JP2018043921A - 遠心成型用水硬性組成物 - Google Patents
遠心成型用水硬性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018043921A JP2018043921A JP2016182323A JP2016182323A JP2018043921A JP 2018043921 A JP2018043921 A JP 2018043921A JP 2016182323 A JP2016182323 A JP 2016182323A JP 2016182323 A JP2016182323 A JP 2016182323A JP 2018043921 A JP2018043921 A JP 2018043921A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- less
- hydraulic composition
- group
- hydraulic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- WPHGSKGZRAQSGP-UHFFFAOYSA-N C1C2C1CCCC2 Chemical compound C1C2C1CCCC2 WPHGSKGZRAQSGP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 0 C1C2CCC1*2 Chemical compound C1C2CCC1*2 0.000 description 1
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Landscapes
- Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
【解決手段】芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、オリゴアルキレンオキシ又はポリアルキレンオキシを必須とし、末端にスルフォン基、アルキル基及び/又は3級アミノ基を有する特定の化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有することにより、芳香族環系分散剤の高い降伏値を付与し、分散性が大幅に改善され、水硬性組成物自体のスラリー性状が改善される遠心成形用水硬性組成物。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、特定のポリアルキレンオキシド誘導体及び/又は特定の炭化水素誘導体を含有するセメント組成物のワーカビリティーを改良するためのワーカビリティー改良剤が記載されている。特許文献2には、前記ワーカビリティー改良剤と減水剤とを含有するセメント減水剤もまた記載されている。
特許文献3には、βナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物とオキシエチレン鎖を有するノニオン系界面活性剤を含む水硬性組成物と水からなるスラリーが記載されている。
特許文献4には、ナフタレンスルホン酸金属塩のホルマリン縮合物及びポリオキシエチレン系化合物からなるセメント添加剤が記載されている。
特許文献5には、アニオン系界面活性剤を加えたコンクリートによって所望のコンクリート製品を成型し、該成型品を常圧蒸気養生する、コンクリート製品の製造方法が記載されている。
日本では、一般に、高強度が要求されるコンクリートパイルを製造する際に、混練から7日で出荷できる強度を担保するために、高強度混和材がコンクリートに添加され、蒸気養生が施されている。
コンクリートパイルには、構造物の基礎用杭として使用される建築用パイルがある。建築用パイルは、構造物の巨大化、高層化に伴い、高強度化が要求され、近年は、コンクリートの設計基準強度が100N/mm2超の高強度パイルも出現している。そして、今後は、更に高強度の成型製品、例えば、コンクリートの設計基準強度が123N/mm2超の成型製品も要望されると考えられる。
また、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤の添加量を増やすと、未硬化の水硬性組成物が高分散状態となり、そのような水硬性組成物を遠心成型に用いた場合は、ノロの発生が著しくなり硬化体の表面性が低下する。
R11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
R22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
R32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
Xは、O又はCOO、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
n1は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n2は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n3、n4は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n3とn4の合計は1以上200以下の数、
Y1、Y2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSO3Mであり、Y1、Y2の少なくとも一方はSO3Mであり、
n5、n6は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n5とn6の合計は1以上200以下の数であり、n5が0の場合は、Y1は水素原子であり、n6が0の場合は、Y2は水素原子であり、
Mは、対イオン、
を表す。〕
工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
(A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
(B):前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
また、前記一般式(B1)で表される化合物を化合物(B1)、前記一般式(B2)で表される化合物を化合物(B2)、前記一般式(B3)で表される化合物を化合物(B3)、前記一般式(B4)で表される化合物を化合物(B4)として説明する。
更に、化合物(B1)、化合物(B2)、化合物(B3)、及び化合物(B4)をまとめて(B)成分として説明する。
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する、遠心成型用水硬性組成物を提供する。
本発明の(A)成分である、ナフタレン系分散剤のような、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤は静電反発力を有しており、強い立体反発を有する分散剤よりも、非常に優れた遠心成型性を有している。
本発明では、(A)成分と(B)成分の特定の化合物を併用することにより、吸着速度の制御(効率的なセメント吸着)が可能であり、これにより高減水化(低添加量化)及び低遅延化を達成している。この低添加量化及び低遅延化により、セメントの水和活性点が増加することで、強度向上効果を付与することが可能になると推測される。
水/水硬性粉体比が低い領域ではイオン強度が高くなるため、一般に、セメント等の水硬性粉体に対する(A)成分の分散能は発現しにくい傾向にあったが、本発明では、上述したような高減水化及び低遅延化のアプローチにより、飛躍的に性能向上が可能になったと考えられる。
シリカフュームなどのシリカを含む高強度混和材は、低い水/水硬性粉体比での練り上り性を向上させ、またポゾラン反応などにより強度にも好影響を与えるため、100N/mm2を超える高強度化を容易にさせる。練り上がり性とは、混練してから練りあがるまでのスピード及び混練後の遠心成形の可否をいう。
(A)成分は、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環が挙げられる。
(A)成分は、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤が好ましい。
芳香環を含むモノマー単位としては、ベンゼン環を含むモノマー単位、ナフタレン環を含むモノマー単位、及びトリアジン環を含むモノマー単位から選ばれる1種以上のモノマー単位が挙げられる。
(A)成分としては、より好ましくは、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのような、ナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させても良い。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー株式会社)
溶離液:30mM CH3COONa/CH3CN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
<化合物(B1)>
化合物(B1)は、前記一般式(B1)で表される化合物である。
一般式(B1)中のR11は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
本明細書において、置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。
置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
R11のアルキル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
R11のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
R11の置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換基を含めた置換アリール基の炭素数が4以上27以下である。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。置換アリール基として、炭素数13以上27以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基の置換基は、炭素数1以上10以下の炭化水素基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
R11は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
R11は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点とから、好ましくは置換アリール基である。
R11の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
R11の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
また、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点からR11は、置換アリール基が好ましく、ジスチレン化フェニル基がより好ましい。
一般式(B1)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から1以上200以下の数である。n1は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点と遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下の数である。
Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
化合物(B2)は、前記一般式(B2)で表される化合物である。
一般式(B2)中のR21は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は化合物(B1)で述べた通りである。
R21のアルキル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
R21のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
R21の置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換基を含めた置換アリール基の炭素数が4以上27以下である。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。置換アリール基として、炭素数13以上27以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基の置換基は、炭素数1以上10以下の炭化水素基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
R21は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
R21の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基、並びに炭化水素基で置換されたフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
R21の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。また、R21の他の具体例として、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、スチレン化したフェニル基が挙げられる。
一般式(B2)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B2)中、n2は、AOの平均付加モル数であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から1以上200以下の数である。n2は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点と遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下の数である。
化合物(B3)は、前記一般式(B3)で表される化合物である。
一般式(B3)中のR31は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は、化合物(B1)で述べた通りである。
R31のアルキル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基アルキル基である。
R31のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
R31は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
R31は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
R31の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
R31の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
化合物(B4)は、前記一般式(B4)で表される化合物である。
一般式(B4)中のR41は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は、化合物(B1)で述べた通りである。
R41のアルキル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
R41のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
R41は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
R41は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
R41の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
R41の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
(B)成分は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)、化合物(B2)及び化合物(B3)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(B)成分は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、(B)成分として、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)、化合物(B2)及び化合物(B3)から選ばれる1種以上の化合物、更に、化合物(B1)から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
水硬性粉体としては、セメント、石膏などが挙げられる。本発明の水硬性組成物に使用されるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントが挙げられる。水硬性粉体はセメントが好ましい。
本発明の水硬性組成物に使用されるシリカを含む高強度混和材は、シリカがシリカフュームであることが好ましい。すなわち、高強度混和材は、シリカフュームを含む高強度混和材が好ましい。シリカフュームを含む高強度混和材としては、ブレーン比表面積が2500cm2/g以上のシリカフュームを高強度混和材中に20質量%以上含むものが挙げられる。
シリカフュームを含む高強度混和材の市販品としては、ウルトラスーパーミックス(太平洋マテリアル(株)製)、スーパーノンクレーブ(住友大阪セメント(株)製)、Σ2000(デンカ(株)製)などが挙げられる。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有する。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点並びに蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が、好ましくは3質量%以上60質量%以下である。この割合は、[(B)成分の含有量/〔(A)成分の含有量+(B)成分の含有量〕]×100(質量%)により求められる。以下、この割合を、(B)/〔(A)+(B)〕とも表す。(B)/〔(A)+(B)〕は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現並びに蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%、そして、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である。(B)/〔(A)+(B)〕合は、本発明の水硬性組成物を製造する際の(A)成分の混合量と(B)成分の混合量とに基づいて算出されてもよい。
また、(B)/〔(A)+(B)〕は、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、R11が炭素数6以上10以下の炭化水素基である場合、好ましくは7質量%以上15質量%以下である。
前記モル割合は、R11がアルケニルである場合、好ましくは1.5%以上、より好ましくは3%以上、更に好ましくは4%以上、より更に好ましくは6.5%以上、そして、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
前記モル割合は、R11が炭素数16以上18以下のアルキル基である場合、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上、更に好ましくは2%以上、より更に好ましくは3.5%以上、より更に好ましくは5%以上、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは25%以下、より更に好ましくは15%以下、より更に好ましくは10%以下である。
前記モル割合は、R11が炭素数6以上10以下のアルキル基である場合、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.5%以上、そして、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下、更に好ましくは3%以下である。
モル割合(%)=[〔(B)成分の総量(モル)〕/〔(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)〕]×100
NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)=〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量〕/〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の分子量〕
また、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量は、(A)成分がナフタレンスルホン酸又はその塩と、ホルムアルデヒドと、ナフタレン環を含まない他のモノマーとの縮合物の場合、当該化合物の全質量から、前記ナフタレン環を含まない他のモノマー及びホルムアルデヒドに由来するモノマー単位の質量を除いた質量である。
前記ナフタレン環を含まない他のモノマーに由来するモノマー単位の質量は、合成時の仕込み量から算出しても良いし、核磁気共鳴スペクトル装置などの共重合質量比を求めることができる一般的な解析装置を用いて算出しても良い。
また、水硬性組成物中の(A)成分及び(B)成分の構造は、再沈殿法や分液法などの一般的な方法で(A)成分及び(B)成分を分離し、核磁気共鳴スペクトル測定装置や液体クロマトグラフィーなどの一般的な解析装置を用いて解析することができる。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m3以上、より好ましくは600kg/m3以上、更に好ましくは700kg/m3以上であり、そして、好ましくは1000kg/m3以下、より好ましくは900kg/m3以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m3以上、より好ましくは900kg/m3以上、更に好ましくは1000kg/m3以上であり、そして、好ましくは2000kg/m3以下、より好ましくは1800kg/m3以下、更に好ましくは1700kg/m3以下である。
R11c、R12c:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
R13c:水素原子又は−COO(AO)n’X1
X1:炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n’:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
p:0以上2以下の数
を示す。〕
R21c、R22c、R23c:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2は、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(C1)中、R12cは、メチル基が好ましい。
一般式(C1)中、R13cは、水素原子が好ましい。
一般式(C1)中、X1は、メチル基が好ましい。
一般式(C1)中、AOは、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(C2)中、R22cは、メチル基が好ましい。
一般式(C2)中、R23cは、水素原子が好ましい。
(CH2)rCOOM2については、COOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
共重合体(I)について、一般式(C2)中、M1、M2は、同一でも異なっていても良く、それぞれ、水素原子が好ましい。
一般式(C2)中の(CH2)rCOOM2のrは、1が好ましい。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(単分散のポリエチレングリコール:分子量87500、250000、145000、46000、24000)
また、本発明の水硬性組成物が(C)成分を含有する場合、硬化体の脱型性及び強度発現性の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下含有する。
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを混合する、水硬性組成物の製造方法を提供する。この製造方法により、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する本発明の水硬性組成物が製造される。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材は、W/Bが、本発明の水硬性組成物で述べた範囲となるように用いる。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる骨材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。また、骨材の使用量も、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(C)成分の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
本発明は、次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
(A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
(B):前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる骨材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。また、骨材の使用量も、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる(C)成分の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に適宜適用することができる。
工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
工程6:工程5の後、水硬性組成物を冷却して、型枠から脱型する工程。
工程7:工程6で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する工程。
工程1では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が、10質量%以上、好ましくは11質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは17質量%以上、そして、好ましくは22質量%以下、より好ましくは20質量%以下の水硬性組成物を調製する。工程1では、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比がこの範囲となるように、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材を混合する。
更に、工程5では、前養生を行った後、蒸気養生を行うことが好ましい。例えば、水硬性組成物が充填された型枠の周囲温度(以下、周囲温度ということもある)を、室温、好ましくは10℃以上40℃以下とし、1時間以上4時間以下、放置する前養生を行った後、周囲温度を40℃以上90℃以下、更に60℃以上90℃以下として蒸気養生を行なうことができる。
前養生は、後述の実施例、比較例では「前置き」として実施した。
前養生は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間以上が好ましい。
また、本発明の硬化体の製造方法が工程6を含む場合、工程5と工程6は一連の温度制御のもとに連続して行うことができる。
蒸気養生は、水硬性組成物が充填された型枠の周囲に水蒸気を適用した状態で所定の温度で一定時間保持して行われる。水蒸気を適用後、(1)所定の温度に到達させるまでの温度上昇期間、(2)所定の温度で一定時間保持する期間、及び、(3)所定の温度で一定時間保持した後、温度下降期間を、蒸気養生の期間としてよい。
昇温速度は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間当たり20℃以下が好ましい。
好ましい条件の一例を挙げれば、水硬性組成物が充填された型枠を、周囲温度が、室温、例えば10℃以上30℃以下で3時間放置(前養生)し、1時間あたり20℃の昇温速度で周囲温度を70℃以上90℃以下まで昇温させ、その昇温した70℃以上90℃以下の温度を2時間以上6時間以下保持し、次いで、1時間あたり10℃の降温速度で周囲温度を室温、例えば20℃まで冷却し(工程5)、その温度で20時間以上30時間以下放置した後に成型体を脱型する(工程6)方法が挙げられる。
また、更に180℃程度のオートクレーブ養生を行なう事も可能である。
この使用には、本発明の水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
この組成物には、本発明の水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
(1)コンクリート配合
表1にコンクリート配合を示した。表1中のW/Bは、水/(セメントとシリカフュームを含む高強度混和材との合計)の比(質量%)である。
W:和歌山市水道水
C:早強ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント株式会社製早強ポルトランドセメント/住友大阪セメント株式会社製早強ポルトランドセメント=1/1、質量比)、密度3.14g/cm3
P:シリカフュームを含む高強度混和材、太平洋マテリアル株式会社、ウルトラスーパーミックス、密度2.55g/cm3
S:細骨材、砕砂、密度2.65g/cm3
G:粗骨材、砂利(砕石)、密度2.65g/cm3
なお、表1のWは、表2で用いた(A)成分又は(B)成分を含んでおり、それらの成分の量はコンクリート配合に対して微量であるため、Wの量に算入してW/Bを計算した。
〔(A)成分〕
・NSF:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、重量平均分子量15000
このNSFは、特公昭48−11737の実施例に基づいて作製したものである。
・AES(30):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数30)オレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム
表2の添加量となるように(A)成分、(B)成分、及び水を含有する分散剤組成物を調製した。表1のコンクリート配合材料の水(W)に分散剤組成物を添加し、他のコンクリート配合材料と共に強制二軸ミキサーで4分間混練りして、遠心成型用コンクリートを調製した。なお、添加量は各成分の混合量である。
遠心成型用コンクリート15kgを遠心成型型枠(内径20cm×高さ30cm)に入れて、初速1Gで3分間、二速3Gで3分間、三速9Gで2分間、四速25Gで3分間の遠心締め固めを行った。その後、前置き20℃で3時間、昇温20℃/時間、保持70℃で6時間、以後放冷、の蒸気養生を行った。
脱型後、硬化体の上部と下部のコンクリート厚み(mm)を各4ヶ所(計8ヶ所)測定し、以下の基準で評価した。
◎:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が3mm未満
○:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が3mm以上5mm以下(内面のペースト層が軟らかく、下部に若干量堆積している状態)
×:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が5mm超(著しいダレ、あるいはジャンカにより製品形態を保てていない状態)
成型性の評価に用いた硬化体厚みの平均値から圧縮面積を求めた。同じ硬化体について、JIS A 1108に従い、混練から7日後の硬化体の圧縮応力を測定した。圧縮強度を、圧縮強度=圧縮応力/圧縮面積の式により求めた。
また、表2中、(B)/[(A)+(B)]は、(A)成分の添加量(B)成分の添加量の合計に対する(B)成分の添加量の割合(質量%)である。
Claims (18)
- (A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する、遠心成型用水硬性組成物。
N-US>
R11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
R22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
R32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
Xは、O又はCOO、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
n1は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n2は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n3、n4は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n3とn4の合計は1以上200以下の数、
Y1、Y2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSO3Mであり、Y1、Y2の少なくとも一方はSO3Mであり、
n5、n6は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n5とn6の合計は1以上200以下の数であり、n5が0の場合は、Y1は水素原子であり、n6が0の場合は、Y2は水素原子であり、
Mは、対イオン、
を表す。〕 - (A)が、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である、請求項1記載の遠心成型用水硬性組成物。
- (A)の含有量と(B)の含有量の合計に対する(B)の含有量の割合が3質量%以上60質量%以下である、請求項1又は2記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 更に、(C)ポリカルボン酸系共重合体を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)を0.001質量部以上10質量部以下含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)を0.0001質量部以上10質量部以下含有する、請求項1〜5の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を1質量部以上15質量部以下含有する、請求項1〜6の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が10質量%以上22質量%以下である、請求項1〜7の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
- 次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法。
工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
(A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
(B):下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
〔式中、
R11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
R22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
R32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
Xは、O又はCOO、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
n1は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n2は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n3、n4は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n3とn4の合計は1以上200以下の数、
Y1、Y2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSO3Mであり、Y1、Y2の少なくとも一方はSO3Mであり、
n5、n6は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n5とn6の合計は1以上200以下の数であり、n5が0の場合は、Y1は水素原子であり、n6が0の場合は、Y2は水素原子であり、
Mは、対イオン、
を表す。〕 - 工程4の後に、下記の工程5を有する、請求項9記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。 - 工程1で、下記(C)を混合する、請求項9又は10記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
(C):ポリカルボン酸系共重合体 - (A)が、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である、請求項9〜11の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- 工程1で、(A)の混合量と(B)の混合量の合計に対する(B)の混合量の割合が3質量%以上60質量%以下である、請求項9〜12の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- 工程1で、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)を0.001質量部以上10質量部以下混合する、請求項9〜13の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- 工程1で、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)を0.0001質量部以上10質量部以下混合する、請求項9〜14の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- 工程1で、水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を1質量部以上15質量部以下混合する、請求項9〜15の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- 工程1で、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が10質量%以上22質量%以下の水硬性組成物を調製する、請求項9〜16の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
- (A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する組成物の、遠心成型用水硬性組成物としての使用。
〔式中、
R11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
R22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
R32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
Xは、O又はCOO、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
n1は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n2は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
n3、n4は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n3とn4の合計は1以上200以下の数、
Y1、Y2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSO3Mであり、Y1、Y2の少なくとも一方はSO3Mであり、
n5、n6は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n5とn6の合計は1以上200以下の数であり、n5が0の場合は、Y1は水素原子であり、n6が0の場合は、Y2は水素原子であり、
Mは、対イオン、
を表す。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016182323A JP6416837B2 (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 遠心成型用水硬性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016182323A JP6416837B2 (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 遠心成型用水硬性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018043921A true JP2018043921A (ja) | 2018-03-22 |
JP6416837B2 JP6416837B2 (ja) | 2018-10-31 |
Family
ID=61692835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016182323A Active JP6416837B2 (ja) | 2016-09-16 | 2016-09-16 | 遠心成型用水硬性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6416837B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7272719B1 (ja) | 2022-10-11 | 2023-05-12 | 竹本油脂株式会社 | 水硬性組成物用添加剤、その製造方法及び水硬性組成物の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009073697A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Ube Ind Ltd | 高強度遠心力成形用コンクリート組成物及びその製造方法 |
JP2010047467A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-03-04 | Kao Corp | 遠心成形コンクリート製品の製造方法 |
JP2012144385A (ja) * | 2011-01-07 | 2012-08-02 | Kao Corp | 遠心成形コンクリート製品の製造方法 |
-
2016
- 2016-09-16 JP JP2016182323A patent/JP6416837B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009073697A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Ube Ind Ltd | 高強度遠心力成形用コンクリート組成物及びその製造方法 |
JP2010047467A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-03-04 | Kao Corp | 遠心成形コンクリート製品の製造方法 |
JP2012144385A (ja) * | 2011-01-07 | 2012-08-02 | Kao Corp | 遠心成形コンクリート製品の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7272719B1 (ja) | 2022-10-11 | 2023-05-12 | 竹本油脂株式会社 | 水硬性組成物用添加剤、その製造方法及び水硬性組成物の製造方法 |
JP2024056323A (ja) * | 2022-10-11 | 2024-04-23 | 竹本油脂株式会社 | 水硬性組成物用添加剤、その製造方法及び水硬性組成物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6416837B2 (ja) | 2018-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6171037B2 (ja) | 遠心成型用水硬性組成物用分散剤組成物 | |
JP6077156B2 (ja) | 水硬性組成物用分散剤組成物 | |
JP2017214251A (ja) | 水硬性組成物用分散剤組成物 | |
JP6416837B2 (ja) | 遠心成型用水硬性組成物 | |
JP6444726B2 (ja) | 遠心成形用水硬性組成物 | |
JP6482034B2 (ja) | 遠心成型用水硬性組成物 | |
JP6077157B2 (ja) | 水硬性組成物用分散剤組成物 | |
JP2019064905A (ja) | 遠心成形用水硬性組成物 | |
JP6741635B2 (ja) | 遠心成型用水硬性組成物 | |
JP6470131B2 (ja) | 遠心成型用水硬性組成物 | |
JP6650262B2 (ja) | 水硬性組成物用表面美観向上剤組成物 | |
JP7020668B2 (ja) | 水硬性組成物用添加剤、および水硬性組成物の調製方法 | |
WO2014148549A1 (ja) | 水硬性組成物 | |
JP7121775B2 (ja) | 水硬性組成物用液状分散剤組成物 | |
JP7037170B2 (ja) | 水硬性組成物用添加剤 | |
WO2021070699A1 (ja) | 遠心成形用水硬性組成物用分散剤組成物 | |
JP6422324B2 (ja) | 遠心成形用水硬性組成物 | |
JP6200315B2 (ja) | 水硬性組成物用添加剤組成物 | |
JP2023075404A (ja) | 遠心成形用水硬性組成物 | |
JP6200314B2 (ja) | 水硬性組成物用添加剤組成物 | |
JP2024033686A (ja) | 水硬性組成物 | |
JP2023075405A (ja) | 遠心成形用水硬性組成物 | |
WO2020095722A1 (ja) | 水硬性組成物用分散剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180802 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180814 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180925 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181004 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6416837 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |