JP2018053209A - 複層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不所望な異物の発生を抑制し、高品質な複層フィルムを効率的に製造することができる、複層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】帯状の基材と、前記基材の面上に形成された塗工層とを備える複層フィルムの製造方法であって、連続走行する前記基材の前記面に大気圧以上、酸素濃度0.05重量%以上0.55重量%以下かつ水分含有量5mg/m以下の環境下でコロナ放電処理を行う、放電処理工程と、前記放電処理工程の後に、前記基材の前記コロナ放電処理された前記面に塗工液を塗布して前記塗工層を形成する、塗布工程と、を含む複層フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複層フィルムの製造方法に関する。
走行する帯状の基材の面上に塗工液を塗布して塗工層を形成し、必要に応じてその塗工層を乾燥させることにより、2層以上の層を備える複層フィルムを製造することが、従来より行われている。そして、基材の面上に塗工液を良好に塗布するために、塗布に先立ち基材の表面にコロナ放電処理を行い、面を改質することが行われる。そのような放電処理を効率的に行うための装置として、連続的に搬送される長尺のフィルムに対して、連続的な処理を行う装置が知られている(例えば特許文献1)。
一般的に、コロナ放電処理においては、放電環境において、制御された濃度の酸素が存在することが必要になる。そのため、長尺のフィルムに対して放電処理を行う装置は、フィルムの搬送経路の一部をチャンバーで囲繞し、かかるチャンバー内において酸素濃度を制御して処理を行う。酸素濃度の制御は、チャンバー内の酸素濃度が例えば0.2%といった特定の値となるよう制御を行う。このような制御は、窒素などの不活性ガスのチャンバーへの導入量を調節することにより行う。具体的には、放電処理においては、フィルムに随伴してチャンバー内に空気が流入し、それにより酸素濃度が高まるため、酸素濃度が設定した値より高い値になったら窒素の導入量を上げてチャンバー内の酸素濃度を下げ、酸素濃度が設定した値より低い値になったら窒素の導入量を下げてチャンバー内の酸素濃度を上げる、といった制御を、放電処理において継続的に行う。
特開2014−196454号公報
コロナ放電処理に際しては、放電により発生した活性物質が化学反応して形成される副生成物が、不所望な異物を発生させることがある。このような異物が発生すると、フィルムを汚染し、得られる製品の品質を低減させる。また、そのような異物は、製造ラインをも汚染するため、より高い頻度での製造ラインの清掃が必要になり、生産の効率を低下させる。
従って、本発明の目的は、不所望な異物の発生を抑制し、高品質な複層フィルムを効率的に製造することができる、複層フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記の課題を解決するべく検討した。その結果、コロナ放電処理の環境の酸素濃度及び水分含有量を特定の範囲とすることにより、異物の発生を低減することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 帯状の基材と、前記基材の面上に形成された塗工層とを備える複層フィルムの製造方法であって、
連続走行する前記基材の前記面に大気圧以上、酸素濃度0.05重量%以上0.55重量%以下かつ水分含有量5mg/m以下の環境下でコロナ放電処理を行う、放電処理工程と、
前記放電処理工程の後に、前記基材の前記コロナ放電処理された前記面に塗工液を塗布して前記塗工層を形成する、塗布工程と、
を含む複層フィルムの製造方法。
〔2〕 前記放電処理工程を、前記環境を形成し得る手段を備えたコロナ放電処理装置を用いて行う、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 前記コロナ放電処理を5W・min/m以上100W・min/m以下で行う、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ不活性ガス及び乾燥空気を供給することを含み、
前記不活性ガスの流量X(L/min)、及び乾燥空気流量Y(L/min)が、0.002≦Y/X≦0.025の関係を満たす、〔2〕又は〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ不活性ガス及び乾燥空気を供給することを含み、
前記チャンバーの幅W(mm)、及び前記チャンバーへの前記不活性ガスの流量X(L/min)が、0.05≦X/W≦0.30の関係を満たす、〔2〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔6〕 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ気体を供給することを含み、
前記チャンバーの幅W(mm)、及び前記チャンバーへの前記気体の流量Z(L/min)が、5.05×10−2≦Z/W≦3.03×10−1の関係を満たす、〔2〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕 前記基材が脂環式構造含有重合体を含む樹脂のフィルムである、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔8〕 前記放電処理工程の後、前記塗布工程の前に、前記基材を除電する工程をさらに含む、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明の複層フィルムの製造方法によれば、高品質な複層フィルムを効率的に製造することができる。
図1は、本発明の複層フィルムの製造方法を実施するための製造装置、及びそれによる本発明の製造方法の操作の一例を概略的に示す模式図である。 図2は、図1の例に示すコロナ放電処理装置100を、そのロール111の軸112に垂直な方向から観察した状態を概略的に示す正面図である。 図3は、図1及び図2に示すコロナ放電処理装置100を、そのロール111の軸112に垂直な面で切断した断面を概略的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。
[1.製造方法の概要]
図1は、本発明の複層フィルムの製造方法を実施するための製造装置、及びそれによる本発明の製造方法の操作の一例を概略的に示す模式図である。図1において、製造装置10は、製造ラインの上流から順に、コロナ放電処理装置100、塗工装置300、掻取装置400、及び延伸装置500を有している。製造装置10を用いた本発明の製造方法の操作においては、フィルムロール60から長尺の基材フィルム30を繰り出し、A1の方向に搬送し、コロナ放電処理装置100によりコロナ放電処理を行い、塗工装置300により塗工液を塗布し、掻取装置400により余剰の塗工液を掻取し、延伸装置500により延伸処理を行い、これにより複層フィルム90を得て、巻き取り、フィルムロール80とする。
[2.放電処理工程]
本発明の製造方法は、連続走行する基材の面に、特定の環境下でコロナ放電処理を行う、放電処理工程を含む。そのような放電処理工程は、そのような環境を形成し得る手段を備えたコロナ放電処理装置を用いて行う。図1に示す例においては、当該工程は、コロナ放電処理装置100を用いて行う。
本願においては、コロナ放電処理とは、広義に解し、所謂グロー放電処理、及びプラズマ放電処理と言われる各種の放電処理をも含む。
[2.1.放電処理装置]
図1に示すコロナ放電処理装置100のより具体的な構造を、図2〜図3に示す。
図2は、図1の例に示すコロナ放電処理装置100を、そのロール111の軸112に垂直な方向から観察した状態を概略的に示す正面図である。図2に示す通り、コロナ放電処理装置100は、軸112を中心に回転しうる円筒形のロール111と、ロール111の下部に、ロール111に近接して設けられる筺体120と、筺体120の内部に設けられるコロナ放電用電極131とを備える。
筺体120は、ロール111の下側の部分を囲繞する構造を有し、ロール111に対して僅かな隙間を介して近接する。その結果、ロール111の表面及び筺体120により、その内部のチャンバーが規定される。
図2の例に示す通り、筐体は、複数の部分筐体から構成されうる。図2の例では、筐体120は、中央の部分筐体120B及び幅方向端部の部分筐体120A及び120Cからなる。このように複数の部分筐体から構成される構造を有することにより、筐体の製造、運搬、設置、幅の変更及びメンテナンスが容易となる。図2では、図示の便宜のため、部分筐体120A〜120Cを離隔させて示しているが、実際の使用においては、これらの部分筐体は互いに接触した状態で設けられ、それにより、複数の部分筐体で気密性の高い一つのチャンバーを構成する。但し、複数の部分筐体は、互いに接触した状態であっても、隙間を通じてわずかな気体の流通が発生し、チャンバー内の隙間に近い部分において、気体の成分割合が、所望の範囲から外れ、それにより、異物の発生が生じ、フィルム及びチャンバー内の汚染が発生しうる。しかしながら、本発明の製造方法によれば、そのようなわずかな気体の流通があっても、チャンバー内の環境をより良好なものとし、それにより異物の発生を低減することができる。
筺体120内には、電極131が複数個設けられる。好ましくは、電極131は、高周波発生装置(不図示)と、周波数及び電力を調整できる態様で電気的に接続され、且つ、筺体120内でロール111との距離を調整できる態様で設置され、これにより、放電処理における放電の態様を調節しうる。電極131は、ロール111の軸112の延長方向に平行に延長する板状の形状を有し、これにより、ロール111の表面の一部の領域(図2において矢印A201で示される領域)に接して導かれる基材30の幅方向の全体に均等に放電処理を施すことができる。ロール111は、必要に応じてアースに接続し、それにより、電極131からの放電をロール111に効率的に向かわせることが可能となる。
図3は、図1及び図2に示すコロナ放電処理装置100を、そのロール111の軸112に垂直な面で切断した断面を概略的に示す断面図である。図3に示す通り、コロナ放電処理装置100の筺体120の内部には、気体供給装置(不図示)と導通し、ロール111及び筺体120で規定されるチャンバー内に開口する吹き出し口(I)141が設けられる。
筺体120の内部には、さらに、チャンバー内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測装置151が設けられる。これにより、操作中の、電極131付近の酸素濃度を計測することができる。
筺体120の底部には、排気口142が設けられる。排気口142は、筺体120から延長し筺体外に開口する導管143と連通する。排気口142から、必要に応じて、陽圧となったチャンバーから気体を排気することができる。
筐体120は、その上流側の壁である前面壁121F及び下流側の壁である後面壁121Bを含む。前面壁121Fは、その上端に、スリットブロック122Fを備えており、後面壁121Bは、その上端に、スリットブロック122Bを備えている。前面壁121F及び後面壁121Bはそれぞれ、支持部材124F及び124Bをさらに備え、支持部材124F及び124Bはそれぞれ、スリットブロック122F及び122Bを支持している。支持部材124F及び124Bのそれぞれは、上方及び下方に位置を可変しうる態様で設けられ、それにより、基材フィルム30とスリットブロック122Fとの隙間A31Fの広さ、及び基材フィルム30とスリットブロック122Bとの隙間A31Bの広さを調節することができる。スリットブロック122Bは、筐体の幅方向全体にわたり延長した構造であってもよく、筐体の幅方向にわたり複数のブロックが配置された構造であってもよい。例えば図2の例に示す部分筐体のそれぞれにわたり延長した複数のブロックから構成されてもよい。スリットブロックが複数のブロックから構成される場合、それらは互いに接触した状態で設けうる。または、ブロック間に間隙を設け、間隙部分を透明なカバーで覆う形態とし、それにより外部からコロナ放電部分を監視できる構成してもよい。
電極131は、チャンバー内において、支持部材134を介して筐体120に設けられている。支持部材134は、上方及び下方に位置を可変しうる態様で設けられ、それにより、基材フィルム30と電極131との隙間A33の広さを調節することができる。
図3の例では、前面壁121Fのスリットブロック122Fにおいて、吹き出し口(II)123Fが設けられる。この例では、吹き出し口(II)123Fは、前面壁121Fのスリットブロック122Fに設けられた孔として設けられ(従って、前面壁121Fのスリットブロック122Fの内部に埋め込まれた態様で設けられている)、ロール111に向かって開口している。吹き出し口(II)123Fは、気体供給装置からの気体を供給する管126と導通し、それにより、吹き出し口(II)から気体を噴出させ、気体のカーテンを形成することができる。吹き出し口(II)123Fは、筐体120の幅方向全体にわたり設けられ、それにより、基材フィルムの導入口全体に亘って、随伴流の低減を達成することができる。スリットブロック122Fは、吹き出し口(II)123Fの隙間A32の広さを可変しうる構造を有する。管126から導入する気体量及び隙間A32の広さを調節することにより、吹き出し口(II)からの気体の噴出の量及び速度を調節することができる。
[2.2.放電処理の操作]
図2〜図3に示したコロナ放電処理装置100を用いた放電処理工程における操作の例を説明する。この例の放電処理工程においては、基材フィルム30に適切な張力を付与してロール111に接触させ、ロール111を回転させ、基材フィルム30を、矢印A1に示す方向に搬送する。これにより、ロール111とスリットブロック122Fとの間の隙間が、チャンバーの外部から内部に基材フィルム30を導入する導入口として働き、ロール111とスリットブロック122Bとの間の隙間が、チャンバーの内部から外部に基材フィルム30を導出する導出口として働く。さらに、電極131に通電し、ロール111に向かってコロナ放電を発生させ、それにより、基材フィルム30に、連続的なコロナ放電処理を施す。
放電処理工程に際しては、コロナ放電処理を行う環境における酸素濃度及び水分含有量を、特定の範囲に調節する。
放電処理環境内の酸素濃度は、0.05重量%以上0.55重量%以下に調節する。酸素濃度は、好ましくは0.4重量%以下である。放電処理環境に酸素が存在することにより、コロナ放電処理を受けた基材表面上に極性基が付与され、所望の改質処理が達成される。そして、酸素濃度を前記下限以上とすることにより、短時間でかかる極性基の付与を達成しうるので、効率的な放電処理が可能となる。しかしながら、減圧を伴わない環境下で、酸素濃度が高すぎると、不均一なコロナ放電が発生しうる。また、酸素濃度が高すぎると、副生成物による不所望な異物の発生が多くなる。そこで、酸素濃度を前記下限以上で且つ前記上限以下とすることにより、減圧を伴わない環境においても、良好なコロナ放電を達成し、基材表面への極性基の付与を効率的に行うことができ、且つ異物の発生を低減することができる。
放電処理環境内の水分含有量、即ち、放電処理環境における気体が含有する水分の量は、5mg/m以下に調節する。水分含有量は、好ましくは2mg/m以下であり、理想的にはゼロmg/mである。放電処理環境内の酸素濃度が前記特定の範囲内であり、且つ水分含有量がこの範囲であることにより、放電による不所望な副生成物の発生を抑制することができる。
このような酸素濃度及び水分含有量を有する放電処理環境は、図2〜図3に示す例のように、放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを備える処理装置を用い、かかるチャンバー内の酸素濃度及び水分含有量を調節することにより行いうる。
好ましい例において、放電処理工程は、チャンバー内へ不活性ガス及び乾燥空気を供給することを含む。不活性ガスの例としては、窒素及びアルゴン等の希ガスが挙げられるが、コストの観点から通常は窒素を用いる。
乾燥空気は、空気を乾燥させたものである。乾燥空気としては、その露点が所定の低い値であるものを用いうる。乾燥空気の大気圧化の露点は、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−30℃以下としうる。露点−20℃の乾燥空気は、大気圧下の水分含有量が1.07g/m程度となり、これをチャンバーに導入することにより、チャンバー内の水分量を低い値に容易に調節することができる。
乾燥空気は、大気を圧縮器で圧縮し、結露した水分を除去することにより調製しうる。このような調製方法により、有用な乾燥空気を容易に調製でき、且つ圧送のための圧力を空気に付与することができる。乾燥空気の具体例としては、0.76MPaの圧縮下で露点−10℃以下の空気(大気圧下での露点約−34.4℃以下、大気圧下での水分含有量0.314g/m以下)を用いうる。乾燥空気は、チャンバーへの送気に先立ち、フィルターにより粒子を除去することが、良好な放電処理を行う上で好ましい。具体的には、ISO 14644−1規格のクラス5またはそれよりもさらに厳格なクラスの要件を満たす粒子量とすることが好ましい。
チャンバー内への不活性ガス及び乾燥空気の供給に際しては、不活性ガスの流量X(L/min)、及び乾燥空気流量Y(L/min)が、特定の割合であることが好ましい。具体的にはX及びYが、0.002≦Y/X≦0.025の関係を満たすことが好ましい。Y/Xは、より好ましくは0.005以上、であり、より好ましくは0.02以下である。X及びYがかかる関係を満たすことにより、チャンバー内の酸素濃度及び水分含有量を、容易に所望の範囲に調節することができる。
チャンバー内への気体の供給に際しては、供給する気体の流量が、特定の量であることが好ましい。また、チャンバー内への不活性ガス及び乾燥空気の供給に際しては、チャンバー内へ供給する不活性ガスの流量が、特定の量であることが好ましい。かかる流量は、チャンバーの幅W(mm)あたりの、気体の流量Z(L/min)及び不活性ガスの流量X(L/min)即ち、Z/W及びX/Wとして規定しうる。チャンバーの幅Wは、図2〜図3に示す例では、筐体120の幅A202に相当する。
具体的には、Z及びWが、5.05×10−2≦Z/W≦3.03×10−1の関係を満たすことが好ましい。Z/Wは、より好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.25以下である。また、X及びWは、0.05≦X/W≦0.30の関係を満たすことが好ましい。X/Wは、より好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.25以下である。
Z/W、X/W又はこれらの両方がかかる関係を満たすことにより、チャンバー内の酸素濃度及び水分含有量を、容易に安定して所望の範囲に調節することができる。
例えば、チャンバー内へ供給するガスを不活性ガスのみ(Y/X=0)とした場合、酸素の供給源は、チャンバーの隙間から流入する空気のみとなり、その主なものは、基材フィルム30に随伴して隙間A31Fから流入する空気となる。この場合においては、チャンバー内の酸素濃度の調節は、不活性ガスの供給量の調節により行うことになる。その際に供給する不活性ガスの量は比較的少量となり、酸素の流入量は不安定なものとなるため、放電処理の操作において、酸素濃度が設定した値より高い値になったら不活性ガスの導入量を上げ、酸素濃度が設定した値より低い値になったら不活性ガスの導入量を下げる、といった制御を継続的に行う必要が生じる。また、そのような気体の供給を行った場合、チャンバーを構成する部分筐体の隙間からの気体の流入が多くなり、異物の発生が増大しうる。
これに対し、Z/W又はX/Wが上に述べた関係を満たす場合、チャンバー内へ、比較的多量の気体を供給することになる。その結果、チャンバー内の酸素濃度が、随伴流等のチャンバーの隙間から流入する空気による影響を受ける程度が低下する。その結果、継続的な制御を行わず、例えばY/Xの値をある値に設定したら、放電処理の操作においてそれを変更せず定量の気体供給を維持するといった操作のみであっても、チャンバー内の酸素濃度を所望の値に維持することが可能となる。これにより、チャンバー内の酸素濃度を、容易に安定して所望の範囲に調節することができる。また、水分含有量についても、同様の原理により容易に安定して所望の範囲に調節することができる。
本発明の製造方法では、チャンバーへの酸素の供給は、乾燥空気をチャンバー内に導入することにより行いうるので、フィルム導入口である隙間A31Fから基材フィルムに随伴して流入する空気の量は少ないことが、安定したチャンバー内環境を形成する上で好ましい。
そのため、隙間A31Fの広さはある程度以上狭いものとすることが好ましい。具体的には、導入口の隙間A31Fの広さは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。一方円滑なフィルムの搬送を行う観点から、隙間A31Fの広さの下限は、例えば0.5mm以上としうる。
また、吹き出し口(II)からの気体の吹き出し速度はある程度以上速いことが好ましく、そのため吹き出し口の隙間A32の広さは、ある程度以上狭いものとすることが好ましい。具体的には、吹き出し口の隙間A32の広さは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。隙間A32に広さの下限は、例えば0.2mm以上としうる。
チャンバー内の環境の気圧は、大気圧以上、好ましくは大気圧+0.02MPa以上に制御される。それにより、チャンバー内に流入する外気の量を低減し、酸素濃度の低い環境を容易に維持しうる。一方、チャンバー内の環境の気圧は、好ましくは大気圧+0.3MPa以下、より好ましくは大気圧+0.2MPa以下とすることが、良好なコロナ放電を形成しうるため好ましい。
図2〜図3に示す例では、チャンバー内への気体の供給は、吹き出し口(I)141から気体をチャンバー内に導入することにより行いうる。気体の供給は、不活性ガス及び乾燥空気の供給源(不活性ガスを生成又は貯蔵する装置及び乾燥空気を生成又は貯蔵する装置)から気体流を導出し、これらの流路を合流させてこれらを混合し、吹き出し口(I)141に供給することにより行いうる。供給源からの気体流の導出に際しては、流量計で流量を計測し、バルブ等の流量調節装置で流量を調節して混合することにより、所望の比率での混合を達成することができる。不活性ガス及び乾燥空気の流量は、放電処理の実施と並行して継続的に制御してもよいが、例えばZ/W、X/W又はこれらの両方の値を特定の範囲内とした場合は、Y/Xの値をある値に設定した後それを変更せず単に維持する制御を行うのみであってもよい。
チャンバー内の環境の気圧が設定された圧力より高くなった場合、排気口142から外部への経路を開き排気管143からの排気を行い、圧力を調節することができる。また、放電処理により、放電処理を行う上で有害なガス等の物質がチャンバー内に蓄積した場合、排気口142及び排気管143から排気を行うことにより、当該物質をチャンバー外に排除することができる。その場合、チャンバー内の気圧を維持するため、吹き出し口(I)から吹き出す気体の流量を必要に応じて増加させうる。
チャンバー内の酸素濃度は、筺体内の電極131に近接して設けられた酸素濃度計測装置151により測定された値を基準に調節することが好ましい。当該値を基準とすることにより、放電空間の酸素濃度を正確に反映した酸素濃度の値を得て、より適切な酸素濃度の調節を行うことができる。
この例の放電処理工程においては、筺体120のスリットブロックの上側の端部に設けられた吹き出し口(II)(図4における吹き出し口(II)123F等)から、大気より低濃度の酸素を含む気体を吹き出し、基材30の面に、当該気体を吹き付けることが好ましい。当該気体としては、吹き出し口(I)141からチャンバー内に導入する気体と共通の気体とすることが、供給コストの低さ及びチャンバー内の環境の制御の容易さの観点から好ましい。筺体の上側の端部に設けられた吹き出し口(II)から、大気より低濃度の酸素を含む気体を、ロール上の基材の面に吹き付けることにより、エアカーテンを形成し、ロール111と筺体と120との隙間からチャンバー内に流入する外気の量を低減することができる。特に、基材の導入口においては、基材が導入されるのに随伴して外気が導入されうるので、少なくとも、チャンバーの外部から内部に基材30を導入する導入口である隙間において、このような吹き付けを行うことが好ましい。吹き出し口(II)123Fを、電極131とは十分離隔した位置に設け、そこから吹き付けを行うことにより、吹き付けの気流によるコロナ放電の撹乱を低減しうる。吹き出し口(II)123Fと電極131との距離は、好ましくは10mm以上、より好ましくは50mm以上である。
コロナ放電処理に際し、電極131に印加する電力は、良好なコロナ放電が形成されるよう適宜調整しうる。異物の発生をより低減する観点からは、比較的低出力でのコロナ放電処理を行うことが好ましい。具体的な放電処理の出力は、好ましくは5W・min/m以上、より好ましくは7W・min/m以上であり、好ましくは100W・min/m以下、より好ましくは60W・min/m以下である。また、基材フィルムと電極との隙間A33の間隔は、好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは2mm以下である。
[3.除電工程]
本発明の製造方法では、放電処理工程の後、塗布工程の前に、任意に、基材を除電する工程を行うことが好ましい。除電工程は、図1の例では、製造ライン中の放電処理装置100の下流であって塗工装置300の上流である任意の位置において行いうる。
除電工程を行うことにより、基材の表面の静電気圧を低下させることができ、塗布工程において基材と塗工液とが反発しあうことを防ぎ、塗工液の基材表面への定着を促進しうる。
除電工程は、既知の除電装置を用いて行うことができる。例えば、市販の除電機(例えばキーエンス社製SJ−H156A)を用い、除電パルス周波数1〜68Hz、ダウンフロー0〜0.3m/sの条件で除電を行いうる。
[4.放電処理後の基材の状態]
放電処理工程と、必要に応じて除電工程とに供された基材の表面においては、極性基が付与されうる。処理された基材表面の極性基の量は、X線光電子分光(XPS)により測定しうる。処理された基材表面の極性基の割合は、C−C結合、C−O結合、C=O結合、C(=O)O結合、およびO−C(=O)O結合の合計を100%とした場合のC−C結合以外の結合由来のピーク強度の割合で、20〜100%であることが好ましい。
処理された基材表面においては、極性基が多く存在することにより、極性の液体に対する親和性が高められ、極性の液体に対する接触角が、処理前に比べて小さくなる。加えて、均質な処理を達成しうるため、接触角を面内の多くの箇所で測定した場合の標準偏差が小さい値となり得る。例えば、水に対する親和性が低い、脂環式構造含有重合体を含む樹脂の延伸フィルムを基材として用いた場合であっても、水に対する平均接触角θが50°未満、θの標準偏差σが4.0未満といった、高い親水性を達成し得る。
[5.塗布工程]
本発明の製造方法は、放電処理工程の後、又は放電処理工程及びその後の除電工程の後に、基材のコロナ放電処理された面に塗工液を塗布して塗工層を形成する塗布工程を含む。
塗布工程は、グラビアコーター、ロールコーター、ダイコーター等の、既知の塗布装置により行いうる。塗布工程はまた、塗布装置による塗布の操作に加えて、スムージングロール等を備えた掻取装置により余剰の塗工液を掻取する操作を含んでもよい。図1に示す例においては、当該工程は、塗工装置300及び掻取装置400を用いて行う。
[6.その他の任意の工程]
本発明の製造方法では、上に述べた工程の他に、任意の工程を行いうる。例えば、塗工液の層に対して加熱等の操作を行い、それにより塗工液の層を硬化させ、塗工層を形成する工程を行いうる。また、基材を延伸し、それにより得られる複層フィルムの面積、厚み、及び光学特性を所望の範囲に調整しうる。かかる延伸の工程は、塗工液の層の硬化の工程の後に行うことができる、または、延伸は、通常基材を加熱して、そのガラス転移温度に近い温度において行うので、延伸の工程と、塗工液の層の硬化の工程とを同時に行うことができる。
[7.その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に変更して実施してもよい。
例えば、前記の実施形態においては、チャンバー内に酸素濃度計測装置151を設け、酸素濃度の計測を行ったが、チャンバー内には、酸素濃度のみならず、他の種類の物質の濃度等の他の情報をも計測する計測装置を設けてもよく、放電処理工程において当該計測を行ってもよい。例えば、放電処理により、放電処理を行う上で有害なガス等の物質がチャンバー内に蓄積しうるので、当該物質の量を計測する計測装置を設け、当該計測装置から得られる情報を元に、当該物質の量が所定量以上となった場合に排気口142を開放し排気を行う制御を、放電処理工程において行いうる。
[8.基材の説明]
本発明の製造方法に用いうる基材について説明する。基材としては、通常、フィルム状の部材を用いる。中でも、基材として、樹脂フィルムを用いることが好ましい。基材を形成する樹脂のうち、好ましい例としては、脂環式構造含有重合体を含む樹脂(以下、適宜「脂環式構造含有重合体樹脂」という。)が挙げられる。脂環式構造含有重合体樹脂は、透明性、低吸湿性、寸法安定性および軽量性などに優れ、光学フィルムに適している。
脂環式構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものである。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造等が挙げられる。これらの脂環式構造の中でも、耐光性、耐熱劣化性等の観点から、シクロアルカン構造を有するものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜20個、好ましくは5〜15個、より好ましくは5〜12個の範囲であるときに、例えば、耐熱性及び耐熱劣化性の特性がバランスされ好適である。
本発明に使用される脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択しうるが、通常40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、成形品の耐熱性が劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、種々のものが使用できる。
かかる脂環式構造を有する重合体の具体例としては、(1)特開平3−109418号公報、特開平4−170425号公報等に開示されているノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合体水素化物、(2)特開昭61−292601号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報等に開示されているノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加型共重合体、(3)特開昭64−001706号公報、特開平1−294753号公報、WO98/55886号パンフレット等に開示されている芳香族ビニル化合物の重合体水素化物、(4)特開平1−294721号公報、WO2000/32646号パンフレット、特開2002−540229号公報、特開2002−370304号公報、WO2003/018656号パンフレット等に開示されている芳香族ビニル化合物と鎖状共役ジエン化合物のブロック共重合体水素化物、等を挙げることができる。これらの中でも、耐熱性と成形性の観点からノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合重合体水素化物、芳香族ビニル化合物と鎖状共役ジエン化合物の共重合体水素化物等が好ましく、機械強度の観点からはノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合重合体水素化物がより好ましく、耐光性の観点からは芳香族ビニル化合物と鎖状共役ジエン化合物の共重合体水素化物がより好ましい。
脂環式構造含有重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)で、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、より好ましくは20,000以上であり、通常100,000以下、好ましくは80,000以下、より好ましくは50,000以下である。ここで、前記の重量平均分子量(Mw)は、溶媒としてシクロヘキサン(試料がシクロヘキサンに溶解しない場合にはトルエン)を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、複層フィルムの機械的強度および成型加工性が高度にバランスされ好適である。
基材を形成する樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない限り、重合体以外にもその他の任意成分を含んでいてもよい。任意成分の例を挙げると、顔料、染料等の着色剤;蛍光増白剤;分散剤;熱安定剤;光安定剤;紫外線吸収剤;耐電防止剤;酸化防止剤;滑剤;などの添加剤が挙げられる。なお、任意成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
基材は、一層のみを備える単層構造のフィルムであってもよく、二層以上の層を備える複層構造のフィルムであってもよい。基材の厚みは特に制限はないが、材料コストの観点、並びに薄型及び軽量化の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下である。
基材としては、通常、帯状で長尺のフィルムを用いる。ここで、長尺とは、フィルムの幅に対して、5倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。幅に対する長さの上限は、特に限定されないが、例えば100,000倍以下としうる。
また、複層フィルムを光学フィルムとして用いる場合には、基材は、1mm厚換算での全光線透過率が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、全光線透過率は、JIS K7361−1997に準拠して測定しうる。さらに、複層フィルムを光学フィルムとして用いる場合には、基材は、1mm厚換算でのヘイズが、0.3%以下であることが好ましく、0.2%以下であることが特に好ましい。ここで、ヘイズは、JIS K7136−1997に準拠して測定しうる。
[9.塗工液の説明]
本発明の製造方法に用いうる塗工液について説明する。
塗工液としては、基材への放電処理工程により、基材の当該液に対する濡れ性を高めうる液体であって、塗工層を設けるのに適したものを適宜用いうる。特に、塗工液としては、溶媒と、塗工液を乾燥させたあとに塗工層に残留し得る物質(以下において単に「固形分」ということがある。)とを含む液体を用いうる。
本発明の製造方法における放電処理工程では、通常、基材の面上に極性基が付与されるので、溶媒としては、当該極性基により濡れ性が高められる液体を用いうる。
具体的な溶媒の例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の有機溶媒;などが挙げられる。中でも通常は、水を用いる。また、塗工液が含む溶媒は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
例えば、塗工液としては、溶媒としての水と、その中に分散した固形分としてのポリウレタンとを含む液状の組成物を用いうる。この組成物は水系ウレタン樹脂と呼ばれる。塗工液として水系ウレタン樹脂を用いることにより、塗工層として易接着層を得ることができる。易接着層は、基材を偏光子等の任意の部材と貼り合わせる際に、接着剤による基材と任意の部材との接着を補強してより強固に接着させる機能する層であり、プライマー層とも呼ばれる。
水系ウレタン樹脂に含まれるポリウレタンとしては、例えば、(i)1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分と(ii)多価イソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタン;または、上記(i)成分及び(ii)成分をイソシアネート基過剰の条件下で、反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒中でウレタン化反応させてイソシアネート基含有プレポリマーとし、次いで、該プレポリマーを中和し、鎖延長剤を用いて鎖延長し、水を加えて分散体とすることによって製造されるポリウレタン;などが挙げられる。これらのポリウレタン中には、酸成分(酸残基)を含有させてもよい。
前記(i)成分(すなわち、1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分)としては、特に限定されるものではないが、水酸基性の活性水素を有するものが好ましい。このような化合物の具体例としては、ポリオール化合物、ポリエーテルポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリエーテルエステルポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
前記(i)成分と反応させる(ii)成分(即ち、多価イソシアネート成分)としては、例えば、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を含有する脂肪族、脂環族または芳香族の化合物が挙げられる。
ポリウレタンは、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)等の酸構造を有するものであることが、水中への分散性が高いため好ましい。このような酸構造を有するポリウレタンは、それを中和する不揮発塩基等の中和剤と共に用いることが、製品の耐久性を高める等の観点から好ましい。不揮発性塩基としては、例えば、塗工液を基材に塗布した後に乾燥させる際の処理条件下(例えば80℃で1時間放置した場合)において、実質的に不揮発性である塩基が挙げられる。ここで実質的に不揮発性であるとは、通常、不揮発性塩基の減少分が80重量%以下であることをいう。
不揮発性塩基としては、無機塩基を用いてもよいが、有機塩基が好ましい。中でも、沸点100℃以上の有機塩基が好ましく、沸点100℃以上のアミン化合物がより好ましく、沸点200℃以上のアミン化合物が特に好ましい。また、有機塩基は低分子化合物でもよく、重合体でもよい。
不揮発性塩基の例を挙げると、無機塩基の例としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。また、有機塩基の例としては、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシカルボン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタール酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等のヒドラジドが挙げられる。中和剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ポリウレタンの数平均分子量は、1,000以上が好ましく、より好ましくは20,000以上であり、1,000,000以下が好ましく、より好ましくは200,000以下である。
塗工液が水系ポリウレタン樹脂である場合、前記のポリウレタンは、通常、溶媒である水に分散しているが、例えば、エマルション、コロイド分散系、水溶液などの形態としてもよい。
塗工液が含む溶媒の量は、塗工液の固形分濃度が、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下となる量にする。塗工液の取り扱い性に優れ、塗布が容易となるからである。
また、塗工液は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した以外の任意の成分を含んでいてもよい。その例を挙げると、シリカ、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等が挙げられる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
塗工液の粘度は、10mPa・s以下であることが好ましく、8mPa・s以下であることが特に好ましい。これにより、塗工液を薄くかつ均一に塗布することができる。
[10.複層フィルムの説明]
本発明の製造方法により製造される複層フィルムは、基材と、この基材に形成された塗工層とを備える。ここで、塗工層の乾燥厚みは、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、好ましくは120nm以下、より好ましくは100nm以下である。
本発明の製造方法では、放電処理工程を前記特定の条件で行うため、それにより得られる複層フィルムは、放電処理における異物による汚染の少ないフィルムとすることができる。放電処理工程において発生する異物は、通常粒子径100〜600μmの粒子となってフィルムに付着しうるところ、本発明の製造方法により得られる複層フィルムにおいては、そのような粒子径の粒子の付着が少ないフィルムとすることができる。
複層フィルムは、通常、光学フィルムとして使用される。複層フィルムの用途となる光学フィルムの例を挙げると、保護フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルムなどが挙げられる。
また、複層フィルムは、延伸フィルムとして用いてもよい。すなわち、基材として延伸フィルムを用いてその上に塗工層を形成してもよいし、基材(延伸フィルムでも未延伸のフィルムでもよい)の上に塗工層を形成して複層フィルムを製造した後にさらに延伸して用いてもよい。
中でも、本発明の製造方法により得られる複層フィルムは、偏光板保護フィルムに適している。本発明の製造方法により得られる複層フィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、かかる偏光板保護フィルムは、例えば、本発明の製造方法により得られる複層フィルム自体を単独で偏光板保護フィルムとしたものであってもよく、本発明の製造方法により得られた複層フィルムと他のフィルムとを組み合わせて偏光板保護フィルムとしたものであってもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。また、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限りいずれも重量基準である。さらに、以下の説明において温度及び圧力について特に断らない限り、操作は常温常圧の環境において行った。
[実施例1]
(1−1.塗工液の製造)
ポリウレタンの水分散体(第一工業製薬社製「スーパーフレックス210」)をポリウレタンの量で100部と、架橋剤としてエポキシ化合物(ナガセケムテックス社製「デナコールEX313」)15部と、不揮発性塩基としてアジピン酸ジヒドラジド2部と、滑材としてシリカ粒子の水分散液(日産化学社製「スノーテックスZL」;平均粒子径85nm)をシリカ粒子の量で10部と、濡れ剤としてアセチレン系界面活性剤(エアープロダクツアンドケミカル社製「サーフィノール440」)を固形分合計量に対して0.5重量%と、水とを配合して、固形分濃度4%の液状組成物を、塗工液として得た。かかる塗工液の粘度は1.2mPa・sであった。
(1−2.基材フィルムの製造)
ノルボルネン重合体を含む脂環式オレフィン樹脂(日本ゼオン社製「ZEONOR」;ガラス転移温度126℃)のペレットを、100℃で5時間乾燥した。このペレットを押出機に供給し、押出機内で溶融させ、ポリマーパイプ及びポリマーフィルターを経て、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押し出し、冷却して、厚み80μm、幅2100mmの長尺の基材フィルムを得た。得られた基材フィルムの幅方向の両端部及びを裁断して除去し、幅を1700mmとして、巻き取り、フィルムロールとした。
(1−3.複層フィルムの製造)
図1に概略的に示す製造装置10を用いて、複層フィルムの製造を行った。
(1−2)で得たフィルムロール60から基材フィルム30を繰り出し、A1の方向に搬送し、コロナ放電処理装置100(春日電機社製)によりコロナ放電処理を行った。続いて塗工装置300により(1−1)で得た塗工液を塗布し、掻取装置400により余剰の塗工液を掻取し、延伸装置500により延伸処理を行い、これにより複層フィルム90を得て、巻き取り、フィルムロール90とした。
コロナ放電処理装置100としては、図2〜図3に概略的に示す装置を用いた。筐体120の幅A202は2200mmとし、電極131の長さは2000mmとした。電極131と基材フィルム30との隙間A33の広さは1mmとした。筐体の前面壁のスリットブロック122Fと基材フィルム30との隙間A31Fは1mmとした。コロナ放電処理装置100の放電量は10W・min/mとし、装置100へ導入する基材フィルム30の搬送速度は30m/minとした。筐体120内のチャンバーへの窒素ガスの導入量は300L/min、乾燥空気の導入量は3L/minとした(乾燥空気体積/不活性ガス体積=0.01)。放電処理中に、チャンバー内の酸素濃度を、酸素濃度計測装置151によりモニターしたところ、気体の導入量の調節等を特に行わなくても、チャンバー内の酸素濃度は安定的に0.2%に保たれた。チャンバー内の気圧は、大気圧以上で、大気圧+0.1MPa以下の範囲に保たれた。また、チャンバー内の環境の水分含有量は0.9mg/mであった。
コロナ処理したフィルムには、除電機(キーエンス製 SJ−HA)にて除電を行った。
塗工装置300としては、塗工ロールを備える装置を用いた。塗工ロールを基材フィルム30の搬送方向と同じ向きに周速30m/minで回転させて、基材フィルム30の表面に塗工液40を塗工した。
掻取装置400としては、直径40mmの掻取ロールを備える装置を用いた。掻取ロールを、基材フィルム30の搬送方向と逆方向に回転速度8.5rpmで回転させ、乾燥厚み45nmの塗工層が得られるように操作した。
延伸装置500では、基材フィルム30の幅方向の両端部を把持し、延伸温度139℃、延伸倍率1.50倍で、フィルム幅方向に連続的に延伸処理を施した。この延伸処理の際、基材フィルム30上では、塗工液の層が加熱されて硬化し、塗工層が形成された。これにより、基材フィルム及び塗工層を備える複層フィルム90を得た。
こうして得られた複層フィルム90の幅方向の両端部及びを裁断して除去し、残りの部分を巻き取り、フィルムロール80とした。
得られた複層フィルム90を、正透過の欠陥検知器(株式会社メック製 LSC4000Vシステム)により検査し、複層フィルム90における異物の個数を計数した。その結果、100〜600μmの大きさで確認できる異物の個数は0.001個/mであった。
[実施例2]
以下の事項を変更した他は、実施例1と同じ操作により、複層フィルムを製造して検査した。
・(1−3)の複層フィルムの製造におけるコロナ放電処理で、乾燥空気の導入量を3L/minから6L/minに変更した。放電処理中に、チャンバー内の酸素濃度を、酸素濃度計測装置151によりモニターしたところ、気体の導入量の調節等を特に行わなくても、チャンバー内の酸素濃度は安定的に0.4%に保たれた。チャンバー内の環境の水分含有量は1.7mg/mであった。
複層フィルム90における、100〜600μmの大きさで確認できる異物の個数は0.004個/mであった。
[比較例1]
以下の事項を変更した他は、実施例1と同じ操作により、複層フィルムを製造して検査した。
・(1−3)の複層フィルムの製造におけるコロナ放電処理で、乾燥空気を導入しなかった。放電処理中に、チャンバー内の酸素濃度を、酸素濃度計測装置151によりモニターしたところ、チャンバー内の酸素濃度は安定しなかったので、チャンバー内の酸素濃度が0.2〜0.3%となるように、窒素ガスの導入量を110〜150L/minの範囲で調節した。チャンバー内の環境の水分含有量は35mg/mであった。
複層フィルム90における、100〜600μmの大きさで確認できる異物の個数は0.1個/mであった。
10:製造装置
30:基材フィルム
60:フィルムロール
80:フィルムロール
90:複層フィルム
100:コロナ放電処理装置
111:ロール
112:軸
120:筺体
120A:端部の部分筐体
120B:中央の部分筐体
120C:端部の部分筐体
121B:筐体後面壁
121F:筐体前面壁
122B:スリットブロック
122F:スリットブロック
123F:吹き出し口(II)
124B:支持部材
124F:支持部材
126:管
131:コロナ放電用電極
134:支持部材
141:吹き出し口(I)
142:排気口
143:導管
151:酸素濃度計測装置
300:塗工装置
400:掻取装置
500:延伸装置
A1:ロール搬送方向
A201:基材が導かれる領域
A202:筐体の幅
A31B:隙間
A31F:隙間
A32:隙間
A33:隙間

Claims (8)

  1. 帯状の基材と、前記基材の面上に形成された塗工層とを備える複層フィルムの製造方法であって、
    連続走行する前記基材の前記面に大気圧以上、酸素濃度0.05重量%以上0.55重量%以下かつ水分含有量5mg/m以下の環境下でコロナ放電処理を行う、放電処理工程と、
    前記放電処理工程の後に、前記基材の前記コロナ放電処理された前記面に塗工液を塗布して前記塗工層を形成する、塗布工程と、
    を含む複層フィルムの製造方法。
  2. 前記放電処理工程を、前記環境を形成し得る手段を備えたコロナ放電処理装置を用いて行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記コロナ放電処理を5W・min/m以上100W・min/m以下で行う、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
    前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ不活性ガス及び乾燥空気を供給することを含み、
    前記不活性ガスの流量X(L/min)、及び乾燥空気流量Y(L/min)が、0.002≦Y/X≦0.025の関係を満たす、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
    前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ不活性ガス及び乾燥空気を供給することを含み、
    前記チャンバーの幅W(mm)、及び前記チャンバーへの前記不活性ガスの流量X(L/min)が、0.05≦X/W≦0.30の関係を満たす、請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記環境を形成し得る手段が、前記放電処理を行う環境を囲繞するチャンバーを含み、
    前記放電処理工程が、前記チャンバー内へ気体を供給することを含み、
    前記チャンバーの幅W(mm)、及び前記チャンバーへの前記気体の流量Z(L/min)が、5.05×10−2≦Z/W≦3.03×10−1の関係を満たす、請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記基材が脂環式構造含有重合体を含む樹脂のフィルムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記放電処理工程の後、前記塗布工程の前に、前記基材を除電する工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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