JP2018048784A - 空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者の快適性を十分に高めることができる空気調和システムを提供する。【解決手段】CPUは、熱回収温度差ΔTb2と算出した冷媒吸熱量Q2Rと熱回収運転制御のサブルーチンで読み出した室内上部空気比熱Cp2および室内上部空気密度ρ2を、数式に代入して室内ファンの目標風量V2tを算出する。そして、CPUは、算出した目標風量V2tに対応する第2室内ファンの回転数N2とする。具体的には、CPUは、算出した目標風量V2tを通信部を介して第2室内機に送信し、目標風量V2tを受信した第2室内機は第2室内ファンの回転による風量が目標風量V2tとなる回転数N2で第2室内ファンを駆動する。【選択図】図6

Description

本発明は、複数の利用側ユニットを連携運転する空気調和システムに関する。
従来、熱源側ユニット(室外機)に、室内機や床暖房装置等といった利用側ユニットを複数台接続した空気調和システムが知られている。そして、このような空気調和システムにおいて、複数の利用側ユニット毎に最適な運転条件を選択して運転することで、使用者の快適性を高めるものが提案されている。
特許文献1に記載されているのは、空気調和システムの一種である冷暖房システムであって、1台の室外機と、エアコンディショナー(室内機)と、床暖房装置と送風機と、熱交換器(スポット冷房/暖房が行える機器)といった複数の利用側ユニットを有する。1つの部屋にエアコンディショナーと床暖房装置と送風機と熱交換器が配置され、室外機とエアコンディショナーの間で冷媒が循環し、室外機と床暖房装置および熱交換器の間で温水あるいは冷水が循環するよう構成されている。
上記の冷暖房システムには、季節に応じた複数の運転モードが設けられている。各運転モードにおいては、エアコンディショナーの運転状態(冷房/暖房/停止)、床暖房装置の運転状態(冷房/暖房/停止)、送風機の運転状態(微風/OFF)、および熱交換器の運転状態(送風/冷房/暖房/OFF)が定められている。
使用者が運転モードを選択すると、冷暖房システムは選択された運転モードに定められた運転状態で各利用側ユニットを運転する。例えば、秋から冬にかけての中間期で足元が寒いと感じられる場合は、床暖房装置が暖房運転、エアコンディショナーが冷房運転、送風機が微風での送風運転と定められている運転モードを選択すれば、足元を温めながら頭部の火照りを抑える、所謂「頭寒足熱」となる状態を実現でき、使用者の快適性が高まる。
特開2004−28438号公報
特許文献1に記載の冷暖房システムでは、上述したように各運転モードによって各利用側ユニットの運転状態が予め定められている。しかし、このような運転では、各利用側ユニットにおいて部屋の実際の温度分布、すなわち、部屋の上部(使用者の頭部付近)の温度と、部屋の下部(使用者の足元付近の温度)の温度に応じた適切な運転となっていない場合があり、必ずしも使用者の快適性を高めているとは言えなかった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、使用者の快適性を十分に高めることができる空気調和システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和システムは、圧縮機と流路切替手段と室外熱交換器と第1膨張弁を有する室外機と、第1室内熱交換器と第1室内ファンを有する第1室内機と、第2室内熱交換器と第2室内ファンを有する第2室内機と、冷媒と水を熱交換させる水冷媒熱交換器と循環ポンプを有し水冷媒熱交換器で冷媒と熱交換した水を循環ポンプの駆動により第1室内熱交換器に供給する水冷媒熱交換ユニットと、圧縮機や循環ポンプを駆動制御する制御手段を有する。第2室内機は、第2室内機に吸い込まれる空気の温度である第2室内機吸込温度を検出する第2吸込温度検出手段を有し、水冷媒熱交換器は、冷媒が流れる冷媒側流路と水が流れる水側流路を有する。水冷媒熱交換器の冷媒側流路と第2室内機の第2室内熱交換器が、室外機に直列に接続されるとともに、冷媒側流路と第2室内熱交換器の間に第2膨張弁が配置される。検出した第2室内機吸込温度から所定の熱回収運転切替温度を減じた温度差に対応させて、第2室内機における吹出空気の温度である吹出温度から第2室内機吸込温度を減じた熱回収温度差を、制御手段に予め記憶している。そして、制御手段は、暖房運転時に温度差が所定の閾温度差以上となった場合は、第2膨張弁の開度を絞ることによって、少なくとも第2室内機の第2室内熱交換器を蒸発器として機能させて第2室内機が設置された空調空間の熱を回収する熱回収運転に切り替え、熱回収運転において、第2室内機で回収する熱量である回収可能熱量と、第1室内機が設置された空間の温度を設定温度とするのに必要な熱量である暖房必要熱量を算出し、回収可能熱量から暖房必要熱量を減じた値である熱量差が所定の閾熱量差未満であれば、第2室内熱交換器に加えて室外熱交換器も蒸発器として機能させ、記憶している熱回収温度差を用いて第2ファンの回転数を算出し、算出した回転数となるように第2室内ファンを駆動制御する熱回収室内機ファン制御を実行する。
上記のように構成した本発明の空気調和システムによれば、一方の室内機で当該室内機が設置された空間の熱を回収することで、使用者の快適性を十分に高めることができる。
本発明の第1の実施形態における空気調和システムの説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段のブロック図である。 本発明の第1の実施形態における、空気調和システムの設置状態図である。 本発明の第1の実施形態における、温度差−パルス相関図である。 本発明の第1の実施形態における、空気調和システムの暖房運転時の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、熱回収運転時の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、熱回収室内機ファン制御実行時の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、熱回収温度差テーブルである。 本発明の第2の実施形態における空気調和システムの説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段のブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機と2台の室内機を有する空気調和システムを例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)および図2に示すように、本実施例における空気調和システム1は、屋外に設置される室外機2と、屋外に設置される水冷媒熱交換ユニット5と、空調空間である部屋300に設置される第1室内機3および第2室内機4を有する。第1室内機3は、部屋300の床面に設置されている。第2室内機4は、部屋300の壁面上部に設置されている。第1室内機3は、水冷媒熱交換ユニット5と水配管9で接続されている。第2室内機4は、室外機2と液管7で接続されるとともに、水冷媒熱交換ユニット5を介して室外機2とガス管8で接続されている。以上により、空気調和システム1の冷媒−水回路10が構成されている。
まず、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、第1膨張弁24と、バイパス開閉弁25と、逆止弁26と、液管7の一端が接続された閉鎖弁27と、ガス管8の一端が接続された閉鎖弁28と、室外ファン29を備えている。そして、室外ファン29を除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒−水回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
圧縮機21は、図示しないインバータにより回転数が制御されることで、運転容量を可変できる容量可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出側は、四方弁22のポートaに吐出管61で接続されている。また、圧縮機21の冷媒吸入側は、四方弁22のポートcに吸入管65で接続されている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaは、上述したように圧縮機21の冷媒吐出側に吐出管61で接続されている。ポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と冷媒配管62で接続されている。ポートcは、上述したように圧縮機21の冷媒吸入側と吸入管65で接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁28と室外機ガス管64で接続されている。
室外熱交換器23は、冷媒と、後述する室外ファン29の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気を熱交換させる。室外熱交換器23の一方の冷媒出入口は、上述したように四方弁22のポートbに冷媒配管62で接続され、他方の冷媒出入口は室外機液管63で閉鎖弁27に接続されている。
第1膨張弁24は、例えば電子膨張弁である。第1膨張弁24は、その開度が調整されることで、室外熱交換器23を流れる冷媒量を調節する。バイパス開閉弁25と逆止弁26は、室外機液管63における第1膨張弁24と閉鎖弁27の間と吸入管65を接続するバイパス配管であるバイパス管66に設けられている。バイパス開閉弁25を開くとバイパス管66に冷媒が流れ、バイパス開閉弁25を閉じるとバイパス管66における冷媒の流れが遮断される。逆止弁26は、バイパス管66における冷媒の流れ方向を、吸入管65に向かう方向のみに制限するように配置される。
室外ファン29は樹脂材で形成されており、室外熱交換器23の近傍に配置されている。室外ファン29は、図示しないファンモータによって回転することで室外機2の図示しない吸込口から室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23において冷媒と熱交換した外気を室外機2の図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管61には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力つまり吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段である高圧センサ101と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度つまり吐出温度を検出する吐出温度検出手段である吐出温度センサ111が設けられている。吸入管65には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力つまり吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段である低圧センサ102と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度つまり吸入温度を検出する吸入温度検出手段である吸入温度センサ112とが設けられている。
室外機液管63における室外熱交換器23と第1膨張弁24の間には、室外熱交換器23から流出、または、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度を検出するための熱交温度センサ113が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ114が備えられている。
また、室外機2には、室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納されている制御基板に搭載されている。図1(B)に示すように、室外機制御手段200は、CPU201と、記憶部202と、通信部203と、センサ入力部204を備えている。
記憶部202は、ROMやRAMで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン29の制御状態等を記憶している。通信部203は、第1室内機3、第2室内機4、および水冷媒熱交換ユニット5と通信を行うためのインターフェイスである。センサ入力部204は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU201に出力する。
CPU201は、前述した室外機2の各センサでの検出結果をセンサ入力部204を介して取り込む。また、CPU201は、第1室内機3および第2室内機4から送信される制御に関わる信号を通信部203を介して取り込む。CPU201は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、圧縮機21や室外ファン29の駆動制御、四方弁22の切り換え制御や第1膨張弁24の開度制御、およびバイパス開閉弁25の開閉制御を行う。また、CPU201は、通信部203を介して後述する水冷媒熱交換ユニット5に備えられている第1冷媒温度センサ115、第2冷媒温度センサ116、往き温度センサ121、および、戻り温度センサ122の検出値を取り込むとともに、循環ポンプ53の駆動制御や第2膨張弁52の開度制御を行う。
次に、水冷媒熱交換ユニット5について説明する。水冷媒熱交換ユニット5は、水冷媒熱交換器51と、第2膨張弁52と、循環ポンプ53と、第1ガス管接続部54と、第2ガス管接続部55と、第1水配管接続部56と、第2水配管接続部57を備えている。そして、これら各装置が以下で詳述する冷媒配管や水配管で相互に接続されて、冷媒−水回路10の一部をなす水冷媒熱交換ユニット回路50を構成している。
水冷媒熱交換器51は、例えば二重管熱交換器であり、冷媒側流路51aと水側流路51bを有している。冷媒側流路51aは、水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58に設けられている。水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58は、一端が第1ガス管接続部54を介して室外機2側のガス管8に接続され、他端が第2ガス管接続部55を介して第2室内機4側のガス管8に接続されている。また、水側流路51bは、水冷媒熱交換ユニット水配管59に設けられている。水冷媒熱交換ユニット水配管59は、一端が第1水配管接続部56を介して、また、他端が第2水配管接続部57を介して水配管9に接続されている。水冷媒熱交換器51では、冷媒側流路51aを流れる冷媒と水側流路51bを流れる水が熱交換する。
第2膨張弁52は、例えば電子膨張弁である。第2膨張弁52は、その開度が調整されることで、水冷媒熱交換器51の冷媒側流路51aを流れる冷媒量を調節する。循環ポンプ53は、能力可変型のポンプである。循環ポンプ53が駆動することにより、第2水配管接続部57を介して水冷媒熱交換ユニット5から水配管9に水が流出し、第1室内機3から第1水配管接続部56を介して水冷媒熱交換ユニット5に水が流入するように、水が循環する。
以上説明した構成の他に、水冷媒熱交換ユニット5には2つの冷媒温度センサと2つの水温センサが設けられている。図1(A)に示すように、水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58における水冷媒熱交換器51と第1ガス管接続部54の間には、水冷媒熱交換器51の冷媒側流路51aに流入する冷媒あるいは冷媒側流路51aから流出する冷媒の温度を検出する第1冷媒温度センサ115が設けられている。また、水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58における水冷媒熱交換器51と第2ガス管接続部55の間には、水冷媒熱交換器51の冷媒側流路51aに流入する冷媒あるいは冷媒側流路51aから流出する冷媒の温度を検出する第2冷媒温度センサ116が設けられている。また、水冷媒熱交換ユニット水配管59における水冷媒熱交換器51と第1水配管接続部56の間には、水冷媒熱交換器51の水側流路51bに流入する水温を検出する戻り温度センサ122が設けられている。また、水冷媒熱交換ユニット水配管59における水冷媒熱交換器51と第2水配管接続部57の間には、水冷媒熱交換器51の水側流路51bから流出する水温を検出する往き温度センサ121が設けられている。
次に、第1室内機3について説明する。第1室内機3は、第1室内熱交換器31と、入水側接続部32と、出水側接続部33と、第1室内ファン34を備えている。そして、第1室内ファン34を除くこれら各装置が第1室内機水配管35で接続されて、冷媒−水回路10の一部をなす第1室内機回路30を構成している。
第1室内熱交換器31は、第1室内機水配管35に設けられている。第1室内機水配管35は、一端が入水側接続部32を介して、また、他端が出水側接続部33を介して水配管9に接続されている。第1室内熱交換器31は、水配管9から入水側接続部32および第1室内機水配管35を介して第1室内熱交換器31に流入する水と、後述する第1室内ファン34の回転により第1室内機3の内部に取り込まれた部屋300の空気を熱交換させる。
第1室内ファン34は樹脂材で形成されており、第1室内熱交換器31の近傍に配置されている。第1室内ファン34は、図示しないファンモータによって回転することで、第1室内機3の図示しない吸込口から第1室内機3の内部に部屋300の空気を取り込み、第1室内熱交換器31において水と熱交換した空気を第1室内機3の図示しない吹出口から部屋300へ吹き出す。
以上説明した構成の他に、第1室内機3の図示しない吸込口付近には、第1室内機3に流入する部屋300の後述する室内下部300aの空気の温度を検出する第1吸込温度センサ117が備えられている。
次に、第2室内機4について説明する。第2室内機4は、第2室内熱交換器41と、ガス側接続部42と、液側接続部43と、第2室内ファン44を備えている。そして、第2室内ファン44を除くこれら各装置が第2室内機冷媒配管45で接続されて、冷媒−水回路10の一部をなす第2室内機冷媒回路40を構成している。
第2室内熱交換器41は、第2室内機冷媒配管45に設けられている。第2室内機冷媒配管45は、一端がガス側接続部42を介してガス管8に接続され、また、他端が液側接続部43を介して液管7に接続されている。第2室内熱交換器41は、冷媒と、後述する第2室内ファン44の回転により第2室内機4の内部に取り込まれた部屋300の空気を熱交換させる。
第2室内ファン44は樹脂材で形成されており、第2室内熱交換器41の近傍に配置されている。第2室内ファン44は、図示しないファンモータによって回転することで、第2室内機4の図示しない吸込口から第2室内機4の内部に部屋300の空気を取り込み、第2室内熱交換器41において冷媒と熱交換した空気を第2室内機4の図示しない吹出口から部屋300へ吹き出す。
以上説明した構成の他に、第2室内機4には、各種センサが備えられている。第2室内機冷媒配管45におけるガス側接続部42と第2室内熱交換器41の間には、第2室内熱交換器41に流入あるいは第2室内熱交換器41から流出する冷媒の温度を検出する第2室内機熱交温度検出手段である第3冷媒温度センサ118が設けられている。また、第2室内機冷媒配管45における液側接続部43と第2室内熱交換器41の間には、第2室内熱交換器41に流入あるいは第2室内熱交換器41から流出する冷媒の温度を検出する第4冷媒温度センサ119が設けられている。さらには、第2室内機4の図示しない吸込口付近には、第2室内機4に流入する部屋300の後述する室内上部300bの空気の温度を検出する第2吸込温度検出手段である第2吸込温度センサ120が備えられている。
次に、本実施形態の空気調和システム1の運転時における冷媒−水回路10での冷媒および水の流れや各部の動作について、図1および図2を用いて説明する。尚、以下の説明では、使用者が図2に示すリモコン400を操作して、第1室内機3および第2室内機4で暖房運転を行うよう指示した場合について説明する。
第1室内機3および第2室内機4で暖房運転を行う場合、図1(A)に示すように、四方弁22を実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdおよびポートbとポートcがそれぞれ連通するように切り換えられる。また、バイパス開閉弁25が閉とされる。また、水冷媒熱交換ユニット5の第2膨張弁52が全開とされるとともに、循環ポンプ53が起動される。これにより、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、第2室内熱交換器41および水冷媒熱交換器51が凝縮器として機能し、冷媒−水回路10において矢印で示す方向に冷媒および水が循環する。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管61を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管64へと流れて閉鎖弁28を介してガス管8に流入する。ガス管8を流れる冷媒は、第1ガス管接続部54を介して水冷媒熱交換ユニット5に流入する。水冷媒熱交換ユニット5に流入した冷媒は、水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58を流れて水冷媒熱交換器51の冷媒側流路51aに流入して水側流路51bを流れる水を加熱する。
水側流路51bを流れる際に冷媒により加熱されて水冷媒熱交換器51から水冷媒熱交換ユニット水配管59に流出し、第2水配管接続部57を介して水配管9に流出した水は、入水側接続部32を介して第1室内機3に流入する。第1室内機3に流入した水は、第1室内機水配管35を介して第1室内熱交換器31に流入し、第1室内ファン34の回転によって第1室内機3内部に流入した部屋300の空気を加熱する。そして、第1室内熱交換器31で加熱された部屋300の空気が図示しない第1室内機3の吹出口から部屋300に吹き出される。第1室内熱交換器31から第1室内機水配管35に流出した水は、出水側接続部33を介して第1室内機3から水配管9に流出し、第1水配管接続部56を介して水冷媒熱交換ユニット5に流入し、水冷媒熱交換ユニット水配管59を流れて再び水冷媒熱交換器51に流入する。
一方、水冷媒熱交換器51の冷媒側流路51aから水冷媒熱交換ユニット冷媒配管58に流出した冷媒は、全開とされている第2膨張弁52を通過し、第2ガス側接続部55を介してガス管8に流出する。ガス管8からガス側接続部42を介して第2室内機4に流入した冷媒は、第2室内機冷媒配管45を流れて第2室内熱交換器41に流入する。
第2室内熱交換器41に流入した冷媒は、第2室内ファン44の回転によって第2室内機4の内部に流入した部屋300の空気と熱交換して凝縮する。第2室内熱交換器41で加熱された部屋300の空気は、図示しない第2室内機4の吹出口から部屋300に吹き出される。このように、第1室内機3と第2室内機4の各々から加熱された空気が吹き出されることによって、部屋300の暖房が行われる。
第2室内熱交換器41から第2室内機冷媒配管45に流出した冷媒は、液側接続部43を介して液管7に流出し、液管7を流れて閉鎖弁27を介して室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、室外機液管63を流れる際に第1膨張弁24によって減圧されて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン29の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から冷媒配管62に流出した冷媒は、四方弁22、吸入管65を流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
次に、図1および図2を用いて、空気調和システム1が上述した暖房運転を行っているときに起こる問題と、この問題を解決する本発明の動作について説明する。第1室内機3と第2室内機4を駆動して暖房運転を行うとき、暖房運転開始直後は、部屋300の温度(以下、室温と記載)と使用者が定める設定温度(暖房運転時に目標となる室温)の温度差が大きい。この場合、2台の室内機で暖房運転を行う方が、いずれか1台の室内機のみで暖房運転を行う場合より室温が早く設定温度に到達するため、第1室内機3と第2室内機4を駆動して暖房運転を行うことが好ましい。
しかし、暖房運転開始から時間が経過して室温が設定温度に到達した後も第1室内機3と第2室内機4で暖房運転を継続すれば、部屋300の上方空間に暖気が溜まり、使用者の頭部付近の温度が部屋300の下方空間(使用者の足元付近)の温度より高くなって使用者に不快感を与える恐れがある。また、室温が設定温度に達している状態で部屋300の上方空間に暖気が溜まることによって部屋300の上方空間の温度が設定温度以上となるような暖房運転では、省エネルギー性が低下している恐れがある。
そこで、本発明では、部屋300を上下領域に区分するとともに、下の領域(以下、室内下部と記載)に第1室内機3が、上の領域(以下、室内上部と記載)に第2室内機4が各々配置されるよう、仮想の境界線BLを設定する。また、各室内機で個別に設定温度が設定できるようにするとともに、第2室内機4の設定温度が第1室内機3の設定温度より所定温度(例えば3℃)以上低くなるように設定されるようにする。そして、室内上部の温度と第2室内機4の設定温度の温度差が所定の閾温度(例えば2℃、以降、閾温度差と記載)以上高いときは、第2膨張弁52の開度を絞ることで第2室内機4の第2室内熱交換器41が蒸発器として機能するようにして、室内上部に溜まった暖気から熱を回収する熱回収運転を行う。
本実施形態の空気調和システム1では、図2に示すように、境界線BLを使用者が椅子に座った状態での頭部の高さ付近に設定し、部屋300における境界線BLより下の領域を室内下部300aとし、境界線BLより上の領域を室内上部300bとしている。また、以下の説明では、第1室内機3の第1吸込温度センサ117で検出した温度つまり室内下部300aの温度を第1室内機吸込温度Ts1、第2室内機4の第2吸込温度センサ120で検出した温度つまり室内上部300bの温度を第2室内機吸込温度Ts2、第1設定温度である室内下部300aの設定温度を室内下部設定温度Tpd、第2設定温度である室内上部300bの設定温度を室内上部設定温度Tpu、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2の温度差をΔT、上述した閾温度差をTtとしている。
尚、境界線BLは上記の高さに限らず、使用者が床面に座った状態での頭部の高さや、使用者が立った状態での頭部の高さとしてもよい。また、使用者がリモコン400を操作して境界線BLを任意の高さに設定できるようにしてもよい。また、室内上部設定温度Tpuと室内下部設定温度Tpdは、使用者がリモコン400を操作して各々の設定温度を設定できるようにするが、室内上部設定温度Tpuは室内下部設定温度Tpdから所定温度低い温度以上の温度に設定できないように制限をかけてもよく、また、室内下部設定温度Tpdを設定すれば自動的に室内上部設定温度Tpuが室内下部設定温度Tpdから所定温度低い温度に設定されるようにしてもよい。
空気調和システム1が第1室内機3と第2室内機4を駆動して暖房運転を行っているとき、室外機制御部200のCPU201は、使用者が設定した室内上部設定温度Tpuを第2室内機4から、また、使用者が設定した室内下部設定温度Tpdを第1室内機3から、それぞれ通信部203を介して取り込んで記憶部202に記憶する。また、CPU201は、第1吸込温度センサ117で検出した第1室内機吸込温度Ts1を第1室内機3から、また、第2吸込温度センサ120で検出した第2室内機吸込温度Ts2を第2室内機4から、それぞれ通信部203を介して定期的(例えば、20秒毎)に取り込んで時系列で記憶部202に記憶する。
CPU201は、第1室内機吸込温度Ts1や第2室内機吸込温度Ts2を取り込む度に、室内下部設定温度Tpdと第1室内機吸込温度Ts1の温度差、および、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2の温度差をそれぞれ算出し、各温度差に応じて圧縮機21の回転数制御を行う。そして、第2室内機吸込温度Ts2から室内上部設定温度Tpuを減じた温度差ΔTが閾温度差Tt以上となれば、第2膨張弁52の開度を絞って第2室内機4の第2室内熱交換器41を蒸発器として機能させることで、室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収する熱回収運転を実行する。
尚、温度差ΔTを求める際に使用する室内上部設定温度Tpuが、本発明の熱回収運転切替温度である。
次に、本実施形態の空気調和システム1に関わる処理について、図4乃至図6を用いて説明する。図4は、空気調和システム1の室外機制御部200のCPU201が行うメインルーチンに関する処理の流れを示し、図5は、空気調和システム1のサブルーチンでありCPU201が熱回収運転を行う際の処理の流れを示している。また、図6は、空気調和システム1のサブルーチンでありCPU201が熱回収運転に関わる制御を行っているときに熱回収を行う第2室内機4の第2室内ファン44の回転制御を行う際の処理の流れを示している。各図において、STはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図4乃至図6では、本発明に関わる処理を中心に説明しており、これ以外の処理、例えば、設定温度と室温の差に応じた圧縮機の回転数制御等といった、空気調和システム1に関わる一般的な処理については、説明を省略する。
まず、図4を用いて空気調和システム1のメインルーチンに関する処理の流れについて説明する。空気調和システム1が運転を開始すると、CPU201は、使用者によって暖房運転が指示されたか否かを判断する(ST1)。暖房運転指示であれば(ST1−Yes)、CPU201は、暖房運転開始処理を実行する、あるいは、暖房運転制御を継続する(ST2)。ここで、暖房運転開始処理とは、空気調和システム1が起動して最初に暖房運転を行うときに、CPU201が行う処理である。具体的には、CPU201は、四方弁22を操作して冷媒−水回路10を図1(A)に示す状態つまり暖房サイクルとするとともに、圧縮機21や室外ファン29を起動し、また、通信部203を介して水冷媒熱交換ユニット5の循環ポンプ53を起動するとともに第2膨張弁52の開度を全開として暖房運転制御を開始する。また、ST2において既に暖房運転を行っている場合は、冷媒−水回路10は暖房サイクルとなっているので、暖房運転制御を継続する。
次に、CPU201は、記憶部202に記憶している室内上部設定温度Tpuと最新の第2室内機吸込温度Ts2を読み出し、温度差ΔT=Ts2−Tpuを算出する(ST3)。前述したように、CPU201は、室内上部設定温度Tpuを暖房運転起動時に取り込んで記憶部201に記憶しており、これ以降使用者の指示により室内上部設定温度Tpuが変更される度に新たな室内上部設定温度Tpuを取り込んで記憶部201に上書き記憶する。
次に、CPU201は、算出した温度差ΔTが閾温度差Tt以上であるか否かを判断する(ST4)。算出した温度差ΔTが閾温度差Tt以上であれば(ST4−Yes)、CPU201は、後述するサブルーチンである熱回収運転制御を実行(ST5)してST7に処理を進める。算出した温度差ΔTが閾温度差Tt以上でなければ(ST4−No)、CPU201は、通信部203を介して第2膨張弁52の開度を全開とする、あるいは、既に全開となっている場合はその状態を維持し(ST6)、ST7に処理を進める。前述したように、第2膨張弁52の開度を全開とした場合は、第1室内機3と第2室内機4がともに暖房運転となる。
ST7において、CPU201は、使用者による運転切替指示があるか否かを判断する。ここで、運転切替指示とは、暖房運転から冷房運転または除湿運転へ切り替える、あるいは、冷房運転または除湿運転から暖房運転へ切り替えることである。運転切替指示があれば(ST7−Yes)、CPU201は、ST1に処理を戻す。運転切替指示がなければ(ST7−No)、CPU201は、使用者による運転停止指示があるか否かを判断する(ST8)。
運転停止指示があれば(ST8−Yes)、CPU201は、運転停止処理を行い(ST9)、処理を終了する。ここで、運転停止処理とは、圧縮機21と室外ファン29を停止するとともに第1膨張弁を全閉とし、通信部203を介して水冷媒熱交換ユニット5の循環ポンプ53を停止するとともに第2膨張弁52を全閉として、空気調和システム1を停止させる処理である。運転停止指示がなければ(ST8−No)、CPU201は、現在の運転が暖房運転であるか否かを判断する(ST10)。現在の運転が暖房運転であれば(ST10−Yes)、CPU201は、ST2に処理を戻し、現在の運転が暖房運転でなければ(ST10−No)、CPU201は、ST12に処理を戻す。
尚、ST1において、暖房運転指示でなければ(ST1−No)、つまり、冷房運転指示あるいは除湿運転指示である場合は、CPU201は、冷房/除湿運転開始処理を実行する(ST11)。ここで、冷房/除湿運転開始処理とは、空気調和システム1が起動して最初に冷房運転あるいは除湿運転を行うときに、CPU201が行う処理である。具体的には、CPU201は、四方弁22を操作して図1(A)に示す破線の状態に切り換えて、冷媒−水回路10を冷房サイクルとする。そして、CPU201は、圧縮機21や室外ファン29を起動するとともに、通信部203を介して水冷媒熱交換ユニット5の循環ポンプ53を起動し第2膨張弁52の開度を全開として冷房/除湿運転制御を開始し(ST12)、ST7に処理を進める。
次に、図5を用いて、空気調和システム1のサブルーチンである熱回収運転制御を行う際の処理の流れについて説明する。尚、以下の説明では、第1室内機3で主に室内下部300aの空気を使用者が要求した設定温度とするのに必要な熱量である暖房必要熱量をQ1A、第2室内機4で主に室内上部300bに滞留する暖気から回収できる熱量である回収可能熱量をQ2A、室内下部300aの空気の比熱である室内下部空気比熱をCp1、室内上部300bの空気の比熱である室内上部空気比熱をCp2、室内下部300aの空気の密度である室内下部空気密度をρ1、室内上部300bの空気の密度である室内上部空気密度をρ2、使用者の風量指示に応じた第1室内ファン34の回転数をN1、使用者の設定した室内上部設定温度Tpuに応じた第2室内ファン44の回転数をN2、第1室内ファン34が回転数N1で回転しているときの室内下部300aの空気の体積流量である室内下部体積流量をV1、第2室内ファン44が回転数N2で回転しているときの室内上部300bの空気の体積流量である室内上部体積流量をV2、吐出温度センサ111で検出する圧縮機21から吐出される冷媒の吐出温度をTdis、室内上部設定温度Tpuおよび室内下部設定温度Tpdに応じて定められる目標吐出温度をTdt、目標吐出温度Tdtに対し所定値(例えば、1℃)高い目標上限値をTdtU、目標吐出温度Tdtに対し所定値(例えば、1℃)低い目標下限値をTdtL、としている。
上記各値のうち、室内下部空気比熱Cp1と室内下部空気密度ρ1は、室内下部300aの温度によって変化する値であり、これら各値は、例えば、予め試験等を行って室内下部300aの温度と関連付けられて記憶部202に記憶されている。これら各値が必要なときは、CPU201は、第1吸込温度センサ117で検出した第1室内機吸込温度Ts1をセンサ入力部204を介して取り込んで室内下部300aの温度とし、これに対応する室内下部空気比熱Cp1と室内下部空気密度ρ1を記憶部202から読み出す。尚、室内下部空気比熱Cp1と室内下部空気密度ρ1は、上述した室内下部300aの温度に加えて、室内下部300aの湿度や気圧も考慮に入れて決定することで、より正確な値を得ることができる。
室内上部空気比熱Cp2と室内上部空気密度ρ2は、室内上部300bの温度によって変化する値であり、これら各値は、例えば、予め試験等を行って室内上部300bの温度と関連付けられて記憶部202に記憶されている。これら各値が必要なときは、CPU201は、第2吸込温度センサ120で検出した第2室内機吸込温度Ts2をセンサ入力部204を介して取り込んで室内上部300bの温度とし、これに対応する室内上部空気比熱Cp2と室内上部空気密度ρ2を記憶部202から読み出す。尚、室内上部空気比熱Cp2と室内上部空気密度ρ2は、上述した室内上部300bの温度に加えて、室内上部300bの湿度や気圧も考慮に入れて決定することで、より正確な値を得ることができる。
第1室内ファン34の回転数N1は、CPU201が第1室内ファン34の回転数N1を暖房運転起動時に第1室内機3から取り込んで記憶部201に記憶しているものであり、使用者の指示により回転数N1が変更される度に新たな回転数N1を取り込んで記憶部201に上書き記憶する。第2室内ファン44の回転数N2は、例えば、予め試験等を行って記憶部202に記憶されているPMV(Predicted Mean Vote、温冷感指標)を参照し、第2室内ファン44の回転によって生ずる風速と室内上部設定温度Tpuを用いて、使用者が不快と感じない風速となるように決定される。
室内下部体積流量V1と室内上部体積流量V2は、予め試験等を行って各室内ファンの回転数と関連付けられて記憶部202に記憶されている。吐出温度Tdisは、吐出温度センサ111で検出しセンサ入力部204を介して定期的に取り込んで記憶部202に時系列で記憶されている。目標吐出温度Tdtは、例えば、予め試験等を行って室内上部設定温度Tpuと関連付けられて、目標上限値TdtUおよび目標下限値TdtLとともに記憶部202に記憶されている。
そして、暖房必要熱量Q1Aと回収可能熱量Q2Aは、上述した各値を用いて記憶部202に記憶された以下に示す式により算出される。

Q1A=K1×Cp1×ρ1×V1×(Tpd−Ts1)・・・(数式1)
Q2A=K2×Cp2×ρ2×V2×(Tpu−Ts2)・・・(数式2)

ここで、数式1におけるK1、および、数式2におけるK2は、各々が試験等を行って求められた補正係数である。また、暖房必要熱量Q1Aと回収可能熱量Q2Aの単位は、ワット(以降、[W]と記載)である。
CPU201は、熱回収運転制御を開始すると、今回実行する熱回収運転制御が暖房運転を開始してから初めて行う初回制御であるか否かを判断する(ST21)。尚、図5に図示はしていないが、CPU201は、一度熱回収運転制御を実行するとフラグを0から1に変更し、この後はフラグが1であれば初回制御でないと認識する。
ST21において初回制御でない場合は(ST21−No)、CPU201は、ST23に処理を進める。初回制御である場合は(ST21−Yes)、CPU201は、メインルーチンのST3において算出した温度差ΔTに応じた、熱回収運転制御開始時に最初に第2膨張弁52に加えるパルス数Paを図3に示す温度差−パルス相関図800から抽出し、通信部203を介して第2膨張弁52に抽出したパルス数Paを加えることで、第2膨張弁52を温度差ΔTに応じた開度として(ST22)、ST23に処理を進める。
ここで、図3に示す温度差−パルス相関図800は、第2膨張弁52の弁口径や開口面積特性を考慮し、試験等を行って予め求められて記憶部202に記憶されているものである。ここで、第2膨張弁52の開口面積特性とは、第2膨張弁52に加えるパルス数(以下、パルス数Paと記載)を1パルス増減したときの第2膨張弁52の流路断面積の変化の割合を示すものであり、弁口径と合せて第2膨張弁52に固有の値である。
温度差−パルス相関図800は、縦軸が第2膨張弁52の図示しないステッピングモータに加えるパルス数(単位:P、以降、パルス数Paと記載)、横軸が温度差ΔT(単位:℃)となっている。この温度差−パルス相関図800において、温度差ΔTが閾温度差Tt未満の場合は、パルス数Paが第2膨張弁52の全開時に対応する最大パルス数(以降、最大パルス数Pmaxと記載)と定められており、温度差ΔTが閾温度差Tt以上の場合は、温度差ΔTが大きくなるにつれて、上述した第2膨張弁52の弁口径及び開口面積特性で決まる傾きαで、パルス数Paが減少するように定められている。そして、パルス数Paが減少して下限パルス数(以降、下限パルス数PLLt記載)となれば、温度差ΔTに関わらずパルス数Paは下限パルス数PLLと定められている。
温度差ΔTが閾温度差Tt未満の場合は、第2室内機吸込温度Ts2が室内上部設定温度Tpuより高いもののその差が小さい、あるいは、第2室内機吸込温度Ts2が室内上部設定温度Tpuより低い。つまり、室内上部300bの温度が過剰に高くなっていないため、室内上部300bに滞留する暖気から熱回収を行う必要がない。従って、第2膨張弁52に最大パルス数Pmaxを加えて第2膨張弁52の開度を全開に維持して第2室内機4の第2室内熱交換器41を凝縮器として機能させることで、第1室内機3とともに第2室内機4も暖房運転を行わせる。
これに対し、温度差ΔTが閾温度差Tt以上の場合は、第2室内機吸込温度Ts2が室内上部設定温度Tpuより高い、つまり、室内上部300bの温度が過剰に高くなっている。このとき、図3の示す温度差−パルス相関図800を参照し温度差ΔTに応じたパルス数Paを第2膨張弁52に加えてこのパルス数Paに応じた第2膨張弁52の開度とすることで、第2室内機4の第2室内熱交換器41を蒸発器として機能させて第2室内機4で室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収する。ここで、温度差ΔTが大きくなるにつれて第2膨張弁52に加えるパルス数を減少させているのは、温度差ΔTが大きいつまり室内上部300bに滞留する暖気から回収できる熱量が多い程、第2膨張弁52の開度を小さくして冷媒を減圧することで第2室内熱交換器41における蒸発温度を下げて、第2室内熱交換器41での吸熱量を上げるためである。
尚、下限パルス数PLLは次のように定められる。暖房運転時の設定温度には上限値と下限値が定められており、一般的には下限値16℃から上限値30℃の間で設定温度が定められるようになっている。本発明の空気調和システム1において第2室内機4で熱回収運転を行っているときに、室内上部設定温度Tpuが下限値(16℃)に定められているとき、蒸発器として機能する第2熱交換器41の蒸発温度は設定温度の下限値より低い温度、例えば、設定温度の下限値より2℃低い温度であればよく、これ以上蒸発温度を下げる必要がない。下限パルス数PLLは、第2熱交換器41の蒸発温度が上述した設定温度の下限値より低い温度とするときの第2膨張弁52の開度に対応するパルス数Paである。
ST21あるいはST22の処理を終えたCPU201は、記憶部202に記憶している室内下部設定温度Tpdと最新の第1室内機吸込温度Ts1を読み出す(ST23)。次に、CPU201は、メインルーチンのST3において読み出した室内上部設定温度Tpuに応じた回転数N2で第2室内ファン44を回転する(ST24)。具体的には、CPU201は、室内上部設定温度Tpuと関連付けられて記憶部202に記憶されている回転数N2を読み出し、通信部203を介して第2室内機4に回転数N2を送信することで、回転数N2で第2室内ファン44を回転するよう第2室内機4に指示する。
次に、CPU201は、現在の室内下部300aに応じた室内下部空気密度ρ1および室内下部空気比熱Cp1と、現在の室内上部300bに応じた室内上部空気比熱Cp2および室内上部空気密度ρ2と、第1室内ファン34の回転数N1を記憶部202から読み出す(ST25)。次に、CPU201は、ST25で読み出した回転数N1に応じた室内下部体積流量V1と、ST24で定めた回転数N2に応じた室内上部体積流量V2を、記憶部202から読み出す(ST26)。
次に、CPU201は、暖房必要熱量Q1Aと回収可能熱量Q2Aを算出する(ST27)。具体的には、CPU201は、図4に示すメインルーチンのST3で読み出した室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2、および、ST23で読み出した室内下部設定温度Tpdと第1室内機吸込温度Ts1、および、ST25で読み出した室内下部空気密度ρ1と室内上部空気密度ρ2と室内下部空気比熱Cp1と室内上部空気比熱Cp2、および、ST26で読み出した室内下部体積流量V1と室内上部体積流量V2を、前述した数式1と数式2に代入して、暖房必要熱量Q1Aと回収可能熱量Q2Aを算出する。
次に、CPU201は、算出した回収可能熱量Q2Aから算出した暖房必要熱量Q1Aを減じた値である熱量差ΔQが所定の閾熱量差Qt(例えば、Qt=0)以上であるか否かを判断する(ST28)。ここで、閾熱量差Qtは、予め試験等を行って求められて記憶部202に記憶されているものであり、後述するように、第2室内熱交換器41で冷媒が十分に蒸発可能か否か、つまり、第2室内熱交換器41で熱回収が十分に行えるか否かを判断するために用いられる値である。
熱量差ΔQが閾熱量差Qt未満であれば(ST28−No)、CPU201は、後述するサブルーチンである熱回収室内機ファン制御を実行(ST33)して、熱回収運転制御を終了する。熱量差ΔQが閾熱量差Qt以上であれば(ST28−Yes)、CPU201は、記憶部202に記憶している最新の吐出温度Tdisを読み出し(ST29)、読み出した吐出温度Tdisが目標下限値TdtL以上目標下限値TdtU以下であるか否かを判断する(ST30)。
吐出温度Tdisが目標下限値TdtL以上目標下限値TdtU以下でなければ(ST30−No)、CPU201は、第2膨張弁52の開度を増減し(ST31)、ST32に処理を進める。具体的には、CPU201は、ST29で読み出した吐出温度Tdisが目標下限値TdtUより低ければ第2膨張弁52の開度を小さくし、ST29で読み出した吐出温度Tdisが目標上限値TdtLより高ければ第2膨張弁52の開度を大きくする。
吐出温度Tdisが目標下限値TdtL以上目標下限値TdtU以下であれば(ST30−Yes)、CPU201は、ST32に処理を進める。
ST32において、CPU201は、バイパス開閉弁25を開くとともに室外膨張弁24を全閉とすることで室外熱交換器23に冷媒が流れないようにして、熱回収運転制御を終了する。
ここで、ST28〜ST33の処理を行う理由について説明する。まず、熱量差ΔQが閾熱量差Qt以上である場合は、回収可能熱量Q2Aの方が暖房必要熱量Q1Aより大きい、あるいは、回収可能熱量Q2Aと暖房必要熱量Q1Aが同じ値であるため、第2室内熱交換器41で冷媒が十分に蒸発している、つまり、第2室内熱交換器41で熱回収が十分に行えていることを意味する。この場合は、室外熱交換器23を蒸発器として機能させる必要がないため、バイパス開閉弁25を開くとともに室外膨張弁24を全閉とすることで、室外熱交換器23に冷媒が流れないようにしている。これにより、室外熱交換器23において低い温度である外気で冷媒を蒸発させる場合と比べて大幅に蒸発温度を高くすることができるので、圧縮機21における圧縮比を大幅に小さくすることができて空気調和システム1の省エネルギー性が向上する。
一方、熱量差ΔQが閾熱量差Qt未満である場合は、回収可能熱量Q2Aの方が暖房必要熱量Q1Aより小さく、第2室内熱交換器41で冷媒が蒸発し切らない、つまり、第2室内熱交換器41で回収できる熱量が不十分であることを意味する。この場合は、後述する熱回収室内機ファン制御において、バイパス開閉弁25を閉じて室外熱交換器23に冷媒が流れるようにすることで、室外熱交換器23を蒸発器として機能させる。これにより、蒸発能力が不足して液冷媒が圧縮機21に吸入される、ということを防止できる。
また、ST28で熱量差ΔQが閾熱量差Qt以上である場合に、吐出温度Tdisが目標吐出温度Tdist付近の温度、すなわち、目標下限値TdtL以上目標上限値TdtUの温度となるように、第2膨張弁52の開度を調整する理由は次の通りである。
回収可能熱量Q2Aの方が暖房必要熱量Q1Aより大幅に大きくて熱量差ΔQが大きい(例えば、ΔQ=300[W]、室内上部300bの温度が30℃前後といった、温度の高い空気が滞留している状態に相当する)場合は、第2室内熱交換器41を蒸発器として機能させて第2室内熱交換器41で室内上部300bの熱を回収しているときの、第2室内熱交換器41から流出する冷媒の過熱度を適正値に維持でき、圧縮機21の吐出温度Tdisも適正値に維持できる。
これに対し、回収可能熱量Q2の方が暖房必要熱量Q1よりわずかに大きくて熱量差ΔQが小さい(例えば、ΔQ=30[W])場合や、回収可能熱量Q2と暖房必要熱量Q1が同じ値で熱量差ΔQが0である場合は、第2室内熱交換器41を蒸発器として機能させて第2室内熱交換器41で室内上部300bの熱を回収しているときの、第2室内熱交換器41から流出する冷媒の過熱度が0となることがある。この場合は、第2室内熱交換器41から流出し、バイパス配管66を介して圧縮機21に吸入された冷媒が気液二相状態となっているが、このとき、圧縮機21の吐出温度Tdisが目標下限値TdtL以上となるように第2膨張弁52の開度を制御することによって、圧縮機21に吸入される冷媒の乾き度が適正な範囲(例えば、0.9〜1.0)とできるので、液バックによる圧縮機21の信頼性低下を防止できる。
上記のように室外熱交換器23を蒸発器として機能させずに熱回収運転を行っているときに吐出温度Tdisが目標吐出温度Tdist付近の温度となるように、第2膨張弁52の開度を調整することで、圧縮機21の信頼性を確保しつつ、熱回収運転時の効率を高めることができる。
次に、図6を用いて、空気調和システム1のサブルーチンである熱回収室内機ファン制御を行う際の処理の流れについて説明する。この熱回収室内機ファン制御では、前述した熱回収運転制御の実行時に、第2室内機4での回収可能熱量Q2Aの方が第1室内機3での暖房必要熱量Q1Aより小さく第2室内熱交換器41で回収できる熱量が不十分である場合に、バイパス開閉弁25を閉じて室外熱交換器23に冷媒が流れるようにする、つまり、室外熱交換器23を蒸発器として機能させることで、第2室内熱交換器41で蒸発できなかった液冷媒を蒸発させる。
そして、第2室内熱交換器41と室外熱交換器23をともに蒸発器として機能させているときに、第2室内ファン44の回転数N2を制御して第2室内熱交換器41を通過する空気量を調整し、これにより第2室内熱交換器41における熱回収量を調整することができ、熱回収運転制御の実行時に第2室内機4から吹き出される空気の温度である吹出温度が第2室内機吸込温度Ts2より所定温度低い温度(例えば、第2室内機吸込温度Ts2−3℃)より低い温度とならないようにして、使用者が第2室内機4から吹き出される空気によって冷風感を感じないようにする。
尚、以下の説明では、ここまでの説明に使用した各値に加えて、第2室内機4において第2室内熱交換器41を流れる冷媒が第2室内機4に取り込まれた空気から吸熱できる熱量である冷媒吸熱量をQ2R、冷媒―水回路10を循環する冷媒循環量をGとしている。また、高圧センサ101で検出する圧縮機21の吐出圧力をPdis、低圧センサ102で検出する圧縮機21の吸入圧力をPsuc、吸入温度センサ112で検出する圧縮機21の吸入温度をTsuc、第3冷媒温度センサ118で検出する第2室内熱交換器41の温度である第2室内機熱交温度をTe2、第2室内機熱交温度Te2を用いて算出する第2室内熱交換器41における冷媒圧力である第2室内機蒸発圧力をPe2としている。
尚、本実施形態では、前述したように第3冷媒温度センサ118は第2室内機冷媒配管45におけるガス側接続部42と第2室内熱交換器41の間に配置されているが、第2室内熱交換器41における、第2室内熱交換器41において冷媒が気液二相状態となっていることが試験等を行って判明している箇所に第3冷媒温度センサ118を配置してもよい。
また、圧縮機21から吐出された冷媒の比エンタルピである吐出側エンタルピをhd、圧縮機21に吸入される冷媒の密度である吸入冷媒密度をρs、圧縮機21の回転数である圧縮機回転数をNcp、圧縮機21の圧縮機排除容積をVcp、圧縮機21のある時点での吐出圧力Pdと吸入圧力Psと圧縮機回転数Ncpを用い、予められた実験式にこれら各値を代入して算出する体積効率をηvとする。そして、熱回収を行っている第2室内機4における第2室内機吸込温度Ts2から第2室内機4の吹出温度を減じた温度差である熱回収温度差をΔTb2、熱回収室内機ファン制御における第2室内機4の室内ファン44による目標風量をV2tとしている。
上記各値のうち、吐出圧力Pdisと吸入圧力Psucと吐出温度Tdisと吸入温度Tsucと第2室内機熱交温度Te2は、CPU201が室外機2の各センサからセンサ入力部204を介して、あるいは、第2室内機4から通信部203を介して定期的(例えば、20秒毎)に取り込んで記憶部202に時系列で記憶している。また、圧縮機回転数Ncpは、前述したように各室内機の設定温度と吸込温度の温度差に応じて決定されて記憶部202に記憶され、圧縮機回転数Ncpが変更される度に記憶部202に上書き記憶される。また、圧縮機排除容積Vcpは圧縮機21に固有の値であり、予め記憶部202に記憶されている。
吐出側エンタルピhdは、吐出温度Tdisと吸入圧力Psucを用いて算出される。体積効率ηvは、吐出圧力Pdisと吸入圧力Psucと圧縮機回転数Ncpを用い、予め求められた実験式にこれら各値を代入して算出される。冷媒密度ρsは、吸入圧力Psucと吸入温度Tsucを用いて算出される。冷媒循環量Gは、体積効率ηvと冷媒密度ρsと圧縮機回転数Ncpと圧縮機排除容積Vcpを用いて算出される。冷媒吸熱量Q2Rは、第2室内機熱交温度Te2と冷媒循環量Gと記憶部202に記憶している第2室内機吸込温度Ts2と図5に示す熱回収運転制御のサブルーチンのST24で読み出した第2室内ファン44の回転数N2を用い、第2室内熱交換器41の伝熱特性を考慮した実験式にこれら各値を代入して算出される。
熱回収温度差ΔTb2は、図7に示す熱回収温度差テーブル900で決定される。この調整温度テーブル900は、予め試験等を行い部屋300の断熱性能等を加味して、部屋300の温度が急激に変化して使用者に不快感を与えないことを考慮して定められて記憶部202の記憶されているものである。具体的には、温度差ΔTが2℃以上7℃未満である場合は、熱回収温度差ΔTb2は1℃とされている。温度差ΔTが7℃以上9℃未満である場合は、熱回収温度差ΔTb2は2℃とされている。そして、温度差ΔTが9℃以上12℃未満である場合は、熱回収温度差ΔTb2は3℃とされている。
尚、熱回収温度差テーブル900に使用する温度差ΔTにおける室内上部設定温度Tpuが、本発明の熱回収運転切替温度である。
また、熱回収温度差テーブル900において、温度差ΔTが2℃未満であるとき、つまり、前述したように温度差ΔTが閾温度差Tt未満であるときは熱回収運転制御を行わないため、この場合の熱回収温度差ΔTb2は定めていない。また、温度差ΔTが12℃以上であるときは、第2室内機吸込温度Ts2が室内上部設定温度Tpuより12℃以上高いということであり、通常の空調環境では起こりえない状態であるため、この場合の熱回収温度差ΔTb2も定めていない。
温度差ΔTが小さい場合は、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2の差が小さい、つまり、室内上部300bの温度が室内上部設定温度Tpuに近い温度であることを示している。この場合、熱回収温度差ΔTb2が大きいつまり第2室内機吸込温度Ts2から吹出温度を減じた温度差が大きいと、使用者が冷風感を感じる恐れがある。
一方、温度差ΔTが大きい場合は、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2の差が大きい、つまり、室内上部300bと温度が室内上部設定温度Tpuの温度差が大きいことを示している。この場合、熱回収温度差ΔTb2が大きいつまり第2室内機吸込温度Ts2から吹出温度を減じた温度差が大きくても、室内上部300bの温度が低いために使用者が冷風感を感じにくい。
従って、熱回収温度差テーブル900では、温度差ΔTが大きくなるのにつれて熱回収温度差ΔTb2も大きくなるように決定されている。尚、第2室内機4に吹出温度センサが備えられている場合は、熱回収温度差テーブル900に代えて、検出した第2室内機吸込温度Ts2と吹出温度を用いて熱回収温度差ΔTb2を算出して求めてもよい。
そして、目標風量V2tは、冷媒吸熱量Q2Rと室内上部空気比熱Cp2と室内上部空気密度ρ2と熱回収温度差ΔTb2を用いて、記憶部202に記憶された以下に示す式により算出される。

V2t=Q2R/(Cp2×ρ2×ΔTb2)・・・(数式3)

尚、上記数式3において、室内上部空気比熱Cp2と室内上部空気密度ρ2は、前述した図5に示す熱回収運転制御のST25で読み出した値を使用する。
CPU201は、熱回収室内機ファン制御を開始すると、バイパス開閉弁25を閉じ、室外熱交換器23の冷媒出口側(四方弁22側)における冷媒過熱度が所定値(例えば、2deg)以上となるように、第1膨張弁24の開度を調整するとともに室外ファン29の回転数を制御する(ST41)。バイパス開閉弁25を閉じて第1膨張弁24を開けることで、室外熱交換器23が蒸発器として機能する。尚、上記冷媒過熱度は、例えば、吸入温度センサ112で検出した冷媒温度から低圧センサ102で検出した吸入圧力Psucを用いて算出した低圧飽和温度を減じて求めることができる。
次に、CPU201は、高圧センサ101で検出した吐出圧力Pdisと、低圧センサ102で検出した吸入圧力Psucをセンサ入力部204を介して取り込むとともに、第2室内機4の第3冷媒温度センサ118で検出した第2室内機熱交温度Te2を通信部203を介して取り込む(ST42)。
次に、CPU201は、ST42で取り込んだ第2室内機熱交温度Te2を用いて第2室内機蒸発圧力Pe2を算出する(ST43)。次に、CPU201は、吐出温度センサ111で検出した吐出温度Tdisをセンサ入力部204を介して取り込み、取り込んだ吐出温度TdisとST42で取り込んだ最新の吸入圧力Psucを用いて吐出側エンタルピhdを算出する(ST44)。
次に、CPU201は、吸入温度センサ112で検出した吸入温度Tsucをセンサ入力部204を介して取り込み、吸入温度TsucとST42で取り込んだ最新の吸入圧力Psucを用いて吸入冷媒密度ρsを算出する(ST45)。
次に、CPU201は、現在の圧縮機回転数Ncpを取り込むとともに、記憶部202から圧縮機回転数Ncpに対応する圧縮機排除容積Vcpを取り込む(ST46)。
次に、CPU201は、ST42で取り込んだ最新の吐出圧力Pdisと吸入圧力PsucとST46で取り込んだ圧縮機回転数Ncpを用いて、圧縮機21の体積効率ηvを算出する(ST47)。
次に、CPU201は、ST45で算出した吸入冷媒密度ρsとST46で取り込んだ圧縮機回転数Ncpおよび圧縮機排除容積VcpとST47で算出した体積効率ηvを用いて、冷媒−水回路10における冷媒循環量Gを算出する(ST48)。
次に、CPU201は、ST42で取り込んだ第2室内機熱交温度Te2と図4に示すメインルーチンのST3で読み出した第2室内機吸込温度Ts2と図5に示す熱回収運転制御のサブルーチンのST24で決定した第2室内ファン44の回転数N2とST48で算出した冷媒循環量Gを用いて、第2室内熱交換器41における冷媒吸熱量Q2Rを算出する(ST49)。
次に、CPU201は、図4に示すメインルーチンのST3で算出した温度差ΔTを用い記憶部202に記憶している熱回収温度差テーブル900を参照して熱回収温度差ΔTb2を決定する(ST50)。
次に、CPU201は、ST50で決定した熱回収温度差ΔTb2とST49で算出した冷媒吸熱量Q2Rと図5に示す熱回収運転制御のサブルーチンのST25で読み出した室内上部空気比熱Cp2および室内上部空気密度ρ2を、前述した数式3に代入して室内ファン44の目標風量V2tを算出する(ST51)。
そして、CPU201は、ST51で算出した目標風量V2tに対応する第2室内ファン44の回転数N2とする(ST52)。具体的には、CPU201は算出した目標風量V2tを通信部203を介して第2室内機4に送信し、目標風量V2tを受信した第2室内機4は第2室内ファンの回転による風量が目標風量V2tとなる回転数N2で第2室内ファン44を駆動する。
ST52の処理を終えたCPU201は、熱回収室内機ファン制御を終了する。
以上説明したように、空気調和システム1が暖房運転を行っているとき、部屋300の室内下部300aと室内上部300bで別々に設定温度を定め、室内上部設定温度Tpuと第2室内機4で検出した室内上部300bの温度である第2室内機吸込温度Ts2との温度差ΔTに応じて、第1室内機3および第2室内機4でともに暖房運転を行うか、第2室内機4で室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収する熱回収運転を行うかを選択している。これにより、より効果的な「頭寒足熱」状態となって、使用者の快適性を高めることができる。また、室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収して冷媒を蒸発させているので、圧縮機21の回転数を必要以上に上昇させる必要がなく圧縮比が大幅に小さくなるため、省エネルギー性が向上する。
尚、熱回収運転を行う際に、前述したように室内上部設定温度Tpuを室内下部設定温度Tpdより所定温度低い温度とし、第2室内機4から吹き出される空気の温度を第1室内機3から吹き出される空気の温度より低くすれば、第2室内機4から吹き出される空気の方が第1室内機3から吹き出される空気より重くなる(密度が高くなる)。これにより、第1室内機3から吹き出されて部屋300の上方
(室内上部300b)に上昇しようとする温度の高い空気の一部と、第2室内機4から吹き出される温度の低い空気の一部が自然対流的に混ざりながら、図2に示す境界線BL近傍で室内上部設定温度Tpuと室内下部設定温度Tpdの中間温度層を形成する。また、第2室内機4から吹き出される温度の低い空気で、第1室内機3から吹出される温度の高い空気の上昇を効果的に押さえ込むことができる。これらにより、部屋300の「頭寒足熱」状態をより安定して継続させることができる。
さらには、熱回収室内機ファン制御を行って、第2室内機4からの吹出風量を目標風量V2tとすることで、第2室内熱交換器41における室内上部300bの空気からの吸熱量を調整して、吹出温度と第2室内機吸込温度Ts2の温度差を所定温度差(本実施形態では、図7の熱回収温度差テーブル900におけるΔTb2の最大値である3℃)より大きくならないようにする。これにより、熱回収運転を行っているときに使用者が第2室内機4からの吹出空気によって冷風感を感じることを抑制できる。
尚、熱回収室内機ファン制御を行えば、第2室内機4の第2室内熱交換器41と室外機2の室外熱交換器23がともに蒸発器として機能するので、室外熱交換器23のみを蒸発器として機能させる場合と比べて室外熱交換器23における蒸発温度を高くすることができる。これにより、室外ファン29の負荷を低減(回転数を低く)することができるので、空気調和システム1の省エネ性が向上する。
次に、本発明の空気調和システムの第2の実施形態について、図8および図2を用いて説明する。本発明の第2の実施形態における空気調和システム1aの構成のうち、室外機2と第2室内機4については図1を用いて説明した第1実施形態における空気調和システム1と同じであるため、その構成や動作について詳細な説明を省略する。また、暖房運転時に第2室内機4で室内上部300bの熱を回収する熱回収運転を行う際の、室外機制御手段200のCPU201で行う処理についても、第1実施形態における空気調和システム1と同じであるため、詳細な説明を省略する。第1の実施形態と異なるのは、第1の実施形態の空気調和システム1における水冷媒熱交換ユニット5が第2の実施形態における空気調和システム1aには設けられていないこと、第1室内機3aも第2室内機4と同様に冷媒と部屋300の空気を熱交換する第1室内熱交換器31aを有すること、および、水冷媒熱交換ユニット5に設けられていた第2膨張弁52が第1室内機3aに設けられて室内膨張弁36aとされていることである。
図8(A)に示すように、本発明の第2の実施形態における空気調和システム1aは、屋外に設置される室外機2と、部屋300に設置される第1室内機3aおよび第2室内機4を有する。第1室内機3aは、部屋300の床面に設置されることで室内下部300aに配置される。第2室内機4は、部屋300の壁面上部に設置されて室内上部300bに配置される。第1室内機3aは、室外機2と第1ガス管8aで接続されるとともに、第2室内機4と第2ガス管8bで接続されている。第2室内機4は、室外機2と液管7で接続されるとともに、上述したように第1室内機3aと第2ガス管8bで接続されている。以上により、空気調和システム1aの冷媒回路10aが構成されている。
第1室内機3aは、第1室内熱交換器31aと、室外機側接続部32aと、第2室内機側接続部33aと、第1室内ファン34aと、第2膨張弁である室内膨張弁36aを備えている。そして、第2室内ファン34aを除くこれら各装置が第1室内機冷媒配管35aで接続されて、冷媒回路10aの一部をなす第1室内機冷媒回路30aを構成している。
第1室内熱交換器31aは、第1室内機冷媒配管35aに設けられている。第1室内機冷媒配管35aは、一端が室外機側接続部32aを介して第1ガス管8aに接続され、また、他端が第2室内機側接続部33aを介して第2ガス管8bに接続されている。第1室内熱交換器31aは、冷媒と、後述する第1室内ファン34aの回転により第1室内機3a内部に取り込まれた室内下部300aの空気を熱交換させる。
室内膨張弁36aは、例えば電子膨張弁である。室内膨張弁36aは、図示しないステッピングモータにパルスが加えられて開度が調整されることで、第1室内熱交換器31aを流れる冷媒量を調節する。
第1室内ファン34aは樹脂材で形成されており、第1室内熱交換器31aの近傍に配置されている。第1室内ファン34aは、図示しないファンモータによって回転することで、第1室内機3aの図示しない吸込口から第1室内機3aの内部に室内下部300aの空気を取り込み、第1室内熱交換器31aにおいて冷媒と熱交換した室内下部300aの空気を第1室内機3aの図示しない吹出口から室内下部300aへ吹き出す。
以上説明した構成の他に、第1室内機3aには、各種センサが備えられている。第1室内機冷媒配管35aにおける室外機側接続部32aと第1室内熱交換器31aの間には、第1室内熱交換器31aに流入あるいは第1室内熱交換器31aから流出する冷媒の温度を検出する第1冷媒温度センサ115aが設けられている。また、第1室内機冷媒配管35aにおける室内膨張弁36aと第1室内熱交換器31aの間には、第1室内熱交換器31aに流入あるいは第1室内熱交換器31aから流出する冷媒の温度を検出する第2冷媒温度センサ116aが設けられている。さらには、第1室内機3aの図示しない吸込口付近には、第1室内機3aに流入する室内空気の温度、すなわち室温を検出する第1吸込温度センサ117aが備えられている。
次に、本実施形態の空気調和システム1aにおける空調運転時の冷媒回路10aの冷媒の流れや各部の動作について、図8および図2を用いて説明する。尚、以下の説明では、使用者が図2に示すリモコン400を操作して、第1室内機3aおよび第2室内機4で暖房運転を行うよう指示した場合について説明する。
第1室内機3aおよび第2室内機4で暖房運転を行う場合、図8(A)に示すように、室外機制御部200のCPU201は、四方弁22を実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdとが連通するよう、また、ポートbとポートcとが連通するよう切り換える。また、CPU201は、バイパス開閉弁25を閉とする。また、CPU201は、第1室内機3aの室内膨張弁36aを全開にするように第1室内機3aに指示する。これにより、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、第1室内熱交換器31aおよび第2室内熱交換器41が凝縮器として機能し、冷媒回路10aにおいて矢印で示す方向に冷媒が循環する。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管61を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管64へと流れて閉鎖弁28を介して第1ガス管8aに流入する。第1ガス管8aを流れる冷媒は、室外機側接続部32aを介して第1室内機3aに流入する。第1室内機3aに流入した冷媒は、第1室内機冷媒配管35aを流れて第1室内熱交換器31aに流入する。
第1室内熱交換器31aに流入した冷媒は、第1室内ファン34aの回転によって第1室内機3a内部に流入した室内下部300aの空気と熱交換する。第1室内熱交換器31aで加熱された空気は、図示しない第1室内機3aの吹出口から室内下部300aに吹き出される。
第1室内熱交換器31aから第1室内機冷媒配管35aに流出した冷媒は、全開とされている室内膨張弁36aを通過し、第1室内機側接続部33aを介して第2ガス管8bに流出する。第2ガス管8bからガス側接続部42を介して第2室内機4に流入した冷媒は、第2室内機冷媒配管45を流れて第2室内熱交換器41に流入する。
第2室内熱交換器41に流入した冷媒は、第2室内ファン44の回転によって第2室内機4内部に流入した室内上部300bの空気と熱交換して凝縮する。第2室内熱交換器41で加熱された空気は、図示しない第2室内機4の吹出口から室内上部300bに吹き出される。このように、第1室内機3aと第2室内機4の各々から加熱された空気が吹き出されることによって、部屋300の暖房が行われる。
第2室内熱交換器41から第2室内機冷媒配管45に流出した冷媒は、液側接続部43を介して液管7に流出し、閉鎖弁27を介して室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、室外機液管63を流れる際に第1膨張弁24によって減圧されて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン29の回転により室外機2内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から冷媒配管62に流出した冷媒は、四方弁22、吸入管65を流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
以上説明した空気調和システム1aが第1室内機3aと第2室内機4を駆動して暖房運転を行っているとき、室外機制御部200のCPU201は、使用者が設定した室内上部設定温度Tpuと室内下部設定温度Tpdを第1室内機3aと第2室内機4から通信部203を介して取り込んで記憶部202に記憶する。また、CPU201は、第1室内機3aの第1吸込温度センサ117aで検出した第1室内機吸込温度Ts1と、第2室内機4の第2吸込温度センサ120で検出した第2室内機吸込温度Ts2を通信部203を介して定期的に取り込んで記憶部202に記憶する。
CPU201は、第1室内機吸込温度Ts1や第2室内機吸込温度Ts2を取り込む度に、室内下部設定温度Tpdと第1室内機吸込温度Ts1の温度差、および、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2の温度差をそれぞれ算出し、各温度差に応じて圧縮機21の回転数制御を行う。そして、室内上部設定温度Tpuと第2室内機吸込温度Ts2との温度差ΔTに応じて、第1室内機3aおよび第2室内機4で共に暖房運転を行うか、室内膨張弁36aの開度を第2室内機吸込温度Ts2から室内上部設定温度Tpuを減じた温度差に応じた開度として第2室内機4の第2室内熱交換器41を蒸発器として機能させることで、第2室内機4で室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収する熱回収運転を行うかを選択している。これにより、より効果的な「頭寒足熱」状態となって、使用者の快適性を高めることができる。また、室内上部300bに滞留する暖気から熱を回収して冷媒を蒸発させているので、圧縮機21の回転数を必要以上に上昇させる必要がなく、省エネルギー性が向上する。
尚、熱回収運転を行う際に、前述したように室内上部設定温度Tpuを室内下部設定温度Tpdより所定温度低い温度とし、第2室内機4から吹き出される空気の温度を第1室内機3aから吹き出される空気の温度より低くすれば、第2室内機4から吹き出される空気の方が第1室内機3aから吹き出される空気より重くなる(密度が高くなる)。これにより、第1室内機3aから吹き出されて部屋300の上方(室内上部300b)に上昇しようとする温度の高い空気の一部と、第2室内機4から吹き出される温度の低い空気の一部が自然対流的に混ざりながら、図2に示す境界線BL近傍で室内上部設定温度Tpuと室内下部設定温度Tpdの中間温度層を形成する。また、第2室内機4から吹き出される温度の低い空気で、第1室内機3aから吹出される温度の高い空気の上昇を効果的に押さえ込むことができる。これらにより、部屋300の「頭寒足熱」状態をより安定して継続させることができる。
さらには、熱回収室内機ファン制御を行って、第2室内機4からの吹出風量を目標風量V2tとすることで、第2室内熱交換器41における室内上部300bの空気からの吸熱量を調整して、吹出温度と第2室内機吸込温度Ts2の温度差を所定温度差(本実施形態では、図7の熱回収温度差テーブル900におけるΔTb2の最大値である3℃)より大きくならないようにする。これにより、熱回収運転を行っているときに使用者が第2室内機4からの吹出空気によって冷風感を感じることを抑制できる。
以上説明した第1の実施形態および第2の実施形態では、室外機2にバイパス開閉弁25を備えたバイパス配管66を設け、熱回収運転を行う際に第2室内熱交換器41で冷媒が十分に蒸発可能な場合は、バイパス開閉弁25を開くとともに室外膨張弁24を全閉として、室外熱交換器23が蒸発器として機能しないようにしている場合を説明した。これに対し、室外機2にバイパス配管66を設けない場合は、室外膨張弁23を全開とするとともに、室外ファン29を停止することで、室外熱交換器23が蒸発器として機能しないようにしてもよい。
1、1a 空気調和システム
2 室外機
3、3a 第1室内機
4 第2室内機
5 水冷媒熱交換ユニット
7 液管
8 ガス管
8a 第1ガス管
8b 第2ガス管
9 水配管
10 冷媒−水回路
10a 冷媒回路
21 圧縮機
22 四方弁
23 室外熱交換器
24 第1膨張弁
25 バイパス開閉弁
26 逆止弁
31、31a 第1室内熱交換器
36a 室内膨張弁
41 第2室内熱交換器
51 水冷媒熱交換器
52 第2膨張弁
53 循環ポンプ
66 バイパス配管
111 吐出温度センサ
117、117a 第1吸込温度センサ
120 第2吸込温度センサ
200 室外機制御手段
201 CPU
300 部屋
300a 室内下部
300b 室内上部
500 居間
600 寝室
800 温度差−パルス相関図
Tb2 第2室内機吹出温度
Tb2t 閾温度
ΔTb2 調整温度
Tpu 室内上部設定温度
Tpd 室内下部設定温度
Ts1 第1室内機吸込温度
Ts2 第2室内機吸込温度
ΔT 温度差
ΔTb2 熱回収温度差
Tt 閾温度差
Tdis 吐出温度
Tsuc 吸入温度
Te2 第2室内機熱交温度
Tdt 目標吐出温度
TdtU 目標上限値
TdtL 目標下限値
Pdis 吐出圧力
Psuc 吸入圧力
Pe2 第2室内機蒸発圧力
Q1A 暖房必要熱量
Q2A 回収可能熱量
Q2R 冷媒給熱量
Cp1 室内下部空気比熱
Cp2 室内上部空気比熱
ρ1 室内下部空気密度
ρ2 室内上部空気密度
ρs 吸入冷媒密度
N1 第1室内ファンの回転数
N2 第2室内ファンの回転数
Ncp 圧縮機回転数
V1 室内下部体積流量
V2 室内上部体積流量
Vcp 圧縮機排除容積
hd 吐出側エンタルピ
ηv 圧縮機体積効率
G 冷媒循環量

Claims (4)

  1. 圧縮機と、流路切替手段と、室外熱交換器と、第1膨張弁を有する室外機と、
    第1室内熱交換器と第1室内ファンを有する第1室内機と、
    第2室内熱交換器と第2室内ファンを有する第2室内機と、
    冷媒と水を熱交換させる水冷媒熱交換器と、循環ポンプを有し、前記水冷媒熱交換器で冷媒と熱交換した水を前記循環ポンプの駆動により前記第1室内熱交換器に供給する水冷媒熱交換ユニットと、
    前記圧縮機や前記循環ポンプを駆動制御する制御手段と、
    を有する空気調和システムであって、
    前記第2室内機は、同第2室内機に吸い込まれる空気の温度である第2室内機吸込温度を検出する第2吸込温度検出手段を有し、
    前記水冷媒熱交換器は、冷媒が流れる冷媒側流路と、水が流れる水側流路を有し、
    前記水冷媒熱交換器の前記冷媒側流路と前記第2室内機の前記第2室内熱交換器が、前記室外機に直列に接続されるとともに、前記冷媒側流路と前記第2室内熱交換器の間に第2膨張弁が配置され、
    検出した前記第2室内機吸込温度から所定の熱回収運転切替温度を減じた温度差に対応させて、前記第2室内機における吹出空気の温度である吹出温度から前記第2室内機吸込温度を減じた熱回収温度差を、前記制御手段に予め記憶しており、
    前記制御手段は、
    暖房運転時に前記温度差が所定の閾温度差以上となった場合は、前記第2膨張弁の開度を絞ることによって、少なくとも前記第2室内機の前記第2室内熱交換器を蒸発器として機能させて前記第2室内機が設置された空調空間の熱を回収する熱回収運転に切り替え、
    前記熱回収運転において、前記第2室内機で回収する熱量である回収可能熱量と、前記第1室内機が設置された空間の温度を設定温度とするのに必要な熱量である暖房必要熱量を算出し、前記回収可能熱量から前記暖房必要熱量を減じた値である熱量差が所定の閾熱量差未満であれば、前記第2室内熱交換器に加えて前記室外熱交換器も蒸発器として機能させ、
    記憶している前記熱回収温度差を用いて前記第2ファンの回転数を算出し、算出した同回転数となるように前記第2室内ファンを駆動制御する熱回収室内機ファン制御を実行する、
    ことを特徴とする空気調和システム。
  2. 前記室外機は、前記室外熱交換器をバイパスし開閉弁を備えるバイパス配管を有し、
    前記制御手段は、前記熱回収運転を行うときに前記室外熱交換器を蒸発器として機能させる場合は、前記開閉弁を開く、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
  3. 圧縮機と、流路切替手段と、室外熱交換器と、第1膨張弁を有する室外機と、
    第1室内熱交換器と第1室内ファンを有する第1室内機と、
    第2室内熱交換器と第2室内ファンを有する第2室内機と、
    前記圧縮機や前記循環ポンプを駆動制御する制御手段と、
    を有する空気調和システムであって、
    前記第2室内機は、同第2室内機に吸い込まれる空気の温度である第2室内機吸込温度を検出する第2吸込温度検出手段を有し、
    前記第1室内機の前記第1室内熱交換器と前記第2室内機の前記第2室内熱交換器が、前記室外機に直列に接続されるとともに、前記第1室内熱交換器と前記第2室内熱交換器の間に第2膨張弁が配置され、
    検出した前記第2室内機吸込温度から所定の熱回収運転切替温度を減じた温度差に対応させて、前記第2室内機における吹出空気の温度である吹出温度から前記第2室内機吸込温度を減じた熱回収温度差を、前記制御手段に予め記憶しており、
    前記制御手段は、
    暖房運転時に前記温度差が所定の閾温度差以上となった場合は、前記第2膨張弁の開度を絞ることによって、少なくとも前記第2室内機の前記第2室内熱交換器を蒸発器として機能させて前記第2室内機が設置された空調空間の熱を回収する熱回収運転に切り替え、
    前記熱回収運転において、前記第2室内機で回収する熱量である回収可能熱量と、前記第1室内機が設置された空間の温度を設定温度とするのに必要な熱量である暖房必要熱量を算出し、前記回収可能熱量から前記暖房必要熱量を減じた値である熱量差が所定の閾熱量差未満であれば、前記第2室内熱交換器に加えて前記室外熱交換器も蒸発器として機能させ、
    記憶している前記熱回収温度差を用いて前記第2ファンの回転数を算出し、算出した同回転数となるように前記第2室内ファンを駆動制御する熱回収室内機ファン制御を実行する、
    ことを特徴とする空気調和システム。
  4. 前記室外機は、前記室外熱交換器をバイパスし開閉弁を備えるバイパス配管を有し、
    前記制御手段は、前記熱回収運転を行うときに前記室外熱交換器を蒸発器として機能させる場合は、前記開閉弁を開く、
    ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和システム。
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