JP2018041589A - 車両用前照灯 - Google Patents
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(1)車両前方を照射する灯具ユニットと共に、標識灯具ユニットが備えられている車両用前照灯において、
前記灯具ユニットの前方にインナーレンズが、該灯具ユニットを覆うようにして配置され、
前記インナーレンズが、外部から内部に向けての外部光の一部を反射するように構成されている構成とされている。
この構成によれば、インナーレンズの性質に基づき、その内部から外部への灯具ユニットの出射光について、制限を受けないようにすることができる一方、外部から内部に向けての外部光については、その一部を反射して、灯具ユニットを見えにくくすることができる。
前記インナーレンズが、下方側から上方側に向うに従って前方に向うように傾斜されている構成とされている。
この構成によれば、灯具ユニットの点灯時には、その灯具ユニットの出射光をインナーレンズの内部から外部へ問題なく出射できる一方、灯具ユニットの消灯時には、車両外の人間の視点側からインナーレンズに入射する外部光がそのインナーレンズ表面において反射することが高められることになり、インナーレンズの内部に外部光が入り込むことを抑制して、灯具ユニットを具体的に見えにくくすることができる。
前記インナーレンズの表面及び内面のうち、少なくとも一方の面が、外部から内部に向けての入射光の一部を反射させる反射面として形成されている構成とされている。
この構成によれば、灯具ユニットの点灯時には、インナーレンズの反射面の透過性に基づき、その灯具ユニットの出射光を、通常通り、インナーレンズの内部から外部へ通過させることができる一方、灯具ユニットの消灯時には、明るい外部からインナーレンズの反射面を見ても、暗い側のインナーレンズの内部側から透過する弱い光に重なって明るい外部の反射光が目に届くため、インナーレンズの内部側からの透過光が目立たなくされ、灯具ユニットを具体的に見えにくくすることができる。
前記標識灯具ユニットの前面が、前記灯具ユニットの前面よりも前方に配置されている構成とされている。
これによれば、標識灯具の点灯により、該標識灯具よりも後方に位置する灯具ユニットの存在領域を相対的に暗くすることができ、灯具ユニットを見えにくくすることができる。
前記インナーレンズの表面及び内面のうち、少なくとも一方の面が、外部から内部に向けての外部光の一部を反射させる反射面として形成されている構成とされている。
この構成によれば、前述の(2)の構成に基づく作用効果及び(3)の構成に基づく作用効果を同時に得ることができる。
前記標識灯具ユニットの前面が、前記灯具ユニットの前面よりも前方に配置されている構成とされている。
この構成によれば、前述の(5)の構成に基づく作用効果及び(4)の構成に基づく作用効果を同時に得ることができる。
図1において、符号1は、第1実施形態に係る車両用灯具としての右前照灯(以下、前照灯という)を示す。この前照灯1は、他の前照灯(左前照灯)と共に車両前部に取付けられて、車両前方を照射する。
標識灯具ユニット配設領域9は、支持部材前面8bの上部、外側側部(図1中、左側の側部)及び下部の各領域9a,9b,9cにおいて設定されており、その標識灯具ユニット配設領域9は、支持部材前面8bにおける内側側部を除き、その支持部材前面8bの外周部分を連続的な態様をもって占めている(図1において、後述の導光レンズ16aの形状を参照)。この標識灯具ユニット配設領域9のうち、上部領域9aにおいては、支持部材前面8bが、その支持部材前面8bの外周縁部(例えば、エイミングスクリュ11a等により取付けられる外周縁部分)よりも多少、突出された突出部41を有しており、その突出部41は、その先端面41aを上下方向に一定幅とされた平坦面としつつ横方向に伸ばされている。外側側部領域9bにおいては、支持部材前面8bの上部での厚みが、下側に向うに従って階段状に増加することになっている。下部領域9cにおいては、支持部材前面8bが、上部領域9aよりも大きく突出された突出部42を有しており、その突出部42には、平坦な先端面42aと、平坦な上面42bとが形成されている(図2参照)。尚、標識灯具ユニット配設領域9における上部領域9a及び下部領域9cの上下方向の範囲については、図2において、矢印をもって示す範囲となる。
標識灯具ユニット16には、導光レンズ16aと、光源としての複数の発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode))16bと、が備えられている。
導光レンズ16aとしては、標識灯具ユニット配設領域9の形状に対応した形状のものが用いられている。具体的には、導光レンズ16aは、上側レンズ部16aa、側方側レンズ部16ab及び下側レンズ部16acを一体的に備えており、この導光レンズ16aは、支持部材8に取付けられることにより、支持部材前面8bの前方において、上側レンズ部16aaが支持部材前面8bの上部領域9aを覆い、側方側レンズ部16abが支持部材前面8bの外側側部領域9bを覆い、下側レンズ部16acが支持部材前面8bの下部領域9cを覆っている。この導光レンズ16aは、その前面16afが、透光カバー3の前面の傾斜に伴い、上方に向うに従って後方に向うように傾斜され、その導光レンズ16aにおける上側レンズ部16aaの後端は、その下側レンズ部16acの後端よりも後方に引っ込んでいる。
複数の発光素子16bは、標識灯具ユニット配設領域9において、支持部材前面8bに取付けられており、その複数の発光素子16bは、標識灯具ユニット配設領域9の伸び方向に一定間隔毎に配置されている。
尚、図1中、符号18は、導光レンズ16aの周囲を覆うエクステンションリフレクタを示す。
ロービームユニットLUは、ロービーム照射を行い、それに基づき前方(例えば25m前方に配置された仮想鉛直スクリーン上)にロービーム配光パターンを形成するように設定されており、そのようなロービームユニットLUとして、例えばプロジェクタ型等のロービームユニットが用いられている。このため、ロービームユニットLUには、図1に示すように、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズ19を初めとして、光源、リフレクタ、遮光シェード等の構成要素(図示略)が備えられている。
ハイビームユニットHUは、本実施形態においては、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズ25と、その投影レンズ25の後方に配置されて白色レーザ光を発生させる光源ユニットとしてのレーザ光源ユニット26と、そのレーザ光源ユニット26から出射される白色レーザ光をハイビームとして投影レンズ25に向けて反射させる出射方向調整機構27と、を備えている。
レーザ光源ユニット26は、前記突出部上面42b上に配置されるハウジング44と、そのハウジング44内に設けられるレーザダイオード(例えば青色レーザダイオード)45と、そのレーザダイオード45からのレーザ光の出射領域であるハウジング44上部の貫通孔に保持されてレーザ光を白色レーザ光に波長変換する蛍光体(例えば黄色蛍光体)46と、を備えており、このレーザ光源ユニット26は、白色レーザ光を蛍光体46上方に出射する。勿論、このレーザ光原ユニット26においては、必要に応じて、ハウジング44内に光学系(例えば集光レンズ)を設けてもよい。
出射方向調整機構27としては、本実施形態においては、MEMSミラー27Aが用いられている。そのMEMSミラー27Aは、前記投影レンズ25の後方領域(ハイビーム配設領域13)において、支持部材前面8bに取付けられており、このMEMSミラー27Aには、図示を略すアクチュエータにより上下左右方向に向きを変化させることができる反射部(図示略)が備えられている。そのMEMSミラー27Aの反射部は、レーザ光源ユニット26からの白色レーザ光を受止め、その白色レーザ光を投影レンズに向けて反射する。このとき、MEMSミラー27Aの反射部は、白色レーザ光を前方に向けて適宜、走査させることになる。
これにより、ハイビームユニットHUは、ハイビーム照射を行い、それに基づき前方にハイビーム配光パターンを形成することになる。勿論この場合、レーザ光源ユニット26とMEMSミラー27Aとを用いることにより、ハイビームユニットHUをコンパクト化すると共に、配光パターンを適宜、変更することができる。
インナーレンズ47は、前面部47aとその前面部47aの周縁部から後方に伸びる周壁部47bとを一体的に有している。
前面部47aは、一定幅の下で伸びる帯板形状に形成されており、その前面部47aは、前記導光レンズ16aにおける前記上側レンズ部16aaと前記下側レンズ部16acとの間を跨ぎつつ、横方向(図1中、左右方向)に伸びている。このため、上側レンズ部16aaと下側レンズ部16acとの間の開口全体は前面部47aにより覆われている。
この前面部47aは、図2に示すように、下方側から上方側に向うに従って前方に向うように傾斜されている。これにより、図4に示すように、ハイビームユニットHU及びロービームユニットLUの消灯時において、車両外の人間の視点側からインナーレンズ前面部47aに外部光48が入射するときには、インナーレンズ前面部47aが起立している場合(図4中、インナーレンズ前面部47a及び外部光48を仮想線をもって示す)に比べて、そのインナーレンズ前面部前面47aa(表面)での外部光48の反射が高まることになり、外部光48がインナーレンズ47の内部に入り込むことが抑制される(図4中、インナーレンズ前面部47a及び外部光48を実線をもって示す)。このため、インナーレンズ47の内部から外部への透過光(内部での反射に基づくもの)が抑えられることになり、ハイビームユニットHU及びロービームユニットLUは外部から見えにくくなる。このインナーレンズ前面部47aの傾斜角度としては、鉛直方向に対して、20°〜45°の範囲が好ましい。
勿論この場合、インナーレンズ前面部47aが傾斜していても、ハイビームユニットHU又はロービームユニットLUの点灯時には、インナーレンズ47の性質に基づき、そのハイビームユニットHU又はロービームユニットLUの出射光はインナーレンズ47の内部から外部へ問題なく出射されることになる。
尚、図1においては、ロービームユニットLU、ハイビームユニットHUの前方にインナーレンズ47が存在し、そのインナーレンズ47の前方に透光カバー3が存在するが、見易くするために便宜上、ロービームユニットLU、ハイビームユニットHU、インナーレンズ47等については、実線をもって描かれている。
このような反射膜50をインナーレンズ47の前面部前面47aaに生成するに際しては、錫、銀、アルミニウム等のめっきや蒸着等が行われ、その反射光と透過光の割合は反射膜50の厚みにより調整される。
勿論この場合、ハイビームユニットHU又はロービームユニットLUが点灯されたときには、反射膜50の透過性に基づき、ハイビーム又はロービームが、インナーレンズ47及び反射膜50を通過して前方を照射する。
尚、本実施形態においては、図2に示すように、インナーレンズ47の下部から前方に向けて張り出す張り出し部47dが設けられており、前方側から反射膜50を見たときにこの張り出し部47dが見えるようにされている。このため、反射膜50、インナーレンズの前面部前面47aaが外部光により光り輝いて見えることが抑制される。
この結果、標識灯具ユニット16を相対的に目立たせることができることになり、デザイン上の要請を満たすことができる。
投影レンズ19は、前記第1実施形態同様、車両前後方向に延びる光軸上に配置され、その投影レンズ19は、ハイビームユニットHUの投影レンズ25と共にインナーレンズ47(周壁部47内の空間49)内に配置されている。
レーザ光源ユニット52は、投影レンズ19の後方焦点よりも後方において、支持部材前面8bから突出する突出部55の平坦な上面55a上に配置されている。このレーザ光源ユニット52としては、ハイビームユニットHUのレーザ光源ユニット52と同様の構造のものが用いられており、このレーザ光源ユニット52は、ハウジング56内に設けられるレーザダイオード(例えば青色レーザダイオード)57から出射されるレーザ光がハウジング56上部の貫通孔に保持される蛍光体(例えば黄色蛍光体)58により波長変換されることにより、白色レーザ光を蛍光体58上方に出射する。この場合、レーザダイオード57からのレーザ光が蛍光体58により散乱されることから、白色レーザ光は拡散光となる。
リフレクタ53は、レーザ光源ユニット52を上方から覆うように配置されており、そのリフレクタ53の反射面は、レーザ光源ユニット52からの白色レーザ光を投影レンズ19に向けて反射する。
遮光シェード54は、リフレクタ21からの反射光の一部を遮光し、投影レンズ19の前方(車両前方)にロービームの配光パターンを形成する。
第1標識灯具ユニット16Aは、インナーレンズ周壁部47bの上方に配置されており、その第1標識灯具ユニット16Aには、前記第1実施形態に係る導光レンズ16の上側レンズ部に代わるリフレクタ16Arと、発光素子(例えばLED)16Abとが備えられている。リフレクタ16Arは、インナーレンズ周壁部47b上において、複数のリフレクタ構成部59が横方向に隣接した構成とされており、そのリフレクタ16Arは、インナーレンズ47に対して平行な状態で伸ばされている。この各リフレクタ構成部59は、下方に向かうに従って前方に向かうように湾曲されており、その湾曲凸面は、右斜め下方に向けられている(図7参照)。発光素子16Abは上記リフレクタ構成部59毎にそれぞれ設けられており、その各発光素子16Abは各リフレクタ構成部59の上方領域にそれぞれ配置され、各発光素子16Abからの出射される出射光は、各リフレクタ構成部59により反射されることにより車体前方に出射されることになっている。
(1)反射膜50を、インナーレンズ前部47aの内面に被覆すること。
(2)ハイビームユニット及びロービームユニットの光源として、各種光源(LED,レーザダイオード等)を適宜、選択して用いること。
16 標識灯具ユニット
16A 第1標識灯具ユニット
16B 第2標識灯具ユニット
19 ロービームユニットの投影レンズ
25 ハイビームユニットの投影レンズ
47 インナーレンズ
47a インナーレンズの前面部
47aa インナーレンズの前面部前面(表面)
50 反射膜(反射面)
LU ロービームユニット(灯具ユニット)
HU ハイビームユニット(灯具ユニット)
Claims (6)
- 車両前方を照射する灯具ユニットと共に、標識灯具ユニットが備えられている車両用前照灯において、
前記灯具ユニットの前方にインナーレンズが、該灯具ユニットを覆うようにして配置され、
前記インナーレンズが、外部から内部に向けての外部光の一部を反射するように構成されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項1において、
前記インナーレンズが、下方側から上方側に向うに従って前方に向うように傾斜されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項1において、
前記インナーレンズの表面及び内面のうち、少なくとも一方の面が、外部から内部に向けての外部光の一部を反射させる反射面として形成されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項1において、
前記標識灯具ユニットの前面が、前記灯具ユニットの前面よりも前方に配置されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項2において、
前記インナーレンズの表面及び内面のうち、少なくとも一方の面が、外部から内部に向けての外部光の一部を反射させる反射面として形成されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。 - 請求項5において、
前記標識灯具の前面が、前記灯具ユニットの前面よりも前方に配置されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。
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