JP2018044087A - インクセット、インクカートリッジセット、記録装置、及び、記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる画像における色味の劣化が少ないインクセットの提供。【解決手段】カーボンナノチューブAを含有する第1インクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する第2インクとを有するインクセット。【選択図】図1

Description

本発明は、インクセット、インクカートリッジセット、記録装置、及び、記録方法に関する。
インクジェットプリンティング技術は、広幅・高速化が容易であることから、近年、印刷分野においてシェアを大きく伸ばしている。
従来のインク又はインクセットとしては、例えば、特許文献1乃至3に記載されているものが知られている。
例えば、特許文献1には、「インクを収容したインク収容部、インク滴を吐出させるための記録ヘッド、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたインクジェット記録装置に用いるインクであって、該インクが少なくとも水、色材およびカーボンナノチューブを含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。」が提案されている。
また、特許文献2には、「カーボンナノチューブを含有するインク組成物において、少なくともカーボンナノチューブと溶媒と下記化学式(1)で表されるイミダゾリジノン化合物と下記化学式(2)で表されるプロピレン尿素化合物を含有することを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物。」が提案されている。
また、特許文献3には、「水と、有機顔料と、赤外線吸収色素を分散させる高分子分散剤と、700nm以上1500nm以下に吸収極大波長を有する水不溶性の赤外線吸収色素とを含有するインク組成物。」が提案されている。
特開2014−098074号公報 国際公開第2012/091002号 特開2014−047302号公報
本発明が解決しようとする課題は、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットを用いた場合に比べ、得られる画像における色味の劣化が少ないインクセットを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
カーボンナノチューブAを含有する第1インクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する第2インクとを有するインクセットである。
請求項2に係る発明は、
前記カーボンナノチューブAが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含み、前記カーボンナノチューブBが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含み、前記カイラル指数(n,m)と前記カイラル指数(n,m)とが異なる値である請求項1に記載のインクセットである。
請求項3に係る発明は、
前記第1インク及び前記第2インクがそれぞれ、ポリビニルピロリドンを含有する請求項1又は請求項2に記載のインクセットである。
請求項4に係る発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第1インクを収容した第1インクカートリッジと、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第2インクを収容した第2インクカートリッジと、を有するインクカートリッジセットである
請求項5に係る発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する第1インク及び第2インクを収容し、前記第1インクを記録媒体上に吐出する第1吐出ヘッド、前記第2インクを記録媒体上に吐出する第2吐出ヘッド、前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを乾燥する第1赤外線照射手段、及び、前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを乾燥する第2赤外線照射手段、を備え、前記第1赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長と、前記第2赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長とが異なる記録装置である。
請求項6に係る発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第1インクを記録媒体上に吐出する工程、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第2インクを記録媒体上に吐出する工程、前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを赤外線の照射により乾燥する工程、及び、前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを赤外線の照射により乾燥する工程、を有し、前記第1インクを乾燥する赤外線のピーク波長と、前記第2インクを乾燥する赤外線のピーク波長とが異なる記録方法である。
請求項1に係る発明によれば、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットを用いた場合に比べ、得られる画像における色味の劣化が少ないインクセットが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記カイラル指数(n,m)と前記カイラル指数(n,m)とが同じ値である場合に比べ、得られる画像における色味の劣化がより少ないインクセットが提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記第1インク及び前記第2インクがポリビニルピロリドンを含有しない場合に比べ、インクの分散安定性に優れるインクセットが提供される。
請求項4に係る発明によれば、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットを用いた場合に比べ、得られる画像における色味の劣化が少ないインクカートリッジセットが提供される。
請求項5に係る発明によれば、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットを用いた場合に比べ、得られる画像における色味の劣化が少ない記録装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットを用いた場合に比べ、得られる画像における色味の劣化が少ない記録方法が提供される。
本実施形態に係る記録装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る記録装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下に、本実施形態について説明する。
なお、「質量部」及び「質量%」との記載は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
<インクセット>
本実施形態に係るインクセットは、カーボンナノチューブAを含有する第1インクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する第2インクとを有する。
また、本実施形態に係るインクセットは、インクジェット記録用インクセットとして、好適に用いられる。
本実施形態に係るインクセットは、上記構成により、各インクに同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを含有するインクセットに比べ、得られる画像における色味の劣化が少ない。この理由は、以下に示す理由によるものと推定される。
はじめに、赤外線吸収剤を加えたインクセットを用いることにより、加えないインクセットを用いた場合に比べて色味の劣化が少ない画像を得ることができる。これは記録媒体上に形成された画像を乾燥するために記録媒体全体を加熱すると、インクが付与された画像部は、インク中の水等の溶媒を記録媒体が吸収することで、記録媒体が膨潤し、水素結合が切れて紙の繊維の並びが乱れた状態となる。また、画像部を乾燥することで、繊維の並びが乱れたままの状態で水素結合が再結合する。
一方、記録媒体全体を加熱すると、インク組成物が付与されていない非画像部は収縮する。
そのため、画像部と非画像部との繊維の収縮差が大きくなり、記録媒体がカール(湾曲)したり、カックル(波うち)を発生することがある。
カール及びカックルを抑制するために、非画像部は加熱せず、画像部のみを選択的に加熱することが考えられる。つまり、インクに、赤外線照射により発熱する赤外線吸収剤を添加することで、画像形成された記録媒体に赤外線を照射したときに、画像部のみを選択的に加熱される。
しかしながら、インク中において赤外線吸収剤は、インクに含有される他の成分と相互作用し、経時により、インク中に凝集体が生じたり、赤外線吸収剤を含む各成分の劣化が生じる場合がある。
また、各色インクに同一種の赤外線吸収剤を含有させた従来のインクセットを用いた場合、各インクに独立に赤外線が適切な照射量で照射されず、最も乾燥しにくいインクに合わせて赤外線が照射される。よって、一部のインクには、過剰な熱量が与えられることになり、含まれる顔料成分の熱的な劣化により、得られる画像の色味の劣化が生じると推定される。
カーボンナノチューブ(Carbon Nano-Tube、CNT)は、グラフェン(六員環ネットワーク)シートを筒型に巻いた形状しており、その直径は数nm乃至100nmで、長さは数nm乃至数μmである。1枚のグラフェンシートが筒状になった単層タイプ(Single wall carbon Nano-Tube;SWCNT)と重層構造になった多層タイプ(Multi wall Carbon Nano-Tube;MWCNT)とがある。カーボンナノチューブは、導電性の高さ、表面積の大きさ(閉口状態で1,000m/g、開口状態で2,000m/gに逹する)、高強度(鋼鉄の20倍の強度、特に繊維方向の引っ張り強度ではダイヤモンドすら凌駕する)である。また、アルミニウムの半分という軽さ、柔軟性と高ヤング率、銅の1,000倍以上の高電流密度耐性、銅の10倍の高熱伝導特性、細長いなどの主な特性から各種用途材料として検討されている。また、カーボンナノチューブは、高い熱伝導性を有する。
更に、カーボンナノチューブは、グラフェンの六角形の向きはチューブの軸に対し様々なの方向をとることができ、このとき発生したらせん構造をカイラルといい、グラフェン上のある6員環の基準点からの二次元格子ベクトルのことをカイラルベクトル(C)と呼ぶ。カイラルベクトルは二次元六角格子の2つの基本並進ベクトルa及びaを用いて、以下のように表される。
=na+ma
この二つの整数の組(n,m)はカイラル指数(chiral index)と呼ばれ、ナノチューブの構造を表すのに使われる。カーボンナノチューブにおけるチューブの直径や螺旋角はカイラル指数によって決まる。
また、カーボンナノチューブの立体構造は、カイラル指数に従い、n=mの場合、アームチェア型と称されるチューブ状の炭素原子の配列構造をとり、金属性を示し、m=0の場合、ジグザグ型と称されるチューブ状の炭素原子の配列構造をとり、上記以外の場合、カイラル型と称される螺旋構造を持つ一般的なチューブ構造をとる。また、カーボンナノチューブにおいて、(n−m)の値が3の倍数では金属性(金属型カーボンナノチューブ)を、3の倍数以外のときは半導体の特性(半導体型カーボンナノチューブ)を示す。
カーボンナノチューブは、いずれのチューブ構造でも電気的特性以外の物性は大きく変わらないが、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長やその吸光度の大きさについては、各カイラル指数を有するカーボンナノチューブごとに少しずつ異なる。
また、カーボンナノチューブは、安定な化合物であり、また、インクに含有される他の成分への影響が少ない。
よって、赤外線吸収剤として、カーボンナノチューブを用いることにより、インクの分散安定性に優れるとともに、インクごとに異なる極大吸収波長を有するインクを調製し、照射する赤外線の波長を選択し、インク乾燥時の発熱制御を行える。
したがって、カーボンナノチューブAを含有する第1インクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する第2インクとをインクセットとして用いることにより、得られる画像における色味の劣化が少ないと考えられる。
以下、本実施形態に係るインクセットの詳細について説明する。
本実施形態に係るインクセットにおけるカーボンナノチューブの波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長の測定方法は、以下の方法により測定するものとする。
カーボンナノチューブを含むインクセットを純水で200乃至300倍(吸光度が1前後になるように調整)に希釈し、超音波バスなどを使用してよく混合する。この希釈液を光学分光光度測定用の厚さ1cmの石英セルに7〜8割の充填量で充填し、例えば(株)日立製作所製分光光度計U−4100によって、波長範囲400乃至1,500nm、波長間隔1nmで測定する。得られた吸光度波形から、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長を測定する。
本実施形態に係るインクセットにおける各インクは、水性インクであっても、溶剤インクであってもよいが、水性インクであることが好ましい。
すなわち、本実施形態に係るインクセットにおける第1インク及び第2インク(各インク)はそれぞれ、水を含有することが好ましい。
本実施形態に係るインクセットにおける第1インク及び第2インク(各インク)はそれぞれ、後述するように、着色剤を含有することが好ましい。
本実施形態に係るインクセットにおける第1インク及び第2インクは、異なる色のインクであることが好ましく、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクよりなる群から選ばれた2種のインクであることがより好ましい。
また、本実施形態に係るインクセットは、フルカラーの画像形成の観点から、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブA及び前記カーボンナノチューブBと異なるカーボンナノチューブCを含有する第3インクとを更に有することが好ましく、カーボンナノチューブAを含有するシアンインクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有するマゼンタインクと、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブA及び前記カーボンナノチューブBと異なるカーボンナノチューブCを含有するイエローインクとを有することがより好ましい。
更に、本実施形態に係るインクセットは、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が各インクにおけるカーボンナノチューブと異なるカーボンナノチューブを含有する第Nインクを更に含有していてもよい。Nは4以上の整数を表す。
また、得られる画像における色味の劣化を抑制する観点から、前記第1インクの全質量に対するカーボンナノチューブAの含有量をW、前記第2インクの全質量に対するカーボンナノチューブBの含有量をWとした場合、W/Wの値は、0.5以上2以下であることが好ましく、0.67以上1.5以下であることが好ましく、0.80以上1.25以下であることが特に好ましい。
以下、本実施形態に用いられる各インクの詳細について説明する。なお、以下の説明において、単に「インク」と記載する場合は、前記第1乃至第Nインク等の各インクいずれも該当するものとする。
本実施形態に用いられるインクは、カーボンナノチューブと、着色剤と、水及び水性有機溶媒を含む溶媒と、を含有することが好ましく、カーボンナノチューブと、着色剤と、高分子粒子と、水及び水性有機溶媒を含む溶媒と、を含有することがより好ましく、カーボンナノチューブと、着色剤と、高分子粒子と、高分子分散剤と、界面活性剤と、水及び水性有機溶媒を含む溶媒と、を含有することが特に好ましい。
(カーボンナノチューブ)
本実施形態に係るインクセットにおいて、前記第1インクは、カーボンナノチューブAを含有し、前記第2インクは、波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する。
カーボンナノチューブの多くは、760nm以上1,500nm以下の波長域に極大吸収波長を有する。
本実施形態に係るインクセットにおいて、前記カーボンナノチューブAが有する波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長と、前記カーボンナノチューブBが有する波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長とが異なることが好ましい。
本実施形態に用いられるカーボンナノチューブは、単層のカーボンナノチューブであっても、多層のカーボンナノチューブであってもよいが、インクの分散安定性の観点から、単層のカーボンナノチューブであることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるカーボンナノチューブは、半導体型カーボンナノチューブであっても、金属型カーボンナノチューブであってもよいが、吸収波長のピークの狭さ、及び、インクの分散安定性の観点から、半導体型カーボンナノチューブであることが好ましい。
また、本実施形態に用いられるインクは、カーボンナノチューブを1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本実施形態に用いられるインクは、得られる画像における色味の劣化を抑制する観点から、特定のカイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを、インク中に含有されるカーボンナノチューブの全質量に対し、50質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することが更に好ましく、95質量%以上含有することが特に好ましい。
なお、nは1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表し、n≧mを満たす。
また、吸収波長のピークの狭さ、及び、インクの分散安定性の観点から、n−mの値は3でないことが好ましく、n>mであることが好ましく、また、mは1以上の整数であることが好ましい。更に、nは1以上12以下の整数であることが好ましく、また、mは0以上12以下の整数であることが好ましい。
得られる画像における色味の劣化を抑制する観点から、前記第1インクにおける前記カーボンナノチューブAが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含み、前記第2インクにおける前記カーボンナノチューブBが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含む場合、前記カイラル指数(n,m)と前記カイラル指数(n,m)とが異なる値であることが好ましく、前記第1インクにおける前記カーボンナノチューブAが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブであり、前記第2インクにおける前記カーボンナノチューブBが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブであり、前記カイラル指数(n,m)と前記カイラル指数(n,m)とが異なる値であることが特に好ましい。
インクの分散安定性、及び、得られる画像における色味の劣化を抑制する観点から、本実施形態に用いられるカーボンナノチューブのカイラル指数としては、(6,4)、(6,5)、(7,3)、(7,5)、(7,6)、(8,3)、(8,4)、(8,6)、(8,7)、(9,4)、(10,2)、(10,3)及び(12,1)よりなる群から選ばれたカイラル指数であることが好ましい。
また、インクの分散安定性、及び、得られる画像における色味の劣化を抑制する観点から、前記カイラル指数(n,m)及び(n,m)がそれぞれ独立に、(6,4)、(6,5)、(7,3)、(7,5)、(7,6)、(8,3)、(8,4)、(8,6)、(8,7)、(9,4)、(10,2)、(10,3)及び(12,1)よりなる群から選ばれたカイラル指数であることが好ましい。
カーボンナノチューブの分離方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いればよいが、例えば、特開2011−184225号公報に記載されている、アガロースゲル又はセファクリルゲル等のゲルを用い、直列に配置した複数のカラムを用いるマルチカラム法が好適に挙げられる。
また、本実施形態に用いられるカーボンナノチューブは、市販品を用いてもよいし、単一のカイラル指数を有するカーボンナノチューブとして製造されたものを用いてもよいし、また、特定のカイラル指数を有するカーボンナノチューブを多く含むように製造されたものを用いてもよい。
カーボンナノチューブの含有量(濃度)は、インクの分散安定性、並びに、得られる画像における色及び色味の劣化抑制の観点から、インクに対して、0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、0.02質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が特に好ましい。
(分散安定剤)
本実施形態に用いられるインクは、カーボンナノチューブの分散安定性の観点から、分散安定剤を含有することが好ましい。
分散安定剤としては、高分子分散安定剤が好ましく挙げられる。また、高分子分散安定剤と溶媒との併用も好ましい。
高分子分散安定剤として具体的には、ポリビニルピロリドン(PVP)、キトサン、デンプン、セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリアリルアミン等が好ましく例示される。これらの中でも、インクの分散安定性の観点から、ポリビニルピロリドンが特に好ましく例示される。
本実施形態に用いることができるポリビニルピロリドンは、特に制限はないが、重量平均分子量が1,000以上200,000以下であることが好ましく、10,000以上100,000以下であることがより好ましく、20,000以上50,000以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態に用いることができるポリビニルピロリドンは、FikentscherのK値が10以上100以下のポリビニルピロリドンであることが好ましく、K値が15以上50以下のポリビニルピロリドンであることがより好ましく、K値が25以上35以下のポリビニルピロリドンであることが更に好ましい。なお、K値とは、分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(25℃)を次のFikentscherの式に適用して計算される。
K=(1.5logηrel−1)/(0.15+0.003c)+(300clogηrel+(c+1.5clogηrel21/2/(0.15c+0.003c2
ηrel:ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度
c:ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドン濃度(質量%)
本実施形態に用いられるインクは、高分子分散安定剤を1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
高分子分散安定剤の含有量(濃度)は、インクの分散安定性の観点から、インクに含有されるカーボンナノチューブの全質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下が特に好ましい。
また、分散安定剤としては、極性有機溶媒が好ましく挙げられる。
極性有機溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒及びニトリル系溶媒が挙げられる、中でも、インクの分散安定性の観点から、アミド系溶媒が好ましく、環状アミド化合物がより好ましく、N−メチルピロリドンが特に好ましい。
本実施形態に用いられるインクは、極性有機溶媒を1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
極性有機溶媒の含有量(濃度)は、インクの分散安定性の観点から、インクに対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上8質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
(着色剤)
まず、着色剤について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、着色剤を含有することが好ましい。また、第1インクと第2インクとは、それぞれ異なる着色剤を含有することが好ましい。
また、第1インク及び第2インク等のカーボンナノチューブを含有するインクは、黒色着色剤を含有しないことが好ましい。
着色剤としては、目的とする色のインクに応じたものを使用すればよく、具体的には、顔料及び染料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、及び、無機顔料が挙げられる。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet−19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、その他、公知の顔料及び染料が用いられる。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが好ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤や、後述するアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、例えば縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
中でも、スチレン−アクリル酸共重合体、及び、スチレン−アクリル酸塩共重合体よりなる群から選ばれた高分子分散剤が好ましく、スチレン−アクリル酸塩共重合体がより好ましく、スチレン−アクリル酸アルカリ金属塩共重合体が特に好ましい。
高分子分散剤の重量平均分子量としては、2,000以上50,000以下が好ましい。なお、特別に記載しない限り、本実施形態における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
これら高分子分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。高分子分散剤の含有量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、顔料に対し、0.1質量%以上100質量%以下であることがよい。
顔料としては、水に自己分散する顔料(以下自己分散型顔料と称する)も挙げられる。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
自己分散型顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、Cab−o−jet−400、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cab−o−jet−250C、Cab−o−jet−260M,Cab−o−jet−270Y,Cab−o−jet−450C,Cab−o−jet−465M,Cab−o−jet−470Y,Cab−o−jet−480M、オリエント化学工業(株)製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も挙げられる。
自己分散型顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましく、表面に官能基として少なくともカルボン酸又はカルボン酸塩を有する顔料であることがより好ましい。
ここで、顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC(株)製、東洋インキ(株)製などの市販のマイクロカプセル顔料がある。なお、市販のマイクロカプセル顔料に限られず、目的に応じて作製したマイクロカプセル顔料を使用してもよい。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白、黒等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉、樹脂粉、又はエマルション、蛍光染料や蛍光顔料等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、例えば、10nm以上1,000nm以下であることが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。
体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は着色剤の屈折率を採用する。
着色剤の含有量(濃度)は、例えば、インクに対して1質量%以上25質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましい。
(高分子粒子)
高分子粒子について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、高分子粒子を含むことが好ましい。
高分子粒子は、記録媒体に対するインクによる画像の定着性を高める成分である。
なお、高分子粒子は、高分子化合物を粒状化したものであって、前述した高分子分散剤とは別の成分である。
高分子粒子としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、シリコーン−アクリル酸共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等の粒子(ラテックス粒子)が挙げられる。
なお、高分子粒子としては、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
高分子粒子は、乳化剤を用いてインク中に分散させたものであってもよく、乳化剤を用いないでインク中に分散させたものであってもよい。
乳化剤としては、界面活性剤、スルホン酸基、カルボキシル基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、親水性を持つ単量体と疎水性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)が挙げられる。
高分子粒子の体積平均粒径は、画像の光沢性及び耐擦過性の点から、10nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましい。
高分子粒子の体積平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は高分子粒子の屈折率を採用する。
高分子粒子のガラス転移温度は、着弾ムラを抑制する点から、40℃以上90℃以下が好ましく、70℃以上90℃以下がより好ましい。一方、高分子粒子のガラス転移温度は、画像の耐擦過性の点から、−20℃以上80℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以上60℃以下である。
高分子粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
高分子粒子の含有量は、画像の定着性を高める点、吐出安定性、成膜性の点から、インクに対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(水)
水について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、水を含むことが好ましい。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
本実施形態においては、沸点150℃未満の溶媒としては、水が好適に挙げられる。
水の含有量は、乾燥速度、及び、得られる画像における筋ムラの発生の抑制の観点から、インクに対して50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましく、70質量%以上85質量%以下が特に好ましい。
(水性有機溶媒)
水性有機溶媒について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、水性有機溶媒を含むことが好ましい。
水性有機溶媒としては、多価アルコール、多価アルコール誘導体、含窒素溶媒、アルコール、含硫黄溶媒等が挙げられる。水性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
水性有機溶媒としては、沸点150℃以上の水性有機溶媒が好ましく挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水性有機溶媒は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記インクは、乾燥速度の調整、及び、ヘッドの耐目詰まり性の観点から、水性有機溶媒として、多価アルコールを含むことが好ましく、プロピレングリコール及び1,2−へキサンジオールよりなる群から選ばれた水性有機溶媒を含むことがより好ましく、プロピレングリコール及び1,2−へキサンジオールを含むことが特に好ましい。
水性有機溶媒の含有量は、水に対して1質量%以上60質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、界面活性剤を含むことが好ましい。
インクは、界面活性剤として、例えば、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)が14以下の界面活性剤を含むことが好ましい。HLBが14以下の界面活性剤の量を調整する、また、異なるHLBの界面活性剤を複数種使用することなどにて、インクの表面張力の調整がし易くなる。
なお、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
このような界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエーテル変性シリコーンよりなる群から選択する少なくとも一種が挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物は、例えば、アセチレングリコールの少なくとも一つの水酸基にエチレンオキサイドを付加させた−O−(CHCHO)−H構造(なお、例えばnは1以上30以下の整数を示す)を持つ化合物である、
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、例えば、オルフィンE1004(7以上9以下)、オルフィンE1010(13以上14以下)、オルフィンEXP.4001(8以上11以下)、オルフィンEXP.4123(11以上14以下)、オルフィンEXP.4300(10以上13以下)、サーフィノール104H(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(4)、ダイノール604(8)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、シリコーン鎖(ポリシロキサン主鎖)に、ポリエーテル基がグラフト状に結合した化合物、又はブロック状に結合した化合物である。ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリエーテル基としては、例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック状又はランダムに付加したポリオキシアルキレン基であってもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、シルフェイスSAG002(12)、シルフェイスSAG503A(11)、シルフェイスSAG005(7)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
インクには、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエーテル変性シリコーン以外の、その他の界面活性剤を用いてもよい。
その他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等がよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコールがよい。
ノニオン性界面活性剤としては、その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も挙げられる。
他の界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると、例えば、3以上20以下の範囲がよい。
界面活性剤は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が好ましく、また、前記インクは、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を2種以上含むことがより好ましい。
界面活性剤の含有量は、総計で、インクに対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上3質量%以下が更に好ましい。
(その他の添加剤)
その他の添加剤について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、その他の添加剤を含んでもよい。
その他の添加剤としては、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、前記水性有機溶媒以外の有機溶媒、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
(インクの物性)
インクの好適な物性について説明する。
インクが水性インクである場合、水性インクのpHは、好ましくは4以上10以下の範囲、より好ましくは5以上9以下の範囲が挙げられる。
ここで、水性インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
また、インクが水性インクである場合、水性インクの導電率は、0.01S/m以上0.5S/m以下の範囲が好ましく、0.01S/m以上0.25S/m以下の範囲がより好ましく、0.01S/m以上0.20S/m以下の範囲が更に好ましい。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
(用途)
ここで、本実施形態に用いられるインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインク及びこれら色以外の中間色インク、グリーンインク、オレンジインク及びバイオレットインク等の特色インク、並びに、メタリックインク等のいずれであってもよい。
また、本実施形態に係るインクセットは、かかる第1インク及び第2インクを少なくとも含むインクセットとして使用してもよい。
〔記録媒体〕
本実施形態に係るインクセットを用いた被記録対象となる記録媒体としては、特に制限されず、公知のあらゆる記録媒体が挙げられる。
浸透性記録媒体としては、普通紙等が挙げられる。非浸透性記録媒体としては、例えば、樹脂、金属、ガラス、セラミックス、シリコン、ゴム等を材料とするフィルム、板等;樹脂等でコートされた紙;などが挙げられる。
非浸透性記録媒体としては、包装資材に従来使用されている各種の樹脂フィルムも挙げられる。樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。樹脂フィルムは、表面にコロナ放電等による電荷処理が施されていてもよい。
<インクカートリッジセット>
本実施形態に係るインクカートリッジは、本実施形態に係るインクセットが有する前記第1インクを収容した第1インクカートリッジと、本実施形態に係るインクセットが有する前記第2インクを収容した第2インクカートリッジと、を有する。
本実施形態に係るインクカートリッジセットにおける各インクカートリッジは、例えば、インクジェット方式の記録装置に着脱可能な形態で提供されることが好ましい。
本実施形態に係るインクカートリッジは、第1インクカートリッジ及び第2インクカートリッジ以外のインクカートリッジを有していてもよい。
<記録装置、記録方法>
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインクセットが有する第1インク及び第2インクを収容し、前記第1インクを記録媒体上に吐出する第1吐出ヘッド、前記第2インクを記録媒体上に吐出する第2吐出ヘッド、前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを乾燥する第1赤外線照射手段、及び、前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを乾燥する第2赤外線照射手段、を備え、前記第1赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長と、前記第2赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長とが異なる。
また、本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインクセットが有する第1インク及び第2インクを収容し、前記第1インクを記録媒体上に吐出する第1吐出ヘッド、前記第2インクを記録媒体上に吐出する第2吐出ヘッド、前記第3インクを記録媒体上に吐出する第3吐出ヘッド、前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを乾燥する第1赤外線照射手段、前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを乾燥する第2赤外線照射手段、及び、前記記録媒体上に吐出された前記第3インクを乾燥する第3赤外線照射手段、を備え、前記第1赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長と、前記第2赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長と、前記第3赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長とがそれぞれ異なる形態であってもよい。
本実施形態に係る記録装置では、本実施形態に係るインクセットが有する前記第1インクを記録媒体上に吐出する工程、本実施形態に係るインクセットが有するのうち前記第2インクを記録媒体上に吐出する工程、前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを赤外線の照射により乾燥する工程、及び、前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを赤外線の照射により乾燥する工程、を有し、前記第1インクを乾燥する赤外線のピーク波長と、前記第2インクを乾燥する赤外線のピーク波長とが異なる記録方法(本実施形態に係る記録方法)が実施される。
インク液滴の吐出に用いる第1乃至第3吐出ヘッド等の吐出ヘッドは、特に制限はなく、公知のインクジェットヘッドが用いられ、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドや、サーマル型のインクジェットヘッドが挙げられる。
インクの吐出温度は、特に制限はなく、使用するインクに応じて調整することができる。
本実施形態の画像記録装置及び画像記録方法において、インクの吐出は、必要に応じ、複数回行ってもよい。例えば、記録媒体の同一の箇所に、1種類のインクを複数回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ1回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ複数回吐出してもよい。
第1乃至第3赤外線照射手段等の赤外線照射手段は、少なくとも760nm以上1,500nm以下の波長域の赤外線を記録媒体に照射可能な手段であれば特に制限されず、例えば、赤外線レーザー照射装置等が好適に挙げられる。
また、赤外線照射手段としては、記録媒体の幅方向に沿って複数の赤外線レーザー発光素子が配置された赤外線レーザー照射ユニットを使用することも可能である。
上記赤外線レーザー照射ユニットにおける、各赤外線レーザー発光素子のレーザーの照射タイミング、照射位置及び照射量は、例えば、各赤外線近レーザー発光素子に供給する電流値に応じて、赤外線レーザー発光素子ごとに調整されるようになっていることが好ましい。このような赤外線レーザー照射ユニットは、上記のような電流値の調整機構と、赤外線レーザーの照射量を測定するセンサを有することにより、赤外線レーザーの照射タイミングを制御する機構や、赤外線レーザー照射量のバラツキを補正する機構を有することが可能である。
このような赤外線レーザー照射ユニットとしては、特開2015−112792号公報に記載のレーザー乾燥ユニット等が挙げられる。
赤外線レーザーの照射は、記録媒体の全面に行ってもよいし、一部に行ってもよいが、少なくとも赤外線の波長に対応する第1、第2又は第3インクを吐出した箇所を含む領域に照射することが好ましい。
赤外線の照射量は、インクの乾燥に適する量であればよいが、1,000J/m2以上100,000J/m2以下が好ましく、3,000J/m2以上70,000J/m2以下がより好ましく、5,000J/m2以上50,000J/m2以下が更に好ましい。なお、前記赤外線の照射量は、記録媒体表面における赤外線の照射量とする。
赤外線の照射時間としては、特に制限なく、インクが乾燥するまで照射すればよいが、100μs以上1s以下が好ましく、500μs以上0.5s以下がより好ましく、0.1ms以上0.3s以下が更に好ましい。
本実施形態に係る記録装置及び記録方法は、本実施形態に係るインクセットを用いることにより、インクの分散安定性に優れ、色味の劣化が少ない画像が形成される。
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインクセットにおける各インクを収容し、記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジセットを備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る記録装置及び記録方法の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。
図1に示す記録装置10は、記録媒体Pに画像を記録する画像記録ユニット12と、画像記録ユニット12に記録媒体Pを供給する供給ユニット14と、供給ユニット14と画像記録ユニット12との間に配置され、供給ユニット14から画像記録ユニット12へ供給される記録媒体Pの搬送量等を調整するバッファユニット16と、画像記録ユニット12から排出される記録媒体Pを巻き取る巻取りユニット18と、画像記録ユニット12と巻取りユニット18との間に配置され、画像記録ユニット12から巻取りユニット18へ排出される記録媒体Pの搬送量等を調整するバッファユニット20と、画像記録ユニット12とバッファユニット20との間に配置され、画像記録ユニット12から搬出される記録媒体Pを冷却する冷却ユニット22と、を備えている。
画像記録ユニット12は、吐出装置121と、記録媒体Pの搬送経路124と、赤外線レーザー照射装置128A、128B、128Cとを備える。
吐出装置121は、K(ブラック)色の画像を記録する吐出ヘッド122Kと、Y(イエロー)色の画像を記録する吐出ヘッド122Yと、M(マゼンタ)色の画像を記録する吐出ヘッド122Mと、C(シアン)色の画像を記録する吐出ヘッド122Cとを備える。吐出ヘッド122K、122Y、122M、122Cは、例えばこの順番で、搬送経路124の上流側から下流側に並べられている。吐出ヘッド122K、122Y、122M、122Cは、それぞれ、記録装置10に着脱される各色のインクカートリッジ(不図示)と供給管(不図示)を通じて連結され、各色のインクカートリッジから各色のインクが吐出ヘッド122へ供給される態様であってもよい。吐出ヘッド122K、122Y、122M、122Cに共通する事項について説明する場合、単に「吐出ヘッド122」という。
吐出装置121は、上記4色に対応した4つの吐出ヘッド122を備える形態に限られず、他の中間色を加えた4色以上の色に対応した4つ以上の吐出ヘッド122を備える形態であってもよい。前記第1乃至第3吐出ヘッドがそれぞれ、吐出ヘッド122Y、122M、122Cに対応する。
吐出ヘッド122としては、例えば、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が記録媒体Pの幅(記録媒体Pの搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッド;記録媒体Pの幅よりも短尺状の吐出ヘッドであって、記録媒体Pの幅方向に移動してインクを吐出するキャリッジ方式の吐出ヘッド;等が挙げられる。
吐出ヘッド122が採用するインクジェット方式としては、ピエゾ素子の振動圧力を利用するピエゾ方式、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等が挙げられる。
吐出ヘッド122は、例えば、インク滴量10pL以上15pL以下の範囲でインク滴を吐出する低解像度用の吐出ヘッド(例えば600dpiの吐出ヘッド)、インク滴量10pL未満の範囲でインク滴を吐出する高解像度用の吐出ヘッド(例えば1200dpiの吐出ヘッド)である。dpiは「dots per inch」を意味する。
吐出装置121は、吐出ヘッド122から記録媒体Pにインク滴を直接吐出する形態に限られず、吐出ヘッド122から中間転写体にインク滴を吐出した後、中間転写体上のインク滴を記録媒体Pに転写する形態であってもよい。
前記第1乃至第3赤外線照射手段がそれぞれ、赤外線レーザー照射装置128A、128B、128Cに対応する。
赤外線レーザー照射装置128A、128B、128Cはそれぞれ、第1インク(イエローインク)、第2インク(マゼンタインク)、第3インク(シアンインク)が有する極大吸収波長に対応する波長の赤外線レーザーを照射する装置である。
赤外線レーザー照射装置128A、128B、128Cにおける赤外線レーザーの照射は、記録媒体の全面に行ってもよいし、一部に行ってもよいが、少なくとも赤外線の波長に対応する第1、第2又は第3インクを吐出した箇所を含む領域に照射しインクの乾燥を行うことが好ましい。
また、吐出ヘッド122Kより吐出されたブラックインクの乾燥は、ブラックインクに含まれる黒色着色剤が760nm以上1,500nm以下の波長域の多くに吸収を有する場合が多く、赤外線レーザー照射装置128A、128B及び128Cよりなる群から選ばれた少なくとも1つの装置、又は、これらの極大吸収波長とは異なる波長に対応する装置により乾燥を行えばよい。
また、図2に示すように、赤外線照射装置を吐出ヘッド間に配置する構成でもよい。色毎に吐出後に乾燥することにより、色間の滲みを抑制することができる。
搬送ローラ126は、記録媒体Pの裏面が巻き掛けられ、記録媒体Pの搬送に従動して回転しながら記録媒体P上の画像(インク)を搬送する。
供給ユニット14は、記録媒体Pが巻かれている供給ロール14Aを備えており、供給ロール14Aから画像記録ユニット12へ記録媒体Pを供給する。供給ロール14Aは、フレーム部材(不図示)によって回転可能に支持されている。
バッファユニット16は、例えば、記録媒体Pの搬送方向に沿って、第1パスローラ16A、ダンサーローラ16B及び第2パスローラ16Cを備える。ダンサーローラ16Bは、図1中上下に移動することにより、画像記録ユニット12へ供給される記録媒体Pの張力及び搬送量を調整する。
巻取りユニット18は、画像が記録された記録媒体Pを巻き取る巻取ロール18Aを備えている。巻取ロール18Aがモータ(不図示)の駆動で回転することで、記録媒体Pが搬送経路124に沿って搬送される。
バッファユニット20は、例えば、記録媒体Pの搬送方向に沿って、第1パスローラ20A、ダンサーローラ20B及び第2パスローラ20Cを備える。ダンサーローラ20Bは、図1中上下に移動することにより、巻取りユニット18へ排出される記録媒体Pの張力及び搬送量を調整する。
冷却ユニット22には、複数のクーリングローラ22Aが配置されている。複数のクーリングローラ22Aの間に記録媒体Pを搬送することにより、記録媒体Pを冷却する。
本実施形態に係る記録装置は、図1に示す記録装置10のような輪転機に限られず、記録媒体1枚ずつに記録する枚葉機でもよい。
前述した本実施形態は、その形態のみに限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現されることは、言うまでもない。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
(実施例1)
<シアンインク前駆組成物の調製>
PigmentBlue 15:4(シアン顔料、大日精化工業(株)製):4.5質量%
スチレン−アクリル酸塩共重合体(顔料分散剤、BASF社製(商品名ジョンクリル))0.5質量%
プロピレングリコール(和光純薬工業(株)製):10質量%
1,2−ヘキサンジオール(和光純薬工業(株)製):5質量%
ポリアクリレートエマルション(固形分25%、日本合成化学工業(株)製):4質量%
オルフィンE1010(界面活性剤、日信化学工業(株)製):0.7質量%
オルフィンE1004(界面活性剤、日信化学工業(株)製):0.3質量%
純水:75質量%
上記成分を混合した後、5μmフィルターでろ過を行い、シアンインク前駆組成物を得た。
<シアンインク1(C−CNT−IR)の調製>
カイラル指数(10.3)であり、かつ極大吸収波長1,100nmのカーボンナノチューブ(CNT)100質量部を秤量し、フラスコに入れた。
分散剤として、水溶性高分子である第一工業製薬(株)製のポリビニルピロリドン(PVP) K−30の10質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を、CNTに対してPVPが0.5質量%となるように5質量部加えた。
分散溶媒としてNMP 0.920質量部を加え、撹拌子を入れてよく撹拌した。
その後更に、顔料分散用超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌し、よく分散しCNT含有NMP溶液を得た。
得られたCNT含有NMP溶液とシアンインク前駆組成物とを体積比1:39で混合し、顔料分散用超音波ホモジナイザーを用いて10分間撹拌し、CNT 0.25質量%含有シアンインク1を得た。
<マゼンタインク1(M−CNT−IR)の調製>
CNTとして、カイラル指数(6.5)であり、かつ極大吸収波長988nmのものを使用し、着色剤として、C.I.Pigment Red 122を使用した以外は、シアンインク1の調製と同様にして、マゼンタインク1を得た。
<イエローインク1(Y−CNT−IR)の調製>
CNTとして、カイラル指数(7.3)であり、かつ極大吸収波長1,006nmのものを使用し、着色剤として、C.I.Pigment Yellow 128を使用した以外は、シアンインク1の調製と同様にして、イエローインク1を得た。
ピエゾ方式のインクジェットヘッド(解像度1,200dpi、最大インク滴量5pL)、及び、乾燥装置として3種類の赤外線レーザーを備えたインクジェット記録システムを用意し、各色インク(シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1)を装填した。記録媒体の搬送速度を30m/minに設定した。
3種類の赤外線レーザーのピーク波長はそれぞれ、1,100nm、988nm、1,006nmとした。
記録媒体として、表面にコロナ放電処理したポリエチレンテレフタレート(PET)延伸フィルムを用意した。
PET延伸フィルム上に、各色インクをインクジェットヘッドから吐出し、赤外線ヒータにて乾燥させ記録画像を得た。
<評価>
[色味の劣化]
2.5×2.5cmの各色カラーパッチをX−Rite社製反射分光濃度計X−Rite939によって測色し、L値よりJapan Color 2011(JC)を基準とした色差ΔE76と色相角差ΔH°とを求めた。
なお、Japan Color 2011におけるL値は、シアンインクがL/a/b=53.4/−36.4/−51.6であり、マゼンタインクがL/a/b=46.3/76.1/−2.9であり、イエローインクがL/a/b=88.6/−5.9/93.6である。
(比較例1)
<赤外線吸収剤分散液(1)の作製>
赤外線吸収剤として、下記スクアリリウム化合物20mgを秤量し、フラスコに入れた。その後、テトラヒドロフラン(THF)2mlを加え、撹拌子を入れて撹拌した。
次いで、末端にカルボン酸を有するアクリルポリマー混合体(D1樹脂)のメチルエチルケトン(MEK)50質量%溶液4gを加え、MEK4mlを更に加えて撹拌し、混合した。その後、水酸化ナトリウムの10質量%水溶液を、アクリルポリマー混合体(D1樹脂)に含まれるカルボン酸の総量の0.7モル当量を中和するように、撹拌しながら加えた。
中和が終了したら、撹拌を続けながら水6mlを添加した。
水を加えた後に溶液が均一に近い状態になったら、フラスコに蒸留管と減圧ポンプを付け、30℃以上35℃以下となるように溶液を加熱して撹拌しながら減圧し、有機溶媒を揮発させ留去した。
添加してあるTHFとMEKとの総量にあたる6gの有機溶媒が揮発したら、留去を停止した。これにより、赤外線吸収剤として、化合物(A1)を0.25質量%含有する赤外線吸収剤分散液(以下、「IR分散液」と称する)(1)を得た。
<比較イエローインク(Y−org−IR)の作製>
IR分散液(1)と、表1に示す組成を有する顔料インク(イエロー)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス(株)製)とを、質量比1:4で混合撹拌し、超音波分散機で更に分散させ、比較例1の比較イエローインクを作製した。
<比較マゼンタインク(M−org−IR)の作製>
顔料インクとして、表2に示す組成を有する顔料インク(マゼンタ)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス(株)製)を使用した以外は比較例1の比較イエローインクと同様にして、比較例1の比較マゼンタインクを作製した。
<比較シアンインク(C−org−IR)の作製>
顔料インクとして、表3に示す組成を有する顔料インク(シアン)(2800 Inkjet Color Continuous Feed Printing System:富士ゼロックス(株)製)を使用した以外は比較例1の比較イエローインクと同様にして、比較例1の比較シアンインクを作製した。
インクセットとして、シアンインク1、マゼンタインク1及びイエローインク1の代わりに、比較シアンインク、比較マゼンタインク及び比較イエローインクを用い、赤外線レーザーとして、ピーク波長818nmのもののみを使用した以外は、実施例1と同様にして、色味の劣化の評価を行った。
実施例1のインクセットは、比較例1のインクセットと比べ、色差ΔE76及び色相角差ΔH°の値が小さく、得られる画像における色味の劣化が少ないものであった。
本比較例1においては、赤外線吸収剤として有機系色素を用いた例を示したが、同じ極大吸収波長を有するカーボンナノチューブを用いて複数のインクセットを作製して比較した場合も同様である。
10:インクジェット記録装置
12:画像記録ユニット
14:前処理ユニット
14B:供給ロール
16:バッファユニット
16A:第1パスローラ
16B:ダンサーローラ
16C:第2パスローラ
18:後処理ユニット
18A:巻取ロール
20:バッファユニット
20A:第1パスローラ
20B:ダンサーローラ
20C:第2パスローラ
22:冷却ユニット
22A:クーリングローラ
121:吐出装置
122K、122Y、122M、122C:吐出ヘッド
124:搬送経路
126:搬送ローラ
128A、128B、128C、128D:赤外線レーザー照射装置
P:記録媒体

Claims (6)

  1. カーボンナノチューブAを含有する第1インクと、
    波長760nm以上1,500nm以下における極大吸収波長が前記カーボンナノチューブAと異なるカーボンナノチューブBを含有する第2インクとを有する
    インクセット。
  2. 前記カーボンナノチューブAが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含み、
    前記カーボンナノチューブBが、カイラル指数(n,m)を有するカーボンナノチューブを最も多く含み、
    前記カイラル指数(n,m)と前記カイラル指数(n,m)とが異なる値である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1インク及び前記第2インクがそれぞれ、ポリビニルピロリドンを含有する請求項1又は請求項2に記載のインクセット。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第1インクを収容した第1インクカートリッジと、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第2インクを収容した第2インクカートリッジと、を有する
    インクカートリッジセット。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する第1インク及び第2インクを収容し、
    前記第1インクを記録媒体上に吐出する第1吐出ヘッド、
    前記第2インクを記録媒体上に吐出する第2吐出ヘッド、
    前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを乾燥する第1赤外線照射手段、及び、
    前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを乾燥する第2赤外線照射手段、を備え、
    前記第1赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長と、前記第2赤外線照射手段が照射する赤外線のピーク波長とが異なる
    記録装置。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第1インクを記録媒体上に吐出する工程、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクセットが有する前記第2インクを記録媒体上に吐出する工程、
    前記記録媒体上に吐出された前記第1インクを赤外線の照射により乾燥する工程、及び、
    前記記録媒体上に吐出された前記第2インクを赤外線の照射により乾燥する工程、を有し、
    前記第1インクを乾燥する赤外線のピーク波長と、前記第2インクを乾燥する赤外線のピーク波長とが異なる
    記録方法。
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