JP2018040938A - 電子写真機器用導電性ロール - Google Patents

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【課題】低印加電圧でも安定した帯電を実現できる電子写真機器用導電性ロールを提供する。【解決手段】軸体12と、軸体12の外周に形成された弾性体層14と、弾性体層14の外周に形成された表層16と、を備え、表層16は、該表層16の厚みに対し20〜90%の平均粒子径を有する複数の粒子18の集合体で構成され、各粒子18は相互の接触部で接合されているとともに粒子18間には空隙20が形成されており、該粒子18間の空隙20によって多孔質になっている電子写真機器用導電性ロール10とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる電子写真機器用導電性ロールに関するものである。
電子写真機器において、感光ドラムの表面を帯電させる方式としては、帯電ロールを感光ドラムの表面に直接接触させる接触帯電方式が知られている。そして、帯電ロールを帯電させる方式としては、装置のコンパクト化、低コスト化などから、直流(DC)電圧印加方式が知られている。接触帯電方式においては、放電領域が狭いと局部に帯電が集中して画像不具合が生じるおそれがある。このため、例えば特許文献1に記載されるように、帯電ロールの表層に粒子を添加して表面に凹凸を設けることで放電領域を確保し、帯電量を維持することが行われている。
特開2009−175427号公報
環境変動や耐久などによりマシンバイアスが上下することがある。これに伴い、帯電量も変化する。帯電量が十分に確保されていない場合には、帯電量の低下時に画像が悪化するおそれがある。電源を大きくして帯電を安定化させることも考えられるが、マシンが大きくなる、価格が高くなるなどの問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、低印加電圧でも安定した帯電を実現できる電子写真機器用導電性ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用導電性ロールは、軸体と、前記軸体の外周に形成された弾性体層と、前記弾性体層の外周に形成された表層と、を備え、前記表層は、該表層の厚みに対し20〜90%の平均粒子径を有する複数の粒子の集合体で構成され、各粒子は相互の接触部で接合されているとともに粒子間には空隙が形成されており、該粒子間の空隙によって多孔質になっていることを要旨とするものである。
前記表層の厚みは、5〜30μmの範囲内であることが好ましい。前記各粒子は、バインダーによって相互の接触部で結着されて接合されていることが好ましい。この場合、前記バインダーの含有量は、前記複数の粒子100質量部当たり0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。前記各粒子は、化学結合によって相互の接触部で接合されていてもよい。この場合、バインダーを含んでいなくてもよい。本発明に係る電子写真機器用導電性ロールは、帯電ロールとして用いることができる。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロールによれば、粒子間の空隙によって表層が多孔質になっており、均一放電により放電量が大きくなっているので、低印加電圧でも安定した帯電を実現することができる。
この際、表層の厚みが上記特定範囲内であると、放電領域を確保しやすく、帯電の低下が抑えられる。そして、各粒子がバインダーによって相互の接触部で結着されて接合されていると、耐久性が向上する。この場合、バインダーの含有量が上記特定範囲内であると、粒子間の空隙を十分に確保しつつ優れた耐久性を確保することができる。そして、各粒子が化学結合によって相互の接触部で接合されていると、耐久性が向上する。また、バインダーを含んでいなくてもよいため、粒子間の空隙を確保しやすい。
本発明の一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールの外観模式図(a)と、そのA−A線断面図(b)である。 図1に示す電子写真機器用導電性ロールの表面近傍の拡大模式図である。 実施例1の表面のSEM写真である。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロール(以下、単に導電性ロールということがある。)について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールの外観模式図(a)と、そのA−A線断面図(b)である。図2は、図1に示す電子写真機器用導電性ロールの表面近傍の拡大模式図である。
導電性ロール10は、軸体12と、軸体12の外周に形成された弾性体層14と、弾性体層14の外周に形成された表層16と、を備える。弾性体層14は、導電性ロール10のベースとなる層である。表層16は、導電性ロール10の表面に現れる層となっている。
表層16は、複数の粒子18の集合体で構成されている。複数の粒子18は、表層16の厚みに対し20〜90%の平均粒子径を有する。各粒子18は相互の接触部で接合されているとともに粒子18間には空隙20が形成されている。この粒子18間の空隙20によって表層16は多孔質になっている。空隙20は、弾性体層14の表面から表層16の表面まで厚み方向に通じていることが好ましい。
粒子18の平均粒子径は、表層16の厚みに対し20%未満であると、空隙20が小さくなり、帯電性が低下するため、低印加電圧で安定した帯電を実現することができない。粒子18の平均粒子径は、表層16の厚みに対し90%超であると、空隙20が小さくなり、帯電性が低下するため、低印加電圧で安定した帯電を実現することができない。粒子18の平均粒子径は、表層16の厚みに対し30〜80%の範囲内であることがより好ましい。粒子18の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置により測定されるメジアン径である。表層16を構成する複数の粒子18は、互いに粒子径が同じものであってもよいし、粒子径が異なるものを含んでいてもよい。粒子18の平均粒子径は、表層16の好適な厚み範囲から、30μm以下であることが好ましい。また、3μm以上であることが好ましい。
粒子18は、粒度分布が比較的狭いほうが好ましい。例えば比較的大きい粒子18同士で形成された空隙20に比較的小さい粒子18が入り込んでその空隙20を小さくするおそれがある。また、大きさの比較的揃った粒子18同士であると、均一な空隙20を形成しやすい。粒子18の形状は、特に限定されるものではなく、球形、不定形など、集合した状態で粒子18間に空隙20が形成されやすいものであればよい。均一な空隙20が形成されやすいなどから、球形がより好ましい。
粒子18は、樹脂粒子や無機粒子などで構成される。粒子18としては、柔軟性に優れるなどから、樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子としては、アクリル粒子、ウレタン粒子、ポリアミド粒子などが挙げられる。これらのうちでは、低変形率による低ヘタリ性などの観点から、アクリル粒子が好ましい。また、反応性基を有することができるなどの観点から、ウレタン粒子が好ましい。反応性基を有する粒子であると、表層16の形成時にバインダーがなくても粒子18間を化学結合によって接合することができる。樹脂粒子は、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよいし、架橋樹脂であってもよい。無機粒子としては、セラミック粒子、金属粒子が挙げられる。
粒子18は、導電性を有するものであってもよいし、導電性を有していないものであってもよい。樹脂粒子の場合、粒子18を構成する材料中に導電剤を配合することにより、導電性を有することができる。導電剤としては、イオン導電剤(第4級アンモニウム塩など)や電子導電剤(カーボンブラックなど)などが挙げられる。導電性を有する粒子とは、体積抵抗率が10×1012Ω・cm以下のものをいう。
粒子18相互の接合は、バインダーを用いてもよいし、バインダーを用いないでもよい。バインダーを用いると、粒子18相互の接合を確実に行うことができる。一方、バインダーを用いないと、バインダーによって粒子18間の空隙20の大きさが低下するのを抑えることができる。
バインダーは、特に限定されるものではなく、要求特性などに応じて好適な材料を選択すればよい。バインダーとしては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらは、表層16のバインダーとして1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。バインダーとしては、外添剤等の低付着性に優れているなどの観点から、フッ素系樹脂が特に好ましい。加えて、粒子18同士の接合の観点から粒子18と同材質のバインダーを用いることも好ましい。
バインダーの含有量は、複数の粒子18の100質量部当たり0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは複数の粒子18の100質量部当たり0.5〜7質量部の範囲内、さらに好ましくは1.0〜5質量部の範囲内である。バインダーの含有量が上記特定範囲内であると、粒子18間の空隙20を十分に確保しつつ優れた耐久性を確保することができる。
バインダーを用いないでもできる粒子18相互の接合としては、粒子18相互の融着による接合、粒子18相互の化学結合による接合などが挙げられる。粒子18相互の融着による接合は、熱可塑性樹脂からなる粒子18を用いて行うことができる。粒子18相互の化学結合による接合は、反応性基を有する粒子18を用いるか、樹脂粒子に対する電子線照射によって行うことができる。なお、これらの接合方法は、バインダーを用いた場合においても行ってもよい。
表層16は、粒子18に加えて、あるいは、粒子18とバインダーに加えて、添加剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。添加剤としては、導電剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離形剤、染料、顔料、難燃剤などが挙げられる。導電剤としては、イオン導電剤(第4級アンモニウム塩など)や電子導電剤(カーボンブラックなど)などが挙げられる。
表層16は、材料種、導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。表層16の体積抵抗率は、用途などに応じて10〜1011Ω・cm、10〜1010Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
表層16の厚みは、5〜30μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは10〜20μmの範囲内である。表層の厚みが上記特定範囲内であると、放電領域を確保しやすく、帯電の低下が抑えられる。表層16の厚みは、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製、「VK−9510」など)を用いて断面を観察することにより測定することができる。例えば任意の位置の5か所について、弾性体層14の表面から表層16の表面に現れる粒子18の頂点までの距離をそれぞれ測定し、その平均によって表すことができる。
表層16は、複数の粒子18を含む表層形成用組成物を用い、これを弾性体層14の外周面に塗工し、乾燥処理などを適宜行うことにより形成することができる。表層形成用組成物において、複数の粒子18は、分散媒を用いて分散液として調製することができる。分散媒としては、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、イソプロピルアルコール(IPA),メタノール,エタノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン,トルエンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル,酢酸ブチルなどの酢酸系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水などが挙げられる。
弾性体層14は、架橋ゴムを含有する。弾性体層14は、未架橋ゴムを含有する導電性ゴム組成物により形成される。架橋ゴムは、未架橋ゴムを架橋することにより得られる。未架橋ゴムは、極性ゴムであってもよいし、非極性ゴムであってもよい。導電性に優れるなどの観点から、未架橋ゴムは極性ゴムがより好ましい。
極性ゴムは、極性基を有するゴムであり、極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。極性ゴムとしては、具体的には、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。極性ゴムのうちでは、体積抵抗率が特に低くなりやすいなどの観点から、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)がより好ましい。
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
ウレタンゴムとしては、分子内にエーテル結合を有するポリエーテル型のウレタンゴムを挙げることができる。ポリエーテル型のウレタンゴムは、両末端にヒドロキシル基を有するポリエーテルとジイソシアネートとの反応により製造できる。ポリエーテルとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
非極性ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙げられる。
架橋剤としては、硫黄架橋剤、過酸化物架橋剤、脱塩素架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、チウラム系加硫促進剤、高分子多硫化物などの従来より公知の硫黄架橋剤を挙げることができる。
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。
脱塩素架橋剤としては、ジチオカーボネート化合物を挙げることができる。より具体的には、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜2質量部の範囲内、より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
架橋剤として脱塩素架橋剤を用いる場合には、脱塩素架橋促進剤を併用しても良い。脱塩素架橋促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUと略称する。)もしくはその弱酸塩を挙げることができる。脱塩素架橋促進剤は、DBUの形態として用いても良いが、その取り扱い面から、その弱酸塩の形態として用いることが好ましい。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2−メルカプトベンゾチアゾール塩、2−メルカプトベンズイミダゾール塩などを挙げることができる。
脱塩素架橋促進剤の含有量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、0.1〜2質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
弾性体層14には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。また、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
弾性体層14は、架橋ゴムの種類、イオン導電剤の配合量、電子導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。弾性体層14の体積抵抗率は、用途などに応じて10〜1010Ω・cm、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
弾性体層14の厚みは、特に限定されるものではなく、用途などに応じて0.1〜10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。
弾性体層14は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋の導電性ゴム組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するか、あるいは、軸体12の表面に未架橋の導電性ゴム組成物を押出成形するなどにより、軸体12の外周に弾性体層14を形成する。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。つまり、弾性体層14は、接着剤層(プライマー層)を介して軸体12に接着されていてもよい。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
以上の構成の導電性ロール10によれば、粒子18間の空隙20によって表層16が多孔質になっており、均一放電により放電量が大きくなっているので、低印加電圧でも安定した帯電を実現することができる。各粒子18がバインダーによって相互の接触部で結着されて接合されていると、耐久性が向上する。この場合、バインダーの含有量が上記特定範囲内であると、粒子18間の空隙20を十分に確保しつつ優れた耐久性を確保することができる。そして、各粒子18が化学結合によって相互の接触部で接合されていると、耐久性が向上する。また、バインダーを含んでいなくてもよいため、粒子18間の空隙20を確保しやすい。
本発明に係る導電性ロールの構成としては、図1に示す構成に限定されるものではない。例えば、図1に示す導電性ロール10において、軸体12と弾性体層14との間に他の弾性体層を備えた構成であってもよい。この場合、他の弾性体層は、導電性ロールのベースとなる層であり、弾性体層14が導電性ロールの抵抗調整を行う抵抗調整層などとして機能する。他の弾性体層は、例えば、弾性体層14を構成する材料として挙げられた材料のいずれかにより構成することができる。また、例えば、図1に示す導電性ロール10において、弾性体層14と表層16との間に他の弾性体層を備えた構成であってもよい。この場合、弾性体層14が導電性ロールのベースとなる層であり、他の弾性体層は、導電性ロールの抵抗調整を行う抵抗調整層などとして機能する。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜6、比較例1)
<導電性ゴム組成物の調製>
イソプレンゴム100質量部に対し、カーボンブラック30質量部、酸化亜鉛6質量部、ステアリン酸2質量部、硫黄1質量部、チアゾール系加硫促進剤0.5質量部、チラウム系加硫促進剤0.5質量部、重質炭酸カルシウム50質量部を配合し、50℃に温度調節した密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、導電性ゴム組成物を調製した。
導電性ゴム組成物の材料として、以下の材料を準備した。
・ゴム成分
イソプレンゴム(IR)[JSR(株)製、「JSR IR2200」]
・導電剤
カーボンブラック(電子導電剤)[キャボットジャパン(株)製、「ショウブラックN762」]
・酸化亜鉛[堺化学工業(株)製、「酸化亜鉛2種」]
・ステアリン酸[日本油脂(株)製、「ステアリン酸さくら」]
・硫黄[鶴見化学工業(株)製、「粉末硫黄」]
・加硫促進剤
チアゾール系加硫促進剤[大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM」]
チラウム系加硫促進剤[大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTRA」]
・無機フィラー粒子
重質炭酸カルシウム[白石カルシウム(株)製、「ホワイトンB」、平均粒径3.6μm]
<弾性体層の作製>
直径6mm、快削鋼(SUM)製の芯金の外周に、押出成形装置を用いて、調製した導電性ゴム組成物をクラウン形状に押出成形した。具体的には、押出成形装置のダイスの円形口部に対して上記芯金を通過させながら、ダイスと芯金との隙間に導電性ゴム組成物を供給することにより、芯金の外周に弾性体層を押出成形した。この押出成形の際、芯金の通過速度を変化させ、芯金の長手方向に対する導電性ゴム組成物の付着量を制御することにより、弾性体層前駆体の形状をクラウン形状とした。次いで、これを180℃で30分間加熱処理した。これにより芯金の外周に所定の弾性体層(厚み1.5mm)を形成した。
<表層の作製>
表1に記載の配合量(質量部)となるように粒子とバインダーを配合し、メチルエチルケトン(MEK)200質量部を加えて混合攪拌することにより、表層形成用の液状組成物を調製した。次いで、この液状組成物を弾性体層の外周面にロールコートし、熱処理を施すことにより、弾性体層の外周に厚み5〜30μmの表層を形成した。これにより、導電性ロールを作製した。
表層材料として用いた材料は以下の通りである。
・粒子<1>:アクリル粒子、平均粒子径r=1.5μm、綜研化学製「MX150」
・粒子<2>:アクリル粒子、平均粒子径r=3μm、積水化成品工業製「テクポリマーSSX−103」
・粒子<3>:アクリル粒子、平均粒子径r=10μm、積水化成品工業製「テクポリマーSSX−110」
・粒子<4>:アクリル粒子、平均粒子径r=20μm、積水化成品工業製「テクポリマーSSX−120」
・粒子<5>:ウレタン粒子、平均粒子径r=20μm、根上工業製「アートパールC300」
・バインダー<1>:アクリル樹脂、根上工業製「パラクロンW197C」
・バインダー<2>:ナイロン樹脂、鉛市製「ファインレジンFR−104」
(実施例7)
表層形成用の液状組成物の調製において、以下の粒子<6>を用い、バインダーを用いなかった以外は実施例1と同様にして導電性ロールを作製した。粒子<6>は表面にNCO基を有するウレタン粒子であり、表層において、各粒子は相互の接触部で反応して化学結合を形成し、この化学結合によって相互の接触部で接合されている。
・粒子<6>:表面にNCO基を有するウレタン粒子、平均粒子径:10μm、イソシアネート基含有量:5.0質量%、解離温度:約150℃
(粒子<6>の合成)
オートクレーブに、タケネートD170−N(イソシアヌレート)/三井化学(イソシアネート基含有量20.7質量%)1000gとメチルエチルケトオキシム120g、ジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み、窒素ガスにてオートクレーブ内を充分に置換した後、60℃で12時間攪拌・混合して反応させた。その後、トルエンを加えて、ブロックイソシアネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーを含む、中間体(A)(固形分80%)を得た。次に攪拌機付きフラスコに水600gを仕込み、この中にメトローズ65SH−400(信越化学)24gを溶解して分散媒を調製した。該分散媒を600rpmで攪拌しながら、中間体(A)356g、ポリオールとしてPolyTHF Polyether (BASF製)(ポリテトラメチレングリコール、水酸基価113mgKOH/g)15gの混合物を加え、懸濁液を調製した。次いで、攪拌継続下に懸濁液を60℃に昇温し、8時間反応させた後、室温まで冷却して、懸濁液を得た。この懸濁液を固液分離し、水で充分洗浄した後、70℃で20時間乾燥して、表面にNCO基を有するウレタン粒子を得た。
作製した各導電性ロールについて、帯電性に関係する画像評価を行った。評価結果および表層形成用組成物の配合組成を以下の表に示す。また、実施例の帯電ロールの表面のSEM写真を撮影し、表面構造を確認した。実施例1を代表例として、図3に示す。
(表層の厚み)
レーザー顕微鏡(キーエンス製、「VK−9510」)を用いて断面を観察することにより測定した。具体的には、任意の位置の5か所について、弾性体層の表面から表層の表面に現れる粒子の頂点までの距離をそれぞれ測定し、その平均によって表した。
(画像評価)
作製した導電性ロールを実機(HP製「CLJ4525dn」)のカートリッジ(ブラック)に取り付け、15℃×10%RH環境下にて25%濃度ハーフトーンにて画出しを行った。画像にムラがなかったものを良好「○」、画像にムラが生じたものを不良「×」とした。
図3に示すように、実施例の表層は、複数の粒子の集合体で構成され、各粒子は相互の接触部で接合されているとともに粒子間には空隙が形成されており、該粒子間の空隙によって多孔質になっている。そして、実施例1〜3および比較例1から、表層の厚みに対し粒子の平均粒子径が所定範囲内にあることで、放電量が大きくなり、低印加電圧でも安定した帯電を実現できることがわかる。そして、実施例1〜6および実施例7から、バインダーがなくても各粒子が化学結合によって相互の接触部で接合されていれば、同様に低印加電圧でも安定した帯電を実現できることがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 導電性ロール
12 軸体
14 弾性体層
16 表層

Claims (7)

  1. 軸体と、前記軸体の外周に形成された弾性体層と、前記弾性体層の外周に形成された表層と、を備え、
    前記表層は、該表層の厚みに対し20〜90%の平均粒子径を有する複数の粒子の集合体で構成され、各粒子は相互の接触部で接合されているとともに粒子間には空隙が形成されており、該粒子間の空隙によって多孔質になっていることを特徴とする電子写真機器用導電性ロール。
  2. 前記表層の厚みが、5〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  3. 前記各粒子は、バインダーによって相互の接触部で結着されて接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  4. 前記バインダーの含有量が、前記複数の粒子100質量部当たり0.1〜10質量部の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  5. 前記各粒子は、化学結合によって相互の接触部で接合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  6. バインダーを含んでいないことを特徴とする請求項1または2に従属する請求項5に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  7. 帯電ロールとして用いられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真機器用導電性ロール。
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