JP2017151392A - 液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤を提供すること。【解決手段】トナー粒子と、炭化水素を主成分とするキャリア液と、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位及びアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物と、を含む液体現像剤。【選択図】図1

Description

本発明は、液体現像剤、液体現像剤カートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
特許文献1には、樹脂粒子と、非水溶媒と、一官能性マクロモノマーと一官能性モノマーとが共重合したクシ型共重合体である分散安定用樹脂と、を含む液体現像剤が開示されている。
特許文献2には、(A)結着樹脂、(B)着色剤、(C)少なくとも、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体と、総炭素数9〜24且つ直鎖の炭素数6以上且つ分岐したアルキル基の総炭素数3以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体とを共重合してなる、アミン価が5〜150mgKOH/gの高分子分散剤、及び(D)キャリア液を含む液体現像剤が開示されている。
特許文献3には、トナー粒子と、絶縁性液体と、アミノ基を有するラジカル重合性モノマーとシリコーンマクロマーとを共重合したアクリル変性シリコーンと、シラノール基含有ポリシロキサン及び/又はフッ素変性シリコーンとを含む液体現像剤が開示されている。
特開平3−12666号公報 特開2013−205623号公報 特開2014−71370号公報
本発明は、キャリア液としてジメチルシリコーンオイルのみを含む液体現像剤、及び、炭化水素を主成分とするキャリア液とポリシロキサン鎖を有する単量体単位を含まずアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物とを含む液体現像剤に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
トナー粒子と、
炭化水素を主成分とするキャリア液と、
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位及びアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物と、
を含む液体現像剤。
請求項2に係る発明は、
前記キャリア液が、脂肪族炭化水素を主成分とする、請求項1に記載の液体現像剤。
請求項3に係る発明は、
前記アミノ基を有する単量体単位が、3級アミノ基を有する単量体単位である、請求項1又は請求項2に記載の液体現像剤。
請求項4に係る発明は、
前記高分子化合物が、さらに、長鎖炭化水素基を有する単量体単位を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項5に係る発明は、
前記トナー粒子がポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項6に係る発明は、
前記高分子化合物における前記ポリシロキサン鎖を有する単量体単位の含有割合が、全単量体単位に対して5モル%以上25モル%以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項7に係る発明は、
前記高分子化合物における前記アミノ基を有する単量体単位の含有割合が、全単量体単位に対して5モル%以上25モル%以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項8に係る発明は、
前記高分子化合物の重量平均分子量が5000以上50000以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液体現像剤。
請求項9に係る発明は、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される液体現像剤カートリッジ。
請求項10に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項11に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1、2又は5に係る発明によれば、キャリア液としてジメチルシリコーンオイルのみを含む液体現像剤、及び、炭化水素を主成分とするキャリア液とポリシロキサン鎖を有する単量体単位を含まずアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物とを含む液体現像剤に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記高分子化合物におけるアミノ基を有する単量体単位が1級アミノ基のみを有する単量体単位又は2級アミノ基のみを有する単量体単位である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記高分子化合物が長鎖炭化水素基を有する単量体単位を含まず短鎖炭化水素基を有する単量体を含む場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項6に係る発明によれば、前記高分子化合物におけるポリシロキサン鎖を有する単量体単位の含有割合が5モル%未満である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供され、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位の含有割合が25モル%超である場合に比べ、画像の定着性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項7に係る発明によれば、前記高分子化合物におけるアミノ基を有する単量体単位の含有割合が5モル%未満である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供され、アミノ基を有する単量体単位の含有割合が25モル%超である場合に比べ、画像の定着性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項8に係る発明によれば、前記高分子化合物の重量平均分子量が5000未満又は50000超である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤が提供される。
請求項9に係る発明によれば、液体現像剤が、キャリア液としてジメチルシリコーンオイルのみを含む液体現像剤、及び、炭化水素を主成分とするキャリア液とポリシロキサン鎖を有する単量体単位を含まずアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物とを含む液体現像剤である場合に比べ、トナー粒子の分散性に優れる液体現像剤カートリッジが提供される。
請求項10に係る発明によれば、液体現像剤が、キャリア液としてジメチルシリコーンオイルのみを含む液体現像剤、及び、炭化水素を主成分とするキャリア液とポリシロキサン鎖を有する単量体単位を含まずアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物とを含む液体現像剤である場合に比べ、細線再現性に優れる画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、液体現像剤が、キャリア液としてジメチルシリコーンオイルのみを含む液体現像剤、及び、炭化水素を主成分とするキャリア液とポリシロキサン鎖を有する単量体単位を含まずアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物とを含む液体現像剤である場合に比べ、細線再現性に優れる画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において、「アルカン」、「アルキル」、「アルキレン」、「アルケン」及び「アルケニル」は、鎖式炭化水素のみならず環式炭化水素をも含む。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクレート」及び「メタクリレート」のいずれをも含むことを意味する。
本開示において、高分子化合物の「単量体単位」には、単量体が重合してなる構成単位、及び、単量体が重合してなる構成単位に官能基が置換してなる構成単位が含まれる。
≪液体現像剤≫
本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子と、炭化水素を主成分とするキャリア液と、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位及びアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物と、を含む。以下、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位及びアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物を「特定分散剤」ともいう。
特定分散剤において「ポリシロキサン鎖を有する単量体単位」と「アミノ基を有する単量体単位」とは、必ずしも別個の単量体単位でなくてよい。「ポリシロキサン鎖を有し且つアミノ基を有する単量体単位」を含む高分子化合物も、特定分散剤に該当する。特定分散剤としては、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点、及び特定分散剤の合成が容易である観点から、「ポリシロキサン鎖を有する単量体単位」と「アミノ基を有する単量体単位」とが、別個の単量体単位として含まれている特定分散剤が好ましい。
特定分散剤の「ポリシロキサン鎖を有する単量体単位」には、ポリシロキサン鎖が単量体単位の側鎖(即ち、特定分散剤の側鎖)である形態、及び、ポリシロキサン鎖が単量体単位の主鎖(即ち、特定分散剤の主鎖)である形態が含まれ、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点、及び特定分散剤の合成が容易である観点から、ポリシロキサン鎖が単量体単位の側鎖である形態が好ましい。ポリシロキサン鎖が単量体単位の側鎖である形態において、側鎖内でのポリシロキサン鎖の位置は特に制限されるものではない。「ポリシロキサン鎖を有する単量体単位」においてポリシロキサン鎖は、側鎖の末端を構成していることが好ましい。
特定分散剤は、キャリア液である炭化水素への親和基であるポリシロキサン鎖と、トナー粒子への親和基であるアミノ基とを有する。特定分散剤は、ポリシロキサン鎖を有することによりキャリア液である炭化水素に溶解性を示し、且つ、アミノ基を有することによりトナー粒子(特に、カルボキシル基等の酸性基を有する結着樹脂を含むトナー粒子)に親和し、よって、炭化水素を主成分とするキャリア液を含む液体現像剤においてトナー粒子の分散能を示すと推測される。
そして、本実施形態に係る液体現像剤は、キャリア液の主成分が炭化水素であり、分散剤の親和基が炭化水素とは異種の化学物質であるポリシロキサン鎖である組合せにより、例えば、キャリア液の主成分がシリコーンオイルであり、分散剤の親和基がシリコーンオイルと同種の化学物質であるポリシロキサン鎖である組合せに比べ、トナー粒子の分散性に優れると考えられる。この理由は、以下のように推測される。
液体現像剤には環境中(例えば大気中)の水分子が混入することが避けがたいところ、本実施形態のようにキャリア液と分散剤の親和基とが異種の化学物質の組合せであると、両者の間に電荷の偏りが起り、この電荷の偏りが水分子の極性と作用し水分子を分散させるので、水分子のクラスター化に起因するトナー粒子の分散不安定化が抑制され、結果、トナー粒子の分散性(特に、経時でのトナー粒子の分散性)に優れるものと考えられる。
本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子の分散性に優れるため、トナー粒子同士が凝集した粗大粒子の含有が抑制される。本実施形態に係る液体現像剤は、トナー粒子の分散性に優れるため、細線再現性の低下が抑制される。
以下、本実施形態に係る液体現像剤の成分を詳しく説明する。
<キャリア液>
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体である。キャリア液は、不揮発性又は揮発性のいずれでもよいが、不揮発性のキャリア液が好ましい。本実施形態に係る液体現像剤において、絶縁性とは、電気伝導率が10−10S/m以下であることを意味し、不揮発性とは、引火点が130℃以上であること、又は、150℃下で24時間放置した際の揮発量が8質量%以下であることを意味する。引火点は、JIS K2265−4:2007に従って測定される温度である。
本実施形態に係る液体現像剤においてキャリア液は、炭化水素を主成分とする。キャリア液の主成分とは、キャリア液全体の50質量%以上を占める化学物質である。
炭化水素を主成分とするキャリア液とは、キャリア液全体に占める炭化水素の割合が50質量%以上のキャリア液である。キャリア液全体に占める炭化水素の割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、キャリア液は実質的に炭化水素のみであることが特に好ましい。
キャリア液の主成分である炭化水素としては、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、ナフテン、オレフィン等の脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。キャリア液の主成分である炭化水素としては、脂肪族炭化水素が好ましく、パラフィンがより好ましい。
炭化水素の市販品例としては、エクソンモービルの「アイソパーL」(イソパラフィン)、「アイソパーM」(イソパラフィン)、「エクソールD80」(ナフテン)、「エクソールD110」(ナフテン)、「ソルベッソ100」(芳香族炭化水素)、「ソルベッソ150」(芳香族炭化水素);MORESCO社の「モレスコホワイトP−40」(パラフィン)、「モレスコホワイトP−100」(パラフィン)、「モレスコホワイトP−200」(パラフィン);JX日鉱日石エネルギーの「ナフテゾール200」(ナフテン)、「ナフテゾール220」(ナフテン);などが挙げられる。
キャリア液は、炭化水素以外の溶剤を含んでいてもよい。炭化水素以外の溶剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリオール化合物;などが挙げられる。
キャリア液は、例えば、特定分散剤以外の分散剤、乳化剤、界面活性剤、安定化剤、湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル化剤、沈降防止剤、帯電制御剤、帯電防止剤、老化防止剤、軟化剤、充填剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
<特定分散剤>
特定分散剤は、少なくとも、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位とアミノ基を有する単量体単位とを含む高分子化合物であり、その他の単量体単位を含んでいてもよい。特定分散剤が含むその他の単量体単位としては、例えば、長鎖炭化水素基を有する単量体単位が挙げられる。特定分散剤が長鎖炭化水素基を有する単量体単位を含む場合、ポリシロキサン鎖を有する単量体単位と、アミノ基を有する単量体単位と、長鎖炭化水素基を有する単量体単位とは、別個の単量体単位である形態が好ましい。
特定分散剤は、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体が重合してなる共重合体である。この場合、特定分散剤の主鎖は、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体が重合してなる重合骨格であり、具体例としては、ポリ(メタ)アクリル骨格、ポリビニル骨格、ポリオレフィン骨格、ポリブタジエン骨格、ポリイソプレン骨格、これらが混合した骨格等が挙げられる。
特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は、5000以上50000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましく、15000以上35000以下が更に好ましく、20000以上30000以下が更に好ましい。
特定分散剤の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。本測定は、測定装置としてHLC−8120GPC、SC−8020(東ソー)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHM−M(6.0mmID×15cm)(東ソー)を2本用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用いる。測定条件は、試料濃度0.5質量%、流速0.6mL/min、サンプル注入量10μL、測定温度40℃とし、RI検出器で検出を行う。検量線は、東ソー「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成する。
[ポリシロキサン鎖を有する単量体単位]
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位には、ポリシロキサン鎖を有する単量体が重合してなる単量体単位と、ポリシロキサン鎖を有しない単量体が重合してなる単量体単位にポリシロキサン鎖を含む基を置換した単量体単位と、が含まれる。
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位のポリシロキサン鎖としては、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、ポリアルキル(C1乃至C6)シロキサン鎖がより好ましく、ポリジメチルシロキサン鎖が更に好ましい。
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位のポリシロキサン鎖の平均重合度は、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、キャリア液への特定分散剤の溶解性の観点から、60以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。
ポリシロキサン鎖を有する単量体(「ポリシロキサンマクロモノマー」ともいう。)は、例えば、ポリシロキサン鎖の片末端にエチレン性不飽和二重結合を導入することにより調製できる。ポリシロキサンマクロモノマーとしては、例えば、ポリシロキサンの片末端を(メタ)アクリル酸で変性してなる単量体が挙げられる。ポリシロキサンマクロモノマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位としては、下記の一般式(1)で表される単量体が重合してなる単量体単位が好ましい。
一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基である。Rは、炭素数1以上10以下の2価の脂肪族炭化水素基であり、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましい。R〜Rはそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基である。R〜Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子(例えばフッ素原子)で置換されていてもよい。mは平均重合度であり、5以上60以下が好ましく、10以上50以下がより好ましく、10以上30以下が更に好ましく、10以上20以下が更に好ましい。
ポリシロキサン鎖を有する単量体単位としては、下記の一般式(2)で表される単量体が重合してなる単量体単位がより好ましい。
一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基である。xは1以上6以下の整数であり、1以上4以下の整数が好ましく、2又は3がより好ましい。mは平均重合度であり、5以上60以下が好ましく、10以上50以下がより好ましく、10以上30以下が更に好ましく、10以上20以下が更に好ましい。
ポリシロキサンマクロモノマーの市販品例としては、チッソの「サイラプレーンFM−0711」(一般式(2)においてx=3であり、m=12である。重量平均分子量1000)、「サイラプレーンFM−0721」(一般式(2)においてx=3であり、m=67である。重量平均分子量5000)、「サイラプレーンFM−0725」(一般式(2)においてx=3であり、m=135である。重量平均分子量10000)などが挙げられる。ポリシロキサンマクロモノマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定分散剤を構成する全単量体単位に対するポリシロキサン鎖を有する単量体単位の含有割合は、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、5モル%以上が好ましく、8モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、画像の定着性の観点から、25モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。
[アミノ基を有する単量体単位]
アミノ基を有する単量体単位には、アミノ基を有する単量体が重合してなる単量体単位と、アミノ基を有しない単量体が重合してなる単量体単位にアミノ基を置換した単量体単位と、が含まれる。
アミノ基を有する単量体単位のアミノ基としては、1級アミノ基(−NH)、2級アミノ基(−NHR)、3級アミノ基(−NRR’)のいずれでもよく、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点からは、3級アミノ基が好ましい。3級アミノ基は、好ましくはジアルキルアミノ基(−NRR’:R及びR’はアルキル基を表し、炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましい。)であり、より好ましくはジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基であり、更に好ましくはジメチルアミノ基である。
アミノ基を有する単量体としては、例えば、下記の単量体が挙げられる。これらの単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
3級アミノ基を有する単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA、別名アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM、別名メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル)、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート(DEAEA、別名アクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEM、別名メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート(DMAPA、別名アクリル酸2−(ジメチルアミノ)プロピル)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート(DMAPM、別名メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)プロピル)、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート(DEAPA、別名アクリル酸2−(ジエチルアミノ)プロピル)、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート(DEAPM、別名メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)プロピル)等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミド;3−(ジメチルアミノ)スチレン、α−メチル−3−(ジメチルアミノ)スチレン、3−(ジエチルアミノ)スチレン、4−(ジメチルアミノ)スチレン、α−メチル−4−(ジメチルアミノ)スチレン、4−(ジエチルアミノ)スチレン等のアミノ基含有スチレン;などが挙げられる。
2級アミノ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−(メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(t−ブチルアミノ)エチル、メタクリル酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル等が挙げられる。
1級アミノ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体単位としては、アミノ基を有しない単量体が重合してなる単量体単位にアミノ基を置換した単量体単位も挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルを、ポリシロキサン鎖を有する単量体と共重合させた後、(メタ)アクリル酸グリシジルに由来するグリシジル基と、エチレンジアミン等の両末端にアミノ基を有する化合物とを反応させることによりアミノ基を導入し、アミノ基を有する単量体単位とする。
アミノ基を有する単量体単位としては、下記の一般式(3)で表される単量体が重合してなる単量体単位、即ち、DMAEA、DMAEM、DEAEA、DEAEM、DMAPA、DMAPM、DEAPA、DEAPM等のジアルキルアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルが重合してなる単量体単位が好ましい。
一般式(3)中、R11は水素原子又はメチル基である。R12及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基であり、メチル基又はエチル基が好ましい。R11〜R13はそれぞれ独立に、ハロゲン原子(例えばフッ素原子)で置換されていてもよい。yは1以上6以下の整数であり、1以上4以下の整数が好ましく、2又は3がより好ましい。
特定分散剤を構成する全単量体単位に対するアミノ基を有する単量体単位の含有割合は、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、5モル%以上が好ましく、8モル%以上が更に好ましく、画像の定着性の観点から、25モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、15モル%以下が更に好ましい。
[長鎖炭化水素基を有する単量体単位]
長鎖炭化水素基を有する単量体単位の長鎖炭化水素基は、例えば、主鎖の炭素数が10以上の炭化水素基であり、主鎖の炭素数が10以上20以下の炭化水素基が好ましく、主鎖の炭素数が12以上18以下である長鎖炭化水素基がより好ましい。長鎖炭化水素基を有する単量体単位において長鎖炭化水素基の位置は特に制限されるものではないが、長鎖炭化水素基は側鎖の末端にあることが好ましい。
長鎖炭化水素基を有する単量体単位の長鎖炭化水素基は、飽和炭化水素基でもよく不飽和炭化水素基でもよく、環構造を含まない炭化水素基でもよく環構造を含む炭化水素基でもよく、直鎖の炭化水素基でもよく分岐鎖の炭化水素基でもよい。
長鎖炭化水素基を有する単量体単位の長鎖炭化水素基としては、該鎖の柔軟性の観点から、脂肪族炭化水素基が好ましく、脂肪族飽和炭化水素基がより好ましく、環構造を含まない脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。長鎖炭化水素基としては、炭素数10以上20以下の、環構造を含まない直鎖の脂肪族飽和炭化水素基が好ましく、炭素数12以上18以下の、環構造を含まない直鎖の脂肪族飽和炭化水素基がより好ましい。
長鎖炭化水素基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ブチルオクチル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イコシル等が挙げられる。これらの単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定分散剤を構成する全単量体単位に対する長鎖炭化水素基を有する単量体単位の含有割合は、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、特定分散剤によるトナー粒子の分散性がより優れる観点から、5モル%以上が好ましく、8モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、画像の定着性の観点から、25モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。
[その他の単量体単位]
特定分散剤は、上記以外のその他の単量体単位を含んでいてもよい。その他の単量体単位は、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体が重合してなる単量体単位である。
その他の単量体単位を構成する単量体としては、(メタ)アクリル酸の低級(例えば炭素数1以上9以下)アルキルエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定分散剤の配合量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下がより好ましく、1質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
[特定分散剤の製造方法]
特定分散剤は、例えば、各単量体単位を構成する単量体と重合開始剤とを用いた溶液重合により製造する。溶液重合に用いる溶剤としては、キャリア液と同種の溶剤、キャリア液と置換できる溶剤(例えば、キャリア液よりも沸点の低い溶剤)、又はこれらの混合溶剤が好ましい。溶液重合に用いる重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物が挙げられる。
特定分散剤は、溶液重合に用いた溶剤に溶解した状態でキャリア液に添加されてもよく、溶液重合に用いた溶剤が除かれ固体となった状態でキャリア液に添加されてもよい。
<トナー粒子>
トナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。トナー粒子は着色剤を含まない透明トナーであってもよい。トナー粒子の表面には、外添剤が付着していてもよい。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
トナー粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上6μm以下が好ましく、0.1μm以上4μm以下がより好ましく、0.5μm以上3μm以下がより好ましい。
以下、トナー粒子の材料について説明する。
[結着樹脂]
トナー粒子の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。トナー粒子の結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらとビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態においては、トナー粒子の結着樹脂として、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを併用する態様が望ましい。結晶性樹脂は、融解温度の前後で粘度の変化が大きく、分子が熱的に活動を開始してから溶融するまでの温度差が比較的小さいので、トナー粒子が結晶性樹脂を含むことにより、トナー粒子の保存安定性と低温定着性とが向上する。トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量は、1質量%以上10質量%以下が望ましく、2質量%以上8質量%以下がより望ましい。
トナー粒子の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が望ましい。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを併用してもよい。結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、全結着樹脂に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合は、2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)が望ましい。
樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを示すことを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。樹脂の「非晶性」とは、吸熱ピークの半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましく、55℃以上65℃以下が更に好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましく、8000以上30000以下が更に好ましく、8000以上20000以下が更に好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、公知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
材料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶構造を容易に形成するため、芳香環を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族の重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を有するジカルボン酸、エチレン性二重結合を有するジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ただし、多価アルコール全体に占める脂肪族ジオールの割合が、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度(Tm)は、45℃以上110℃以下が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下が更に好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000超が好ましく、6000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましく、35000以下が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上が好ましく、4000以上がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、公知の製造方法により得られる。
本実施形態におけるトナー粒子において、結着樹脂の全含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
[着色剤]
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
[離型剤]
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系、石油系のワックス;などが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下が更に好ましく、5質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
[その他の添加剤]
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
[外添剤]
トナー粒子の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO、Ca(PO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。疎水化処理剤の量としては、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量は、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
[液体現像剤の製造方法]
本実施形態に係る液体現像剤は、例えば、トナー粗粒子を作製する造粒工程と、トナー粗粒子をキャリア液中で粉砕する湿式粉砕工程と、を経て製造される。
造粒工程は、乾式製法(例えば、混練粉砕法)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法)のいずれでもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法を採用してよい。湿式製法で得たトナー粗粒子には、洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を施して、乾燥した状態のトナー粗粒子を得ることが好ましい。乾燥状態のトナー粗粒子と外添剤とを混合し、トナー粗粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。
湿式粉砕工程は、キャリア液にトナー粗粒子を分散させた後、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライタ等のメディア式の湿式粉砕機を用いて、キャリア液中でトナー粗粒子を湿式粉砕する。特定分散剤は、例えば、キャリア液に予め添加しておき、特定分散剤を含むキャリア液にトナー粗粒子を分散させ、湿式粉砕を行う。または、キャリア液中でトナー粗粒子を湿式粉砕した後に、特定分散剤をキャリア液に添加する。
本実施形態に係る液体現像剤は、ほかに例えば、溶剤中でトナー粒子を湿式製法で作製し、必要に応じて溶剤をキャリア液に置換することにより製造される。この製造方法において湿式製法は、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等のいずれでもよく、公知の製法を採用してよい。湿式製法に用いる溶剤としては、キャリア液と同種の溶剤、キャリア液と置換できる溶剤(例えば、キャリア液よりも沸点の低い溶剤)、又はこれらの混合溶剤が好ましい。この製造方法においては、例えば、特定分散剤を含むキャリア液を湿式製法に用いる、又は、特定分散剤を含むキャリア液を湿式製法に用いた溶剤と置換する。
本実施形態に係る液体現像剤におけるキャリア液とトナー粒子の含有量比は、例えば、キャリア液100質量部に対し、トナー粒子が15質量部以上40質量部以下である。
≪液体現像剤カートリッジ≫
本実施形態に係る液体現像剤カートリッジは、本実施形態に係る液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジ内に収容されている液体現像剤は、例えば画像形成装置が備える供給管を通じて、画像形成装置の現像手段に供給される。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジの形態は限定されず、例えば、タンク状の形態、ボトル状の形態が挙げられる。本実施形態に係る液体現像剤カートリッジの容量は、画像形成装置の大きさに応じて選択すればよい。
≪画像形成装置及び画像形成方法≫
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、液体現像剤を収容し、液体現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。本実施形態に係る画像形成装置は、液体現像剤として、本実施形態に係る液体現像剤を用いる。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、液体現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の画像形成装置である。本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する。
本実施形態に係る画像形成装置(画像形成方法)においては、定着装置(定着工程)が2段階の定着を行う形態であることが望ましい。定着装置(定着工程)は、具体的には、トナー画像に対し非接触で加熱を施す非接触式加熱装置(非接触式加熱工程)と、非接触式加熱装置での加熱後(非接触式加熱工程の後)に加熱しつつ加圧を施す加熱加圧装置(加熱加圧工程)と、を有することが望ましい。
記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体が適用される。例えば、熱可塑性樹脂フィルム、紙、OHPシート等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムの用途としては、ラベル、包装材料、ポスター等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ナイロン等のポリアミドフィルム;ポリカーボネート、ポリスチレン、変性ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸等のフィルム;などが挙げられる。これらのフィルムは、未延伸フィルム、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムのいずれでもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、単層又は多層のいずれの形態でもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、トナー定着を補助する表面コート層を有するフィルム、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等を施したフィルムでもよい。軟包装材料に用いるための熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、例えば、5μm以上250μm以下であり、望ましくは10μm以上100μm以下である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、感光体110(像保持体の一例)と、帯電装置112(帯電手段の一例)と、露光装置114(静電荷像形成手段の一例)と、現像装置120(現像手段の一例)と、転写装置130(転写手段の一例)と、定着装置140(定着手段の一例)と、クリーナ116とを備える。
感光体110は円柱形状を有し、感光体110の周囲に、帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、及びクリーナ116が順に設けられている。
帯電装置112は、感光体110の表面を帯電する。
露光装置114は、帯電した感光体110の表面を、画像信号に基づき、例えばレーザー光線によって露光して静電荷像を形成する。
現像装置120は、現像剤収容容器122と、現像剤供給ロール(アニロックスロール)124と、規制部材126と、現像ロール128とを備えている。
現像剤収容容器122は、液体現像剤Gを収容する。現像剤収容容器122には、液体現像剤Gを攪拌する攪拌部材(不図示)が設けられていてもよい。
現像剤供給ロール124は、現像剤収容容器122に収容された液体現像剤Gに一部が浸り、且つ、現像ロール128に近接(又は接触)するように設けられており、現像剤収容容器122中の液体現像剤Gを現像ロール128の表面に供給する。規制部材126は、現像剤供給ロール124による液体現像剤Gの供給量を制御する。
現像ロール128は、現像剤供給ロール124から供給された液体現像剤Gを保持し、液体現像剤Gによって、感光体110の表面に形成された静電荷像をトナー画像Tとして現像する。
転写装置130は、感光体110の表面に形成されたトナー画像Tが転写されるドラム状の中間転写体132と、中間転写体132の表面に転写されたトナー画像Tを記録媒体Pに転写する転写ロール134と、を備えた中間転写方式の装置である。
転写装置130は、例えば、ベルト状の中間転写体132を備えた構成であってもよいし、中間転写体132を備えず、転写ロール134により感光体110から直接、記録媒体Pにトナー画像Tを転写する直接転写方式の構成であってもよい。
定着装置140は、記録媒体Pの進行方向において転写装置130よりも下流側に設けられ、非接触式加熱装置142と加熱加圧装置144とを備える。
非接触式加熱装置142は、例えば、金属製の筐体の内部に熱源を備えた板状の加熱装置である。非接触式加熱装置142は、筐体の内部に熱源と共に送風装置を備えていてもよい。非接触式加熱装置142は、記録媒体のトナー画像が形成されている側に設けてもよく、記録媒体の背面側(トナー画像が形成されていない側)に設けてもよく、両側に設けてもよい。
加熱加圧装置144は、例えば、一対の加熱ロール144A及び加圧ロール144Bである。加熱ロール144A及び加圧ロール144Bは、記録媒体を挟んでニップを形成するように対向配置される。加熱ロール144Aの内部には、熱源が備えられている。加熱加圧装置144は、ほかに、加熱加圧ロールと加圧ベルトとを組合せた装置、加圧ロールと加熱加圧ベルトとを組合せた装置等であってもよい。
クリーナ116は、トナー画像の転写後の感光体110の表面に残留する転写残トナーを除去及び回収する目的で設けられる。
画像形成装置100は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体110の表面を除電する除電装置(不図示)を備えていてもよい。
以下、画像形成装置100による画像形成方法について説明する。
帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、定着装置140、及びクリーナ116は、感光体110の回転速度と同期をとって動作される。
まず、帯電装置112が、矢印B方向に回転する感光体110の表面を、予め定められた電位に帯電させる。
次に、露光装置114が、帯電した感光体110の表面を画像信号に基づき露光し、静電荷像を形成する。
現像装置120においては、現像剤供給ロール124が液体現像剤Gを現像ロール128の表面に供給し、矢印A方向に回転する現像ロール128が液体現像剤Gを感光体110に搬送する。
液体現像剤Gは、現像ロール128と感光体110とが近接(又は接触)する位置で、感光体110上の静電荷像に供給され、静電荷像を現像(顕像化)してトナー画像Tを形成する。
次に、感光体110の表面のトナー画像Tを、矢印C方向に回転する中間転写体132の表面に転写する。
次に、中間転写体132の表面に転写されたトナー画像Tを、転写ロール134との接触位置において、記録媒体Pに転写する。本転写は、転写ロール134と中間転写体132とによって記録媒体Pを挟み、中間転写体132の表面のトナー画像Tを記録媒体Pに密着させることにより実施される。
トナー画像Tが転写された記録媒体Pは定着装置140に搬送され、非接触式加熱装置142と加熱加圧装置144とを順に通過することにより、記録媒体Pの表面に定着画像が形成される。
非接触式加熱装置142の加熱温度は、記録媒体Pとして熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、70℃以上110℃未満が望ましく、80℃以上100℃以下がより望ましく、80℃以上90℃以下が更に望ましい。加熱の時間は、非接触式加熱装置142のプロセススピードによって決まる。
非接触式加熱装置142で加熱が施されたトナー画像は、さらに加熱加圧装置144(加熱ロール144A及び加圧ロール144B)により加熱及び加圧が施されることで、記録媒体Pに定着される。
加熱加圧装置144の加熱温度は、記録媒体Pとして熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合には、70℃以上110℃未満が望ましく、80℃以上100℃以下がより望ましく、80℃以上90℃以下が更に望ましい。加熱加圧装置44によって印加される圧力は、1.5kg/cm以上5kg/cm以下が望ましく、2kg/cm以上3.5kg/cm以下がより望ましい。
中間転写体132にトナー画像Tを転写した後の感光体110は、クリーナ116により転写残トナーが除去及び回収され、再び帯電工程へ移行する。
画像形成装置100は、感光体110、帯電装置112、露光装置114、現像装置120、転写装置130、及びクリーナ116を1つのユニットとし、このユニットが4つ並んで搭載されたタンデム方式のフルカラー画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、現像剤収容容器122に、トナーカートリッジ(不図示)からトナー粒子又は外添トナーを供給する方式としてもよく、液体現像剤カートリッジ(不図示)から液体現像剤を供給する方式としてもよい。トナーカートリッジ又は液体現像剤カートリッジは、液体現像剤の残量が無くなった際に交換し得るよう画像形成装置に着脱される構成としてもよい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<分散剤の合成>
[分散剤(1)]
窒素ガス導入管、攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、イソパラフィン(エクソンモービル「アイソパーL」)50部、ポリシロキサンマクロモノマー(チッソ「サイラプレーンFM−0711」)29部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート4部及びメチルメタクリレート17部を入れ、窒素ガスで置換した。油溶性アゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業)0.4部を入れ、攪拌しながら加熱還流した。6時間重合反応を行って、固形分50%の分散剤(1)溶液を調製した。
[分散剤(2)〜(9)、比較用分散剤(1)〜(2)]
単量体の種類と量を表1に記載のとおりに変更した以外は分散剤(1)と同様にして各分散剤を合成し、分散剤溶液を調製した。
[分散剤(10)]
重合溶媒をアイソパーLとイソプロパノールの混合溶媒(重量比1:1)に変更し、単量体の種類と量を表1に記載のとおりに変更した以外は分散剤(1)と同様にして重合反応を行い、重合後にイソプロパノールを減圧留去した後アイソパーLで希釈して、固形分50%の分散剤溶液を調製した。
[分散剤(11)]
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートの一部をグリシジルメタクリレートに変更した以外は分散剤(1)と同様にして重合反応を行い、重合反応に用いたグリシジルメタクリレートと同じ物質量のエチレンジアミンを添加し、室温で90分間攪拌後、さらに60℃で6時間攪拌して、固形分50%の分散剤溶液を調製した。
表1に、各分散剤の構成をまとめて示す。
<液体現像剤の製造>
[実施例1]
ポリエステル樹脂(テレフタル酸:フマル酸:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物=30モル部:70モル部:5モル部:95モル部の共重合体、重量平均分子量18000、ガラス転移温度60℃)100部に、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン)40部と、パラフィンワックス(日本精蝋HNP−9)50部とを加え、エクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒及び粗粒を分級し、体積平均粒径8μmのトナー粗粒子を得た。
イソパラフィン(エクソンモービル「アイソパーL」)100部に、分散剤(1)溶液を分散剤(1)が0.5部となる量で混合し、そこにトナー粗粒子25部を加え、湿式粉砕機(シンマルエンタープライゼス社DYNO−MILL KDL−A型)と直径1.0mmジルコニアビーズを用いて、2500rpmの条件で180分間湿式粉砕を行い、液体現像剤を得た。
[実施例2〜11]
分散剤(1)を、表2に記載のとおり別の分散剤に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
[実施例12〜13]
キャリア液を、表2に記載のとおり別の化学物質に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。ノルマルパラフィンは、モレスコホワイトP−40(MORESCO社)であり、ナフテンは、ナフテゾール200(JX日鉱日石エネルギー)である。
[比較例1]
分散剤(1)を用いない以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
[比較例2〜3]
分散剤(1)を、表2に記載のとおり別の分散剤に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
[比較例4]
キャリア液を、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業「KF−96−20cs」)に変更した以外は実施例1と同様にして液体現像剤を得た。
<液体現像剤の評価>
各実施例及び比較例の液体現像剤に、下記の評価を行った。
[トナー粒子の分散性(1):粒度分布]
粒径測定装置(大塚電子社FPAR−1000)を用いてMARQUARDT法により、液体現像剤中のトナー粒子の体積基準の粒度分布を得て、GSDv=(累積84%の粒径D84v/累積16%の粒径D16v)1/2を求め、下記のとおり分類した。
G4:GSDv<1.25
G3:1.25≦GSDv<1.5
G2:1.5≦GSDv≦2
G1:2<GSDv
[トナー粒子の分散性(2):保存安定性]
液体現像剤を40℃の恒温槽に14日間保管し、凝集がなかった場合、同条件にさらに16日間(合計30日間)保管し、保管後の液体現像剤を目視で観察し、下記のとおり分類した。
G4:30日後も凝集なく、再分散可。
G3:14日後に凝集なく、再分散可。30日後に一部凝集。
G2:14日後に一部凝集。
G1:14日後に凝集し、再分散不可。
[細線再現性]
液体現像剤を図1に示す構造の画像形成装置に装填し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社FOR、15μm厚)上に、細線画像(DNP社「ITE高精細度インメガサイクルチャート」)の形成を行った。画像の細線部を目視で確認し、下記のとおり分類した。
G3:滲みがなく、シャープな画像である。
G2:部分的に滲みがある。
G1:全体的に滲みがある。
[画像定着性]
定着画像に、粘着テープ(3M社メンディングテープ810、幅18mm)を、荷重500gをかけて貼り付けた後、粘着テープを剥がして、画像の剥離の有無を下記のとおり分類した。
G3:画像剥離なし。
G2:一部剥離が生じた。
G1:大面積で剥離が生じた。
表2の評価項目について「−」は、有効な測定ないし画像形成ができなかったことを意味する。
100 画像形成得装置
110 感光体(像保持体の一例)
112 帯電装置(帯電手段の一例)
114 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
116 クリーナ
120 現像装置(現像手段の一例)
122 現像剤収容容器
124 現像剤供給ロール
126 規制部材
128 現像ロール
130 転写装置(転写手段の一例)
132 中間転写体
134 転写ロール
140 定着装置(定着手段の一例)
142 非接触式加熱装置
144 加熱加圧装置
144A 加熱ロール
144B 加圧ロール
G 液体現像剤
T トナー画像
P 記録媒体

Claims (11)

  1. トナー粒子と、
    炭化水素を主成分とするキャリア液と、
    ポリシロキサン鎖を有する単量体単位及びアミノ基を有する単量体単位を含む高分子化合物と、
    を含む液体現像剤。
  2. 前記キャリア液が、脂肪族炭化水素を主成分とする、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記アミノ基を有する単量体単位が、3級アミノ基を有する単量体単位である、請求項1又は請求項2に記載の液体現像剤。
  4. 前記高分子化合物が、さらに、長鎖炭化水素基を有する単量体単位を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  5. 前記トナー粒子がポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  6. 前記高分子化合物における前記ポリシロキサン鎖を有する単量体単位の含有割合が、全単量体単位に対して5モル%以上25モル%以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  7. 前記高分子化合物における前記アミノ基を有する単量体単位の含有割合が、全単量体単位に対して5モル%以上25モル%以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  8. 前記高分子化合物の重量平均分子量が5000以上50000以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の液体現像剤。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される液体現像剤カートリッジ。
  10. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤を収容し、前記液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  11. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の液体現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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