JP2018045568A - 紙幣識別収納装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】投入された紙幣を移動させる紙幣搬送部と、複数の紙幣の種類ごとに予め対応づけられた複数の収納庫と、各収納庫の紙幣入口に開閉可能に設けられた収納ゲートと、搬送路上の紙幣識別領域に搬送された紙幣の種類を識別する紙幣識別部と、投入紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放して、投入紙幣を開放された収納ゲートの収納庫に収納させる収納制御部とを備える。連続投入された複数の紙幣の種類が同一種類である場合、同一種類の最初に投入された紙幣を収納するために、その紙幣の種類に対応づけられた収納庫の収納ゲートを開放した後、同一種類の最後に投入された紙幣が収納されるまで、開放されている収納ゲートを開放したままとする。
【選択図】図7
Description
また、紙幣等の種類を識別した後、識別された紙幣等を種類別にそれぞれ設けられた収納庫に収納させる。
このように紙幣を種類別に収納するために、紙幣の搬送経路上であって収納庫よりも前の位置に、その位置を通過する紙幣を検出するための通過センサーを配置している。たとえば、種類が1000円と識別された紙幣が、通過センサーによって所定の位置を通過したことが検出された場合、1000円紙幣用の収納庫に取り付けられたゲートを開放して、搬送されてきた1000円紙幣を1000円紙幣用の収納庫に収納し、1000円紙幣が1000円紙幣用の収納庫に収納されたのを確認した後、開放されていたゲートを閉鎖することが行われていた。
たとえば、2枚の1万円紙幣が連続して投入された場合、1枚目の1万円紙幣を収納するために、1万円紙幣用の収納庫のゲートの開閉動作をした後、2枚目の1万円紙幣を収納するためにも、再度同じゲートの開閉動作を繰り返していた。
また、複数の紙幣の搬送間隔を短くした場合、ゲートの開閉動作をより高速にする必要があるが、ゲートの開閉のタイミングがずれたり遅れたりした場合には、ゲートと紙幣が衝突して紙幣の紙詰まりが発生し、さらに、紙幣の誤収納が生じるおそれがあった。
この発明の紙幣識別収納装置は、投入された紙幣を所定の搬送路に導き、投入された紙幣が搬送路上を移動しているときに、紙幣の種類を識別し、紙幣の種類ごとに所定の異なる位置に配置された複数の収納庫のうち、識別された紙幣の種類に予め対応付けられた収納庫に、投入された紙幣を収納させるものである。
また、以下の実施例では、日本国内で流通している4種類の日本国の紙幣を識別する対象として説明する。識別する紙幣の種類は、1000円紙幣、2000円紙幣、5000円紙幣、1万円紙幣とする。ただし、説明を簡単にするために、主として、流通量の少ない2000円紙幣を省略して説明するものとする。
また、紙幣としてはこれに限るものではなく、たとえば、他国の紙幣、特定の店舗でのみ利用されている紙幣を、識別する対象としてもよい。
図1に、この発明の紙幣識別収納装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
図1に示すように、この発明の紙幣識別収納装置は、主として、制御部11、画像撮影部12、紙幣認識部13、紙幣通過検出部14、通過紙幣判定部15、紙幣搬送部16、紙幣投入検出部17、収納制御部18、紙幣投入口21、収納ゲート22、収納庫23、記憶部30を備える。
ここで、画像撮影部12と紙幣認識部13は、紙幣の種類を判定する鑑別センサとして機能する。
カメラ12によって撮影される紙幣識別領域は、後述する通過センサが配置される位置よりも上流側の搬送経路に配置される。1台のカメラで撮影された画像データを用いて、紙幣識別部13が、後述するように、紙幣の種類の識別を行う。
カメラ12で撮影された画像は、主として、固体撮影素子でデジタル化され、記憶部30に記憶され、紙幣識別部13で認識される。
図2は、紙幣の識別および搬送処理の一実施例の概略説明図であり、紙面の左右方向に長い紙幣搬送路L(以下、単に搬送路とも呼ぶ)を側面方向から見た図である。
図2において、投入紙幣P1の搬送方向は、紙面の左方向から右方向であるとする。
図示しない紙幣投入口から投入された紙幣は、1枚ずつ繰り出され、搬送ベルトによって紙幣搬送路L上を搬送される。
図2(a)は、紙幣搬送路Lに搬送された1枚の投入紙幣P1が、紙幣識別領域Rに来る前を示している。
図2(b)は、紙幣搬送路Lに搬送された投入紙幣P1が、カメラの撮影範囲である紙幣識別領域Rの中に搬送された場合を示している。
紙幣が搬送されていない場合は、図2に示すように、各収納ゲート22は、閉鎖状態(クローズ)である。紙幣が搬送されてきた場合、その紙幣に対応する収納ゲートのみを開放状態(オープン)にして、搬送されてきた紙幣を、開放状態にした収納ゲートの下の収納庫に収納する。
紙幣が搬送されていない場合は、撮影された画像データには搬送路と移動する搬送ベルトが撮っているだけであるが、一般的に紙幣は長方形形状なので、投入された紙幣が紙幣識別領域R内を搬送中は、画像データの中に長方形形状の物体があることが認識される。
そこで、撮影された紙幣識別領域Rの画像データから、紙幣識別領域R内に搬送された紙幣の画像を取得する。たとえば、画像データの中に長方形形状の画像が含まれる場合、紙幣が紙幣識別領域Rに搬送されてきたと判断し、その長方形形状の画像を紙幣の画像として切り出す。
たとえば、取得された紙幣の画像と、後述する記憶部30に予め記憶された複数の紙幣の基準画像(紙幣判定情報32)とを比較する。
記憶部30に予め記憶された複数の紙幣の基準画像(紙幣判定情報32)のうち、取得された紙幣の画像と一致可能なものがあった場合は、一致可能な基準画像に対応付けられた紙幣の種類を、現在、紙幣識別領域Rに搬送された紙幣の種類と判断する。
紙幣通過検出部14によって、種類が識別された紙幣が通過判定位置を通過したことが検出された場合に、後述するように、収納制御部18が、通過判定位置を通過した紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放する。
発光部14aと受光部14bは、紙幣搬送路Lをほぼ中央に挟んで対向する位置である通過判定位置に配置され、この対向位置に紙幣が搬送されていない場合には、発光部14aから出射された赤外線が、受光部14bに受光されるように配置される。
一方、受光部14bに赤外線が受光されない場合は、この電気信号は出力されない。すなわち、この電気信号が出力されていないことを確認することによって、現在、対向位置(通過判定位置)を紙幣が通過していることが検出される。
図3(a)は、紙幣が通過判定位置を通過している状態を示している。
通過判定位置への進退は、受光部14bで検出される赤外線の受光状態の変化によって判定できる。
特に、紙幣通過検出部14が、種類が識別された紙幣の先端が通過判定位置を通過したことを検出した場合に、収納制御部18が、通過判定位置を通過した紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放する。
紙幣通過検出部14が、種類が識別された紙幣の後端が通過判定位置を通過したことを検出した場合に、後述するように、収納ゲートを閉鎖させるタイミングを決めるために、その紙幣が通過した後の時間Tの経過を計測するタイマー(通過タイマーと呼ぶ)を起動させる。
この時間Tが経過する前に、新たな投入紙幣が通過判定位置を通過したことが検出されなかった場合は、その時間Tが経過した後に、種類が識別された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを閉鎖する。
また、通過タイマーの起動中に、同一種類の紙幣が連続して搬送されてきた場合も、その紙幣に対応する収納ゲートを閉鎖させることなく、開放したままとすることを特徴とする。すなわち、紙幣識別部13が識別した連続投入された複数の紙幣の種類が、同一種類である場合、同一種類の最初に投入された紙幣を収納するために、収納制御部18が、その紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放した後、少なくとも、同一種類の最後に投入された紙幣が収納されるまで、開放されている収納ゲートを開放したままとし、閉鎖しないようにする。
これにより、同一種類の紙幣が連続して搬送されてきた場合に、収納ゲートの開放と閉鎖という動作が繰り返されることがなくなり、紙幣の紙詰まりを防止することができ、連続する複数の同一種類の紙幣の収納速度を高速化できる。
すなわち、紙幣識別部13が識別した新たに投入された紙幣の種類が、現在開放されている収納ゲートと対応する紙幣の種類と異なる場合、紙幣通過検出部14が、新たに投入された紙幣の先端が通過判定位置を通過したことを検出した場合に、収納制御部18が、前記現在開放されている収納ゲートを閉鎖した後、新たに投入された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放するようにする。
搬送ベルトは、一定速度で、モータ等によって一方向に駆動され、搬送ベルト上に搭載された紙幣を、所定の搬送方向に移動させる。
紙幣を搬送する紙幣搬送路Lは、図2に示したように、直線でもよいが、必ずしも直線でなくてもよい。
紙幣搬送路Lは、一部に曲線部分を持つ搬送路であったとしても、蛇行する搬送路であってもよく、紙幣搬送路Lの途中に、紙幣識別領域Rと、通過判定位置を配置できればよい。
紙幣投入口21は、自動販売機やPOS端末などに設けられているのと同様に、紙幣を入れる入口であり、紙幣投入口の直後に、紙幣投入口に投入された紙幣が通過したことを検出するためのスイッチあるいはセンサを、紙幣投入検出部17として設ける。
たとえば、スイッチは、投入された紙幣が通過するときに接点が閉じるように配置すればよく、接点が閉じた場合に、紙幣が投入されたことを検出する。あるいは、センサとしては、発光部および受光部からなる赤外線センサを用い、投入された紙幣が発光部と受光部との間を通過するように赤外線センサを配置し、発光部から受光部に向けて出射されている赤外線が、通過する紙幣によって遮光された場合に、紙幣が投入されたことを検出する。
たとえば、投入された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲート22を開放して、投入された紙幣を、開放された収納ゲートの収納庫に収納させる。
収納庫23は、図2などに示したように、複数の紙幣の種類ごとに紙幣搬送路Lの異なる位置に、所定の間隔をあけて複数個配置され、各収納庫23は、紙幣の種類に予め対応づけられている。各収納庫23の紙幣入口となる部分に、開閉可能な収納ゲート22が設けられる。各収納庫23は、たとえば図2に示すように、3つの紙幣に対応づけて配置されている。
紙幣が投入されていないときなど、通常時は、すべての収納ゲート22を閉鎖状態とし、紙幣が収納庫内に収納されないようにする。
具体的には、紙幣識別部13によって種類が識別された紙幣を、その種類に対応づけられた収納庫23に収納させる場合、紙幣の先端が通過判定位置を通過した時に、その収納庫23に設けられた収納ゲート22を開放させる。
収納ゲート22が開放された状態で、紙幣がさらに搬送されると、図3(b)に示すように、その紙幣は収納ゲート22が開いた位置の収納庫23に収納される。
たとえば、1000円紙幣が、連続して10枚投入された場合、1枚目の1000円紙幣を収納するために、1000円収納庫の収納ゲートを開放した後、10枚目の1000円紙幣が収納されるまで、1000円収納庫の収納ゲートは開放したままとする。その後、もし11枚目に、異なる種類の5000円紙幣が通過判定位置を通過したことが検出された場合に、1000円収納庫の収納ゲートが閉鎖される。
記憶部30には、たとえば、通過タイマー値31、紙幣判定情報32、入力画像データ33、初期紙幣種類34、現通過紙幣種類35などが記憶される。
1枚の紙幣P1が通過判定位置を通過した時、その紙幣P1に対応する収納庫の収納ゲートが開放されるが、通過タイマー値31は、次の紙幣P2が通過判定位置を通過するのを待つ時間Tに相当し、次の紙幣P2が通過判定位置を通過することなく、通過タイマー値に設定された時間Tが経過した時に、紙幣P1に対応する収納庫の収納ゲートが閉鎖される。
たとえば、4種類の日本の紙幣について、それぞれ、紙幣の種類と対応付けて、基準画像となるファイルを予め記憶しておく。
1000円紙幣であれば、1000円紙幣の表面の画像データと、1000円紙幣の裏面の画像データを、基準画像ファイルとして記憶する。
また、基準画像32としては、日本の4種類の紙幣だけでなく、利用される店舗や使用状況に応じて、他の紙幣(他国の紙幣、特定の店舗でのみ使用される専用紙幣など)の画像ファイルを記憶してもよい。
上記したように、この入力画像データ33は、紙幣識別領域Rの中を撮影したものであり、紙幣識別領域Rの中に紙幣が入った時の画像データが、紙幣の識別に利用される。
また、入力画像データ33は、所定時間間隔で連続撮影された静止画でもよく、あるいは、動画でもよい。
少なくとも、最初の紙幣が投入された後に、入力画像データ33の記憶を開始し、その後一定期間(たとえば、10秒間)が経過するまで、入力画像データ33を記憶しつづけるようにする。あるいは、収納庫への紙幣の収納が終了するまで、入力画像データ33を記憶する。
また、つり銭の支払処理のような特定のイベント処理が終了した後、記憶されていた入力画像データ33を消去してもよい。
この初期紙幣種類34は、2枚目以降の投入紙幣が、最初の紙幣と同一種類か否かを判定するのに用いられる。
なお、紙幣の投入が所定の時間(たとえば、10分間)以上行われず紙幣の搬送処理も行われていない状態の場合には、初期紙幣種類34に記憶された情報を消去してもよい。
紙幣識別領域Rに新たな紙幣が搬送され、その紙幣の種類が識別されるごとに、現通過紙幣種類35が書き換えられる。すなわち、現通過紙幣種類35は、最近、紙幣識別領域Rを通過した紙幣の種類を記憶したものであり、2枚目以降の投入紙幣の種類が順次記憶される。
この現通過紙幣種類35は、2枚目以降の投入紙幣であって、最近、紙幣識別領域Rを通過した紙幣の種類が、最初の紙幣と同一種類か否かを判定するのに用いられる。
一方、紙幣識別領域Rを最近通過した紙幣の種類が、最初の紙幣と同一種類でないと判定された場合、収納制御部18によって、最初の紙幣に対応する収納庫の収納ゲートが閉鎖される。
なお、紙幣の投入が所定の時間(たとえば、10分間)以上行われず紙幣の搬送処理も行われていない状態の場合には、現通過紙幣種類35に記憶された情報を消去してもよい。
図4、図5、図6に、紙幣が連続して投入された場合における、紙幣の識別および収納処理の一実施例の説明図を示す。
図4は、最初の投入紙幣P1について、紙幣の種類が識別され、対応する収納庫に収納されるまでを示している。
図5は、最初の投入紙幣P1と同じ種類の2枚目の投入紙幣P2について、紙幣の種類が識別され、対応する収納庫に収納されるまでを示している。
図6は、最初の投入紙幣P1と異なる種類の3枚目の投入紙幣P3について、紙幣の種類が識別され、対応する収納庫に収納されるまでを示している。
なお、これらの図では、説明を容易にするために、1000円と5000円の収納庫までの紙幣搬送路を示しており、投入する紙幣も、1000円と5000円とする。
投入紙幣P1の種類は、初期紙幣種類34として、記憶部30に記憶される。たとえば、投入紙幣P1が1000円紙幣の場合は、初期紙幣種類34に、1000円という情報が記憶される。
また、図4(a)においては、通過センサの発光部から出射された光は、通過センサの受光部に受光されるため、受光部から受光したことを示す信号が出力されている。
このとき、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光有りから受光無しに変化したことを検出すると、最初の投入紙幣P1の先端が、通過判定位置まできたと判定する。
図4(c)に示すように、最初の投入紙幣P1の種類が1000円の場合は、1000円の収納庫の収納ゲートを開放する。収納ゲートを開放している間も、最初の投入紙幣P1は、右方向に搬送されている。
この状態において、通過センサの発光部から出射された光は、通過センサの受光部に受光されるようになる。すなわち、通過センサの受光部に、光が到達するので、受光部から受光したことを示す信号が出力される。
このとき、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光無しから受光有りに変化したことを検出すると、最初の投入紙幣P1の後端が、通過判定位置を通過したと判定する。
紙幣P1の後端が、通過判定位置を通過したと判定された場合、通過タイマーに、記憶部に記憶されていた通過タイマー設定値31を設定して、タイマーを起動させる。
また、最初の投入紙幣P1に続いて、連続して2枚目の紙幣P2が投入された場合は、2枚目の投入紙幣P2が、紙幣搬送路L上に搬送される。
また、2枚目の投入紙幣P2が、紙幣識別領域Rにまで搬送されたとすると、画像撮影部12によって投入紙幣P2の入力画像データが撮影され、紙幣識別部13によって、入力画像データを利用して、投入紙幣P2の種類が識別される。
これにより、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光有りから受光無しに変化したことを検出すると、2枚目の投入紙幣P2の先端が、通過判定位置まできたと判定する。
また、制御部11は、紙幣識別部13によって識別された紙幣P2の種類を取得し、投入紙幣P2は、最初の投入紙幣ではないので、取得した投入紙幣P2の種類を、記憶部30の現通過紙幣種類35に記憶する。たとえば、2枚目の投入紙幣P2が1000円紙幣の場合は、現通過紙幣種類35に、1000円という情報が記憶される。
図5(c)に示すように、2枚目の投入紙幣P2の種類が、最初の投入紙幣P1と同じ1000円であれば、紙幣P2が右方向に搬送されても、1000円の収納庫の収納ゲートを開放したままとする。
この状態において、通過センサの発光部から出射された光は、通過センサの受光部に受光されるようになるので、受光部から受光したことを示す信号が出力される。
したがって、図4(d)と同様に、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光無しから受光有りに変化したことを検出すると、2枚目の投入紙幣P2の後端が、通過判定位置を通過したと判定し、通過タイマーに、記憶部に記憶されていた通過タイマー設定値31を再度設定し直して、タイマーを再起動させる。
また、連続して3枚目の紙幣P3が投入された場合は、3枚目の投入紙幣P3が、紙幣搬送路L上に搬送される。
すなわち、連続投入された同一種類の紙幣について、紙詰まりの防止と、搬送間隔の短縮化をすることができる。
また、3枚目の投入紙幣P3が、紙幣識別領域Rにまで搬送されたとすると、画像撮影部12によって投入紙幣P3の入力画像データが撮影され、紙幣識別部13によって、入力画像データを利用して、投入紙幣P3の種類が識別される。
投入紙幣P3が5000円だとすると、投入紙幣P3の種類は、5000円と識別される。
これにより、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光有りから受光無しに変化したことを検出すると、3枚目の投入紙幣P3の先端が、通過判定位置まできたと判定する。
また、制御部11は、紙幣識別部13によって識別された紙幣P3の種類を取得し、投入紙幣P3は、最初の投入紙幣ではないので、取得した投入紙幣P3の種類を、記憶部30の現通過紙幣種類35に記憶する。たとえば、3枚目の投入紙幣P3が5000円紙幣の場合は、現通過紙幣種類35に、5000円という情報が記憶される。
初期紙幣種類34に1000円が記憶され、現通過紙幣種類35に5000円が記憶されている場合、3枚目の投入紙幣P3の種類が、最初の投入紙幣P1の種類と異なるので、図6(b)に示すように、最初の投入紙幣P1の1000円収納庫の収納ゲートを閉鎖する。
さらに、制御部11は、初期紙幣種類34によって、最初の投入紙幣と見なされた投入紙幣P3の種類を確認した後、収納制御部18に、紙幣P3の種類に対応する収納庫の収納ゲートを開放する指示を出し、収納制御部18は、この指示に基づいて、紙幣P3の種類に対応する収納庫の収納ゲートを開放する。
図6(c)に示すように、投入紙幣P3の種類が5000円の場合は、5000円の収納庫の収納ゲートを開放する。収納ゲートを開放している間も、投入紙幣P3は、右方向に搬送されている。
この状態において、通過センサの発光部から出射された光は、通過センサの受光部に受光されるようになるので、受光部から受光したことを示す信号が出力される。
このとき、通過紙幣判定部15が、受光部から出力された信号が、受光無しから受光有りに変化したことを検出すると、投入紙幣P3の後端が、通過判定位置を通過したと判定する。
投入紙幣P3の後端が、通過判定位置を通過したと判定された場合、通過タイマーに、記憶部に記憶されていた通過タイマー設定値31を再度設定して、タイマーを再起動させる。
また、新たな紙幣の投入がないまま、通過タイマー設定値31に設定された時間が経過した後に、開放されていた5000円の収納庫の収納ゲートが閉鎖される。
図7に、この発明の紙幣識別収納装置における紙幣の振分収納処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここで、紙幣識別部13による紙幣の種類の識別処理は、紙幣の振分収納処理とは別の処理として実行され、識別処理によって識別された紙幣の種類が、振分収納処理で利用されるものとする。
ステップS2において、紙幣の投入があった場合は、ステップS3に進み、そうでない場合は、ステップS1に戻る。
ステップS4において、投入された紙幣の先端が通過判定位置を通過したことを検出した場合、ステップS5に進み、そうでない場合は、ステップS3を繰り返す。
ステップS6において、収納制御部18が、初期紙幣種類34に基づいて、最初の投入紙幣の種類に対応する収納庫の収納ゲートを開放する。
ここでは、ステップS3と異なり、紙幣通過検出部14である通過センサから取得した信号の変化の有無をチェックして、投入された紙幣の後端が、通過判定位置から退出したか否かを検出する。具体的には、上記したように、受光部から出力される信号によって、光の受光無しから受光有りの状態に変化したか否かをチェックし、受光無しから受光有りの状態に変化した場合に、投入された紙幣の後端が通過判定位置から退出した(紙幣の後端が通過判定位置を通過した)と判断する。
ステップS8において、投入された紙幣の後端が通過判定位置を通過したことを検出した場合、ステップS9に進み、そうでない場合は、ステップS7を繰り返す。
ステップS10において、通過紙幣判定部15が、次の紙幣通過検出処理を行う。
ここでは、最初に投入された紙幣に続いて、連続して投入された次の紙幣について、ステップS3と同様に、その紙幣の先端が、通過判定位置に進入したか否かを検出する。
ステップS11において、次に投入された紙幣の先端が通過判定位置を通過したことを検出した場合、ステップS14に進み、そうでない場合は、ステップS12に進む。
ステップS13において、所定の設定時間が経過しても、次に投入された紙幣の先端の通過が検出されなかったので、ステップS6において開放されていた収納庫であって、最初の投入紙幣の種類に対応する現在開放されている収納庫の収納ゲートを閉鎖する。
その後、ステップS1に戻る。
ステップS15において、記憶部30に記憶されている初期紙幣種類34と現通過紙幣種類35とを比較する。
ステップS16において、比較の結果、両者が一致し、現在通過が検出された紙幣と最初の投入紙幣との種類が同一である場合は、ステップS7に戻る。この場合は、現在開放されている最初の紙幣の収納庫の収納ゲートは閉鎖しない。
ステップS17において、ステップS13と同様に、ステップS6において開放されていた最初の投入紙幣の種類に対応する収納庫の収納ゲートを閉鎖する。
その後、ステップS5に戻る。これにより、現在通過が検出された紙幣を、最初の紙幣と見なし、初期紙幣種類34に、現在通過が検出された紙幣の種類を記憶し、再度上記したような処理を繰り返す。
(その他の実施形態1)
上記実施例では、画像を撮影するカメラを用い、カメラで撮影された投入紙幣の画像データと、予め記憶された基準画像と比較することにより、投入紙幣の種類の識別を行ったが、これに限るものではない。
たとえば、各紙幣の大きさや形状が異なる場合は、紙幣の種類ごとに基準となる紙幣の大きさや形状を、記憶部30に予め記憶しておき、投入紙幣の大きさや形状と、記憶された基準の大きさや形状とを比較して、投入紙幣の種類を識別してもよい。
また、投入紙幣の種類の識別を、磁気センサなどを用いて行ってもよい。
上記実施例では、紙幣通過検出部14として、通過判定位置に設けられた発光部と受光部からなる通過センサを用いて、投入紙幣の通過を検出したが、これに限るものではない。
通過センサとしては、赤外線センサの他に、磁気センサなどを用いてもよい。
また、画像撮影部12として、動画を撮影するビデオカメラを用いる場合は、ほぼリアルタイムで、紙幣の移動状態を撮影できるので、画像撮影部12と紙幣識別部13の機能によって、紙幣通過検出部14が行う紙幣の通過検出と同等の機能を実現することもできる。
紙幣識別領域Rにおいて、画像撮影部12によって投入紙幣の全体像が撮影された後に、投入紙幣が撮影されなくなったことをもって、投入紙幣の後端が紙幣識別領域Rを通過して、紙幣が収納庫のある方向に搬送されたと判断できるので、紙幣識別部13による投入紙幣の種類の識別が終了した後、直ちに、識別された種類に対応した収納庫の収納ゲートを開放するようにしてもよい。
この場合、紙幣の種類の識別にかかる時間を考慮して、紙幣識別領域Rと、最初の収納庫の位置との間の距離を設定しておけば、通過センサ14を設けなくてもよい。したがって、通過センサを省略することによって、装置の小型化と、低価格化を図ることができる。
上記実施例では、日本国の4種類の紙幣を識別対象として説明したが、これに限るものではない。
たとえば、他国の紙幣、特定の店舗でのみ用いられる紙幣、あるいは遊戯コインなどの硬貨を、識別対象としてもよい。
また、識別対象としては、紙幣のほかに、商品券、チケットでもよく、カメラによって撮影された画像データによって種類を識別することのできる物体でもよい。
また、この発明は、ある製品についての良品と不良品とを外観によって区別する装置にも利用でき、さらに、搬送される物体上のある特定の情報を読み取って仕分けする装置などに、この発明の装置を利用してもよい。
Claims (8)
- 投入された紙幣を所定の搬送路に導き前記搬送路上を移動させる紙幣搬送部と、
複数の紙幣の種類ごとに前記搬送路の異なる位置に配置され、かつ紙幣の種類に予め対応づけられた複数の収納庫と、
前記各収納庫の紙幣入口に開閉可能に設けられた収納ゲートと、
前記搬送路上の所定の紙幣識別領域に搬送された紙幣の種類を識別する紙幣識別部と、
前記投入された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放して、前記投入された紙幣を前記開放された収納ゲートの収納庫に収納させる収納制御部とを備え、
前記紙幣識別部が識別した連続投入された複数の紙幣の種類が、同一種類である場合、前記同一種類の最初に投入された紙幣を収納するために、前記収納制御部が、その紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放した後、少なくとも、前記同一種類の最後に投入された紙幣が収納されるまで、前記開放されている収納ゲートを開放したままとすることを特徴とする紙幣識別収納装置。 - 前記紙幣識別部によって種類が識別された紙幣が、前記搬送路上の所定の通過判定位置を通過したことを検出する紙幣通過検出部をさらに備え、
前記種類が識別された紙幣が、前記通過判定位置を通過したことが検出された場合に、前記収納制御部が、前記通過判定位置を通過した紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放することを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別収納装置。 - 前記通過判定位置が、前記紙幣識別領域と前記複数の収納庫との間にあり、
前記紙幣通過検出部が、種類が識別された紙幣の先端が前記通過判定位置を通過したことを検出した場合に、前記収納制御部が、前記通過判定位置を通過した紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放することを特徴とする請求項2に記載の紙幣識別収納装置。 - 前記紙幣識別部が識別した新たに投入された紙幣の種類が、現在開放されている収納ゲートと対応する紙幣の種類と異なる場合、
前記紙幣通過検出部が、新たに投入された紙幣の先端が前記通過判定位置を通過したことを検出した場合に、前記収納制御部が、前記現在開放されている収納ゲートを閉鎖した後、新たに投入された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを開放することを特徴とする請求項3に記載の紙幣識別収納装置。 - 前記紙幣通過検出部が、種類が識別された紙幣の後端が前記通過判定位置を通過したことを検出した場合に、所定の時間の経過を計測する通過タイマーを起動させ、前記時間が経過する前に、新たな投入紙幣が前記通過判定位置を通過したことが検出されなかった場合は、前記時間が経過した後に、前記収納制御部が、前記種類が識別された紙幣の種類に対応づけられた収納庫に設けられた収納ゲートを閉鎖することを特徴とする請求項3に記載の紙幣識別収納装置。
- 前記搬送路の紙幣識別領域を撮影する画像撮影部をさらに備え、
前記紙幣識別部が、前記撮影された紙幣識別領域の画像データを利用して、紙幣識別領域に搬送された紙幣の種類を識別することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の紙幣識別収納装置。 - 識別すべき複数の紙幣の基準画像を、紙幣の種類ごとに予め記憶した記憶部を備え、
前記紙幣識別部は、前記撮影された紙幣識別領域の画像データから、紙幣識別領域に搬送された紙幣の画像を取得し、前記記憶部に予め記憶された紙幣の基準画像のうち、前記取得された紙幣の画像と一致可能な基準画像に対応する紙幣の種類を、前記搬送された紙幣の種類と判断することを特徴とする請求項6に記載の紙幣識別収納装置。 - 前記紙幣通過検出部が、光を出射する発光部とその光を受光する受光部からなり、
前記発光部と前記受光部は、前記搬送路を挟んで対向する位置である前記通過判定位置に配置され、
前記受光部の光の受光状態が、受光有りから受信無しに変化した場合、紙幣の先端が前記通過判定位置を通過したと判定し、前記受光部の光の受光状態が、受光無しから受信有りに変化した場合、紙幣の後端が前記通過判定位置を通過したと判定する通過紙幣判定部をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の紙幣識別収納装置。
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