JP2018049001A - 試料の熱分析時における温度調整の較正方法 - Google Patents

試料の熱分析時における温度調整の較正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料を熱分析する装置を較正するための方法を提供する。
【解決手段】光熱測定システム18、20、22による光熱測定を、装置10における複数個の試料ホルダ14−1〜14−4に順次に保持させた特定の試料P1〜P4に対して実施するステップと、該ステップの光熱測定に際して、各試料P1〜P4の第1側に対して電磁励起パルスを照射し、該励起パルスに起因して試料P1〜P4の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出し、複数個の試料ホルダ14−1〜14−4に対する光熱測定の結果を比較するステップと、各試料ホルダ14−1〜14−4における少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、装置10における温度測定システム26−1〜26−4及び/又は温度調整システム16−1〜16−4を、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の前提部に係る、試料を熱分析する装置のための較正方法に関する。
熱分析においては、各材料から採取される試料に基づいて、材料特性が温度の関数として分析される。従って、正確な温度測定、即ち試料温度を正確に測定することが重要である。
試料を熱分析するための従来技術に係る装置としては、例えば熱電対又は電気抵抗温度計として構成された温度センサが既知である。このような温度センサは、試料に対して熱接触するよう配置することができるため、試料の検査時にその温度測定を行うことができる。
しかしながら、温度測定においては誤差が生じ易い。これは、例えば、温度センサによって測定される温度が試料内部の温度ではなく、試料のエッジにおける温度だからである。このような測定誤差は、試料に直接に接触するよう配置されることができず、その代わりに装置の試料チャンバ内で試料に対して隣接するよう、即ち試料に対して離間するよう多くのケースで使用される温度センサであればより顕著に表れる。
温度測定におけるこの問題は、使用される温度センサ又はその温度センサで構成される温度測定システムを適切に「較正」すれば大幅に解消することができる。ここに較正とは、1つ以上の補正パラメータを算出及び記録し、後続する熱分析に際してそれらパラメータを考慮することを意味する。
このような温度測定システムの較正は、例えば、温度プログラム(試料温度の所定の時間変化)の過程で、既知の温度で溶融する1個以上の試料の温度を熱分析装置内にて測定し、温度測定システムによって測定したその測定溶融温度を、例えば文献に既知の溶融温度と比較すれば実現することができる。
較正に際しては、上述した溶融基準を利用する代わりに、例えば、既知のキュリー温度を有する試料を使用してもよい。
上述した較正を実施することのできる温度測定システムを備える熱分析装置は、様々な実施形態として従来技術に既知である。一例として、本出願人の装置「LFA 467 HT HyperFlash(登録商標)」を挙げることができる。この既知の装置は、
・試料を保持するよう構成された複数個の試料ホルダを有する試料チャンバと、
・複数個の試料ホルダのそれぞれに割り当てられると共に、それぞれの試料ホルダに保持された試料を温度調整するための制御可能な温度調整システム(この場合「小型の管状炉」)と、
・試料温度を測定するための温度測定システム(この場合、各試料ホルダに割り当てられた複数個の熱電対を有する)と、
・試料の第1側を電磁励起パルスで照射し、その電磁励起パルスによって試料の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出するための光熱測定システムと、
・温度調整システム及び光熱測定システムを制御すると共に、試料の温度以外の少なくとも1つの物理的特性(この場合、温度伝導率及び/又は特定の熱容量)を、試料温度の関数として表す測定データを記録するための制御・評価システムと、
を備える。
既知の較正方法における欠点は、例えば、これら較正方法におけるコストの大きさと、較正方法の実施が極めて特定の「較正温度」(これら特定の較正温度にて、溶融又は容易に検出可能な他の相転移が生じる)に限定されていることである。
比較的大きな温度範囲に亘って較正を実施する場合、各試料ホルダ(各「試料位置又は測定位置」)にて、基準として機能する異なる試料を使用して較正測定を何度も実施しなければならないため、より一層の困難が伴う。これら試料における異なる相転移温度により、該当の温度範囲において複数の「支持箇所」(較正温度)を得ることができる。
更に、材料に関して生じ得る化学反応についても常に留意しなければならない。これは、例えば、(約1115℃という既知のキュリー温度を有する)コバルト基準試料は、ケイ素を含有する試料ホルダ(例えばSiC)に使用することができないからである。即ち、コバルトは、高温ではケイ素と反応する。
本発明の課題は、上述した形式の較正方法に基づきつつ、その欠点を克服する代替的な較正方法を提供することである。
上述した形式の熱分析をする装置を較正するための本発明に係る方法は、光熱測定システムによる光熱測定を、(i)複数個の試料ホルダに順次に保持させた特定の試料に対して実施するか、又は(ii)複数個の試料ホルダのそれぞれに保持させた複数個の同様の試料に対して実施するステップと、を含み、該ステップの光熱測定に際して、各試料の第1側に対して電磁励起パルスを照射し、該励起パルスに起因して試料の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出し、複数個の試料ホルダに対する光熱測定の結果を比較するステップと、各試料ホルダにおける少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、温度測定システム及び/又は温度調整システムを、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップと、を含む。
本発明の基本的な考えは、熱分析装置に予め備えられた光熱測定システムを使用し、複数個の試料ホルダ又は複数の「試料位置」のそれぞれに対して、先ずは上述した形式の光熱測定を実施することである。即ち、特定の試料又は複数個の同様の試料が使用されれば「通常」は同じ測定結果が得られると期待されるが、実際の熱分析においては測定結果に違いが生じ得るため、光熱測定に関連させてそれら違いを考慮することにより、個々の試料ホルダ又は試料位置に関して補正パラメータが算出される。その後、算出された補正パラメータに基づいて、熱分析装置における温度測定システム及び/又は温度調整システムの較正を実施する。
較正方法の特に有利な実施形態において、上述した方法のステップは、適切な方法、例えば溶融基準の利用により、少なくとも1個の試料ホルダ又は1個の試料位置の温度測定(又は温度調整)に関連させて温度測定システム(及び/又は温度調整システム)が予め可能な限り正確に行われた後に実施する。その後、較正パラメータに基づいて上述した方法のステップを実施すれば、他の試料位置における温度測定に関して、温度測定システムの較正が極めて容易に実施可能となる。
本発明によれば、温度測定システムの代替又は付加として、各試料ホルダに割り当てられた複数個の温度調整システムを較正することもできる。背景は以下の通りである。
即ち、熱分析においては、温度調整システムによって全ての試料が可能な限り均一に温度調整される(換言すれば同じ試料温度に調整される)ことが望ましく、温度測定システムによってその「共通」の試料温度が可能な限り正確に測定されることが望ましい。
本明細書において、「温度測定システムの較正」とは、1つ以上の補正パラメータを算出すると共に記録し、これにより後続する熱分析に際して、それら補正パラメータを考慮することで試料温度をより正確に測定することを意味する。これに対して、「温度調整システムの較正」とは、1つ以上の補正パラメータを算出すると共に記録し、これにより後続する熱分析に際して、それら補正パラメータを考慮することで各試料の温度調整を均一化することを意味する。
この関連において、温度測定システムを補正するために算出した補正パラメータは、温度センサ信号から「検出した試料温度」への変換を確定又は修正(補正)するよう機能するのに対して、温度調整システムを較正するために算出した補正パラメータは、個々の温度調整システムにより生じた加熱比(又は冷却比)を互いに対して確定又は修正(補正)するよう機能する。
一実施形態において、温度測定システムは、試料チャンバ内に配置され、かつ複数個の試料ホルダによって共有される温度センサを有する。代替的又は付加的に、温度測定システムは、試料チャンバ内に配置され、かつ複数個の試料ホルダ(又は対応する試料位置)のそれぞれに割り当てられた温度測定センサを有する。
温度測定システムが全ての試料ホルダに共有される1個の温度センサだけを有する場合、例えば上述した「共通の試料温度」が測定されるのは言うまでもない(この場合、温度センサ信号から「検出した共通の試料温度」への変換に際して、少なくとも1つの補正パラメータを考慮することができる)。
逆に、温度測定システムが(代替的又は付加的に)試料ホルダのそれぞれに割り当てられた個々の温度測定センサを有する場合、温度検出に際して、有利には、(個々の試料ホルダ間又は試料位置間における不所望な温度差に関する)より詳細な情報を得ることができる。ただし上述した「共通」の試料温度は、この場合、即ち試料ホルダのそれぞれに個々の温度測定センサが割り当てられた場合も、例えば、個々の温度測定結果を平均化することによって検出することができる。代替的に、例えば、複数個の試料の温度調整に関してある程度の不均一性が許容される場合、個々の温度測定結果は、測定データの記録に際して、個々の(場合によっては異なる)試料における個別温度として考慮することができる。
上述したように、本発明に係る較正方法は、複数個の試料ホルダに共有される温度センサを1個しか有さない温度測定システムを備える装置にも適用することができる。この場合、その温度センサにより、「第1試料ホルダ」内に配置された試料の温度が(例えば「第1試料位置」に関して事前に実施された較正に基づいて)「正確」に検出されるが、「第2試料ホルダ」(又は更なる試料ホルダ)内に配置された試料の温度も正確に検出されるか否かは予め特定できないと仮定する。この仮定下において、2つの試料位置(場合によってはそれ以上の試料位置)に対して本発明に従う光熱測定を実施すれば、2つ又はそれ以上の光熱測定によって異なる結果が得られた場合に温度差を検出することができる。
この場合、算出した補正パラメータにより、温度測定システムは、例えば第2試料ホルダ(又は更なる試料ホルダ)における温度検出に関して補正することができ、及び/又は、第2試料ホルダに割り当てられた温度調整システムにおける(例えば加熱電流設定)の制御に関して補正し、これにより第2試料ホルダにおける温度を第1試料ホルダにおける温度により正確に適合させることができる。
一実施形態において、装置は、制御可能な試料交換システムを更に備え、その試料交換システムにより、各試料ホルダを、それら試料ホルダに保持された試料の光熱測定にとって適切な光熱測定システムに対する相対位置に順次に移動させることができる。これにより、有利には、各試料ホルダに関して同じ光熱測定システムが使用可能である。
一実施形態において、各温度調整システムは、各試料ホルダに割り当てられた電気作動式の加熱ジャケットを有する。
一実施形態において、制御・評価システムは、本発明に係る較正方法を実施するために、・装置における試料交換システムを制御し、これにより各試料ホルダを、該試料ホルダに保持させた試料の光熱測定にとって適切な光熱測定システムに対する相対位置に順次に移動させるステップと、複数回に亘る光熱測定において、(i)各試料を所定の温度に調整するために各温度調整システムを制御すると共に、試料の第1側を所定の電磁励起パルスで照射するために光熱測定システムを制御し、(ii)温度測定システムにより、試料の温度を測定し、(iii)試料の第2側から放出された熱放射の時間依存的な変化を表す測定データを記録するステップと、複数個の試料ホルダに対する光熱測定の結果を比較するステップと、各試料ホルダにおける少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、温度測定システム及び/又は温度調整システムを、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップと、を行うよう構成されている。
一実施形態において、光熱測定の比較結果は、放出された熱放射の時間依存的な変化の過程で到達した各最大値を含む。
以下、本発明を図示の例示的な実施形態に基づいて詳述する。
試料を熱分析するための例示的な実施形態に係る装置を示す説明図である。 温度に応じた温度伝導率をケイ素に関して示すプロット図である。 試料に対する光熱測定で検出された、熱放射の時間依存的な変化を例示するグラフである。 熱分析をするための装置の較正方法を示すフローチャートである。
図1は、試料を熱分析するための装置10の略図を示す。
装置10は、試料チャンバ12を備え、その試料チャンバ12は、試料を保持するよう構成された複数個(この場合4個)の試料ホルダ14‐1,14‐2,14‐3,14‐4を備える。
複数個の試料ホルダを設ければ、有利には、複数個の試料を同時に温度調整して検査することが可能となり、実際の分析に際して時間の大幅な短縮につながる。図1においては、4個の試料P1,P2,P3,P4が例示されており、それぞれ、試料ホルダ14‐1〜14‐4に配置されているため、例えば、装置10による熱分析を1つの「温度プログラム」の過程で実施することができる。
ここに温度プログラムとは、試料チャンバ12内における温度の時間依存的な変化の設定、従って試料(図1の実施形態ではP1〜P4)温度の時間依存的な変化の設定を意味する。
多くのケースにおいて好適な温度プログラムでは、開始温度から終了温度まで、試料チャンバ12内における温度を漸進的に増加させる。この場合、各温度ステップ後、(理想的には同じ)温度を一定に保ちつつ、試料をその試料温度以外の物理的特性に関して検査し、これにより(試料温度の関数としての)測定データを記録する。
試料温度を漸進的に変化させる温度プログラムの実現においては、特に、複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4のそれぞれに、制御可能な温度調整システム16‐1,16‐2,16‐3,16‐4が個別に割り当てられ、各試料ホルダに保持された試料の温度を調整できれば有利であることが判明している。有利には、これにより「熱慣性」が低減するため、温度プログラムの過程で、目標温度から他の目標温度への変化を比較的迅速に実施することが可能となり、やはり実際の熱分析に際して時間の大幅な短縮につながる。
図1に示すように、各温度調整システム16‐1〜16‐4は、電気作動式の加熱ジャケットを有することができる。これら加熱ジャケットは、各試料ホルダ14‐1〜14‐4に割り当てられるか又は各試料ホルダ14‐1〜14‐4に保持された試料P1〜P4を包囲している。
以下、図示の実施形態における試料ホルダ14‐1〜14‐4に保持された複数個の試料P1〜P4の位置は、「試料位置」PA,PB,PC及びPDとも称する。
言うまでもなく、試料P1〜P4を同時に温度調整する場合、試料チャンバ12内における温度が可及的に均一であるか、又は少なくとも試料位置PA〜PDにおける直接的な温度が可及的に均一であるのが望ましい。温度の均一な分布を可能とするため、試料ホルダ14‐1〜14‐4と、試料ホルダ14‐1〜14‐4に割り当てられた制御可能な温度調整システム16‐1〜16‐4は、それぞれ、完全に同一に構成されると共に、可及的に対称的(例えば、試料チャンバ12内における中央部の周方向に等距離に分布するよう)に配置されている。この場合、個々の温度調整システム16‐1〜16‐4は、(例えば、同じ加熱電流により)実質的に同様に制御される。従って、「理想的なケースにおいて」、試料位置PA〜PDにおける温度は全く同じである。
しかしながら、このような「温度調整の対称化」は、実際の熱分析における要件を必ずしも満たし得るものではないことが判明している。これは、特に、極めて高精度の温度検出及び/又は全試料の極めて均一な温度調整(同一試料温度)を実現する場合に当てはまる。
この背景に鑑み、図示の装置10においては、(個々の温度調整システムにおける加熱機能及び/又は冷却機能に従って)、温度検出及び/又は温度調整を較正するための特殊な方法が適用される。この較正方法については、以下により詳細に説明する。
装置10によって実施可能な各試料(例えば図示の試料P1〜P4)の「熱分析」を実施するため、図1には、励起源(この実施形態の場合はレーザー18)と、検出器(この実施形態の場合は赤外線検出器20)とを備える「光熱測定システム」が例示されている。励起源又はレーザー18は、各試料の第1側を電磁励起パルスで照射するよう機能し、検出器20は、下流側に配置された信号増幅器22と協働することにより、励起源に起因して各試料の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出するよう機能する。これにより、それ自体は既知の仕組みで、例えば、各試料における温度伝導率及び/又は特定の熱容量を分析することができる。
図示の実施形態において、装置10は、制御可能な試料交換システム24を備え、そのシステム24により、各試料ホルダ14‐1〜14‐4が光熱測定システム(18,20)による(この実施形態の場合は固定的な)光路内に運ばれる。図1の実施形態においては、第1試料P1が光熱測定システムによる光路内に配置されている。
このような試料交換システムは従来技術に既知であり、ここで詳細に説明する必要はない。試料交換システムは、例えば、モータ駆動式の「リボルバ」として構成され、この場合、制御された回転位置に応じて、試料ホルダ14‐1〜14‐4の1個を回転によって光熱測定システムの光路内に移動させることができる。
更に、装置10は、試料ホルダ14‐1〜14‐4上の試料温度を測定するための試料温度測定システムを備える。図示の実施形態において、その温度測定システムは、温度測定センサ26‐1,26‐2,26‐3又は26‐4を有する。この場合、各温度測定センサ26‐1〜26‐4は、それぞれ、対応する試料位置PA, PB, PC又はPDの近傍に配置され、従って各試料ホルダ14‐1, 14-2, 14-3又は14‐4に割り当てられている。
代替的又は付加的に、温度測定システムは、試料チャンバ12内に配置されると共に、複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4によって共有される温度センサを有することもできる。
更に、装置10は、温度調整システム16‐1〜16‐4及び光熱測定システムを制御すると共に、上述したように試料における温度以外の少なくとも1つの物理的特性(この場合、例えば、試料P1〜P4における温度依存的な温度伝導率)を試料温度の関数として表す測定データを記録するための制御・評価システム30を備える。
装置10は、光熱測定システムに加えて、更なる測定システムを備えることもできる。更なる測定システムの例として、試料を計量するための計量システム、又は(例えば熱膨張に起因して)試料が作用させる力を測定するための力測定システム、(例えば熱膨張に起因して)試料の寸法変化を測定するための長さ測定システムを挙げることができる。ただし、本発明の実現にとっては、上述した光熱測定システムのみ必要である。
図示の実施形態において、制御・評価システム30は更に、試料交換システム24を制御するよう構成されている。これにより、例えば、複数個の試料P1〜P4を熱分析するための連続する測定プログラムの過程で、各試料ホルダ14‐1〜14‐4を、それら試料ホルダ14‐1〜14‐4に保持された試料の光熱測定にとって適切な、光熱測定システムに対する、相対位置に順次に移動させることができる。
このように、各試料、例えば試料P1〜P4を装置に配置した後、制御・評価システム30により、試料P1〜P4を熱分析するための自動的な測定プログラムを実行することができる。この場合、例えば使用者が予め入力した温度プログラムに従って、試料温度が漸進的かつ同時的に増加するよう温度調整システムが制御され、また、このように調整された各温度又は各温度ステップにおいて各試料の第1側を所定の電磁励起パルスで照射するレーザー18が制御され、更に、照射に起因して検出器20が提供する信号が制御・評価システム30に供給されることにより、(この場合、例えば各試料P1〜P4における温度伝導率の温度依存的な変化を表す)対応測定データが記録される。
全ての試料P1〜P4は、試料交換システム24を制御することにより、温度プログラムの過程で調整された各温度にて順次に光熱測定することができる。その後、制御・評価システム30は、温度調整システム16‐1〜16‐4を制御することによって次に設定すべき温度を制御し、温度プログラムに規定された終了温度に到達するまで、上述した手順が新たに変更された温度に関して再び実施される。
個々の温度調整システム16‐1〜16‐4を同時に制御することによって実現される温度調整において、有利には、(現在検出されている試料温度に基づいて)制御を行うことができ、例えば、「比例制御」又は(好適には)より複雑な制御(例えば「PI」又は「PID」制御)を行うことができる。
図2は、装置10によって分析可能な試料における物理的特性の一例として、ケイ素試料の温度伝導率αを試料温度Tに応じて示す。
図2に明らかなように、温度伝導率αは、温度Tの増加に伴い大きく低下している。図示の10 K〜1000 Kの範囲においては、例えば、温度伝導率αが約5桁分低下している。装置10における上述の光熱測定システムにより、温度伝導率αに関するこのような温度依存的な変化を実質的に試料に関わらず測定することができる。熱伝導率αのこのような測定は(いわゆるLFA(「レーザー/光フラッシュ分析」)法)として既知ではあるが、図3に関連させて簡単に言及する。
図3は、不透明な試料において、検出器20で検出された熱放射強度を表す検出信号Iを時間tの変化に応じて示す。
説明を簡単にするため、熱放射強度Iの時間依存的な変化I(t)は、(検出器20を指向する)試料の第2側(以下において「試料裏側」とも称する)における温度T2の時間依存的な変化T2(t)を同時に表すものと理解されたい。
基本的に、検出器20の特性と、その検出器20の下流側に配置された信号増幅器22の増幅特性を把握していれば、制御・評価システム30により、直接に検出した変数I(t)を、後続する更なる評価にとって必要になり得る変数T2(t)に常に変換することができる。
図3に示すt=0の時点においては、(レーザー18を指向する)試料の第1側(以下において試料表側とも称する)に対して、所定のエネルギーを有する短い励起パルス、及び/又は、所定の時間変化に亘る放射電流密度(パルス持続時間は、例えば約10 μs)が照射される。
不透明な試料、即ち熱放射の透過性が小さい試料の場合、試料表側に対する照射による熱入力は、励起パルスによる照射電流密度の時間tに亘る積分値に、照射面積を乗じた値に対応する。実際の熱分析において、試料表側に対する励起パルスの持続時間(「時間幅」)は、基本的に(そして好適には)、試料の厚さ及び試料の特性(特に、例えば温度伝導率α及び熱伝導率k)に応じて試料裏側で生じる温度変化の持続時間に比べて遥かに小さい。この場合、例えば、励起パルス(例えば約10 J)の全エネルギー量が把握できていれば十分である。
図3に示すように、約t=130 msの時点にて、温度又は熱放射強度I(t)が試料裏側で増加している。これは、試料表側に作用させた熱エネルギーが約130 ms後に試料裏側に「到達」することを意味する。
約t=1500 msの時点にて、強度I(t)は最大値に達する。これはt=1500 msの時点以降、対流によって試料内部を通過して引き続き供給される熱に比べて、試料裏側にて対流及び/又は放射によって環境への「損失」を生じる熱がより大きいことを意味する。
言うまでもなく、上述した各時点のみならず、熱放射強度I(T)の変化全体の詳細は、特に試料パラメータα及びkに依存するものであり、適切な物理・数学的モデルにより表すことができる。従って、算出された強度Iの時間(t)変化に基づく曲線あてはめにより、パラメータα及びkを(例えば、「最小二乗法」により、パラメータα及びkの数学的「フィッティング」に基づいて)容易に推定することができる。このように、各試料におけるパラメータである温度伝導率(α)及び熱伝導率(k)を算出することができる。
制御・評価システム30は、適切な評価手段(例えばプログラム制御されたプロセッサユニット)と、算出された試料パラメータを出力又は記録するためのディスプレイ及び/又はストレージ手段を有するか又はこれら手段に接続することができる。
評価に適した物理・数学的モデルを含む上述した方法は、例えば、独国特許出願公開第102012106955号明細書に記載されている。
本発明において、装置10が備えると共に、レーザー18及び検出器20により構成される光熱測定システムは、一方では、「熱分析」のために記録すべき測定データが得られる測定システムの一例に過ぎず、他方では、本発明(即ち、装置10の較正)にとって必要不可欠な測定システムでもある。この点は、以下の較正に関する記載によって明らかになる。
図示の例示的な実施形態において、測定データを記録するために必要な温度測定は、温度測定センサ(例えば熱電対)によって制御・評価システム30に供給されるセンサ信号(例えば熱起電力)に基づいている。
実際の熱分析の温度測定に際しては、各試料位置PA〜PDに関して、程度の差こそあるが基本的には大きな系統的測定誤差が生じる。なぜなら、温度測定センサ26‐1〜26‐4は、各試料P1〜P4に配置されるのではなく、各試料P1〜P4に隣接して(図示の実施形態においては、例えば各試料ホルダに)配置されるからである。
上述した測定誤差との関連において重大な点は、温度調整システム16‐1〜16‐4を特定の加熱電流強度で同一かつ同時に制御したとしても、実際の熱分析においては、例えば、試料ホルダ14‐1〜14‐4と、これら試料ホルダ14‐1〜14‐4に割り当てられる温度調整システム16‐1〜16‐4の製造及び配置に関する不可避的な公差(又は他の「非対称性」)に起因し、各試料位置PA〜PD間で不所望の温度差が生じ得ることである。
従って、制御・評価システム30は較正機能を有する。その較正機能に基づいて、各試料位置PA〜PDに関して「較正パラメータ」を利用することにより、温度検出及び/又は温度調整の「較正」が行われる。
以下、装置10における温度測定システム及び/又は温度調整システムの較正方法について説明する。この場合に較正とは、(試料温度をより正確に検出するか又は個々の試料P1〜P4の条件を可能な限り同じにするため)熱分析における後続的な利用にとって不可欠な補正パラメータの算出及び記録を意味する。
本発明に係る較正方法は、
・光熱測定システム(この場合、レーザー18、検出器20、信号増幅器22)による光熱測定を、(i)複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4に順次に保持させた特定の試料に対して実施するか、又は(ii)複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4のそれぞれに保持させた複数個の同様の試料に対して実施するステップと、を含み、
該ステップの光熱測定に際して、各試料の第1側に対して電磁励起パルスを照射し、該励起パルスに起因してその試料の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出し、
・複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4に対する光熱測定の結果を比較するステップと、
・各試料ホルダ14‐1〜14‐4又は各試料位置PA〜PDにおける少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、
・温度測定システム(この場合、温度測定センサ26‐1〜26‐4)及び/又は温度調整システム16‐1〜16‐4を、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップと、
を含む。
図示の例示的な実施形態において、上述した較正方法は、自動的に実施されるのが有利であり、そのために制御・評価システム30は、
・装置10における試料交換システム24を制御し、これにより各試料ホルダ14‐1〜14‐4をそれら試料ホルダ14‐1〜14‐4に保持させた試料の光熱測定にとって適切な光熱測定システムに対する相対位置(図1の左側)に順次に移動させるステップと、
・複数回に亘る光熱測定において、(i)各試料を所定の温度Tに調整するために各温度調整システム16‐1〜16‐4を制御すると共に、試料の第1側を所定の電磁励起パルスで(好適には、各光熱測定において完全に同じように)照射するために光熱測定システムを制御し、(ii)温度測定システム26‐1〜26‐4により、試料温度を測定し、(iii)試料の第2側から放出された熱放射の時間依存的な変化を表す測定データ(図3のI(t)を参照)を記録するステップと、
・複数個の試料ホルダ14‐1〜14‐4に対する光熱測定の結果を比較するステップと、
・各試料ホルダ14‐1〜14‐4における少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、
・(制御・評価システム30と関連させて)温度測定システム26‐1〜26‐4及び/又は(制御・評価システム30と関連させて)温度調整システム16‐1〜16‐4を、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップと、
を行うよう構成されている。
図4は、図示の方法の実施形態にとって重要なステップを再度示す。
ステップS1では、光熱測定を実施する。
ステップS2では、複数個の試料ホルダに対する光熱測定の結果を比較する。
ステップS3では、各試料ホルダにおける補正パラメータを、比較結果に基づいて算出する。
ステップS4では、実際の較正を実施する。この場合、補正パラメータを制御・評価システム30に記録し、後続する熱分析において(即ち、温度測定又は温度調整システム16‐1〜16‐4の制御に際して)考慮する。
特に好適な実施形態において、光熱測定結果の比較(S2)は、放出された熱放射の時間依存的な変化(図3の強度Iを参照)における各最大値の比較を含む。
この最大値は、図3の例において、Imaxとして表されている。
特定の試料又は複数個の同様の試料に対して同一の電磁励起パルスで光熱測定を実施する場合、最大値Imaxは、全試料ホルダ14‐1〜14‐4又は試料位置PA〜PDに関して等しいのが理想である。
しかしながら、ステップS2にて、個々の測定間で違いが確認された場合、ステップS3にてこれら違いを考慮し、適切な補正パラメータを算出する。これにより、後続する熱分析に際して補正パラメータを考慮すれば、温度検出をより正確に行うことができ、及び/又は、個々の試料(図1の試料P1〜P4参照)における温度調整を(各試料温度が「同一」又は共通という意味で)より均一に行うことができる。
この点について、図1の実施形態の例に基づいて以下に再度言及する。
この場合、(制御・評価システム30と関連付けられた)温度測定システム26‐1〜26‐4が、第1試料ホルダ14‐1又は第1試料位置PAに関して他の方法により既に較正されたと仮定する。即ち、例えば、1個以上の「溶融基準」(既知の溶融温度を有する試料)が試料位置PA上にて温度調整され、温度測定センサ26‐1によって測定された試料温度と、既知の溶融基準試料との比較に基づいて制御・評価システム30内におけるセンサ信号処理が調整されることにより、温度測定センサ26‐1によって算出された試料温度が「正確」であると仮定する。
その後、1つ以上の同じ「較正温度」(又は「支持箇所」として機能する1つ以上の他の較正温度)で、ステップS1,S2における上述した光熱測定を全ての試料位置PA〜PDにて実施し、その測定結果を比較することができる。以下においては、一例として、算出された熱放射の時間依存的な変化の過程で到達した各最大値Imaxが比較されるものと仮定する。
更に、一例として、(試料位置PAに関して正確に測定され、従って特定かつ既知の較正温度)の最大値Imaxが試料位置PA,PB,PCと同じではあるが、試料位置PDとは逸脱していると仮定する。従ってこの場合、試料位置PDの最大値Imaxは、試料位置PA,PB,PCと比べて、例えば1%大きい。
試料位置PDの最大値Imaxが試料位置PAの最大値Imaxに比べて大きいということは、試料位置PDで測定された試料が、試料位置PAで(事前に又は同時に)測定された試料とは異なる特性を有することを意味する。この点は、試料位置PDの試料温度が、試料位置PAの試料とは異なる温度に調整されたと説明することができる。
この場合、制御・評価システム30は、(既知の)試料温度における最大値Imaxの温度依存性を考慮することにより、試料位置PDの温度が試料位置PAの温度に比べて小さいか又は大きいかを判定し、場合によっては、この温度差が実際にどの程度の大きさであるかを判定することもできる。
このように、上述した仮定下において、制御・評価システム30は、試料位置PDに関して「温度調整補正パラメータ」を算出するか(又は既に記録された補正パラメータを更新)することができる。これにより、試料位置PAで求められた較正温度に関連すると共に、温度調整システム16‐4に供給された制御信号に基づいて、試料位置PDの温度を試料位置PAの温度により正確に適合させることが可能となる。
少なくとも他の方法によって事前に補正されていない試料位置(この場合、PB〜PD)における「温度調整補正パラメータ」の算出は、例えば、上述した較正ステップを繰り返し実施することにより行ってもよく、更には、算出すべき補正パラメータの時間依存的な変化における「支持箇所」として機能する複数の異なる較正温度に関して行うこともできる。なお、算出すべき補正パラメータの時間依存的な変化に関しては、その「支持箇所」の間が内挿法によって補完される。
有利には、温度調整のこのような較正後に、温度検出の較正を実施することもできる。この場合、図示の実施形態において「正確」であると想定される試料位置PAの温度検出を較正の基準として利用し、他の試料位置、即ちPB,PC,PDに関して検出された温度を評価することにより、これら他の試料位置PB,PC,PDに関してどの程度の補正が必要であるかを判定する。
温度検出の較正を可能とするため、制御・評価システム30は、試料位置PB, PC及びPDに関して「温度検出補正パラメータ」を算出する(又は既に記録された補正パラメータを更新する)ことができる。これにより、試料位置PAで求められた較正温度に関連すると共に、試料位置PB, PC及びPDで検出された温度を、試料位置PAで検出された温度に適合させることが可能となる。
各試料位置(この場合、PB〜PD)における「温度検出補正パラメータ」の算出は、有利には、算出すべき補正パラメータの時間依存的な変化における「支持箇所」として機能する複数の異なる較正温度に関して行うこともできる。なお、算出すべき補正パラメータの時間依存的な変化に関しては、その「支持箇所」の間が内挿法によって補完される。
温度調整及び温度検出が較正された後、後続する熱分析においては、(個々の温度調整システム16‐1〜16‐4間における加熱比がより等しくなるため)温度調整の均一化と、(例えば、温度測定センサ26‐1〜26‐4から供給された信号を「補正」して対応の温度情報に変換できるため)温度測定における精度の向上とを実現することが可能となる。
以上を要約すれば、本発明に係る装置10の較正においては、その装置10における温度測定システム及び/又は温度調整システムが較正可能とされている。その較正は、一方では、最大値Imaxに基づいて、温度調整に際して実際に全ての試料位置PA〜PDに関して同じ試料温度が得られたことが確認(最大値Imaxが同一であることにより確認可能)されるまで、他方では、温度測定センサ26‐1〜26‐4により試料位置PA〜PDに関して算出される全ての試料温度が同じであることが確認されるまで、場合によっては繰り返し実施することができる。この場合、上述した較正ステップの実施前に、他の方法により温度検出の較正が複数個の試料ホルダ12‐1〜12‐4の少なくとも1個に関して既に行われていれば特に有利である。この場合、「較正されていない他の試料ホルダ」は、較正ステップに基づいて、事前に較正された試料ホルダに適合するよう調整することができる。
特に、熱分析を実施するための装置において、その熱分析が大きな温度範囲に亘って実施される場合、上述した較正方法を、「その大きな温度範囲に亘る支持箇所」として機能する複数の試料温度(「較正温度」)に関して実施するのが好適である。これにより、温度測定システム及び/又は温度調整システムの較正が特定の温度に関してのみ実現されずに、複数の「較正温度」に関して実現される。

Claims (7)

  1. 試料を熱分析するための装置(10)の較正方法であって、前記装置(10)は、
    ・試料(P1,P2,P3,P4)を保持するよう構成された複数個の試料ホルダ(14‐1,14‐2,14‐3,14‐4)を有する試料チャンバ(12)と、
    ・前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に保持された試料(P1,P2,P3,P4)の温度を調整するために、前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に割り当てられると共に、制御可能な温度調整システム(16‐1,16‐2,16‐3,16‐4)と、
    ・前記試料(P1〜P4)の温度を測定するための温度測定システム(26‐1,26‐2,26‐3,26‐4)と、
    ・前記試料(P1〜P4)の第1側を電磁励起パルスで照射し、前記電磁励起パルスによって前記試料(P1〜P4)の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出するための光熱測定システム(18,20,22)と、
    ・前記温度調整システム(16‐1〜16‐4)及び前記光熱測定システム(18,20,22)を制御すると共に、前記試料(P1〜P4)の温度以外の前記試料(P1〜P4)の少なくとも1つの物理的特性を、前記試料(P1〜P4)の温度の関数として表す測定データを記録するための制御・評価システム(30)と、
    を備える装置の較正方法において、
    ・前記光熱測定システム(18、20、22)による光熱測定を、(i)前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に順次に保持させた特定の前記試料に対して実施するか、又は(ii)前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)のそれぞれに保持させた複数個の同様の試料に対して実施するステップと、を含み、
    前記ステップの前記光熱測定に際して、前記各試料の第1側に対して電磁励起パルスを照射し、前記励起パルスに起因して前記試料の第1側とは反対側の第2側から放出された熱放射を検出し、
    ・前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に対する前記光熱測定の結果を比較するステップと、
    ・前記各試料ホルダ(14‐1〜14‐4)における少なくとも1つの補正パラメータを、比較結果に基づいて算出するステップと、
    ・前記温度測定システム(26‐1〜26‐4)及び/又は前記温度調整システム(16‐1〜16‐4)を、算出した補正パラメータに基づいて較正するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の較正方法であって、前記装置(10)は、制御可能な試料交換システム(24)を更に備え、前記試料交換システム(24)により、前記各試料ホルダ(14‐1〜14‐4)を、前記試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に保持させた試料の光熱測定にとって適切な前記光熱測定システム(18,20,22)に対する相対位置に順次に移動させる較正方法。
  3. 請求項1又は2に記載の較正方法であって、各温度調整システム(16‐1〜16‐4)は、前記試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に割り当てられた電気作動式の加熱ジャケットを有する、較正方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の較正方法であって、前記温度測定システム(26‐1〜26‐4)は、前記試料チャンバ(12)内に配置されると共に、前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に共有される温度センサを有する較正方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の較正方法であって、前記温度測定システム(26‐1〜26‐4)は、前記試料チャンバ(12)内に配置されると共に、試料ホルダ(14‐1〜14‐4)のそれぞれに割り当てられた温度センサを有する、較正方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の較正方法であって、前記制御・評価システム(30)は、前記較正方法を実施するために、
    ・任意に、前記装置(10)における試料交換システム(24)を制御し、これにより前記各試料ホルダ(14‐1〜14‐4)を、前記試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に保持させた試料の前記光熱測定にとって適切な前記光熱測定システム(18,20,22)に対する相対位置に順次に移動させるステップと、
    ・複数回に亘る前記光熱測定において、(i)各前記試料を所定の温度に調整するために前記温度調整システム(16‐1〜16‐4)のそれぞれを制御すると共に、前記試料の前記第1側を所定の電磁励起パルスで照射するために前記光熱測定システム(18,20,22)を制御し、(ii)前記温度測定システム(26‐1〜26‐4)により、前記試料の温度を測定し、(iii)前記試料の前記第2側から放出された前記熱放射の時間依存的な変化を表す測定データを記録するステップと、
    ・前記複数個の試料ホルダ(14‐1〜14‐4)に対する前記光熱測定の結果を比較するステップと、
    ・各前記試料ホルダ(14‐1〜14‐4)における少なくとも1つの補正パラメータを、前記比較の結果に基づいて算出するステップと、
    ・前記温度測定システム(26‐1〜26‐4)及び/又は前記温度調整システム(16‐1〜16‐4)を、算出した前記補正パラメータに基づいて較正するステップと、
    を行うよう構成されている、較正方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の方法であって、前記光熱測定の前記比較結果は、放出された前記熱放射の時間依存的な変化の過程で到達した各最大値(Imax)の比較を含む方法。
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