JP2018043921A - 遠心成型用水硬性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心成型による硬化体が高強度で、且つ成型性にも優れた水硬性組成物の提供。
【解決手段】芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、オリゴアルキレンオキシ又はポリアルキレンオキシを必須とし、末端にスルフォン基、アルキル基及び/又は3級アミノ基を有する特定の化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有することにより、芳香族環系分散剤の高い降伏値を付与し、分散性が大幅に改善され、水硬性組成物自体のスラリー性状が改善される遠心成形用水硬性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、遠心成型用水硬性組成物、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。更に、本発明は、所定の組成物の、遠心成型用水硬性組成物としての使用に関する。
水硬性組成物用の分散剤は、セメント粒子を分散させることにより、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させ、水硬性組成物の作業性等を向上させるために用いる化学混和剤である。分散剤としては、従来、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のナフタレン系分散剤、カルボン酸とアルキレングリコール鎖を有する単量体との共重合体等のポリカルボン酸系分散剤、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミン系分散剤等が知られている。
ナフタレン系分散剤のような、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤は、ポリカルボン酸系分散剤と比較して、材料や温度の変化に対する流動性発現の効果の変動が少なく、また得られる水硬性組成物の粘性が比較的低く、水硬性組成物の製造に際して使い易いという特徴がある。
ナフタレン系分散剤のような、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤は、材料や温度変化に対する流動性発現の効果の変動が少なく、また得られる水硬性組成物の粘性が低く、水硬性組成物の製造に際して使いやすいという特徴がある。特に、遠心成型性が良い(ノロやジャンカがない)ことから、遠心成型用に適している。
特許文献1には、セメント分散剤と特定の非イオン界面活性剤とを所定の重量比で含有するコンクリート混和剤が記載されている。
特許文献2には、特定のポリアルキレンオキシド誘導体及び/又は特定の炭化水素誘導体を含有するセメント組成物のワーカビリティーを改良するためのワーカビリティー改良剤が記載されている。特許文献2には、前記ワーカビリティー改良剤と減水剤とを含有するセメント減水剤もまた記載されている。
特許文献3には、βナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物とオキシエチレン鎖を有するノニオン系界面活性剤を含む水硬性組成物と水からなるスラリーが記載されている。
特許文献4には、ナフタレンスルホン酸金属塩のホルマリン縮合物及びポリオキシエチレン系化合物からなるセメント添加剤が記載されている。
特許文献5には、アニオン系界面活性剤を加えたコンクリートによって所望のコンクリート製品を成型し、該成型品を常圧蒸気養生する、コンクリート製品の製造方法が記載されている。
一方、界面活性剤をセメント混和剤として用いることも従来提案されている。特許文献6には、硫酸エステル型の陰イオン界面活性剤とポリオキシアルキレン系又は多価アルコール系の非イオン界面活性剤とを含有してなるセメント混和剤が記載されている。
特開昭61−281054号公報 特開2003−165755号公報 特開昭60−011255号公報 特開昭55−023047号公報 特開昭48−028525号公報 特開昭50−150724号公報
コンクリート成型品のうち、管類、パイル、ポール等の中空円筒型コンクリート成型品を製造する方法として、遠心成型法が知られている。この遠心成型法は、型枠内に混練したコンクリート材料を投入し、型枠を高速回転させて生じる遠心力によって、型枠内面にコンクリートを押し付けるようにして締固める方法である。
日本では、一般に、高強度が要求されるコンクリートパイルを製造する際に、混練から7日で出荷できる強度を担保するために、高強度混和材がコンクリートに添加され、蒸気養生が施されている。
コンクリートパイルには、構造物の基礎用杭として使用される建築用パイルがある。建築用パイルは、構造物の巨大化、高層化に伴い、高強度化が要求され、近年は、コンクリートの設計基準強度が100N/mm超の高強度パイルも出現している。そして、今後は、更に高強度の成型製品、例えば、コンクリートの設計基準強度が123N/mm超の成型製品も要望されると考えられる。
しかし、コンクリートの設計基準強度が123N/mm超の成型製品では、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤は、遠心成型製品では、添加量を増やしても強度の向上は頭打ちとなる。
また、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤の添加量を増やすと、未硬化の水硬性組成物が高分散状態となり、そのような水硬性組成物を遠心成型に用いた場合は、ノロの発生が著しくなり硬化体の表面性が低下する。
本発明は、遠心成型による硬化体が高強度で、且つ成型性にも優れた水硬性組成物を提供する。
本発明は、(A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する、遠心成型用水硬性組成物に関する。
Figure 2018043921
〔式中、
11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
Xは、O又はCOO、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数、
、Yは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSOMであり、Y、Yの少なくとも一方はSOMであり、
、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、
Mは、対イオン、
を表す。〕
また、本発明は、次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。
工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
(A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
(B):前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
また、本発明は、(A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する組成物の、遠心成型用水硬性組成物としての使用に関する。
以下、(A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤を(A)成分として説明する。
また、前記一般式(B1)で表される化合物を化合物(B1)、前記一般式(B2)で表される化合物を化合物(B2)、前記一般式(B3)で表される化合物を化合物(B3)、前記一般式(B4)で表される化合物を化合物(B4)として説明する。
更に、化合物(B1)、化合物(B2)、化合物(B3)、及び化合物(B4)をまとめて(B)成分として説明する。
本発明によれば、遠心成型による硬化体が高強度で、且つ成型性にも優れた水硬性組成物が提供される。
〔水硬性組成物〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する、遠心成型用水硬性組成物を提供する。
遠心成型用水硬性組成物は、遠心力による荷重が負荷されるため、生コンクリートなどの未硬化の組成物には高い降伏値(動き始める応力に同じ)と低いずり応力(動き始めてから、ある速度を出すのに必要な応力に同じ)という性質が求められる。本発明では、芳香環系分散剤の高い降伏値を付与し、更には分散性(粘性にほぼ同じ)を大幅に改善することにより、水硬性組成物自体のスラリー性状が改善され、遠心成型用として、より有用なものとなる。
本発明の効果発現機構の詳細は不明であるが、以下のように推定される。
本発明の(A)成分である、ナフタレン系分散剤のような、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤は静電反発力を有しており、強い立体反発を有する分散剤よりも、非常に優れた遠心成型性を有している。
本発明では、(A)成分と(B)成分の特定の化合物を併用することにより、吸着速度の制御(効率的なセメント吸着)が可能であり、これにより高減水化(低添加量化)及び低遅延化を達成している。この低添加量化及び低遅延化により、セメントの水和活性点が増加することで、強度向上効果を付与することが可能になると推測される。
水/水硬性粉体比が低い領域ではイオン強度が高くなるため、一般に、セメント等の水硬性粉体に対する(A)成分の分散能は発現しにくい傾向にあったが、本発明では、上述したような高減水化及び低遅延化のアプローチにより、飛躍的に性能向上が可能になったと考えられる。
シリカフュームなどのシリカを含む高強度混和材は、低い水/水硬性粉体比での練り上り性を向上させ、またポゾラン反応などにより強度にも好影響を与えるため、100N/mmを超える高強度化を容易にさせる。練り上がり性とは、混練してから練りあがるまでのスピード及び混練後の遠心成形の可否をいう。
<(A)成分>
(A)成分は、芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環が挙げられる。
(A)成分は、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤が好ましい。
芳香環を含むモノマー単位としては、ベンゼン環を含むモノマー単位、ナフタレン環を含むモノマー単位、及びトリアジン環を含むモノマー単位から選ばれる1種以上のモノマー単位が挙げられる。
(A)成分は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤が好ましい。
(A)成分としては、より好ましくは、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのような、ナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させても良い。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、例えば、マイテイ150、デモール N、デモール RN、デモール MS、デモールSN−B、デモール SS−L(いずれも花王株式会社製)、セルフロー 120、ラベリン FD−40、ラベリン FM−45(いずれも第一工業株式会社製)などのような市販品を用いることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。そして、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上、より更に好ましくは5,000以上である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は酸の状態あるいは中和物であってもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の分子量は下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定することができる。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー株式会社)
溶離液:30mM CHCOONa/CHCN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行ってもよい。また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。具体的には、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.93〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜105℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。更に、得られる縮合物の水溶液は酸性度が高いので貯槽等の金属腐食を抑制する観点から、得られた縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行うことができる。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また、中和により生じる水不溶解物を除去することができ、その方法として好ましくは濾過による分離が挙げられる。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液は、そのまま(A)成分の水溶液として使用することができる。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩を得ることができ、これを粉末状の(A)成分として使用することができる。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。
(A)成分としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩以外に、フェノール系分散剤、リグニン系分散剤、メラミン系分散剤、スチレンスルホン酸系分散剤が挙げられる。
<(B)成分>
<化合物(B1)>
化合物(B1)は、前記一般式(B1)で表される化合物である。
一般式(B1)中のR11は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
本明細書において、置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。
置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
11の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、及び置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)から選ばれる基が挙げられる。R11の炭化水素基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましく、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基がより好ましい。
11のアルキル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
11のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
11の置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換基を含めた置換アリール基の炭素数が4以上27以下である。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。置換アリール基として、炭素数13以上27以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基の置換基は、炭素数1以上10以下の炭化水素基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
11は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
11は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
11は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点とから、好ましくは置換アリール基である。
11の炭素数は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
11の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
11の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
11の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
また、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点からR11は、置換アリール基が好ましく、ジスチレン化フェニル基がより好ましい。
更に具体的には、R11としては、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、より更に好ましくは、オレイル基、ステアリル基、ジスチレン化フェニル基及びトリベンジルフェニル基から選ばれる基が挙げられる。これらの基は、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましい。また、これらの基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましい。
一般式(B1)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B1)中、nは、AOの平均付加モル数であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から1以上200以下の数である。nは、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点と遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下の数である。
一般式(B1)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、及びアンモニウムイオンから選ばれるイオンが挙げられる。
Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
化合物(B1)としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル化物等のポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル化物又はその塩や、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル化物などのポリオキシエチレン置換アリールエーテル硫酸エステル化物又はその塩を挙げることが出来る。
<化合物(B2)>
化合物(B2)は、前記一般式(B2)で表される化合物である。
一般式(B2)中のR21は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は化合物(B1)で述べた通りである。
21の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、及び置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)から選ばれる基が挙げられる。R21の炭化水素基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
21のアルキル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
21のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
21の置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換基を含めた置換アリール基の炭素数が4以上27以下である。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。置換アリール基として、炭素数13以上27以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基の置換基は、炭素数1以上10以下の炭化水素基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
21は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
21は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
21の炭素数は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と分散性向上の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
21の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
21の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基、並びに炭化水素基で置換されたフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
21の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。また、R21の他の具体例として、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、スチレン化したフェニル基が挙げられる。
更に具体的には、R21としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。なお、一般式(B2)中のXがCOOの場合、R21としては、これらの基から炭素数を1つ減じた基を例示することができる。例えば、デシル基の代わりにノニル基が、ラウリル基の代わりにウンデシル基が例示される。
一般式(B2)中、Xは、O又はCOOであり、好ましくはOである。
一般式(B2)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B2)中、nは、AOの平均付加モル数であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から1以上200以下の数である。nは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点と遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは60以下、より好ましくは40以下の数である。
一般式(B2)中、R22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、水素原子が好ましい。
化合物(B2)としては、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルが挙げられる。また、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステルが挙げられる。また、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のポリオキシエチレン置換アリールエーテルが挙げられる。
<化合物(B3)>
化合物(B3)は、前記一般式(B3)で表される化合物である。
一般式(B3)中のR31は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は、化合物(B1)で述べた通りである。
31の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、及び置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基が挙げられる。R31の炭化水素基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
31のアルキル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基アルキル基である。
31のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
31は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
31は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
31の炭素数は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下から選択できる。
31の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
31の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
31の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、R31としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(B3)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B3)中、n及びnは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から、n及びnの合計は、1以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、経済的な観点から、200以下、好ましくは60以下、より好ましくは40以下の数である。
一般式(B3)中、R32及びR33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。R32及びR33は、それぞれ、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは水素原子である。
化合物(B3)としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミンが挙げられる。
<化合物(B4)>
化合物(B4)は、前記一般式(B4)で表される化合物である。
一般式(B4)中のR41は、炭素数4以上27以下の炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。置換基は、化合物(B1)で述べた通りである。
41の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、及び置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基が挙げられる。R41の炭化水素基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
41のアルキル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基である。
41のアルケニル基は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基である。
41は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
41は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
41の炭素数は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下から選択できる。
41の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
41の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
41の他の具体例を挙げると、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、R41としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(B4)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、好ましくは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B4)中、Y、Yは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSOMであり、Y、Yの少なくとも一方はSOMである。Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。Mは、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
一般式(B4)中、n及びnは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。nが0の場合は、Yは水素原子であり、nが0の場合は、Yは水素原子である。遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点とセメント分散性の観点から、n及びnの合計は、1以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上、そして、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と経済的な観点から、200以下、好ましくは150以下、より好ましくは100以下の数である。n及びnは同時に0にはならない。従って化合物(B4)は、(AO)n5−SOM及び(AO)n6−SOMの少なくとも1つを有する。
化合物(B4)としては、牛脂アミンエチレンオキシド付加物硫酸エステル化物等の脂肪族アミンアルキレン付加物の硫酸エステル化物が挙げられる。
(B)成分は、化合物(B1)、化合物(B2)、化合物(B3)、及び化合物(B4)に属する化合物の1種以上であってもよい。
(B)成分は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)、化合物(B2)及び化合物(B3)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(B)成分は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、(B)成分として、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、化合物(B1)、化合物(B2)及び化合物(B3)から選ばれる1種以上の化合物、更に、化合物(B1)から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
<水硬性粉体>
水硬性粉体としては、セメント、石膏などが挙げられる。本発明の水硬性組成物に使用されるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントが挙げられる。水硬性粉体はセメントが好ましい。
<シリカを含む高強度混和材>
本発明の水硬性組成物に使用されるシリカを含む高強度混和材は、シリカがシリカフュームであることが好ましい。すなわち、高強度混和材は、シリカフュームを含む高強度混和材が好ましい。シリカフュームを含む高強度混和材としては、ブレーン比表面積が2500cm/g以上のシリカフュームを高強度混和材中に20質量%以上含むものが挙げられる。
シリカフュームを含む高強度混和材の市販品としては、ウルトラスーパーミックス(太平洋マテリアル(株)製)、スーパーノンクレーブ(住友大阪セメント(株)製)、Σ2000(デンカ(株)製)などが挙げられる。
<骨材>
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有する。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
<水硬性組成物の組成等>
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点並びに蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が、好ましくは3質量%以上60質量%以下である。この割合は、[(B)成分の含有量/〔(A)成分の含有量+(B)成分の含有量〕]×100(質量%)により求められる。以下、この割合を、(B)/〔(A)+(B)〕とも表す。(B)/〔(A)+(B)〕は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現並びに蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%、そして、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である。(B)/〔(A)+(B)〕合は、本発明の水硬性組成物を製造する際の(A)成分の混合量と(B)成分の混合量とに基づいて算出されてもよい。
(B)/〔(A)+(B)〕は、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、R11が炭素数16以上20以下の炭化水素基である場合、好ましくは7質量%以上、より好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは55質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
また、(B)/〔(A)+(B)〕は、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、R11が炭素数6以上10以下の炭化水素基である場合、好ましくは7質量%以上15質量%以下である。
(A)成分がナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物である場合、本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点並びに蒸気養生後の強度発現の観点から、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(B)成分の総量のモル割合が、好ましくは、0.2%以上50%以下である。同様の観点で、前記モル割合は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.8%以上、更に好ましくは1.5%以上、より更に好ましくは5%以上、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、より更に好ましくは15%以下、より更に好ましくは10%以下、より更に好ましくは8%以下である。
前記モル割合は、R11がアラルキルである場合、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2%以上、そして、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下、更に好ましくは5%以下、より更に好ましくは4.5%以下、より更に好ましくは3%以下である。
前記モル割合は、R11がアルケニルである場合、好ましくは1.5%以上、より好ましくは3%以上、更に好ましくは4%以上、より更に好ましくは6.5%以上、そして、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
前記モル割合は、R11が炭素数16以上18以下のアルキル基である場合、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上、更に好ましくは2%以上、より更に好ましくは3.5%以上、より更に好ましくは5%以上、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは25%以下、より更に好ましくは15%以下、より更に好ましくは10%以下である。
前記モル割合は、R11が炭素数6以上10以下のアルキル基である場合、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.5%以上、そして、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下、更に好ましくは3%以下である。
また、本発明の水硬性組成物は、コンクリート練上り性向上の観点から、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(B)成分の総量のモル割合が、好ましくは、16.1%以上50%以下であり、より好ましくは30.1%以上である。
なお、前記の(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(B)成分の総量のモル割合は、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量と(B)成分の総量に基づいて算出される。具体的には、以下の式により算出される。
モル割合(%)=[〔(B)成分の総量(モル)〕/〔(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)〕]×100
(A)成分が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の場合、ナフタレン環を含むモノマー単位は、ナフタレンスルホン酸又はその塩とホルムアルデヒドとが脱水縮合反応して形成されたモノマー単位である。(A)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の場合、当該化合物中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)は、以下の式により算出される。式中、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩をNSFと表記する。
NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)=〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量〕/〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の分子量〕
(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量は、(A)成分がナフタレンスルホン酸又はその塩とホルムアルデヒドとの縮合物の場合、当該化合物の全質量である。
また、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量は、(A)成分がナフタレンスルホン酸又はその塩と、ホルムアルデヒドと、ナフタレン環を含まない他のモノマーとの縮合物の場合、当該化合物の全質量から、前記ナフタレン環を含まない他のモノマー及びホルムアルデヒドに由来するモノマー単位の質量を除いた質量である。
前記ナフタレン環を含まない他のモノマーに由来するモノマー単位の質量は、合成時の仕込み量から算出しても良いし、核磁気共鳴スペクトル装置などの共重合質量比を求めることができる一般的な解析装置を用いて算出しても良い。
また、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の分子量は、(A)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の場合、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの分子量(230.2)とホルムアルデヒドの分子量(30.0)の和から縮合反応の副生成物である水の分子量(18.0)を引いた数値、すなわち242.2のように決定できる。
本発明の水硬性組成物では、例えば(A)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、(B)成分がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の場合、(A)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(B)成分の総量のモル割合は、再沈殿法や分液法などの一般的な方法で(A)成分と(B)成分を分離し、その質量比を測定して計算により求めることができる。
また、水硬性組成物中の(A)成分及び(B)成分の構造は、再沈殿法や分液法などの一般的な方法で(A)成分及び(B)成分を分離し、核磁気共鳴スペクトル測定装置や液体クロマトグラフィーなどの一般的な解析装置を用いて解析することができる。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1000kg/m以上であり、そして、好ましくは2000kg/m以下、より好ましくは1800kg/m以下、更に好ましくは1700kg/m以下である。
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と減水性と流動保持性を更に高める観点及び蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、(C)ポリカルボン酸系共重合体〔以下、(C)成分という〕を含有することができる。
(C)成分としては、下記一般式(C1)で示される単量体(C1)と下記一般式(C2)で示される単量体(C2)とを構成単量体として含む共重合体〔以下、共重合体(C)という〕が挙げられる。
Figure 2018043921
〔式中、
11c、R12c:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
13c:水素原子又は−COO(AO)n’
:炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n’:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
p:0以上2以下の数
を示す。〕
Figure 2018043921
〔式中、
21c、R22c、R23c:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(C1)中、R11cは、水素原子が好ましい。
一般式(C1)中、R12cは、メチル基が好ましい。
一般式(C1)中、R13cは、水素原子が好ましい。
一般式(C1)中、Xは、メチル基が好ましい。
一般式(C1)中、AOは、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(C1)中、n’は、AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数である。n’は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは100以上、より好ましくは110以上、そして、好ましくは200以下、より好ましくは150以下の数である。
また、n’は、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは40以上、そして、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下、より更に好ましくは80以下、より更に好ましくは50以下の数である。
一般式(C1)中、pは、0が好ましい。
一般式(C2)中、R21cは、水素原子が好ましい。
一般式(C2)中、R22cは、メチル基が好ましい。
一般式(C2)中、R23cは、水素原子が好ましい。
(CHCOOMについては、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
共重合体(I)について、一般式(C2)中、M、Mは、同一でも異なっていても良く、それぞれ、水素原子が好ましい。
一般式(C2)中の(CHCOOMのrは、1が好ましい。
共重合体(C)は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、構成単量体中の単量体(C1)と単量体(C2)の合計量が、90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは95質量%以上、そして、100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
共重合体(C)は、単量体(C1)と単量体(C2)の合計に対する単量体(C2)の割合が、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体強度の観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、そして、好ましくは98モル%以下、より好ましくは97モル%以下である。
共重合体(C)は、単量体(C1)と単量体(C2)の合計に対する単量体(C2)の割合が、蒸気養生後の硬化体の強度発現の観点から、好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは77モル%以下である。
共重合体(C)の重量平均分子量は、好ましくは10000以上、より好ましくは15000以上、そして、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下、更に好ましくは45000以下である。この重量平均分子量は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(単分散のポリエチレングリコール:分子量87500、250000、145000、46000、24000)
従来、(A)成分と(C)成分は、混ぜて使用しても十分な効果が発現されなかった。これは、芳香環とポリアルキレンオキシ基が相互作用し、双方の分散力を相殺し合ってしまうためと、両成分とも高分子化合物であるため、疑似的に分子量が増大して増粘し、運動性が大きく低下することにより、分散性が低下してしまうためであると推定される。しかし、本発明では、(B)成分を併用すると、(A)成分の芳香環と(B)成分のアルキル基が相互作用すると推定され、(A)成分と(C)成分の相互作用を抑制することで、(A)成分と(C)成分を併用することが初めて可能になったと推察される。
本発明の水硬性組成物は、高炉スラグなどのポゾラン作用及び/又は潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等、水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材以外の粉体(以下、他の粉体という)を含有することができる。他の粉体の割合は、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下であり、下限値は0質量部以上である。他の粉体のこの割合は、0質量部であってもよい。
本発明の水硬性組成物は、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、10質量%以上、より好ましくは11質量%以上、更に好ましくは12質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは17質量%以上、そして、好ましくは22質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
ここで、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比(以下、W/Bと表記する場合もある)は、水硬性組成物中の水と、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計との質量百分率(質量%)であり、水の質量/(水硬性粉体の質量とシリカを含む高強度混和材の質量の合計)×100により算出される。W/Bは、水の量と、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材の合計量とに基づいて算出される。なお、水硬性組成物が、前記の他の粉体、すなわち、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計の量に算入する。これは、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計の質量が関係する以下の質量部においても同様である。
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.6質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.001質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下、より更に好ましくは0.35質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、練り上り性、成型性、強度、の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、そして、好ましくは15質量部以下、好ましくは13質量部以下、より好ましくは10質量部以下含有する。
また、本発明の水硬性組成物は、練り上り性、成型性、強度、の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、シリカフュームを、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、そして、好ましくは15質量部以下、好ましくは13質量部以下、より好ましくは10質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物が(C)成分を含有する場合、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下、更に好ましくは0.3質量部以下含有する。
また、本発明の水硬性組成物が(C)成分を含有する場合、硬化体の脱型性及び強度発現性の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の流動性を向上する観点から、(C)成分と(A)成分の質量比、(C)/(A)は、好ましくは0/100以上、より好ましくは0/100超、更に好ましくは0.05/99.95以上、より更に好ましくは0.1/99.9以上、より更に好ましくは1/99以上、そして、好ましくは50/50以下、より好ましくは30/70以下、更に好ましくは10/90以下である。
水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の水硬性組成物は、グリセリン及びN−メチルジエタノールアミンなどの早強剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩などのキレート剤を含有することもできる。キレート剤の含有量は、蒸気養生後の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対し0.1質量部以下が好ましい。
本発明の水硬性組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、起泡剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤、消泡剤などの成分〔(A)成分、(B)成分、又は(C)成分に該当するものを除く〕を含有することができる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを混合する、水硬性組成物の製造方法を提供する。この製造方法により、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する本発明の水硬性組成物が製造される。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。水硬性組成物の製造方法についても(B)/〔(A)+(B)〕が適用できるが、この割合は、混合に用いる(A)成分の量と(B)成分の量とに基づいて算出されてもよい。製造方法における(B)/〔(A)+(B)〕は、各成分の含有量を混合量と読み替えて計算したものである。本発明の水硬性組成物を製造する場合、(B)/〔(A)+(B)〕の好ましい範囲は、本発明の水硬性組成物で述べた範囲と同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材は、W/Bが、本発明の水硬性組成物で述べた範囲となるように用いる。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる骨材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。また、骨材の使用量も、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(C)成分の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.6質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、混合する。本発明の水硬性組成物における(A)成分の含有量となるように(A)成分を混合することが好ましい。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.001質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.03質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下、より更に好ましくは0.35質量部以下、混合する。本発明の水硬性組成物における(B)成分の含有量となるように(B)成分を混合することが好ましい。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、練り上り性、成型性、強度、の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、そして、好ましくは15質量部以下、好ましくは13質量部以下、より好ましくは10質量部以下、混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、練り上り性、成型性、強度、の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、シリカフュームを、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、そして、好ましくは15質量部以下、好ましくは13質量部以下、より好ましくは10質量部以下、混合する。
(C)成分を用いる場合、本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下、更に好ましくは0.3質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の流動性を向上する観点から、(A)成分と(C)成分とを、(C)成分と(A)成分の質量比、(C)/(A)が、好ましくは0/100以上、より好ましくは0/100超、更に好ましくは0.05/99.95以上、より更に好ましくは0.1/99.9以上、より更に好ましくは1/99以上、そして、好ましくは50/50以下、より好ましくは30/70以下、更に好ましくは10/90以下となるように用いる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、遠心成型性及び/又は遠心成型後の硬化体の強度発現の観点から、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)成分と(B)成分とを合計で、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(A)成分及び(B)成分と水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材とを円滑に混合する観点から、(A)成分及び(B)成分と水とを予め混合し、水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材と混合することが好ましい。
(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水と、必要に応じて用いられる成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。
また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させても良い。ここで、加熱養生は、40℃以上90℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
〔水硬性組成物の硬化体の製造方法〕
本発明は、次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
(A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
(B):前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3)で表される化合物、及び前記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。水硬性組成物の硬化体の製造方法についても(B)/〔(A)+(B)〕が適用できるが、この割合は、混合に用いる(A)成分の量と(B)成分の量とに基づいて算出されてもよい。すなわち、水硬性組成物の硬化体の製造方法における(B)/〔(A)+(B)〕は、各成分の含有量を混合量と読み替えて計算したものである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる骨材の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。また、骨材の使用量も、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に用いられる(C)成分の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1〜4に加え、下記の工程5を含むことが好ましい。
工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1〜5に加え、次の工程6を含むことができる。
工程6:工程5の後、水硬性組成物を冷却して、型枠から脱型する工程。
本発明の硬化体の製造方法は、工程1〜6に加え、次の工程7を含むことができる。
工程7:工程6で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する工程。
工程1では、水と(A)成分と(B)成分とを含む混合物を、骨材、水硬性粉体及びシリカを含む高強度混和材に添加して混合する方法が、水硬性組成物を製造する際でも、容易に均一に混合できる点で好ましい。
工程1の具体的な方法としては、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材と骨材とを混合し、水と(A)成分と(B)成分とを含む混合物を、前記のような混合量となるように添加し、混練して水硬性組成物を調製する工程が挙げられる。
工程1では、(A)成分と(B)成分、更に(C)成分は、別々に、水、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材に添加して混合することができる。
工程1での水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計に対する、水、(A)成分、及び(B)成分の混練量の好ましい範囲は、本発明の水硬性組成物における各成分の含有量の好ましい範囲と同じである。
工程1では、遠心成型性及び/又は硬化体の強度発現の観点から、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が、10質量%以上、好ましくは11質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは17質量%以上、そして、好ましくは22質量%以下、より好ましくは20質量%以下の水硬性組成物を調製する。工程1では、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比がこの範囲となるように、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材を混合する。
工程2で、工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する方法は、混練後の水硬性組成物を混練手段から排出し、手作業にて型枠へ投入してならす方法が挙げられる。
工程3では、型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めするが、このとき少なくとも1回は遠心力を変えることが好ましい。工程3では、水硬性組成物を、段階的に変化する遠心力をかけて型締めすることができる。すなわち、工程3で、水硬性組成物を、少なくとも1回は遠心力を変えて型締めする、更に、段階的に変化する、更に段階的に大きくなる遠心力をかけて型締めすることができる。
工程3では、型枠に充填した水硬性組成物を、0.5G以上の遠心力で型締めすることが好ましい。遠心成型の遠心力は、好ましくは0.5G以上、そして、30G以下、より好ましくは25G以下である。エネルギーコスト低減面と成型性の面から、1分以上、遠心力を15G以上、そして、30G以下、更に25G以下の範囲(高遠心力ともいう)に保持することが好ましい。
遠心力での締め固めは、例えば0.5G以上30G以下の遠心力で、好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、更に好ましくは9分以上、そして、好ましくは40分以下行なう。成型体を平滑に締め固める観点から、高遠心力、例えば20G以上の遠心力の保持による締め固めは、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、好ましくは15分以下行なう。すなわち、工程3では、0.5G以上30G以下の遠心力を、好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、更に好ましくは9分以上、そして、好ましくは40分以下かけて、水硬性組成物を型締めすることができる。また、工程3では、20G以上の遠心力の保持による締め固めを、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、そして、好ましくは15分以下行なうことができる。
遠心力での締め固めは、段階に分けて行うことができ、成型性の観点から、段階的に遠心力Gを大きくする方法が好ましい。以下に示すような段階条件で所望の遠心力となるまで行うことができる。例えば、五段階の場合、工程3では、(1)一段階目である初速が0.5G以上2G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(2)二段階目である二速が2G以上5G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(3)三段階目である三速が5G以上10G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(4)四段階目である四速が10G以上20G未満の遠心力で0分間超15分間以下、(5)五段階目である五速が20G以上30G以下の遠心力で0分間超15分間以下、の条件により水硬性組成物の型締めを行うことが好ましい。
工程4では、工程3で得られた水硬性組成物を凝結させる。具体的には、混練後3〜4時間の気中養生を行うこととする。
工程5では、工程4で得られた型枠に入った硬化した水硬性組成物を蒸気養生する。工程5では、40℃以上90℃以下で蒸気養生を行なうことが好ましく、60℃以上90℃以下で蒸気養生を行なうことがより好ましい。
更に、工程5では、前養生を行った後、蒸気養生を行うことが好ましい。例えば、水硬性組成物が充填された型枠の周囲温度(以下、周囲温度ということもある)を、室温、好ましくは10℃以上40℃以下とし、1時間以上4時間以下、放置する前養生を行った後、周囲温度を40℃以上90℃以下、更に60℃以上90℃以下として蒸気養生を行なうことができる。
前養生は、後述の実施例、比較例では「前置き」として実施した。
前養生は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間以上が好ましい。
また、本発明の硬化体の製造方法が工程6を含む場合、工程5と工程6は一連の温度制御のもとに連続して行うことができる。
蒸気養生は、水硬性組成物が充填された型枠の周囲に水蒸気を適用した状態で所定の温度で一定時間保持して行われる。水蒸気を適用後、(1)所定の温度に到達させるまでの温度上昇期間、(2)所定の温度で一定時間保持する期間、及び、(3)所定の温度で一定時間保持した後、温度下降期間を、蒸気養生の期間としてよい。
本発明の硬化体の製造方法における具体的な蒸気養生条件として、工程5として、1時間当たり10℃以上30℃以下の昇温速度で型枠の周囲温度を60℃以上85℃以下に昇温し、昇温した温度を2時間以上8時間以下保持し、次いで、工程6として、1時間当たり5℃以上20℃以下の降温速度で、周囲温度を室温、例えば20℃まで冷却し、成型体を脱型する。
昇温速度は、硬化体のひび割れによる強度低下を抑える観点から、1時間当たり20℃以下が好ましい。
好ましい条件の一例を挙げれば、水硬性組成物が充填された型枠を、周囲温度が、室温、例えば10℃以上30℃以下で3時間放置(前養生)し、1時間あたり20℃の昇温速度で周囲温度を70℃以上90℃以下まで昇温させ、その昇温した70℃以上90℃以下の温度を2時間以上6時間以下保持し、次いで、1時間あたり10℃の降温速度で周囲温度を室温、例えば20℃まで冷却し(工程5)、その温度で20時間以上30時間以下放置した後に成型体を脱型する(工程6)方法が挙げられる。
また、更に180℃程度のオートクレーブ養生を行なう事も可能である。
工程7では、工程6で得られた水硬性組成物の硬化体を常温常圧で養生する。具体的には、20℃、大気圧下で保存する。
本発明の製造方法としては、工程1〜6を含み、水硬性組成物の調製を開始してから工程6で脱型するまでの時間が8時間以上30時間以下である、水硬性組成物の硬化体の製造方法が挙げられる。ここで、水硬性組成物の調製の開始とは、水硬性粉体と水とが最初に接触した時点である。
本発明の硬化体の製造方法では、(C)成分と(A)成分の質量比、(C)/(A)が、好ましくは0/100以上、より好ましくは0/100超、更に好ましくは0.05/99.95以上、より更に好ましくは0.1/99.9以上、より更に好ましくは1/99以上であり、そして、好ましくは50/50以下、より好ましくは30/70以下、更に好ましくは10/90以下である。
本発明の硬化体の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、遠心成型コンクリート製品として使用でき、具体的には、パイル、ポール、ヒューム管等が挙げられる。本発明の硬化体の製造方法により得られる水硬性組成物の硬化体は、初期強度に優れるとともに、製造時のノロの発生量が少なく当該製品の製造現場での廃棄物を低減できる。また、締め固めに優れることから、当該製品の内面及び端面凹凸が少なく、表面美観に優れるとともに、更に製品内面が平滑に仕上がることから、パイル打ち込み、中堀工法時の切削機の障害が改善される。
上記に加え、本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する組成物の、遠心成型用水硬性組成物としての使用を開示する。
この使用には、本発明の水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
また、本発明は、遠心成型用水硬性組成物に用いるための、(A)成分と、(B)成分と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する組成物を開示する。
この組成物には、本発明の水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法で述べた事項を適宜適用することができる。
<実施例1〜2及び比較例1〜3>
(1)コンクリート配合
表1にコンクリート配合を示した。表1中のW/Bは、水/(セメントとシリカフュームを含む高強度混和材との合計)の比(質量%)である。
Figure 2018043921
表中の成分は以下である。
W:和歌山市水道水
C:早強ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント株式会社製早強ポルトランドセメント/住友大阪セメント株式会社製早強ポルトランドセメント=1/1、質量比)、密度3.14g/cm
P:シリカフュームを含む高強度混和材、太平洋マテリアル株式会社、ウルトラスーパーミックス、密度2.55g/cm
S:細骨材、砕砂、密度2.65g/cm
G:粗骨材、砂利(砕石)、密度2.65g/cm
なお、表1のWは、表2で用いた(A)成分又は(B)成分を含んでおり、それらの成分の量はコンクリート配合に対して微量であるため、Wの量に算入してW/Bを計算した。
表2の(A)成分、(B)成分は、以下のものである。
〔(A)成分〕
・NSF:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、重量平均分子量15000
このNSFは、特公昭48−11737の実施例に基づいて作製したものである。
〔(B)成分〕
・AES(30):ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数30)オレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム
(2)遠心成型用コンクリートの調製方法
表2の添加量となるように(A)成分、(B)成分、及び水を含有する分散剤組成物を調製した。表1のコンクリート配合材料の水(W)に分散剤組成物を添加し、他のコンクリート配合材料と共に強制二軸ミキサーで4分間混練りして、遠心成型用コンクリートを調製した。なお、添加量は各成分の混合量である。
(3)成型性
遠心成型用コンクリート15kgを遠心成型型枠(内径20cm×高さ30cm)に入れて、初速1Gで3分間、二速3Gで3分間、三速9Gで2分間、四速25Gで3分間の遠心締め固めを行った。その後、前置き20℃で3時間、昇温20℃/時間、保持70℃で6時間、以後放冷、の蒸気養生を行った。
脱型後、硬化体の上部と下部のコンクリート厚み(mm)を各4ヶ所(計8ヶ所)測定し、以下の基準で評価した。
◎:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が3mm未満
○:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が3mm以上5mm以下(内面のペースト層が軟らかく、下部に若干量堆積している状態)
×:8ヶ所の厚みの最大値と最小値の差が5mm超(著しいダレ、あるいはジャンカにより製品形態を保てていない状態)
(4)圧縮強度
成型性の評価に用いた硬化体厚みの平均値から圧縮面積を求めた。同じ硬化体について、JIS A 1108に従い、混練から7日後の硬化体の圧縮応力を測定した。圧縮強度を、圧縮強度=圧縮応力/圧縮面積の式により求めた。
これらの結果を表2に示した。
Figure 2018043921
表2中、添加量は、セメント(C)とシリカフュームを含む高強度混和材(P)の合計100質量部に対する、各成分の固形分換算での添加量である。
また、表2中、(B)/[(A)+(B)]は、(A)成分の添加量(B)成分の添加量の合計に対する(B)成分の添加量の割合(質量%)である。
表2の結果より、本発明の(A)成分と(B)成分とを併用すると、シリカフュームを含む高強度混和材を配合したコンクリートにおいて、遠心成型性がよく、遠心成型後の硬化体強度が向上することが分かる。(A)成分のみでは、比較例1−1のように、添加量を2倍程度としても、強度は実施例の水準に及ばない。

Claims (18)

  1. (A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する、遠心成型用水硬性組成物。
    Figure 2018043921
    〔式中、
    N-US>
    11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
    22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    Xは、O又はCOO、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数、
    、Yは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSOMであり、Y、Yの少なくとも一方はSOMであり、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、
    Mは、対イオン、
    を表す。〕
  2. (A)が、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である、請求項1記載の遠心成型用水硬性組成物。
  3. (A)の含有量と(B)の含有量の合計に対する(B)の含有量の割合が3質量%以上60質量%以下である、請求項1又は2記載の遠心成型用水硬性組成物。
  4. 更に、(C)ポリカルボン酸系共重合体を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
  5. 水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)を0.001質量部以上10質量部以下含有する、請求項1〜4の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
  6. 水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)を0.0001質量部以上10質量部以下含有する、請求項1〜5の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
  7. 水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を1質量部以上15質量部以下含有する、請求項1〜6の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
  8. 水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が10質量%以上22質量%以下である、請求項1〜7の何れか1項記載の遠心成型用水硬性組成物。
  9. 次の工程を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    工程1:下記(A)、下記(B)、水硬性粉体、シリカを含む高強度混和材、骨材、及び水を混合し、遠心成型用水硬性組成物を調製する工程。
    工程2:工程1で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
    工程3:工程2で型枠に充填した水硬性組成物を、遠心力をかけて型締めする工程。
    工程4:工程3で型締めした水硬性組成物を型枠中で凝結させる工程。
    (A):芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤
    (B):下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物
    Figure 2018043921

    〔式中、
    11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
    22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    Xは、O又はCOO、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数、
    、Yは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSOMであり、Y、Yの少なくとも一方はSOMであり、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、
    Mは、対イオン、
    を表す。〕
  10. 工程4の後に、下記の工程5を有する、請求項9記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    工程5:工程4で凝結した水硬性組成物を型枠中で蒸気養生する工程。
  11. 工程1で、下記(C)を混合する、請求項9又は10記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
    (C):ポリカルボン酸系共重合体
  12. (A)が、芳香環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤である、請求項9〜11の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  13. 工程1で、(A)の混合量と(B)の混合量の合計に対する(B)の混合量の割合が3質量%以上60質量%以下である、請求項9〜12の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  14. 工程1で、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(A)を0.001質量部以上10質量部以下混合する、請求項9〜13の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  15. 工程1で、水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計100質量部に対して、(B)を0.0001質量部以上10質量部以下混合する、請求項9〜14の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  16. 工程1で、水硬性粉体100質量部に対して、シリカを含む高強度混和材を1質量部以上15質量部以下混合する、請求項9〜15の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  17. 工程1で、水/(水硬性粉体とシリカを含む高強度混和材との合計)の比が10質量%以上22質量%以下の水硬性組成物を調製する、請求項9〜16の何れか1項記載の水硬性組成物の硬化体の製造方法。
  18. (A)芳香環を含む高分子化合物からなる水硬性粉体用分散剤と、(B)下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、及び下記一般式(B4)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物と、水硬性粉体と、シリカを含む高強度混和材と、骨材と、水とを含有する組成物の、遠心成型用水硬性組成物としての使用。
    Figure 2018043921

    〔式中、
    11、R21、R31、R41は、それぞれ独立に、炭素数4以上27以下の炭化水素基、
    22は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    32、R33は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    Xは、O又はCOO、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    は、AOの平均付加モル数であり、1以上200以下の数、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数、
    、Yは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又はSOMであり、Y、Yの少なくとも一方はSOMであり、
    、nは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、nとnの合計は1以上200以下の数であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、nが0の場合は、Yは水素原子であり、
    Mは、対イオン、
    を表す。〕
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