JP2018043905A - セメント混合用シリカ質焼成物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents

セメント混合用シリカ質焼成物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】廃棄物の有効利用に寄与し、セメント用原料としてこれまでの混合材と同等以上の特性を発揮し得るセメント混合用シリカ質焼成物等の提供。
【解決手段】石炭灰A、前記石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料の焼成物であって、前記焼成物の化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である、セメント混合用シリカ質焼成物等。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメント混合用シリカ質焼成物及びその製造方法、セメント組成物及びその製造方法に関する。
セメント用原料として、廃棄物を有効に利用しようとする提案が近年数多くなされている。例えば、ポルトランドセメントの規格(JISR5210)においては、少量添加成分として石灰石、シリカ質混合材、高炉スラグ、及びフライアッシュの4種が規定されている。また、高炉セメントに利用できる混合材としては、コンクリート用高炉スラグ微粉末(JISA6026)が規定され、フライアッシュセメントに利用できる混合材としては、コンクリート用フライアッシュ(JISA6201)が規定されている。
ところで、最近では石炭火力発電所の増設・リプレイスが計画されており、今後ますます石炭灰の発生増が予想される。そのため、この石炭灰の有効利用用途の検討が急務となっている。
このような中、特許文献1では、Al等のアルミニウム成分を高濃度で含有する無機廃棄物を多量に処理することができ、しかも、得られる硬化体の物性において問題のないセメント組成物を得ることが可能なセメント組成物の製造方法が提案されている。また、特許文献2では、火力発電所や石炭焚きボイラーなどから排出される石炭灰(フライアッシュを含む)を主たる原料として容易かつ多量に使用することが出来る結晶化骨材の製造方法が提案されている。
また、特許文献3では、フライアッシュを低温加熱処理し、未燃カーボンを減少させた後、分級操作を行う技術も提案されている。
特許第4494743号公報 特許第4456832号公報 特許第4883623号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2は、セメントに混合することがJIS上できない問題点があった。またフライアッシュは未燃カーボンが含まれており、セメントの水和に影響があることから、少量添加成分として認められているものは石炭灰種I,II種のみである。ただ石炭灰I種,II種のフライアッシュは多くは発生しておらず、石炭火力発電所から排出される石炭灰について、セメント原料利用以外については、うまく利用できていないのが現状である。
特許文献3では、未燃カーボンが依然残存する等の課題があり、さらに、酸素濃度を低くして焼成する必要があり設備上の課題から大量生産には不向きで、コストがかかってしまう問題もある。
フライアッシュを始めとした石炭灰中には、未燃カーボンが含まれておりセメントへの混合は、未燃カーボンの浮き、凝結遅延、コンクリートのフレッシュ性状等の低下等を招くため、その使用に制限がある。
一方で、ポルトランドセメントへの少量添加成分については、既述の4種類の材料が規定されているが、この4種のうちシリカ質混合材を無機原料から調合し焼成して効率よく製造できれば、少量添加成分として利用可能となる。またフライアッシュ中に含まれるカーボンも焼成により燃焼除去されるため、カーボンによる影響がなくなるといったメリットもある。
以上から、本発明は、廃棄物の有効利用に寄与し、セメント用原料としてこれまでの混合材と同等以上の特性を発揮し得るセメント混合用シリカ質焼成物及びその製造方法、並びに、当該セメント混合用シリカ質焼成物をセメント原料としたセメント組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 石炭灰A、前記石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料の焼成物であって、
前記焼成物の化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、
リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である、セメント混合用シリカ質焼成物。
[2] 前記焼成用原料の少なくとも1種が前記石炭灰A又は石炭灰Bである、[1]に記載のセメント混合用シリカ質焼成物。
[3] 前記石炭灰A及び/又は石炭灰Bが、石炭火力発電設備で使用されるボイラーから排出された石炭灰である、[1]又は[2]に記載のセメント混合用シリカ質焼成物。
[4] 石炭灰A、前記石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料を混合して混合物を得る工程と、前記混合物を700℃以上1500℃以下で焼成し、化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である焼成物を得る工程とを含む、セメント混合用シリカ質焼成物の製造方法。
[5] [1]〜[3]のいずれかに記載のセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%以下である、セメント組成物。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載のセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%超50質量%以下である、セメント組成物。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載のセメント混合用シリカ質焼成物と、セメントクリンカとを混合し、粉砕する工程を含む、セメント組成物の製造方法。
本発明によれば、廃棄物の有効利用に寄与し、セメント用原料としてこれまでの混合材と同等以上の特性を発揮し得るセメント混合用シリカ質焼成物及びその製造方法、並びに、当該セメント混合用シリカ質焼成物をセメント原料としたセメント組成物及びその製造方法を提供することができる。
[1.セメント混合用シリカ質焼成物]
本発明のセメント混合用シリカ質焼成物の一態様は、石炭灰A、石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料の焼成物であって、焼成物の化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である。
石炭灰A及び石炭灰Bは、例えば、石炭火力発電所から発生する灰(特に、石炭火力発電設備で使用されるボイラーから排出された石炭灰)であり、微粉炭燃焼によって生成する。石炭灰A及び石炭灰Bとしては、燃焼ボイラーの燃焼ガスから空気余熱器又は節炭器等を通過する際に落下採取された石炭灰、電気集塵機で採取された石炭灰、燃焼ボイラーの炉底に落下した石炭灰等が挙げられる。これらの中では、JIS規格のフライアッシュが好ましい。
ここで、石炭灰Bは石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量(質量%)が多い。石炭灰Aにおける化学組成のSiOの含有量をXとし、石炭灰Bにおける化学組成のSiOの含有量をXとした場合、X/Xは、1を超えることが好ましく、1.05以上であることがより好ましい。
焼却灰は、一般廃棄物又は産業廃棄物を焼却処理することにより生じたものであり、粗粒子と細粒子とが凝集している凝集体、例えば、粗粒子の表面に複数の細粒子が付着した凝集体により構成されている。
ここで、粗粒子とは、粒径が0.5mm以上かつ30mm以下、好ましくは0.5mm以上かつ5.0mm以下の粒子のことであり、細粒子とは、粒径が0.5mm未満、好ましくは0.2mm以下の粒子のことである。
また、一般廃棄物とは、一般家庭の日常生活に伴って発生する生ごみ、不燃性ごみ、粗大ごみ等の家庭系一般廃棄物;事業活動に伴って発生する廃棄物のうち産業廃棄物以外の事業系一般廃棄物;を含むもので、いわゆる都市ごみのことである。さらに、産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生する燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、ゴムくず、金属くず、ガラスくず等である。
火山灰は、火山から噴出された無機物を指す。日本においては南北に広く多数の火山が存在し、噴出物も天然素材のため産地は特に限定できるものではないが、例えば、二酸化ケイ素が52質量%以上75質量%以下、かさ比重が1.5以上1.7以下の火山灰が好適に使用できる。
建設発生土は、汚染土壌、及び汚染土壌以外の建設工事に伴って発生する土砂等をいう。例えば、ビル等の建造物の建設、トンネル工事、河川や海岸の護岸、道路建設、修復等種々の工事により掘り起こされた土を包含する。
高炉スラグは、鉄鋼製造の過程で高炉から排出される溶融状態のスラグを水等で急冷してガラス質にした高炉水砕スラグ等が挙げられ、粉砕して粉末化したものを用いることが好ましい。
珪石は、石英の粒を主成分とし、緻密で硬質な白色又は灰色の堆積岩である。
石灰石は、炭酸カルシウム(CaCO)を主成分とした鉱物で、一般に、酸化マグネシウムやシリカ等の他の成分が少量含まれる。
焼成用原料の少なくとも1種は石炭灰A又は石炭灰Bであることが好ましい。石炭灰A又は石炭灰Bとすることで、石炭火力発電所からの石炭灰を有効に利用することができる。
なお、石炭灰同士を用いて調整された焼成物については、粒度調整等によりJISA6201のコンクリート用フライアッシュの規格を満足するのであれば、混合用フライアッシュとしても利用することが可能である。
また、上記の焼成用原料は、例えば、好ましくは700℃以上1500℃以下、より好ましくは750℃以上1300℃以下で焼成された焼成物とされる。焼成物であることで、未燃カーボン量を低減することができる。
この焼成物の化学組成のSiOの含有量は60質量%以上であり、64質量%以上90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。SiOの含有量が60質量%未満であると、従来の混和材を添加した場合と同等の特性を得ることができない。
上記の石炭灰A、石炭灰B、及び焼成物中のSiOの含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
焼成物の化学組成のCaOの含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。20質量%以下であることで、アノーサイトの量を減らすことができる。アノーサイトの量を減らすことで、流動性と強度発現性の低下を防ぐことができる。
また、この焼成物のリートベルト解析法(粉末X線回折リートベルト解析法(内標準添加法))により測定された非晶質相の含有量は30質量%以上であり、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、55質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。非晶質相の含有量が30質量%未満であると、従来の混和材を添加した場合と同等の特性を得ることができない。
リートベルト解析法では、非晶質相以外に、石英、クリストバライト、ムライト、アノーサイトといった構成鉱物の含有量も測定される。
石英の含有量は、20質量%以上であることが好ましい。クリストバライトの含有量は、30質量%以下であることが好ましい。ムライトの含有量は、20質量%以下であることが好ましい。アノーサイトの含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
[セメント混合用シリカ質焼成物の製造方法]
本発明のセメント混合用シリカ質焼成物の製造方法の一態様は、石炭灰A、石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料を混合して混合物を得る工程と、混合物を700℃以上1500℃以下で焼成し、化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である焼成物を得る工程とを含む。
特に、焼成物のSiO含有量が60%以上で、非晶質相の含有量が30質量%以上となるようにする原料調合を行い、700℃以上1500℃以下で焼成することで、種々の廃棄物や副産物の有効利用を図ることが可能となる。
また、原料中に含まれる有機物はセメントの水和阻害を起こしたり、コンクリートとした場合にフレッシュ性状等に影響を及ぼしたりする可能性があるが、焼成することでこれら有機物を除去することで、セメント用混和材として積極的に有効利用を図ることができる。
石炭灰A、石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料を混合して混合物を得る際には、そのままの状態で混合しても問題はないが、焼成時の反応性を高めるために、粉砕混合することが好ましく、90μmふるい残分量が20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であればより好ましい。
また、焼成前の原料混合物については、粉体のまま焼成しても構わないが、焼成方法により焼成工程におけるハンドリング及び反応性の向上のため、造粒しても構わない。造粒方法は一般的に適用されている、ブリケットマシンやコンパクタのような圧密成型機、パンペレタイザのような転動造粒機を用いてもよい。
焼成時の温度が700℃未満では、未燃カーボン等の有機物が残存するおそれがある。1500℃を超えると、完全に溶融してしまい、炉から流れ出してしまう。工業的に焼成しやすく、反応が十分に起こる温度という観点から、焼成温度は、700℃以上1400以下であることが好ましく、750℃以上1300℃以下であることがより好ましい。焼成後の冷却については特に制限されるものではないが、冷却速度を早くすると非晶質量を増やすこと可能となるため、コストとの関係等を考慮して調整することが好ましい。
焼成時間は、工業的に効率的な時間であればよいが、焼成時間を長くした場合、非晶質部分が結晶化することで、焼成物の混和材としての性能が低下することがある。標準的な時間としては、20分以上であることが好ましく、25分以上400分以下であることが好ましく、25分以上350分以下であることがさらに好ましい。
焼成雰囲気については特段の制御は不要であるが、クロムを含む原料がある場合、焼成物から六価クロムの溶出が懸念される。このような場合は、焼成を還元雰囲気とすることで、六価クロムへの転化を防止することができる。また、大量にセメントに混合する場合、焼成物の色が成型体の色に影響を与えることから、必要に応じて焼成雰囲気を調整しても構わない。
焼成方法は、ロータリーキルン、シャフトキルン、トンネルキルン、ローラーハースキルン、気流炉等一般に用いられる工業炉であれば特に制限されるものではない。
焼成物の構成鉱物としては、ムライトや石英の結晶質が見られるが、非晶質のハローも見られる。これら構成鉱物の割合は,化学成分及び加熱又は冷却速度に影響を受けるが、セメントへの少量添加成分や混合材として利用する場合、非晶質含有量には一定の制限がある。一般的には非晶質の含有量が多いほうが,ポゾラン反応性は高くなるため、活性度指数も高くなり好適となる。
[セメント組成物及びその製造方法]
本発明のセメント組成物の一態様は、既述の本発明の一態様に係るセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%以下であるセメント組成物である。混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%以下であることで、ポルトランドセメントとして適用することができる。
本発明のセメント組成物の他の態様は、既述の本発明の一態様に係るセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%超50質量%以下であるセメント組成物である。上記範囲であることで、シリカセメントとして適用することができる。
また、上記いずれのセメント組成物でも、長期強度を向上させることができる。
本発明のセメント組成物の製造方法の一態様は、既述の本発明の一態様に係るセメント混合用シリカ質焼成物と、セメントクリンカとを混合し、粉砕する工程を含む。
混合の際には、さらに石膏を添加してもよい。セメント組成物中の石膏の含有率はSO換算で、1〜5質量%とすることが好ましく、1.5〜3.5質量%とすることがより好ましい。
石膏としては、特に限定されず、例えば、二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、混合方法は特に限定されるものではない。各原料を同時混合した後に粉砕してもよく、各原料を別々に粉砕した後に混合してもよい。なお、混合手段及び粉砕手段は公知の手段とすることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
下記表1に示す原料を用い、下記表2及び表3に示す配合で各原料を混合しプレス成型した。その後、坩堝に入れ、電気炉にて所定温度で30分間又は300分間保持した後、電気炉より取り出し、空気中で自然放冷して常温まで冷やして、各焼成物を製造した。なお、電気炉内雰囲気は空気雰囲気とした。
得られた各焼成物について、粉末X線解析により原料や焼成物の化学組成の分析、リートベルト解析により構成鉱物の分析を行った。また、強熱減量(Ig.Loss)の測定も行った。結果を下記表1〜表4に示す。また、各分析の条件を以下に示す。
<粉末X線解析及びリートベルト解析>
以下の測定条件にて粉末X線回折測定を行い、XRD測定を行った。
i)粉末X線回折装置:粉末解析用X線回折装置 D8 ADVANCE(Bruker AXS社製)
ii)X線管球:Cu
iii)管電圧−管電流:40kV−40mA
iv)測定範囲(2θ):5〜70°
v)ステップ幅:0.025°
vi)計数時間:115.2秒/step
また、リートベルト解析における非晶質量等の構成鉱物の分析は内部標準物質として二酸化チタン(ルチル型)を用い、内部標準物質の添加率は10%としてXRD測定を行い、下記の結晶構造解析用ソフトウエアにてリートベルト解析を行った。初期構造及び初期値は解析ソフトウエアに付属するものを使用した。
結晶構造解析用ソフトウエア:TOPAS Version4.2(Bruker AXS社製)
<強熱減量(Ig.Loss)の測定>
強熱減量は、試料を950±25℃の温度条件下で15分間加熱した際の重量減少量から求めた。



各焼成物をセメントに下記のように混合し、モルタル試験を行った。
まず、焼成物をブレーン3500cm/gに粉砕した。その後、普通ポルトランドセメント(ブレーン3200cm/g)に5%置換して,モルタル試験を実施した。
<モルタル試験>
モルタル試験はJISR5201に準拠して実施した。材齢3日(3d)、7日(7d)、28日(28d)、91日(91d)におけるモルタル圧縮強さを下記表5に示す。
なお、参考として、焼成物を添加しない上記の普通ポルトランドセメント(ベース)についての結果も表5に示す。
上記表5より、各実施例では焼成物を添加することによる影響(特性の低下)は認められなかった。
次に、実施例1−1、1−2、比較例1、実施例6−1、6−2、比較例6、実施例7−1、7−2、比較例7について、焼成物の添加量を増やした場合の影響を調べた。添加量としては10質量%、20質量%、30質量%とした。結果を下記表6に示す。参考として、焼成物を添加しない上記の普通ポルトランドセメント(ベース)についての結果も表6に示す。
添加割合が増えるに従い、強度は低くなることが確認されたがシリカ質焼結物であることから、養生期間が長くなるほど差は小さくなっている。多添加においても十分利用できることが確かめられた。

Claims (7)

  1. 石炭灰A、前記石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料の焼成物であって、
    前記焼成物の化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、
    リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である、セメント混合用シリカ質焼成物。
  2. 前記焼成用原料の少なくとも1種が前記石炭灰A又は石炭灰Bである、請求項1に記載のセメント混合用シリカ質焼成物。
  3. 前記石炭灰A及び/又は石炭灰Bが、石炭火力発電設備で使用されるボイラーから排出された石炭灰である、請求項1又は2に記載のセメント混合用シリカ質焼成物。
  4. 石炭灰A、前記石炭灰Aよりも化学組成のSiOの含有量が多い石炭灰B、焼却灰、火山灰、建設発生土、高炉スラグ、珪石、及び石灰石からなる群より選ばれる少なくとも2種を含む焼成用原料を混合して混合物を得る工程と、前記混合物を700℃以上1500℃以下で焼成し、化学組成のSiOの含有量が60質量%以上であり、リートベルト解析法により測定された非晶質相の含有量が30質量%以上である焼成物を得る工程とを含む、セメント混合用シリカ質焼成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%以下である、セメント組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント混合用シリカ質焼成物の含有量が5質量%超50質量%以下である、セメント組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント混合用シリカ質焼成物と、セメントクリンカとを混合し、粉砕する工程を含む、セメント組成物の製造方法。
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