JP2019059804A - インクジェット用インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット用インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Hisae Yoshizawa
久江 吉沢
聡一郎 北川
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聡一郎 北川
竜輝 佐野
Tatsuki Sano
竜輝 佐野
里美 柏木
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里美 柏木
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Abstract

【課題】吐出安定性に優れるインクジェット用インク組成物を提供すること。【解決手段】アミド系界面活性剤、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、樹脂エマルション、着色剤、及び、水を含有し、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下であるインクジェット用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェットプリンティング技術は、広幅及び高速化が容易であることから、近年、印刷分野においてシェアを大きく伸ばしている。
印刷用コート紙などの液体の浸透が遅いメディア(緩浸透メディア、非浸透メディア)に水系インクジェットインクで記録する要望が高まっている。
また、従来のインクジェット用インク組成物としては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1には、顔料系微粒子からなる着色剤と、湿潤剤と、界面活性剤と、浸透剤と、水分とを有するインクジェット記録用インクにおいて、前記インクジェット記録用インクの水分蒸発率、水分蒸発に伴う粘度上昇率を次の式で表すとき、
水分蒸発率(%)=((初期重量−水分蒸発後の重量)/初期重量)×100
粘度上昇率=水分蒸発後の粘度/初期粘度
水分蒸発率30%までは粘度上昇率が10以下であり、水分蒸発率30〜50%の間に
粘度上昇率が500を越える点を持ち、水分蒸発率30%までのインク中の着色剤の平均粒子径が、初期平均粒子径の2倍以下であることを特徴とするインクジェット記録用インクが開示されている。
また、従来の水性顔料分散液の製造方法としては、例えば、特許文献2に記載されているものが知られている。
特許文献2には、キナクリドン系顔料(a)、顔料誘導体(b)、アニオン性基含有有機高分子化合物(c)、塩基性化合物(d)及びアセチレングリコール系界面活性剤(e)を含有する混合物を閉鎖系の混練装置で混練し、固形分含有比率が50〜80質量%である顔料混練物を作製する混練工程と、該顔料混練物に水性媒体を加えて希釈する工程とを有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法が開示されている。
特開2006−77232号公報 国際公開第2015/046011号
本発明が解決しようとする課題は、水溶性ポリマー及び水を含むインク組成物に比べ、吐出安定性に優れるインクジェット用インク組成物を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。すなわち、
請求項1に係る発明は、
アミド系界面活性剤、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、樹脂エマルション、着色剤、及び、水を含有し、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下であるインクジェット用インク組成物である。
請求項2に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤が、ヒドロキシ基を有する請求項1に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項3に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤が、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アミド構造を有する請求項2に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項4に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.2質量%以上2.5質量%以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項5に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5質量%以上2.0質量%以下である請求項4に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項6に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤が、前記アミド系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項7に係る発明は、
前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項8に係る発明は、
インク組成物の全質量に対して40質量%に濃縮させたときの23℃における粘度が、150mPa・s以上800mPa・s以下である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項9に係る発明は、
23℃における粘度が、5mPa・s以上である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項10に係る発明は、
23℃における粘度が、5mPa・s以上10mPa・s以下である請求項9に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項11に係る発明は、
溶剤を更に含有する請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項12に係る発明は、
前記溶剤が、アルキレングリコールを含む請求項11に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項13に係る発明は、
前記樹脂エマルションが、赤外線吸収性を有する化合物を含む請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物である。
請求項14に係る発明は、
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する工程を含むインクジェット記録方法である。
請求項15に係る発明は、
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する手段を有するインクジェット記録装置である。
請求項1、2又は3に係る発明によれば、水溶性ポリマー及び水を含むインク組成物に比べ、吐出安定性に優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.2質量%未満であるか、又は、2.5質量%を超える場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5質量%未満であるか、又は、2.0質量%を超える場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤として、カチオン性界面活性剤のみを含む場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項7に係る発明によれば、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤として、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤のみを含む場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項8に係る発明によれば、インク組成物の全質量に対して40質量%に濃縮させたときの23℃における粘度が150mPa・s未満であるか、又は、800mPa・sを超える場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項9に係る発明によれば、23℃における粘度が5mPa・s未満である場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項10に係る発明によれば、23℃における粘度が5mPa・s未満であるか、又は、10mPa・sを超える場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項11に係る発明によれば、アミド系界面活性剤、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、樹脂エマルション、着色剤、及び、水のみを含有するインクジェット用インク組成物である場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項12に係る発明によれば、溶剤として、グリセリンのみを含有する場合に比べ、吐出安定性により優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項13に係る発明によれば、樹脂エマルションとして、アクリル樹脂エマルションを用いる場合に比べ、赤外線乾燥性に優れるインクジェット用インク組成物が提供される。
請求項14に係る発明によれば、水溶性ポリマー及び水を含むインク組成物を用いる場合に比べ、吐出安定性に優れるインクジェット記録方法が提供される。
請求項15に係る発明によれば、水溶性ポリマー及び水を含むインク組成物を用いる場合に比べ、吐出安定性に優れるインクジェット記録装置が提供される。
本実施形態に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
(インクジェット用インク組成物)
本実施形態に係るインクジェット用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、アミド系界面活性剤、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、樹脂エマルション、着色剤、及び、水を含有し、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下である。
インクジェット用インク組成物は、適度な粘性を有することにより、吐出性が確保される。
従来のインクジェット用水系インク組成物としては、粘性をもたせるため、ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含有するものが多く知られている。
しかしながら、ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等のような水溶性ポリマーを含有する場合、インクジェットノズルの先端部分において、一部のインク組成物が乾燥することにより、粘度が上昇し、インクジェットノズルの周りに付着することにより、吐出安定性が低下する。
これに対して、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物は、上記の構成により、吐出安定性に優れる。その理由は、定かではないが、以下に示すように推測される。
水系インク組成物に、アミド系界面活性剤を前記特定量含有させることにより、インクジェットノズルの先端部分においてインク組成物が乾燥し、水分量が減少した場合であっても、インク組成物の粘度の上昇が少ないのでノズル先端インクがたまることなく安定に吐出できる。
また、アミド系界面活性剤と、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤とを併用することにより、前記粘度の上昇をより抑制し、更に、インク組成物の動的表面張力もインクジェット吐出前の段階から低く維持され、吐出安定性に優れるものと推定している。
以下、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物の各成分について詳細に説明する。
<アミド系界面活性剤>
本実施形態に係るインクジェット用インク組成物は、アミド系界面活性剤を含有し、前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下である。
本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤は、アミド構造を有するノニオン性界面活性剤であり、吐出安定性の観点から、ヒドロキシ基を有することが好ましく、アルカノールアミド構造を有することがより好ましく、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アミド構造を有することが特に好ましい。
また、本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤は、吐出安定性の観点から、アミド構造の窒素原子に2つのヒドロキシアルキル基を有する化合物であることが好ましく、アミド構造の窒素原子に2つの炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基を有する化合物であることがより好ましく、アミド構造の窒素原子に2つのヒドロキシエチル基を有する化合物であることが特に好ましい。
更に、本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤は、吐出安定性の観点から、カルボン酸アミド構造を有することが好ましい。
本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤の炭素数は、吐出安定性の観点から、8以上50以下であることが好ましく、12以上40以下であることがより好ましく、14以上30以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤におけるアミド構造の酸側に結合する基、好ましくはカルボン酸アミド構造のカルボニル基に結合する基は、吐出安定性の観点から、アルキル基であることが好ましく、炭素数6以上30以下のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8以上24以下のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数10以上18以下のアルキル基であることが特に好ましい。
また、前記アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよいが、吐出安定性の観点から、直鎖状であることが好ましい。また、前記アルキル基は、不飽和結合を有していてもよいが、有していないことが好ましい。
本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤は、吐出安定性の観点から、式(A)で表される化合物であることが好ましい。
式(A)中、Rは、アルキル基を表し、L及びLはそれぞれ独立に、アルキレン基を表す。
式(A)のRにおけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよいが、吐出安定性の観点から、直鎖状であることが好ましい。また、Rにおける前記アルキル基は、一部に不飽和結合を有していてもよいが、有していないことが好ましい。
式(A)のRにおけるアルキル基は、吐出安定性の観点から、炭素数6以上30以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数8以上24以下のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10以上18以下のアルキル基であることが特に好ましい。
式(A)のL及びLにおけるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環構造を有していてもよいが、吐出安定性の観点から、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることが特に好ましい。
式(A)のL及びLにおけるアルキレン基は、吐出安定性の観点から、炭素数2以上8以下のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2以上4以下のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
また、式(A)のL及びLは、同じ基であることが好ましい。
本実施形態に用いられるアミド系界面活性剤として、具体的には、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コカミドジエタノールアミド等が挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物は、アミド系界面活性剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物におけるアミド系界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下であり、吐出安定性及び乾燥性の観点から、0.2質量%以上2.5質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
<前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤>
本実施形態に係るインクジェット用インク組成物は、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤を含有する。
前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤としては、前記アミド系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
また、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤は、吐出安定性の観点から、前記アミド系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含むことが好ましい。
更に、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤は、吐出安定性の観点から、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含むことが好ましい。
シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤は、シリコーン鎖又はフッ化炭素鎖を有する界面活性剤であればよく、イオン性であっても、ノニオン性であってもよい。
以下、界面活性剤の具体例を列挙する。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル及び芳香族四級アンモニウム塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等が挙げられる。
界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると3以上20以下の範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るインク組成物は、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよいが、2種以上含有することが好ましく、2又は3種含有することがより好ましい。
本実施形態に係るインク組成物における前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、吐出安定性及び乾燥性の観点から、インク組成物の全質量に対し、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上3.5質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上3質量%以下であることが特に好ましい。
<樹脂エマルション>
本実施形態に係るインク組成物は、樹脂エマルションを含有する。樹脂エマルションを含有することにより、形成する画像の定着性、特に、非浸透性の記録媒体に対する形成する画像の定着性に優れる。
本実施形態における樹脂エマルションは、インク組成物中に分散する樹脂粒子であっても、乳化剤及び溶剤を含んでいてもよい樹脂(液体を含んでいても、エマルション全体が液体であってもよい。)の粒子状の分散物であってもよい。
また、樹脂エマルションは、乳化剤を用いてインク組成物中に分散させたものであってもよく、乳化剤を用いないでインク組成物中に分散させたものであってもよい。乳化剤としては、界面活性剤、スルホン酸基、カルボキシ基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、親水性を持つ単量体と疎水性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)が挙げられる。
樹脂エマルションに含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコーン−アクリル酸共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等の粒子(ラテックス粒子)が挙げられる。また、コア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
また、本実施形態に係るインク組成物は、赤外線乾燥性の観点から、樹脂エマルションとして、赤外線吸収性を有する化合物を含むことが好ましい。
前記赤外線吸収性を有する化合物としては、赤外線吸収剤であっても、赤外線吸収性基を有するポリマーであってもよいが、赤外線吸収剤が好ましく挙げられる。
赤外線吸収剤としては、公知の赤外線吸収剤が用いられるが、有機赤外線吸収剤であることが好ましい。
有機赤外線吸収剤としては、例えば、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。
中でも、スクアリリウム化合物が特に好ましく挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物は、赤外線吸収性を有する化合物を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物における赤外線吸収性を有する化合物の含有量は、色域、吐出安定性及び定着性の観点から、インク組成物の全質量に対し、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下であることがより好ましい。
樹脂エマルションの体積平均粒径は、画像の光沢性及び耐擦過性の点から、10nm以上300nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましい。
本実施形態における樹脂エマルションの体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は樹脂の屈折率とした。
樹脂エマルションに含まれる樹脂のガラス転移温度は、画像の耐擦過性の点から、−20℃以上100℃以下が好ましく、−10℃以上70℃以下がより好ましい。
本実施形態における樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
本実施形態に係るインク組成物は、樹脂エマルションを1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物における樹脂エマルションの含有量は、吐出安定性及び定着性の観点から、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
<着色剤>
本実施形態に係るインク組成物は、着色剤を含有する。
着色剤としては、顔料、染料等が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上エボニックジャパン社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本実施形態に係るインク組成物は、着色剤として、顔料を用いる場合、顔料分散剤を含有することが好ましい。
顔料分散剤としては、高分子分散剤、前述した、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用できる。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いることができる。
親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として用いられる、好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば、重量平均分子量で2,000以上50,000以下のものが挙げられる。
アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤の具体例は前述したものである。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
顔料としては、水に自己分散可能な顔料(以下自己分散顔料と称する)も挙げられる。
自己分散顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、自己分散顔料が得られる。
また、水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cabot260、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC(株)製、東洋インキ(株)製などの市販のマイクロカプセル顔料等を使用することができる。
また、顔料としては、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤(一般式(I)で表される化合物以外の赤外線吸収剤)、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340(Leeds&Northrup社製)を用いた。その測定は、インク4mLを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行う。なお、測定時の入力値として、粘度はインク組成物の粘度とし、分散粒子の密度は着色剤の密度とした。
本実施形態に係るインク組成物は、着色剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物における着色剤の含有量は、特に制限はなく、所望のインク組成物の色に応じて適宜選択すればよいが、吐出安定性の観点から、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
<水>
本実施形態に係るインク組成物は、水を含有する。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物における水の含有量は、インク組成物の全質量に対し、10質量%以上95質量%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
<溶剤>
本実施形態に係るインク組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましく挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶剤、アルコール類、含硫黄溶剤等が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、キシリトールなどの糖アルコール類;キシロース、グルコース、ガラクトースなどの糖類;等が挙げられる。
多価アルコール類誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶剤としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶剤としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、溶剤としては、吐出安定性の観点から、多価アルコール類を含むことが好ましく、アルキレングリコールを含むことがより好ましく、プロピレングリコールを含むことが特に好ましい。
また、溶剤としては、吐出安定性の観点から、含窒素溶剤を含むことが好ましく、多価アルコール類及び含窒素溶剤を含むことがより好ましい。
含窒素溶剤としては、ピロリドンが好ましく挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物は、溶剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物における溶剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上45質量%以下がより好ましく、20質量%以上40質量%以下が特に好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態に係るインク組成物は、その他の添加剤を含有していてもよい。
その他の添加剤としては、公知の添加剤が用いられ、例えば、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク付与性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等が挙げられる。その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及び、キレート化剤等も挙げられる。
<インクジェット用インク組成物の特性>
本実施形態に係るインク組成物の23℃における粘度は、吐出性及び吐出安定性の観点から、5mPa・s以上であることが好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下であることがより好ましく、5mPa・s以上20mPa・s以下であることが更に好ましく、5mPa・s以上10mPa・s以下であることが特に好ましい。
本実施形態におけるインク組成物の粘度は、RE80L粘度計(東機産業(株)製)を測定装置として用い、測定温度は23℃で測定するものとする。また、インク組成物をインク組成物の全質量に対し40質量%に乾燥したときの粘度は、RE80U粘度計(東機産業(株)製)を測定装置として用い、測定温度は23℃で測定するものとする。
また、本実施形態に係るインク組成物をインク組成物の全質量に対し40質量%に乾燥したときの組成物の23℃における粘度は、吐出安定性の観点から、100mPa・s以上800mPa・s以下であることが好ましく、150mPa・s以上800mPa・s以下であることがより好ましく、150mPa・s以上400mPa・s以下であることが特に好ましい。
本実施形態に用いられるインク組成物の23℃における静的表面張力は、吐出安定性の観点から、15mN/m以上50mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上30mN/m以下であることがより好ましい。
本実施形態における静的表面張力は、懸滴型表面張力計CA−X(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
本実施形態に係るインク組成物のpHは、4以上10以下であることが好ましく、5以上9.5以下であることがより好ましい。
本実施形態におけるインク組成物のpHは、温度23℃±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
本実施形態に係るインク組成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法により製造すればよい。
各成分の混合順序も、特に制限はなく、任意の順で逐次混合しても、一度に混合してもよい。
中でも、分散性及び製造容易性の観点から、本実施形態に係るインク組成物の製造方法は、アミド系界面活性剤、前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、及び、任意に溶剤を混合し、混合したものを水と混合し、顔料(顔料分散物)及び樹脂エマルションと混合することが好ましい。また、更にワックスを添加してもよい。
(インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置)
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する工程(「吐出工程」ともいう。)を含む。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する手段(「吐出手段」ともいう。)を有する。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、本実施形態に係るインクジェット記録方法に好適に用いられる。
吐出工程では、インク組成物の液滴をインクジェットヘッドにより記録媒体へ吐出することが好ましい。すなわち、吐出手段としては、インクジェットヘッドが好ましく挙げられる。
インク組成物の液滴の吐出に用いるインクジェットヘッドは、特に制限はなく、公知のインクジェットヘッドが用いられ、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドや、サーマル型のインクジェットヘッドが挙げられる。
インク組成物の吐出温度は、特に制限はなく、使用するインク組成物に応じて調整される。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置において、インク組成物の吐出は、必要に応じ、複数回行ってもよい。例えば、記録媒体の同一の箇所に、1種類のインクを複数回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ1回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ複数回吐出してもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置に用いられるインク組成物は、1種のみを使用しても、2種以上を使用してもよい。例えば、カラー画像を形成する場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクが好適に用いられる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置において用いられるインク組成物は、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物と、他のインク組成物とを併用してもよいが、吐出安定性の観点から、本実施形態に係るインクジェット用インク組成物のみを用いることが好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置において、インク組成物の液滴1ドロップ当たりの液体重量は25ng以下であることが好ましく、0.5ng以上20ng以下であることがより好ましく、2ng以上15ng以下であることが更に好ましい。上記態様であると、乾燥性に優れ、画像における剥がれの発生がより抑制される。
なお、1つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット装置において、上記1ドロップ当たりの液体重量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置法は、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から、サーマルインクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用することが好ましい。この効果をもたらすメカニズムは明らかとはなっていないが、サーマルインクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなる。このため、滲み及び色間滲みに改善効果があると考えられる。一方、ピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果があるものと推測している。
本実施形態に係るインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置において、インクのインクジェットヘッドへの補給(供給)は、インクを収納したインクタンクから行われることが好ましい。このインクタンクは、装置に脱着可能なカートリッジ方式であることが好ましく、このカートリッジ方式のインクタンクを交換することで、インクの補給が簡易に行われる。
また、インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインクタンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる態様が好ましく挙げられる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、更に、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥工程を含むことが好ましい。乾燥工程を有することにより、高速での画像記録が実現される。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、更に、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥手段を有することが好ましい。乾燥手段を有することにより、高速での画像記録が実現される。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行うことができる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面の反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、本実施形態に係るインク組成物が、赤外線吸収性を有する化合物を含有する場合は、赤外線照射手段により前記乾燥を行うことも好ましく挙げられる。
乾燥工程においては、記録媒体の表面温度を35℃〜200℃にすることが好ましく、40℃〜150℃にすることがより好ましい。乾燥工程における温度を上記範囲内にすることにより、インクの乾燥が迅速に行える一方、記録媒体の焦げ付き、装置コストの増大、消費電力の増大が抑制されるので好ましい。
なお、記録媒体の表面温度は、次の通りに測定された値である。まず、記録装置の乾燥装置から記録媒体搬送距離で0.5mの場所に、放射温度計を設置する。そして、この放射温度計により、記録媒体の非画像記録部(白紙部)の温度を測定し、この測定した温度を記録媒体の表面温度として求める。
また、本実施形態に係るインクジェット記録方法には、本実施形態に係るインク組成物を収容し、インクジェット記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを使用してもよい。2以上の本実施形態に係るインク組成物をそれぞれ収容し、当該記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジセットを使用してもよい。
本実施形態に用いられる記録媒体は、特に制限はなく、公知の記録媒体が用いられる。
記録媒体としては、浸透性、又は、非浸透性のどちらの記録媒体であってもよい。
なお、浸透性の記録媒体としては、普通紙等が挙げられる。具体的には、浸透性の記録媒体とは、動的走査吸液計で測定した接触時間500ms以内におけるインク組成物の最大吸液量が15mL/mを超える記録媒体を意味する。
一方、非浸透性の記録媒体としては、コート紙、樹脂フィルム等が挙げられる。具体的には、非浸透性の記録媒体とは、動的走査吸液計で測定した接触時間500ms以内におけるインク組成物の最大吸液量が15mL/m以下である記録媒体を意味する。
以下、本実施形態の画像記録方法の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
インクジェット記録装置10は、図1に示すように、インク組成物(以下「インク」とも称する)を記録媒体P上に吐出する吐出ヘッド122(吐出ヘッド122を有する吐出装置121)を備える記録装置である。インクジェット記録装置10では、インクを記録媒体P上に吐出する吐出工程を有する画像記録方法(インクジェット記録方法)が実現される。これにより、記録媒体P上にインクによる画像を記録する。
具体的には、インクジェット記録装置10は、例えば、記録媒体Pとしての連帳紙(以下、「連帳紙P」とも称する。)に画像を記録する画像記録ユニット12を備えている。
記録装置10は、画像記録ユニット12に供給する連帳紙Pが収容される前処理ユニット14と、前処理ユニット14から画像記録ユニット12へ供給される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット16と、を備えている。バッファユニット16は、画像記録ユニット12と前処理ユニット14との間に配置されている。
記録装置10は、例えば、画像記録ユニット12から排出される連帳紙Pを収容する後処理ユニット18と、画像記録ユニット12から後処理ユニット18へ排出される連帳紙Pの搬送量等を調整するバッファユニット20と、を備えている。バッファユニット20は、画像記録ユニット12と後処理ユニット18との間に配置されている。
記録装置10は、画像記録ユニット12とバッファユニット20との間に配置され、画像記録ユニット12から搬出される連帳紙Pを冷却する冷却ユニット22を備えている。
画像記録ユニット12は、例えば、連帳紙Pを連帳紙Pの搬送経路124に沿って案内するロール部材(符号省略)と、連帳紙Pの搬送経路124に沿って搬送される連帳紙Pにインク(インクの液滴)を吐出して画像を記録する吐出装置121とを備えている。
吐出装置121は、連帳紙Pにインクを吐出する吐出ヘッド122を備えている。吐出ヘッド122は、例えば、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が連帳紙Pの幅(連帳紙Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッドである。
なお、吐出ヘッド122は、これに限られず、連帳紙Pの幅よりも短尺状の吐出ヘッドであって、連帳紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(いわゆる、キャリッジ方式)の吐出ヘッドであってもよい。
吐出ヘッド122は、インクの液滴を熱により吐出する、いわゆる、サーマル方式であってもよいし、インクの液滴を圧力により吐出する、いわゆる、ピエゾ方式であってもよく、公知のものが適用される。
吐出ヘッド122は、例えば、連帳紙Pにインクを吐出してK(ブラック)色の画像を記録する吐出ヘッド122Kと、Y(イエロー)色の画像を記録する吐出ヘッド122Yと、M(マゼンタ)色の画像を記録する吐出ヘッド122Mと、C(シアン)色の画像を記録する吐出ヘッド122Cとを有している。そして、吐出ヘッド122Kと、吐出ヘッド122Yと、吐出ヘッド122Mと、吐出ヘッド122Cとは、この順番で連帳紙Pの搬送方向(以下、単に「用紙搬送方向」と記載することがある。)に沿って上流側から下流側に連帳紙Pと対向するように並べられている。なお、吐出ヘッドの表記において、K、Y、M、Cを区別しない場合には、符号に付しているK、Y、M、Cを省略する。
吐出ヘッド122K,122Y,122M,122Cは、それぞれ、インクジェット記録装置10に着脱される各色のインクカートリッジ123K,123Y,123M,123Cと供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジ123により、各色のインクがそれぞれ吐出ヘッド122へ供給される。
吐出ヘッド122は、上記4色のそれぞれに対応した4つの吐出ヘッド122を配置する形態に限られず、目的に応じて、他の中間色を加えた4色以上のそれぞれに対応した4つ以上の吐出ヘッド122を配置した形態であってもよい。
ここで、吐出ヘッド122としては、例えば、インクの滴量以上15pL以下の範囲でインクを吐出する低解像度用の吐出ヘッド122(例えば600dpiの吐出ヘッド)、インク滴量10pL未満の範囲でインクを吐出する高解像度用の吐出ヘッド122(例えば1,200dpiの吐出ヘッド)のいずれを備えていてもよい。また、吐出装置121は、低解像度用の吐出ヘッド122、及び、高解像度用の吐出ヘッド122の双方を備えていてもよい。吐出ヘッド122のインクの液滴量は、インクの最大液滴量の範囲である。また、dpiは「dot per inch」を意味する。
吐出装置121は、吐出ヘッド122に対して用紙搬送方向の下流側に、例えば、連帳紙Pの裏面が巻き掛けられ、搬送される連帳紙Pと接触して従動回転しながら連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する乾燥ドラム126(乾燥装置の一例)が配置されている。
乾燥ドラム126の内部には、加熱源(例えばハロゲンヒータ等:不図示)が内臓されている。乾燥ドラム126は、加熱源による加熱により連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する。
乾燥ドラム126の周囲には、連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する温風送風装置128(乾燥装置の一例)が配置されている。この温風送風装置128による温風によって、乾燥ドラム126に巻き掛けられた連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する。
ここで、吐出装置121は、吐出ヘッド122に対して用紙搬送方向の下流側には、連帳紙P上の画像(インク)を乾燥する近赤外線ヒータ(不図示)、レーザ照射装置等の他の乾燥装置が配置されていてもよい。近赤外線ヒータ、レーザ照射装置等の他の乾燥装置は、乾燥ドラム126及び温風送風装置128の少なくとも一方に代えて、又は乾燥ドラム126及び温風送風装置128に加えて配置される。
一方、前処理ユニット14は、画像記録ユニット12へ供給される連帳紙Pが巻き付けられている供給ロール14Bを備えており、この供給ロール14Bは、図示せぬフレーム部材に回転可能に支持されている。
バッファユニット16は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ16A、ダンサーローラ16B及び第2パスローラ16Cが配置されている。ダンサーローラ16Bは、図1中上下に移動することにより、画像記録ユニット12へ搬送される連帳紙Pの張力調整、及び連帳紙Pの搬送量を調整する。
後処理ユニット18は、画像が記録された連帳紙Pを巻き取る搬送部の一例としての巻取ロール18Aを備えている。この巻取ロール18Aが図示せぬモータから回転力を受けて回転することで、連帳紙Pが搬送経路124に沿って搬送されるようになっている。
バッファユニット20は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ20A、ダンサーローラ20B及び第2パスローラ20Cが配置されている。ダンサーローラ20Bは、図1中上下に移動することにより、後処理ユニット18へ排出される連帳紙Pの張力調整、及び、連帳紙Pの搬送量を調整する。
冷却ユニット22には、複数のクーリングローラ22Aが配置されている。複数のクーリングローラ22Aの間に連帳紙Pを搬送することにより、連帳紙Pを冷却する。
次に、本実施形態に係る記録装置10による動作(記録方法)について説明する。
本実施形態に係る記録装置10では、まず、前処理ユニット14の供給ロール14Bから、バッファユニット16を通じて、画像記録ユニット12に連帳紙Pを搬送する。
次に、画像記録ユニット12において、吐出装置121の各吐出ヘッド122からインクを連帳紙Pに吐出する。これにより、連帳紙P上にインクよる画像が形成される。その後、乾燥ドラム126により、連帳紙P上の画像(インク)を連帳紙Pの裏面側(記録面とは反対側の面)から乾燥する。そして、温風送風装置128により、連帳紙Pに吐出されたインク(画像)を連帳紙Pの表面側(記録面)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム126及び温風送風装置128により、連帳紙P上に吐出されたインクを乾燥する。
次に、冷却ユニット22において、クーリングローラ22Aにより、画像が記録された連帳紙Pを冷却する。
次に、バッファユニット16を通じて、後処理ユニット18は、画像が記録された連帳紙Pを巻取ロール18Aにより巻き取る。
以上の工程を通じて、記録媒体Pとしての連帳紙Pにインクによる画像が記録される。
なお、インクジェット記録装置10では、吐出装置121(吐出ヘッド122)によってインクの液滴を記録媒体Pの表面に直接吐出する方式について説明したが、これに限られず、例えば中間転写体にインクの液滴を吐出した後に、中間転写体上のインクの液滴を記録媒体Pに転写する方式であってもよい。
また、インクジェット記録装置10では、記録媒体Pとして連帳紙Pにインクを吐出して画像を記録する方式について説明したが、記録媒体Pとして枚葉紙にインクを吐出して画像を記録する方式であってもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
インク組成物の粘度、インク組成物を乾燥させ、元のインク組成物を、インク組成物の全質量に対して40質量%に濃縮させたときの組成物の粘度、及び、静的表面張力については、前述した測定方法により測定した。
<シアン顔料分散液の調製>
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亞合成(株)製)4部、ブレンマーPP−500(日油(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及び、メチルエチルケトン24部を混合し、混合溶液1を得た。
また、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亞合成(株)製)9部、ブレンマーPP−500(日油(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を混合した混合溶液2を、滴下ロートに入れた。
次いで、窒素雰囲気下で、反応容器内の混合溶液1を撹拌しながら75℃まで昇温し、これに滴下ロート中の混合溶液2を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、75℃で2時間静置した。
続いて、この溶液に対して、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて徐々に滴下した。
その後、更に75℃で2時間反応させた後、80℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、GPC(Gel Permeation Chromatography)にて重量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000であった。
また、得られたポリマー溶液を固形分換算で5部、シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化工業(株)製)10部、メチルエチルケトン40部、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8部、イオン交換水82部を、0.1mmジルコニアビーズ300gとともにベッセルに充填し、レディーミル分散機(アイメックス(株)製)を用いて1000rpmで6時間分散した。
続いて、得られた分散液を、メチルエチルケトンを除去して顔料濃度が10質量%になるように、エバポレーターで減圧濃縮した。
以上より、ポリマー分散剤で表面が被覆されたシアン顔料が分散したシアン顔料分散液A1を得た。得られたシアン顔料分散液A1におけるシアン顔料の体積平均粒径は、77nmであった。
<赤外線吸収剤分散液の調製>
フラスコに、下記P−1のメチルエチルケトン溶液(樹脂固形分35%)16.7部を入れ、そこに、メチルエチルケトン6部、テトラヒドロフラン2部、及び、表1に記載される赤外線吸収剤0.09部を加えて撹拌し、混合した。次いで、水酸化ナトリウムの10質量%水溶液を、樹脂に含まれる全カルボキシル基の総量の0.8当量を中和するように、撹拌しながら加えた。続いて、攪拌を続けながら水(イオン交換水)60部を徐々に添加し、混合した。
P−1:テレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸/ドデセニルコハク酸/ビスフェノールAエチレンオキシド2mol付加物/ビスフェノールAプロピレンオキシド2mol付加物の共重合ポリエステル(共重合モル比:45/45/8/2/50/50)。数平均分子量6,500、酸価12mgKOH/g
混合液が均一に近い状態になった後、フラスコに蒸留管及び減圧ポンプを付け、30℃以上35℃以下となるように混合液を加熱して撹拌しながら減圧し、有機溶媒と水の一部を留去した。
有機溶媒を水に置換しながら留去して濃縮する操作を、材料から換算した固形分濃度が17質量%を超えないように水の添加量を調整しながら、有機溶媒臭が無くなるまで繰り返し行った。
得られた濃縮液を、メッシュ数230のナイロンメッシュで濾過した。そして、濾過した濃縮液の固形分量を測定し、測定結果に基づいて、濃縮液に水を添加して、固形分濃度を10質量%に調整した。以上により、樹脂により赤外線吸収剤が分散された赤外線吸収剤を含有した樹脂エマルション2を得た。
(実施例1)
<インクジェット用インク組成物1の調製>
表1に記載の成分を混合した後、孔径5μmのフィルター(ADVANTEC社製、A500A090C)にて濾過することで、インクジェット用インク組成物1を調製した。
<吐出安定性評価>
エプソン社製インクジェットプリンターPX−1004改造機により、1ドット2pLで数秒印字し、5秒停止して次に印字を開始したとき、初めのドットと停止後のドットとの着弾位置ずれによって以下のように評価した。
A:着弾位置ずれは認められない
B:半ドット未満のずれが確認された
C:半ドット以上のずれが確認された
<乾燥性評価>
エプソン社製インクジェットプリンターPX−1004改造機で、乾燥工程を130℃に設定して、高速(80m/sec)と低速(20m/sec)とでそれぞれ印字し、画像の乱れをそれぞれ確認して、画像が乱れが確認できず乾燥が十分であればA、画像が乱れが確認できるが乾燥は十分であればB、少しでも乱れがあれば乾燥不十分でありCと評価した。
(実施例2〜4、及び、比較例1〜4)
表1に記載の成分及び量に変更した以外は、実施例1と同様にして、インクジェット用インク組成物2〜4及びC1〜C4をそれぞれ調製した。
得られた各インクジェット用インク組成物をそれぞれ使用し、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果をまとめて表1に示す。
なお、表1における各成分の単位は、質量%である。
前述した以外の、前記表1において使用した成分は、以下の通りである。
・樹脂エマルション1:ウレタン系樹脂エマルション、アクリットWBR−016U(大成ファインケミカル(株)製)
・プロピレングリコール:和光純薬工業(株)製
・2−ピロリドン:和光純薬工業(株)製
・アミノーンPK02S:アミド系界面活性剤、アルキルアルカノールアミド化合物、花王(株)製
・S465:ノニオン性界面活性剤、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製サーフィノール465
・S440:ノニオン性界面活性剤、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、日信化学工業(株)製サーフィノール440
・シルフェイスSAG−503A:シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、日信化学工業(株)製
・ハイテックE6314:ポリエチレンワックス、東邦化学工業(株)製
・ポリビニルピロリドンK−30:増粘用ポリマー、(株)日本触媒製
・サーフィノールS231:フッ素系界面活性剤、AGCセイミケミカル(株)製
10:インクジェット記録装置
12:画像記録ユニット
14:前処理ユニット
14B:供給ロール
16:バッファユニット
16A:第1パスローラ
16B:ダンサーローラ
16C:第2パスローラ
18:後処理ユニット
18A:巻取ロール
20:バッファユニット
20A:第1パスローラ
20B:ダンサーローラ
20C:第2パスローラ
22:冷却ユニット
22A:クーリングローラ
121:吐出装置
122、122K、122Y、122M、122C:吐出ヘッド
123、123K、123Y、123M、123C:インクカートリッジ
124:搬送経路
126:乾燥ドラム
128:温風送風装置
P:記録媒体

Claims (15)

  1. アミド系界面活性剤、
    前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤、
    樹脂エマルション、
    着色剤、及び、
    水を含有し、
    前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.1質量%以上3質量%以下である
    インクジェット用インク組成物。
  2. 前記アミド系界面活性剤が、ヒドロキシ基を有する請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 前記アミド系界面活性剤が、N,N−ビス(ヒドロキシアルキル)アミド構造を有する請求項2に記載のインクジェット用インク組成物。
  4. 前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.2質量%以上2.5質量%以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  5. 前記アミド系界面活性剤の含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.5質量%以上2.0質量%以下である請求項4に記載のインクジェット用インク組成物。
  6. 前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤が、前記アミド系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  7. 前記アミド系界面活性剤以外の界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  8. インク組成物の全質量に対して40質量%に濃縮させたときの23℃における粘度が、150mPa・s以上800mPa・s以下である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  9. 23℃における粘度が、5mPa・s以上である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  10. 23℃における粘度が、5mPa・s以上10mPa・s以下である請求項9に記載のインクジェット用インク組成物。
  11. 溶剤を更に含有する請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  12. 前記溶剤が、アルキレングリコールを含む請求項11に記載のインクジェット用インク組成物。
  13. 前記樹脂エマルションが、赤外線吸収性を有する化合物を含む請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する工程を含むインクジェット記録方法。
  15. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット用インク組成物をインクジェット法により吐出する手段を有するインクジェット記録装置。
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