JP2018040951A - 液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤を提供すること。【解決手段】トナー粒子と、キャリア液と、脂肪族ポリアミンセグメント及びポリシロキサンセグメントを有する高分子化合物とを含む液体現像剤。【選択図】図1

Description

本発明は、液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成に用いる現像剤として、キャリア液中にトナー粒子が分散された液体現像剤が知られている。
特許文献1には、絶縁性液体と、樹脂材料及び着色剤を含む母粒子にアクリル変性シリコーンが付着したトナー粒子と、シラノール基含有ポリシロキサン及びフッ素変性シリコーンの少なくとも一方と、を含む液体現像剤が開示されている。
特許文献2には、トナー粒子と、キャリア液と、アミノ基含有エチレン性不飽和単量体と直鎖部分及び分岐部分を有するアルキル基含有エチレン性不飽和単量体とを少なくとも共重合してなりアミン価が5乃至150mgKOH/gである高分子分散剤と、を含む液体現像剤が開示されている。
特許文献3には、絶縁性液体と、窒素原子を含有する荷電制御剤の一部が表面に露出したトナー母粒子にシリコーン鎖と塩基性官能基とを有する分散剤が付着したトナー粒子と、を含む液体現像剤が開示されている。
特許文献4には、キャリア液と、ポリエステル樹脂を含み高分子アミン類により表面処理されたトナー粒子と、カルボキシル基含有シリコーン化合物と、を含有する液体現像剤が開示されている。
特許文献5には、ポリエチレンイミンと12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合ポリエステルとの反応の生成物である重量平均分子量2000乃至7500のアミド化合物を分散剤として用いた液体現像剤が開示されている。
特開2014−071370号公報 特開2013−205623号公報 特開2012−215788号公報 特開2014−038220号公報 特開2014−142624号公報
本発明は、分散剤として、脂肪族ポリアミンセグメント及び脂肪族ポリエステルセグメントのみを有する高分子化合物のみを含む場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
トナー粒子と、
キャリア液と、
脂肪族ポリアミンセグメント及びポリシロキサンセグメントを有する高分子化合物と、
を含む液体現像剤。
請求項2に係る発明は、
前記高分子化合物が、さらに、脂肪族ポリエステルセグメントを有する、請求項1に記載の液体現像剤。
請求項3に係る発明は、
前記高分子化合物が、さらに、長鎖炭化水素基を有する、請求項1又は請求項2に記載の液体現像剤。
請求項4に係る発明は、
前記高分子化合物において、前記脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数と前記ポリシロキサンセグメントの平均個数との比が1:0.5乃至1:5である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項5に係る発明は、
前記トナー粒子がポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項6に係る発明は、
前記キャリア液が、脂肪族炭化水素を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される液体現像剤カートリッジ。
請求項8に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項9に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1、2、3、5及び6に係る発明によれば、分散剤として、脂肪族ポリアミンセグメント及び脂肪族ポリエステルセグメントのみを有する高分子化合物のみを含む場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によれば、脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数とポリシロキサンセグメントの平均個数との比が前記範囲外である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項7に係る発明によれば、液体現像剤が分散剤として、脂肪族ポリアミンセグメント及び脂肪族ポリエステルセグメントのみを有する高分子化合物のみを含む場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤カートリッジが提供される。
請求項8及び9に係る発明によれば、液体現像剤が分散剤として、脂肪族ポリアミンセグメント及び脂肪族ポリエステルセグメントのみを有する高分子化合物のみを含む場合に比べ、細線再現性に優れる画像形成装置及び画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味する。
本開示において、セグメントとは、高分子化合物の分子中の部分構造であって、繰り返し構造からなる一繋がりの構造を意味し、直鎖状の構造であってもよく、分岐した構造であってもよく、架橋した構造であってもよい。
<液体現像剤>
本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子と、キャリア液と、脂肪族ポリアミンセグメント及びポリシロキサンセグメントを有する高分子化合物と、を含む。以下、脂肪族ポリアミンセグメント及びポリシロキサンセグメントを有する高分子化合物を「特定分散剤」ともいう。特定分散剤は、単一分子中に、脂肪族ポリアミンセグメントとポリシロキサンセグメントとを有する。
特定分散剤は、脂肪族ポリアミンセグメントのアミノ基がトナー粒子(特に、カルボキシル基等の酸性基を有する結着樹脂を含むトナー粒子)に親和性を示し、ポリシロキサンセグメントがキャリア液(特に、炭化水素、シリコーンオイル)に親和性を示すと推測される。ポリシロキサンセグメントは、柔軟な主骨格を有し、側鎖を多数導入することができるセグメントであり、例えばアルキル基を多数導入したポリシロキサンセグメントは、例えば脂肪族ポリエステルセグメントに比べ、キャリア液に対する親和性に優れる。よって、特定分散剤は、例えば、脂肪族ポリアミンセグメント及び脂肪族ポリエステルセグメントのみを有する高分子化合物に比べ、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能に優れる。
本実施形態に係る液体現像剤においては、特定分散剤がトナー粒子の分散性に優れるため、トナー粒子同士が凝集して粗大粒子を形成することが抑制される。
本実施形態に係る液体現像剤においては、トナー粒子同士が凝集して粗大粒子を形成することが抑制されるため、本実施形態に係る液体現像剤を適用した画像形成装置及び画像形成方法は、細線再現性に優れる。
以下、本実施形態に係る液体現像剤の成分を詳しく説明する。
[キャリア液]
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体である。キャリア液は、不揮発性又は揮発性のいずれでもよいが、不揮発性のキャリア液が好ましい。本実施形態に係る液体現像剤において、絶縁性とは、電気伝導率が10−10S/m以下であることを意味し、不揮発性とは、引火点が130℃以上であること、又は、150℃下で24時間放置した際の揮発量が8質量%以下であることを意味する。引火点は、JIS K2265−4:2007に従って測定される温度である。
キャリア液としては、炭化水素(脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素);ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリオール化合物;などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
キャリア液としては炭化水素が好ましく、本実施形態に係る液体現像剤においてキャリア液は、炭化水素を主成分とすることが好ましい。キャリア液の主成分とは、キャリア液全体の50質量%以上を占める化学物質である。炭化水素としては、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、ナフテン、オレフィン等の脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。キャリア液としては、脂肪族炭化水素が好ましく、パラフィンがより好ましく、イソパラフィンが更に好ましい。キャリア液全体に占める炭化水素(好ましくは脂肪族炭化水素、より好ましくはパラフィン)の割合は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が更に好ましく、キャリア液は実質的に炭化水素のみであることが特に好ましい。
炭化水素の市販品例としては、エクソンモービル社の「アイソパーL」(イソパラフィン)、「アイソパーM」(イソパラフィン)、「エクソールD80」(ナフテン)、「エクソールD110」(ナフテン)、「ソルベッソ100」(芳香族炭化水素)、「ソルベッソ150」(芳香族炭化水素);MORESCO社の「モレスコホワイトP−40」(パラフィン)、「モレスコホワイトP−100」(パラフィン)、「モレスコホワイトP−200」(パラフィン);JX日鉱日石エネルギー社の「ナフテゾール200」(ナフテン)、「ナフテゾール220」(ナフテン);などが挙げられる。
キャリア液は、例えば、特定分散剤以外の分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
[特定分散剤]
特定分散剤は、単一分子中に、少なくとも、脂肪族ポリアミンセグメントと、ポリシロキサンセグメントとを有する高分子化合物であり、その他のセグメントを有していてもよい。特定分散剤が有するその他のセグメントとしては、例えば、脂肪族ポリエステルセグメント、長鎖炭化水素基が挙げられる。
特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は、5000以上50000以下が好ましく、8000以上30000以下が更に好ましい。
特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。本測定は、測定装置としてHLC−8120GPC、SC−8020(東ソー)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHM−M(6.0mmID×15cm)(東ソー)を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用いる。測定条件は、試料濃度0.5質量%、流速0.6mL/min、サンプル注入量10μL、測定温度40℃とし、RI検出器で検出を行う。検量線は、東ソー「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成する。
−脂肪族ポリアミンセグメント−
脂肪族ポリアミンセグメントとしては、ポリエチレンイミン鎖、ポリプロピレンイミン鎖等のポリアルキレンイミン鎖;ポリアリルアミン鎖;ポリビニルアミン鎖;ポリジアリルアミン鎖;などが挙げられる。これらの鎖は、特定分散剤1分子中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。脂肪族ポリアミンセグメントとしては、ポリエチレンイミン鎖又はポリアリルアミン鎖が好ましく、ポリエチレンイミン鎖がより好ましい。
特定分散剤1分子当たりの脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数は、1個以上2個以下が好ましく、1個がより好ましい。
脂肪族ポリアミンセグメント1個当たりの重量平均分子量は、トナー粒子に対する該セグメントの親和性の観点から、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、キャリア液への特定分散剤の溶解性の観点から、20000以下が好ましく、15000以下がより好ましい。
特定分散剤の全質量に占める脂肪族ポリアミンセグメント全量の質量割合は、トナー粒子に対する特定分散剤の親和性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、キャリア液への特定分散剤の溶解性の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。
−ポリシロキサンセグメント−
ポリシロキサンセグメントは、シロキサン結合が連なったセグメントである。ポリシロキサンの側鎖としては、水素原子、アルキル基、フェニル基等が挙げられ、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましい。ポリシロキサンセグメントとしては、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、ポリアルキル(C1乃至C6)シロキサン鎖が好ましく、ポリジメチルシロキサン鎖がより好ましい。
ポリシロキサンセグメント1個当たりの重量平均分子量は、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、キャリア液への特定分散剤の溶解性の観点から、20000以下が好ましく、15000以下がより好ましく、10000以下が更に好ましい。
特定分散剤1分子当たりの脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数と、特定分散剤1分子当たりのポリシロキサンセグメントの平均個数との比は、トナー粒子に対する特定分散剤の親和性と、キャリア液への特定分散剤の溶解性とを両立する観点から、1:0.5乃至1:5が好ましく、1:1乃至1:2がより好ましい。
特定分散剤は、例えば、片末端にエポキシ基を導入したポリシロキサン(「片末端エポキシ変性シリコーン」という。)又は片末端にカルボキシル基を導入したポリシロキサン(「片末端カルボキシル変性シリコーン」という。)を、脂肪族ポリアミンと反応させることにより製造することができる。
−脂肪族ポリエステルセグメント−
脂肪族ポリエステルセグメントは、特定分散剤に導入された場合、キャリア液に親和性を示すセグメントである。脂肪族ポリエステルセグメントとしては、例えば、脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸の縮重合体(自己縮重合体又は共縮重合体)、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮重合体、これらを組み合せた縮重合体が挙げられる。これら縮重合体は、3価以上のカルボン酸又は3価以上のアルコールを重合成分に含むことによって、架橋構造又は分岐構造を有していてもよい。
脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸としては、脂肪族ポリエステルセグメントの柔軟性の観点から、環構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸が好ましく、この場合、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、炭素数10以上20以下であることが好ましい。脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸としては、具体的には、例えば、10−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、10−ヒドロキシテトラデカン酸、12−ヒドロキシテトラデカン酸、10−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシヘキサデカン酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸(10−ヒドロキシステアリン酸)、12−ヒドロキシオクタデカン酸(12−ヒドロキシステアリン酸)、12−ヒドロキシイコサン酸、14−ヒドロキシイコサン酸等が挙げられる。脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、脂肪族ポリエステルセグメントの柔軟性の観点から、環構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましく、この場合、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、炭素数10以上20以下であることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、例えば、デカン二酸(セバシン酸)、2,9−ジメチルデカン二酸、ウンデカン二酸、2−オクチルウンデカン二酸、ドデカン二酸、4,9−ジエチルドデカン二酸、2−ヘキシルドデカン二酸、トリデカン二酸、2−ブチルトリデカン二酸、テトラデカン二酸、3,6,9,12−テトラメチルテトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、3−ブチルペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、2−ブチルヘキサデカン二酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジオールとしては、脂肪族ポリエステルセグメントの柔軟性の観点から、環構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族ジオールが好ましく、この場合、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、炭素数10以上20以下であることが好ましい。脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,12−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等が挙げられる。脂肪族ジオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ポリエステルセグメント1個当たりの重量平均分子量は、キャリア液にトナー粒子を分散させる分散性能の観点から、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、キャリア液への特定分散剤の溶解性の観点から、15000以下が好ましく、10000以下がより好ましい。
脂肪族ポリエステルセグメントは、末端にカルボキシル基を有する脂肪族ポリエステルを脂肪族ポリアミンセグメントと反応させることにより特定分散剤に導入することができる。
特定分散剤が脂肪族ポリエステルセグメントを有する場合、特定分散剤1分子当たりの脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数と、特定分散剤1分子当たりの脂肪族ポリエステルセグメントの平均個数との比は、1:1乃至1:10が好ましく、1:2乃至1:5がより好ましい。
−長鎖炭化水素基−
長鎖炭化水素基は、特定分散剤に導入された場合、キャリア液に親和性を示すセグメントである。長鎖炭化水素基は、例えば、炭素数が10以上20以下の炭化水素基である。
長鎖炭化水素基は、飽和炭化水素基でもよく不飽和炭化水素基でもよく、環構造を含まない炭化水素基でもよく環構造を含む炭化水素基でもよく、直鎖の炭化水素基でもよく分岐鎖の炭化水素基でもよい。
長鎖炭化水素基としては、該鎖の柔軟性の観点から、脂肪族炭化水素基が好ましく、脂肪族飽和炭化水素基がより好ましく、環構造を含まない脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。長鎖炭化水素基としては、炭素数10以上20以下の、環構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族飽和炭化水素基が好ましく、炭素数12以上18以下の、環構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族飽和炭化水素基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、例えば、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(イコサン酸)等の長鎖炭化水素基を有するモノカルボン酸;2−デシルオキシラン(1,2−エポキシドデカン)、2−ドデシルオキシラン(1,2−エポキシテトラデカン)、2−テトラデシルオキシラン(1,2−エポキシヘキサデカン)、2−ヘキサデシルオキシラン(1,2−エポキシオクタデカン)、2−オクタデシルオキシラン(1,2−エポキシイコサン)等の長鎖炭化水素基を有する単官能エポキシ化合物;を脂肪族ポリアミンセグメントと反応させることにより特定分散剤に導入することができる。単官能エポキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特定分散剤が長鎖炭化水素基を有する場合、特定分散剤1分子当たりの脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数と、特定分散剤1分子当たりの長鎖炭化水素基の平均個数との比は、1:1乃至1:10が好ましく、1:2乃至1:5がより好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤における特定分散剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下がより好ましく、1質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
一般的に分散剤は、液体現像剤中に多量に含有されると、記録媒体に対する定着画像の接着性を減弱させる場合があるが、特定分散剤は分散性能に優れるので、液体現像剤中に比較的少量含有させればよく、比較的少量の含有で済むので、記録媒体に対する定着画像の接着性を減弱させにくい。したがって、本実施形態に係る液体現像剤によれば、記録媒体に対する定着画像の接着性に優れる画像を形成できる。
[トナー粒子]
トナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。トナー粒子は着色剤を含まない透明トナーであってもよい。トナー粒子の表面には、外添剤が付着していてもよい。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上6μm以下が好ましく、0.1μm以上4μm以下がより好ましく、0.5μm以上3μm以下がより好ましい。
液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積粒度分布指標(GSDv)は1.5以下が好ましく、1.25以下がより好ましい。
以下、トナー粒子の材料について説明する。
−結着樹脂−
トナー粒子の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。トナー粒子の結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらとビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態においては、トナー粒子の結着樹脂として、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを併用する態様が好ましい。結晶性樹脂は、融解温度の前後で粘度の変化が大きく、分子が熱的に活動を開始してから溶融するまでの温度差が比較的小さいので、トナー粒子が結晶性樹脂を含むことにより、トナー粒子の保存安定性と低温定着性とが向上する。トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がより好ましい。
トナー粒子の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを併用してもよい。結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、全結着樹脂に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合は、2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)が好ましい。
樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを示すことを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。樹脂の「非晶性」とは、吸熱ピークの半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
−非晶性ポリエステル樹脂−
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましく、55℃以上65℃以下が更に好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって得たDSC曲線から求める。具体的にはJIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」に準じる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましく、8000以上30000以下が更に好ましく、8000以上20000以下が更に好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、公知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
材料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、縮重合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と縮重合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に縮重合させるとよい。
−結晶性ポリエステル樹脂−
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶構造を容易に形成するため、芳香環を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族の重合性単量体を用いた縮重合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を有するジカルボン酸、エチレン性二重結合を有するジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ただし、多価アルコール全体に占める脂肪族ジオールの割合が、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度(Tm)は、45℃以上110℃以下が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下が更に好ましい。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって得たDSC曲線から求める。具体的にはJIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」に準じる。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000超が好ましく、6000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましく、35000以下が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上が好ましく、4000以上がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、公知の製造方法により得られる。
本実施形態におけるトナー粒子において、結着樹脂の全含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系、石油系のワックス;などが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって得たDSC曲線から求める。具体的にはJIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」に準じる。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下が更に好ましく、5質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
[外添剤]
トナー粒子の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO、Ca(PO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。疎水化処理剤の量としては、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量は、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
[液体現像剤の製造方法]
本実施形態に係る液体現像剤は、例えば、トナー粗粒子を作製する造粒工程と、トナー粗粒子をキャリア液中で粉砕する湿式粉砕工程と、を経て製造される。
造粒工程は、乾式製法(例えば、混練粉砕法)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法)のいずれでもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法を採用してよい。湿式製法で得たトナー粗粒子には、洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を施して、乾燥した状態のトナー粗粒子を得ることが好ましい。乾燥状態のトナー粗粒子と外添剤とを混合し、トナー粗粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。
湿式粉砕工程は、キャリア液にトナー粗粒子を分散させた後、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライタ等のメディア式の湿式粉砕機を用いて、キャリア液中でトナー粗粒子を湿式粉砕する。特定分散剤は、例えば、キャリア液に予め添加しておき、特定分散剤を含むキャリア液にトナー粗粒子を分散させ、湿式粉砕を行う。または、キャリア液中でトナー粗粒子を湿式粉砕した後に、特定分散剤をキャリア液に添加する。
本実施形態に係る液体現像剤は、ほかに例えば、溶剤中でトナー粒子を湿式製法で作製し、必要に応じて溶剤をキャリア液に置換することにより製造される。この製造方法において湿式製法は、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等のいずれでもよく、公知の製法を採用してよい。湿式製法に用いる溶剤としては、キャリア液と同種の溶剤、キャリア液と置換できる溶剤(例えば、キャリア液よりも沸点の低い溶剤)、又はこれらの混合溶剤が好ましい。この製造方法においては、例えば、特定分散剤を含むキャリア液を湿式製法に用いる、又は、特定分散剤を含むキャリア液を湿式製法に用いた溶剤と置換する。
本実施形態に係る液体現像剤におけるキャリア液とトナー粒子の含有量比は、例えば、キャリア液100質量部に対し、トナー粒子が5質量部以上35質量部以下である。
<液体現像剤カートリッジ>
本実施形態に係る液体現像剤カートリッジは、本実施形態に係る液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジ内に収容されている液体現像剤は、例えば画像形成装置が備える供給管を通じて、画像形成装置の現像手段に供給される。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジの形態は限定されず、例えば、タンク状の形態、ボトル状の形態が挙げられる。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジの容量は、画像形成装置の大きさに応じて選択すればよい。
<画像形成装置及び画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、液体現像剤を収容し、液体現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段とを備える。本実施形態に係る画像形成装置は、液体現像剤として、本実施形態に係る液体現像剤を用いる。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、液体現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の画像形成装置である。本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する。
本実施形態に係る画像形成装置(画像形成方法)においては、定着装置(定着工程)が2段階の定着を行う形態であることが好ましい。定着装置(定着工程)は、具体的には、トナー画像に対し非接触で加熱を施す非接触式加熱装置(非接触式加熱工程)と、非接触式加熱装置での加熱後(非接触式加熱工程の後)に加熱しつつ加圧を施す加熱加圧装置(加熱加圧工程)と、を有することが好ましい。
記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体が適用される。例えば、熱可塑性樹脂フィルム、紙、OHPシート等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムの用途としては、ラベル、包装材料、ポスター等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ナイロン等のポリアミドフィルム;ポリカーボネート、ポリスチレン、変性ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸等のフィルム;などが挙げられる。これらのフィルムは、未延伸フィルム、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムのいずれでもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、単層又は多層のいずれの形態でもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、トナー定着を補助する表面コート層を有するフィルム、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等を施したフィルムでもよい。軟包装材料に用いるための熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、例えば、5μm以上250μm以下であり、好ましくは10μm以上100μm以下である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、感光体110(像保持体の一例)と、帯電装置112(帯電手段の一例)と、露光装置114(静電荷像形成手段の一例)と、現像装置120(現像手段の一例)と、転写装置130(転写手段の一例)と、定着装置140(定着手段の一例)と、クリーナ116とを備える。
感光体110は円柱形状を有し、感光体110の周囲に、帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、及びクリーナ116が順に設けられている。
帯電装置112は、感光体110の表面を帯電する。
露光装置114は、帯電した感光体110の表面を、画像信号に基づき、例えばレーザー光線によって露光して静電荷像を形成する。
現像装置120は、現像剤収容容器122と、現像剤供給ロール(アニロックスロール)124と、規制部材126と、現像ロール128とを備えている。
現像剤収容容器122は、液体現像剤Gを収容する。現像剤収容容器122には、液体現像剤Gを攪拌する攪拌部材(不図示)が設けられていてもよい。
現像剤供給ロール124は、現像剤収容容器122に収容された液体現像剤Gに一部が浸り、且つ、現像ロール128に近接(又は接触)するように設けられており、現像剤収容容器122中の液体現像剤Gを現像ロール128の表面に供給する。規制部材126は、現像剤供給ロール124による液体現像剤Gの供給量を制御する。
現像ロール128は、現像剤供給ロール124から供給された液体現像剤Gを保持し、液体現像剤Gによって、感光体110の表面に形成された静電荷像をトナー画像Tとして現像する。
転写装置130は、感光体110の表面に形成されたトナー画像Tが転写されるドラム状の中間転写体132と、中間転写体132の表面に転写されたトナー画像Tを記録媒体Pに転写する転写ロール134と、を備えた中間転写方式の装置である。
転写装置130は、例えば、ベルト状の中間転写体132を備えた構成であってもよいし、中間転写体132を備えず、転写ロール134により感光体110から直接、記録媒体Pにトナー画像Tを転写する直接転写方式の構成であってもよい。
定着装置140は、記録媒体Pの進行方向において転写装置130よりも下流側に設けられ、非接触式加熱装置142と加熱加圧装置144とを備える。
非接触式加熱装置142は、例えば、金属製の筐体の内部に熱源を備えた板状の加熱装置である。非接触式加熱装置142は、筐体の内部に熱源と共に送風装置を備えていてもよい。非接触式加熱装置142は、記録媒体のトナー画像が形成されている側に設けてもよく、記録媒体の背面側(トナー画像が形成されていない側)に設けてもよく、両側に設けてもよい。
加熱加圧装置144は、例えば、一対の加熱ロール144A及び加圧ロール144Bである。加熱ロール144A及び加圧ロール144Bは、記録媒体を挟んでニップを形成するように対向配置される。加熱ロール144Aの内部には、熱源が備えられている。加熱加圧装置144は、ほかに、加熱加圧ロールと加圧ベルトとを組合せた装置、加圧ロールと加熱加圧ベルトとを組合せた装置等であってもよい。
クリーナ116は、トナー画像の転写後の感光体110の表面に残留する転写残トナーを除去及び回収する目的で設けられる。
画像形成装置100は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体110の表面を除電する除電装置(不図示)を備えていてもよい。
以下、画像形成装置100による画像形成方法について説明する。
帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、定着装置140、及びクリーナ116は、感光体110の回転速度と同期をとって動作される。
まず、帯電装置112が、矢印B方向に回転する感光体110の表面を、予め定められた電位に帯電させる。
次に、露光装置114が、帯電した感光体110の表面を画像信号に基づき露光し、静電荷像を形成する。
現像装置120においては、現像剤供給ロール124が液体現像剤Gを現像ロール128の表面に供給し、矢印A方向に回転する現像ロール128が液体現像剤Gを感光体110に搬送する。
液体現像剤Gは、現像ロール128と感光体110とが近接(又は接触)する位置で、感光体110上の静電荷像に供給され、静電荷像を現像(顕像化)してトナー画像Tを形成する。
次に、感光体110の表面のトナー画像Tを、矢印C方向に回転する中間転写体132の表面に転写する。
次に、中間転写体132の表面に転写されたトナー画像Tを、転写ロール134との接触位置において、記録媒体Pに転写する。本転写は、転写ロール134と中間転写体132とによって記録媒体Pを挟み、中間転写体132の表面のトナー画像Tを記録媒体Pに密着させることにより実施される。
トナー画像Tが転写された記録媒体Pは定着装置140に搬送され、非接触式加熱装置142と加熱加圧装置144とを順に通過することにより、記録媒体Pの表面に定着画像が形成される。
非接触式加熱装置142の加熱温度は、記録媒体Pとして熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、70℃以上110℃未満が好ましく、80℃以上100℃以下がより好ましく、80℃以上90℃以下が更に好ましい。加熱の時間は、非接触式加熱装置142のプロセススピードによって決まる。
非接触式加熱装置142で加熱が施されたトナー画像は、さらに加熱加圧装置144(加熱ロール144A及び加圧ロール144B)により加熱及び加圧が施されることで、記録媒体Pに定着される。
加熱加圧装置144の加熱温度は、記録媒体Pとして熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、70℃以上110℃未満が好ましく、80℃以上100℃以下がより好ましく、80℃以上90℃以下が更に好ましい。加熱加圧装置44によって印加される圧力は、1.5kg/cm以上5kg/cm以下が好ましく、2kg/cm以上3.5kg/cm以下がより好ましい。
中間転写体132にトナー画像Tを転写した後の感光体110は、クリーナ116により転写残トナーが除去及び回収され、再び帯電工程へ移行する。
画像形成装置100は、感光体110、帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、及びクリーナ116を1つのユニットとし、このユニットが4つ並んで搭載されたタンデム方式のフルカラー画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、現像剤収容容器122に、トナーカートリッジ(不図示)からトナー粒子又は外添トナーを供給する方式としてもよく、液体現像剤カートリッジ(不図示)から液体現像剤を供給する方式としてもよい。トナーカートリッジ又は液体現像剤カートリッジは、液体現像剤の残量が無くなった際に交換し得るよう画像形成装置に着脱される構成としてもよい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<分散剤の合成>
[分散剤(1)]
脂肪族ポリアミンであるエポミンSP−018(日本触媒製)3部と、ポリシロキサンであるX−22−173BX(信越化学工業製)8.4部と、反応溶媒としてクロロホルム30部とをナスフラスコに入れた。ナスフラスコに攪拌子を入れ、冷却管を取り付けた。ナスフラスコをオイルバスに浸し、スターラーで反応系内を攪拌しながら、室温で1時間、45℃で1時間、65℃で6時間反応させた。反応後、エバポレーターでクロロホルムを減圧留去し、分散剤(1)を得た。
[分散剤(2)]
エポミンSP−018を、脂肪族ポリアミンであるエポミンSP−200(日本触媒製)に変更した以外は、分散剤(1)の合成と同様にして、分散剤(2)を得た。
[分散剤(3)]
エポミンSP−018を、脂肪族ポリアミンであるPAA−05(ニットーボー製)の水分除去した物に変更した以外は、分散剤(1)の合成と同様にして、分散剤(3)を得た。
[分散剤(4)]
エポミンSP−018を、脂肪族ポリアミンであるPAA−25(ニットーボー製)の水分除去した物に変更した以外は、分散剤(1)の合成と同様にして、分散剤(4)を得た。
[分散剤(5)]
脂肪族ポリアミンであるエポミンSP−018(日本触媒製)3部と、ポリシロキサンであるX−22−3710BX(信越化学工業製)6.8部とを三口フラスコに入れた。三口フラスコに攪拌器、リービッヒ冷却管及び窒素導入管を取り付けた。三口フラスコを150℃のオイルバスに浸し、8.5時間加熱攪拌して分散剤(5)を得た。
[分散剤(6)]
12−ヒドロキシステアリン酸(東京化成工業製)200部と、反応溶媒としてキシレン45部と、エステル化触媒として酸化ジブチル錫2部とを四口フラスコに入れた。四口フラスコに攪拌器及びリービッヒ冷却管を取り付けた。四口フラスコをオイルバスに浸し、130℃で1時間、190℃で11時間反応させ、12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮重合体(重量平均分子量1800)を得た。
12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮重合体1.8部と、分散剤(1)9.6部とを三口フラスコに入れた。三口フラスコに攪拌器、リービッヒ冷却管及び窒素導入管を取り付けた。三口フラスコを150℃のオイルバスに浸し、8.5時間加熱攪拌して分散剤(6)を得た。
[分散剤(7)]
脂肪族ポリアミンであるエポミンSP−018(日本触媒製)3部と、ポリシロキサンであるX−22−3710BX(信越化学工業製)11.2部と、前述の12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮重合体3部とを三口フラスコに入れた。三口フラスコに攪拌器、リービッヒ冷却管及び窒素導入管を取り付けた。三口フラスコを150℃のオイルバスに浸し、8.5時間加熱攪拌して分散剤(7)を得た。
[分散剤(8)]
分散剤(1)の合成と同様にして、但しさらに2−ドデシルオキシラン(東京化成工業製)0.2部を加えて分散剤(8)を合成した。
[分散剤(9)]
分散剤(5)の合成と同様にして、但しさらにラウリン酸(東京化成工業製)0.2部を加えて分散剤(9)を合成した。
[分散剤(10)]
脂肪族ポリアミンであるエポミンSP−018(日本触媒製)3部と、ポリシロキサンであるX−22−173BX(信越化学工業製)8.4部と、2−ドデシルオキシラン0.2部と、反応溶媒としてクロロホルム30部とをナスフラスコに入れた。ナスフラスコに攪拌子を入れ、冷却管を取り付けた。ナスフラスコをオイルバスに浸し、スターラーで反応系内を攪拌しながら、室温で1時間、45℃で1時間、65℃で6時間反応させた。反応後、エバポレーターでクロロホルムを減圧留去した。この反応の生成物と、前述の12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮重合体1.8部とを三口フラスコに入れた。三口フラスコに攪拌器、リービッヒ冷却管及び窒素導入管を取り付けた。三口フラスコを150℃のオイルバスに浸し、8.5時間加熱攪拌して分散剤(10)を得た。
[分散剤(11)]
分散剤(7)の合成と同様にして、但しさらにラウリン酸0.2部を加えて分散剤(11)を合成した。
[分散剤(12)]
分散剤(1)の合成と同様にして、但しX−22−173BXを42部に変更して分散剤(12)を合成した。
[比較用分散剤(1)]
比較用分散剤(1)として、ポリアミン/脂肪酸縮合物重合体であるソルスパース13940(ルーブリゾール製、重量平均分子量24200)を用意した。
[比較用分散剤(2)]
比較用分散剤(2)として、ポリエステルポリアミンであるソルスパース11200(ルーブリゾール製)を用意した。
表1に、分散剤(1)〜(12)の構成をまとめて示す。
<液体現像剤の製造>
[実施例1]
ポリエステル樹脂(テレフタル酸:フマル酸:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物=30モル部:70モル部:5モル部:95モル部の共重合体、重量平均分子量18000、ガラス転移温度60℃)100部に、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン)40部と、パラフィンワックス(日本精蝋HNP−9)50部とを加え、エクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒及び粗粒を分級し、体積平均粒径8μmのトナー粗粒子を得た。
イソパラフィン(商品名:アイソパーL、エクソンモービル社)100部に、分散剤(1)を0.25部混合し、そこにトナー粗粒子25部を加え、湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社DYNO−MILL KDL−A型)と直径1.0mmジルコニアビーズを用いて、2500rpmの条件で180分間湿式粉砕を行い、液体現像剤を得た。
[実施例2〜18]
分散剤の種類又は添加量を、表2に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
[実施例19〜21]
キャリア液を、表2に記載のとおり別の化学物質に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。ノルマルパラフィンは、MORESCO社「モレスコホワイトP−40」であり、ナフテンは、JX日鉱日石エネルギー社「ナフテゾール200」であり、ジメチルシリコーンオイルは、信越化学工業社「KF−96−20cs」である。
[比較例1]
分散剤を用いない以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
[比較例2〜3]
分散剤を、表2に記載のとおり別の分散剤に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
<液体現像剤の評価>
各実施例及び比較例の液体現像剤に、下記の評価を行った。
[トナー粒子の分散性(1):粒度分布]
粒径測定装置(大塚電子社FPAR−1000)を用いてMARQUARDT法により、液体現像剤中のトナー粒子の体積基準の粒度分布を得て、GSDv=(累積84%の粒径D84v/累積16%の粒径D16v)1/2を求め、下記のとおり分類した。
G4:GSDv<1.25。
G3:1.25≦GSDv<1.5。
G2:1.5≦GSDv≦2。
G1:2<GSDv。
[トナー粒子の分散性(2):保存安定性]
液体現像剤を40℃の恒温槽に14日間保管し、凝集がなかった場合、同条件にさらに16日間(合計30日間)保管し、保管後の液体現像剤を目視で観察し、下記のとおり分類した。
G4:30日後も凝集なく、再分散可。
G3:14日後に凝集なく、再分散可。30日後に一部凝集。
G2:14日後に一部凝集。
G1:14日後に凝集し、再分散不可。
[細線再現性]
液体現像剤を図1に示す構造の画像形成装置に装填し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社FOR、15μm厚)上に、細線画像(DNP社「ITE高精細度インメガサイクルチャート」)の形成を行った。定着画像の細線部を目視で確認し、下記のとおり分類した。
G3:滲みがなく、シャープな画像である。
G2:部分的に滲みがある。
G1:全体的に滲みがある。
[記録媒体に対する定着画像の接着性]
定着画像に、粘着テープ(3M社メンディングテープ810、幅18mm)を、荷重500gをかけて貼り付けた後、粘着テープを剥がして、画像の剥離の有無を下記のとおり分類した。
G3:画像剥離なし。
G2:一部剥離が生じた。
G1:大面積で剥離が生じた。
100 画像形成得装置
110 感光体(像保持体の一例)
112 帯電装置(帯電手段の一例)
114 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
116 クリーナ
120 現像装置(現像手段の一例)
122 現像剤収容容器
124 現像剤供給ロール
126 規制部材
128 現像ロール
130 転写装置(転写手段の一例)
132 中間転写体
134 転写ロール
140 定着装置(定着手段の一例)
142 非接触式加熱装置
144 加熱加圧装置
144A 加熱ロール
144B 加圧ロール
G 液体現像剤
T トナー画像
P 記録媒体

Claims (9)

  1. トナー粒子と、
    キャリア液と、
    脂肪族ポリアミンセグメント及びポリシロキサンセグメントを有する高分子化合物と、
    を含む液体現像剤。
  2. 前記高分子化合物が、さらに、脂肪族ポリエステルセグメントを有する、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記高分子化合物が、さらに、長鎖炭化水素基を有する、請求項1又は請求項2に記載の液体現像剤。
  4. 前記高分子化合物において、前記脂肪族ポリアミンセグメントの平均個数と前記ポリシロキサンセグメントの平均個数との比が1:0.5乃至1:5である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  5. 前記トナー粒子がポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  6. 前記キャリア液が、脂肪族炭化水素を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される液体現像剤カートリッジ。
  8. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  9. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018101008A (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 花王株式会社 液体現像剤

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