JP2018046678A - モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算負荷を低く抑えることのできるモータの制御装置を提供する。【解決手段】この装置は、トルク指令値に基づいてd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値を導出するとともに、これら電流指令値に応じた電流がバッテリからモータに供給されるようにインバータを制御する。d軸電流指令値Id*の導出に用いる演算マップとして、トルク指令値が同一の条件下において互いに異なるd軸電流指令値Id*を導出する複数のd軸マップ(A〜Cマップ)を有する。モータの力行時には、バッテリ電圧Vbが高いときほどA〜Cマップのうちの小電流値を導出するマップを選択するとともに、選択したマップからd軸電流指令値Id*を導出する。モータの回生時には、A〜Cマップを流用するとともに、バッテリ電圧Vbが高いときほどA〜Cマップのうちの大電流値を導出するマップを選択し、選択したマップからd軸電流指令値Id*を導出する。【選択図】図4

Description

本発明は、交流モータの制御装置に関するものである。
電気自動車は、駆動輪を駆動する交流モータや、直流電源としてのバッテリ、直流電力を交流電力に変換するインバータなどを備えている。そして、電気自動車の運転に際しては、インバータの作動制御を通じてモータが駆動される。
特許文献1には、ベクトル制御を実行するモータ制御装置が記載されている。この装置では、トルク指令値T*およびモータ回転速度ωeに基づいて、予め記憶された演算式から、電流指令値(d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*)が導出される。そして、これらd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*に応じた電流がモータに流れるように、インバータの作動制御が実行される。
特許第3787803号公報
ここで、特許文献1のようにベクトル制御を採用すると、電流指令値の導出に複雑な演算処理が必要になるため、演算処理にかかる時間が長くなり易い。そして、電気自動車の駆動用モータのように要求トルク(トルク指令値T*)が刻々と変化するモータに適用される制御装置では、その変化に合わせて電流指令値の導出処理が短い周期で繰り返し実行されるために演算負荷が大きくなってしまい、これが制御構造の構築の自由度を低下させる原因になる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演算負荷を低く抑えることのできるモータの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのモータの制御装置は、トルク指令値に基づいてd軸電流指令値およびq軸電流指令値を導出するとともに、これらd軸電流指令値およびq軸電流指令値に応じた電流が直流電源からモータに供給されるようにインバータを制御するモータの制御装置において、前記d軸電流指令値の導出に用いる演算マップとして、前記トルク指令値が同一の条件下において互いに異なる前記d軸電流指令値を導出する複数のd軸マップを有し、前記モータの力行時には、前記直流電源の電圧が高いときほど前記複数のd軸マップのうちの小電流値を導出するマップを選択するとともに、その選択したマップから前記d軸電流指令値を導出し、前記モータの回生時には、前記複数のd軸マップのうちの少なくとも2つを流用するとともに、前記直流電源の電圧が高いときほど前記流用するd軸マップのうちの大電流値を導出するマップを選択し、その選択したマップから前記d軸電流指令値を導出する。
上記構成によれば、モータの力行時において直流電源の電圧が低いときには、d軸電流を多くして界磁を弱める作用(弱め界磁作用)を大きくすることにより、低電圧であってもモータを高回転にすることが可能になる。その一方で、モータの力行時において直流電源の電圧が高いときには、d軸電流を少なくしてトルク発生に寄与しない無駄な電流を少なくすることによって効率のよいモータ駆動を実現することができる。
また、モータの回生時において直流電源の電圧が低いときには、d軸電流を少なくして弱め界磁作用を小さくすることにより、回生電力の高い回収効率を得ることができる。一方、モータの回生時において直流電源の電圧が高いときには、d軸電流を多くして弱め界磁作用を大きくすることによって回生電力を減少させることができるため、その回生電力による電圧の過上昇を抑えることができる。
このように上記構成によれば、モータの運転状態や直流電源の電圧に応じてd軸電流指令値を導出することができ、そのd軸電流指令値をもとにモータ制御を適正に実行することができる。
しかも上記構成によれば、こうしたd軸電流指令値の導出がマップ演算を通じて行われるため、複雑な演算式による演算処理を通じてd軸電流指令値を導出する装置と比較して、d軸電流指令値の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減することができる。さらに上記構成では、モータの力行時と回生時とにおいてそれぞれd軸マップが用いられるとはいえ、力行時に用いるd軸マップが同モータの回生時に流用されるため、その流用されるマップの分だけd軸マップの数を少なくすることができ、それらマップの記憶に要する記憶容量を少なくすることができる。
上記制御装置において、前記q軸電流指令値の導出に用いる演算マップとして、前記トルク指令値が同一の条件下において互いに異なる前記q軸電流指令値を導出する複数のq軸マップを有し、1つの前記d軸マップと1つの前記q軸マップとからなる組が複数定められており、前記複数のd軸マップのうちの1つを用いて前記d軸電流指令値を導出するときには、その導出に用いた前記d軸マップと組になっている前記q軸マップを用いて前記q軸電流指令値を導出することが好ましい。
上記構成によれば、q軸電流指令値の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減するとともに、その導出に用いるq軸マップの記憶に要する記憶容量を少なく抑えることができる。
上記制御装置において、前記モータを、電気自動車の駆動用モータにすることができる。
上記構成によれば、演算負荷が大きくなり易い電気自動車の駆動用モータに適用されるモータ制御装置において、電流指令値の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減することができ、演算マップの記憶に要する記憶容量を少なくすることができる。
上記制御装置において、前記直流電源を、前記電気自動車に搭載されるバッテリにすることができる。
電気自動車の駆動用モータに電力を供給するバッテリは残容量の減少に伴って電圧が低くなる傾向がある。上記構成によれば、変動するバッテリ電圧に応じてd軸電流指令値を導出することができるため、そのd軸電流指令値をもとにモータ制御を適正に実行することができる。
本発明のモータの制御装置によれば、演算負荷を低く抑えることができる。
一実施形態のモータの制御装置の概略構成図。 導出処理の実行手順を示すフローチャート。 複数のd軸マップからなる演算マップを示す略図。 バッテリ電圧とd軸電流指令値と参照マップとの関係の一例を示すグラフ。 複数のq軸マップからなる演算マップを示す略図。
以下、モータの制御装置を、電気自動車の駆動輪を駆動する交流モータの制御装置に具体化した一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、交流モータとして永久磁石式同期モータ(以下、単にモータ1と称する)を例に説明をする。
図1に示すように、バッテリ3からの直流電力はインバータ2によって可変電圧および可変周波数の交流電力に変換される。そして、インバータ2から出力される交流電力によってモータ1が任意の回転速度(モータ回転速度ωe)にて駆動される。モータ1の出力軸には車両の駆動輪が連結されており、この出力軸の回転に伴って駆動輪が回転駆動される。
モータ1の制御は電子制御装置10によって行なわれる。電子制御装置10は、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*に基づいてインバータ2を制御することによりモータ1に流れる電流(d軸電流Id,q軸電流Iq)を制御する。
電子制御装置10は、電流指令値設定部11、電流制御部12、およびパルス生成部13を備えている。電子制御装置10には、バッテリ電圧Vbやモータ回転速度ωe、モータ1に流れる電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)が入力される。車両には、バッテリ電圧Vbを検出する電圧センサ21、モータ回転速度ωeを検出するレゾルバ22、および各電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)を検出する電流センサ23が設けられている。なお、d軸電流は、モータ1に流れる1次電流において同モータ1の磁界の向きの成分である。また、q軸電流は、同1次電流においてモータ1の磁界の向きに対して直交する方向の成分である。
電流指令値設定部11はバッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*により定まる運転状態とd軸電流指令値Id*との関係が規定された演算マップを備えている。そして、電流指令値設定部11は、上記演算マップを参照しつつ、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*に基づいてd軸電流指令値Id*を導出する。
また電流指令値設定部11はバッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*により定まる運転状態とq軸電流指令値Iq*との関係が規定された演算マップを備えている。そして、電流指令値設定部11は、上記演算マップを参照しつつ、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*に基づいてq軸電流指令値Iq*を導出する。
電流制御部12には上記各電流指令値Id*,Iq*、バッテリ電圧Vb、およびd軸電流の実値Id、q軸電流の実値Iqが入力される。電流制御部12は上記各電流指令値Id*,Iq*、バッテリ電圧Vb、および各電流の実値Id,Iqに基づいて、各電流の実値Id,Iqを上記各電流指令値Id*,Iq*に見合った大きさとするための直流電圧指令値(d軸直流電圧指令値Vd*、q軸直流電圧指令値Vq*)を導出する。すなわち、モータ1に実際に流れる電流Id,Iqと、上記各電流指令値Id*,Iq*との乖離度合に基づいて各直流電圧指令値Vd*,Vq*がフィードバック制御される。
パルス生成部13には上記各直流電圧指令値Vd*,Vq*が入力される。パルス生成部13はこれら直流電圧指令値Vd*,Vq*に基づいてインバータ2を駆動するためのパルス信号を生成する。そして、このパルス信号がインバータ2に対して出力されることでモータ1の駆動が制御される。
以下、電流指令値(d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*)の導出処理の実行手順について説明する。なお、図2は導出処理の実行手順を示しており、同図のフローチャートに示される一連の処理は所定期間(例えば数ミリ秒)毎に電子制御装置10(詳しくは、電流指令値設定部11)によって繰り返し実行される。
図2のステップS1に示すように、この処理では、演算マップを参照して、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*に基づいてd軸電流指令値Id*が導出される。本実施形態では、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*により定まる運転状態と同運転状態に適したd軸電流指令値Id*との関係が発明者等による各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められるとともに、同関係が上記演算マップとして電子制御装置10に記憶されている。
図3に示すように、上記演算マップは3つのd軸マップからなる。詳しくは、バッテリ電圧Vbが「60V」以下の状況と「108V」以上の状況とに適した関係を記憶したAマップ、バッテリ電圧Vbが「72V」の状況と「104V」の状況に適した関係を記憶したBマップ、バッテリ電圧Vbが「84V」以上、且つ「100V」以下の状況に適した関係を記憶したCマップを有している。
図4に、モータ回転速度ωeおよびトルク指令値T*が同一の条件下でのd軸電流指令値Id*とバッテリ電圧Vbと参照マップとの関係の一例を示す。図4に示すように、バッテリ電圧Vbが「60V」以下のときや「108V」以上のときには、Aマップを参照してd軸電流指令値Id*が導出される。バッテリ電圧Vbが「72V」のときや「104V」のときには、Bマップを参照してd軸電流指令値Id*が導出される。バッテリ電圧Vbが「84V」以上、「100V」以下のときには、Cマップを参照してd軸電流指令値Id*が導出される。
また、バッテリ電圧Vbが「60V」よりも高く「72V」よりも低いときや、「104V」よりも高く「108V」よりも低いときには、AマップおよびBマップからそれぞれd軸電流指令値Id*を導出するとともに、それら導出したd軸電流指令値Id*を線形補間した値が最終的なd軸電流指令値Id*として導出される。
バッテリ電圧Vbが「72V」よりも高く「84V」よりも低いときや、「100V」よりも高く「104V」よりも低いときには、BマップおよびCマップからそれぞれd軸電流指令値Id*を導出するとともに、それら導出したd軸電流指令値Id*を線形補間した値が最終的なd軸電流指令値Id*として導出される。
そして、各d軸マップの値は、モータ回転速度ωeおよびトルク指令値T*が同一の条件下において、Aマップから導出されるd軸電流指令値Id*が最も大きい値になるとともに、Bマップから導出されるd軸電流指令値Id*、Cマップから導出されるd軸電流指令値Id*の順に小さい値になるように定められている。
また、図2のステップS2に示すように、導出処理では、演算マップを参照して、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*に基づいてq軸電流指令値Iq*が導出される。本実施形態では、バッテリ電圧Vb、モータ回転速度ωe、およびトルク指令値T*により定まる運転状態と同運転状態に適したq軸電流指令値Iq*との関係が発明者等による各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められるとともに、同関係が上記演算マップとして電子制御装置10に記憶されている。
図5に示すように、上記演算マップは3つのq軸マップからなる。詳しくは、バッテリ電圧Vbが「60V」以下の状況と「108V」以上の状況とに適した関係を記憶したDマップ、バッテリ電圧Vbが「72V」の状況と「104V」の状況に適した関係を記憶したEマップ、バッテリ電圧Vbが「84V」以上、且つ「100V」以下の状況に適した関係を記憶したFマップを有している。
バッテリ電圧Vbが「60V」以下のときや「108V」以上のときには、Dマップを参照してq軸電流指令値Iq*が導出される。バッテリ電圧Vbが「72V」のときや「104V」のときには、Eマップを参照してq軸電流指令値Iq*が導出される。バッテリ電圧Vbが「84V」以上、「100V」以下のときには、Fマップを参照してq軸電流指令値Iq*が導出される。
また、バッテリ電圧Vbが「60V」よりも高く「72V」よりも低いときや、「104V」よりも高く「108V」よりも低いときには、DマップおよびEマップからそれぞれq軸電流指令値Iq*を導出するとともに、それら導出したq軸電流指令値Iq*を線形補間した値が最終的なq軸電流指令値Iq*として導出される。
バッテリ電圧Vbが「72V」よりも高く「84V」よりも低いときや、「100V」よりも高く「104V」よりも低いときには、EマップおよびFマップからそれぞれq軸電流指令値Iq*を導出するとともに、それら導出したq軸電流指令値Iq*を線形補間した値が最終的なq軸電流指令値Iq*として導出される。
以下、このようにして電流指令値を導出することによる作用について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、モータ1の力行時(具体的には、バッテリ電圧Vbが「84V」以下のとき)には、バッテリ電圧Vbが高いときほど複数のd軸マップ(Aマップ、Bマップ、およびCマップ)のうちの小電流値を導出するマップが選択されるとともに、その選択したマップからd軸電流指令値Id*が導出される。これによりモータ1の力行時には、バッテリ電圧Vbが低いときほど、d軸電流指令値Id*は大電流値になる。
モータ1の力行時においてバッテリ電圧Vbが低いとき、すなわちモータ1に供給可能な電力が比較的少ないときには、モータ1の最高回転速度が低くなり易い。本実施形態では、このときモータ1のd軸電流を多くして界磁を弱める作用(弱め界磁作用)を大きくすることにより、低電圧であってもモータ1を高回転で駆動することが可能になる。
一方、モータ1の力行時においてバッテリ電圧Vbが高いとき、すなわちモータ1に供給可能な電力が多いときには、弱め界磁作用を大きくしなくてもモータ1を高回転にすることができる。そのため、このときd軸電流を少なくしてトルク発生に寄与しない無駄な電流を少なくすることにより、効率のよいモータ1の駆動を実現することができる。
モータの回生時(具体的には、バッテリ電圧Vbが「100V」以上のとき)には、複数のd軸マップ(Aマップ、Bマップ、およびCマップ)を流用してd軸電流指令値Id*を導出する。このときには、バッテリ電圧Vbが高いときほど、A〜Cマップのうちの大電流値を導出するマップが選択されるとともに、その選択したマップからd軸電流指令値Id*が導出される。これによりモータ1の回生時には、バッテリ電圧Vbが高いときほど、d軸電流指令値Id*は大電流値になる。
そのため、モータ1の回生時においてバッテリ電圧Vbが低いとき、すなわち電圧の過上昇を招く可能性が低いときには、モータ1のd軸電流を少なくして弱め界磁作用を小さくすることにより、回生電力の高い回収効率を得ることができる。
一方、モータ1の回生時においてバッテリ電圧Vbが高いとき、すなわち電圧の過上昇を招くおそれがあるときには、モータ1のd軸電流を多くして弱め界磁作用を大きくすることによって回生電力を減少させることができる。これにより、回生電力による電圧の過上昇を抑えることができる。
このように本実施形態によれば、モータ1の運転状態やバッテリ電圧Vbに応じてd軸電流指令値Id*を導出することができ、そのd軸電流指令値Id*をもとにモータ制御を適正に実行することができる。
しかも本実施形態では、d軸電流指令値Id*の導出がマップ演算を通じて行われる。そのため、複雑な演算式による演算処理を通じてd軸電流指令値を導出する装置と比較して、d軸電流指令値Id*の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減することができる。
さらに本実施形態では、モータ1の力行時におけるd軸電流指令値Id*の導出と回生時におけるd軸電流指令値Id*の導出とにおいてそれぞれ演算マップが用いられるとはいえ、力行時に用いる演算マップ(Aマップ、Bマップ、およびCマップ)が同モータ1の回生時に流用される。そのため、その流用されるマップ(3つのマップ)の分だけd軸電流指令値Id*の導出に用いる演算マップの数を少なくすることができ、それらマップの記憶に要する記憶容量を少なくすることができる。
本実施形態では、1つのd軸マップと1つのq軸マップとからなる組が複数(本実施形態では3つ)定められている。具体的には、AマップおよびDマップが、バッテリ電圧Vbが「60V」以下の状況と「108V」以上の状況とにおいて用いられる演算マップとして組になっている。また、BマップおよびEマップが、バッテリ電圧Vbが「72V」の状況と「104V」の状況とにおいて用いられる演算マップとして組になっている。さらに、CマップおよびFマップが、バッテリ電圧Vbが「84V」以上、且つ「100V」以下の状況において用いられる演算マップとして組になっている。そして、複数のd軸マップのうちの1つ(例えばAマップ)を用いてd軸電流指令値Id*を導出するときには、その導出に用いたd軸マップと組になっているq軸マップ(例えばDマップ)を用いてq軸電流指令値Iq*が導出される。
本実施形態によれば、q軸電流指令値Iq*の導出がマップ演算を通じて行われるため、複雑な演算式による演算処理を通じてq軸電流指令値を導出する装置と比較して、q軸電流指令値Iq*の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減することができる。しかも、モータ1の力行時におけるq軸電流指令値Iq*の導出と回生時におけるq軸電流指令値Iq*の導出とにおいてそれぞれ演算マップが用いられるとはいえ、力行時に用いる演算マップ(Dマップ、Eマップ、およびFマップ)が同モータ1の回生時に流用される。そのため、その流用されるマップ(3つのマップ)の分だけq軸電流指令値Iq*の導出に用いる演算マップの数を少なくすることができ、それらマップの記憶に要する記憶容量を少なくすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)d軸電流指令値Id*の導出に用いる演算マップとして、モータ回転速度ωeおよびトルク指令値T*が同一の条件下において互いに異なるd軸電流指令値Id*を導出する複数のd軸マップを設定した。モータ1の力行時には、バッテリ電圧Vbが高いときほど複数のd軸マップのうちの小電流値を導出するマップを選択するとともに、その選択したマップからd軸電流指令値Id*を導出する。モータ1の回生時には、複数のd軸マップを流用するとともに、バッテリ電圧Vbが高いときほど流用したd軸マップのうちの大電流値を導出するマップを選択し、その選択したマップからd軸電流指令値Id*を導出する。これにより、モータ1の運転状態やバッテリ電圧Vbに応じてd軸電流指令値Id*を導出することができ、そのd軸電流指令値Id*をもとにモータ制御を適正に実行することができる。
(2)1つのd軸マップと1つのq軸マップとからなる組を複数定めた。そして、複数のd軸マップのうちの1つを用いてd軸電流指令値Id*を導出するときには、その導出に用いたd軸マップと組になっているq軸マップを用いてq軸電流指令値Iq*を導出するようにした。そのため、q軸電流指令値Iq*の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減するとともに、その導出に用いる演算マップの記憶に要する記憶容量を少なく抑えることができる。
(3)モータ1は電気自動車の駆動用モータであり、トルク指令値T*が刻々と変化するために、トルク指令値T*の変化に合わせて電流指令値を導出する処理が短い周期で繰り返し実行されて演算負荷が大きくなってしまう。本実施形態によれば、そうした電気自動車の駆動用のモータ1に適用されるモータ制御装置において、電流指令値の導出にかかる演算時間や演算負荷を低減することができ、演算マップの記憶に要する記憶容量を少なくすることができる。
(4)バッテリ3は残容量の減少に伴って電圧が低くなる傾向がある。そして、バッテリ電圧Vbが変化すると、仮に同一の制御態様でインバータ2を制御した場合であっても、モータ1に供給される電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)が変化してしまう。本実施形態によれば、変動するバッテリ電圧Vbに応じて電流指令値(d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*)を導出することができるため、その電流指令値をもとにモータ制御を適正に実行することができる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・モータ1の力行時と回生時とにおいて共用するd軸マップ(あるいはq軸マップ)として、2つのマップを設定したり、4つ以上のマップを設定したりしてもよい。
・d軸電流指令値Id*やq軸電流指令値Iq*の導出に用いる補間法として、線形補間を採用することに代えて、スプライン補間を採用してもよい。
・d軸電流指令値Id*やq軸電流指令値Iq*を、補間法を用いることなく、マップ演算のみによって導出するようにしてもよい。
・モータ1の力行時におけるd軸電流指令値Id*の導出に際して参照する複数(上記実施形態では3つ)のd軸マップのうちの幾つか(例えば2つ)のみを、モータ1の回生時におけるd軸電流指令値Id*の導出に流用するようにしてもよい。
・モータ1の力行時におけるq軸電流指令値Iq*の導出に際して参照する複数(上記実施形態では3つ)のq軸マップのうちの幾つか(例えば2つ)を、モータ1の回生時におけるq軸電流指令値Iq*の導出に流用するようにしてもよい。
・モータ1の力行時と回生時とにおいて共用するq軸マップを設定することに限らず、モータ1の力行時に用いるq軸マップと回生時に用いるq軸マップとを各別に設定してもよい。例えばq軸マップとして、60V用、72V用、84V用、100V用、104V用、および108V用の6つのマップを設定してもよい。
・本実施形態では電気自動車の駆動輪を駆動する交流モータの制御装置に対して本発明を適用したが、車両の駆動輪が内燃機関と交流モータとの双方によって駆動されるハイブリッド自動車に対して本発明を適用することもできる。
・本発明を車両に搭載されないモータの制御装置として具体化することもできる。また、本発明は永久磁石式同期モータの制御装置に限られるものではなく、他の交流モータを制御する制御装置に対して適用することもできる。
1…モータ、2…インバータ、3…バッテリ、10…電子制御装置、11…電流指令値設定部、12…電流制御部、13…パルス生成部、21…電圧センサ、22…レゾルバ、23…電流センサ。

Claims (4)

  1. トルク指令値に基づいてd軸電流指令値およびq軸電流指令値を導出するとともに、これらd軸電流指令値およびq軸電流指令値に応じた電流が直流電源からモータに供給されるようにインバータを制御するモータの制御装置において、
    前記d軸電流指令値の導出に用いる演算マップとして、前記トルク指令値が同一の条件下において互いに異なる前記d軸電流指令値を導出する複数のd軸マップを有し、
    前記モータの力行時には、前記直流電源の電圧が高いときほど前記複数のd軸マップのうちの小電流値を導出するマップを選択するとともに、その選択したマップから前記d軸電流指令値を導出し、
    前記モータの回生時には、前記複数のd軸マップのうちの少なくとも2つを流用するとともに、前記直流電源の電圧が高いときほど前記流用するd軸マップのうちの大電流値を導出するマップを選択し、その選択したマップから前記d軸電流指令値を導出する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータの制御装置において、
    前記q軸電流指令値の導出に用いる演算マップとして、前記トルク指令値が同一の条件下において互いに異なる前記q軸電流指令値を導出する複数のq軸マップを有し、
    1つの前記d軸マップと1つの前記q軸マップとからなる組が複数定められており、
    前記複数のd軸マップのうちの1つを用いて前記d軸電流指令値を導出するときには、その導出に用いた前記d軸マップと組になっている前記q軸マップを用いて前記q軸電流指令値を導出する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータの制御装置において、
    前記モータは、電気自動車の駆動用モータである
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータの制御装置において、
    前記直流電源は、前記電気自動車に搭載されるバッテリである
    ことを特徴とするモータの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020174781A1 (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 株式会社明電舎 インバータの制御装置および制御方法
US11201486B2 (en) 2019-09-17 2021-12-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Battery control device, charge and discharge system, parking lot system, secondary battery reuse system, battery control method, and non-transitory storage medium
WO2023188368A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 本田技研工業株式会社 駆動制御装置及び駆動制御装置の制御方法

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