のftはスリット共鳴器(図9の空間A及び空間C)の共鳴周波数f1あるいはf2より高い周波数となるため、図10のようにスリット共鳴器と音響管を組み合わせた構造の共鳴器10によるダブルスキン構造1は、幅広い周波数に対して騒音低減効果を発揮することができる。
なお、繰り返しになるが、通気空間の断面寸法及び仕切り板の間隔atが半波長以下となる周波数に対して、背後に空気層を持たないスリットは音響管として機能する。特許文献1及び特許文献2記載の従来技術は、矩形断面の音響“管”を構成するために多数の仕切り板を必要とした。これに対して、本発明においては、これらの仕切り板は不要である。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図11は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1を示す図である。これまで説明した実施形態においては、通気空間100の両側に共鳴器10を対向配置することで、通気空間100の内面(外側部材4、内側部材5の表面)を、音響的に“ソフト”な状態とするようにしていた。
これに対して、本実施形態では、通気空間100の片側のみに共鳴器10を配置することで、音響的に“ソフト”な状態の再現を試みたものである。本実施形態に係るダブルスキン構造1において、図11(A)は共鳴器10を通気空間100に「片側配置」した場合、また、また、図11(B)は共鳴器10を通気空間100に「片側並列配置」した場合をそれぞれ示している。
2次元境界要素法を用いた数値解析手法によれば、共鳴器10を「対向配置」する方法は、他の配置方法と比較して騒音低減方法として有効であることが確認できるが、「片側配置」や「片側並列配置」などの配置方法にも十分な騒音低減効果を期待することができることがわかり、レイアウトなどの都合上、「片側配置」や「片側並列配置」しか採用し得ない場合には、このような配置を適宜採用することもできる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図12は本発明の他の実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を説明する図である。図12(A)はこれまで説明してきた実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を示しており、図12(B)は本実施形態に係るダブルスキン構造1に用いる共鳴器10を示している。本実施形態態に係るダブルスキン構造1では、図12(B)で示す共鳴器10が通気空間100に配されることを特徴としている。
図12(A)に示すように、これまで説明してきた実施形態に係るダブルスキン構造1の共鳴器10は、スリット部50の両側に配され隔壁部60が設けられ、これらの隔壁部60は奥行き方向にlの長さを有するものであった。
これに対して、図12(B)に示す本実施形態にダブルスキン構造1の共鳴器10は、スリット部50の両側の隔壁部60が省かれた構造を有している。隔壁部60が省かれているが、この代わりに、少なくともスリット部50が含まれる共鳴器10の前面の板厚がlの厚さを有するものとなっている。
前記板厚lにより、本実施形態で用いる共鳴器10においても、第1の実施形態で説明したVnが生じることとなる。これにより、隔壁部60が省かれた共鳴器10が用いられる本実施形態に係るダブルスキン構造1によっても、これまで説明したダブルスキン構造1と同様の効果を享受することが可能となる。
以上、本発明に係るダブルスキン構造は、音響インピーダンス比が0となるスリット状開口部を有する共鳴器が、前記外側部材と前記内側部材との間に配されるており、このような本発明に係るダブルスキン構造によれば、通気空間を伝搬する騒音の遮音性能を向上させることが可能となると共に、内側部材に遮音性能の高い高価な部材を用いる必要もなく、コストを低減することができるようになる。
また、本発明に係るダブルスキン構造によれば、通気空間の開口端部が遮音欠損となることを防ぎ、ダブルスキン構造を有する外装壁の遮音性能を向上することができると同時に、このとき、通気空間内への外気導入と空気の流通は維持できる。
また、本発明に係るダブルスキン構造によれば、共鳴器は同一断面の長尺体であるので、製作及び取付けが容易であり、製造や輸送、施工工数の増加に伴うコストを低減することができる。
1・・・ダブルスキン構造
4・・・外側部材
5・・・内側部材
10・・・共鳴器
11・・・第1区画
12・・・第2区画
13・・・第3区画
14・・・第4区画
20・・・外殻部材
25・・・開口面
30・・・L型部材
35・・・仕切り板部材
40・・・筐体
50・・・スリット状開口部
60・・・隔壁部
70・・・仕切り板部材
100・・・通気空間
110・・・下方開口端

Claims (5)

  1. 外側部材と、前記外側部材の屋内側に所定間隔離れて設けられた内側部材と、からなる建物の外壁部を構成するダブルスキン構造であって、
    スリット状開口部を有する共鳴器が、前記外側部材と前記内側部材との間に配されることを特徴とするダブルスキン構造。
  2. 前記外側部材と前記内側部材のそれぞれに共鳴器が配されることを特徴とする請求項1に記載のダブルスキン構造。
  3. 前記外側部材と前記内側部材の前記共鳴器の前記スリット状開口部が対向するように配されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダブルスキン構造。
  4. 前記外側部材と前記内側部材との間に形成される通気空間の下方開口端側に前記共鳴器が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のダブルスキン構造。
  5. 前記共鳴器が仕切り板部材によって複数の区画に分けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のダブルスキン構造。
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