JP2018052261A - 燃料遮断弁 - Google Patents

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夏司 三浦
勲次 北川
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Abstract

【課題】給油停止直後の追加給油を抑制可能とし、且つ、大型化を抑制しつつ容易に設計可能な燃料遮断弁を提供する。【解決手段】燃料遮断弁(10)において、第2フロート弁(90)は、給油開始後に第1液位(FL2)となった場合に第2ケーシング(80)の第2連通孔(87)を開けて第2接続孔(88)を閉じ、その後第1ケーシング(30)内の圧力が上昇した場合に第2接続孔(88)を開け、その後追加給油が実行された場合に第2連通孔(87)と第2接続孔(88)とを開け、第1フロート弁(50)は、第2連通孔(87)と第2接続孔(88)とが開いた状態で第2液位(FL12)に達した場合に第1ケーシング(30)の第1接続孔(31a)を閉じ、第2フロート弁(90)は、第1フロート弁(50)が第1接続孔(31a)を閉じた後に第2連通孔(87)を閉じる。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料遮断弁に関する。
車両に搭載されるなどして用いられる燃料タンクは、燃料タンク内で生じた燃料蒸気を排出するために接続管を介してキャニスタと接続される。燃料タンクと接続管との接続部分には、燃料遮断弁が設けられ、燃料タンクの内部と接続管との間の連通および遮断が実現される。このような燃料遮断弁として、ケーシング内に容器体を配置し、さらに、容器体の内部にフロート弁を配置し、ケーシング内に燃料が導入されて容器体に所定量の燃料が注がれると、フロート弁が浮いてケーシングと接続管との接続口を閉じる構成を有する燃料遮断弁が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の燃料遮断弁では、容器体に燃料が注がれた後、容器体の底部近傍に設けられた液抜き穴から燃料が少しずつ排出されることで、フロート弁の閉弁状態を比較的長い時間維持して、満タン状態となった直後における燃料タンクへの追加給油を抑制している。
特開2013−82427号公報
しかし、特許文献1の構成では、ケーシング内にフロート弁とは別に容器体を配置するために、装置全体が大型化するという問題がある。加えて、ケーシングに導入された燃料が容器体の上端の開口に達して容器体内に流入するまでに要する燃料供給量や、容器体に注がれてからフロート弁が浮くまでに要する燃料供給量を制御するために、例えば、ケーシングの大きさ、容器体の大きさ、および容器体の開口の大きさ等の設計に多くの工数を要するという問題があった。このため、給油停止直後の追加給油を抑制可能とし、且つ、大型化を抑制しつつ容易に設計可能な燃料遮断弁が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料遮断弁が提供される。この燃料遮断弁は、燃料タンクの内部と前記燃料タンクの外部に配置されている接続管との間の連通および遮断を行うための燃料遮断弁であって;前記接続管と接続する第1接続孔と、前記燃料タンクの内部と連通する第1連通孔と、が形成された第1ケーシングと;前記第1ケーシングと接続する第2接続孔と、前記燃料タンクの内部と連通する第2連通孔と、が形成された第2ケーシングと;前記第1ケーシングの内部を移動可能に配置され、前記第1ケーシング内の燃料の液位に応じて前記第1ケーシングの内部を移動して前記第1接続孔を開閉する第1フロート弁と;前記第2ケーシングの内部を移動可能に配置され、自身の配置位置に応じて前記第2接続孔と前記第2連通孔とを開閉する第2フロート弁と;を備え;前記第1連通孔は、前記第1フロート弁が前記第1接続孔を閉じた状態における前記第1ケーシング内の燃料の液位よりも上方に位置し;前記第2フロート弁は、給油開始後に前記燃料タンクの内部における燃料の液位が前記第2フロート弁と接する第1液位となった場合に、前記第2連通孔を開けると共に前記第2接続孔を閉じ、その後、前記第1連通孔を介して前記燃料タンクの内部から前記第1ケーシングの内部に燃料蒸気が流入することにより前記第1ケーシング内の圧力が上昇した場合に前記第2接続孔を開け、その後、追加給油が実行された場合に前記第2連通孔と前記第2接続孔とをいずれも開け;前記第1フロート弁は、前記第2連通孔と前記第2接続孔とがいずれも開いた状態で、前記第1ケーシングの内部における燃料の液位が、前記第1液位よりも高い予め設定された第2液位に達した場合に、前記第1接続孔を閉じ;前記第2フロート弁は、前記第1フロート弁が前記第1接続孔を閉じた後に、前記第2連通孔を閉じる。
この形態の燃料遮断弁によれば、燃料タンクの内部における燃料の液位が第1液位となった場合に第2フロート弁により第2接続孔が閉じられるので、第2接続孔および第1ケーシングを介して燃料蒸気が接続管へと排出されることを抑制して、燃料タンクの内部の圧力を上昇させることができ、給油の最初の停止を実現できる。加えて、その後、第1ケーシング内の圧力が上昇して、換言すると、燃料タンクの内部から第1ケーシングの内部に燃料蒸気が流入することにより燃料タンクの内部の圧力が低下して追加給油が可能となり、実際に追加給油が実行された場合に第2連通孔と第2接続孔とが開けられるので、第1ケーシング内に燃料を流入させることができる。そして、第1ケーシングの内部における燃料の液位が第2液位に達した場合に第1接続孔が第1フロート弁によって閉じられるので、第1接続孔を介して燃料蒸気が接続管へと排出されることを抑制して、燃料タンクの内部の圧力を上昇させることができ、第2番目の給油停止を実現できる。さらに、第1フロート弁が第1接続孔を閉じたに、第2フロート弁により第2連通孔が閉じられるので、第1ケーシング内の燃料が燃料タンクへと戻ることを抑制できる。このため、第2番目の給油停止の後、第1ケーシング内の液位が急速に下がることで第1フロート弁が第1接続孔を短時間で開けてしまい、燃料タンク内の圧力が急速に低下して追加給油が短時間で開始可能となることを抑制できる。さらに、第1ケーシング内に第1フロート弁を収容するための容器体を配置しなくて済むため、燃料遮断弁が大型化することを抑制しつつ、容器体の開口の大きさなどを設計する必要がないため、燃料遮断弁を容易に設計できる。以上より、本形態の燃料遮断弁によれば、給油停止直後の追加給油を抑制可能とし、且つ、大型化を抑制しつつ燃料遮断弁を容易に設計することができる。
(2)上記形態の燃料遮断弁において、前記第1ケーシングには、前記第1連通孔よりも下方であり且つ前記第2接続孔よりも上方に、前記燃料タンクの内部と連通し、前記第2接続孔および前記第2連通孔よりも小さな第3連通孔が形成されていてもよい。この形態の燃料遮断弁によれば、第1ケーシングには、第1連通孔よりも下方であり且つ第2接続孔よりも上方に燃料タンクの内部と連通する第3連通孔が形成されているので、第1フロート弁により第1接続孔が閉じられ且つ第2フロート弁により第2連通孔が閉じられた状態において、第3連通孔から第1ケーシング内の燃料を排出できる。ここで、第3連通孔は、第2接続孔および第2連通孔よりも小さいので、第2番目の給油停止の後、短時間で第1接続孔が開いてしまうことを抑制しつつ、その後、第1接続孔を開くことができる。このため、第2番目の給油停止後、しばらく経ってからの再給油を可能にできる。
(3)上記形態の燃料遮断弁において、前記第2フロート弁は;球状弁と;前記球状弁が移動可能に載置される半球状の内周面であって上方に開口した内周面を有し、前記第2ケーシングの内部と前記燃料タンクの内部とを連通する貫通孔が、自身の底部に形成されたボウル部と;前記ボウル部の外周縁から外径方向に突出し、前記第2フロート弁の配置位置に応じて、前記第2接続孔の開口端部および前記第2連通孔の開口端部に接して、前記第2接続孔および前記第2連通孔を開閉するフランジ部と;を有してもよい。この形態の燃料遮断弁によれば、貫通孔が底部に形成されたボウル部に球状弁が移動可能に載置されるので、第1の接続孔が第1フロート弁により閉じられた状態において、燃料タンクおよび燃料遮断弁が急激に移動するような状況において、球状弁を移動させて貫通孔を開放し、かかる貫通孔から第1ケーシング内に溜まった燃料を排出できる。したがって、第1フロート弁を下降させて第1接続孔を開放し、燃料タンク内の燃料蒸気を第1接続孔から排出させることができ、燃料タンク内の圧力が非常に上昇してしまうことを抑制できる。なお、燃料タンクおよび燃料遮断弁が移動するような状況とは、例えば、燃料タンクおよび燃料遮断弁が車両に搭載されており、かかる車両が給油直後に発進した場合などが想定される。
本発明は、燃料遮断弁以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料遮断弁を備えたキャニスタや、燃料遮断弁を備えた燃料タンクや、燃料遮断弁の製造方法や、燃料遮断弁を用いた給油方法等の形態で実現することができる。
本発明によれば、燃料タンクの内部における燃料の液位が第1液位の場合に第2フロート弁により第2接続孔が閉じられるので、第2接続孔を介して燃料蒸気が接続管へと排出されることが抑制され、燃料タンクの内部の圧力を上昇させることができ、燃料の給油の最初のストップを実現できる。加えて、その後、第1ケーシング内および第2ケーシング内の圧力が上昇して、換言すると、燃料タンクの内部から第1ケーシングの内部に燃料蒸気が流入することにより燃料タンクの内部の圧力が低下して追加給油が可能となり、実際に追加給油が実行された場合に第2連通孔と第2接続孔とが開けられるので、第ケーシング内に燃料が流入し得る。そして、第1ケーシングの内部における燃料の液位が第2液位に達した場合に第1接続孔が第1フロート弁によって閉じられるので、第1接続孔を介して燃料蒸気が接続管へと排出されることが抑制され、燃料タンクの内部の圧力を上昇させることができ、燃料の給油の第2番目のストップを実現できる。さらに、第1フロート弁が第1接続孔を閉じたに、第2フロート弁により第2連通孔が閉じられるので、第1ケーシング内の燃料が燃料タンクへと戻ることが抑制される。このため、第2番目のストップの後、第1フロート弁が第1接続孔を短時間で開けてしまい、燃料タンク内の圧力が急速に低下して追加給油が短時間で開始可能となることを抑制できる。さらに、第1ケーシング内に第1フロート弁を収容するための容器体を配置しなくて済むため、燃料遮断弁が大型化することを抑制しつつ、容器体の開口の大きさなどを設計する必要がないため、燃料遮断弁を容易に設計できる。以上より、本形態の燃料遮断弁によれば、追加給油を抑制可能にするために、大型化を抑制しつつ容易に設計することができる。
本発明の一実施形態としての燃料遮断弁が取り付けられた状態の燃料タンク、および燃料給油装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態としての燃料遮断弁を示す断面図である。 燃料遮断弁を分解して示す分解断面図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第1の説明図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第2の説明図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第3の説明図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第4の説明図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第5の説明図である。 給油時の燃料遮断弁の状態を示す第6の説明図である。
A.実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料遮断弁が取り付けられた状態の燃料タンク、および燃料給油装置を示す概略構成図である。なお、図1における下方は、鉛直下方GDに一致する。燃料タンクFTには、燃料給油装置200と燃料遮断弁10とが接続されている。燃料タンクFTは、自動車等の車両に搭載されており、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)から形成されたバリア層と、ポリエチレン(PE)から形成された外層とにより構成されている。燃料給油装置200は、燃料注入管IPを有する。燃料注入管IPの一方の端部には、注入口IPaが形成されており、かかる注入口IPaに給油ノズルFNが挿入される。燃料注入管IPの他方の端部は、燃料タンクFT内に配置されている。給油ノズルFNから供給される燃料は、燃料注入管IPを介して燃料タンクFT内に注入される。なお、給油ノズルFNの先端部の内側には、図示しない燃料センサが配置されている。
燃料タンクFTの上壁FTaには、取付孔FTcが形成されており、燃料遮断弁10は、下部が取付孔FTcから燃料タンクFT内部へと挿入された状態で、燃料タンクFTの上壁FTaに取り付けられている。また、燃料遮断弁10は、キャニスタCTに取り付けられているキャニスタ接続管CPと接続されている。キャニスタCTは、活性炭を有し、燃料遮断弁10およびキャニスタ接続管CPを介して供給される燃料の蒸発ガス(燃料蒸気)の吸着および脱着を行なう。燃料遮断弁10は、燃料タンクFTの内部とキャニスタ接続管CPとの間の連通および遮断を行なうための弁装置である。また、燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が所定液位まで上昇したときにキャニスタCTへの燃料(燃料蒸気)の流出を規制すると共に、給油を自動停止させるための機能を有する、いわゆるブリーザパイプ型の弁装置である。以下、燃料遮断弁10の各部の構成および作用について説明する。
図2は、本発明の一実施形態としての燃料遮断弁10を示す断面図である。図2では、燃料タンクFTおよびキャニスタ接続管CPと接続されている状態の燃料遮断弁10を示す。また、図2では、燃料遮断弁10の図示しない軸線を通る断面を示している。図2に示すように、燃料遮断弁10は、ケーシング20と、第1フロート弁50と、スプリング70と、第2フロート弁90とを備える。燃料遮断弁10を構成する上述のケーシング20と、第1フロート弁50と、第2フロート弁90とは、いずれも本実施形態では、樹脂により形成されている。このような樹脂としては、例えば、ポリアセタール(POM)を用いてもよい。なお、ポリアセタールに限らず、ポリアミド(PA)やポリカーボネート(PC)など他の任意のエンジニアリング・プラスチックを用いてもよい。また、エンジニアリング・プラスチックに限らず、任意の種類の樹脂を用いてもよい。
ケーシング20は、第1ケーシング30と、蓋体40と、第2ケーシング80と、を備える。第1ケーシング30は、中空の構造を有し、内部空間は第1弁室30Sとして用いられる。弁室30Sには、第1フロート弁50が鉛直上方および鉛直下方GDに移動可能に収容されている。後述するように、第1フロート弁50は、弁室30S内部に燃料が流入すると、浮力により鉛直上方に上昇する。また、弁室30S内部の燃料が排出されると、スプリング70の付勢力により鉛直下方GDに下降する。スプリング70は、コイルばねであり、一端は弁室30Sの底(第2ケーシング80の上方の外表面)に固定され、他端は第1フロート弁50に接続されている。
第1ケーシング30は、ドーム状の天井壁部31と円筒状の側壁部32とを有する。天井壁部31の下方端部は、側壁部32の上方端部に連なっており、第1ケーシング30の外観形状は、全体としてカップ状の外観形状を有する。天井壁部31の頂部分には、第1接続孔31aが形成されている。第1接続孔31aは、天井壁部31を厚さ方向に貫通する貫通孔である。第1接続孔31aは、蓋体40内部の通路42aと連通する。後述するように、通路42aはキャニスタ接続管CPと連通しているため、第1接続孔31aは、通路42aを介して第1弁室30Sをキャニスタ接続管CPに連通させる。天井壁部31の内側面において、第1接続孔31aの周囲には、下方に突出したシール部31bが配置されている。
側壁部32の下端は、第2ケーシング80の上方面に接合されている。換言すると、側壁部32の下方の開口は、第2ケーシング80によって部分的に塞がれている。「部分的に塞がれている」とは、後述するように、第2ケーシング80の上方端面には開口(後述の第2接続孔88)が接続されているため、かかる開口部分を除いて、側壁部32の下方の開口は、第2ケーシング80によって塞がれていることを意味する。側壁部32には、厚さ方向に貫通する2つの連通孔(第1連通孔33および第3連通孔34)が形成されている。第1連通孔33は、天井壁部31と側壁部32とが連なる部分の近傍に形成されている。この第1連通孔33の鉛直方向に沿った位置は、第1フロート弁50が第1接続孔31aを閉じた状態における第1弁室30S内の燃料の液面よりも高くなるように設定されている。第1連通孔33は、燃料タンクFTの上壁FTaに形成された取付孔FTcを介して、燃料タンクFTの内部と連通する。第1連通孔33は、取付孔FTcと共に、燃料タンクFT内の燃料蒸気を第1弁室30Sに導くために用いられる。第3連通孔34は、側壁部32の下方の開口近傍に形成されている。この第3連通孔34の鉛直方向に沿った位置は、第1フロート弁50が第1接続孔31aを閉じた状態における第1弁室30S内の燃料の液面よりも低くなるように設定されている。第3連通孔34は、第1弁室30S内に溜まった燃料を排出するために用いられる。ここで、第3連通孔34の直径は比較的小さい。より具体的には、第3連通孔34は、第2ケーシング80に形成されている後述の第2接続孔88および第2連通孔87よりも小さい。このため、第3連通孔34からの燃料の排出は、少しずつ行われる。
蓋体40は、蓋本体41と、蓋本体41の中央から側方へ突出した管体部42と、蓋本体41の外周に形成されたフランジ43とを備え、これらを一体に形成している。蓋本体41は、第1ケーシング30のうちの天井壁部31を覆うように配置されている。管体部42の内部には、通路42aが形成されており、この通路42aの一端は、第1接続孔31aを通じて第1ケーシング30の弁室30Sに接続され、他端はキャニスタ接続管CPに接続される。蓋本体41の下部には、第1ケーシング30の外周部の上端を溶着する内部溶着端43aが形成されており、フランジ43の下端部には、燃料タンクFTの上壁FTaに溶着される外側溶着部43bが形成されている。
第2ケーシング80は、中空の構造を有し、内部空間は第2弁室81として用いられる。第2弁室81には、第2フロート弁90が鉛直上方および鉛直下方GDに移動可能に収容されている。
図3は、燃料遮断弁10を分解して示す分解断面図である。第2ケーシング80は、筒状の外観形状を有し、内部空間は上述の第2弁室81として用いられる。第2ケーシング80の上方端面の周縁部は、第1ケーシング30の下端部と接合されている。第2ケーシング80の上方端面の中央部は、周縁部よりも若干上方に突出している。第2ケーシング80の上方には、厚さ方向に貫通する第2接続孔88が形成されている。第2接続孔88は、第1ケーシング30(第1弁室30S)と接続する。換言すると、第2接続孔88は、第1弁室30Sと第2弁室81とを連通する。第2弁室81に面した第2ケーシング80の内表面において、第2接続孔88の周りには、下方に突出したシール部83が形成されている。第2ケーシング80の上方端面において第2接続孔88の周りには、上方に突出した着座部84が配置されている。また、第2接続孔88の周縁部から第2接続孔88内に向かって(内側に向かって)突出した部分の先端にも、上方に突出した着座部85が配置されている。これら着座部84および着座部85は、第1フロート弁50が第1接続孔31aを開いた状態において第1フロート弁50(後述のフロート52)を下方から支持する。第2ケーシング80の下方中央部分には、下方に突出した筒状部86が形成されている。筒状部86の内側には、中空の第2連通孔87が形成されている。第2連通孔87は、燃料遮断弁10の外部、換言すると、燃料タンクFTの内部と、第2弁室81とを連通する。第2弁室81に面した第2ケーシング80の内表面において、第2連通孔87の周りには、上方に突出したシール部82が形成されている。
図3に示すように、第1フロート弁50は、フロート52と、フロート52の上部に配置された弁体60とを備える。フロート52は、第1フロート部53と、第2フロート部54と、弁支持部55とを備え、これらが一体に組み付けられた構成を有する。第1フロート部53は、第1フロート本体53aを備えている。第2フロート部54は、円筒形の外見形状を有し、収納穴54aを有する第2フロート本体54bを備えている。第1フロート部53と第2フロート部54とは、収納穴54aに第1フロート本体53aが嵌挿されることにより一体化されている。第1フロート本体53aの外周部の段部は、スプリング支持部53bとなっており、スプリング70の上端を支持している。図2に示すように、スプリング70は、第1フロート部53と第2フロート部54との間のスペースであるスプリング収納間隙52aの間に配置され、第2ケーシング80の上方端面と、スプリング支持部53bとの間に架け渡されている。図3に示すように、弁支持部55は、第1フロート部53の鉛直上方において第1フロート部53に連なっている。弁支持部55は、略円筒状の外観形状を有する。弁支持部55において鉛直方向の中央部分には、他の部分よりも大きな外径の環状突起部57が形成されている。環状突起部57と弁体60の底面との間にはスプリング68が配置されている。フロート52は、かかるスプリング68を介して弁体60を支持している。弁体60は、弁支持部55を内部に収容可能に構成されており、弁支持部55の軸線方向(鉛直方向)に沿って昇降可能であると共に、首振り可能に構成されている。弁体60の鉛直上方の端部61は、弾性変形可能な材料(例えば、ゴム)により薄板状に形成されている。フロート52の上昇に伴って弁体60が上昇し、端部61がシール部31bと接すると、第1接続孔31aは閉塞される。また、これとは反対に、フロート52の下降に伴って弁体60が下降し、端部61がシール部31bから離れると、第1接続孔31aは開放される。フロート52の上昇および下降は、第1弁室30Sと第2弁室81との圧力差、第1弁室30Sに流入した燃料による浮力、スプリング70による付勢力、フロート52および弁体60に加わる重力等の様々な要因により実現される。
図3に示すように、第2フロート弁90は、フロート部97と、球状弁99とを備える。フロート部97は、第2弁室81内を鉛直方向(上方および下方)に移動することにより、第2接続孔88および第2連通孔87を開閉する。
フロート部97は、ボウル部91と、筒状部94と、ガイド部95と、フランジ部93とを備える。ボウル部91は、上方に開口した半球状の内周面を有する半球状の外観形状を有し、筒状部94の上端部に配置され、筒状部94の上端開口を閉塞する。ボウル部91の底部には、厚さ方向に貫く貫通孔92が形成されている。貫通孔92は、第2弁室81内と燃料タンクFTの内部とを連通可能である。但し、通常状態においては、貫通孔92は球状弁99により閉塞されている。筒状部94の上端開口は上述のようにボウル部91により閉塞されている。他方、筒状部94の下端開口は開放されている。これにより、フロート部97(筒状部94)の内側には、筒状部94の内周面とボウル部91の外周面とで囲まれた空間96が形成されている。ガイド部95は、筒状部94の外周側面に配置されている。ガイド部95は薄板状の外観形状を有し、筒状部94の外周側面おいて鉛直方向に延びて配置されている。ガイド部95は、第2連通孔87に収容され、第2フロート弁90(フロート部97)が移動する際のガイドとして機能する。フランジ部93は、ボウル部91の外周縁から外径方向に突出している。フランジ部93は、第2フロート弁90が上下に移動した際に、シール部83およびシール部82に接することが可能な程度の大きさ(半径)を有する。そして、フランジ部93がシール部83に接した状態において、第2接続孔88は、第2フロート弁90により閉塞される。また、フランジ部93がシール部82に接した状態において、第2連通孔87は、第2フロート弁90により閉塞される。第2フロート弁90は、タンク内部と第2弁室81との圧力差、第2弁室81内に流入した燃料による浮力、第1弁室30Sおよび第2弁室81内に溜まった燃料の重さ、フロート部97および球状弁99に加わる重力等の様々な要因により、第2弁室81内を上方または下方に移動する。
球状弁99は、真円状の外観形状を有し、ボウル部91内に収容されている。通常状態においては、球状弁99は、ボウル部91の底部に位置するため、貫通孔92を塞ぐ。他方、車両の発進時や停止時などにおいて、燃料遮断弁10に対して横方向に慣性力が働く場合、球状弁99がボウル部91内を移動するため、貫通孔92は開放される。このとき、第2弁室81と燃料タンクFT内とは連通する。
A2.給油時の燃料遮断弁10の動作:
ユーザが注入口IPaに給油ノズルFNを挿入して給油を開始すると、比較的大きな流量で燃料が燃料タンクFT内へと供給される。例えば、30〜50リットル毎分程度の流量で燃料が燃料タンクFT内へと供給される。
図4は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第1の説明図である。図4では、給油開始後の燃料遮断弁10の断面を示している。図4では、燃料タンクFT内の燃料液位が位置FL1となっている。この位置FL1は、燃料遮断弁10の下端位置よりも下方である。図4に示す状態では、白抜きの矢印で示すように、燃料タンクFT内に溜まった燃料の液面から上方に燃料蒸気が上昇している。給油開始後、燃料タンクFT内の圧力が上昇して最初に給油が停止(以下、「第1給油停止」と呼ぶ)するまでは、上述のように、比較的大きな流量で燃料が燃料タンクFT内に供給されるため、燃料蒸気の流速は比較的速い。
図4の状態では、第1弁室30Sに燃料は無いため、第1フロート弁50は上昇しておらず、第1接続孔31aは開放されている。上昇する燃料蒸気により第2フロート弁90は上方に力を受け、図4に示すように、第2フロート弁90のフランジ部93は、シール部82から離れて、シール部82とシール部83との間に位置する。このため、第2連通孔87と第2接続孔88とはいずれも開放され、燃料蒸気は、第2ケーシング80における筒状部86の内周面と第2フロート弁90との間の隙間、第2弁室81、第2接続孔88をこの順序で通って第1弁室30Sへと供給される。さらに、燃料蒸気は、第1接続孔31aおよび通路42aを介してキャニスタ接続管CPへと排出される。このように、燃料タンクFT内の燃料蒸気が燃料遮断弁10を介してキャニスタ接続管CPへと排出されるため、燃料タンクFT内の圧力の急激な上昇は抑制され、給油ノズルFNからの給油は停止することなく継続して実行される。
図5は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第2の説明図である。図5では、図4に示す状態よりの後の状態を示す。図5の状態では、燃料タンクFT内の燃料液位は、燃料遮断弁10の下端、この場合、第2ケーシング80(筒状部86)の下端の位置と一致している。燃料は、第2ケーシング80における筒状部86の内周面と第2フロート弁90との間の隙間を上昇して第2弁室81に至り、燃料遮断弁10内の燃料液位は、位置FL10になっている。このとき、第2フロート弁90における空間96は燃料蒸気で満たされたまま燃料は流入しない。この空間96内の燃料蒸気と第2フロート弁90が受ける燃料による浮力とにより、第2フロート弁90は図4の状態から上昇して第2接続孔88を閉塞する。このため、燃料蒸気は、第2接続孔88から第1弁室30Sへと排出されなくなり、燃料タンクFT内の圧力は急激に上昇する。その結果、第1給油停止が起こる。このとき、第1弁室30S内と燃料タンクFT内とで大きな圧力差が生じている。具体的には、燃料タンクFT内の圧力は第1弁室30S内の圧力に比べて非常に大きくなっている。
図6は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第3の説明図である。図6では、図5に示す状態よりの後の状態を示す。図6の状態では、燃料タンクFT内の燃料液位は、図5の場合と同じFL2である。また、図6の状態では、燃料遮断弁10内(第2弁室81内)には、燃料はほとんど無い。第1給油停止の後、燃料タンクFT内の燃料蒸気は、取付孔FTcおよび第1連通孔33を介して第1弁室30Sに流入する。また、燃料タンクFT内の燃料蒸気は、第3連通孔34を介して第1弁室30Sに流入する。このため、第1弁室30S内と燃料タンクFT内との圧力差は減少する。第1弁室30Sに流入した燃料蒸気は、第1接続孔31aを介してキャニスタ接続管CPへと排出される。図6に示すように、第1弁室30S内の圧力の上昇によって第2フロート弁90は下方に押し戻され、第2連通孔87を閉塞する。燃料蒸気が少しずつ第1弁室30Sを介してキャニスタ接続管CPに排出されていき、しばらくすると、燃料タンクFT内の圧力が所定圧力よりも低下して、給油可能な状態となる。この場合、ユーザは、追加給油を行おうとする。このとき、第2連通孔87が閉塞されているため、第2弁室81を介した燃料蒸気の排出は行うことができないので、最初に給油を開始したときのような流速で給油を行うと、燃料タンクFT内の圧力が急激に上昇してしまい、短時間の間に給油停止となる。そこで、ユーザは、比較的小さな流速で追加給油を行う。例えば、10〜20リットル毎分程度の流量で燃料が燃料タンクFT内へと供給されることとなる。
図7は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第4の説明図である。図7では、図6に示す状態よりの後の状態を示す。図7の状態では、燃料タンクFT内の燃料液位は、図6の場合と同じFL2である。燃料遮断弁10内の燃料液位は、位置FL11である。この位置FL11は、第1弁室30S内の位置である。図6の状態から追加給油により、燃料および燃料内に含まれている燃料蒸気が第2フロート弁90を下方から押し上げるため、第2フロート弁90は上昇する。このとき、給油の流速は比較的低いため、第2フロート弁90は、最上位位置、すなわち、第2接続孔88を閉塞する位置まで上昇しない。換言すると、第2フロート弁90は、フランジ部93がシール部82およびシール部83のいずれにも接しない位置に配置される。さらに換言すると、第2フロート弁90は、第2接続孔88および第2連通孔87をいずれも開ける位置に配置されることとなる。したがって、燃料および燃料蒸気は第2弁室81を介して第1弁室30Sに流入することとなる。図7では、第1弁室30S内に流入した燃料内を上昇する燃料蒸気の気泡B1が複数描かれている。図7の状態は非常に短時間であり、第1弁室30S内の液面が次第に上昇して位置FL12に達すると、浮力によりフロート52および弁体60は上昇し、弁体60がシール部31bに接することとなる。このとき、第1フロート弁50(弁体60)により第1接続孔31aは閉塞される。このため、第1弁室30Sから通路42aへと燃料蒸気は排出されなくなり、燃料タンクFT内の圧力は急激に上昇し、第2番目の給油停止(以下、「第2給油停止」と呼ぶ)が発生する。
ここで、本実施形態の第2フロート弁90は、追加給油の際の比較的低い流速で燃料が燃料タンクFT内に供給された場合に、第2接続孔88および第2連通孔87をいずれも開けるような位置に所定時間だけ配置されるように予めチューニングされている。かかるチューニングには、浮力のチューニングと、第2フロート弁90の重量(体積)のチューニングとが含まれる。浮力のチューニングは、例えば、空間96の大きさを調整することにより実現できる。例えば、空間96の大きさをより大きくすることにより浮力をより大きくし、空間96の大きさをより小さくすることにより浮力をより小さくできる。空間96の大きさは、例えば、筒状部94の鉛直方向の長さや、筒状部94の厚みを調整することにより調整できる。第2フロート弁90の重量のチューニングは、例えば、第2フロート弁90を構成する各要素の厚みや各要素の材質を調整することにより実現できる。
図8は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第5の説明図である。図8では、図7に示す状態よりの後の状態を示す。図8の状態では、燃料タンクFT内の燃料液位は、図7の場合と同じ位置FL2である。燃料遮断弁10内の燃料液位は、位置FL12である。第2給油停止が生じた後、第1弁室30S内の燃料は自重により燃料タンクFT内に戻ろうとする。このため、第2フロート弁90は下方に押されて下降し、フランジ部93がシール部82に接して、第2連通孔87は閉塞される。
図9は、給油時の燃料遮断弁10の状態を示す第6の説明図である。図9では、図8に示す状態よりの後の状態を示す。図9の状態では、燃料タンクFT内の燃料液位は、図8の場合と同じ位置FL2である。燃料遮断弁10内の燃料液位は、位置FL12よりも低い位置FL13となっている。
図8の状態の後、取付孔FTcおよび第1連通孔33を介して第1弁室30S内に燃料タンクFT内から燃料蒸気が少しずつ流入する。これに伴い、第1弁室30S内の燃料は、第3連通孔34から少しずつ燃料タンクFT内へと漏れ出す。図9では、第3連通孔34から漏れ出す燃料の液滴Drが描かれている。このため、第1弁室30S内の燃料液位は次第に下降し、フロート52が受ける浮力が減少するため、第1フロート弁50は下降する。その結果、弁体60はシール部31bから離れ、第1接続孔31aは開放されることとなる。図9の状態では、第1接続孔31aが開放されているので、取付孔FTcおよび第1連通孔33を介して燃料タンクFT内から第1弁室30Sに流入した燃料蒸気は、第1接続孔31aおよび通路42aを介してキャニスタ接続管CPへと排出される。したがって、燃料タンクFT内の圧力は低減し、再び給油可能な状態に戻る。但し、第3連通孔34から漏れ出す燃料の流量は非常に小さいため、図8の状態から図9の状態になるまで比較的長い時間が掛かる。つまり、第2給油停止が発生してから、再び給油可能になるまでの時間は比較的長い。したがって、第2給油停止が発生した直後における更なる追加給油を抑制できる。
上述の実施形態において、キャニスタ接続管CPは、請求項における接続管の下位概念に相当する。また、位置FL2は請求項における第1液位の下位概念に、位置FL12は請求項における第2液位の下位概念に、シール部83は請求項における第2接続孔の開口端部に、シール部82は請求項における第2連通孔の開口端部に、それぞれ相当する。
以上説明した実施形態の燃料遮断弁10によれば、燃料タンクFT内における燃料液位が位置FL2となった場合に第2フロート弁90により第2接続孔88が閉じられるので、第2接続孔88および第1ケーシング30を介して燃料蒸気がキャニスタ接続管CPへと排出されることを抑制して、燃料タンクFTの内部の圧力を上昇させることができ、第1給油停止を実現できる。加えて、その後、第1ケーシング30内の圧力が上昇して、換言すると、燃料タンクFTの内部から第1ケーシング30の内部に燃料蒸気が流入することにより燃料タンクFTの内部の圧力が低下して追加給油が可能となり、実際に追加給油が実行された場合に第2連通孔87と第2接続孔88とが開けられるので、第1ケーシング30内に燃料を流入させることができる。そして、第1ケーシング30の内部における燃料の液位が位置FL12に達した場合に第1接続孔31aが第1フロート弁50によって閉じられるので、第1接続孔31aを介して燃料蒸気がキャニスタ接続管CPへと排出されることを抑制して、燃料タンクFTの内部の圧力を上昇させることができ、第2給油停止を実現できる。さらに、第1フロート弁50が第1接続孔31aを閉じたに、第2フロート弁90により第2連通孔87が閉じられるので、第1ケーシング30内の燃料が燃料タンクFTへと戻ることを抑制できる。このため、第2給油停止が生じた後、第1ケーシング30内の液位が急激に下がることで第1フロート弁50が第1接続孔31aを短時間で開けてしまい、燃料タンクFT内の圧力が急速に低下して追加給油が短時間で開始可能となることを抑制できる。さらに、第1ケーシング30内に第1フロート弁50を収容するための容器体を配置しなくて済むため、燃料遮断弁10が大型化することを抑制しつつ、容器体の開口の大きさなどを設計する必要がないため、燃料遮断弁10を容易に設計できる。以上より、本実施形態の燃料遮断弁10によれば、給油停止直後の追加給油を抑制可能とし、且つ、大型化を抑制しつつ燃料遮断弁10を容易に設計することができる。
また、第1ケーシング30には、第1連通孔33よりも下方であり且つ第2連通孔87よりも上方に燃料タンクFTの内部と連通する第3連通孔34が形成されているので、第1フロート弁50により第1接続孔31aが閉じられ且つ第2フロート弁90により第2連通孔87が閉じられた状態において、第3連通孔34から第1ケーシング30内の燃料(第1弁室30S内の燃料)を排出できる。ここで、第3連通孔34は、第2接続孔88および第2連通孔87よりも小さいので、第2給油停止発生後、短時間で第1接続孔31aが開いてしまうことを抑制しつつ、その後、第1接続孔31aを開くことができる。このため、第2給油停止後、しばらく経ってからの再給油を可能にできる。
また、第2フロート弁90の構成として、貫通孔92が底部に形成されたボウル部91に球状弁99が移動可能に載置されているので、第1接続孔31aが第1フロート弁50により閉じられた状態において、燃料タンクFTおよび燃料遮断弁10が急激に移動するような状況において、球状弁99を移動させて貫通孔92を開放し、かかる貫通孔92から第1ケーシング30内(第1弁室30S内)に溜まった燃料を排出できる。したがって、第1フロート弁50を下降させて第1接続孔31aを開放し、燃料タンクFT内の燃料蒸気を第1接続孔31aから排出させることができ、燃料タンクFT内の圧力が非常に上昇してしまうことを抑制できる。なお、燃料タンクFTおよび燃料遮断弁10が移動するような状況とは、例えば、燃料タンクFTおよび燃料遮断弁10を搭載した車両が給油直後に発進した場合などが想定される。
B.変形例:
B1.変形例1:
上記実施形態において、第1ケーシング30には、第3連通孔34が形成されていたが、第3連通孔34を省略してもよい。この場合、図8の状態(第1フロート弁50が浮力により上昇して第1接続孔31aを閉塞している状態)となった後、第1弁室30S内の燃料を排出することができない。したがって、図8の状態となった後、追加給油は不可能となる。しかしながら、その後、燃料タンクFT内の燃料が消費されて、燃料タンクFT内における燃料の液位が図4に示すように、第2フロート弁90の下端よりも低くなり、燃料蒸気により第2フロート弁90が若干浮いた状態となれば、第1弁室30Sおよび第2弁室81内の燃料は、第2連通孔87を介して燃料タンクFT内と戻ることとなる。
B2.変形例2:
上記実施形態では、第2フロート弁90は、貫通孔92が形成され、かかる貫通孔92を開閉する球状弁99を備えていたが、これらの構成要素(貫通孔92および球状弁99)を省略してもよい。かかる構成においても、実施形態と同様な効果を奏する。
B3.変形例3:
上記実施形態では、第1連通孔33は、取付孔FTcを介して燃料タンクFT内と連通していたが、本発明はこれに限定されない。第1連通孔33の形成位置を、上壁FTaよりも燃料タンクFTの内部側に形成し、第1連通孔33が取付孔FTcを介さずに直接第2接続孔88内と連通してもよい。
B4.変形例4:
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、実施形態では、燃料遮断弁10は、燃料タンクFTの上壁FTaの上面(外表面)に装着されていたが、上壁FTaの上面(外表面)に代えて、燃料タンクFTの上壁FTaの内表面に装着してもよい。かかる構成においては、燃料遮断弁10は、いわゆるインタンク式の遮断弁に相当する。
また、例えば、各実施形態において、燃料タンクFTは、樹脂により形成されていたが、樹脂に代えて、金属により形成してもよい。同様に、燃料遮断弁10の少なくとも一部を、樹脂に代えて金属により形成してもよい。例えば、球状弁99をアルミニウムやステンレス鋼により形成してもよい。
また、例えば、燃料タンクFTおよび燃料遮断弁10は車両に搭載されていたが、車両に限らず飛行機や船など任意の移動体に搭載されてもよい。また、移動体に搭載されることに代えて、地面等の固定物に設置されてもよい。
また、例えば、ケーシング20を構成する蓋体40、第1ケーシング30、および第2ケーシング80のうちの少なくとも1つの形状を変更してもよい。また、蓋体40と第1ケーシング30との接合箇所に、シール部材(例えばO−リング等)を配置してもよい。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する本実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料遮断弁
20…ケーシング
30…第1ケーシング
30S…第1弁室
31…天井壁部
31a…第1接続孔
31b…シール部
32…側壁部
33…第1連通孔
34…第3連通孔
40…蓋体
41…蓋本体
42…管体部
42a…通路
43…フランジ
43a…内部溶着端
43b…外側溶着部
50…第1フロート弁
52…フロート
52a…スプリング収納間隙
53…第1フロート部
53a…第1フロート本体
53b…スプリング支持部
54…第2フロート部
54a…収納穴
54b…第2フロート本体
55…弁支持部
57…環状突起部
60…弁体
61…端部
68…スプリング
70…スプリング
80…第2ケーシング
81…第2弁室
82…シール部
83…シール部
84…着座部
85…着座部
86…筒状部
87…第2連通孔
88…第2接続孔
90…第2フロート弁
91…ボウル部
92…貫通孔
93…フランジ部
94…筒状部
95…ガイド部
96…空間
97…フロート部
99…球状弁
200…燃料給油装置
B1…気泡
CP…キャニスタ接続管
CT…キャニスタ
Dr…液滴
FL1,FL2,FL10〜FL13…位置(液位)
FN…給油ノズル
FT…燃料タンク
FTa…上壁
FTc…取付孔
GD…鉛直下方
IP…燃料注入管
IPa…注入口

Claims (3)

  1. 燃料タンク(FT)の内部と前記燃料タンク(FT)の外部に配置されている接続管(CP)との間の連通および遮断を行うための燃料遮断弁(10)であって、
    前記接続管(CP)と接続する第1接続孔(31a)と、前記燃料タンク(FT)の内部と連通する第1連通孔(33)と、が形成された第1ケーシング(30)と、
    前記第1ケーシング(30)と接続する第2接続孔(88)と、前記燃料タンク(FT)の内部と連通する第2連通孔(87)と、が形成された第2ケーシング(80)と、
    前記第1ケーシング(30)の内部を移動可能に配置され、前記第1ケーシング(30)内の燃料の液位に応じて前記第1ケーシング(30)の内部を移動して前記第1接続孔(31a)を開閉する第1フロート弁(50)と、
    前記第2ケーシング(80)の内部を移動可能に配置され、自身の配置位置に応じて前記第2接続孔(88)と前記第2連通孔(87)とを開閉する第2フロート弁(90)と、
    を備え、
    前記第1連通孔(33)は、前記第1フロート弁(50)が前記第1接続孔(31a)を閉じた状態における前記第1ケーシング(30)内の燃料の液位よりも上方に位置し、
    前記第2フロート弁(90)は、給油開始後に前記燃料タンク(FT)の内部における燃料の液位が前記第2フロート弁(90)と接する第1液位(FL2)となった場合に、前記第2連通孔(87)を開けると共に前記第2接続孔(88)を閉じ、その後、前記第1連通孔(33)を介して前記燃料タンク(FT)の内部から前記第1ケーシング(30)の内部に燃料蒸気が流入することにより前記第1ケーシング(30)内の圧力が上昇した場合に前記第2接続孔(88)を開け、その後、追加給油が実行された場合に前記第2連通孔(87)と前記第2接続孔(88)とをいずれも開け、
    前記第1フロート弁(50)は、前記第2連通孔(87)と前記第2接続孔(88)とがいずれも開いた状態で、前記第1ケーシング(30)の内部における燃料の液位が、前記第1液位(FL2)よりも高い予め設定された第2液位(FL12)に達した場合に、前記第1接続孔(31a)を閉じ、
    前記第2フロート弁(90)は、前記第1フロート弁(50)が前記第1接続孔(31a)を閉じた後に、前記第2連通孔(87)を閉じる、
    燃料遮断弁(10)。
  2. 請求項1に記載の燃料遮断弁(10)において、
    前記第1ケーシング(30)には、前記第1連通孔(33)よりも下方であり且つ前記第2接続孔(88)よりも上方に、前記燃料タンク(FT)の内部と連通し、前記第2接続孔(88)および前記第2連通孔(87)よりも小さな第3連通孔(34)が形成されている、
    燃料遮断弁(10)。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料遮断弁(10)において、
    前記第2フロート弁(90)は、
    球状弁(99)と、
    前記球状弁(99)が移動可能に載置される半球状の内周面であって上方に開口した内周面を有し、前記第2ケーシング(80)の内部と前記燃料タンク(FT)の内部とを連通する貫通孔(92)が、自身の底部に形成されたボウル部(91)と、
    前記ボウル部(91)の外周縁から外径方向に突出し、前記第2フロート弁(90)の配置位置に応じて、前記第2接続孔(88)の開口端部および前記第2連通孔(87)の開口端部に接して、前記第2接続孔(88)および前記第2連通孔(87)を開閉するフランジ部(93)と、
    を有する、
    燃料遮断弁(10)。
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