JP2018052871A - 抗歯周病組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】インターロイキン12(IL−12)及びインターロイキン17(IL−17)産生抑制組成物の提供。【解決手段】β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む組成物。前記物質を含む抗歯周病組成物。前記物質を含む口腔用組成物。β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症剤として公知の成分であるが、これらを組み合わせることにより、優れたIL−12及びIL−17産生抑制効果が得られ、歯周病(特に慢性歯周病や慢性歯周炎)の症状を改善していくために有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、抗歯周病組成物に関する。
インターロイキン12(IL−12)は、免疫細胞の一つであるTh1細胞の分化を誘導することや(非特許文献1)、NK細胞やNKT細胞のIFN−γ産生に主要因子として働く(非特許文献2)ことが知られている。また、樹状細胞をリポ多糖(LPS)で刺激すると、NK細胞はIFN−γ産生を促進し、免疫機構を活性化することが知られている(非特許文献3)。一方で、IFN−γはNK細胞を活性化し、細胞障害性を示すことも知られている。これらのことから、歯周病(特に慢性歯周病)患者において、免疫機能が正常に働いていない場合、NK細胞が過剰に活性化されると、細胞が破壊されてしまうと考えられる。従って、歯周病(特に慢性歯周病)患者においては、IL−12産生(特に口腔内でのIL−12産生)を抑制し、NK細胞の過剰活性化を抑えることが、歯周病(特に慢性歯周病)の症状を改善していくために、重要である。以上の内容を図式化して図3に示す。
インターロイキン17(IL−17)は、主にT細胞から産生されるが、上皮細胞、内皮細胞やケラチノサイトなどの非免疫細胞からも産生されることが知られている。また、IL−17は上皮細胞や線維芽細胞に作用し、抗菌ペプチドを産生し、細菌感染防御に重要な役割を果たしている(非特許文献4)。またさらに、IL−17は、抗菌ペプチドの一つであるディフェンシンの産生を誘導し、細菌感染を防御することも知られている(非特許文献5)。口腔内ケア分野において、ディフェンシンは、健常者では歯周ポケット内の細菌数と負の相関があり細菌感染を防御するが、歯周病患者では相関が認めらないことが知られている(非特許文献6)。このことから、慢性化した歯周病の状態では、ディフェンシンの細菌感染防御は機能していないと考えられる。さらに、ディフェンシンは過剰になると細胞障害性を有するという報告もある(非特許文献7)。これらのことから、歯周病ケア(特に慢性歯周炎のケア)には、過剰なディフェンシンの産生を抑制するために、IL−17産生を抑制することが重要である。以上の内容を図式化して図4に示す。
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本発明は、IL−12産生及びIL−17産生を抑制する手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の抗炎症剤を組み合わせることにより、優れたIL−12産生抑制効果及び優れたIL−17産生抑制効果を得られることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む、抗歯周病組成物。
項2.
β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む、IL−12及びIL−17産生抑制組成物。
項3.
口腔用組成物である、項1又は項2に記載の組成物。
本発明に係る組成物は、優れたIL−12及びIL−17産生抑制効果を奏することから、歯周病(特に慢性歯周病や慢性歯周炎)の症状を改善していくために有用である。
(a)GK2とβ−GRの組み合わせ、(b)ALAとTXAの組み合わせ、(c)GK2とTXAの組み合わせ、及び(d)β−GRとTXAの組み合わせ、について、IL−12の産生抑制効果が得られるかを検討した結果を示す。aにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。 (a)GK2とβ−GRの組み合わせ、(b)ALAとTXAの組み合わせ、(c)GK2とTXAの組み合わせ、及び(d)β−GRとTXAの組み合わせ、について、IL−17の産生抑制効果が得られるかを検討した結果を示す。aにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。 IL−12のはたらきを図式化して示す。 IL−17のはたらきを図式化して示す。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含される抗歯周病組成物は、β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む。
これら抗歯周病組成物に含まれる各成分(β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウム)は、抗炎症剤として公知の成分であり、口腔用組成物分野においても抗炎症の目的で従来から用いられているものである。
抗歯周病組成物に含まれるグリチルリチン酸ジカリウムとβ−グリチルレチン酸の含有比率は、特に制限されないが、例えばモル比でグリチルリチン酸ジカリウム:β−グリチルレチン酸が1:0.00001〜500程度が好ましく、1:0.00005〜100程度がより好ましく、1:0.0001〜50程度がさらに好ましく、0.0005〜10程度がよりさらに好ましく、0.001〜2程度がなかでも好ましい。
抗歯周病組成物に含まれる各成分の含有量は、特に制限されず、適宜設定することができる。例えば、含まれるβ−グリチルレチン酸とグリチルリチン酸ジカリウムの合計量が、0.0001〜50重量%程度が好ましく例示され、0.001〜5重量%がより好ましく例示される。
本発明の抗歯周病組成物は、口腔用組成物として用いることができる。また例えば、医薬品、医薬部外品として用いることができる。これらは常法に従って製造することができる。また、本発明の抗歯周病組成物の形態は、特に限定するものではないが、常法に従って例えば軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、ジェル剤、液剤、スプレー剤、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、ガム剤、タブレット剤、トローチ剤、ドロップ剤、フィルム剤等の形態(剤形)にすることができる。なかでも、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、軟膏剤、ペースト剤、液剤、スプレー剤、ジェル剤であることが好ましく、口腔用組成物であることがより好ましい。
本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12産生及びIL−17産生を抑制することができる。従って、本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12及びIL−17産生抑制組成物ということもでき、本発明は当該IL−12及びIL−17産生抑制組成物も包含する。
また、本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12産生(特に口腔内でのIL−12産生)を抑制し、NK細胞の過剰活性化を抑えることにより、歯周病(特に慢性歯周病)の症状を改善する効果を奏し得る。また、IL−17産生(特に口腔内でのIL−17産生)を抑制し、過剰なディフェンシンの産生を抑えることにより、歯周病ケア(特に慢性歯周炎のケア)に有用である。よって、当該抗歯周病組成物は歯周病改善組成物ということもできる。特に、歯周病に起因する口腔内の諸症状の緩和や改善に用いることができる。当該諸症状としては、例えば歯肉の発赤、はれ、うみ、痛み、むずかゆさ、退縮、歯肉からの出血、歯周ポケットの深化あるいは口のねばり、口臭等が挙げられる。
本発明に係る抗歯周病組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、薬学的に許容される公知成分、あるいは食品衛生学的に許容される公知成分をさらに含んでもよい。特に、口腔用組成物に配合し得る公知の公知成分をさらに好ましく含有し得る。このような成分としては、例えば、界面活性剤、研磨剤、粘結剤、香味剤、甘味剤、湿潤剤、コンディショニング剤、防腐剤、保存剤、着色剤、pH調整剤等が挙げられるが、特に限定されない。以下、当該公知成分について記載するが、当該記載は例示であり、これに限定されるものではない。
例えば、界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的に例示すると、アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキルエーテルスルホコハク酸塩、アシルアミノ酸塩、グリセリン脂肪酸エステル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルグルタミン酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩などが挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、レシチンなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルベタインなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
研磨剤としては、研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、パミス(軽石)、ベントナイト、合成樹脂などが挙げられる。これら研磨剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体、キサンタンガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリン、寒天、ペクチン、プルラン、ジェランガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウムなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成高分子、増粘性シリカ、ビーガムなどの無機粘結剤、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性粘結剤が挙げられる。これら粘結剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
香味剤としては、メントール、カルボン、サリチル酸メチル、バニリン、ベンジルサクシネート、メチルオイゲノール、アネトール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン、タイム、ナツメグ、シンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油などが挙げられる。これら香料は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
甘味剤としては、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これら甘味剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
湿潤剤・ハイドロトロープ剤としては、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、ポリエチレングリコール、トルナーレ、トレハロース、ヒアルロン酸などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
コンディショニング剤としては、シリコーン誘導体、カチオン変性水溶性高分子、脂肪酸エステル、トリメチルグリシン、タンパク質加水分解物、アミノ酸およびその誘導体、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミド類などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
防腐剤・保存剤として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤として、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を配合してもよい。
pH調整剤として、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等を配合してもよい。これらは、組成物のpHが4〜8、好ましくは5〜7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。pH調整剤の通常配合量は0.01〜2重量%である。
また、そのほかの成分として、動植油脂、粉体、紫外線吸収剤、動植物抽出物なども挙げられる。
なお、本発明に係る抗歯周病組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、薬効成分として、例えば、殺菌剤として、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムなどのカチオン性殺菌剤;ドデシルジアミノエチルグリシンなどの両性殺菌剤;トリクロサン(2’,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル)などのハロゲン化ジフェニルエーテルやイソプロピルメチルフェノールなどのフェノール系殺菌剤;ヒノキチオール;血行促進剤として酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素;抗炎症剤としてイプシロンアミノカプロン酸など;出血改善剤としてアスコルビン酸など;組織修復剤としてアラントインなど;
再石灰化剤としてフッ化ナトリウムなどのフッ素化合物;その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硝酸カリウムなどが挙げられる。これらの薬効成分は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基剤として、水、アルコール類、シリコン、アパタイト、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等を用いることができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
ヒト歯肉線維芽細胞におけるIL−12又はIL−17産生抑制の検討
公知の抗炎症剤を組み合わせて用いた際の、IL−12又はIL−17の産生抑制効果を検討した。
ヒト歯肉線維芽細胞HGF−1((Gingival Fibroblast;Human(Homo sapiens))ATCC Item No.CRL−2014)を継代培養した。具体的には、96well接着細胞用プレートに200μLずつ0.5×10cells/wellとなるように播種し、培養した(37℃、5%CO、24時間)。そして、培養した細胞の培養液をデカントで除き、各抗炎症成分溶液又は各抗炎症成分組合せ溶液を200μLずつ適当な濃度で添加後、培養した(37℃、5%CO、2時間)。単独で添加した抗炎症成分の終濃度を表1に示す。また、組み合わせて抗炎症成分を添加した場合も、それぞれの抗炎症成分の終濃度は表1に記載の濃度と同じになるよう各抗炎症成分組み合わせ溶液を調製した。例えば、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)又はβ−グリチルレチン酸(β−GR)を単独で添加した場合の終濃度は、それぞれ10mM及び0.01mMであり、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)及びβ−グリチルレチン酸(β−GR)を組み合わせて添加した場合の終濃度も、それぞれ10mM及び0.01mMである。
なお、表1には各抗炎症剤の略号も併せて示す。各抗炎症成分について、当該略号を用いて記載することがある。
その後、さらにアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(A.a.)のLPSを終濃度1mg/mLで添加して培養し(37℃、5%CO、24時間)、その上清を回収した。なお、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(A.a.)は歯周病の原因菌の一つとして知られており、特に侵襲性歯周炎を引き起こす。Bio−Plex(Bio−rad)を用いて、当該上清に含まれるIL−12量又はIL−17量を測定した。そして、LPSのみ添加(抗炎症成分は添加せず)をコントロールとしてIL−12産生抑制率又はIL−17産生抑制率を以下の式により算出した。
IL−12産生抑制率=
{1−(抗炎症成分添加時IL−12産生量/LPSのみ添加時IL−12産生量)}×100

IL−17産生抑制率=
{1−(抗炎症成分添加時IL−17産生量/LPSのみ添加時IL−17産生量)}×100
<各抗炎症成分の組み合わせによる、IL−12産生抑制の検討>
(a)GK2とβ−GRの組み合わせ、(b)ALAとTXAの組み合わせ、(c)GK2とTXAの組み合わせ、及び(d)β−GRとTXAの組み合わせ、について、IL−12産生抑制効果を検討した。
結果を図1に示す。図1の縦軸は、IL−12産生抑制率(%)を示す。図1aにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。これらの図には4本の棒グラフが示されており、左端及び左から2番目が各抗炎症成分単独添加、左から3番目が抗炎症成分の組み合わせ添加、のIL−12産生抑制率を示している。右端の棒グラフは、左端及び左から2番目の各抗炎症成分単独添加時のIL−12産生抑制率を、単純に加算した値を示している。よって、左から3番目の棒グラフが右端の棒グラフよりも高い場合には、単なる相加効果以上の効果が得られたことを示す。
図1bに示されるように、ALAとTXAとを組み合わせたとしても、IL−12産生抑制効果は得られなかった。図1cに示されるように、GK2とTXAとを組み合わせても、それぞれ単独では奏されていたIL−12産生抑制効果と同程度の効果しか得られなかった。
図1dに示されるように、β−GRとTXAとを組み合わせると、TXA単独では奏されていたIL−12産生抑制効果が消失してしまった。このため、(b)、(c)及び(d)の組み合わせでは、IL−12産生抑制効果は全く得られなかった。一方で、図1aに示されるように、β−GR単独では効果が得られなかったところ、GK2とβ−GRとを組み合わせた場合には、GK2単独で奏されていたIL−12産生抑制効果を凌ぐ、優れたIL−12産生抑制効果が得られることが分かった。
<各抗炎症成分の組み合わせによる、IL−17産生抑制の検討>
IL−12産生抑制の検討と同様に、(a)GK2とβ−GRの組み合わせ、(b)ALAとTXAの組み合わせ、(c)GK2とTXAの組み合わせ、及び(d)β−GRとTXAの組み合わせ、について、IL−17産生抑制効果を検討した。
結果を図2示す。図2の縦軸は、IL−17産生抑制率(%)を示す。図2aにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図2bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図2cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図2dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。これらの図には4本の棒グラフが示されており、左端及び左から2番目が各抗炎症成分単独添加、左から3番目が抗炎症成分の組み合わせ添加、のIL−17産生抑制率を示している。右端の棒グラフは、左端及び左から2番目の各抗炎症成分単独添加時のIL−17産生抑制率を、単純に加算した値を示している。よって、左から3番目の棒グラフが右端の棒グラフよりも高い場合には、単なる相加効果以上の効果が得られたことを示す。
図2bに示されるように、ALAとTXAとを組み合わせたとしても、IL−17産生抑制効果は得られなかった。図2cに示されるように、GK2とTXAとを組み合わせても、それぞれ単独で奏されていたIL−17産生抑制効果とほとんど同程度のIL−17産生抑制効果(30%程度)しか得られなかった。図1dに示されるように、β−GRとTXAとを組み合わせても、TXA単独で奏されていたIL−17産生抑制効果とほとんど同程度のIL−17産生抑制効果(30%足らず)しか得られなかった。一方で、図2aに示されるように、GK2とβ−GRとを組み合わせた場合には、それぞれ単独で奏されていたIL−17産生抑制効果を加算した効果を凌ぐ、優れたIL−17産生抑制効果(45%近く)が得られることが分かった。
以上のIL−12産生抑制検討結果及びIL−17産生抑制検討結果から、GK2とβ−GRとを組み合わせた場合のみ、優れたIL−12産生抑制効果及び優れたIL−17産生抑制効果の両方の効果が得られることが分かった。

Claims (3)

  1. β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む、抗歯周病組成物。
  2. β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウムを含む、IL−12及びIL−17産生抑制組成物。
  3. 口腔用組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
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