JP2018040772A - イオン交換クロマトグラフィー担体 - Google Patents

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弘樹 谷口
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朝清 丸本
斎藤 恭一
Kyoichi Saito
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大樹 工藤
Daiki Kudo
大樹 工藤
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Yuka Matsuzaki
優香 松崎
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Abstract

【課題】高流速域での吸着及び分離性能と、目詰まりしにくい性能と、を両立し、高い吸着容量を有する、治療用タンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体を提供する。【解決手段】実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、を備えるタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体であって、放射線照射によって活性化された基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、基材上にグラフト鎖を形成させて製造されるイオン交換クロマトグラフィー担体であり、反応性モノマーの少なくとも1種類は、イオン交換基又はイオン交換基導入前駆体を有し、グラフト鎖の形成と同時に、又はグラフト鎖形成の後に、イオン交換基を基材上に導入することにより製造される、イオン交換クロマトグラフィー担体。【選択図】図2

Description

本発明は、モノクローナル抗体等のタンパク質を精製するために適したイオン交換クロマトグラフィー担体に関する。
モノクローナル抗体等の各種治療用タンパク質は、細胞培養液等の生物由来材料から、複数のクロマトグラフィー精製工程を経て製造されている。これらのクロマトグラフィー工程には、例えば、多孔質ビーズを基材としたイオン交換クロマトグラフィー樹脂を充填したカラムが用いられている。多孔質ビーズは比表面積が大きく、高いイオン交換基密度を達成出来るため、目的の治療用タンパク質の高い吸着容量を実現できる反面、多孔質ビーズ細孔内部への治療用タンパク質の拡散速度が吸着特性に大きく影響するため、高流速域では吸着容量が著しく低下する。さらに、多孔質ビーズを充填したカラムは、ビーズが圧縮されて変形し圧力が上昇するため、高流速域で使用することができない。これらの事情から、治療用タンパク質を商業的に製造する際には、直径1mを超える大型カラムと100Lを超える大量のクロマトグラフィー樹脂が使用されている。そのため、多孔質ビーズを用いるクロマトグラフィー精製工程は、高コストで処理時間もかかる工程となっている。
これに対し、多孔質膜を基材としたクロマトグラフィー膜は、その細孔部を直接工程液が流れていくため、高流速域でも高吸着容量を維持するという特性がある。特にアニオン交換膜は、治療用タンパク質よりも不純物を選択的にアニオン交換膜に吸着させるフロースルーモードによる精製工程の処理速度を著しく効率化できるため、モノクローナル抗体の製造等に普及しつつある。しかし、多孔質膜を基材としたクロマトグラフィー膜は、膜詰まりを起こしやすいという欠点もある。
特許文献1及び非特許文献1には、天然繊維であるセルロース系繊維の基材に放射線グラフト重合によってイオン交換基を導入したクロマトグラフィー担体が開示されている。繊維基材の担体をカラムに充填することによって、多孔質ビーズよりも高流速域での吸着及び分離特性に優れ、また濁質存在下でも詰まりにくいカラムを作成することができるとされている。しかし、一般的にセルロース系繊維は、吸水性が高く緩衝液中では著しく膨潤し、湿潤強度も著しく低下するため、安定してカラムに充填することが困難である。
特許文献2には、断面形状を星型にすることによって表面積を大きくした特殊な形状のナイロン繊維を基材とし、当該基材にグラフト重合によってイオン交換基を導入したクロマトグラフィー担体が開示されている。一般的にナイロン等の合成繊維は、セルロース系繊維に比べて吸水性に乏しく膨潤しないので、湿潤強度に優れている。しかし、このような特殊な形状の繊維は、基材としての供給安定性やコスト面で最良ではない。また、高い吸着容量を得るために大表面積を有する特殊な形状のナイロン繊維を採用したにもかかわらず、その吸着容量は、多孔質ビーズ基材の担体と比べて、十分高いとはいえない。
特許文献3及び特許文献4には、ナイロン、ポリエチレン、あるいはポリプロピレン繊維からなる不織布に、エマルジョングラフト重合法を用いて、イオン交換基を導入した不織布フィルタが開示されている。しかし、特許文献3及び特許文献4においては、不織布フィルタによる治療用タンパク質の吸着分離性能については検証されていない。
米国特許出願公開第2010/0065499号明細書 国際公開第2012/015908号 特許第5082038号公報 特許第5013333号公報
Processes2015、3、204−221
本発明は、高流速域での吸着及び分離性能と、目詰まりしにくい性能と、を両立し、高い吸着容量を有し、湿潤強度に優れた、タンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材に、放射線グラフト重合によってイオン交換基を導入する際に、貧溶媒中で反応性モノマーをエマルジョン化することによって、効率的にイオン交換基が基材に導入され、タンパク質精製に適したイオン交換クロマトグラフィー担体を作製できることを見出した。
本発明の態様によれば、実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、を備えるタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体であって、放射線照射によって活性化された基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、基材上にグラフト鎖を形成させて製造されるイオン交換クロマトグラフィー担体であり、反応性モノマーの少なくとも1種類は、イオン交換基又はイオン交換基導入前駆体を有し、グラフト鎖の形成と同時に、又はグラフト鎖形成の後に、イオン交換基を基材上に導入することにより製造される、イオン交換クロマトグラフィー担体が提供される。
また、本発明の態様によれば、実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、を備えるタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体であって、以下に示すAとBの関係が、A/√B≧1.05である、イオン交換クロマトグラフィー担体が提供される。
A:イオン交換クロマトグラフィー担体の断面の外周/基材の断面の外周
B:イオン交換クロマトグラフィー担体の断面積/基材の断面積
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体が、放射線照射によって活性化された基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、基材上にグラフト鎖を形成させて製造されるイオン交換クロマトグラフィー担体であり、反応性モノマーの少なくとも1種類は、イオン交換基又はイオン交換基導入前駆体を有し、グラフト鎖の形成と同時に、又はグラフト鎖形成の後に、イオン交換基を基材上に導入することにより製造されてもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、基材に導入されたグラフト鎖のうち、表面グラフト鎖の割合が70%以上であってもよい。基材の内部に存在するグラフト鎖の割合が30%未満であってもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、基材内部に、グラフト鎖が実質的に形成されていなくともよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、グラフト率が20%以上300%以下であってもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、基材の形状が、繊維又は不織布であってもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、合成ポリマーが、ポリオレフィン、ポリアミド、及びポリエステルからなる群から選ばれてもよい。ポリオレフィンがポリエチレンであってもよい。ポリアミドがナイロンであってもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、反応性モノマーがグリシジルメタクリレートであり、グラフト鎖形成の後に、イオン交換基を基材上に導入することにより製造されてもよい。
上記のイオン交換クロマトグラフィー担体において、イオン交換基がアニオン交換基であってもよいし、カチオン交換基であってもよい。
また、本発明の態様によれば、上記のイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、クロマトグラフィーカラムに充填した、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーカラムが提供される。
本発明の態様によれば、上記のイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、フィルターカートリッジに充填した、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーフィルターモジュールが提供される。
本発明の態様によれば、上記のイオン交換クロマトグラフィー担体のモノフィラメント又はマルチフィラメントを、円筒状コアに巻きつけた、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーワインドフィルターモジュールが提供される。
本発明の態様によれば、上記のタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体を用いてタンパク質を精製する工程を少なくとも含む、タンパク質の精製方法が提供される。
本発明によれば、高流速域での吸着及び分離性能と、目詰まりしにくい性能と、を両立し、高い吸着容量を有し、湿潤強度に優れた、タンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体が提供される。
本発明の実施の形態に係る基材の電子顕微鏡写真の一例である。 本発明の実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体の電子顕微鏡写真の一例である。 実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のウシ血清アルブミンの静的結合容量を示す表である。 実施例2に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のウシ血清アルブミンの動的結合容量を示すグラフである。 実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体のリゾチームの動的結合容量を示す表である。 実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体の電子顕微鏡写真である。 実施例4に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のモル転化率とウシ血清アルブミンの飽和結合用量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態(以下において、「実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお以下の示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部材の組み合わせ等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
実施の形態に係るタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体は、実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、を備える。当該イオン交換クロマトグラフィー担体は、放射線照射によって活性化された基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、基材上にグラフト鎖を形成させて製造される。反応性モノマーの少なくとも1種類は、イオン交換基又はイオン交換基導入前駆体を有する。イオン交換クロマトグラフィー担体は、グラフト鎖の形成と同時に、又はグラフト鎖形成の後に、イオン交換基を基材上に導入することにより製造される。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体は、例えば、不純物を含むタンパク質の精製に用いられる。精製対象のタンパク質は、例えば、抗体タンパク質の単量体である。不純物とは、例えば抗体タンパク質の2量体以上の凝集体、その他のタンパク質の夾雑物、DNA、及びエンドトキシン等である。
生理活性物質の一例である抗体タンパク質は、生化学における一般的な定義のとおり、脊椎動物の感染防禦機構としてBリンパ球が産生する糖タンパク質分子(ガンマグロブリン又は免疫グロブリンともいう)である。例えば、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体で精製される抗体タンパク質は、ヒトの医薬品として使用され、投与対象であるヒトの体内にある抗体タンパク質と実質的に同一の構造を有する。
抗体タンパク質は、ヒト抗体タンパク質であってもよく、ヒト以外のウシ及びマウス等の哺乳動物由来抗体タンパク質であってもよい。あるいは、抗体タンパク質は、ヒトIgGとのキメラ抗体タンパク質、及びヒト化抗体タンパク質であってもよい。ヒトIgGとのキメラ抗体タンパク質とは、可変領域がマウス等のヒト以外の生物由来であるが、その他の定常領域がヒト由来の免疫グロブリンに置換された抗体タンパク質である。また、ヒト化抗体タンパク質とは、可変領域のうち、相補性決定領域(complementarity−determining region: CDR)がヒト以外の生物由来であるが、その他のフレームワーク領域(framework region: FR)がヒト由来である抗体タンパク質である。ヒト化抗体タンパク質は、キメラ抗体タンパク質よりも免疫原性がさらに低減される。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体の精製対象の一例である抗体タンパク質のクラス(アイソタイプ)及びサブクラスは特に限定されない。例えば、抗体タンパク質は、定常領域の構造の違いにより、IgG,IgA,IgM,IgD,及びIgEの5種類のクラスに分類される。しかし、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体が精製対象とする抗体タンパク質は、5種類のクラスのいずれであってもよい。また、ヒト抗体タンパク質においては、IgGにはIgG1〜IgG4の4つのサブクラスがあり、IgAにはIgA1とIgA2の2つのサブクラスがある。しかし、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体が精製対象とする抗体タンパク質のサブクラスは、いずれであってもよい。なお、Fc領域にタンパク質を結合したFc融合タンパク質等の抗体関連タンパク質も、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体が精製対象とする抗体タンパク質に含まれ得る。
さらに、抗体タンパク質は、由来によっても分類することができる。しかし、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体が精製対象とする抗体タンパク質は、天然のヒト抗体タンパク質、遺伝子組換え技術により製造された組換えヒト抗体タンパク質、モノクローナル抗体タンパク質、及びポリクローナル抗体タンパク質のいずれであってもよい。これらの抗体タンパク質の中でも、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体が精製対象とする抗体タンパク質としては、抗体医薬としての需要や重要性の観点から、ヒトIgGが好適であるが、これに限定されない。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体の基材は、実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる。基材の形状は、例えば、繊維又は不織布である。繊維は、通常の円柱形状を有していればよく、断面が星型の特殊な繊維である必要はない。また、繊維は、モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってもよい。なお、モノフィラメントとは、単繊維からなる構造をいう。また、マルチフィラメントとは、多数の繊維を撚り合せた構造をいう。合成ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、又はポリエステル等である。
ポリオレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びフッ化ビニリデン等のオレフィン単独重合体、該オレフィンの2種以上の共重合体、又は1種もしくは2種以上のオレフィンと、パーハロゲン化オレフィンと、の共重合体等が挙げられる。パーハロゲン化オレフィンの例としては、テトラフルオロエチレン及び/又はクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。これらの中でも、機械的強度に優れ、かつタンパク質等の夾雑物の高い吸着容量が得られる点で、ポリエチレン又はポリフッ化ビニリデンが好ましい。
ポリアミドの例としては、ナイロン6(ε−カプロラクタムの重縮合体)、ナイロン11(ウンデカンラクタムの重縮合体)、ナイロン12(ラウリルラクタムの重縮合体)、ナイロン66(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の共縮重合体)、ナイロン610(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の共縮重合体)、ナイロン6T(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の共縮重合体)、ナイロン9T(ノナンジアミンとテレフタル酸の共縮重合体)、ナイロンM5T(メチルペンタンジアミンとテレフタル酸の共縮重合体)、ナイロン621(カプロラクタムとラウリルラクタムの共縮重合体)、p−フェニレンジアミンとテレフタル酸の共縮重合体、並びにm−フェニレンジアミンとイソフタル酸の共縮重合体等が挙げられる。
ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
基材に共有結合しているグラフト鎖は、モノマー単位により構成されている。モノマー単位が、イオン交換基を有する。イオン交換基は、精製対象や精製条件に応じて、カチオン交換基であってもよいし、アニオン交換基であってもよい。カチオン交換基は、不純物が除去できれば、強カチオン交換基であってもよく、弱カチオン交換基であってもよい。
強カチオン交換基の例としては、スルホン酸基等が挙げられる。ほぼ全ての強カチオン交換基は、抗体タンパク質を精製する際における実用的な抗体溶液のpH領域で荷電しているため、荷電量が一定である。したがって、基材上に強カチオン交換基が存在することで、常に一定以上の荷電量が保証される。また、pH微変化によってカチオン交換クロマトグラフィー担体の性能が大きく左右されることを抑制することができる。
弱カチオン交換基の例としては、カルボン酸基、ホスホン酸基、及びリン酸基等が挙げられる。弱カチオン交換基は、移動相のpHにより、荷電量を変化させることが可能である。そのため、移動相のpHを変化させることにより、カチオン交換クロマトグラフィー担体の電荷密度の調整が可能となる。したがって、除去すべき不純物の特性に合わせて、pHを調整することにより、任意の不純物の除去が可能となる。
アニオン交換基は、液中で負に帯電したタンパク質等を吸着することができればよく、例えば、特に限定されないが、アニオン交換基の例としては、3級アミノ基であるジエチルアミノ基(DEA、Et2N−)、4級アンモニウム基(Q、R3+−)、4級アミノエチル基(QAE、R3+−(CH22−)、ジエチルアミノエチル基(DEAE、Et2N−(CH22−)、及びジエチルアミノプロピル基(DEAP、Et2N−(CH23−)等が挙げられる。ここで、Rは、特に限定されず、同一のNに結合するRが同一又は異なっていてもよく、好適には、アルキル基、フェニル基、アラルキル基等の炭化水素基を表す。4級アンモニウム基としては、例えば、トリメチルアミノ基(トリメチルアンモニウム基、Me3+−)等が挙げられる。なお、3級アミノ基及び4級アミノ基は、それぞれ、ジアルキル置換アミノ基及びトリアルキル置換アミノ基ともいう。基材への化学的な固定が容易であり、高い吸着容量が得られるという観点からは、アニオン交換基としてはDEA及びQが好ましく、DEAがより好ましい。
基材にグラフト鎖を導入する際、基材は、放射線照射により活性化される。基材にラジカルを生成させるためにはいかなる手段も採用しうるが、基材に電離性放射線を照射すると、基材全体に均一なラジカルが生成するため、好適である。電離性放射線の種類としては、γ線、電子線、β線、及び中性子線等が利用できるが、工業規模での実施には電子線又はγ線が好ましい。電離性放射線は、コバルト60、ストロンチウム90、及びセシウム137等の放射性同位体から、又はX線撮影装置、電子線加速器及び紫外線照射装置等により得られる。
電離性放射線の照射線量は、1kGy以上1000kGy以下が好ましく、より好ましくは2kGy以上500kGy以下、さらに好ましくは5kGy以上200kGy以下である。照射線量が1kGy以上の場合、ラジカルが均一に生成しやすい傾向にある。また、基材の物理的強度の観点から、照射線量が1000kGy以下であるとよい。
電離性放射線の照射によるグラフト重合法には、一般に基材にラジカルを生成した後、次いでラジカルを反応性モノマーと接触させる前照射法と、基材を反応性モノマーと接触させた状態で基材にラジカルを生成させる同時照射法と、に大別される。実施の形態においては、いかなる方法も適用しうるが、オリゴマーの生成が少ない前照射法が好ましい。ここでいうオリゴマーとは、遊離オリゴマーのことを指す。遊離オリゴマーはグラフト鎖中には取り込まれないため、生成されないことが好ましい。
基材上にグラフト重合される反応性モノマーは、イオン交換基を有する反応性モノマーであってもよいし、「イオン交換基導入前駆体」を有する反応性モノマーであってもよい。「イオン交換基導入前駆体」を有する反応性モノマーを使用する場合、反応性モノマーを共重合した後、イオン交換基導入前駆体をイオン交換基に変換する。
ここでいう、「イオン交換基導入前駆体」とは、イオン交換基を付与しうる官能基のことをいい、例えばエポキシ基等が挙げられるが、これに限定されるものではない。「イオン交換基導入前駆体」を有する反応性モノマーとは、イオン交換基を付与しうる官能基を有する反応性モノマーのことをいう。また、「イオン交換基導入前駆体」は「イオン交換基の前駆体」を含みうる。「イオン交換基の前駆体」とは、例えばイオン交換基に保護基が付いたものである。「イオン交換基の前駆体」を有する反応性モノマーとしては、フェニルビニルスルホネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
強カチオン基を有する反応性モノマーの例としては、スルホン酸を有するポリマーの構成単位である(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミドt−ブチルスルホン酸、スチレンスルホン酸、及びそれらの金属塩等が挙げられる。
弱カチオン基を有する反応性モノマーの例としては、アクリル酸、2−アクリロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メタクリル酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、及びそれらの金属塩等が挙げられる。
アニオン基を有する反応性モノマーの例としては、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、及び2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート等が挙げられる。
イオン交換基導入前駆体を有する反応性モノマーの例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルエーテル、スチレン、クロロメチルスチレン、アクリロニトリル、アクロレイン、及びビニルベンジル等が挙げられる。
イオン交換基導入前駆体を有する反応性モノマーがグリシジルメタクリレートの場合、基材上でグリシジルメタクリレートを重合してグラフト鎖を形成した後、亜硫酸ナトリウムと反応させることにより、グリシジルメタクリレートのエポキシ基の一部又は全部をスルホン酸基に変換することができる。また、基材上でグリシジルメタクリレートを重合してグラフト鎖を形成した後、ジエチルアミンと反応させることにより、グリシジルメタクリレートのエポキシ基の一部又は全部をアミノ基に変換することができる。
共重合する際、反応性モノマーは、エマルジョン化されている。「エマルジョン」とは、貧溶媒に対して不溶性である反応性モノマー液の小滴が貧溶媒中に分散した系をいう。反応性モノマー液の小滴の大きさは、特に限定されない。実施の形態に係るエマルジョンは、数nm以上数十nm以下程度のマイクロエマルジョン、及び1nm程度のナノエマルジョンも含む。実施の形態に係るエマルジョンは、界面活性剤の添加により、貧溶媒と、反応性モノマー液と、の界面張力を低下させて、見かけ上一様に混ざり合った状態の系も含む。例えば、大気下、窒素雰囲気下、あるいは減圧下で、基材をエマルジョン中に浸漬することにより、基材上で反応性モノマーが共重合する。
反応性モノマーの貧溶媒は、反応性モノマーをエマルジョン化できるものであれば特に限定されない。貧溶媒の例としては、イオン交換水、純水、及び超純水等の水系溶媒が挙げられる。
反応性モノマーをエマルジョン化する際に用いられる界面活性剤の例としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、及び非イオン系界面活性剤、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
陰イオン系界面活性剤の例としては、アルキルベンゼン系界面活性剤、アルコール系界面活性剤、オレフィン系界面活性剤、リン酸系界面活性剤、及びアミド系界面活性剤等が挙げられ、より具体的には、ドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。陽イオン系界面活性剤の例としては、オクタデシルアミン酢酸塩、及びトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。両性イオン系界面活性剤の例としては、アンヒトール(登録商標、花王株式会社)等が挙げられる。非イオン系界面活性剤の例としては、エトキシル化脂肪アルコール、及び脂肪酸エステル等が挙げられ、より具体的には、Tween 20、及びTween 80等が挙げられる。
界面活性剤の濃度は、例えば、溶媒の全容積を基準として、0.1%以上10%以下である。ただし、界面活性剤の濃度は、特に限定はなく、反応性モノマーの種類、濃度に依存して、適宜決定することができる。
界面活性剤を使用することにより、貧溶媒に対して不溶性の反応性モノマーの分散を促進することができる。エマルジョンの外観は、分散相の液滴の大きさに依存して種々変化するが、一般的には、乳濁状態であり、マイクロエマルジョンからナノエマルジョンへと液滴の大きさが小さくなるにつれ、透明を呈するようになる。
エマルジョン化した反応性モノマーのグラフト重合条件については、反応性モノマーの反応性にもよるが、温度は、例えば10℃以上60℃以下、好ましくは20℃以上60℃以下である。反応時間は、例えば1分以上2時間以下、好ましくは5分以上60分以下である。エマルジョンにおける反応性モノマーの容積濃度は、例えば1%以上30%以下、好ましくは2%以上20%以下である。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体のグラフト鎖の結合率(グラフト率)は、吸着容量等の観点から20%以上が好ましく、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上である。また、力学的に安定な強度を確保するという観点から、好ましくは300%以下、より好ましくは200%以下、さらに好ましくは150%以下、特に好ましくは120%以下である。しかし、好適なグラフト率は用いる基材や導入するモノマー単位に依存するため、適宜最適化を行う必要があり、上記範囲に限定されない。グラフト率は下記(1)式によって算出される。
g(%)=(w1−w0)/w0×100 (1)
ここで、w0はグラフト鎖が導入される前の基材の質量、w1はグラフト鎖が導入された後の基材の質量である。
エマルジョン化していない反応性モノマーは、基材内部の非晶部に入り込んでグラフト重合され、基材内部にもグラフト鎖が形成されると考えられる。しかし、グラフト鎖で吸着する吸着対象分子は、基材内部の非晶部に入れる大きさではない。そのため、基材内部に形成されたグラフト鎖は、吸着対象分子の吸着に利用できない。これに対し、エマルジョン化された反応性モノマーは、ミセルであるため、基材内部の非晶部に入り込まず、基材内部にはほとんどグラフト鎖が形成されないと考えられる。そのため、基材上に多くのグラフト鎖が形成され、グラフト鎖を吸着対象分子の吸着に有効に利用することが可能である。また、基材が繊維である場合、繊維の表面積は小さい。しかし、繊維にエマルジョン化した反応性モノマーをグラフト重合して作製されるイオン交換クロマトグラフィー担体の表面積は大きくなる。そのため、多数の吸着対象分子を吸着することが可能である。
基材内部に形成されるグラフト鎖は、内部グラフト鎖、あるいはポリマールーツと呼ばれる。基材上に形成されるグラフト鎖は、表面グラフト鎖、あるいはポリマーブラシと呼ばれる。実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体において、グラフト鎖全体に占める表面グラフト鎖の割合は、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。表面グラフト鎖の割合は、エポキシ基等のイオン交換基導入前駆体のイオン交換基へのモル転化率と、イオン交換基の吸着対象分子の飽和吸着量と、の関係を示すグラフを作成して現れる変曲点におけるモル転化率と一致する。好ましくは、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体において、基材内部に、グラフト鎖が実質的に形成されない。
図1は、エマルジョン化した反応性ポリマーをグラフト重合する前のポリエチレン基材の電子顕微鏡写真を示しており、図2は、エマルジョン化した反応性ポリマーをグラフト重合した後の基材(イオン交換クロマトグラフィー担体)の電子顕微鏡写真を示している。図1及び図2に示すように、エマルジョン化した反応性ポリマーをグラフト重合したことにより、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体の断面の外周は、グラフト重合する前の基材の断面の外周より大きくなり、かつ、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体の断面積は、グラフト重合する前の基材の断面積より大きくなる。
そのため、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体においては、下記(2)式で与えられるCの値が、1.05以上、好ましくは1.08以上、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.12以上である。
C=A/√B (2)
ここで、Aは、イオン交換クロマトグラフィー担体の断面の外周/基材の断面の外周を表している。また、Bは、イオン交換クロマトグラフィー担体の断面積/基材の断面積を表している。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、クロマトグラフィーカラムに充填することにより、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーカラムを作製してもよい。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、フィルターカートリッジに充填することにより、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーフィルターモジュールを作製してもよい。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体のモノフィラメント又はマルチフィラメントを、円筒状コアに巻きつけることにより、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーワインドフィルターモジュールを作製してもよい。円筒状コアは、多孔質であってもよい。また、担体を円筒状コアに巻きつけた後、円筒状コアを抜いてもよい。
実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体によれば、高流速域でのタンパク質の吸着及び分離性能と、目詰まりしにくい性能と、を両立することが可能である。また、実施の形態に係るイオン交換クロマトグラフィー担体は、タンパク質の高吸着容量を有し、湿潤強度に優れる。
以下に、実施の形態を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、これらは実施の形態を何ら限定するものではない。
(実施例1)
実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材として、繊維径12umの高密度ポリエチレン繊維(以下において、「ポリエチレン繊維基材」という。)を用意した。
1gのポリエチレン繊維基材を、溶液導入口を取り付けた密閉容器に入れ、密閉容器内の空気を窒素で置換した。その後、ドライアイスで冷却しながら、100kGyの電子線をポリエチレン繊維基材に照射し、ラジカルを発生させた。
上記の密閉容器とは別の容器中において、貧溶媒としての純水に窒素を30分間バブリングし、脱酸素を行った。さらに、純粋にTween20を加え5分間撹拌し、その後、反応性モノマーとしてグリシジルメタクリレートを加えて撹拌し、エマルジョンを形成させた。グリシジルメタクリレートは、アニオン交換基導入前駆体としてのエポキシ基を有する。純水と、Tween20と、グリシジルメタクリレートと、は、容積比で、94.5:0.5:5になるように混合した。調製したエマルジョン溶液を40℃の温浴中で撹拌しながら30分間バブリングした。
ポリエチレン繊維基材の入った密閉容器の溶液導入口からエマルジョン溶液を100mL導入し、40℃で、ポリエチレン繊維基材と、エマルジョンと、を反応させ、ポリエチレン繊維基材に共有結合しているグラフト鎖を形成させた。反応時間は、目的のグラフト率により、適宜調整した。その後、グラフト鎖が導入されたポリエチレン繊維基材をメタノールにより洗浄し、真空乾燥して、グラフト鎖が導入されたポリエチレン繊維基材の質量を測定し、上記(1)式を用いてグラフト率を算出した。その結果、図3に示すように、それぞれグラフト率が6%、8%、16%、22%、43%、62%、69%、109%、及び161%のグラフト鎖が導入されたポリエチレン繊維基材が得られた。
次に、グリシジルメタクリレートをグラフト重合したポリエチレン繊維基材を、50v/v%のジエチルアミン水溶液に40℃で15時間浸漬し、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基にアニオン交換基としてのジエチルアミノ基を導入して、実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体を得た。その後、実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体をメタノールで洗浄した。
下記(3)式を用いて、ポリエチレン繊維基材の質量変化から、ジエチルアミノ基を導入した際のモル転化率C1を算出したところ、全て90%以上であった。
1(%)=100[(W2−W1)/73]/[(W1−W0)/142] (3)
ここで、W0、W1、及びW2は、それぞれ、グラフト重合前のポリエチレン繊維基材の質量、グラフト重合後のポリエチレン繊維基材の質量、ジエチルアミノ基導入後のポリエチレン繊維基材の質量を表す。73及び142は、それぞれ、ジエチルアミン、及びグリシジルメタクリレートの分子量である。(W2−W1)/73は、ジエチルアミノ基のモル数を表す。
次に、実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体を大過剰量の2.0g/Lのウシ血清アルブミン(BSA)溶液(20mmol/L、Tris−HCl溶液、pH8.0)に浸漬し、室温で20時間振とうした。振とう浸漬後、BSA溶液の吸光度(280nm)から、実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体の質量あたりのBSAの静的結合容量(SBC)を、グラフト率毎に測定した。静的結合容量とは、担体が分子を吸着できる上限の量を表す。結果を、図3に示す。実施例1に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体は、高い静的結合容量を示した。
(実施例2)
実施例1に係るグラフト率が62%のアニオン交換クロマトグラフィー担体を、体積が0.4mL、密度が0.30g/mLになるようにカラムに充填し、20mmol/LのTris−HCl(pH8.0)で平衡化して、実施例2に係るタンパク質精製用アニオン交換クロマトグラフィーカラムを作製した。その後、1.0g/LのBSA溶液(20mmol/L、Tris−HCl溶液、pH8.0)を複数に設定された流速のそれぞれでカラムに通液し、10%動的結合容量(DBC)を測定した。なお、動的結合容量とは、カラムに分子を含む溶液を流して、カラム中の担体で分子を回収できる程度を表す。動的結合容量が大きいカラムでは、分子を効率よく担体に吸着することが可能である。
また、ジエチルアミン(DEAE)で修飾されたセファロースビーズ(製品名DEAE Sepharose FF、GE Healthcare社)を内径5.5.mLのカラムに0.40mL充填し、実施例2の比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィーカラムを作製した。その後、実施例2と同条件でBSA溶液をカラムに通液し、10%動的結合容量を測定した。
結果を、図4に結果を示す。流速は、アニオン交換クロマトグラフィー担体の何倍のタンパク質溶液量を1分間に流したかで示されている。比較例と比較して、実施例2に係るタンパク質精製用アニオン交換クロマトグラフィーカラムは、高流速領域において高い動的結合容量を示した。
(実施例3)
実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材として、繊維径25umのナイロン6繊維(以下において、「ナイロン繊維基材」という。)を用意した。ナイロン繊維基材を用いた以外は実施例1と同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合したナイロン繊維基材を、質量比で、亜硫酸ナトリウム/イソプロピルアルコール/水=10/15/75の反応溶液に浸漬して、80℃で30時間から120時間反応させ、エポキシ基にカチオン交換基としてのスルホン酸基を導入し、実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体を得た。その後、実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体を水及びメタノールで洗浄した。
実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体を0.5mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、全てのスルホン酸基をナトリウム塩に変換した。その後、下記(4)式を用いて、ナイロン繊維基材の質量変化から、スルホン酸基を導入した際のモル転化率C2を算出したところ、65%から79%であった。
2(%)=100[(W2−W1)/104]/[(W1−W0)/142] (4)
ここで、W0、W1、及びW2は、それぞれ、グラフト重合前のナイロン繊維基材の質量、グラフト重合後のナイロン繊維基材の質量、スルホン酸基導入及びナトリウム塩化後のナイロン繊維基材の質量を表す。104は、スルホン化、及びスルホン酸基のナトリウム塩化に伴う分子量変化である。142は、グリシジルメタクリレートの分子量である。(W2−W1)/104は、スルホン酸基のモル数を表す。
実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体を、体積が0.33mL、密度が0.30g/mLになるようにカラムに充填し、10mmol/LのNaHCO3−NaOH(pH9.0)溶液で平衡化して、実施例3に係るタンパク質精製用カチオン交換クロマトグラフィーカラムを作製した。
また、実施例3の比較例に係るタンパク質精製用カチオン交換クロマトグラフィーカラムを以下の手順で作製した。
1gのナイロン繊維基材を、溶液導入口を取り付けた密閉容器に入れ、密閉容器内の空気を窒素で置換した。その後、ドライアイスで冷却しながら、100kGyの電子線を繊維基材に照射し、ラジカルを発生させた。
上記の密閉容器とは別の容器中において、グリシジルメタクリレートと、良溶媒としてのメタノールと、を、5:95の容積比で混合した。調製したエマルジョン化していない溶液を40℃の温浴中で30分間バブリングした。
ナイロン繊維基材の入った密閉容器の溶液導入口から調製した溶液を100mL導入し、40℃で、ナイロン繊維基材と、溶液と、を反応させ、グラフト重合により、ナイロン繊維基材に共有結合しているグラフト鎖を形成させた。反応時間は、目的のグラフト率により、適宜調整した。その後、上記と同様に、エポキシ基にカチオン交換基としてのスルホン酸基を導入して、実施例3の比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体を得た。実施例3と同様に、実施例3の比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体をカラムに充填し、実施例3の比較例に係るタンパク質精製用カチオン交換クロマトグラフィーカラムを作製した。
その後、1.0g/Lのリゾチーム溶液(10mmol/L、NaHCO3−NaOH溶液、pH9.0)を複数に設定された流速のそれぞれで、実施例及び比較例に係るカラムのそれぞれに通液し、10%動的結合容量を測定した。結果を、図5に結果を示す。なお、図5に示す結果は、スルホン酸基導入時に30時間反応させたものである。比較例と比較して、実施例3に係るタンパク質精製用カチオン交換クロマトグラフィーカラムは、高い動的結合容量を示した。
さらに、スルホン酸基導入反応の反応時間を120時間に延ばしたものでは、10%DBCが向上した。実施例3に係る、グラフト率258%カチオン交換クロマトグラフィー担体では、62mg/mLであった。スルホン酸基導入の反応時間を延ばしても、スルホン酸基へのモル転化率は向上しないが、高温で長時間保持することにより、タンパク質の吸着に適したグラフト鎖の状態になったためであると考えられる。一方、実施例3の比較例に係る(均一グラフト重合による)カチオン交換クロマトグラフィー担体(グラフト率258%)についても、スルホン酸基導入時間を120時間に延ばすことにより、10%DBCは43mg/mLと向上したが、実施例3に係るカチオン交換体には及ばなかった。
上記のようにリゾチーム溶液をカラムに通液した後、さらにリゾチーム溶液を実施例3及び比較例に係るカラムのそれぞれに通液し、リゾチームを担体に飽和吸着させた。その後、カラムを、10mmol/LのNaHCO3−NaOH(pH9.0)溶液で洗浄した。洗浄後、1mol/Lの濃度でNaClを含む、10mmol/LのNaHCO3−NaOH(pH9.0)溶液でリゾチームを溶出し、溶出率を求めた。
その結果、比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィーカラムは、吸着したリゾチームを90%以上溶出するのに繊維質量の500倍以上、95%以上溶出するのに繊維質量の606倍の溶液が必要であった。これに対し、実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィーカラムは、吸着したリゾチームを90%以上溶出するのに繊維質量の48倍、95%以上溶出するのに繊維質量の200倍の溶液のみ必要であった。したがって、実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィーカラムは、吸着した分子の溶出が容易であることが示された。
また、実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体(グラフト率81%)、実施例3の比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体(グラフト率87%)、及びそれらの基材について、走査電子顕微鏡(SEM)により観察した。さらに、スルホン酸基に含まれる硫黄と、スルホン酸基に吸着させた銅と、を、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDX)で観察した。なお、銅は、40mmol/LのCuSO4溶液(50mM酢酸バッファー(pH4.7))を用いて、スルホン酸基に吸着させた。
結果を図6に示す。実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体においては、基材上にグラフト鎖が分布し、基材内部にはグラフト鎖が存在していないことが確認された。これに対し、実施例3の比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体においては、基材の内部にも多くグラフト鎖が形成されていることが確認された。
実施例3に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体(グラフト率81%)において、上記(2)式で与えられるCの値は1.13であった。なお、イオン交換クロマトグラフィー担体及び基材の外周及び断面積は、ImageJを用い、フリーハンドで縁を外部から描くことにより算出した。
実施例3の比較例に係るカチオン交換クロマトグラフィー担体(グラフト率87%)においては、図6に示すように、基材とカチオン交換クロマトグラフィー担体がほぼ相似であり、上記(2)式で与えられるCの値はほぼ1.05未満であった。
(実施例4)
ナイロン繊維基材を用いた以外は実施例1と同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合したナイロン繊維基材を、水酸化ナトリウムでpH10に調整した0.5mol/Lのトリメチルアミン水溶液に浸漬し、40℃で10分から120分反応させ、エポキシ基にアニオン交換基としてのトリメチルアミンを導入して、実施例4に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体を得た。反応時間は、目的の反応率に合わせて適宜調節した。その後、残存エポキシ基を開環させるために、担体を0.5mol/Lの硫酸に浸漬し、80℃で3時間反応させた。反応後、水及びメタノールで担体を洗浄した。
また、実施例3の比較例と同様に、エマルジョン化していない反応性モノマーを用いてグリシジルメタクリレートをグラフト重合したナイロン繊維基材に、上記と同様にトリメチルアミンを導入して、実施例4の比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体を得た。
導入されたトリメチルアミンのモル数を、以下のように算出した。実施例4及び比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のそれぞれを1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に30分間振とう浸漬し、トリメチルアミンのカウンターアニオンを水酸化物イオンにした。次に、洗浄液が中性になるまで水で洗浄した後、実施例4及び比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のそれぞれを1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液に30分間振とう浸漬し、カウンターアニオンを塩素アニオンに変換し、水酸化物イオンを遊離させた。
さらに、実施例4及び比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体のそれぞれを1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液で4回洗浄した。その後、振とう浸漬及び洗浄に用いた塩化ナトリウム水溶液を全て回収し、0.01mol/L塩酸で滴定して、水酸化物イオンのモル数を定量した。定量した水酸化物イオンのモル数は、トリメチルアミンのモル数に相当する。定量されたトリメチルアミンのモル数と、下記(5)式と、を用いて、トリメチルアミンを導入した際のモル転化率C3を担体ごとに算出した。
3(%)=100*M1/M2 (5)
ここで、M1は、導入されたトリメチルアミンのモル数を表し、M2は、トリメチルアミン導入前のエポキシ基のモル数を表す。
次に、担体のそれぞれを0.5mol/LのHCl溶液に30分振とう浸漬し、さらに20mmol/LのTris−HCl緩衝液(pH8.0)に30分振とう浸漬して平衡化した。その後、担体のそれぞれを1g/Lの濃度でBSAを含むBSA溶液(20mmol/L Tris−HCl緩衝液、pH8.0)に60rpm、25℃で12時間振とう浸漬して、担体それぞれのBSAの飽和結合用量を求めた。
担体のモル転化率と、BSAの飽和結合用量と、の関係を図7に示す。上述したように、図7に示すグラフにおいて、変曲点におけるモル転化率は、表面グラフト鎖の割合に一致する。比較例に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体における表面グラフト鎖の割合は、約5%であった。これに対し、実施例4に係るアニオン交換クロマトグラフィー担体においては、明確な変曲点が現れなかったことから、表面グラフト鎖の割合は、少なくとも81%であった。以上の結果は、反応性モノマーをエマルジョン化することにより、表面グラフト鎖の割合が増えることを示していた。

Claims (17)

  1. 実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、
    前記基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、
    を備えるタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体であって、
    放射線照射によって活性化された前記基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、前記基材上に前記グラフト鎖を形成させて製造されるイオン交換クロマトグラフィー担体であり、
    前記反応性モノマーの少なくとも1種類は、前記イオン交換基又は前記イオン交換基導入前駆体を有し、前記グラフト鎖の形成と同時に、又は前記グラフト鎖形成の後に、前記イオン交換基を前記基材上に導入することにより製造される、イオン交換クロマトグラフィー担体。
  2. 実質的に非多孔質の合成ポリマーからなる基材と、
    前記基材に共有結合している、イオン交換基を有するグラフト鎖と、
    を備えるタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体であって、
    以下に示すAとBの関係が、A/√B≧1.05である、イオン交換クロマトグラフィー担体。
    A:イオン交換クロマトグラフィー担体の断面の外周/基材の断面の外周
    B:イオン交換クロマトグラフィー担体の断面積/基材の断面積
  3. 放射線照射によって活性化された前記基材と、貧溶媒中でエマルジョン化された1種類以上の反応性モノマーと、を、接触させて、前記基材上に前記グラフト鎖を形成させて製造されるイオン交換クロマトグラフィー担体であり、
    前記反応性モノマーの少なくとも1種類は、前記イオン交換基又は前記イオン交換基導入前駆体を有し、前記グラフト鎖の形成と同時に、又は前記グラフト鎖形成の後に、前記イオン交換基を前記基材上に導入することにより製造される、請求項2に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  4. 前記基材に導入されたグラフト鎖のうち、前記表面グラフト鎖の割合が70%以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  5. 前記基材内部に、前記グラフト鎖が実質的に形成されていない、請求項1から4のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  6. グラフト率が20%以上300%以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  7. 前記基材の形状が、繊維又は不織布である、請求項1から6のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  8. 前記合成ポリマーが、ポリオレフィン、ポリアミド、及びポリエステルからなる群から選ばれる、請求項1から7のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  9. 前記ポリオレフィンがポリエチレンである、請求項8に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  10. 前記ポリアミドがナイロンである、請求項8に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  11. 前記反応性モノマーがグリシジルメタクリレートであり、前記グラフト鎖形成の後に、前記イオン交換基を前記基材上に導入することにより製造される、請求項1から10のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  12. 前記イオン交換基がアニオン交換基である、請求項1から11のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  13. 前記イオン交換基がカチオン交換基である、請求項1から11のいずれか1項に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体。
  14. 請求項7に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、クロマトグラフィーカラムに充填した、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーカラム。
  15. 請求項7に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体を、裁断し、又は成型することによって、フィルターカートリッジに充填した、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーフィルターモジュール。
  16. 請求項7に記載のイオン交換クロマトグラフィー担体のモノフィラメント又はマルチフィラメントを、円筒状コアに巻きつけた、タンパク質精製用イオン交換クロマトグラフィーワインドフィルターモジュール。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載のタンパク質精製用のイオン交換クロマトグラフィー担体を用いてタンパク質を精製する工程を少なくとも含む、タンパク質の精製方法。
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