JP2018051282A - 枕装着用頚部牽引シート - Google Patents
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Abstract
Description
一方、首・肩・腕の痛みを訴える患者に対し、専用の機械で軽く首を牽引する療法(牽引療法)が広く適用されている。牽引療法は、効果は認められるものの、治療費がかかる上に長期の通院を要する。
上記事情を背景に、就寝中に適度の牽引力が作用するよう、枕上面に特定構造のリブを設けた頚部牽引機能付きの枕が提案されている(特開2002−85230号公報、以下特許文献1)。
しかし、頭頚部の形状・寸法には個人差があるため、使用者にとっては枕形状が自分に最も適した枕でなければならず、他方枕製造業者は形状・寸法の異なる枕を多種類揃えなければならないという難点がある。
加えて、枕は容積がかさむので旅行に携行するのは難儀である。
そこで本発明者らは、頚部の牽引効果に優れ、かつ任意形状の枕に装着可能で、さらに旅行にも携行しやすい枕装着用頚部牽引シートの完成を課題として検討を進めた。
可橈性ポリマー材料よりなるシート状基部と、
当該シート状基部の面より突出する弾性発泡ポリマー材料の畝状隆起部と、を備え、
当該畝状隆起部は、互いに平行に配列しかつ上記シート状基部の面に対し同一方向に傾斜する多数列のリブにて構成されている
ことを特徴とする枕装着用頚部牽引シートである。
イ)枕上面(頭・頚部と接触する面)又は枕下面(寝具に接する面)に頚部牽引シートを挟む、
ロ)枕の長手方向を巻き軸として枕に巻く、態様がある。
イ)の装着態様においては、頚部牽引シートの位置がずれないよう、薄手の(例えば布製の)枕カバーと枕本体の間に当該頚部牽引シートを挿入するか、布製枕カバーに当該頚部牽引シートを収納するポケットを縫製し、その中に収納して使用するのが好ましい。
ロ)の装着態様においては、頚部牽引シートのサイズを、枕の長手方向を巻き軸として枕に巻いて装着できる寸法とし、かつ装着後の頚部牽引シートを固定できるようその両端部に留め部を備えるのが好ましい。
本態様において、頚部牽引シート(2)は、枕の長手方向を巻き軸として枕(1)に巻いて装着される。
図1は本態様の頚部牽引シート(2)の、枕装着前の全体を示す斜視図である。頚部牽引シート(2)は、可橈性ポリマー材料よりなるシート状基部(3)と、本シート状基部の面(31)より突出する弾性発泡ポリマー材料よりなる畝状隆起部(4)を基本構成とする。ここで、図2の断面図にて示すように、畝状隆起部(4)は、平行に配置された多数列のリブ(41)にて構成される。さらに、その各々のリブ(41)は、面(31)に対し、同一方向に傾斜している。
以下、頚部牽引シート(2)を構成する部材ごとに説明する。
シート状基部(3)の形状は平面視にて略矩形に形成されるのを基本とするが、ファッション性を加味した形状とすることもできる。
またシート状基部(3)の幅は、少なくとも頭部の幅以上である。寝返りを考慮すれば、枕の長手方向と略同等の幅を有することが好ましい。
各々のリブ(41)はシート状基部の面(31)に対し同一方向に傾斜している。傾斜しているリブ(41)に頭部の重量が加わることでリブ(41)は傾斜している方向に更に傾き、その結果頚部が牽引される。
ここで、リブ(41)が面(31)に対し傾斜する角度(リブの傾斜角、θ)(図3)は、上記弾性発泡ポリマーの見かけ密度と硬さにもよるが、面(31)の法線に対し10度〜45度の範囲が好ましい。
他方、離間距離を設ける代わりに、互いに接触するリブの少なくとも一方の壁面を低摩擦性材料の層で被覆する構成としてもよい。被覆手段として、低摩擦性材料の塗膜を形成させる方法や低摩擦材料の薄片を接着する方法が挙げられる。薄片として用いる低摩擦材料として、紙、発泡ポリスチロールを例示できる。上記薄片の厚みは1mm以下であることが好ましい。
また、上記リブ離間距離(d)の値がリブの幅(w)の値と等しいか又は大きい場合には、畝状隆起部(4)内側に二つ折りにし、リブ(41)を相対するリブの間の凹部に組み込ませることができるので、折りたたんだ後の容積がさらに縮小し、携行するのに便利である(図8)。
当該変法を採用の場合、牽引作用は、面(31)側のリブ(41)及び面(32)側のリブ(42)の双方の傾斜により引き起こされるため、牽引作用を調整するに際し、設計の自由度が増す等の利点がある。
リブ(41)に切込み(6)を加えることにより、牽引作用上、下記の優位性が生じる。
頭部重量が負荷されると、切込み(6)が無い場合には直接頭部が当たるリブ領域のみならず、その周辺のリブ領域も変形を伴い頭部重量を支えることとなる(図12)。(以後、頭部が当たっていないが変形を伴い頭部重量を支えるリブ領域を「頭部周辺リブ領域」と称する。)他方、切込み(6)が有る場合には、直接頭部が当たるリブ領域のみで頭部重量を支えることになる(図13)。結果、切り込み(6)が有る場合のリブの凹み(si)は切り込みの無い場合のリブの凹み(s)よりも大きくなる(図12、図13)。リブの凹みが大きいほどリブの傾きが増すため、切込み(6)はより強い牽引効果をもたらす。
就寝中は寝返りを打つことが多いが、切込み(6)を加えることにより以下の効果も期待できる。
すなわち、切込み(6)が有る場合には、頭部に当たっていない独立リブ(41i)は常に無負荷状態の初期状態にあるので、寝返りにより新たに頭部が当たる独立リブ(41i)は初期状態より大きく変形することとなる。他方寝返りにより頭部が当たらなくなった独立リブ(41i)は直ちに無負荷の初期状態に戻るので、その後寝返りが戻り再び頭部が当たる場合にも、常に初期状態より変形を開始する。このように、切込み(6)が備わると寝返りを何度行っても大きな牽引効果を維持できる。
他方、切込み(6)が無い場合には、寝返りが開始されると、頭部は先ず頭部周辺リブ領域に当たることとなるが、当該頭部周辺リブ領域は既に変形を伴っている状態(初期状態でない状態)にあるため、頭部重量が加わってもその更なる変形は切込み(6)のある場合よりも減ることとなる。同様の現象は、寝返りが戻る際にも生じる。
以上の理由により、畝状隆起部(4)を構成するリブ(41)に、当該リブ(41)の列に垂直方向かつシート状基部(3)の面に対し垂直方向に切込み(6)を加えることにより、牽引効果の一層優れる頚部牽引シートとすることができる。
2 頚部牽引シート
3 シート状基部
31,32 面
4 畝状隆起部
41,42 リブ
41i 独立リブ
5 留め部
6 切込み
t シート状基部厚み
θ,θ1,θ2 リブの傾斜角
h,h1,h2 リブの高さ
w,w1,w2 リブの幅
d,d1,d2 リブ離間距離
D 切込み間距離
s,si リブの凹み
Claims (10)
- 枕に装着する頚部牽引シートであって、
前記頚部牽引シートは、
可橈性ポリマー材料よりなるシート状基部と、
前記シート状基部の面より突出する弾性発泡ポリマー材料の畝状隆起部と、を備え、
前記畝状隆起部は、互いに平行に配列しかつ前記シート状基部の面に対し同一方向に傾斜する多数列のリブにて構成されている
ことを特徴とする枕装着用頚部牽引シート。 - 枕カバーと枕本体の間に挟んで装着する請求項1に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 枕の長手方向を巻き軸とし、かつ前記リブは前記巻き軸と平行となるように、枕に巻いて装着する請求項1に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記シート状基部の両端部に更に留め部を備える、請求項3に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記リブは前記シート状基部の面に対し10〜45度の範囲で傾斜している請求項1〜4のいずれか一項に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- リブ同士の離間距離はリブ幅以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記シート状基部と前記畝状隆起部とが、同一の弾性発泡ポリマー材料にて構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記弾性発泡ポリマー材料は、軟質ウレタンフォーム又は発泡ゴムである、請求項7に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記軟質ウレタンフォーム又は発泡ゴムは、見掛け密度(JIS K7222)が10kg/m3〜60kg/m3、硬さ(JIS K6400−2A法)が20N〜600Nの範囲である請求項8に記載の枕装着用頚部牽引シート。
- 前記畝状隆起部を構成するリブは、当該リブの配列方向に垂直かつ前記シート状基部の面に対し垂直に切込みを備えている、請求項1〜9のいずれかに記載の枕装着用頚部牽引シート。
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JP2021023453A (ja) * | 2019-08-01 | 2021-02-22 | 有限会社エルーチーリビング | クッション材 |
WO2024042786A1 (ja) * | 2022-08-24 | 2024-02-29 | 株式会社イノアックコーポレーション | シート付枕およびシート |
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2016
- 2016-10-31 JP JP2016212734A patent/JP6124428B1/ja active Active
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