JP2018048237A - セルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法 Download PDF

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【課題】省エネルギーでセルロースナノファイバーを生産することができるセルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す化学的処理機構、上記スラリー中のパルプ繊維を粗解繊するリファイナー、上記スラリー中のパルプ繊維を微細化する高圧ホモジナイザー、及び上記高圧ホモジナイザーにより発生した熱を水を用いて除去する除熱手段を有する熱交換機構を備え、上記熱交換機構が、上記除熱手段で加熱された水を用いて上記化学的処理機構のスラリーを加熱する加熱手段をさらに有するセルロースナノファイバーの製造装置である。上記化学的処理機構が反応槽を有し、上記加熱手段が上記加熱された水を上記反応槽に供給することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法に関する。
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状とは異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。パルプ繊維等のセルロース系原料から製造されるセルロースナノファイバーは、強度、弾性、熱安定性等に優れているため、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂及びゴムの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途などに用いられている。また、セルロースナノファイバーは、水系分散性に優れているため、食品、化粧品、塗料等の粘度の保持剤、食品原料生地の強化剤、水分保持剤、食品安定化剤、低カロリー添加物、乳化安定化助剤などの多くの用途における利用が期待されている。
セルロースナノファイバーは、パルプ繊維を機械的な処理によって解繊することにより得ることができる。しかし、機械的処理のみでセルロースナノファイバーを製造する場合、多数回の機械的処理が必要となり、エネルギー消費量が非常に大きくなる。そのため、機械的な処理の前に、酸化処理やエステル化処理等の前処理を施す方法が各種検討されてきた。これらの前処理の中でも、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(TEMPO)と次亜塩素酸ナトリウムとを用いてパルプを酸化処理する方法(特開2008−1728号公報)、TEMPOと次亜塩素酸ナトリウムとを用いる酸化処理後さらにセルラーゼを用いてパルプを加水分解処理する方法(特開2010−235679号公報参照)が、後工程の機械的処理に必要なエネルギーを効果的に低減することができるとされている。しかし、これらの方法によっても、機械的処理に高いエネルギーを要し、また、TEMPOは高価であるため、事業化のためには、高コスト化を抑制する製造方法が求められる。
特開2008−1728号公報 特開2010−235679号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、省エネルギーでセルロースナノファイバーを生産可能なセルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法を提供することである。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、省エネルギーでセルロースナノファイバーを生産可能なセルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法を提供することである。
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す化学的処理機構、上記スラリー中のパルプ繊維を粗解繊するリファイナー、上記スラリー中のパルプ繊維を微細化する高圧ホモジナイザー、及び上記高圧ホモジナイザーにより発生した熱を水を用いて除去する除熱手段を有する熱交換機構を備え、上記熱交換機構が、上記除熱手段で加熱された水を用いて上記化学的処理機構のスラリーを加熱する加熱手段をさらに有するセルロースナノファイバーの製造装置である。
高圧ホモジナイザーによってパルプ繊維に対する機械的(物理的)な処理により微細化すなわち解繊が施される前に、化学的処理機構による酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的な前処理と、リファイナーにより粗解繊するといった機械的な前処理との2種類の前処理が施される。これらの2種類の前処理の組み合わせにより、パルプ繊維が柔軟になり、予備的な解繊が効率的に生じる。具体的には、化学的処理機構によって、スラリーにおけるパルプ繊維中の化学結合の一部が分断されると共に、パルプ繊維が膨潤されることで、化学的処理が施される。そして、リファイナーによる前処理によって、パルプ繊維に対して剪断力が効果的に付与され、パルプ繊維に毛羽立ちが生じ、パルプ繊維が柔軟になる。これらの前処理によって、パルプ繊維に予備的な解繊が生じる。また、高圧ホモジナイザーの微細化処理によって熱が発生し、この熱は、熱交換機構を介して化学的処理機構のスラリーに対して付与される。このため、高圧ホモジナイザーによって発生した熱が化学的処理に熱エネルギーとして利用することができる。これらの結果、より省エネルギーでセルロースナノファイバーを製造することができる。
上記化学的処理機構が反応槽を有し、上記加熱手段が上記加熱された水を上記反応槽に供給するとよい。このように、上記除熱手段で加熱された水が、上記加熱手段によって上記反応槽に供給されることで、高圧ホモジナイザーによって発生した熱を、より効率的に上記化学的処理に利用することができる。
上記除熱手段が上記微細化処理後のスラリーから熱を除去し、上記熱交換機構が、除去手段によって除熱したスラリーを上記高圧ホモジナイザーに返送するための返送路を有するとよい。これにより、返送路を介してスラリーを高圧ホモジナイザーに返送することで、高圧ホモジナイザーによる微細化処理を複数回行うことができる。また、複数回の微細化処理において発生する熱は、その都度、熱交換機構によって化学的処理機構に供給されるので、高圧ホモジナイザーによって発生する熱を化学的処理に効果的に利用することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す工程、上記パルプ繊維をリファイナーにより粗解繊する工程、上記スラリー中のパルプ繊維を高圧ホモジナイザーを用いた機械的な処理により微細化する工程、及び上記高圧ホモジナイザーによって発生した熱を水によって除去する熱交換工程を備え、上記熱交換工程で、除熱によって加熱された水を用いて上記化学的処理工程のスラリーを加熱するセルロースナノファイバーの製造方法である。
当該製造方法によれば、パルプ繊維に対する高圧ホモジナイザーによる機械的(物理的)な処理により微細化すなわち解繊を行う前に、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的な前処理と、リファイナーを用いて粗解繊するといった機械的な前処理との2種類の前処理を施す。これらの2種類の前処理の組み合わせにより、パルプ繊維が柔軟になり、予備的な解繊が効率的に生じる。具体的には、化学的な前処理により、パルプ繊維中の化学結合の一部を分断すると共に、パルプ繊維を膨潤させることができ、リファイナーを用いた前処理により、パルプ繊維に対して剪断力が効果的に付与され、パルプ繊維に毛羽立ちが生じ、パルプ繊維が柔軟になり、予備的な解繊が生じる。また、微細化工程においては、高圧ホモジナイザーの処理によって熱が発生し、この熱は上記熱交換工程において化学的処理機構のスラリーに対して付与される。このため、高圧ホモジナイザーによって発生した熱が化学的処理に熱エネルギーとして利用することができる。これらの結果、省エネルギーでセルロースナノファイバーを製造することができる。
なお、「セルロースナノファイバー」とは、パルプ繊維を解繊して得られる微細なセルロース繊維をいい、一般的に繊維幅がナノサイズ(1nm以上1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいう。
本発明のセルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法によれば、省エネルギーでセルロースナノファイバーを生産することができる。
本発明の一実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造装置に用いられる対向衝突型高圧ホモジナイザーの部分的模式図である。 本発明の一実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法のフロー図である。 本発明の他の実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造装置の一部を示す概略図である。
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の一実施形態に係るパルプ繊維前処理装置について詳説する。
<セルロースナノファイバーの製造装置>
図1のセルロースナノファイバーの製造装置1は、セルロースナノファイバーを製造するための装置である。セルロースナノファイバーの製造装置1は、スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す化学的処理機構2と、上記スラリー中のパルプ繊維を粗解繊するためのリファイナー3と、スラリー中のパルプ繊維を微細化する高圧ホモジナイザー4とを備える。また、当該製造装置1は、上記高圧ホモジナイザー4により発生した熱を水を用いて除去する除熱手段51を有する熱交換機構5を備えている。この熱交換機構5は、上記除熱手段51で加熱された水を用いて上記化学的処理機構2のスラリーを加熱する加熱手段52をさらに有している。
スラリー中のパルプ繊維は、化学的処理機構2によって、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理が施される。このように、セルロースナノファイバーの製造装置1が化学的処理機構2を備えることで化学的処理が施され、パルプ繊維中の化学結合の一部が分断されると共に、パルプ繊維が膨潤され、予備的な解繊がなされる。化学的処理機構2によって予備的な解繊が施されたパルプ繊維は、リファイナー3によって粗解繊され、さらに予備的に解繊される。化学的処理機構2及びリファイナー3によって予備的に解繊されたパルプ繊維は、高圧ホモジナイザー4によって微細化されて、セルロースナノファイバーが製造される。また、化学的処理機構2による化学的処理及びリファイナー3による粗解繊がこの順に行われることで、化学的前処理により膨潤したパルプ繊維に対して、リファイナー3により剪断力が予備的な解繊が施されるため、予備的な解繊の効率性を高め、消費エネルギー量を低減することができる。このため、高圧ホモジナイザー4による処理回数を低減し、省エネルギーでセルロースナノファイバーを製造することができる。
化学的処理機構2は、スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す。化学的処理機構2は、パルプ繊維を含むスラリーに酸化剤、酵素及び酸の少なくとも一つを選択して混合する混合機構21及び上記混合されたスラリー中のパルプ繊維の酸化反応及び加水分解反応の少なくとも一つを進行させる反応槽22を備える。パルプ繊維を含むスラリーには、混合機構21によって、酸化剤、酵素及び酸の少なくとも一つが選択されて混合される。そして、酸化剤、酵素及び酸の少なくとも一つが混合されたパルプは、反応槽22において、酸化剤、酵素及び酸の少なくとも一つによって酸化反応及び加水分解反応の少なくとも一つの化学的処理がなされる。このような化学的処理が施されることにより、パルプ繊維中の化学結合の一部が分断されると共に、パルプ繊維が膨潤され、予備的なパルプ繊維の解繊がなされる。
この反応槽22には、反応槽22内のスラリーの温度を測定する測定手段(図示省略)を有している。
混合機構21としては、酸化剤、酵素及び酸の少なくとも一つを選択してパルプ繊維を含むスラリーに均一に混合することができればよく、公知のものを用いることができる。反応槽22としては、例えば晒タワー等の製紙用タワーを用いることができる。
リファイナー3は、パルプ繊維に対して予備的な解繊を行う。リファイナー3は、パルプ繊維を叩解する装置であり、負荷をかけながら叩解することでパルプ繊維に対して剪断力を付与し、パルプ繊維に毛羽立ちを生させ、パルプ繊維を柔軟にすることで予備的な解繊を行う。
リファイナー3としては、パルプ繊維を叩解することができれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。リファイナー3としては、パルプ繊維に対して効率的に剪断力を付与し、予備的な解繊を進めることができること等の点から、コニカルタイプやダブルディスクリファイナー(DDR)及びシングルディスクリファイナー(SDR)が好ましい。
高圧ホモジナイザー4は、スラリー中のパルプ繊維を微細化するものであり、細孔から高圧でスラリー等を吐出する分散機として用いられる。高圧ホモジナイザー4とは、例えば10MPa以上、好ましくは100MPa以上の圧力でスラリーを吐出できる能力を有するホモジナイザーをいう。パルプ繊維に対して高圧ホモジナイザー4で処理することで、パルプ繊維同士の衝突、圧力差、マイクロキャビテーションなどが作用し、解繊が効果的に生じる。これにより、微細化工程の処理回数を低減(短縮化)でき、セルロースナノファイバーの製造効率をより高めることができる。
高圧ホモジナイザー4としては、対向衝突型高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、湿式ジェットミル)が好ましく、上記スラリーを一直線上で対向衝突させることが好ましい。具体的には、図2において部分的に示されるように、対向衝突型高圧ホモジナイザー10においては、加圧されたスラリーS1、S2が合流部Xで対向衝突するように上流側流路11が形成されている。スラリーS1、S2は合流部Xで衝突し、衝突したスラリーS3、下流側流路12から流出する。上流側流路11に対して、下流側流路12は垂直に設けられており、上流側流路11と下流側流路12とでT型の流路を形成している。このような対向衝突型高圧ホモジナイザー10を用いることで、高圧ホモジナイザーから与えられるエネルギーを衝突エネルギーに最大限に変換することができ、より効率的なパルプ繊維の解繊が生じる。そして、このパルプ繊維の解繊(微細化処理)によって熱が発生し、微細化処理後のスラリーは高温となる。
上記熱交換機構5は、上述のように微細化処理によって発生した熱を水を用いて上記除熱手段51によって除熱し、この除熱手段51で加熱された水を用いて上記加熱手段52によって化学的処理機構2のスラリーを加熱する機構である。このように高圧ホモジナイザー4によって発生した熱は、熱交換機構5によって化学的処理に必要な熱エネルギーとして利用される。
上記除熱手段51は、本実施形態においては熱交換器から構成されている。つまり、熱交換器(除熱手段51)に、上記高圧ホモジナイザー4によって微細化処理がなされたスラリーと、水とが供給される。熱交換器に供給されたスラリーは、水との熱交換によって冷却される一方、熱交換器に供給された水は、スラリーとの熱交換によって加熱される。なお、熱交換器としては、従来公知のものを適宜採用することができ、二重管熱交換器、多管熱交換器、スパイラル式熱交換器等の種々のものを採用することができる。
また、熱交換機構5は、上記除熱手段51に供給される水(冷却水)の温度を測定する冷却水温度計(図示省略)と、上記冷却水の流量を測定する冷却水流量計(図示省略)とを有している。また、熱交換機構5は、上記冷却水の流量を調整する冷却水調整弁(図示省略)を有している。
また、熱交換機構5は、上記除熱手段51に供給されるスラリーの温度を測定するスラリー入口温度計(図示省略)と、除熱手段51から排出されたスラリーの温度を測定するスラリー出口温度計(図示省略)とを有している。さらに、熱交換機構5は、除熱手段51から排出されたスラリーの流量を測定する流量計を有することも可能であり、さらには除熱手段51から排出されたスラリーの状態を検知する光学的測定器を有することも可能である。
上記加熱手段52は、上記除熱手段51で加熱された水を反応槽22に供給する。この加熱手段52は、本実施形態では除熱手段51(熱交換器)から排出された水(温水)を上記反応槽22に供給する流路から構成されている。なお、加熱手段52は、上記除熱手段51から排出された温水を貯留する温水タンクを有することも可能であり、温水タンクに温水を貯留した後に反応槽22に供給することも可能である。
さらに、熱交換機構5は、除去手段51によって除熱したスラリーを上記高圧ホモジナイザー4に返送するための返送路53を有している。このため、当該製造装置1においては返送路53を介してスラリーを高圧ホモジナイザー4により返送することで、高圧ホモジナイザー4による微細化処理を複数回行うことができる。また、複数回の微細化処理において高圧ホモジナイザー4に供給されるスラリーを、上記除熱手段51によって冷却される。さらに、複数回の微細化処理において発生する熱は、その都度、熱交換機構5によって化学的処理機構2に供給されるので、高圧ホモジナイザー4によって発生する熱を化学的処理に効果的に利用することができる。
当該製造装置1は、上記各機構を制御する制御機構(図示省略)を有している。制御機構は、従来公知のコンピュータシステムを用いることができる。この制御機構による制御は、特に限定されるものではないが、以下のものが例示される。例えば、反応槽22、熱交換器入口のスラリー、及び/又は熱交換器出口のスラリーの温度に応じて、反応槽22に供給する温水の量を調整する制御や、熱交換器に供給する冷却水の温度及び/又は流量を調整する制御等が挙げられる。
<セルロースナノファイバーの製造方法>
図3に示すように、本発明の一実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法は、前処理工程(s1)及び微細化工程(s2)を備え、上記前処理工程(s1)は化学的処理工程(s1a)及び粗解繊工程(s1b)を備える。化学的処理工程(s1a)と粗解繊工程(s1b)との順番は特に限定されるものではなく、いずれの工程を先に行ってもよい。当該製造方法によれば、化学的処理工程(s1a)と粗解繊工程(s1b)との2種類の前処理の組み合わせにより、パルプ繊維が柔軟になり、予備的な解繊が効率的に生じ、後工程の微細化工程の短縮化、すなわち省エネルギー化を図ることができる。また、当該製造方法は上記高圧ホモジナイザー4によって発生した熱を水によって除去する熱交換工程(s3)を備えている。上記熱交換工程(s3)では、除熱によって加熱された水を用いて上記化学的処理工程(s1a)のスラリーを加熱する。これらの結果、省エネルギーでセルロースナノファイバーを製造することができる。以下、各工程を詳説する。
<前処理工程(s1)>
前処理工程(s1)は、スラリー中のパルプ繊維に対して前処理を施す工程であり、パルプ繊維を機械的な処理により微細化する前に、パルプ繊維に対して前処理を施す工程である。以下に、セルロースナノファイバーの原料となるパルプ繊維について説明する。
パルプ繊維としては、例えば
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の機械パルプ;
茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ;
古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
<化学的処理工程(s1a)>
前処理工程(s1)の一つである化学的処理工程(s1a)は、上記スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す工程である。このような化学的処理を施すことにより、パルプ繊維中の化学結合の一部を分断すると共に、パルプ繊維を膨潤させることができる。
化学的処理工程(s1a)に供するパルプスラリーにおけるパルプ繊維濃度の下限としては、3質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、例えば30質量%である。上記濃度範囲とすることで、効率的な化学的処理を行うことができる。濃度が上記下限値未満の場合は、一回の処理で処理されるパルプ繊維の量が少なく、効率性が低い。一方、濃度が上記上限を超える場合は、十分な撹拌を行うことができず、反応性等が低下する。
化学的処理工程(s1a)に供するパルプスラリーの温度としては、例えば30℃以上90℃以下が好ましい。この温度の下限は、35℃がより好ましく、40℃がさらに好ましく、45℃が特に好ましい。なお、酵素を用いた場合の処理は、30℃以上70℃以下程度が好ましい。酵素を用いた場合においても、上記温度の下限は、35℃がより好ましく、40℃がさらに好ましく、45℃が特に好ましい。この温度範囲で化学的処理工程(s1a)を行うことで、後工程のパルプ繊維の解繊が効果的に行うことができる。この化学的処理工程(s1a)の温度の調整(加熱)には後述の熱交換工程(s3)による熱が用いられる。
酸化処理に用いられる酸化剤としては、オゾン、次亜塩素酸又はその塩、亜塩素酸又はその塩、過塩素酸又はその塩、過硫酸又はその塩、過有機酸等を挙げることができる。これらの中でも、過硫酸類(過硫酸及びその塩)が好ましい。酸化処理を行う際は、N−オキシル化合物等の酸化触媒を併用することもできる。加水分解処理に用いられる触媒としては、酸や酵素が挙げられる。酸としては、硫酸、過硫酸類、塩酸等が挙げられるが、硫酸及び過硫酸類が好ましい。酸を用いる場合の反応槽中のpHとしては、3以下が好ましく、0.5以上2以下がより好ましい。酵素としては、セルラーゼ系酵素や、ヘミセルラーゼ系酵素等を挙げることができ、セルラーゼ系酵素が好ましい。酸化処理及び加水分解処理は、複数種の処理剤を用いてもよいし、酸化処理と加水分解処理とを組み合わせてもよい。なお、過硫酸等、酸化剤としても機能する酸を用いた場合、酸化反応と加水分解反応とが共に生じる。
化学的処理工程(s1a)は、公知の反応槽にパルプスラリーを貯め、酸化剤等の処理剤を添加することによって行うことができる。上記反応槽としては、晒タワー等の製紙用タワーを用いることができる。化学的処理工程の処理(反応)時間は、スラリーの濃度や温度、処理剤の添加量等に応じて変更されるが、例えば0.5時間以上12時間以下とすることができる。
化学的処理工程(s1a)を経たスラリーは、必要に応じ中和処理、洗浄処理等が施され、次工程に供される。なお、酵素を用いた化学的処理の場合は、スラリーへの熱水(温水)の注入等の加熱などにより、スラリー温度を上げ、酵素を失活させることにより、反応を終了させることもできる。加熱により酵素を失活させる場合のパルプスラリーの温度は、酵素の失活温度によって適宜選択される。上記加熱温度の下限としては、80℃が好ましく、90℃がより好ましい。また、上記加熱温度の上限としては、省エネルギー化の観点から、120℃が好ましく、110℃がより好ましく、100℃がさらに好ましい。なお、この失活のための加熱に後述する熱交換工程(s3)による熱を用いることも可能である。
<粗解繊処理工程(s1b)>
粗解繊処理工程(s1b)は、前処理工程(s1)の一つとして、粗解繊処理工は、スラリー中のパルプ繊維をリファイナーにより粗解繊する処理であり、パルプ繊維に対して予備的な解繊を行う。リファイナーは、上記「セルロースナノファイバーの製造装置」において説明したものを用いることができる。
粗解繊処理に供するパルプスラリーのパルプ繊維濃度の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましい。一方、この上限としては、8質量%が好ましく、6質量%がより好ましい。上記範囲のパルプ繊維濃度とすることで、パルプスラリーが好適な粘度となるため、リファイナーによりパルプ繊維が効率的に粗解繊される。
粗解繊処理においては、例えば複数のリファイナーを用意し、連続的にパルプ繊維を処理することもできる。また、一台のリファイナーに対して、スラリーを循環させて長時間処理することもできる。
<化学的処理工程(s1a)と粗解繊処理工程(s1b)との順番>
化学的処理工程(s1a)と粗解繊処理工程(s1b)とは、いずれの工程を先に行ってもよいが、化学的処理工程(s1a)を先に行うことが好ましい。化学的処理工程(s1a)及び上記粗解繊工程(s1b)の順に行うことで、化学的前処理により膨潤したパルプ繊維に対して、リファイナーにより剪断力が効率的に付与されるため、予備的な解繊の効率性を高め、消費エネルギー量を低減することができる。
また、化学的処理工程(s1a)と粗解繊処理工程(s1b)とを重複して行うこともできる。例えば酸、酵素、酸化剤等が添加されたスラリーを粗解繊処理工程(s1b)に供することで、化学的処理と粗解繊処理とを同時に行うことができる。
<微細化工程(s2)>
微細化工程(s2)は、前処理された上記スラリー中のパルプ繊維を高圧ホモジナイザー処理により微細化する工程である。本工程を経ることによりセルロースナノファイバーを得ることができる。本発明のセルロースナノファイバーの製造方法によれば、上述した2種類の前処理を行っているため、本微細化工程(s2)を短縮(処理回数の低減)し、省エネルギー化を図ることができる。
高圧ホモジナイザーは、「セルロースナノファイバーの製造装置」において説明したものを用いることができる。
微細化工程(s2)に供するパルプスラリーのパルプ繊維濃度の下限としては、0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。一方、この上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。上記範囲のパルプ繊維濃度とすることで、パルプスラリーが好適な粘度となるため、高圧ホモジナイザー等を用いた機械的処理によりパルプ繊維が効率的に粗解繊される。
<熱交換工程(s3)>
熱交換工程(s3)は、上記微細化工程(s2)によって発生した熱を化学的処理工程(s1a)に供給する工程である。具体的には、この熱交換工程(s3)では、微細化工程(s2)後のスラリーと水(冷却水)との間で熱交換させる。そして、熱交換後の水(温水)は化学的処理工程(s1a)に供給される。また、熱交換後のスラリーは、微細化工程(s2)に供給されることが好ましい。熱交換後のスラリーは、微細化工程(s2)に供給されることで、上記微細化工程(s2)を複数回行うことができる。そして、熱交換工程(s3)後のスラリーのパルプ繊維が十分に微細化された際には、各工程が終了する。この熱交換工程(s3)の熱交換に際しては、「セルロースナノファイバーの製造装置」において説明した熱交換機構を用いることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態においては、微細化工程(s2)において一台の高圧ホモジナイザー4によって微細化処理を行うものを例示的に説明したが、図4に示すように複数の高圧ホモジナイザー41を用いて微細化処理を行うことが可能である。複数の高圧ホモジナイザーを用いる場合、複数の高圧ホモジナイザーを直列的に配して複数の高圧ホモジナイザーによって連続的に微細化処理を行うことも可能であるが、図4に示すように複数の高圧ホモジナイザー41を並列的に配することが好ましい。これによって、複数の高圧ホモジナイザー41によって多量のスラリーの微細化処理を同時に行うことができる。
また、当該製造装置にあっては、図4に示すように、高圧ホモジナイザー41に供給するスラリーを交互に貯留する少なくとも2つのタンクを備えることが好ましい。具体的に説明すると、まず、一方のタンク42aによって高圧ホモジナイザー41にスラリーを供給することで、微細化処理が施され、かつ熱交換されたスラリーを他方のタンク42bに貯留する。そして、一方のタンク42aのスラリーの処理が完了した後、他方のタンク42bによって高圧ホモジナイザー41にスラリーを供給することで、微細化処理され、かつ熱交換されたスラリーを一方のタンク42aに貯留する。これによって、2つのタンクを用いることで効率よく複数回の微細化処理を施すことができ、また高圧ホモジナイザーによって発生した熱を熱交換機構5によって回収して化学的処理機構2に供給することができる。なお、本発明にあっては、上述のようにタンクを設ける場合、高圧ホモジナイザーによって発生した熱を水を用いて除去するにあたってタンクから熱を除去することも可能である。ただし、上述のように高圧ホモジナイザー41とタンクとの間のスラリーから熱を回収することが好ましく、これにより熱の利用効率を高くすることができる。
また、上記実施形態においては、化学的処理工程に供給する熱を得るために、微細化処理後のスラリーを水と熱交換させるものについて説明したが、微細化処理を行う高圧ホモジナイザーを水によって冷却し、この冷却によって加熱された温水を化学的処理工程に供給する熱源とすることも可能である。つまり、高圧ホモジナイザーによって発生した熱の除熱は、高圧ホモジナイザー処理後のスラリーに対して行われなくてもよく、例えば高圧ホモジナイザーに対して行われて高圧ホモジナイザー自体の熱を除去してもよい。
また、熱交換機構によって加熱された水(温水)を、直接反応槽に供給するものに限定されず、例えば温水を化学的処理に供給されるスラリー及び/又は水に供給することも可能である。さらには、上記温水を直接スラリー等に供給するものに限定されず、例えば、反応槽に供給されるスラリーと、上記温水との間で熱交換させる熱交換器を別途設け、この熱交換器によって温水からスラリーに熱を供給することも可能である。
さらに、化学的処理機構とリファイナーとは、リファイナーが上流側、つまり化学的処理機構による化学的処理とリファイナーによる粗解繊とのいずれが先に施されるように配設されて、化学的処理と粗解繊処理とが施されてもよい。また、リファイナーを例えば複数用意し、連続的にパルプ繊維を処理するように配設して粗解繊処理が施されてもよい。また、改質手段、フィルタやスクリュープレス等の脱水手段、乾燥手段などが備られ、改質処理、脱水処理、乾燥処理等が施されてもよい。
(ファイン率)
前処理工程を経て微細化工程に供されるパルプ繊維のファイン率の下限としては、例えば60%が好ましく、70%がより好ましく、75%がさらに好ましい。また、このファイン率の上限としては、例えば90%が好ましく、85%がより好ましい。このファイン率を上記下限以上とすることで、十分な前処理(解繊)が進んだパルプ繊維となり、微細化工程において効率的に更なる微細化を行うことができる。また、ファイン率を上記下限以上とすることで、微細化工程において高圧ホモジナイザーを用いて処理した際、パルプ繊維の流路内での詰まりの発生を低減することもできる。一方、このパルプ繊維のファイン率が上記上限以下とすることで、過剰に前処理、特に粗解繊処理を施すことを抑制することができ、製造工程全体としての、省エネルギー化及び高効率化を図ることができ、セルロースナノファイバーの生産性を高めることができる。なお、前処理工程と微細化工程との間に、パルプ繊維のファイン率を測定するファイン率測定工程を設けてもよい。ここで、「ファイン率」とは、繊維長が0.2mm以下、かつ繊維幅が75μm以下であるパルプ繊維の質量基準の割合をいう。このファイン率は、バルメット社製の繊維分析計「FS5」によって測定することができる。繊維分析計「FS5」は、希釈したセルロース繊維が繊維分析計内部の測定セルを通過する際の画像分析により高い精度でセルロース繊維の長さ、幅を測定できる。
このファイン率は、前処理工程、特に粗解繊処理における処理量等によって調整することができる。ファイン率は、例えばリファイナーによる処理時間を長くすることや、リファイナーによる処理の際、ディスク(プレート)の間隔(クリアランス)を狭くする、ディスクの刃幅、溝幅、刃の高さ、刃の交差角度、ディスクのパタ−ンの組み合わせなどによって、高めることができる。
(平均繊維長)
前処理工程を経て微細化工程に供されるパルプ繊維の平均繊維長としては特に限定されないが、下限としては、0.15mmが好ましく、0.2mmがより好ましく、0.25mmがさらに好ましい。一方、この上限としては、0.5mmが好ましく、0.4mmがより好ましい。このような繊維長のパルプ繊維を微細化工程に供することで、製造工程全体としての省エネルギー化及び高効率化を図ることができ、セルロースナノファイバーの生産性を高めることができる。
当該セルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法は、TEMPOをはじめとしたN−オキシル化合物等の高価な酸化触媒等を使用しなくとも、機械的な微細化処理回数を減らし、省エネルギーでセルロースナノファイバーを得ることができるため、セルロースナノファイバーの製造コストを抑えることができる。また、TEMPO等を用いなかった場合、過剰な酸化が抑えられるため、得られるセルロースナノファイバーのカルボキシ基の含有量が低含される。セルロースナノファイバーのカルボキシ基の量が少ない場合、過剰な親水性や水素結合が抑えられ、乾燥性や分散性などが高まるといった利点もある。得られるセルロースナノファイバーのカルボキシ基の含有量としては、例えば0.1mmol/g以下であり、0.05mmol/g以下とすることもできる。
本発明のセルロースナノファイバーの製造装置及びセルロースナノファイバーの製造方法によれば、省エネルギーでセルロースナノファイバーを製造することができる。
1 セルロースナノファイバーの製造装置
2 化学的処理機構
21 混合機構
22 反応槽
3 リファイナー
4 高圧ホモジナイザー
42a 一方のタンク
42b 他方のタンク
10 対向衝突型高圧ホモジナイザー
11 上流側流路
12 下流側流路
5 熱交換機構
51 除熱手段
52 加熱手段
53 返送路
S1、S2、S3 スラリー
X 合流部
s1 前処理工程
s2 微細化工程
s3 熱交換工程
s1a 化学的処理工程
s1b 粗解繊工程

Claims (4)

  1. スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す化学的処理機構、
    上記スラリー中のパルプ繊維を粗解繊するリファイナー、
    上記スラリー中のパルプ繊維を微細化する高圧ホモジナイザー、及び
    上記高圧ホモジナイザーにより発生した熱を水を用いて除去する除熱手段を有する熱交換機構を備え、
    上記熱交換機構が、上記除熱手段で加熱された水を用いて上記化学的処理機構のスラリーを加熱する加熱手段をさらに有するセルロースナノファイバーの製造装置。
  2. 上記化学的処理機構が反応槽を有し、上記加熱手段が上記加熱された水を上記反応槽に供給する請求項1に記載のセルロースナノファイバーの製造装置。
  3. 上記除熱手段が上記微細化処理後のスラリーから熱を除去し、
    上記熱交換機構が、除去手段によって除熱したスラリーを上記高圧ホモジナイザーに返送するための返送路を有する請求項1又は請求項2に記載のセルロースナノファイバーの製造装置。
  4. スラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理、加水分解処理又はこれらの組み合わせからなる化学的処理を施す工程、
    上記パルプ繊維をリファイナーにより粗解繊する工程、
    上記スラリー中のパルプ繊維を高圧ホモジナイザーを用いた機械的な処理により微細化する工程、及び
    上記高圧ホモジナイザーによって発生した熱を水によって除去する熱交換工程
    を備え、
    上記熱交換工程で、除熱によって加熱された水を用いて上記化学的処理工程のスラリーを加熱するセルロースナノファイバーの製造方法。
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