JP2018039328A - 船舶、船舶の復原性確保方法 - Google Patents

船舶、船舶の復原性確保方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶の復原性を確保することができる。
【解決手段】船舶1は、舷側3A及び舷側3Bを有する船体2と、船体2内に、舷側3A及び舷側3Bのそれぞれに沿って配置された複数の水密区画室S11,S12、S21,S22と、舷側3A及び舷側3Bに配置されたそれぞれの水密区画室S11,S12、S21,S22と船幅方向反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12、S21,S22とを連通する接続管30A〜30Dと、各接続管30A〜30Dを開閉するバルブ31A〜31Dと、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、船舶、船舶の復原性確保方法に関する。
フェリー、RORO(Roll−on/Roll−off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等の船舶では、2009年SOLAS条約改正により、損傷時安全性レベルの強化が図られ、損傷時の復原性能を確保する対策が必要となっている。
船体損傷時に船舶の復原性を確保する方法として、船体中心に対して対称となるように両舷にそれぞれ配置された二つの区画を流路で接続した構成のものがある。このような構成では、船体に穴があいて一方の区画が浸水した場合、一方の区画から他方の区画に流路を介して水を移動させることで復原性を確保する。
ところで、船体中心を挟んで対称に位置する一方の区画と他方の区画とに、同種の機器を配置する場合が有る。この場合、一方の区画が浸水したときに一方の区画から他方の区画に水を移動させると、複数の同種の機器の全てが使用不能となってしまう。
そこで、特許文献1には、機器が配置された一方の区画と、一方の区画に配置された機器とは異なる機器が配置された他方の区画とを、流路で接続した構成が開示されている。このような構成によれば、一方の区画と他方の区画とに互いに異なる種類の機器が配置されているため、同種の機器の全てが使用不能になることを回避できる。
特開2013−133030号公報
しかしながら、特許文献1においては、一方の区画が浸水した場合、流路を通して一方の区画から他方の区画に水を移動させると、他方の区画に配置された、浸水していない機器までもが使用不能となってしまう。
また、一方の区画から他方の区画に水を移動させても、十分な復原性が得られない場合もあり得る。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、浸水していない機器が使用不能になることを抑えつつ、船舶の復原性を確保することができる船舶、船舶の復原性確保方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明の第一態様によれば、船舶は、左舷及び右舷を有する船体と、前記船体内に設けられ、前記左舷及び前記右舷のそれぞれに沿って配置された複数の区画室と、前記左舷及び前記右舷に配置されたそれぞれの前記区画室と船幅方向反対側に配置された複数の前記区画室とを連通する接続管と、各前記接続管を開閉する開閉弁と、を備える。
このようにそれぞれの区画室を、船幅方向反対側に配置された複数の区画室に接続管を介して連通させておき、各接続管を開閉弁で開閉することで、いずれかの区画室が浸水した場合、船幅方向反対側の複数の区画室のうち、一つ以上の区画室に対し、選択的に水を送り込むことができる。したがって、複数の区画室のうち、例えば機器が収容された機器室には水を極力送り込まず、船舶の航行に影響の少ない空所等、他の用途の区画室に送り込むことができる。
この発明の第二態様によれば、第一態様に係る接続管は、一端が前記区画室のそれぞれに接続されるとともに、複数の前記区画室に前記一端が接合された前記接続管の他端同士を集合させて接続する集合接続部をさらに備えるようにしてもよい。
このように構成することで、左舷及び右舷のそれぞれに配置された複数の区画室同士を接続する接続管の数を抑えることができる。これによって、船体内のスペースの有効利用性を高めるとともに、接続管や開閉弁の設置コスト、メンテナンスの手間等を抑えることができる。
この発明の第三態様によれば、第二態様に係る接続管は、前記開閉弁よりも前記区画室側に、第二の開閉弁をさらに備えるようにしてもよい。
このように構成することで、例えば接続管自体が損傷した場合、開閉弁と第二の開閉弁とを閉じることで、接続管から船体内の水密区画室以外のエリアへの水の漏れを抑えることができる。
この発明の第四態様によれば、船舶の復原性確保方法は、第一から第三態様の何れか一つの態様の船舶の復原性確保方法であって、前記左舷及び前記右舷の一方に配置された複数の前記区画室の少なくとも一つが浸水した場合、予め設定した優先順位に基づいて、前記左舷及び前記右舷の他方に配置された複数の前記区画室のうち、第一優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開く。
このように構成することで、いずれかの区画室が浸水した場合、船幅方向反対側の複数の区画室のうち、予め設定した第一優先順位の区画室に対し、選択的に水を送り込むことができる。したがって、複数の区画室のうち、例えば機器が収容された機器室には水を極力送り込まず、船舶の航行に影響の少ない空所等、他の用途の区画室に送り込むことができる。
この発明の第五態様によれば、第四態様に係る船舶の復原性確保方法は、前記第一優先順位に設定される前記区画室が、機器室及び液体収容室以外の空所であるようにしてもよい。
このように、空所を第一優先順位と設定することで、機器が収容された機器室や、液体が収容される液体収容室等に、浸水した水を送り込むことを抑えることができる。
この発明の第六態様によれば、第四又は第五態様に係る船舶の復原性確保方法は、前記第一優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開いた後、第二優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開くようにしてもよい。
このように構成することで、第一優先順位に設定された区画室だけでは浸水した水の収容量が不足した場合等には、第二優先順位に設定された区画室に水を送り込むことができる。これによって、復原性能を高めることが可能となる。
この発明の第七態様によれば、第六態様に係る船舶の復原性確保方法は、前記第二優先順位に設定される前記区画室が、液体が収容される液体収容室であるようにしてもよい。
このように構成することで、機器が収容された機器室に水を送り込むことを、極力避けることができる。
この発明の第八態様によれば、第七態様に係る船舶の復原性確保方法は、前記液体収容室に収容された前記液体のレベルが予め定めた基準以上である場合、第三優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開くようにしてもよい。
このように構成することで、液体収容室に、浸水した水を送り込むことができない場合に、第三優先順位に設定された区画室に水を送り込むことで、復原性能を高めることができる。
上記船舶、船舶の復原性確保方法によれば、浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶の復原性を確保することが可能となる。
この発明の第一施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。 上記船舶の断面図である。 この発明の第二施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。 この発明の第三施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。 上記第三施形態における船舶の変形例の構成を示す平面図である。 この発明の第四施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。
以下、この発明の一実施形態における船舶、船舶の復原性確保方法を図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、この実施形態の船舶の船体内の構成を示す平面図である。図2は、図1に示した船舶の断面図である。
図1、図2に示すように、この実施形態の船舶1は、船体2を備えている。船舶1の船種は特定のものに限られず、例えばフェリー、RORO船(Roll−on/Roll−off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等、種々の船種を採用できる。
船舶1の船体2は、舷側3A,3Bと、船底4と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板からなる。船底4は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板からなる。図2に示すように、船体2は、これら一対の舷側3A,3B及び船底4により船首尾方向に直交する断面形状がU字状に形成されている。
船体2の内部には、水平方向に延びる乾舷甲板5が設けられている。例えば、カーフェリー等の船舶において乾舷甲板5は、一般に最下層の全通甲板である。船体2の内部には、この乾舷甲板5以外にも、乾舷甲板5の上下に種々の甲板が設けられている。
船体2は、乾舷甲板5の下方に、乾舷甲板5と船底4との間で2重底となる甲板7を備えている。
船体2内には、乾舷甲板5と甲板7との間に、図1に示すように、複数の水密区画室S11,S12、S21,S22が設けられている。ここで、水密区画室S11,S12と、水密区画室S21,S22とは、船体2の中心Cを挟んで船幅方向に対称に配置されている。水密区画室S11,S12とは、船体2の中心Cを挟んで左舷側に配置され、水密区画室S21,S22は右舷側に配置されている。
左舷側の水密区画室S11,S12は、左舷側の舷側3Aと、舷側3Aに対して船体2の船幅方向内側に間隔を空けて設けられた隔壁8Aと、船体2の船首尾方向に間隔を空けて設けられた二枚の隔壁9Aと、乾舷甲板5と、甲板7、とに囲まれて形成されている。
右舷側の水密区画室S21,S22は、右舷側の舷側3Bと、舷側3Bに対して船体2の船幅方向内側に間隔を空けて設けられた隔壁8Bと、船体2の船首尾方向に間隔を空けて設けられた二枚の隔壁9Bと、乾舷甲板5と、甲板7、とに囲まれて形成されている。
この実施形態において、水密区画室S11,S21は、各種の機器が設置された機器室Mとされている。また、水密区画室S12,S22は、例えばボイドスペース、パイプを通すためのパイプダクト、スタビライザー室、倉庫、貨物庫等の空所Sとされている。
左舷側の水密区画室S11と水密区画室S12、右舷側の水密区画室S21と水密区画室S22は、それぞれ船首尾方向に前後して配置されている。ここで、左舷側の水密区画室S11と水密区画室S12、右舷側の水密区画室S21と水密区画室S22とは、船首尾方向において隔壁9A,9Bを挟んで互いに隣接していてもよい。さらに、左舷側の水密区画室S11と水密区画室S12、右舷側の水密区画室S21と水密区画室S22は、上下方向に積層されて配置されていてもよい。
水密区画室S11,S12,S21,S22のそれぞれは、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室に、接続管30A〜30Dを介して接続されている。より詳しくは、水密区画室S11は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S21,S22に、接続管30A,30Bを介して接続されている。水密区画室S12は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S21,S22に、接続管30C,30Dを介して接続されている。水密区画室S21は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12に、接続管30A,30Cを介して接続されている。水密区画室S22は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12に、接続管30B,30Dを介して接続されている。
接続管30A〜30Dのそれぞれには、バルブ31A〜31Dが設けられている。バルブ31A〜31Dを選択的に開くと、接続管30A〜30Dを通して、一方の側の水密区画室S11,S12と、他方の水密区画室S21,S22とを選択的に連通することができる。バルブ31A〜31Dを閉じれば、接続管30A〜30Dを介した一方の側の水密区画室S11,S12と、他方の水密区画室S21,S22との連通が遮断される。具体的には、バルブ31Aを開くと、接続管30Aを介して水密区画室S11と水密区画室S21とが連通される。バルブ31Bを開くと、接続管30Bを介して水密区画室S11と水密区画室S22とが連通される。バルブ31Cを開くと、接続管30Cを介して水密区画室S12と水密区画室S21とが連通される。バルブ31Dを開くと、接続管30Dを介して水密区画室S12と水密区画室S22とが連通される。
次に、この実施形態における船舶1の復原性確保方法について説明する。
この船舶1の復原性確保方法では、舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12、S21,S22の少なくとも一つが浸水した場合、舷側3A及び舷側3Bの他方に配置された複数の水密区画室S11,S12、S21,S22に連通させる優先順位を予め設定しておく。この実施形態において、第一優先順位は、空所Sである水密区画室S12,S22であり、第二優先順位は液体収容室Lである水密区画室S13,S23である。
このような構成において、例えば機器室Mである左舷側の水密区画室S11が浸水した場合、バルブ31Bを開き、接続管30Bを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S11に連通させる。これにより、水密区画室S11に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。
また、例えば機器室Mである右舷側の水密区画室S21が浸水した場合、バルブ31Cを開き、接続管30Cを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S21に連通させる。これにより、水密区画室S21に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。
さらに、空所Sである左舷側の水密区画室S12が浸水した場合、バルブ31Dを開き、接続管30Dを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S12に連通させる。これにより、水密区画室S12に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。
また、空所Sである右舷側の水密区画室S22が浸水した場合、バルブ31Dを開き、接続管30Dを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S22に連通させる。これにより、水密区画室S22に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。
ここで、空所Sである水密区画室S12,S22のみでは、船舶1の復原性が不足する場合、バルブ31Dに加えてバルブ31B,31Cを開き、機器室Mである水密区画室S11,S12に浸入した水を流れ込ませることもできる。しかし、機器室Mの機能を損なうのを抑えるため、特に機器室Mである水密区画室S11,S21が浸水した場合、反対側の水密区画室S21,S11に水を流れ込ませるのは、最終手段とするのが好ましい。
したがって、上述した第一実施形態の船舶1、船舶1の復原性確保方法によれば、いずれかの水密区画室S11,S12,S21,S22が浸水した場合、船幅方向反対側の複数の水密区画室S11,S12,S21,S22のうち、予め設定した第一優先順位の水密区画室S12、S22に対し、選択的に水を送り込むことができる。そのため、複数の水密区画室S11,S12,S21,S22のうち、例えば機器が収容された機器室Mである水密区画室S11,S21には水を極力送り込まず、船舶1の航行に影響の少ない空所Sである水密区画室S12,S22に送り込むことができる。その結果、水密区画室S11,S21の浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶1の復原性を確保することが可能となる。
さらに、第一優先順位に設定される水密区画室S12,S22は、機器室M及び液体収容室L以外の空所Sであるようにしたので、機器が収容された機器室Mである水密区画室S11,S21に浸入した水を送り込むことを抑制できる。
(第二実施形態)
次に、この発明に係る船舶、船舶の復原性確保方法の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と区画室の数のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図3は、この発明の第二施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。
図3に示すように、この実施形態の船舶1の船体2内には、乾舷甲板5(図2参照)と甲板7(図2参照)との間に、複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23が設けられている。ここで、水密区画室S11,S12,S13と、水密区画室S21,S22,S23とは、船体2の中心Cを挟んで船幅方向に対称に配置されている。水密区画室S11,S12,S13とは、船体2の中心Cを挟んで左舷側に配置され、水密区画室S21,S22,S23は右舷側に配置されている。
左舷側の水密区画室S11,S12,S13は、左舷側の舷側3Aと、舷側3Aに対して船体2の船幅方向内側に間隔を空けて設けられた隔壁8Aと、船体2の船首尾方向に間隔を空けて設けられた二枚の隔壁9Aと、乾舷甲板5(図2参照)と、甲板7(図2参照)(図2参照)、とに囲まれて形成されている。
右舷側の水密区画室S21,S22,S23は、右舷側の舷側3Bと、舷側3Bに対して船体2の船幅方向内側に間隔を空けて設けられた隔壁8Bと、船体2の船首尾方向に間隔を空けて設けられた二枚の隔壁9Bと、乾舷甲板5(図2参照)と、甲板7(図2参照)、とに囲まれて形成されている。
この第二実施形態において、水密区画室S11,S21は、第一実施形態と同様に、各種の機器が設置された機器室Mとされている。同様に、水密区画室S12,S22は、例えばボイドスペース、パイプを通すためのパイプダクト、スタビライザー室、倉庫、貨物庫等の空所Sとされている。
水密区画室S13,S23は、例えば燃料タンク、清水タンク等の液体収容室Lとされている。
これら左舷側の水密区画室S11,S12,S13及び右舷側の水密区画室S21,S22,S23は、それぞれ船首尾方向に並んで配置されている。
水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23のそれぞれは、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室に、接続管30A〜30Iを介して接続されている。より詳しくは、水密区画室S11は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S21,S22,S23に、接続管30A,30B,30Eを介して接続されている。また、水密区画室S12は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S21,S22,S23に、接続管30C,30D,30Fを介して接続されている。水密区画室S13は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S21,S22,S23に、接続管30G,30H,30Iを介して接続されている。
水密区画室S21は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13に、接続管30A,30C,30Gを介して接続されている。また、水密区画室S22は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13に、接続管30B,30D、30Hを介して接続されている。水密区画室S23は、船体2の中心Cを挟んで反対側に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13に、接続管30E,30F、30Iを介して接続されている。
接続管30A〜30Iのそれぞれには、バルブ31A〜31Iが設けられている。バルブ31A〜31Iを開くと、接続管30A〜30Iを通して、一方の側の水密区画室S11,S12,S13と、他方の水密区画室S21,S22,S23とが連通する。バルブ31A〜31Iを閉じれば、接続管30A〜30Iを介した一方の側の水密区画室S11,S12,S13と、他方の水密区画室S21,S22,S23との連通が遮断される。
具体的には、バルブ31Aを開くと、接続管30Aを介して水密区画室S11と水密区画室S21とが連通される。バルブ31Bを開くと、接続管30Bを介して水密区画室S11と水密区画室S22とが連通される。バルブ31Eを開くと、接続管30Eを介して水密区画室S11と水密区画室S23とが連通される。バルブ31Cを開くと、接続管30Cを介して水密区画室S12と水密区画室S21とが連通される。バルブ31Dを開くと、接続管30Dを介して水密区画室S12と水密区画室S22とが連通される。バルブ31Fを開くと、接続管30Fを介して水密区画室S12と水密区画室S23とが連通される。バルブ31Gを開くと、接続管30Gを介して水密区画室S13と水密区画室S21とが連通される。バルブ31Hを開くと、接続管30Hを介して水密区画室S13と水密区画室S22とが連通される。バルブ31Iを開くと、接続管30Iを介して水密区画室S13と水密区画室S23とが連通される。
次に、この実施形態における船舶1の復原性確保方法について説明する。
この船舶1の復原性確保方法では、舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23の少なくとも一つが浸水した場合、舷側3A及び舷側3Bの他方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23に連通させる優先順位を予め設定しておく。この実施形態において、第一優先順位は、空所Sである水密区画室S12,S22であり、第二優先順位は液体収容室Lである水密区画室S13,S23であり、第三優先順位は機器室Mである水密区画室S11,S21である。
このような構成において、例えば機器室Mである左舷側の水密区画室S11が浸水した場合、バルブ31Bを開き、接続管30Aを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S11に連通させる。これにより、水密区画室S11に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ31Eを開き、接続管30Eを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S11に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Eを開かず、水密区画室S23を水密区画室S11に連通させない。
また、例えば機器室Mである右舷側の水密区画室S21が浸水した場合、バルブ31Cを開き、接続管30Cを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S21に連通させる。これにより、水密区画室S21に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ31Gを開き、接続管30Gを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S21に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Gを開かず、水密区画室S21を水密区画室S21に連通させない。
さらに、空所Sである左舷側の水密区画室S12が浸水した場合、バルブ31Dを開き、接続管30Dを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S12に連通させる。これにより、水密区画室S12に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ31Fを開き、接続管30Fを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S12に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Fを開かず、水密区画室S23を水密区画室S12に連通させない。
また、空所Sである右舷側の水密区画室S22が浸水した場合、バルブ31Dを開き、接続管30Dを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S22に連通させる。これにより、水密区画室S22に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。
さらに復原力が必要な場合、バルブ31Hを開き、接続管30Hを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S22に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Hを開かず、水密区画室S13を水密区画室S22に連通させない。
さらに、液体収容室Lである左舷側の水密区画室S13が浸水した場合、バルブ31Hを開き、接続管30Hを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S13に連通させる。これにより、水密区画室S13に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ31Iを開き、接続管30Iを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S12に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Iを開かず、水密区画室S23を水密区画室S12に連通させない。
また、液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23が浸水した場合、バルブ31Fを開き、接続管30Fを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S23に連通させる。これにより、水密区画室S23に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ31Iを開き、接続管30Iを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S23に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ31Iを開かず、水密区画室S13を水密区画室S23に連通させない。
ここで、空所Sである水密区画室S12,S22、及び液体収容室Lである水密区画室S13,S23のみでは、船舶1の復原性が不足する場合、バルブ31B,31C、31E,31Gを開き、機器室Mである水密区画室S11,S21に浸入した水を流れ込ませることもできる。しかし、機器室Mの機能を損なうのを抑えるため、特に機器室Mである水密区画室S11,S21が浸水した場合、反対側の水密区画室S21,S11に水を流れ込ませるのは、最終手段とするのが好ましい。
したがって、上述した第二実施形態の舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23の少なくとも一つが浸水した場合、予め設定した優先順位に基づいて、舷側3A及び舷側3Bの他方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23のうち、第一優先順位に設定された水密区画室S12,S22に連通する接続管30B,30C,30D,30F,30Hのバルブ31B,31C,31D,31F,31Hを開く。このように構成することで、機器が収容された機器室Mである水密区画室S11,S21には水を極力送り込まず、船舶1の航行に影響の少ない空所Sである水密区画室S12、S22に送り込むことができる。
また、第一優先順位に設定された水密区画室S12,S22に連通する接続管30B,30C,30D,30F,30Hのバルブ31B,31C,31D,31F,31Hを開いた後、第二優先順位に設定された水密区画室S13,S23に連通する接続管30E,30F,30G,30H,30Iのバルブ31E,31F,31G,31H,31Iを開く。
このように構成することで、第一優先順位に設定された水密区画室S12,S22だけでは浸入した水の収容量が不足した場合等には、第二優先順位に設定された水密区画室S13,S23に水を送り込むことができる。これによって、復原性能を高めることが可能となる。
第二優先順位に設定される水密区画室S13,S23は、液体が収容される液体収容室Lである。このように構成することで、機器が収容された機器室Mに水を送り込むことを極力避けることができる。
さらに、液体収容室Lである水密区画室S13,S23に収容された液体のレベルが予め定めた基準以上である場合、第三優先順位に設定された水密区画室S11,S21に連通する接続管30A,30B,30C,30E,30Gのバルブ31A,31B,31C,31E,31Gを開く 。このように構成することで、液体収容室Lである水密区画室S13、S23に、浸入した水を送り込むことができない場合に、第三優先順位に設定された水密区画室S11、S21に水を送り込むことで、復原性能を高めることができる。
その結果、浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶1の復原性を確保することが可能となる。
(第三実施形態)
次に、この発明に係る船舶、船舶の復原性確保方法の第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第二実施形態と接続管50A〜50Fの構成のみが異なるので、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図4は、この発明の第三施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。
図4に示すように、この実施形態の船舶1の船体2内には、乾舷甲板5(図2参照)と甲板7(図2参照)との間に、複数の水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23が設けられている。ここで、水密区画室S11,S12,S13と、水密区画室S21,S22,S23とは、船体2の中心Cを挟んで船幅方向に対称に配置されている。水密区画室S11,S12,S13とは、船体2の中心Cを挟んで左舷側に配置され、水密区画室S21,S22,S23は右舷側に配置されている。
この第三実施形態においても、第二実施形態と同様に、水密区画室S11,S21は、各種の機器が設置された機器室Mとされている。また、水密区画室S12,S22は、例えばボイドスペース、パイプを通すためのパイプダクト、スタビライザー室、倉庫、貨物庫等の空所Sとされている。また、水密区画室S13,S23は、例えば燃料タンク、清水タンク等の液体収容室Lとされている。
左舷側の水密区画室S11,S12,S13、右舷側の水密区画室S21,S22,S23は、それぞれ船首尾方向に並んで配置されている。
水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23のそれぞれには、接続管50A〜50Fの一端が接続されている。水密区画室S11に接続された接続管50A、水密区画室S12に接続された接続管50B、水密区画室S13に接続された接続管50C、水密区画室S21に接続された接続管50D、水密区画室S22に接続された接続管50E、水密区画室S23に接続された接続管50Fは、集合接続部52にそれぞれ接続されている。
このようにして、左舷側の水密区画室S11,S12,S13と、右舷側の水密区画室S21,S22,S23とは、接続管50A〜50F及び集合接続部52を介して互いに連通可能となっている。
また、接続管50A〜50Fには、バルブ51A〜51Iが設けられ、それぞれの流路を断続できる。
次に、この実施形態における船舶1の復原性確保方法について説明する。
この船舶1の復原性確保方法では、舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23の少なくとも一つが浸水した場合、舷側3A及び舷側3Bの他方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23に連通させる優先順位を予め設定しておく。この第三実施形態においても、第二実施形態と同様に、第一優先順位は、空所Sである水密区画室S12,S22であり、第二優先順位は液体収容室Lである水密区画室S13,S23である。さらに、第三優先順位は機器室Mである水密区画室S11,S21である。
このような構成において、例えば機器室Mである左舷側の水密区画室S11が浸水した場合、バルブ51A,51Eを開き、接続管50A,50Eを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S11に連通させる。これにより、水密区画室S11に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Fを開き、接続管50Fを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S11に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Fを開かず、水密区画室S23を水密区画室S11に連通させない。
また、例えば機器室Mである右舷側の水密区画室S21が浸水した場合、バルブ51D,51Bを開き、接続管50D,50Bを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S21に連通させる。これにより、水密区画室S21に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Cを開き、接続管50Cを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S21に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Cを開かず、水密区画室S21を水密区画室S21に連通させない。
さらに、空所Sである左舷側の水密区画室S12が浸水した場合、バルブ51B,51Eを開き、接続管50B,50Eを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S12に連通させる。これにより、水密区画室S12に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Fを開き、接続管50Fを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S12に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Fを開かず、水密区画室S23を水密区画室S12に連通させない。
また、空所Sである右舷側の水密区画室S22が浸水した場合、バルブ51E、51Bを開き、接続管50E,50Bを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S22に連通させる。これにより、水密区画室S22に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Cを開き、接続管50Cを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S22に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Cを開かず、水密区画室S13を水密区画室S22に連通させない。
さらに、液体収容室Lである左舷側の水密区画室S13が浸水した場合、バルブ51C,51Eを開き、接続管50C,50Eを介して空所Sである右舷側の水密区画室S22を水密区画室S13に連通させる。これにより、水密区画室S13に浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Fを開き、接続管50Fは、を介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S13に連通させる。なお、このとき、水密区画室S23が満タンク状態である等して、水密区画室S23における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Fを開かず、水密区画室S23を水密区画室S13に連通させない。
また、液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23が浸水した場合、バルブ51F,51Bを開き、接続管50F,50Bを介して空所Sである左舷側の水密区画室S12を水密区画室S23に連通させる。これにより、水密区画室S23に浸入した水が、水密区画室S12に流れ込む。さらに復原力が必要な場合、バルブ51Cを開き、接続管50Cを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S13を水密区画室S23に連通させる。なお、このとき、水密区画室S13が満タンク状態である等して、水密区画室S13における液体の収容レベルが予め定めた基準以上である場合には、バルブ51Cを開かず、水密区画室S13を水密区画室S23に連通させない。
ここで、空所Sである水密区画室S12,S22、及び液体収容室Lである水密区画室S13,S23のみでは、船舶1の復原性が不足する場合、バルブ51A,51Dを開き、機器室Mである水密区画室S11,S21に浸入した水を流れ込ませることもできる。しかし、機器室Mの機能を損なうのを抑えるため、特に機器室Mである水密区画室S11,S21が浸水した場合、反対側の水密区画室S21,S11に水を流れ込ませるのは、最終手段とするのが好ましい。
したがって、上述した第三実施形態の船舶1及び船舶1の復原性確保方法によれば、接続管50A〜50Fは、一端が水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23のそれぞれに接続され、接続管50A〜50Fの他端同士は集合接続部52に集合して接続されている。このように構成することで、舷側3A及び舷側3Bのそれぞれに配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23同士を接続する接続管50A〜50Fの数を抑えることができる。これによって、船体2内のスペースの有効利用性を高めるとともに、接続管50A〜50Fやバルブ51A〜51Fの設置コスト、メンテナンスの手間等を抑えることができる。
また、上記第一実施形態と同様、舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23の少なくとも一つが浸水した場合、予め設定した優先順位に基づいて、バルブ51A〜51Fを開くようにしたので、浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶1の復原性を確保することが可能となる。
(第三実施形態の変形例)
図5は、上記第三施形態における船舶の変形例の構成を示す平面図である。
この図5に示すように、接続管50A〜50Fに設けたバルブ51A〜51Iは、集合接続部52側の端部に配置するとともに、接続管50A〜50Fにおいて、水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23側の端部に、バルブ53A〜53Iを設けるようにしてもよい。
このような構成においては、例えば接続管50Aを連通させるには、その両端部のバルブ51A,53Aの双方を開く。
これにより、例えば接続管50A〜50F自体が損傷した場合、接続管50A〜50Fのうち損傷が生じたものにおいて、バルブ51A〜51Iと、バルブ53A〜53Iとを閉じることで、接続管50A〜50Fから船体2内の水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23以外のエリアへの水の漏れを抑えることができる。
(第四実施形態)
次に、この発明に係る船舶、船舶の復原性確保方法の第四実施形態について説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第三実施形態の構成に、バルブ51A〜51Iを自動的に開閉する制御部60を備えた構成のみが異なるので、第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図6は、この発明の第四施形態における船舶の船体内の構成を示す平面図である。
図6に示すように、この実施形態の船舶1の船体2内には、乾舷甲板5(図2参照)と甲板7(図2参照)との間に、複数の水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23が設けられている。
水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23のそれぞれには、接続管50A〜50Fの一端が接続されている。水密区画室S11に接続された接続管50A、水密区画室S12に接続された接続管50B、水密区画室S13に接続された接続管50C、水密区画室S21に接続された接続管50D、水密区画室S22に接続された接続管50E、水密区画室S23に接続された接続管50Fは、集合接続部52にそれぞれ接続されている。
このようにして、左舷側の水密区画室S11,S12,S13と、右舷側の水密区画室S21,S22,S23とは、接続管50A〜50F及び集合接続部52を介して互いに連通可能となっている。
また、接続管50A〜50Fには、バルブ51A〜51Fが設けられ、それぞれの流路を断続できる。
これらバルブ51A〜51Fは、制御部60によって、その開閉動作が自動的に制御される。制御部60は、水密区画室S11,S12,S13,S21,S22,S23のそれぞれに設けた液面計(図示無し)や、船体2の傾斜を検出する傾斜計(図示無し)等の検出結果に基づいて、バルブ51A〜51Fの開閉動作を制御する。
このような構成において、傾斜計(図示無し)で船体2が予め定めた基準以上に傾斜し、かつ、液面計(図示無し)によって、例えば機器室Mである左舷側の水密区画室S11,S12,S13のいずれかが所定レベル以上に浸水したことを検出した場合、浸水を検出した水密区画室S11,S12,S13に接続されている接続管50A,50B,50Cに設けられたバルブ51A,51B,51Cを開く。さらに、制御部60は、バルブ51Eを開く。これにより、接続管50A,50B,50Cのいずれかと、接続管50Eを介して、浸水を検出した水密区画室S11,S12,S13を、空所Sである右舷側の水密区画室S22に連通させる。すると、浸水を検出した水密区画室S11,S12,S13のいずれかに浸入した水が、水密区画室S22に流れ込む。
その後、例えば、液面計(図示無し)によって検出される水密区画室S22に流れ込んだ水のレベルが満水近くなっても、傾斜計(図示無し)で検出する船体2の傾きが、基準以下に戻らない場合等には、制御部60は、バルブ51Fを開く。これにより、接続管50Fを介して液体収容室Lである右舷側の水密区画室S23を水密区画室S11に連通させる。
なお、このとき、液面計(図示無し)によって検出される水密区画室S23の液面レベルが満タンクに近い状態である場合等には、制御部60は、バルブ51Fを開かず、水密区画室S23を水密区画室S11,S12,S13に連通させないようにすることもできる。この場合、制御部60は、バルブ51Dを開き、機器室Mである水密区画室S21に浸入した水を流れ込ませることもできる。
したがって、上述した第四実施形態の船舶1及び船舶1の復原性確保方法によれば、舷側3A及び舷側3Bの一方に配置された複数の水密区画室S11,S12,S13、S21,S22,S23の少なくとも一つが浸水した場合、予め設定した優先順位に基づいて、制御部60でバルブ51A〜51Fを開くようにしたので、浸水していない機器が使用不能になるのを抑えつつ、船舶1の復原性を確保することが可能となる。
なお、上述した第四実施形態の制御部60におけるバルブ51A〜51Fの開閉制御内容は上述したものに限られない。バルブ51A〜51Fの開閉は、上記に例示した以外の各種の検出パラメータ等によって、適宜変更することができる。
また、上述した制御部60による制御は、上記第一から第三実施形態およびそれらの変形例に対しても同様に適用することが可能である。
(その他の変形例)
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、浸入した水を送り込む先の水密区画室S11〜S13,S21〜S23について、空所S、液体収容室L、機器室Mの順で優先順位を設定したが、上記に例示した以外の優先順位で浸入した水を送り込む先を設定すること可能である。
また、例えば、水密区画室S11〜S13,S21〜S23の船体2内における位置、大きさ、用途等については、適宜変更することが可能である。また、各実施形態および変形例では、水密区画室を船体のそれぞれの舷側3Aに沿って2又は3個設けるようにしたが、4以上を設けてもよい。
船舶1の船種は特定のものに限られず、例えばフェリー、RORO船(Roll−on/Roll−off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等、種々の船種を採用できる。
1 船舶
2 船体
3A 舷側(左舷)
3B 舷側(右舷)
4 船底
5 乾舷甲板
7 甲板
8A、8B、9A、9B 隔壁
30A〜30I、50A〜50F 接続管
31A〜31I、51A〜51I バルブ(開閉弁)
53A〜53I バルブ(開閉弁)
52 集合接続部
60 制御部
C 中心
L 液体収容室
M 機器室
S 空所
S11〜S13、S21〜S23 水密区画室

Claims (8)

  1. 左舷及び右舷を有する船体と、
    前記船体内に設けられ、前記左舷及び前記右舷のそれぞれに沿って配置された複数の区画室と、
    前記左舷及び前記右舷に配置されたそれぞれの前記区画室と船幅方向反対側に配置された複数の前記区画室とを連通する接続管と、
    各前記接続管を開閉する開閉弁と、
    を備える船舶。
  2. 前記接続管は、一端が前記区画室のそれぞれに接続されるとともに、
    複数の前記区画室に前記一端が接合された前記接続管の他端同士を集合させて接続する集合接続部をさらに備える請求項1に記載の船舶。
  3. 前記接続管は、前記開閉弁よりも前記区画室側に、第二の開閉弁をさらに備える請求項1又は2に記載の船舶。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の船舶の復原性確保方法であって、
    前記左舷及び前記右舷の一方に配置された複数の前記区画室の少なくとも一つが浸水した場合、
    予め設定した優先順位に基づいて、前記左舷及び前記右舷の他方に配置された複数の前記区画室のうち、第一優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開く船舶の復原性確保方法。
  5. 前記第一優先順位に設定される前記区画室は、機器室及び液体収容室以外の空所である請求項4に記載の船舶の復原性確保方法。
  6. 前記第一優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開いた後、第二優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開く請求項4又は5に記載の船舶の復原性確保方法。
  7. 前記第二優先順位に設定される前記区画室は、液体が収容される液体収容室である請求項6に記載の船舶の復原性確保方法。
  8. 前記液体収容室に収容された前記液体のレベルが予め定めた基準以上である場合、第三優先順位に設定された前記区画室に連通する前記接続管の前記開閉弁を開く請求項7に記載の船舶の復原性確保方法。
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