JP6804917B2 - 抗歯周病組成物 - Google Patents

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本発明は、抗歯周病組成物に関する。
インターロイキン12(IL−12)は、免疫細胞の一つであるTh1細胞の分化を誘導することや(例えば非特許文献1)、NK細胞やNKT細胞のIFN−γ産生に主要因子として働く(例えば非特許文献2)ことが知られている。また、樹状細胞をリポ多糖(LPS)で刺激すると、NK細胞はIFN−γ産生を促進し、免疫機構を活性化することが知られている(例えば非特許文献3)。一方で、IFN−γはNK細胞を活性化し、細胞障害性を示すことも知られている。これらのことから、歯周病(特に慢性歯周病)患者において、免疫機能が正常に働いていない場合、NK細胞が過剰に活性化されると、細胞が破壊されてしまうと考えられる。従って、歯周病(特に慢性歯周病)患者においては、IL−12産生(特に口腔内でのIL−12産生)を抑制し、NK細胞の過剰活性化を抑えることが、歯周病(特に慢性歯周病)の症状を改善していくために、重要である。以上の内容を図式化して図3に示す。
Int J Mol Sci. 2010 Feb 26;11(3):789−806. Clin Diagn Lab Immunol. 2002 May;9(3):530−43. Infect Immun. 2004 Sep;72(9):5089−96.
本発明は、IL−12産生を抑制する手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の抗炎症剤を組み合わせることにより、優れたIL−12産生抑制効果を得られることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
トラネキサム酸及びβ−グリチルレチン酸からなる群より選択される少なくとも1種(好ましくはトラネキサム酸又はβ−グリチルレチン酸)と、グリチルリチン酸モノアンモニウムとを含む、抗歯周病組成物。
項2.
トラネキサム酸及びβ−グリチルレチン酸からなる群より選択される少なくとも1種(好ましくはトラネキサム酸又はβ−グリチルレチン酸)と、グリチルリチン酸モノアンモニウムとを含む、IL−12産生抑制組成物。
項3.
口腔用組成物である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
β−グリチルレチン酸を含んでなる、グリチルリチン酸モノアンモニウム又はグリチルチリン酸ジカリウムのIL−12産生抑制効果増強剤。
項5.
β−グリチルレチン酸を含んでなる、グリチルリチン酸モノアンモニウム又はグリチルチリン酸ジカリウムの抗歯周病効果増強剤。
本発明に係る組成物は、優れたIL−12産生抑制効果を奏することから、歯周病(特に慢性歯周病)の症状を改善していくために有用である。
トラネキサム酸と他の抗炎症成分とを組み合わせてIL−12の産生抑制効果が得られるかを検討した結果を示す。aにはGMAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。 β−グリチルレチン酸と他の抗炎症成分とを組み合わせてIL−12の産生抑制効果が得られるかを検討した結果を示す。aにはGMAとβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、bにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、cにはTXAとβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。 IL−12のはたらきを図式化して示す。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含される抗歯周病組成物は、トラネキサム酸及びβ−グリチルレチン酸からなる群より選択される少なくとも1種と、グリチルリチン酸モノアンモニウムとを含む。つまり、当該抗歯周病組成物は、少なくとも(i)トラネキサム酸及びグリチルリチン酸モノアンモニウムを含むか、又は少なくとも(ii)β−グリチルレチン酸及びグリチルリチン酸モノアンモニウムを含む。
これら抗歯周病組成物に含まれる各成分(トラネキサム酸、β−グリチルレチン酸、及びグリチルリチン酸モノアンモニウム)は、抗炎症剤として公知の成分であり、口腔用組成物分野においても抗炎症の目的で従来から用いられているものである。
上記(i)の組み合わせにおいては、抗歯周病組成物に含まれるトラネキサム酸とグリチルリチン酸モノアンモニウムの含有比率は、特に制限されないが、例えばモル比でトラネキサム酸:グリチルリチン酸モノアンモニウムが10:0.06〜50程度が好ましく、10:0.1〜30程度がより好ましく、10:0.15〜20程度がさらに好ましく、10:0.3〜10程度がよりさらに好ましい。また、10:0.3〜5、10:0.3〜2、又は10:0.3〜1でもあり得る。
上記(ii)の組み合わせにおいては、抗歯周病組成物に含まれるβ−グリチルレチン酸とグリチルリチン酸モノアンモニウムの含有比率は、特に制限されないが、例えばモル比でβ−グリチルレチン酸:グリチルリチン酸モノアンモニウムが1:0.001〜150程度が好ましく、1:0.003〜90程度がより好ましく、1:0.005〜60程度がさらに好ましく、1:0.01〜50程度がよりさらに好ましい。また、1:0.05〜50、1:10〜50、又は1:20〜50でもあり得る。
抗歯周病組成物に含まれる各成分の含有量は、特に制限されず、適宜設定することができる。例えば、上記の3成分のうち含まれる成分の合計量が、0.0001〜50重量%程度が好ましく例示され、0.001〜5重量%程度がより好ましく例示される。
本発明の抗歯周病組成物は、口腔用組成物として用いることができる。また例えば、医薬品、医薬部外品として用いることができる。これらは常法に従って製造することができる。また、本発明の抗歯周病組成物の形態は、特に限定するものではないが、常法に従って例えば軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、ジェル剤、液剤、スプレー剤、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、ガム剤、タブレット剤、トローチ剤、ドロップ剤、フィルム剤等の形態(剤形)にすることができる。なかでも、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、軟膏剤、ペースト剤、液剤、スプレー剤、ジェル剤であることが好ましく、口腔用組成物であることがより好ましい。
本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12産生を抑制することができる。従って、本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12産生抑制組成物ということもでき、本発明は当該IL−12産生抑制組成物も包含する。
また、本発明に係る抗歯周病組成物は、IL−12産生(特に口腔内でのIL−12産生)を抑制し、NK細胞の過剰活性化を抑えることにより、歯周病(特に慢性歯周病)の症状を改善する効果を奏し得る。よって、歯周病改善組成物ということもできる。特に、歯周病に起因する口腔内の諸症状の緩和や改善に用いることができる。当該諸症状としては、例えば、歯肉の発赤、はれ、うみ、痛み、むずかゆさ、退縮、歯肉からの出血、歯周ポケットの深化あるいは口のねばり、口臭等が挙げられる。
本発明に係る抗歯周病組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、薬学的に許容される公知成分、あるいは食品衛生学的に許容される公知成分をさらに含んでもよい。特に、口腔用組成物に配合し得る公知の公知成分をさらに好ましく含有し得る。このような成分としては、例えば、界面活性剤、研磨剤、粘結剤、香味剤、甘味剤、湿潤剤、コンディショニング剤、防腐剤、保存剤、着色剤、pH調整剤等が挙げられるが、特に限定されない。以下、当該公知成分について記載するが、当該記載は例示であり、これに限定されるものではない。
例えば、界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的に例示すると、アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキルエーテルスルホコハク酸塩、アシルアミノ酸塩、グリセリン脂肪酸エステル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルグルタミン酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩などが挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、レシチンなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルベタインなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
研磨剤としては、研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、パミス(軽石)、ベントナイト、合成樹脂などが挙げられる。これら研磨剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体、キサンタンガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリン、寒天、ペクチン、プルラン、ジェランガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウムなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウムなどの合成高分子、増粘性シリカ、ビーガムなどの無機粘結剤、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性粘結剤が挙げられる。これら粘結剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
香味剤としては、メントール、カルボン、サリチル酸メチル、バニリン、ベンジルサクシネート、メチルオイゲノール、アネトール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン、タイム、ナツメグ、シンナミックアルデヒド、ベンズアルデヒド、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油などが挙げられる。これら香料は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
甘味剤としては、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これら甘味剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
湿潤剤・ハイドロトロープ剤としては、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、ポリエチレングリコール、トルナーレ、トレハロース、ヒアルロン酸などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
コンディショニング剤としては、シリコーン誘導体、カチオン変性水溶性高分子、脂肪酸エステル、トリメチルグリシン、タンパク質加水分解物、アミノ酸およびその誘導体、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミド類などが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
防腐剤・保存剤として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤として、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を配合してもよい。
pH調整剤として、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等を配合してもよい。これらは、組成物のpHが4〜8、好ましくは5〜7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。pH調整剤の通常配合量は0.01〜2重量%である。
また、そのほかの成分として、動植油脂、粉体、紫外線吸収剤、動植物抽出物なども挙げられる。
なお、本発明に係る抗歯周病組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、薬効成分として、例えば、殺菌剤として、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムなどのカチオン性殺菌剤;ドデシルジアミノエチルグリシンなどの両性殺菌剤;トリクロサン(2’,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル)などのハロゲン化ジフェニルエーテルやイソプロピルメチルフェノールなどのフェノール系殺菌剤;ヒノキチオール;血行促進剤として酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素;抗炎症剤としてイプシロンアミノカプロン酸など;出血改善剤としてアスコルビン酸など;組織修復剤としてアラントインなど;
再石灰化剤としてフッ化ナトリウムなどのフッ素化合物;その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硝酸カリウムなどが挙げられる。これらの薬効成分は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明に係る抗歯周病組成物がトラネキサム酸を含む場合には、当該抗歯周病組成物はβ−グリチルレチン酸を含まないことがより好ましい。β−グリチルレチン酸は、トラネキサム酸のIL−12産生抑制効果を阻害するおそれがあるためである。
また、基剤として、水、アルコール類、シリコン、アパタイト、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等を用いることができる。
なお、本発明は、β−グリチルレチン酸を含んでなる、グリチルリチン酸モノアンモニウム又はグリチルチリン酸ジカリウムのIL−12産生抑制効果増強剤又は抗歯周病効果増強剤をも包含する。β−グリチルレチン酸は単独ではIL−12産生抑制効果を示さないものの、グリチルリチン酸モノアンモニウム又はグリチルチリン酸ジカリウムと組み合わせた場合には、これらのIL−12産生抑制効果を著しく高める効果を奏する。当該剤にも、上記抗歯周病組成物において説明した公知の成分を含有させることができ、常法に従って製造することができる。また、当該剤のβ−グリチルレチン酸の含有量は特に制限されず、例えば0.1〜100重量%、又は50〜95%程度であり得る。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
ヒト歯肉線維芽細胞におけるIL−12産生抑制の検討
公知の抗炎症剤を組み合わせて用いた際の、IL−12の産生抑制効果を検討した。
ヒト歯肉線維芽細胞HGF−1((Gingival Fibroblast;Human(Homo sapiens))ATCC Item No.CRL−2014)を継代培養した。具体的には、96well接着細胞用プレートに200μLずつ0.5×10cells/wellとなるように播種し、培養した(37℃、5%CO、24時間)。そして、培養した細胞の培養液をデカントで除き、各抗炎症成分溶液又は各抗炎症成分組合せ溶液を200μLずつ適当な濃度で添加後、培養した(37℃、5%CO、2時間)。単独で添加した抗炎症成分の終濃度を表1に示す。また、組み合わせて抗炎症成分を添加した場合も、それぞれの抗炎症成分の終濃度は表1に記載の濃度と同じになるよう各抗炎症成分組み合わせ溶液を調製した。例えば、グリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)又はβ−グリチルレチン酸(β−GR)を単独で添加した場合の終濃度は、それぞれ0.5mM及び0.01mMであり、グリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)及びβ−グリチルレチン酸(β−GR)を組み合わせて添加した場合の終濃度も、それぞれ0.5mM及び0.01mMである。
なお、表1には各抗炎症剤の略号も併せて示す。各抗炎症成分について、当該略号を用いて記載することがある。
その後、さらにアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(A.a.)のLPSを終濃度1mg/mLで添加して培養し(37℃、5%CO、24時間)、その上清を回収した。なお、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス(A.a.)は歯周病の原因菌の一つとして知られており、特に侵襲性歯周炎を引き起こす。Bio−Plex(Bio−rad)を用いて、当該上清に含まれるIL−12量を測定した。そして、LPSのみ添加(抗炎症成分は添加せず)をコントロールとしてIL−12産生抑制率を以下の式により算出した。
抑制率=
{1−(抗炎症成分添加時IL−12産生量/LPSのみ添加時IL−12産生量)}×100
<トラネキサム酸(TXA)と他の抗炎症成分との組み合わせについての検討>
トラネキサム酸は、抗炎症・抗アレルギー効果を有しており、且つ安全性が非常に高い成分として知られ、口腔用組成物や化粧品にも多く用いられていることから、トラネキサム酸と他の抗炎症成分とを組み合わせてIL−12の産生抑制効果が得られるかを検討した。
結果を図1に示す。図の縦軸は、IL−12産生抑制率(%)を示す。図1aにはGMAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1bにはALAとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1cにはGK2とTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図1dにはβ−GRとTXAの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。これらの図には4本の棒グラフが示されており、左端がトラネキサム酸以外の他の抗炎症成分単独添加、左から2番目がトラネキサム酸単独添加、左から3番目がトラネキサム酸以外の他の抗炎症成分とトラネキサム酸との組み合わせ添加、のIL−12産生抑制率を示している。右端の棒グラフは、トラネキサム酸以外の他の抗炎症成分単独添加時のIL−12産生抑制率と、トラネキサム酸単独添加時のIL−12産生抑制率とを、単純に加算した値を示している。よって、左から3番目の棒グラフが右端の棒グラフよりも高い場合には、単なる相加効果以上の効果が得られたことを示す。
図1bに示されるように、ALAとTXAとを組み合わせたとしても、IL−12産生抑制効果は得られなかった。図1cに示されるように、GK2とTXAとを組み合わせても、それぞれ単独で奏されていたIL−12産生抑制効果と同程度の効果しか得られなかった。図1dに示されるように、β−GRとTXAとを組み合わせると、TXA単独では奏されていたIL−12産生抑制効果が消失してしまった。一方で、図1aに示されるように、GMAとTXAとを組み合わせた場合には、それぞれ単独で奏されていたIL−12産生抑制効果を加算した効果を遙かに凌ぐIL−12産生抑制効果(加算効果の倍近い効果)が得られることが分かった。
<β−グリチルレチン酸(β−GR)と他の抗炎症成分との組み合わせについての検討>
β−グリチルレチン酸(β−GR)は、甘草から得られるグリチルリチン酸の加水分解によって得られる自然由来の成分であり、また優れた抗炎症作用を有することが知られ、広く口腔用組成物や化粧品に用いられていることから、β−グリチルレチン酸と他の抗炎症成分とを組み合わせてIL−12の産生抑制効果が得られるかを検討した。
結果を図2示す。図の縦軸は、IL−12産生抑制率(%)を示す。図2aにはGMAとβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図2bにはGK2とβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、図2cにはTXAとβ−GRの単独添加又は組み合わせ添加の結果を、それぞれ示す。図2a及び2bには4本の棒グラフが示されており、左端がβ−グリチルレチン酸以外の他の抗炎症成分単独添加、左から2番目がβ−グリチルレチン酸単独添加、左から3番目がβ−グリチルレチン酸以外の他の抗炎症成分とβ−グリチルレチン酸との組み合わせ添加、のIL−12産生抑制率を示している。右端の棒グラフは、β−グリチルレチン酸以外の他の抗炎症成分単独添加時のIL−12産生抑制率と、β−グリチルレチン酸単独添加時のIL−12産生抑制率とを、単純に加算した値を示している。よって、左から3番目の棒グラフが右端の棒グラフよりも高い場合には、単なる相加効果以上の効果が得られたことを示す。なお、図2cは図1dと同じである。
図2a〜cに示されるように、β−グリチルレチン酸単独では、IL−12産生抑制効果は全く得られないところ、TXAとβ−GRとを組み合わせると、TXA単独では奏されていたIL−12産生抑制効果が消失してしまった(図2c)一方、GMAとβ−GRとを、あるいはGK2とβ−GRとを組み合わせた場合には、GMA単独あるいはGK2単独で奏されていた効果を凌ぐIL−12産生抑制効果が得られた。このことから、β−GRは単独ではIL−12産生抑制効果を示さないものの、GMA又はGK2と組み合わせた場合には、これらのIL−12産生抑制効果を著しく高める効果を奏することが分かった。言い換えれば、β−GRは、GMA又はGK2のIL−12産生抑制効果増強剤としてはたらくことが分かった。当該増強効果は、GMAと組み合わせた場合の方がより高く、GMA単独の効果を2.5倍以上も高めることが分かった。

Claims (4)

  1. トラネキサム酸グリチルリチン酸モノアンモニウムとをモル比10:0.06〜50で含む、抗歯周病効果を奏する抗歯周病組成物。
  2. トラネキサム酸グリチルリチン酸モノアンモニウムとをモル比10:0.06〜50で含む、IL−12産生抑制効果を奏するIL−12産生抑制組成物。
  3. 口腔用組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. β−グリチルレチン酸を含まない、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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