JP2018036867A - 無人走行車、無人走行車の走行システム、及び、無人走行車の制御方法 - Google Patents

無人走行車、無人走行車の走行システム、及び、無人走行車の制御方法 Download PDF

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哲也 桑原
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靖久 伊藤
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Wataru Kitamura
亘 北村
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Abstract

【課題】ローミングに要する時間を削減する。
【解決手段】無人走行車2は、基地局A1等と無線通信をする通信部21と、無人走行車2の位置を示す位置情報を取得する位置取得部23と、無人走行車2の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けを記憶している記憶部25と、(a)位置取得部23が取得した位置情報に、上記対応付けにより対応付けられている基地局及びチャネルを特定し、(b)特定したチャネルにおいて、特定した基地局との第一通信リンクを通信部21に確立させる通信制御部26とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、無人走行車、無人走行車の走行システム、及び、無人走行車の制御方法に関する。
工場などの施設内において、人が乗車することなく天井又は床面などを走行する無人走行車が利用されている。無人走行車は、無人走行車の走行を制御する制御装置などとの間で通信することで、走行に関する制御情報を制御装置から受信し、受信した制御情報に従って走行する。無人走行車は、上記施設内をカバーするように複数配置された基地局を順次に利用した無線通信により、制御装置と通信する。
また、一般に、無線通信端末(上記無人走行車も含まれる)が一の基地局から他の基地局へ無線通信の接続を切り替える(ローミング)際には、接続している基地局との無線通信の品質が低下したこと等の検出を契機として、接続先となり得る複数の通信チャネルに亘って基地局等を検索するためのキャリアセンス(スキャン)を行う。無線通信の接続切り替えには、無線通信の品質の低下の検出及びスキャン等のために、数秒程度の通信断時間が発生する。
特許文献1は、基地局と無線通信する端末が移動することが想定される場合に、自装置の予測位置に基づいて接続切り替え処理を行う技術を開示する。
特開2014−192577号公報
特許文献1が開示する技術では、無線通信端末は、無線通信の品質の低下を現実に検出する前であっても予測位置についての条件に基づいてローミングをするので、品質の低下の検出に要する時間の分だけ、ローミングに要する時間を削減することができる。しかしながら、依然として、ローミングの際にスキャンのための時間(数100ミリ秒〜数秒程度)を要するという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ローミングに要する時間を削減する無人走行車等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る無人走行車は、基地局と無線通信をする通信部と、前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けを記憶している記憶部と、(a)前記位置取得部が取得した前記位置情報に、前記対応付けにより対応付けられている前記基地局及び前記チャネルを特定し、(b)特定した前記チャネルにおいて、特定した前記基地局との第一通信リンクを前記通信部に確立させる通信制御部とを備える。
これによれば、無人走行車は、無人走行車の位置に応じて、その位置に対応付けられた基地局及びチャネルを取得して新たな通信リンクを確立する。このとき、確立すべき新たな通信リンクの相手の基地局が上記対応付けにより与えられるので、無人走行車は、相手の基地局を検索するための処理(例えばスキャン)を行う必要がない。言い換えれば、無人走行車は、相手の基地局を検索するために必要な処理に要せずにローミングを行うことができる。よって、無人走行車は、ローミングに要する時間を削減することができる。
また、前記通信制御部は、前記通信部に前記第一通信リンクを確立させる前に前記通信部が第二通信リンクを確立している場合に、前記位置取得部が取得した位置情報が、前記対応付けに含まれている位置情報であることを検出したときに、前記通信部に、前記第二通信リンクを切断させ、かつ、前記第一通信リンクを確立させてもよい。
これによれば、無人走行車は、通信リンク(第二通信リンク)を確立している状態において、無人走行車の位置を示す位置情報が対応付けられている基地局、つまり、当該位置で通信可能である基地局が存在する場合に、当該基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。よって、無人走行車は、通信リンクを確立すべき相手の基地局が存在する場合にローミングを行うとともに、そのローミングに要する時間を削減することができる。
また、前記通信制御部は、前記通信部に前記第一通信リンクを確立させる前に前記通信部が第三通信リンクを確立している場合に、前記第三通信リンクを確立した相手基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報が所定の閾値を下回ったことを検出したときに、前記通信部に、前記第三通信リンクを切断させ、かつ、前記第一通信リンクを確立させてもよい。
これによれば、無人走行車は、通信リンク(第三通信リンク)を確立している状態において、第三通信リンクを確立している相手の基地局からの電波の強度が所定の閾値より低下した場合に、新たな基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。所定の閾値は、例えば、電波の強度が低下することで無線通信が不可能になる場合における、不可能になる前の電波の強度とすることができる。よって、無人走行車は、通信リンクを確立している基地局との無線通信が現実に不可能になる前にローミングを行うとともに、そのローミングに要する時間を削減することができる。
また、前記通信制御部は、前記第一通信リンクを前記通信部に確立させる際に、前記無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンスを行うことなく、前記第一通信リンクを前記通信部に確立させてもよい。
これによれば、無人走行車は、無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンス(スキャン)に要する時間を削減することで、ローミングに要する時間を具体的に削減することができる。
また、前記対応付けは、前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局、チャネル、及び、当該基地局から受信する電波の強度を示す強度情報とを対応付けており、前記通信制御部は、前記対応付けにより、前記位置取得部が取得した位置情報に複数の基地局が対応付けられている場合には、対応付けられている前記複数の基地局のうち前記強度情報が示す電波の強度がより強い基地局との前記第一通信リンクを、より優先的に、前記通信部に確立させてもよい。
これによれば、無人走行車は、一の位置に複数の基地局が対応付けられている場合に、到来する電波の強度が高い基地局、つまり、通信品質がより高いと想定される基地局との通信リンクを優先的に確立することができる。これにより、確立する通信リンクにおいて行う通信品質がより高いものとなり得る。
また、前記通信部は、前記位置取得部が取得した前記位置情報を参照して、前記無人走行車が所定の位置に位置していると判定したときに、前記対応付けを前記無線通信により取得して前記記憶部に格納してもよい。
これによれば、無人走行車は、所定の位置において、対応付けを取得することで更新することができる。無線通信の品質は、無人走行車の走行路の近傍の物品の配置の変更などにより変化し得る。よって、無人走行車は、対応付けを更新することで、現実の物品の配置に適合した対応付けに基づいてローミングに要する時間を削減することができる。
また、前記無人走行車は、さらに、前記通信部が前記基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報を取得する強度取得部を備え、前記位置取得部は、さらに、前記強度取得部が前記強度情報を取得したときの前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得し、前記無人走行車は、さらに、前記強度取得部が取得した前記強度情報と、前記位置取得部が取得した前記位置情報とを用いて、前記対応付けを算出して前記記憶部に格納する算出部とを備えてもよい。
これによれば、無人走行車は、無人走行車が実際に取得した強度情報及び位置情報に基づいて対応付けが生成される。これにより、他の方法(例えば、無人走行車の代わりの測定機器による測定に基づく方法、又は、シミュレーション等の計算に基づく方法)により対応付けを生成することなく、無人走行車を用いて対応付けを生成することができる。
また、本発明の一態様に係る無人走行車の走行システムは、上記の1以上の無人走行車と、前記対応付けを前記1以上の無人走行車に提供する制御装置とを備える。
これによれば、無人走行車の走行システムは、1以上の無人走行車に対応付けを提供し、無人走行車は、提供された対応づけによってローミングに要する時間を削減することができる。
また、前記1以上の無人走行車のそれぞれは、さらに、当該無人走行車の前記通信部が前記基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報を取得する強度取得部を備え、前記1以上の無人走行車のそれぞれの前記位置取得部は、さらに、当該無人走行車の前記強度取得部が前記強度情報を取得したときの前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得し、前記制御装置は、前記1以上の無人走行車の前記強度取得部が取得した前記強度情報と、前記位置取得部が取得した前記位置情報とを用いて前記対応付けを算出し、算出した前記対応付けを前記1以上の無人走行車のそれぞれに提供してもよい。
これによれば、走行システムにおいて、1以上の無人走行車それぞれが取得した強度情報及び位置情報を用いて対応付けを生成した上で、その生成した対応付けを1以上の無人走行車それぞれが利用してローミングに要する時間を削減することができる。
また、本発明の一態様に係る無人走行車の制御方法は、基地局と無線通信をする通信部を備える無人走行車の制御方法であって、前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けを記憶部に格納する格納ステップと、(a)前記位置取得ステップで取得した前記位置情報に、前記対応付けにより対応付けられている前記基地局及び前記チャネルを特定し、(b)特定した前記チャネルにおいて、特定した前記基地局との第一通信リンクを前記通信部に確立させる通信制御ステップとを含む。
これによれば、上記無人走行車と同様の効果を奏する。
本発明にかかる無人走行車等は、ローミングに要する時間を削減することができる。
図1は、実施の形態1に係る無人走行車を含む走行システムを示す模式図である。 図2は、実施の形態1に係る無人走行車による無線通信を示す説明図である。 図3は、実施の形態1に係る無人走行車がレールに沿って軌道を走行する状態の外観を示す模式図である。 図4は、実施の形態1に係る無人走行車の外観を示す模式図である。 図5は、実施の形態1に係る無人走行車の機能ブロックを示すブロック図である。 図6は、実施の形態1に係る位置取得部が無人走行車の位置情報を取得する方法を示す説明図である。 図7は、実施の形態1に係る対応情報により対応付けられる、位置情報及び基地局の説明図である。 図8は、実施の形態1に係る対応情報の説明図である。 図9は、実施の形態1に係る通信部及び通信制御部により実行されるローミングの処理を示す第一のフロー図である。 図10は、実施の形態1に係る通信部及び通信制御部により実行されるローミングの処理を示す第二のフロー図である。 図11は、実施の形態2に係る無人走行車の機能ブロックを示すブロック図である。 図12は、実施の形態2に係る強度取得部が強度を取得する位置の例を示す説明図である。 図13は、実施の形態2に係る取得制御部が取得するログを示す説明図である。 図14は、実施の形態2に係る無人走行車が対応情報を算出して記憶する処理を示すフロー図である。 図15は、実施の形態2の変形例に係る無人走行車の走行システムの機能ブロックを示すブロック図である。 図16は、実施の形態2の変形例に係る無人走行車の走行システムが対応情報を算出して記憶する処理を示すフロー図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、ローミングに要する時間を削減する無人走行車及び走行システム等について説明する。まず、本発明に係る無人走行車を含む走行システムについて説明する。なお、下記説明において、各図面中に示すXYZ座標軸を用いた説明を行う場合もある。また、Z軸のプラス方向及びマイナス方向を、それぞれ、上(上方向)及び下(下方向)ということもある。
図1は、本実施の形態に係る無人走行車2を含む走行システムSを示す模式図である。図2は、実施の形態に係る無人走行車2による無線通信を示す説明図である。図1及び図2を参照しながら走行システムS、及び、走行システムSにおける無人走行車2による無線通信について説明する。
図1に示されるように、走行システムSは、軌道1及び4と、無人走行車2と、ステーション3と、基地局A1及びA2と、LAN10と、制御装置30とを備える。
走行システムSは、施設内の天井又は床面等に予め設けられた走行経路である軌道1及び4に、制御装置30によるコンピュータ制御によって無人走行車2を走行させる、有軌道式の走行システムである。無人走行車2は、制御装置30による制御に従って、所定の処理を行うステーション3に停止したり、再び走行を開始したりする。走行システムSは、例えば物品の搬送システム、より具体的には、半導体製造工程に使用される搬送システムに適用され得るものであり、以降ではこの場合を例として説明するが、この用途に限定されない。
なお、以降では、走行システムSが施設内の天井に敷設される搬送システムである場合を例として説明するが、以降の説明は、施設内の床面に敷設される走行システム、無軌道式の走行システム、又は、搬送とは異なる目的の無人走行車の走行システムに適用することも可能である。
以降において、走行システムSを構成する構成要素について、より具体的に説明する。
軌道1及び4は、無人走行車2が走行する軌道である。軌道1及び4は、より具体的には、施設内の天井に略水平に(XY平面に略平行に)設置された、予め定められた環状軌道である。軌道1(図にて軌道1a、1b、1c、1d、1e及び1fと表記)は、走行システムSに複数設けられ、複数の軌道1が軌道4に接続されている。軌道1上には複数のステーション3が接続されている。なお、軌道1及び4は、これに限定されず、略同一平面内、又は、3次元空間内に立体的に設けられた軌道であってもよい。
無人走行車2(図にて無人走行車2a、2b、2c、2d、2e及び2fと表記)は、軌道1及び4を走行する車両である。無人走行車2は、人が乗車することなく走行し、また、自律的に又は遠隔操作に基づいて走行する無人走行車であり、軌道1及び4上に1以上存在している。無人走行車2は、無人搬送車、より具体的には、懸垂式昇降搬送台車(OHT(Overhead Hoist Transfer)台車)に相当する。
無人走行車2は、制御装置30による制御に基づいて軌道1及び4を自在に走行し、物品(FOUP8)の搬送などを行う。また、無人走行車2は、基地局A1等と無線通信リンク(以降、単に通信リンクともいう)を確立し、この通信リンクを用いた無線通信により制御装置30からの指令を受信する。無人走行車2は、また、通信リンクを確立する相手となる基地局の切り替え(ローミング)を行う。例えば、無人走行車2は、基地局A1と確立した通信リンクL1により通信しながら軌道1及び4に沿って走行しているときに、基地局A1の通信エリア(領域64)を脱したことで通信リンクL1を通じた無線通信を維持できなくなった場合には、基地局A2の通信エリア(領域65)内に位置していれば基地局A2と通信リンクL2を新たに確立し通信リンクL2により通信を行う(図2参照)。なお、物品は、例えば、半導体ウエハを収納する容器であるFOUP(Front Opening Unified Pod)8に相当する。
ステーション3は、無人走行車2が一時停止する停留所である。ステーション3は、無人走行車2から物品の搬入を受ける搬入ポート3aと、無人走行車2へ物品を搬出する搬出ポート3bとを有する。ステーション3は、例えば半導体処理装置に相当し、上記所定の処理として、半導体ウエハの各種表面処理等(洗浄、成膜、レジスト、CVD(Chemical Vapor Deposition)、検査等)を行う。無人走行車2は、制御装置30による制御の下、ステーション3との間で荷つかみ(ステーション3から無人走行車2に物品を積み込むこと)、又は、荷おろし(無人走行車2からステーション3に物品を積み出すこと)を行う。ステーション3は、無人走行車2から搬入ポート3aを介して搬入された物品であるFOUP8に収容された半導体ウエハに上記処理を施し、処理済みの半導体ウエハを収容したFOUP8を搬出ポート3bを介して無人走行車2に搬出する。
基地局A1は、無人走行車2と通信リンクL1を確立して無線通信を行う基地局装置である。基地局A2も基地局A1と同様の機能を有する。
基地局A1等は、例えば、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LANなどの通信インタフェースにより無線通信を行う。基地局A1等は、無線通信の通信エリアが軌道1及び4をカバーする位置に配置される。このとき、隣接する基地局同士で無線通信の通信エリアが一部重なることは許容されるが、重なりが大きすぎること、又は、軌道1及び4のうちカバーされない位置が生ずることがないように配置されることが無線通信の安定化のために好ましい。また、基地局A1等は、LAN10に接続されており、無人走行車2との通信リンクL1及びL2等、並びに、LAN10を介して、制御装置30と無人走行車2との通信を中継する。
なお、基地局A1等の個数は2個に限られず、3個以上あってもよい。
LAN10は、基地局A1等及び制御装置30が接続されたローカルエリアネットワークである。LAN10は、例えば、IEEE802.3規格等に適合する有線LAN、又は、IEEE802.11a、b、g、n規格等に適合する無線LANなどである。
制御装置30は、無人走行車2の走行をコンピュータにより制御する制御装置である。制御装置30は、具体的には、無人走行車2に対して、無人走行車2が走行して軌道1及び4上のどの位置に到達すべきかを示す位置情報を含む走行指令を送信する。走行指令には、上記位置情報の他、走行すべき走行経路を示す情報を含んでもよい。制御装置30は、例えば、あるステーション3から物品の荷つかみ要求を取得すると、荷つかみ要求が発生したステーション3に比較的近い位置にある無人走行車2に対して、荷つかみ要求が発生したステーション3に移動する走行指令、及び、上記ステーション3から物品を受け取る旨の搬送指令を送信する。なお、制御装置30は、走行指令及び搬送指令の他にも、無人走行車2にFOUP8を把持させる把持指令などを無人走行車2に対して送信する。
図3は、本実施の形態に係る無人走行車2がレール7に沿って軌道4を走行する状態の外観を示す模式図である。図4は、本実施の形態に係る無人走行車2の外観を示す模式図である。図3及び図4を参照しながら無人走行車2の搬送機能について説明する。
無人走行車2は、駆動部20aと、位置合わせ機構20bと、ベルト20cと、昇降機構20dと、昇降体20eと、グリッパ部材20fとを備える。
駆動部20aは、無人走行車2を軌道4に沿って走行させる駆動装置である。無人走行車2は、施設内の天井に軌道4に沿って敷設されたレール7に、駆動部20aを介して吊り下げられている。駆動部20aは、駆動装置としての走行輪(不図示)を備えている。無人走行車2は、走行輪によりレール7にガイドされながら走行する。この走行に必要な動力は、走行輪に搭載される駆動モータ、又は、レール7及び無人走行車2それぞれに設けられるコイル及びリアクションプレートによるリニアモータなど周知技術によって得られる。
位置合わせ機構20bは、無人走行車2の走行方向と水平面(XY面)内で直交する方向、及び、回転方向の変位調整を行う調整機構である。
ベルト20cは、伸縮自在に制御されるベルト体である。ベルト20cは、上端が昇降機構20dに接続され、下端が昇降体20eに接続されている。ベルト20cは、上下方向の長さが伸縮することで昇降体20eを上下方向に変位させる。なお、ベルト20cは、昇降体20eへの電力供給を行い、また、制御信号を送受信するための電線を内部に有していてもよい。
昇降機構20dは、ベルト20cの上下方向の長さを調整することで昇降体20eを昇降させる機構である。昇降機構20dは、ベルト20cの上端に接続されており、例えばベルト20cを巻き上げることによりベルト20cの上下方向の長さを調整する。
昇降体20eは、上下方向における適切な位置にFOUP8を位置させるために昇降される移動体である。昇降体20eは、ベルト20cの下端に接続されており、ベルト20cが昇降機構20dにより伸縮されることに伴って昇降される。
グリッパ部材20fは、FOUP8を把持する把持機構である。グリッパ部材20fは、昇降体20eの下部に設けられており、昇降体20eとともに昇降する。FOUP8は、被処理物(例えば半導体ウエハ)を収納するFOUP本体8aと、グリッパ部材20fに把持されるフランジ8bとを有する。グリッパ部材20fは、フランジ8bを把持した状態で、昇降機構20dによる昇降体20eの昇降に伴ってFOUP8を移送する。グリッパ部材20fは、制御装置30による制御(把持指令)に従って、把持、又は、把持の解除を行う。
なお、無人走行車2への給電には、様々な方法を採用し得る。例えば、無人走行車2への給電は、軌道1及び4に沿って敷設される給電線(不図示)から、無人走行車2が備えるコイル(不図示)への電磁誘導作用を利用した方法により可能である。
次に、走行システムS及び無人走行車2の機能について説明する。
図5は、本実施の形態に係る無人走行車2の機能ブロックを示すブロック図である。図6は、本実施の形態に係る位置取得部23が無人走行車2の位置情報を取得する方法を示す説明図である。
図5は、本実施の形態に係る無人走行車2の機能ブロックを示すブロック図である。
図5に示されるように、無人走行車2は、通信部21と、位置取得部23と、走行制御部24と、記憶部25と、通信制御部26とを備える。
通信部21は、無線通信を行う通信インタフェースである。通信部21は、基地局A1等と通信可能な規格(例えば、IEEE802.11a、b、g、n規格等)に適合する無線LANなどの通信インタフェースである。通信部21は、施設内に配置された複数の基地局A1等のうち、通信部21との無線通信が可能である1つの基地局と通信リンクを確立し得る。また、通信部21は、無人走行車2の位置の変化又は電波環境の変化等により、確立していた通信リンクが通信不能となった場合には、確立していた通信リンクを切断し、新たな基地局と通信リンクを確立し得る。通信部21が通信リンクを確立する相手となる基地局を決定する方法、その時期などについては、後で詳しく説明する。
また、通信部21は、制御装置30等から対応情報を通信によって取得して記憶部25に格納してもよい。その際、通信部21は、位置取得部23が取得した位置情報を参照して、無人走行車2が軌道1及び4上の所定の位置に位置していると判定したときに対応付けを取得してよい。
強度取得部22は、通信部21が受信する、基地局A1等からの電波の受信強度を示す強度情報を取得する処理部である。強度取得部22は、例えば、基地局A1等が送信するビーコン等の制御フレーム又はデータフレームの受信信号強度(例えば、−60dBm又は−80dBm等)を受信強度として取得する。なお、強度取得部22が受信強度を取得するチャネルは、通信リンクを確立しているチャネルに限定されず、通信リンクを確立していないチャネルであってもよい。なお、強度取得部22は、必須の機能ブロックではなく、強度情報に基づいて決定されるタイミングで新たな通信リンクを確立する場合(後述)に必要な機能ブロックである。
位置取得部23は、無人走行車2の位置を示す位置情報を取得する位置センサである。位置取得部23は、無人走行車2が軌道1及び4上のどの位置に位置しているかを示す位置情報を取得する。位置情報を取得する方法は、さまざまな方法を採用し得る。
位置取得部23が位置情報を取得する方法の例を図6に示している。図6において、位置取得部23は、光受信器を有する。また、軌道1及び4に沿って複数の光送信器41a及び41bが配置されている。光送信器41a及び41bは、それぞれ、光送信器ごとに固有の情報を含む光信号42a及び42bを送信する。上記固有の情報と光送信器との対応付けは予め定められているものとする。位置取得部23は、光受信器により光信号42a又は42bを受信し、上記の対応付けを参照することで、光受信器が受光した光信号を送信した光送信器を特定し、無人走行車2の位置を示す位置情報を生成する。例えば、光受信器が受光した光信号のうち最新のものが光信号42aである場合には、光信号42aを送信した光送信器41aを特定し、光送信器41aとその1つ後の光送信器41bとの間の位置P1を示す位置情報を生成する。
なお、位置情報の取得方法は光送受信器による方法で説明したが、一例にすぎないことは言うまでもない。例えば、位置情報の取得方法は、軌道1に貼られたバーコード等のマーキング情報を光学的に読み取り変換することで位置情報を取得する方法でもよいし、IMES(Indoor MEssaging System)(いわゆる屋内GPS(Global Position System)により位置情報を取得する方法でもよい。
さらに、位置情報の取得方法は、走行輪に搭載されている駆動モータからのフィードバック情報(モータ回転数)を管理している走行制御部からの情報、若しくは、無人走行車に備わる加速度センサ又は方位センサなどからの情報に基づいて位置情報を取得する方法でもよく、さらに、前述の取得方法の組み合わせでもよい。
走行制御部24は、軌道1及び4に沿って無人走行車2を走行させる処理部である。走行制御部24は、通信部21を介して制御装置30から走行指令を受信し、受信した走行命令に含まれる位置情報が示す位置を取得する。そして、走行制御部24は、軌道1及び4のうち、取得した位置に無人走行車2を移動させるのに適切な走行経路を算出し、算出した走行経路に従って無人走行車2を走行させる。なお、走行制御部24が制御装置30から走行すべき走行経路を示す情報を受信した場合には、受信した情報に従う走行経路に従って無人走行車2を走行させてもよい。
記憶部25は、無人走行車2の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けである対応情報を記憶している記憶装置である。対応情報は、予め記憶部25に格納されたものであってもよいし、制御装置30から通信部21を介して提供されたものであってもよい。対応情報の具体的な内容については後で詳しく説明する。
通信制御部26は、通信部21の動作を制御する処理部である。具体的には、通信制御部26は、位置取得部23が取得した位置情報に、対応付け(対応情報)により対応付けられている基地局及びチャネルを特定する。そして、特定したチャネルにおいて、特定した基地局との通信リンク(第一通信リンクともいう)を通信部21に確立させる。なお、通信制御部26が上記のように基地局を特定することは、具体的には、基地局を一意に識別し得る情報(例えば後述する基地局ID46)を取得することであり、単に基地局を取得する、と表現することもある。チャネルについても同様であり、チャネルを特定することは、具体的には、チャネルを一意に識別し得る情報(例えば後述するチャネル47)を取得することであり、単にチャネルを取得する、と表現することもある。
通信制御部26が上記通信リンクを通信部21に確立させることは、例えば、位置情報又は強度情報に基づいて決定されるタイミングで行われる。具体的には、通信制御部26は、通信部21に第一通信リンクを確立させる前に通信部21が通信リンク(第二通信リンクともいう)を確立している場合に、位置取得部23が取得した位置情報が、対応情報に含まれている位置情報であることを検出したときに、通信部21に、第二通信リンクを切断させ、かつ、第一通信リンクを確立させてもよい。また、通信制御部26は、通信部21に第一通信リンクを確立させる前に通信部21が通信リンク(第三通信リンクともいう)を確立している場合に、第三通信リンクを確立した相手基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報が所定の閾値を下回ったことを検出したときに、通信部21に、第三通信リンクを切断させ、かつ、第一通信リンクを確立させてもよい。
また、通信制御部26は、第一通信リンクを通信部21に確立させる際に、無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンスを行うことなく、第一通信リンクを通信部21に確立させてもよい。対応情報に格納されている強度情報及び位置情報を利用すれば、軌道1及び4上の位置において通信可能である基地局を知ることができるので、無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンス(スキャン)を行う必要がないためである。スキャンには一般に数100ミリ秒〜数秒程度の時間を要する。スキャンを行わずに第一リンクを確立させることで、ローミングに要する時間をより一層削減することができる。
次に、対応情報についてより具体的に説明する。
図7は、本実施の形態に係る対応情報により対応付けられる、位置情報及び基地局の説明図である。図8は、本実施の形態に係る対応情報の説明図である。
ここでは、図7に示されるように3個の基地局A1、A2及びA3を備える走行システムSを例として説明する。3個の基地局A1、A2及びA3は、軌道1及び4上の位置をカバーする位置に配置されており、無人走行車2と通信リンクを確立する。3個の基地局A1、A2及びA3の通信エリアは、それぞれ、領域64、65及び66である。
このとき、軌道1及び4上において領域64に含まれる位置の範囲を、無人走行車2が基地局A1と通信することができる位置の範囲を示すブロックB1とする。同様に、軌道1及び4上において領域65及び66に含まれる位置の範囲を、それぞれ、無人走行車2が基地局A2及びA3と通信することができる位置の範囲を示すブロックB2及び3とする。なお、軌道1及び4上で、複数の基地局と通信可能である位置の範囲は、当該複数の基地局のうちのいずれかと通信できる位置の範囲を示すブロックに含めてよい。
図7のように基地局A1等、並びに、軌道1及び4が配置されているときの対応情報が図8に示されている。
図8に示されるように、対応情報は、ブロック45と、基地局ID46と、チャネル47との各情報を含む。対応情報に含まれる1行のエントリは、一のブロック45に対応づけられる基地局ID46とチャネル47とを示している。
ブロック45は、軌道1及び4上の位置、又は、ブロック(位置の範囲)を示す。
基地局ID46は、ブロック45に示される位置に位置する無人走行車2が通信リンクを確立することができる基地局の識別子を示す。基地局ID46は、基地局を一意に識別できる任意の数値等を採用することができ、例えば、基地局のMAC(Media Access Control)アドレスを採用し得る。図における「MAC1」との記載は、基地局A1のMACアドレスを意味し、同様に、「MAC2」及び「MAC3」との記載は、それぞれ、基地局A2及びA3のMACアドレスを意味するものとする。なお、基地局ID46は、MACアドレスを用いて説明したが、その代わりに、基地局に設定された固定IPアドレスを用いてもよい。以降でも同様とする。
チャネル47は、無人走行車2が、ブロック45に示される位置で基地局ID46に示される基地局と通信リンクを確立することができるチャネルを示す。ここで、無線通信の電波のチャネルには、そのチャネルを一意に示すための識別番号(例えば、1又は2等)が予め割り当てられているものとする。以降でも同様とする。
なお、対応情報は、上記の他に、強度情報(不図示)を含んでもよい。
また、対応情報において、一の位置(ブロック)について複数の基地局及びチャネルが対応付けられることが許容される。この場合、通信制御部26は、位置取得部23が取得した位置情報に対応付けられた複数の基地局及びチャネルのうち、任意の1つの基地局及びチャネルを使用することにしてもよい。ここで、対応情報が強度情報を含んでいる場合には、通信制御部26は上記の任意の1つとして、上記複数の基地局及びチャネルのうち、強度情報が示す強度がより強い基地局をより優先的に使用してもよいし、強度情報に示される強度が閾値以上であるもののうちの任意の1つを使用してもよい。
次に、無人走行車2によるローミングの処理の詳細について2つの例を説明する。第一の例は位置情報に基づいて決定されるタイミングで新たな通信リンクを確立する例であり、第二の例は強度情報に基づいて決定されるタイミングで新たな通信リンクを確立する例である。これらを順に説明する。
図9は、本実施の形態に係る通信部21及び通信制御部26により実行されるローミングの処理を示す第一のフロー図である。図9を参照しながら、位置情報に基づいて決定されるタイミングで新たな通信リンクを確立する処理について説明する。なお、この処理では、強度取得部22は用いられない。
ステップS101において、位置取得部23が無人走行車2の位置を示す位置情報を取得する。なお、この時点で既に通信部21が基地局A1等のうちのいずれかと通信リンクを確立しているとする。
ステップS102において、通信制御部26は、ステップS101において取得された位置情報が、記憶部25に記憶されている対応情報に含まれているか否かを判定する。位置情報が対応情報に含まれていると判定した場合(ステップS102でYes)にはステップS103に進み、そうでない場合(ステップS102でNo)にはステップS101に進む。
ステップS103において、通信制御部26は、対応情報から、通信リンクを確立すべき基地局の基地局ID及びチャネルを取得する。具体的には、通信制御部26は、対応情報において、ステップS101において取得された位置情報が対応付けられている基地局の基地局ID及びチャネルを取得する。
ステップS104において、通信制御部26は、確立している通信リンクを切断した後、ステップS103で取得したチャネルにおいて、ステップS103で取得した基地局IDにより示される基地局との通信リンクを通信部21に確立させる。
上記一連の処理により、無人走行車2は、無人走行車2の位置を示す位置情報が対応付けられている基地局、つまり、当該位置で通信可能である基地局が存在する場合に、当該基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。
図10は、本実施の形態に係る通信部21及び通信制御部26により実行されるローミングの処理を示す第二のフロー図である。図10を参照しながら、強度情報に基づいて決定されるタイミングで新たな通信リンクを確立する処理について説明する。なお、この処理では、強度取得部22が用いられる。
ステップS201において、強度取得部22は、通信部21が基地局A1等から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報を取得する。なお、この時点で既に通信部21が基地局A1等のうちのいずれかと通信リンクを確立しているとする。
ステップS202において、通信制御部26は、ステップS201において取得された強度情報が閾値(例えば−70dBm)未満であるか否かを判定する。電波強度が閾値未満であると判定した場合(ステップS202でYes)にはステップS203に進み、そうでない場合(ステップS202でNo)にはステップS201に進む。
ステップS203及びS204において、ステップS103及びS104の処理と同様にして、通信制御部26は、対応情報を用いて新たな通信リンクを確立する。
上記一連の処理により、無人走行車2は、通信リンクを確立している相手の基地局からの電波の強度が所定の閾値より低下した場合に、新たな基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。
以上のように、本実施の形態の無人走行車は、無人走行車の位置に応じて、その位置に対応付けられた基地局及びチャネルを取得して新たな通信リンクを確立する。このとき、確立すべき新たな通信リンクの相手の基地局が上記対応付けにより与えられるので、無人走行車は、相手の基地局を検索するための処理(例えばスキャン)を行う必要がない。言い換えれば、無人走行車は、相手の基地局を検索するために必要な処理に要せずにローミングを行うことができる。よって、無人走行車は、ローミングに要する時間を削減することができる。
また、無人走行車は、通信リンク(第二通信リンク)を確立している状態において、無人走行車の位置を示す位置情報が対応付けられている基地局、つまり、当該位置で通信可能である基地局が存在する場合に、当該基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。よって、無人走行車は、通信リンクを確立すべき相手の基地局が存在する場合にローミングを行うとともに、そのローミングに要する時間を削減することができる。
また、通信リンク(第三通信リンク)を確立している状態において、第三通信リンクを確立している相手の基地局からの電波の強度が所定の閾値より低下した場合に、新たな基地局と通信リンクを確立することでローミングをすることができる。所定の閾値は、例えば、電波の強度が低下することで無線通信が不可能になる場合における、不可能になる前の電波の強度とすることができる。よって、無人走行車は、通信リンクを確立している基地局との無線通信が現実に不可能になる前にローミングを行うとともに、そのローミングに要する時間を削減することができる。
また、無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンス(スキャン)に要する時間を削減することで、ローミングに要する時間を具体的に削減することができる。
また、一の位置に複数の基地局が対応付けられている場合に、到来する電波の強度が高い基地局、つまり、通信品質がより高いと想定される基地局との通信リンクを優先的に確立することができる。これにより、確立する通信リンクにおいて行う通信品質がより高いものとなり得る。
また、所定の位置において、対応付けを取得することで更新することができる。無線通信の品質は、無人走行車の走行路の近傍の物品の配置の変更などにより変化し得る。よって、無人走行車は、対応付けを更新することで、現実の物品の配置に適合した対応付けに基づいてローミングに要する時間を削減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態において、ローミングに要する時間を削減する無人走行車などについて、さらに、適切な対応情報を生成する技術について説明する。
図11は、本実施の形態に係る無人走行車2vの機能ブロックを示すブロック図である。
図11に示されるように、無人走行車2vは、通信部21と、強度取得部22と、位置取得部23と、走行制御部24と、記憶部25と、通信制御部26と、取得制御部27と、算出部28とを備える。上記機能ブロックのうち、実施の形態1の無人走行車2におけるものと同じ構成要素は、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、強度取得部22は、本実施の形態においては必須の機能ブロックである。
取得制御部27は、強度取得部22及び位置取得部23から、それぞれ、強度情報及び位置情報を取得する処理部である。取得制御部27は、一の時点において強度取得部22及び位置取得部23により取得された強度情報及び位置情報をログとして取得する。
上記一の時点の第一例は、予め定められた時点である。すなわち、取得制御部27は、予め定められた時点が到来したか否かを判定し、当該時点が到来したと判定された場合に、当該時点において強度取得部22が取得した強度情報と、当該時点において位置取得部23が取得した位置情報とを取得する。上記の予め定められた時点とは、例えば、所定時間(例えば100ミリ秒又は1秒など)間隔で順次に定められた時点であってもよいし、時分秒形式で時刻を表現する場合における毎分のゼロ秒というように定められた時点であってもよい。
上記一の時点の第二例は、無人走行車2vが所定位置に位置した時点である。すなわち、取得制御部27は、位置取得部23が取得した位置情報に基づいて無人走行車2vが所定位置に位置したか否かを判定し、所定位置に位置したと判定された時点において強度取得部22が取得した強度情報と、当該時点において位置取得部23が取得した位置情報とを取得する。
なお、上記一の時点は、無人走行車2vが走行中である時点であってもよいし、停車中である時点であってもよい。無人走行車2vが走行しながら強度情報及び位置情報の取得を行う場合、上記一の時点は、無人走行車2vが走行中である時点となる。この場合、無人走行車2vが軌道1及び4上の様々な位置における強度情報及び位置情報を、走行しながら連続的に取得することができる利点がある。さらに、無人走行車2vは、物品(FOUP8)を搬送しながら走行している時に、強度情報及び位置情報の取得を行ってもよい。このようにすると、無人走行車2vが実際に物品を搬送している時の無線通信の品質を測定することができる。例えば、物品が電波伝搬に影響を及ぼす物質(金属又は水分等)を含む場合等には、物品を搬送しているか否かによって無線通信に係る電波の電波伝搬特性が変化し、無線通信の品質が変化する可能性がある。よって、物品を搬送していない時の無線通信の品質は、実際に物品を搬送している時の無線通信の品質と異なる場合があり、無人走行車2vが実際に物品を搬送している時の無線通信の品質を測定することに意義がある。また、無人走行車2vと基地局A1等との無線通信の品質測定のために施設の稼動を止める必要性が生ずることがなく、つまり、施設の稼動を止めることなく無線通信の品質測定を行うことができる利点がある。
算出部28は、取得制御部27が取得した強度情報及び位置情報を用いて対応情報を算出して記憶部25に格納する処理部である。算出部28は、取得制御部27が取得した強度情報及び位置情報に基づいて、軌道1及び4上のどの位置においてどの基地局から無線通信をするのに十分な強度の電波が到来するか(又は到来しないか)を判定することで、軌道1及び4上のどの位置でどの基地局との無線通信が可能であるかを決定する。そして、算出部28は、軌道1及び4上の位置を示す位置情報と、当該位置で無線通信が可能である基地局及びチャネルとの対応付けである対応情報を生成する。
図12は、本実施の形態に係る強度取得部22が強度情報を取得する位置の例を示す説明図である。図13は、本実施の形態に係る取得制御部27が取得するログを示す説明図である。
図12に示されるように、無人走行車2vが軌道1及び4上の位置P1、P2、・・・、P100、P101、・・・、P105等を走行して、上記各位置において強度取得部22が強度情報を取得したとする。このときに無人走行車2vが取得するログが図13に示されている。
図13に示されるように、ログは、時刻51と、位置52と、チャネル53と、基地局ID54と、電波強度55と、接続状態56との各情報を含む。ログに含まれる1行のエントリは、一の時点で取得された1組の情報である。
時刻51は、上記一の時点を示す時刻を示す情報である。時刻51は、無人走行車2vが備える現在時刻を保有している計時部(不図示)が、上記一の時点で保有していた時刻である。
位置52は、上記一の時点における無人走行車2vの位置を示す位置情報であり、位置取得部23が取得した情報である。位置52は、軌道1及び4上の位置を一意に特定し得る情報であることを要する。
チャネル53は、上記一の時点で通信部21が受信した無線通信の電波のチャネルを示す。
基地局ID54は、上記一の時点で通信部21が受信した無線通信の電波を送信した基地局を示す識別子である。基地局ID54は、基地局を一意に識別できる任意の数値等を採用することができ、例えば、基地局のMACアドレスを採用し得る。また、基地局ID54は、基地局のIPアドレス、予め基地局に設定された任意の番号や文字列などであってもよい。
電波強度55は、上記一の時点で通信部21が受信した無線通信の電波の受信強度を示す。受信強度の単位は、例えば、dBmを採用し得るが、これに限定されるものではない。電波強度55は、強度情報に相当する。
接続状態56は、上記一の時点で通信部21が、基地局ID54に示される基地局との間で通信リンクを確立していたか否かを示す情報である。通信リンクを確立していた場合には「接続」と記載され、通信リンクを確立していなかった場合には「非接続」と記載される。
算出部28は、このログを参照して対応情報を生成する。例えば、基地局A1から到来する電波の電波強度が閾値を超える位置を含み、かつ、上記電波強度が閾値(例えば−70dBm)未満である位置を含まない位置の範囲を、基地局A1との無線通信が可能である範囲であるブロックB1と定める。このようにして、算出部28は、図8に示される対応情報を生成する。
図14は、本実施の形態に係る無人走行車2vが対応情報を算出して記憶する処理を示すフロー図である。
ステップS301において、走行制御部24は、制御装置30から走行指令を受信すると、受信した走行指令に含まれる移動先の位置情報が示す位置への走行を開始する。なお、ステップS301は、必須の処理ステップではない。例えば、無人走行車2vが軌道1及び4を走行しているときに、ステップS302の処理から開始されてもよい。
ステップS302において、取得制御部27は、強度情報を取得すべき時点が到来したか否かを判定する。強度情報を取得すべき時点が到来したと判定した場合(ステップS302でYes)にはステップS303に進み、そうでない場合(ステップS302でNo)にはステップS302を再び実行する。
ステップS303において、取得制御部27は、強度取得部22が取得した、基地局A1等から送信される電波の受信強度を示す強度情報を取得する。
ステップS304において、取得制御部27は、位置取得部23が取得した、強度取得部22が強度情報を取得したときの無人走行車2vの位置を示す位置情報を取得する。
ステップS305において、算出部28は、ステップS303で取得制御部27が取得した強度情報と、ステップS304で位置取得部23が取得した位置情報とを含むログを参照して、対応情報を生成して記憶部25に格納する。ステップS305を終えたら、再びステップS302を実行する。
以上の一連の処理により、無人走行車2vは、走行しながら取得した強度情報と位置情報とを含むログから対応情報を生成して記憶する。これにより、無人走行車2vが実際に走行して得たログに基づいた対応情報が記憶部25に記憶される。その後、通信制御部26は、実施の形態1に示される方法で、通信部21による通信リンクの確立を制御することができる。
(実施の形態2の変形例)
図15は、本変形例に係る無人走行車2wの走行システムSAの機能ブロックを示すブロック図である。走行システムSAでは、制御装置30wが、1以上の無人走行車2wから強度情報及び位置情報を取得して対応情報を算出する。
図15に示されるように、走行システムSAは、制御装置30wと無人走行車2wとを備える。
制御装置30wは、実施の形態1の制御装置30に加えて、算出部28Aを備える。
算出部28Aは、無人走行車2wの取得制御部27Aから通信により強度情報及び位置情報を取得し、対応情報を算出して無人走行車2wに提供する処理部である。算出部28Aが取得する強度情報及び位置情報は、実施の形態2の算出部28が取得するものと同じであるが、無人走行車2wが複数ある場合には、複数の無人走行車2wの取得制御部27Aから、無人走行車2wそれぞれが取得した強度情報及び位置情報を取得する。そして、算出部28Aは、複数の無人走行車2wから取得した強度情報及び位置情報に基づいて、算出部28Aと同様の方法により対応情報を生成する。
無人走行車2wは、通信部21と、強度取得部22と、位置取得部23と、走行制御部24と、記憶部25と、通信制御部26と、取得制御部27Aとを備える。無人走行車2wが、実施の形態2の無人走行車2vと異なる点は、取得制御部27の代わりに取得制御部27Aを備え、また、算出部28を備えない点である。
取得制御部27Aは、強度取得部22及び位置取得部23が取得した強度情報及び位置情報を取得し、通信部21を介して制御装置30wの算出部28Aに提供する処理部である。取得制御部27Aが強度情報及び位置情報を取得する方法は、実施の形態2の取得制御部27と同様である。
そして、通信部21は、制御装置30wの算出部28Aが算出した対応情報を受信して記憶部25に格納する。これにより、記憶部25には、走行システムSA内の1以上の無人走行車2wが取得した強度情報及び位置情報により算出された対応情報が格納される。
図16は、本変形例に係る無人走行車の走行システムが対応情報を算出して記憶する処理を示すフロー図である。
ステップS501において、強度取得部22及び位置取得部23が強度情報及び位置情報を取得する。この処理に含まれる詳細な処理は、図14のステップS301〜S304に示される処理と同様である。
ステップS502において、取得制御部27Aは、ステップS501で取得された強度情報及び位置情報を、通信部21を介して制御装置30wの算出部28Aに送信する。
ステップS511において、算出部28Aは、ステップS502で無人走行車2wの取得制御部27Aが送信した強度情報及び位置情報を受信する。なお、算出部28Aは、無人走行車2wが複数ある場合には、複数の無人走行車2wの取得制御部27Aから、無人走行車2wの台数の分だけの強度情報及び位置情報を取得する。
ステップS512において、算出部28Aは、ステップS511で受信した強度情報及び位置情報から対応情報を生成する。
ステップS513において、算出部28Aは、ステップS512で生成した対応情報を無人走行車2wに送信する。
ステップS503において、通信部21は、ステップS513で送信された対応情報を受信して記憶部25に格納する。
上記の一連の処理により、走行システムSAが備える1以上の無人走行車2wが取得する強度情報及び位置情報に基づいて対応情報を生成することができる。ここで、対応情報は、制御装置30wの算出部28Aで生成されるものであり、1以上の無人走行車2wそれぞれで生成されるものではない。このようにすることで、算出部28Aによる算出処理を1箇所でまとめて行うことができるので、処理の効率化及び保守運用の効率化などの利点がある。
また、生成された対応情報は、その後、無人走行車2wの記憶部25に提供されることが可能であり、実施の形態1で説明した通信制御部26による通信リンクの確立の処理に用いられ得る。対応情報が、複数の無人走行車2wにより取得された強度情報及び位置情報に基づいて生成される場合には、一の無人走行車2wによる取得の場合に比べて、取得に要する時間が削減される利点がある。
以上のように、本実施の形態の無人走行車は、無人走行車が実際に取得した強度情報及び位置情報に基づいて対応付けが生成される。これにより、他の方法(例えば、無人走行車の代わりの測定機器による測定に基づく方法、又は、シミュレーション等の計算に基づく方法)により対応付けを生成することなく、無人走行車を用いて対応付けを生成することができる。
以上のように、本実施の形態の無人走行車の走行システムは、1以上の無人走行車に対応付けを提供し、無人走行車は、提供された対応づけによってローミングに要する時間を削減することができる。
また、走行システムにおいて、1以上の無人走行車それぞれが取得した強度情報及び位置情報を用いて対応付けを生成した上で、その生成した対応付けを1以上の無人走行車それぞれが利用してローミングに要する時間を削減することができる。
以上、本発明の無人走行車、及び、無人走行車の走行システム等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、ローミングに要する時間を削減する無人走行車、及び、無人走行車の走行システム等に利用可能である。具体的には、工場内で物品(具体的には半導体ウエハ等)を搬送する無人搬送車等に利用可能である。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、4 軌道
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2v、2w 無人走行車
3 ステーション
3a 搬入ポート
3b 搬出ポート
7 レール
8 FOUP
8a FOUP本体
8b フランジ
10 LAN
20a 駆動部
20b 位置合わせ機構
20c ベルト
20d 昇降機構
20e 昇降体
20f グリッパ部材
21 通信部
22 強度取得部
23 位置取得部
24 走行制御部
25 記憶部
26 通信制御部
27、27A 取得制御部
28、28A 算出部
30、30w 制御装置
41a、41b 光送信器
42a、42b 光信号
45、B1、B2、B3 ブロック
46、54 基地局ID
47、53 チャネル
51 時刻
52、P1、P2、P100、P101、P105 位置
55 電波強度
56 接続状態
64、65、66 領域
A1、A2、A3 基地局
L1、L2 通信リンク
S、SA 走行システム

Claims (10)

  1. 無人走行車であって、
    基地局と無線通信をする通信部と、
    前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
    前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けを記憶している記憶部と、
    (a)前記位置取得部が取得した前記位置情報に、前記対応付けにより対応付けられている前記基地局及び前記チャネルを特定し、(b)特定した前記チャネルにおいて、特定した前記基地局との第一通信リンクを前記通信部に確立させる通信制御部とを備える
    無人走行車。
  2. 前記通信制御部は、
    前記通信部に前記第一通信リンクを確立させる前に前記通信部が第二通信リンクを確立している場合に、前記位置取得部が取得した位置情報が、前記対応付けに含まれている位置情報であることを検出したときに、前記通信部に、前記第二通信リンクを切断させ、かつ、前記第一通信リンクを確立させる
    請求項1に記載の無人走行車。
  3. 前記通信制御部は、
    前記通信部に前記第一通信リンクを確立させる前に前記通信部が第三通信リンクを確立している場合に、前記第三通信リンクを確立した相手基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報が所定の閾値を下回ったことを検出したときに、前記通信部に、前記第三通信リンクを切断させ、かつ、前記第一通信リンクを確立させる
    請求項1又は2に記載の無人走行車。
  4. 前記通信制御部は、
    前記第一通信リンクを前記通信部に確立させる際に、前記無線通信に使用され得るチャネルのキャリアセンスを行うことなく、前記第一通信リンクを前記通信部に確立させる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の無人走行車。
  5. 前記対応付けは、前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局、チャネル、及び、当該基地局から受信する電波の強度を示す強度情報とを対応付けており、
    前記通信制御部は、
    前記対応付けにより、前記位置取得部が取得した位置情報に複数の基地局が対応付けられている場合には、対応付けられている前記複数の基地局のうち前記強度情報が示す電波の強度がより強い基地局との前記第一通信リンクを、より優先的に、前記通信部に確立させる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の無人走行車。
  6. 前記通信部は、前記位置取得部が取得した前記位置情報を参照して、前記無人走行車が所定の位置に位置していると判定したときに、前記対応付けを前記無線通信により取得して前記記憶部に格納する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の無人走行車。
  7. 前記無人走行車は、さらに、
    前記通信部が前記基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報を取得する強度取得部を備え、
    前記位置取得部は、さらに、
    前記強度取得部が前記強度情報を取得したときの前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得し、
    前記無人走行車は、さらに、
    前記強度取得部が取得した前記強度情報と、前記位置取得部が取得した前記位置情報とを用いて、前記対応付けを算出して前記記憶部に格納する算出部とを備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の無人走行車。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の1以上の無人走行車と、
    前記対応付けを前記1以上の無人走行車に提供する制御装置とを備える
    無人走行車の走行システム。
  9. 前記1以上の無人走行車のそれぞれは、さらに、
    当該無人走行車の前記通信部が前記基地局から受信した無線通信の電波の受信強度を示す強度情報を取得する強度取得部を備え、
    前記1以上の無人走行車のそれぞれの前記位置取得部は、さらに、
    当該無人走行車の前記強度取得部が前記強度情報を取得したときの前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得し、
    前記制御装置は、
    前記1以上の無人走行車の前記強度取得部が取得した前記強度情報と、前記位置取得部が取得した前記位置情報とを用いて前記対応付けを算出し、算出した前記対応付けを前記1以上の無人走行車のそれぞれに提供する
    請求項8に記載の無人走行車の走行システム。
  10. 基地局と無線通信をする通信部を備える無人走行車の制御方法であって、
    前記無人走行車の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
    前記無人走行車の位置を示す位置情報と、当該位置で通信可能である基地局及びチャネルとの対応付けを記憶部に格納する格納ステップと、
    (a)前記位置取得ステップで取得した前記位置情報に、前記対応付けにより対応付けられている前記基地局及び前記チャネルを特定し、(b)特定した前記チャネルにおいて、特定した前記基地局との第一通信リンクを前記通信部に確立させる通信制御ステップとを含む
    制御方法。
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