JP2018048695A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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立己 ▲崎▼原
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健太 山崎
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健太 山崎
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Abstract

【課題】トリポード部材(トラニオン)の強度を低下させることなく、止め輪とローラの接触が有効に回避でき、等速自在継手のコンパクト化に有利なシャフトとトリポード部材(トラニオン)の係止構造を提供する。【解決手段】トリポード部材のボス部の軸孔に、端部に雄スプラインが形成されたシャフトが嵌入され、シャフトの雄スプラインとトリポード部材の軸孔の雌スプラインとが嵌合する。シャフトの軸端部に設けられた周方向凹溝に止め輪が装着されるトリポードタイプである摺動式等速自在継手である。止め輪を一部が分断された環状形状体にて構成する。止め輪がシャフトの軸端部に周方向凹溝に装着された状態で、トリポード部材のボス部の端面に係止する。【選択図】図4

Description

本発明は、摺動式等速自在継手に関し、トルク伝達部材がローラであるトリポードタイプの摺動式等速自在継手に関する。
等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。
図9は、トリポードタイプの摺動式等速自在継手を示している。この摺動式等速自在継手は、外側継手部材1と内側継手部材であるトリポード部材(トラニオン)2とローラ3(トルク伝達部材)とで主要部が構成されている。連結すべき駆動側と従動側の二軸の一方の軸(駆動軸)が外側継手部材1の底部から一体的に延び、他方の軸(図示せず)がトリポード部材2と結合される。
外側継手部材1は一端が開口した有底筒状で、その内周に軸方向に延びる三本のトラック溝4が円周方向等間隔に形成されている。トリポード部材(トラニオン)2は円筒状のボス部5から半径方向外側に突出した三本の脚軸6を有し、これら脚軸6が外側継手部材1のトラック溝4に挿入され、そのトラック溝4と係合してトルク伝達を行う。脚軸6には針状ころ7を介してローラ3が回転自在に外嵌され、このローラ3がトラック溝4の互いに対向する一対のローラ案内面8に沿って転動することで連結二軸間の角度変位と軸方向変位を円滑にする。
脚軸6の外周面は針状ころ7の内側転動面を構成し、ローラ3の内周面は針状ころ7の外側転動面を構成している。複数の針状ころ7は、脚軸6の外周面とローラ3の内周面との間に総ころ状態で配設されている。また、トリポード部材(トラニオン)2のボス部5の軸孔9には雌スプライン9aが設けられている。
これら針状ころ7は、脚軸6の付け根部に外嵌されたインナワッシャ10と半径方向内側で接すると共に、脚軸6の先端部に外嵌されたアウタワッシャ11と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ11は、脚軸6の先端部に形成された環状溝12に丸サークリップ等の止め輪13を嵌合させることにより抜け止めされている。
また、トリポード部材(トラニオン)2のボス部5の軸孔9には、シャフト15が嵌入される。すなわち、シャフト15の端部には雄スプライン15aが形成され、この雄スプライン15aがボス部5の軸孔9に嵌入される。そして、軸孔9の内径面の雌スプライン9aとシャフト15の雄スプライン15aとが嵌合する。
また、雄スプライン15aの端部には止め輪16が装着される。すなわち、雄スプライン15aの端部に周方向凹溝17が形成され、この周方向凹溝17に止め輪16が装着(嵌合)されている。
この場合、図10に示すように、雄スプライン15aの端部に周方向凹溝17が形成されているので、止め輪16の溝底の径が比較的大きくなって、止め輪16の外径端がローラ3に接触するおそれがあった。
そこで、図11に示すように、シャフト15の軸端部に小径部18を形成し、この小径部18に周方向凹溝17を形成して、止め輪16の小径化を図ることが提案された。しかしながら、このように、小径化を図れば、トリポード部材2のボス部5の端面5aと、周方向凹溝17の軸端側端面17aとにおいて、軸方向で対向する部位を有さない構成となる。
このため、図11の矢印方向の軸力がシャフト15に加わると、止め輪16が周方向凹溝17から外れるおそれがある。このため、従来において、周方向凹溝17よりも軸端側の外径面18aを、雄スプライン15aの谷部よりも外径側に位置させるとともに、雄スプライン15aの山部よりも内径側に位置させることによって、周方向凹溝17の軸端側内壁17aをトリポード部材2のボス部5の端面5aに対向させるように構成した(特許文献1)。
この特許文献1に記載の止め輪16は、図12に示すようなC型クリップを用いている。すなわち、対向する一対の切欠端部に、拡径用の工具が係合する係合孔20a、20bを有する膨出部20A、20Bが設けられる。
また、従来には、膨出部20A、20Bを有さない止め輪を用いたものもある(特許文献2)。この場合、図13に示すように、シャフト15の雄スプライン15aの端部側に設けられ、止め輪16がボス部5の軸孔9内に収まる構成となっている。すなわち、図14に示すように、軸孔9の継手奥側開口部に内径円筒面21が形成され、この内径円筒面21に、周方向凹溝17に嵌合している止め輪16(図13参照)がこの内径円筒面21に係合することによって、抜け止め構造が形成された。そして、このボス部5の外径面に、ローラ3の接触を防止するための脚軸6に対し円周状の逃げ形状22が設けられている。
特許第5241221号公報 特開2010−276050号公報
ところで、図15〜図17に示すように、トリポード型等速自在継手において、角度を取って回転作動すると、図16に示すように、位相角90°、270°でローラ3がトリポード部材2のボス部5に接近する。また、図15に示す位相角0°及び図17に示す180°でローラ3がトリポード部材2のボス部5から離間する。図15では、作動角α1を取った状態であり、図17では、作動角α2を取った状態である。
図18に示すように、ローラ3は、実線で示す接近位置から仮想線で示す離間位置の範囲を変位する。図18において、Lは、ローラ3が脚軸6の軸方向に位置ずれしていない状態でのローラ3の中心線を示し、L1は接近位置でのローラ3の中心線を示し、L2は離間位置でのローラ3の中心線を示している。このため、このボス部5の軸方向端部にそれぞれ、ローラ3の接触を防止するための脚軸6に対し円周状の逃げ形状22が設けられている。
しかしながら、図10等に示すように、止め輪16がボス部5の端面に当接するものにおいて、止め輪16を、図12(a)(b)に示すようなC型クリップを用いる場合、ローラ3とC型クリップの膨出部20A、20Bが干渉しにくい位置関係となるようトリポード部材2を設計している。例えば、図20(b)に示すように、膨出部間の中央線O1が脚軸6の軸心Oと平行になっている状態では、膨出部20A、20Bの外端縁が、ローラ3に相対面する状態となって、図20(b)に示すように、ローラ3がボス部5に近接する状態となっても、止め輪16とローラ3との接触を回避することが可能である。
しかしながら、止め輪16が図20(a)に示す状態、すなわち、膨出部間の中央線O1が脚軸6の軸心Oに対して位相ずれが生じた場合、図21に示すように、一方の膨出部20Aの一部(膨出部20Aのコーナ部)がローラ3に接触(干渉)するおそれがある。このように接触すれば、ローラ3の滑らかな回転の妨げとなったり、回転しない状態となったりする。このような状態では、等速自在継手としての機能を達成できなくなったり、等速自在継手が損傷したりするおそれがある。そのため、これ以上ローラ3の位置はシャフト15(図19参照)側に配置できない設計となっており、摺動式等速自在継手のコンパクト化は難しい。
また、図13に示すように、止め輪16がボス部5内に収納状となるものでは、止め輪16とローラ3との接触を回避できる構成となっているが、図14に示すように、ボス部5の軸端部の内径面側に内径円筒面21及び外径面側に逃げ形状22が形成され、この軸端部の肉厚が小さくなって、トリポード部材(トラニオン)2の強度低下を招き、等速自在継手としての製品機能を損なう恐れがある。
そこで、本発明は、トリポード部材(トラニオン)の強度を低下させることなく、止め輪とローラとの接触が有効に回避でき、等速自在継手のコンパクト化に有利なシャフトとトリポード部材(トラニオン)の係止構造を提供する。
本発明の摺動式等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる3本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されるとともに前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラを有するトルク伝達部材とを備え、トリポード部材のボス部の軸孔に雌スプラインが設けられ、この軸孔に、端部に雄スプラインが形成されたシャフトが嵌入され、シャフトの雄スプラインとトリポード部材の軸孔の雌スプラインとが嵌合し、かつ、シャフトの軸端部に設けられた周方向凹溝に止め輪が装着されるトリポードタイプである摺動式等速自在継手であって、前記止め輪を一部が分断された環状形状体にて構成し、この止め輪が前記シャフトの軸端部に周方向凹溝に装着された状態で、トリポード部材のボス部の端面に係止するものである。
止め輪がシャフトの軸端部に周方向凹溝に装着された状態で、トリポード部材のボス部の端面に係止するものであるので、この止め輪をトリポード部材のボス部の軸孔に収納状とならず、ボス部の軸方向端部の肉厚が小とならない。しかも、止め輪(環状形状体)には、C型クリップのような係合孔を設ける必要がなく、止め輪がトリポード部材のボス部の端面に係止するものであっても、この止め輪がローラを有するトルク伝達部材に接触するのを防止できる。
シャフトの雄スプラインとトリポード部材の軸孔の雌スプラインとが嵌合した状態での、軸方向外方からの軸方向に沿った前記止め輪の周方向凹溝への装着を可能としたものであってもよい。このように構成することによって、止め輪の周方向凹溝への装着作業の簡略化を図ることができる。
シャフトの軸端部の軸端縁に、軸方向外方からの軸方向に沿った前記止め輪の周方向凹溝への装着を案内する軸端面取部を設けたものであってもよい。このように構成することによって、止め輪を軸端面取部に案内させながら、周方向凹溝に嵌合(装着)させることができる。
軸端面取部の最小外径を、前記止め輪の自由状態の内径寸法よりも小さく設定することができる。このように設定することによって、止め輪を軸端面取部を介して軸方向に沿ってシャフトに嵌入させていけば、軸端面取部に案内されながら止め輪が拡径していき、周方向凹溝に止め輪を嵌合(装着)させることができる。
止め輪の周方向凹溝への装着状態でこの止め輪の内径部が周方向凹溝の底に接触しているのが好ましい。このように設定することによって、止め輪が周方向凹溝に対して安定して嵌合することができる。
止め輪の内径と外径との間のセンターサークルが、雄スプラインの歯高さ範囲と雌スプラインの歯高さ範囲とに入っているのが好ましい。このように設定することによって、シャフトに対して軸方向の抜け力が作用しても、安定した抜け防止機能を発揮する。
本発明では、ボス部の軸方向端部の肉厚が小とならないので、トリポード部材(トラニオン)の強度低下を招かず、止め輪が、ローラを有するトルク伝達部材に接触するのを防止できる。また、それによりトリポード部材(トラニオン)を設計する際に、ローラ位置をさらにシャフト側に配置することが可能となり、コンパクト設計に有利となる。
本発明の摺動式等速自在継手の断面図である。 図1に示す摺動式等速自在継手の内部部品の要部正面図である。 図1に示す摺動式等速自在継手に用いる止め輪を示し、(a)は正面図であり、(b)は断面側面図である。 摺動式等速自在継手の要部拡大図である。 雄スプラインと雌スプラインとの嵌合状態を示す拡大図である。 シャフトと止め輪との関係を示す側面図である。 止め輪のシャフトの周方向凹溝への装着方法の説明図である。 シャフトの周方向凹溝に止め輪が装着されている状態の断面図である。 従来の摺動式等速自在継手の断面図である。 従来の摺動式等速自在継手におけるシャフトとこのシャフトの周方向凹溝に装着された止め輪との関係を示す説明図である。 他の従来の摺動式等速自在継手におけるシャフトとこのシャフトの周方向凹溝に装着された止め輪との関係を示す説明図である。 図10と図11の摺動式等速自在継手に用いた止め輪を示し、(a)は正面図であり、(b)は断面側面図である。 従来の別の摺動式等速自在継手の断面図である。 図13に示す摺動式等速自在継手に用いたトリポード部材の断面図である。 作動角を取って回転している状態での0°位相の等速自在継手の断面図である。 作動角を取って回転している状態での90°位相及び270°位相の等速自在継手の断面図である。 作動角を取って回転している状態での180°位相の等速自在継手の断面図である。 ローラの変位を示す説明図である。 図13に示す摺動式等速自在継手の問題点の説明図である。 図19の摺動式等速自在継手を示し、(a)は止め輪とローラとが接触している状態の要部正面図であり、(b)は止め輪とローラとが接触していない状態の要部正面図である。 図19(a)の要部拡大図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1と図2は本発明に係る摺動式等速自在継手を示している。この摺動式等速自在継手はトリポードタイプであり、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝31を設けた外側継手部材32と、半径方向に突出した3つの脚軸33を備えた内側継手部材としてのトリポード部材34と、前記脚軸33に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝31に転動自在に挿入されたトルク伝達手段としてのローラ35とを備える。このため、トリポード部材34とローラ35等で、外側継手部材32内をその軸心方向に沿って摺動(往復動)する内部部品を構成することになる。
この場合、ローラ35は脚軸33の外径面に周方向に沿って配設される複数の針状ころ36を介して外嵌されている。脚軸33の外周面は針状ころ36の内側転動面を構成し、ローラ35の内周面は針状ころ36の外側転動面を構成している。複数の針状ころ36は、脚軸33の外周面とローラ35の内周面との間に総ころ状態で配設されている。
これら針状ころ36は、脚軸33の付け根部に外嵌されたインナワッシャ40と半径方向内側で接すると共に、脚軸33の先端部に外嵌されたアウタワッシャ41と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ41は、脚軸33の先端部に形成された環状溝42に丸サークリップ等の止め輪43を嵌合させることにより抜け止めされている。
また、トリポード部材34は、ボス部37と、このボス部37から径方向に伸びる前記脚軸33とからなる。トリポード部材(トラニオン)34のボス部37の軸孔45には雌スプライン46が設けられている。そして、この軸孔45に、端部に雄スプライン47が形成されたシャフト48が嵌入され、雄スプライン47と雌スプライン46とが嵌合する。
ところで、外側継手部材32は一端にて開口したカップ状のマウス部49を有し、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝31が形成してある。各トラック溝31の円周方向で向き合った側壁にローラ案内面(ローラ摺接面)31a,31bが形成される。
そして、雄スプライン47の端部には止め輪50が装着される。すなわち、雄スプライン47の端部に周方向凹溝51が形成され、この周方向凹溝51に止め輪50が装着(嵌合)されている。
この場合、止め輪50は、一部が分断された環状形状体(リング体)にて構成され、図3(a)に示すように、止め輪50は、自由状態において、一対の切断端50a、50bが所定寸だけ離間した状態となっている。また、その断面形状が図3(b)に示すように、円形とされて、周方向凹溝51の断面形状が矩形状とされる。
シャフト48には、雄スプライン47よりも継手開口側に、継手奥側から継手開口側へ拡径するテーパ面52が設けられ、ボス部37の軸孔45の継手開口側に、継手奥側から継手開口側へ拡径するテーパ面53が設けられる。このため、ボス部37の軸孔45にシャフト48の雄スプライン47が嵌入された状態では、シャフト48のテーパ面52とボス部37の軸孔45のテーパ面53とが当接して、ボス部37に対してシャフト48の矢印A方向の嵌入を防止する。
そして、このテーパ面同士の当接状態では、図4に示すように、周方向凹溝51に止め輪50が嵌合した状態では、この止め輪50がボス部37の継手奥側の端面37aに当接した状態となる。このため、図1の矢印Bに示す方向にシャフト48の抜けを規制する。また、図3(a)に示すような自由状態での止め輪50の内径寸法Dciが、周方向凹溝51の底の径寸法(直径寸法D1:図6参照)よりも小さく設定される。このため、周方向凹溝51に止め輪50が嵌合した状態では、止め輪50の内径部が周方向凹溝51の底に接触した状態となる。
また、図5に示すように、止め輪50の内径と外径との間のセンターサークルCが、雄スプライン47の歯高さ(全歯たけH2)の範囲と雌スプライン46の歯高さ(全歯たけH1)の範囲に入っている。
また、図6に示すように、シャフト48の軸端部(継手奥側の軸端部)の軸端縁に軸端面取部54を形成している。この軸端面取部54の最小外径を止め輪50の内径寸法(直径寸法)よりも小さくしている。すなわち、図6に示すように、軸端面取部54の最小外径(直径寸法)をDsとし、止め輪50の内径寸法をDciとしたときに、Ds<Dciとしている。
ところで、図4に示すように、トリポード部材34のボス部37の脚軸対向外面には、ローラ接触を防止する逃げ形状56が設けられている。すなわち、ローラ35が最大にボス部37側に接近した状態で、図8に示すように、ローラ35のボス部37側の内径端部が、この逃げ形状56に遊嵌状に嵌合することになって、ローラ35が止め輪50に接触しない。
次に、前記したように構成された摺動式等速自在継手のシャフトの組み付け方法を説明する。すなわち、図7に示すように、トルク伝達部材60(脚軸33の外周に配設される複数の針状ころ36と、この針状ころ36の外周側に配設されるローラ35と、脚軸33の基端側に配設されるインナワッシャ40と、脚軸33の先端側に配設されるアウタワッシャ41及び止め輪43とで構成される)が組み付けられたトリポード部材34に、シャフト48の雄スプライン47を嵌入する。
すなわち、シャフト48の雄スプライン47をトリポード部材34のボス部37の軸孔45に、シャフト48のテーパ面52がボス部37の軸孔45のテーパ面53に当接するまで嵌入する。この際、シャフト48の周方向凹溝51の継手開口部側の側面51abがボス部37の継手奥側の端面37aと一致するように、周方向凹溝51がボス部37の軸孔45から露出する(図4参照)。
この状態で、止め輪50を、矢印のように、シャフト軸心方向に沿ってシャフト48に接近させて行く。これによって、止め輪50が仮想線50Aに示すように、軸端面取部54に嵌合し、この状態からさらに止め輪50をシャフト48に対して押し込んでいけば、軸端面取部54に案内されて、仮想線50Bに示すように、軸端面取部54を乗り越えて、シャフト48の周方向凹溝51と軸端面取部54との間の円筒面部55に達する。その後さらに止め輪50を押し込んでいけば、周方向凹溝51に達し、この状態では、止め輪50が復元力で縮径して、仮想線50Cに示すように、周方向凹溝51に嵌合する状態となって、シャフト48のトリポード部材34への組み付けが完了する。
この状態では、止め輪50がボス部37の継手奥側の端面37a(図4参照)に接触するとともに、図5に示すように、止め輪50の内径と外径との間のセンターサークルCが、雄スプライン47の歯高さ(全歯たけH2)の範囲と雌スプライン46の歯高さ(全歯たけH1)の範囲に入っている。しかも、止め輪50の内径部が、周方向凹溝51の底に接触した状態となっている。
本発明によれば、止め輪50がシャフト48の軸端部に周方向凹溝51に装着された状態で、トリポード部材34のボス部37の端面37a(図4参照)に係止するものであるので、この止め輪(環状形状体)50をトリポード部材34のボス部37の軸孔45に収納状態とならず、ボス部37の軸方向端部の肉厚が小とならない。すなわち、図8に示すように、ローラ35がボス部37側に最大に接近しても、ボス部37の止め輪対応部の肉厚を強度が小とならない範囲で確保できる。これに対して、図14に示すように、ボス部5の軸孔9内に止め輪13の係止部が設けられているものでは、ボス部5の軸方向端部の肉厚が小となる。すなわち、本発明のトリボード部材34のボス部37の軸方向端部の肉厚をt1とし、従来の図14に示すトリボード部材2のボス部5の軸方向端部の肉厚をt0とすれば、t1>t0となる。このため、本発明に係る摺動式等速自在継手は、軸方向端部の強度低下を招かず、止め輪50による抜け止め機能を有効に発揮できる。また、止め輪50には、C型クリップのような係合孔を設ける必要がなく、止め輪50がトリポード部材34のボス部37の端面37a(図4参照)に係止するものであっても、この止め輪50がローラ35を有するトルク伝達部材60に接触するのを防止できる。
シャフト48の雄スプライン47とトリポード部材34の軸孔45の雌スプライン46とが嵌合した状態での、軸方向外方からの軸方向に沿った止め輪50の周方向凹溝51への装着を可能としたので、止め輪50の周方向凹溝51への装着作業の簡略化を図ることができる。
シャフト48の軸端部の軸端縁に、軸方向外方からの軸方向に沿った止め輪50の周方向凹溝51への装着を案内する軸端面取部54を設けたので、止め輪50を軸端面取部54に案内させながら、周方向凹溝51に嵌合(装着)させることができる。軸端面取部54の最小外径を、止め輪50の自由状態の内径寸法よりも小さく設定することによって、止め輪50を軸端面取部54を介して軸方向に沿ってシャフトに嵌入させていけば、軸端面取部54に案内されながら止め輪50が拡径していき、周方向凹溝51に止め輪を嵌合(装着)させることができる。
止め輪50の周方向凹溝51への装着状態でこの止め輪50の内径部が周方向凹溝51の底に接触するように設定することによって、止め輪50が周方向凹溝51に対して安定して嵌合することができる。
止め輪50の内径と外径との間のセンターサークルCが、雄スプライン47の歯高さ範囲と雌スプライン46の歯高さ範囲とに入っているので、シャフトに対して軸方向の抜け力が作用しても、安定した抜け防止機能を発揮する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、止め輪50としては、バネ鋼やステンス鋼等の金属製であっても、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)やスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)等のプラスチックであってもよい。また、止め輪50の断面形状として、円形に限るものではなく、楕円乃至長円形、三角形、正方向、5角形以上の多角形等であってもよい。このため、止め輪50が嵌合する周方向凹溝51の断面形状としては、止め輪50の断面形状に応じて種々変更できる。
摺動式等速自在継手としては、ドライブシャフトやプロペラシャフトの動力伝達シャフトに用いることができ、また、自動車の動力伝達系以外にも、回転するシャフトを有する種々の一般機械、電気機械、又は輸送機械等にも使用可能である。なお、摺動式等速自在継手としてトリポードタイプを用いる場合、シングルローラタイプであっても、ダブルローラタイプであってもよい。
31 トラック溝
32 外側継手部材
33 脚軸
34 トリポード部材
35 ローラ
37 ボス部
37a 端面
46 雌スプライン
47 雄スプライン
48 シャフト
50、50A、50B、50C 止め輪
51 周方向凹溝
54 軸端面取部
55 円筒面部
C センターサークル

Claims (6)

  1. 内周に軸線方向に延びる3本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されるとともに前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラを有するトルク伝達部材とを備え、トリポード部材のボス部の軸孔に雌スプラインが設けられ、この軸孔に、端部に雄スプラインが形成されたシャフトが嵌入され、シャフトの雄スプラインとトリポード部材の軸孔の雌スプラインとが嵌合し、かつ、シャフトの軸端部に設けられた周方向凹溝に止め輪が装着されるトリポードタイプである摺動式等速自在継手であって、
    前記止め輪を一部が分断された環状形状体にて構成し、この止め輪が前記シャフトの軸端部に周方向凹溝に装着された状態で、トリポード部材のボス部の端面に係止することを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. シャフトの雄スプラインとトリポード部材の軸孔の雌スプラインとが嵌合した状態での、軸方向外方からの軸方向に沿った前記止め輪の周方向凹溝への装着を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. シャフトの軸端部の軸端縁に、軸方向外方からの軸方向に沿った前記止め輪の周方向凹溝への装着を案内する軸端面取部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記軸端面取部の最小外径を、前記止め輪の自由状態の内径寸法よりも小さく設定したことを特徴とする請求項3に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 前記止め輪の周方向凹溝への装着状態でこの止め輪の内径部が周方向凹溝の底に接触していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
  6. 前記止め輪の内径と外径との間のセンターサークルが、雄スプラインの歯高さ範囲と雌スプラインの歯高さ範囲とに入っていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の摺動式等速自在継手。
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