JP2018035334A - ボールペン用油性インキ組成物およびそれを用いたボールペン - Google Patents

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浩希 紀村
清徳 安池
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清徳 安池
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英明 清水
裕久 鈴木
Hirohisa Suzuki
裕久 鈴木
洋勝 初谷
Hirokatsu Hatsuya
洋勝 初谷
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典久 吉村
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Abstract

【課題】
本発明の課題は、書き味が良好であり、寒冷地を想定した−20℃環境で筆記カスレのないボールペン用油性インキ組成物およびそれを用いたボールペンリフィルを提供することである。
【解決手段】
本発明は、有機溶剤と、水と、着色剤と、樹脂と、リン酸エステル化合物と、シリコーン活性剤と、ヒマシ油とを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物およびそれを用いたボールペンとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、書き味が良好であり、寒冷地を想定した−20℃環境で筆記カスレのないボールペン用油性インキ組成物およびそれを用いたボールペンに関する。
従来より、油性ボールペンの書き味を向上するために、インキ粘度を低くすることが行われているが、粘度の低いインキでは、回転筆記体であるボールと、このボールを抱持するボールホルダーとの潤滑関係が、摩擦面が部分的に固体接触する境界潤滑になりやすい傾向があり、ボールホルダーのボール受座が摩耗してボールが沈み、ボールとボールホルダーの接触面積が多くなることで摩擦力が大きくなるために書き味が悪くなる問題がある。特に、高荷重筆記時には、ボールをボール受座に押し付ける力が強くなるので、この傾向が大きい。
このようなボールホルダーの摩耗による問題を解決するために、リン酸エステル化合物などの潤滑剤を用いたボールペン用油性インキ組成物が多数提案されている。
例えば、特開平09−194783号公報(特許文献1)には、書き出しのかすれ、いわゆる初筆カスレや、書き味向上、ボテ向上、線切れ性向上のためにリン酸エステル化合物が用いられている。
また、インキを低粘度としたり、上述のリン酸エステルのような界面活性剤を添加することは、インキの流動性や浸透性が高くなる傾向にあり、ボールとボールホルダーの開口隙間からインキが漏れ出す恐れがあり、これを防止するために、コイルスプリングなどの弾撥材にてボールを前方付勢して、ボールホルダーの内壁に周状当接させ、非使用時には開口隙間を密閉しようとする試みも知られている。
例えば、特開2004−351841号公報(特許文献2)には、低粘度のインキをノック式筆記具に使用した場合のペン先からのインキ洩れを防ぐためにボールを背面より押して前方付勢するコイルスプリングを備えることが行われている。
特開平09−194783号公報 特開2004−351841号公報
特許文献1に記載されている発明のように、インキに潤滑剤を添加しても、特許文献2に記載されているような弾撥剤にてボールをボールホルダーに押し付けるものでは、コイルスプリングなどの弾撥材の弾撥力が筆圧に抗する方向に働いているため、ボールを背面から押圧するスプリング等とボールとが接触する部分もボールペンの書き味を阻害する要因となっている。このボールを前方付勢していることによる書き味の悪さは、低荷重筆記時に顕著に感じられる。本来、低荷重筆記時はボールとボールホルダーに十分な厚さのインキ膜があり、インキによる潤滑性が十分に発揮される流体潤滑の状態であるはずであるが、スプリング等がボールに押し付けられて引っかかるように接触して、ボールが円滑に回転することを阻害し、カリカリとした振動や抵抗感として認識されることがあった。
また、−20℃にもなるような寒冷地においては、インキ組成物の溶解成分が溶けにくくなったり、リン酸エステルのような潤滑剤も溶けにくくなって析出した状態となり、上述の問題に加えて、筆記に際してボールの回転が阻害され、書き味が低下したり筆跡にカスレが生じることがあった。
本発明の目的は、コイルスプリングなどでボールを前方付勢したボールペンチップに使用しても、また、−20℃のような寒冷地にて使用しても、書き味が良く、筆跡にカスレが発生しないボールペン用油性インキ組成物及びそれを使用したボールペンを得ることにある。
すなわち、本発明は、有機溶剤と、水と、着色剤と、樹脂と、リン酸エステル化合物と、シリコーン活性剤と、ヒマシ油とを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物を第1の要旨とし、前記着色剤が、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料、インドリノン系染料、アゾ系染料、メチン系染料のうち少なくとも1つ以上含有することを第2の要旨とし、前記着色剤が、少なくとも塩基性染料とアルキルベンゼンスルホン酸基を有する酸性化合物との造塩体であることを第3の要旨とし、前記ヒマシ油がポリオキシエチレンヒマシ油及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であることを第4の要旨とし、前記リン酸エステル化合物が、分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物であることを第5の要旨とし、前記シリコーン活性剤が、ポリエーテル変性シリコーンであることを第6の要旨とし、前記ボールペン用油性インキ組成物のpHが3.0以上10.0以下であることを第7の要旨とし、ボールペン用油性インキ組成物の25℃、剪断速度100sec−1におけるインキ粘度が、10mPa・s以上5000mPa・s以下であることを第8の要旨とし、ボールペン用油性インキ組成物をインキ収容管内に直に収容し、筆記部材としてのボールと、このボールを貫通孔であるインキ通孔の先端開口部から一部突出して抱持し、インキ通孔の先端開口部をボールの直径よりも小径に形成すると共にインキ通孔の内壁中腹部分に複数の内方突出部を形成することによってボールの前後移動可能範囲を規定するボールハウス部を形成したボールホルダーとを有し、複数の内方突出部の中心に形成される中孔部を通じてボールを背面より押して前方付勢するコイルスプリングを備えるボールペンチップをインキ収容管内の先端に直接、又はチップホルダーを介して装着したボールペンを第9の要旨とする。
本発明は、有機溶剤と、水と、着色剤と、樹脂と、リン酸エステル化合物と、シリコーン活性剤と、ヒマシ油とを併用することにより、コイルスプリングなどでボールを前方付勢したボールペンチップに使用しても、また、−20℃のような寒冷地にて使用しても、書き味が良く、筆跡にカスレが発生しないボールペン用油性インキ組成物およびそれを用いたボールペンを得ることができた。
リン酸エステル化合物のリン酸基がボールやボールペンチップなどの金属表面に吸着し、さらに、リン酸エステル化合物とヒマシ油との分子間相互作用により、リン酸エステル化合物にヒマシ油が被さるような二重層が形成され、さらに、インキ組成物中で網目構造を形成する樹脂に、シリコーン活性剤が入り込んで、分子間相互作用により樹脂の網目構造の中で架橋構造を形成することにより、インキに潤滑性と共にクッション性が付与され、また、この樹脂の網目構造とシリコーン活性剤との架橋点によって、インキに衝撃が加わった際に塑性変形だけでなく弾性変形も生じるようになるため、筆記時のボールとボールペンチップの衝撃による筆記感低下を抑制でき、コイルスプリングなどでボールが前方付勢されているものでも、筆記時のボールの回転が円滑に行われ、良好な書き味でカスレのない筆跡が得られるものと推察される。更に、低温環境においても網目構造中にシリコーン活性剤の架橋点があることによって収縮してしまうことが抑制され、インキの流動性を維持されるものと推察され、寒冷地を想定した−20℃環境下でも、良好な書き味であると共に筆記カスレのない筆跡が得られる。
一例を示す縦断面図。 部品を示す縦断面図。 図2のI部拡大断面図。 寸法測定箇所を示す縦断面参考図。 寸法測定箇所を示す縦断面参考図。 図5のII−II’線断面矢視図。 寸法測定箇所を示す縦断面参考図。 寸法測定箇所を示す縦断面参考図。 図8のIII−III’線断面矢視図。 実施形態を示す縦断面図。 部品を示す外観正面図。 図10の要部拡大図。 部品を示す縦断面図。 部品を示す縦断面図。 部品を示す縦断面図。 部品を示す縦半断面図。 部品を示す外観側面図。 部品を示す縦断面図。 部品を示す縦断面図。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用する有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテートなどのグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどのグリコール類、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコールなどのアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテルなどのエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類を挙げることができる。中でも、エチレングリコールモノフェニルエーテル、へキシレングリコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ベンジルアルコールが好ましい。
低沸点有機溶剤を一部使用するとインキを低粘度化しやすく、書き味を軽くするために好適である。具体的に使用できる低沸点有機溶剤としては沸点が200℃以下の有機溶剤であり、へキシレングリコール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテルを挙げることができる。
書き味とペン先が乾燥して筆跡に影響することを予防することなどを考慮して沸点が200℃以下の低沸点有機溶剤と沸点が200℃を越える高沸点有機溶剤を併用することが好ましい。重量%比で低沸点有機溶剤/高沸点有機溶剤の値が1.0以上30.0以下が好ましく、1.3以上6.0以下がより好ましい。
これらの有機溶剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの有機溶剤の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し10.0重量%以上80.0重量%以下が好ましい。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用する着色剤として、染料の具体例としては、C.I.Solvent Red 49、同109、Aizen Erythrosine(C.I.Acid Red 51、保土谷化学工業株式会社製)、Kayaku Acid Rhodamine FB(C.I.Acid Red 52、日本化薬株式会社製)、Aizen Eosine GH(C.I.Acid Red 87、保土谷化学工業株式会社製)、Aizen Acid Floxine PB(C.I.Acid Red 92、保土谷化学工業株式会社製)、Floxine PB Conc.(C.I.Acid Red 92、癸巳化成株式会社製)、Rose Bengal(C.I.Acid Red 94、癸巳化成株式会社製)、VALIFAST Red 1308(Basic Red 1とAcid Yellow 23の混合物、オリヱント化学工業株式会社製)、VALIFAST Red 1320(Basic Red 1とアゾ化合物の混合物、オリヱント化学工業株式会社製)、Spilon Red C−GH(C.I.Basic Red 1:1と酸性物質の混合物、保土谷化学工業株式会社製)、Spilon Red C−BH(C.I.Basic Violet 1と酸性物質の混合物、保土谷化学工業株式会社製)などのキサンテン系染料、C.I.Solvent Violet 8、C.I.Solvent Blue 2、同73、C.I.Basic Blue 7、Acid Violet 6BN(C.I.Acid Violet 15)、Patent Pure Blue VX(C.I.Acid Blue 1、住友三国化学工業株式会社製)、Water Blue #106(C.I.Acid Blue 1)、Patent Blue AF(C.I.Acid Blue 7、BASF社製、独国)、Water Blue #9(C.I.Acid Blue 9)、ダイワ青色1号(C.I.Acid Blue 9)、Supranol Blue B(C.I.Acid Blue 15、Farbenfabriken Bayer A.G.社製,独国))、Orient Solble Blue OBC(C.I.Acid Blue 22、オリヱント化学工業株式会社製)、Sumitomo Brilliant Indocyanine 6B h/c(C.I.Acid Blue 83、住友三国化学工業株式会社製)、サンドランシアニンN−6B350%(C.I.Acid Blue 90)、Water Blue #115(C.I.Acid Blue 90)、Orient Soluble Blue OBB(C.I.Acid Blue 93、オリヱント化学工業株式会社製)、Sumitomo Brilliant Blue 5G(C.I.Acid Blue 103、住友三国化学工業株式会社製)、Daiwa Guinea Green B(C.I.Acid Green 3、大和染料製造株式会社製)、Acid Brilliant Milling Green B(C.I.Acid Green 9、保土谷化学工業株式会社製)、Daiwa Green #70(C.I.Acid Green 16)、Aizen Diamond Green GH(C.I.Basic Green 1、保土谷化学工業株式会社製)、Aizen Malachite Green(C.I.Basic Green 4、保土谷化学工業株式会社製)、VALIFAST Violet 1701(Acid Yellow 42とBasic Violet 1の混合物、オリヱント化学工業株式会社製)、VALIFAST VIOLET 1731(Acid Violet 17(トリアリールメタン系酸性染料)とメチン系塩基性染料のオニウム塩、オリヱント化学工業株式会社製)、OIL BLUE 613(C.I.Solvent Blue 5(トリアリ−ルメタン染料)とロジン変性樹脂の混合物、オリヱント化学工業株式会社製)、VALIFAST Blue 1613(Triphenylmethane Basic Blue 7と樹脂の混合物、オリヱント化学工業株式会社製)、VALIFAST BLUE 1631(Basic Blue 7(トリアリ−ルメタン染料)と無色酸根のオニウム塩、オリヱント化学工業株式会社製)、Spilon Blue C−RH(保土谷化学工業株式会社製)、Spilon Violet C−RH(C.I.Basic Violet 1と酸性物質との混合物、保土谷化学工業株式会社製)などのトリアリールメタン系染料、Spilon Yellow C−GNH(保土谷化学工業株式会社製)、Spilon Yellow C−GNH new(保土谷化学工業株式会社製)などのインドリノン系染料、C.I.Solvent Blue 25、同55、Daivogen Turquoise Blue S(C.I.Direct Blue 86、大日本インキ化学工業株式会社製)、Water Blue #3(C.I.Direct Blue 86)、Kayarus Turwuoise Blue GL(C.I.Direct Blue 86、日本化薬株式会社製)、Solar Turquoise Blue FBL(C.I.Direct Blue 199、Sndoz Ltd.社製,スイス)、VALIFAST BLUE 1605(C.I.Solvent Blue 38(銅フタロシアニン染料)、オリヱント化学工業株式会社製)などのフタロシアニン系染料、C.I.Solvent Yellow 2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同56、同62、同79、同82、C.I.Solvent Orange 1、同2、同5、同6、同45、同62、C.I.Solvent Red 1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.Solvent Violet 21、C.I.Solvent Brown 3、同5、同37、C.I.Solvent Black 3、同22、同23、同123、Japanol Fast Black D conc.(C.I.Direct Black 17、住友化学工業株式会社製)、Water Black 100L(C.I.Direct Black 19)、Water Black L−200(C.I.Direct Black 19)、Direct Fast Black B(C.I.Direct Black 22、保土谷化学工業株式会社製)、Direct Fast Black AB(C.I.Direct Black 32、住友化学工業株式会社製)、Direct Deep Black EX(C.I.Direct Black 38、住友化学工業株式会社製)、Direct Fast Black Conc.(C.I.Direct Black 51、保土谷化学工業株式会社製)、Kayarus Supra Grey VGN(C.I.Direct Black 71、日本化薬株式会社製)、Direct Fast Yellow 5GL(C.I.Direct Yellow 26、保土谷化学工業株式会社製)、Aizen Primura Yellow GCLH(C.I.Direct Yellow 44、保土谷化学工業株式会社製)、Direct Fast Yellow R(C.I.Direct Yellow 50、住友化学工業株式会社製)、Aizen Direct Fast Red FH(C.I.Direct Red 1、保土谷化学工業株式会社製)、Nippon Fast Scarlet GSX(C.I.Direct Red 4、住友化学工業株式会社製)、Direct Fast Scarlet BS(C.I.Direct Red 23、保土谷化学工業株式会社製)、Aizen Direct Rhoduline Red BH(C.I.Direct Red 31、保土谷化学工業株式会社製)、Direct Scarlet B(C.I.Direct Red 37、日本化薬株式会社製)、Kayaku Direct Scarlet 3B(C.I.Direct Red 39、日本化薬株式会社製)、Aizen Primula Pink 2BLH(C.I.Direct Red 75、保土谷化学工業株式会社製)、Sumilight Red F3B(C.I.Direct Red 80、住友化学工業株式会社製)、Aizen Primula Red 4BH(C.I.Direct Red 81、保土谷化学工業株式会社製)、Kayarus Supra Rubine BL(C.I.Direct Red 83、日本化薬株式会社製)、Kayarus Light Red F5G(C.I.Direct Red 225、日本化薬株式会社製)、Kayarus Light Red F5B(C.I.Direct Red 226、日本化薬株式会社製)、Kayarus Light Rose FR(C.I.Direct Red 227、日本化薬株式会社製)、Direct Sky Blue 6B(C.I.Direct Blue 1、住友化学工業株式会社製)、Direct Sky Blue 5B(C.I.Direct Blue 15、保土谷化学工業株式会社製)、Sumilight Supra Blue BRR conc.(C.I.Direct Blue 71、住友化学工業株式会社製)、Acid Blue Black 10B(C.I.Acid Black 1)、Suminol Milling Black 8BX(C.I.Acid Black 24、住友化学工業株式会社製)、Kayanol Milling Black VLG(C.I.Acid Black 26、日本化薬株式会社製)、Suminol Fast Black BR conc.(C.I.Acid Black 31、住友化学工業株式会社製)、Mitsui Nylon Black GL(C.I.Acid Black 52、三井BASF株式会社製)、Aizen Opal Black WH extra conc.(C.I.Acid Black 52、保土谷化学工業株式会社製)、Sumilan Black WA(C.I.Acid Black 52、住友化学工業株式会社製)、Lanyl Black BG,extra conc.(C.I.Acid Black 107、三菱化成工業株式会社製)、Kayanol Milling Black TLB(C.I.Acid Black 109、日本化薬株式会社製)、Suminol Milling Black B(C.I.Acid Black 109、住友化学工業株式会社製)、Kayanol Milling Black TLR(C.I.Acid Black 110、日本化薬株式会社製)、Aizen Opal Black new conc.(C.I.Acid Black 119、保土谷化学工業株式会社製)、Kayacyl Yellow GG(C.I.Acid Yellow 17、日本化薬株式会社製)、Xylene Light Yellow 2G 140%(C.I.Acid Yellow 17、三菱化成工業株式会社製)、Suminol Leveling Yellow NR(C.I.Acid Yellow 19、住友化学工業株式会社製)、Daiwa Tartrazine(C.I.Acid Yellow 23、大和染料製造株式会社製)、Kayaku Tartrazine(C.I.Acid Yellow 23、日本化薬株式会社製)、Suminol Fast Yellow R conc.(C.I.Acid Yellow 25、住友化学工業株式会社製)、Diacid Light Yellow 2GP(C.I.Acid Yellow 29、三菱化成工業株式会

社製)、Suminol Milling Yellow O(C.I.Acid Yellow 38、住友化学工業株式会社製)、Suminol Milling Yellow MR(C.I.Acid Yellow 42、住友化学工業株式会社製)、Water Yellow #6(C.I.Acid Yellow 42)、Kayanol Yellow NFG(C.I.Acid Yellow 49、日本化薬株式会社製)、Suminol Milling Yellow 3G(C.I.Acid Yellow 72、住友化学工業株式会社製)、Suminol Fast Yellow G(C.I.Acid Yellow 61、住友化学工業株式会社製)、Suminol Milling Yellow G(C.I.Acid Yellow 78、住友化学工業株式会社製)、Kayanol Yellow N5G(C.I.Acid Yellow 110、日本化薬株式会社製)、Suminol Milling Yellow 4G(C.I.Acid Yellow 141、住友化学工業株式会社製)、Kayanol Fast Yellow NG(C.I.Acid Yellow 135、日本化薬株式会社製)、Kayanol Milling Yellow 5GW(C.I.Acid Yellow 127、日本化薬株式会社製)、Kayanol Milling Yellow 6GW(C.I.Acid Yellow 142、日本化薬株式会社製)、Sumitomo Fast Scarlet A(C.I.Acid Red 8、住友化学工業株式会社製)、Kayaku Silk Scarlet(C.I.Acid Red 9、日本化薬株式会社製)、Solar Rubine extra(C.I.Acid Red 14、住友化学工業株式会社製)、Daiwa New Cocine(C.I.Acid Red 18、大和染料製造株式会社製)、Aizen Ponceau RH(C.I.Acid Red 26、保土谷化学工業株式会社製)、Daiwa Amaranth(C.I.Acid Red 27、大和染料製造株式会社製)、Suminol Leveling Brilliant Red S3B(C.I.Acid Red 35、住友化学工業株式会社製)、Kayacyl Rubinol 3GS(C.I.Acid Red 37、日本化薬株式会社製)、Suminol Leveling Rubinol 3GP(C.I.Acid Red 57、住友化学工業株式会社製)、Kayanol Milling Scarlet FGW(C.I.Acid Red 111、日本化薬株式会社製)、Kayanol Milling Rubine 3BW(C.I.Acid Red 129、日本化薬株式会社製)、Suminol Milling Brilliant Red 3BN conc.(C.I.Acid Red 131、住友化学工業株式会社製)、Suminol Milling Brilliant Red BS(C.I.Acid Red 138、住友化学工業株式会社製)、Aizen Opal Pink BH(C.I.Acid Red 186、保土谷化学工業株式会社製)、Suminol Milling Brilliant Red B conc.(C.I.Acid Red 249、住友化学工業株式会社製)、Kayaku Acid Brilliant Red 3BL(C.I.Acid Red 254、日本化薬株式会社製)、Kayaku Acid Brilliant Red BL(C.I.Acid Red 265、日本化薬株式会社製)、Supronol Brilliant Red GW(C.I.Acid Red 276、Farbenfabriken Bayer A.G.,独国)、Kayanol Milling Cyanine 5R(C.I.Acid Blue 113、日本化薬株式会社製)、Aizen Opal Blue 2GLH(C.I.Acid Blue 158、保土谷化学工業株式会社製)、Aizn Cathilon Blue NBLH(C.I.Basic Blue 66、保土谷化学工業株式会社製)、Bismarck Brown G conc.(C.I.Basic Brown 1、住友化学工業株式会社製)、VALIFAST Yellow 1109(Acid Yellow 42)、VALIFAST Yellow 3150(Azo Chromium Complex Solvent Yellow 79)、VALIFAST Yellow 3170(Azo Cobalt Complex Solvent Yellow 151)、VALIFAST Black 3804(Azo Chromium ComplexSolvent Black 34とアミンの混合物)、VALIFAST Orange 2210(Azo Chromium Complex)、VALIFAST Red 1308(Dye Solt、Basic Red 1とAcid Yellow 23の混合物)、VALIFAST Red 1320(Basic Red 1とアゾ化合物の混合物)、VALIFAST YELLOW 1171(C.I. Acid Yellow 42誘導体)、VALIFAST YELLOW 1108、VALIFAST BLACK 1807(Acid Black 52)、同3804(Solvent Black 34とアミンの混合物)、同3810(Solvent Black 29)、同3820(Solvent Black 27)、同3830(Solvent Black27)、同3840(Solveent Black 27)、同3866(Solvent Black 29)、同3870(Solvent Black 29)(以上、オリヱント化学工業株式会社製)などのアゾ系染料、C.I.Solvent Black 5、同7、Nigrosine Base ER(C.I.Solvent Black 7、オリヱント化学工業株式会社製)、Nigrosine Base EX(C.I.Solvent Black 7、オリヱント化学工業株式会社製)、Nigrosine Base EX−BP(C.I.Solvent Black 7)、Spilon Yellow C−2GH(保土谷化学工業株式会社製)、C.I.Solvent Yellow 33、Diacid Alizarine Rubinol F3G 200%(C.I.Acid Red 82、三菱化成工業株式会社製)、Suminol Leveling Sky Blue R extra conc.(C.I.Acid Blue 62、住友化学工業株式会社製)などのメチン系染料、などを挙げることができる。インキの発色や、pHが変化したりした場合のインキの経時安定性が良い事や、−20℃環境で染料が析出しにくく筆記カスレが生じないことから、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料、インドリノン系染料、アゾ系染料、メチン系染料が好ましい。
また、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料、インドリノン系染料、アゾ系染料、メチン系染料以外の染料として、Orient Nigrosine BR(C.I.Acid Black 2、オリヱント化学工業株式会社製)などのニグロシン系染料、C.I.Disperse Red 9、C.I.Solvent Violet 13、同14、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Solvent Blue 11、同12、同36、C.I.Solvent Green 3、Kayarus Supra Blue FF2GL(C.I.Direct Blue 106、日本化薬株式会社製)、Kayaku Acid Brilliant Flavine FF(C.I.Acid Yellow 7、日本化薬株式会社製)、Auminol Leveling Blue 4GL(C.I.Acid Blue 23、三井化学株式会社製)、Mitsui Nylon Fast Blue G(C.I.Acid Blue 25、三井化学株式会社製)、Kayacyl Blue AGG(C.I.Acid Blue 40、日本化薬株式会社製)、Kayacyl Blue BR(C.I.Acid Blue 41、日本化薬株式会社製)、Mitsui Alizarine Saphirol SE(C.I.Acid Blue 43、三井化学株式会社製)、Mitsui Nylon Fast Sky Blue B(C.I.Acid Blue 78、三井化学株式会社製)、Kayanol Milling Ultra Sky SE(C.I.Acid Blue 112、日本化薬株式会社製)、Kayanol Cyanine Green G(C.I.Acid Green 25、日本化薬株式会社製)、Suminol Milling Green G(C.I.Acid Green 27、住友化学工業株式会社製)などを用いることができる。
酸性染料と塩基性物質との造塩体の場合、塩基性物質がメチン基を有するものであると、発色性がより良く、また、酸性物質がアルキルベンゼンスルホン酸基を有するものであると、発色性がより良いことに加えて、さらに、−20℃環境で析出し難く、析出物によるボール回転の阻害が起き難いので、筆記カスレが生じないため好ましい。
これらの染料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの染料は、顔料とも自由に併用可能である。これらの染料の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し5.0重量%以上40.0重量%以下が好適に使用できる。これらの染料の使用量がボールペン用油性インキ組成物全量に対し5.0重量%より少ないと発色の鮮明さがでない。これらの染料の使用量がボールペン用油性インキ組成物全量に対し40.0重量%を越えるとボールペン用油性インキ組成物中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用する着色剤として、顔料としては、カーボンブラックや不溶性アゾ顔料、アゾレーキ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料などの一般的な顔料が使用できる。
顔料の具体例として、Pigment Black 6、同7などのカーボンブラック、Pigment Blue 27、同9、Pigment Violet 15、Pigment Red 259などの金属錯塩系顔料、Pigment White 6、Pigment Yellow 42、Pigment Black 11、Pigment Red 101などの金属酸化物系顔料、Pigment Yellow 53、Pigment Brown 24などの複合酸化物系顔料など、Pigment White 21、同22、同27、同28、同19、同24、カオリンクレー、焼成クレー、タルク、ベントナイト、マイカ、白雲母、金雲母、ネフェリンシナイトなどの体質顔料、アルミニウムペースト、アルミニウムフレークパウダー、ブロンズ粉などの金属粉系顔料、Pigment White 1、同14、二酸化チタン、被覆雲母などの真珠光沢顔料などの無機顔料、Pigment Red 81、同81:1、同81:2、同81:3、同81:4、同82、同83、同84、同90、同90:1、同151、同169、同172、同173、同174、同191、Pigment Orange 39、Pigment Yellow 18、同100、同104、同115、同117、Pigment Blue 1、同1:2、同2、同3、同8、同9、同10、同11、同12、同14、同53、同62、同63、Pigment Viotel 1、同2、同2:2、同3、同3:1、同3:3、同4、同5、同5:1、同6:1、同7:1、同9、同12、同20、同26、同27、同39、Pigment Green 1、同2、同3、同4、同8、同9、同10、同12、同45、Pigment Brown 3などのレーキ系顔料、Pigment Red 1、同3、同21、同112、同114、同146、同170、同187、同150、同185、同38、同41、Pigment Orange 5、同38、同36、同16、同13、同34、Pigment Yellow 1、同3、同97、同167、同154、同12、同13、同14、同17、同55、同83、同81、同10、Pigment Brown 25などの不溶性アゾ顔料、Pigment Red 144、同166などの縮合アゾ顔料、Pigment Red 53、同53:1、同53:3、同50、同50:1、同49、同49:1、同49:2、同49:3、同57:1、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同52:1、同63:1、同63:2、同58:2、同58:4、同51、同60:1、同64:1、Pigment Orange 17、同18、同19、Pigment Yellow 61、同62などのアゾレーキ系顔料、Pigment Blue 15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17:1、Pigment Green 7、同36、同37などのフタロシアニン系顔料、Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、Pigment Orange 48、Pigment Violet 19などのキナクリドン系顔料、Pigment Red 168、同177、Pigment Orange 51、Pigment Yellow 24、同108、Pigment Blue 60などのアントラキノン系顔料、Pigment Red 123、同149、同178、同179、同190、同224、Pigment Violet 29、Pigment Black 31、同32などのペリレン系顔料、Pigment Red 194、Pigment Orange 43などのペリノン系顔料、Pigment Red 88、同181、Pigment Brown 27、Pigment Blue 66、同63などのインジゴ系顔料、Pigment Violet 23、同37などのジオキサジン系顔料、Pigment Yellow 138などのキノフタロン系顔料、Pigment Orange 61、Pigment Yellow 109、同110、同173などのイソインドリノン系顔料、Pigment Red 260、Pigment Orange 66、同69、Pigment Yellow 139、同185などのイソインドリン系顔料、Pigment Yellow 150、Pigment Green 8、同10などのアゾ金属錯体顔料、Pigment Red 257、Pigment Orange 68、Pigment Yellow 129、同153、同65などのアゾメチン金属錯体顔料、Pigment Red 254、同255、同264、同270、同272、Pigment Orange 71、同73などのジケトピロロピロール系顔料、Pigment Blue 18、同19、同56、同57、同61、同56:1、同61:1などのアルカリブルー顔料、Pigment Black 1などのアニリンブラック、Basic Yellow 40、Basic Red 1、Basic Violet 10、Acid Yellow 7、Acid Red 92、Acid Blue 9、Disperse Yellow 121、Disperse Blue 7、Direct Yellow 85、フルオロセントブライティングホワイテックスWS52、Solvent Yellow 44、Solvent Blue 5などが挙げられる。
中でも、青色顔料としては、フタロシアニン系顔料が特に鮮明な筆跡が得られる。溶剤中での結晶安定性や分散安定性からC.I.Pigment Blue 15:3やその顔料誘導体処理タイプ又はC.I.Pigment Blue 15:6が好適に使用できる。濃色の筆跡が得られる顔料としてはC.I.Pigment Blue 60が好適である。
尚、緑色の筆跡を得るには青色顔料と黄色顔料の調色や青色染料と黄色顔料の調色でボールペン用油性インキ組成物を作製する方が、緑色顔料でボールペン用油性インキ組成物を作成するよりも、筆跡の色が鮮明なボールペン用油性インキ組成物となる。
赤色顔料としては、耐光性、耐溶剤性がよいことと、ボールペン用油性インキ組成物をリフィルに充填したときの外観色が鮮明な赤になることからジケトピロロピロール系のC.I.Pigment Red 254、同255、同264が特に好適に使用できる。耐溶剤性が良く濃色の筆跡が得られる顔料としてはC.I.Pigment Red 170が好適である。
上記の顔料として市販されているものの一例を挙げる。
黒色顔料として、プリンテックス3、同25、同30、同35、同40、同45、同55、同60、同75、同80、同85、同90、同95、同300、スペシャルブラック4、同5、同100、同250、同550(以上、デグサヒュルスジャパン株式会社製)、三菱カーボンブラック#2700、同#2650、同#2600、同#2400、同#2350、同#2300、同#2200、同#1000、同#990、同#980、同#970、同#960、同#950、同#900、同#850、同#750、同#650、同#260、同#95、同#52、同#50、同#47、同#45、同#45L、同#44、同#40、同#33、同#32、同#30、同#25、同#20、同#10、同#5、同CF9、同MCF88、同MA7、同MA11、同MA77、同MA100、同MA100R、同MA100S、同MA220、同MA230、同MA600、(以上、三菱化学株式会社製)、トーカイブラック#8500/F、同#8300/F、同#7550SB/F、同#7400、同#7360SB/F、同#7350/F、同#7270SB、同#7100/F、同#7050(以上、東海カーボン株式会社製)などのカーボンブラックや、ダイヤモンドブラックN(玉億色材株式会社製)などのアニリンブラックや、ボーンブラック(三重カラーテクノ株式会社製)や、鉄化ブラックKN−320(日本鉄化株式会社製)などの鉄黒などを挙げることができる。
赤色顔料として、Igragin DPP Red BO、同BTRR、同2030、同2031、Cromophtal Red BP、同BOC、同2028、同2030、Irgaphor Red−CF、同BT−CF(以上、チバ・スペシアルティ・ケミカルズ株式会社製)、Hostaperm Red D2G70(Clariant社製、スイス)、FUJI RED 8800(富士色素株式会社製)などのPigment Red 254(ジケトピロロピロール顔料)、Irgazin DPP Scarlet EK、Cromophtal Coral Red C(以上、チバ・スペシアルティ・ケミカルズ株式会社製)などのPigment Red 255(ジケトピロロピロール顔料)などを挙げることができる。
青色顔料として、Paliogeen Blue L6385、同L6470、同L6480、同L6482L、同6495F(以上、BASF社製、独国)、DCC Blue A3R、同A3RJ、Irgazin Blue A3RN(以上、Dominion Color Corporation社製、米国)、Fastoge Super Blue 6075、同6070S(以上、DIC株式会社製)、Monolote Blue 3R、同3RFW(以上、Heubach社製、独国)、Lionogen Blue R、同6501、同6505(以上、東洋インキ株式会社製)などのPigment Blue 60(アンスラキノン顔料)などを挙げることができる。
緑色顔料として、Monastral Green GN−C、同GNX−C、同GBN−C、同GBX−C、同2GFWC、同BEEFWC(以上、Heubach社製、独国)、Heliogen Blue L8605、同L8690、同L8730、同8731、同8735、同8730、同8605DD、同D8725、同D8730(以上、
BASF社製、独国)、Phthalocyanin Green B308、同B609、同SAX(以上、三陽色素株式会社製)、Cyanine Green 2G−550−D、同2GN、同2GO、同5310(以上、大日精化工業株式会社製)、Cyanine Green PBN−1(東洋インキ株式会社製)、Sumitone Cyanine Green 2G−HS(住友カラー株式会社製)などのPigment Green 7(フタロシアニン顔料)などを挙げることができる。
また、適宜表面処理などで分散容易性を付与するなどの加工がなされた加工顔料を使用することができる。市販品として、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同Green GG−HW30、同Brown HFR−HW30、Black R−HW30(以上、クラリアントジャパン株式会社製)、UTCO−001イエロー、同012イエロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上、大日精化工業株式会社製)などを挙げることができる。
これらの顔料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの顔料の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し1.0重量%以上40.0重量%以下が好適に使用でき、3.0重量%以上30.0重量%以下がより好ましい。これらの顔料の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し1.0重量%より少ないと筆跡の耐光性が弱くなる。また、これらの顔料の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し40.0重量%より多いと経時的な沈降による目詰まりによる筆記カスレやボールペン用油性インキ組成物中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。
顔料を分散するには従来公知の方法が採用可能である。例えば、顔料と、エチレングリコールモノメチルエーテルと、分散剤とを混合し、プロペラ撹拌機などで均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザーなどの分散機はボールペン用油性インキ組成物の溶剤量や、顔料濃度によって適宜選択する。
また、これらの調製工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却して撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。更に、多糖類の分散性を十分にするためにインキ調整後にエージング工程を行っても良い。
これらの種々の混合工程、分散工程、ろ過工程、加熱工程又は冷却工程は、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を並行して行ってもよい。
本発明のボールペン用油性インキ組成物に使用する水は、水道水、イオン交換水、精製水、蒸留水、純水、地下水、海洋深層水などからいずれを選んで用いても良い。中でも、イオン交換水、精製水、蒸留水、純水が好ましい。リン酸エステル化合物と水とを併用すると書き味が向上するため好ましい。中でも、分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物と水を併用すると書き味がより向上するためより好ましい。これは、水を添加することにより、有機溶剤に溶けやすいリン酸エステル化合物の溶解度が低下し、ボールやチップホルダーなどの金属表面にリン酸エステル化合物のリン酸基の吸着が促進されるため、書き味が向上するものと推測される。
これらの水の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物が経時的に不安定にならない範囲で添加でき、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.1重量%以上15.0重量%以下が好ましい。更に好ましくは、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.5重量%以上10.0重量%以下が好ましい。尚、これらの水の添加方法は特に限定されないが、これらの水以外の成分を適宜混合したボールペン用油性インキ組成物中にこれらの水をそのままの状態で添加しても、溶剤や着色剤や樹脂や界面活性剤や添加剤などのボールペン用油性インキ組成物に用いる成分に予めこれらの水からなる水分を、吸湿や吸水させておいても良い。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用する樹脂は、顔料などの固形物の分散、糸曳き性付与、筆跡の裏写り防止の他、粘度調整、剪断減粘性付与、筆跡定着性付与、染料の溶解促進などをインキに付与するものであって良く、分散樹脂や増粘樹脂などであり、具体例としては、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂およびそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、重合脂肪酸とポリアミン類との縮合体であるポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ロジン変性されたフェノール樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ロジン樹脂、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマーなどの多糖類、ベンジリデンソルビトールを挙げることができる。
特に、ポリビニルブチラール樹脂は経時による粘度変化が小さく、顔料の分散安定性、定着性に優れるため好適に使用できる。ポリビニルブチラールの具体例として、Mowital B20H、同B30B、同B30H、同B60T、同B60H、同B60HH、同B70H(以上、ヘキスト社製、独国)、エスレック BH−3、同BL−1、同BL−2、同BL−L、同BL−S、同BM−1、同BM−2、同BM−5、同BM−S、同BL−2H、同BL−SH、同BX−10、同BX−L、同BH−3、同BH−6、同BH−S、同BX−1、同BX−5(以上、積水化学工業株式会社製)などがある。
ポリビニルピロリドンの具体例を挙げると、ポリビニルピロリドン K−30、同K−85、同K−90(以上、株式会社日本触媒製)、PVP K−15、同K−30、同K−60、同K−90、同K−120(以上、ISPジャパン株式会社製)などが挙げられる。
ポリビニルアセトアミドの具体例として、GE191−000、GE191−053、GE191−103、GE191−104、GE191−107、GE191−405(昭和電工株式会社製)などが挙げられる。
フェノール樹脂の具体例として、タマノル100S、同510(以上、荒川化学工業株式会社製)、ヒタノール1501、同2501(以上、日油株式会社製)、YP−90、YP−90L、YSポリスターS145、同#2100、同#2115、同#2130、同T80、同T100、同T115、同T130、同T145、マイティエースG125、同150(以上、ヤスハラケミカル株式会社製)などが挙げられる。
ケトン樹脂の具体例として、ハイラック110H、同111、同222、同901(以上、日立化成工業株式会社製)、ハロン110H(本州化学株式会社製)、レジンSK(ヒュルス社製、独国)などが挙げられる。
ケトン樹脂の中でも、シクロヘキサノン系ケトン樹脂であるハイラック 111、同222、同901、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール樹脂が筆跡の筆記面への定着性が良く、−20℃環境下で筆記カスレせず、書き味も良く好ましい。
ロジン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂の具体例として、ハーコリンD、ペンタリン255、同261、同269、同830(以上、理化ハーキュレス株式会社製)、ハリエスターNL、同L、同MT、同MSR−4、ハリマック135G、同T−80、同FX−25、同AS−5、同AS−9、ネオトールC、ガムロジンX(以上、ハリマ化成株式会社製)、ガムロジンWW(中国産)、エステルガムH、マルキード#30A、同#31、同#32、同#33、同#34(荒川化学工業株式会社製)などが挙げられる。
これらの樹脂は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの樹脂の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.05重量%以上30.0重量%以下が好ましい。これらの樹脂の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.05重量%より少ないと書き味が不十分となる場合があり、30.0重量%を超えるとボールペン用油性インキ組成物の粘度が高くなり、また、−20℃環境で樹脂の網目構造が強固となってしまうため、−20℃環境で筆記カスレを生じ、さらに、書き味も悪くなる不具合が発生する可能性がある。
本発明で用いるリン酸エステル化合物は、リン酸基が金属に吸着し、金属表面に潤滑膜を形成することで、潤滑効果を得ることが可能となる。また、チップ本体にステンレス鋼材を用いる場合、ステンレス鋼材の表面酸化膜を覆うことで保護し、酸化皮膜の劣化を抑制することで、ボールペンチップの耐食性、経時安定性も向上させる効果が得られる。また、分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物を使用することで、経時によるインキの酸化を抑制することができ、酸素起因によるチップ本体やボールの腐食を防止することも可能となる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用するリン酸エステル化合物としては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステル、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステル、トリアルキルリン酸エステル、モノオレイルリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテルリン酸、ジオレイルリン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイルエーテルリン酸、トリオレイルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリオレイルエーテルリン酸、モノリノールリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノリノールエーテルリン酸、ジリノールリン酸エステル、ポリオキシエチレンジリノールエーテルリン酸、トリリノールリン酸エステル、ポリオキシエチレントリリノールエーテルリン酸が挙げられ、市販のものとしては、フォスファノール RB−410(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸)、フォスファノール LB−400(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸)(以上、東邦化学工業株式会社製)、NIKKOL DOP−8NV(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム)、NIKKOL TOP−0V(リン酸トリオレイル)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)を挙げることができる。
リン酸エステルの中でも分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物には、ベンゼン環を有するリン酸エステル化合物も含まれ、オキシエチレンフェニルエーテルリン酸、オキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸などを挙げることができる。
分子内に不飽和炭化水素基を持たないリン酸エステル化合物と比べて分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物の方がより書き味が良く、さらに、−20℃環境でも析出することなく金属に吸着して書き味を維持することが可能となる。
これらのリン酸エステルは、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらのリン酸エステル化合物の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.05重量%以上20.0重量%以下の使用が好ましく、更に好ましくは0.1重量%以上10.0重量%以下である。これらのリン酸エステル化合物の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.05重量%よりも少ないと、書き味が十分ではなく、20.0重量%を越えると、ボールペン用油性インキ組成物中の有機溶剤の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などボールペン用油性インキ組成物中の固形分の溶解性が不足し、−20℃環境で筆記カスレが生じやすくなる恐れがある。
従来のボールペン用油性インキに使用されるリン酸エステル化合物は、酸性物質であり酸性度が高く、インキ中の物質と反応してしまう恐れがあるため、有機アミンを用いて中和して用いることが多い。本発明のリン酸エステル化合物は、単独で用いても構わないし、あらかじめ有機アミンと混合し中和してから用いても構わないし、インキ配合時に他の添加物と一緒にリン酸エステル化合物と有機アミンを別々に加えてから用いても構わない。リン酸エステル化合物を有機アミンで中和することにより、経時安定性も向上させることができる。不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物も同様である。
本発明で使用する有機アミンとしては、アミドアミン化合物、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、トリイソプロパノールアミンが挙げられる。
市販のものとしては、NIKKOL アミドアミンMPB(ベヘナミドプロピルジメチルアミン)、NIKKOL アミドアミンMPS(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド)、NIKKOL アミドアミンSV(ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、カチナール AEAS(ステアラミドエチルジエチルアミン)、カチナール BMPA(K)(ベヘナミドプロピルジメチルアミン)、カチナール MPAS(ステアラミドプロピルジメチルアミン)(以上、東邦化学工業株式会社製)、ナイミーンL201(N−ヒドロキシエチルラウリルアミン)、同L−202(ポリオキシエチレンラウリルアミン)、同L―207、同L−703(以上、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルアミン)、同F−215(ポリオキシエチレンアルキル(ヤシ)アミン)、同S−202、同S−204、同S−210、同S−215、同S−220(以上、ポリオキシエチレンステアリルアミン)、同O―205(ポリオキシエチレンオレイルアミン)、同T2−202、同T2−210、同T2−230(以上、ポリオキシエチレン牛脂アルキルアミン)、同DT−203、同DT−208(以上、ポリオキシエチレンアルキルプロピレンジアミン)(以上、日油株式会社製)などを挙げることができる。
これらの有機アミンは、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの有機アミンの使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.05重量%以上10.0重量%以下が好ましい。特に好ましくは、リン酸エステル化合物のモル数1.0molに対し、0.5mol以上4.0mol以下の範囲であり、1.0mol以上3.0mol以下が最も好ましい。0.5molよりも少ないと、インキ経時後の結晶発生防止効果が十分ではなく筆記カスレを生じやすくなり、4.0molを超えて添加してもこれ以上のインキ経時安定性の向上が見られない。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用するシリコーン活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(AB)nタイプなどを挙げることができる。
市販のものとして、ポリエーテル変性シリコーンとして、FZ2110(HLB 1.0)、FZ−2191(HLB 5)、FZ−2166(HLB 5)、FZ−2154(HLB 6)、FZ−2120(HLB 6)、L−720(HLB 7)、SH 8700(HLB 7)、L7001(HLB 7)、L7002(HLB 7)、SF 8410(HLB 7)、FZ2123((HLB 8)、SH 8400((HLB 8)、FZ−2164(HLB 8)、FZ−77(HLB 10)、FZ−2105(HLB 11)、L−7604(HLB 13)、FZ−2104(HLB 14)、FZ−2162(HLB 15)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、ポリエーテル変性シリコーン(AB)nタイプとして、FZ−2203(HLB 1)、FZ−2207(HLB 3)、FZ−2208(HLB 7)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。HLBはHydrophile Lipophile Balance(親水性親油性バランス)を意味する。
ポリエーテル変性シリコーンは、−20℃環境でも安定して溶解するため、書き味を良好に維持し、−20℃環境で筆記カスレを起こさないので好ましい。
これらのシリコーン活性剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらのシリコーン活性剤の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.1重量%以上15.0重量%以下の使用が好ましく、更に好ましくは1.0重量%以上8.0重量%以下である。これらのシリコーン活性剤が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し15.0重量%を越えると、ボールペン用油性インキ組成物中の有機溶剤の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字掠れが生じやすくなる恐れがある。
本発明のボールペン用油性インキ組成物で使用するヒマシ油としては、ヒマシ油、水添ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
市販のものとしては、NIKKOL HCO−5、同HCO−10、同HCO−20、同HCO−30、同HCO−40、同HCO−50、同HCO−60、同HCO−80、同HCO−100(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、EMALEX HC−5、同HC−7、同HC−10、同HC−20、同HC−30、同HC−40、同HC−50、同HC−60、同HC−80、同HC−100(以上、日本エマルジョン株式会社製)、ブラウノン BR−404、同BR−407、同BR−410、同BR−4135、同BR−417、同BR−420、同BR−425、同BR−430、同BR−450、同RCW−20、同RCW−40、同RCW−60、同RCW−80、同RCW−100(以上、日進化成株式会社製)、ユニオックス HC−10、同HC−20、同HC−40、同HC−60、同HC−100、同C−35(以上、日油株式会社製)などを挙げることができる。
中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、−20℃環境でも安定して溶解するため、書き味を良好に維持し、−20℃環境で筆記カスレを起こさないので好ましい。
これらのヒマシ油は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらのヒマシ油の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.1重量%以上15.0重量%以下の使用が好ましく、更に好ましくは1.0重量%以上8.0重量%以下である。これらのヒマシ油が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し15.0重量%を越えると、ボールペン用油性インキ組成物中の有機溶剤の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字掠れが生じやすくなる恐れがある。
以上の成分の他に更に必要に応じて、従来インキ組成物に使用されている界面活性剤、防錆剤などの各種添加剤を適宜使用できる。
界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられる。市販のものとして、ポリプロピレングリコール(ジオール)として、ユニオール D−250(平均分子量250)、同D−400(平均分子量400)、同D−700(平均分子量700)、同D−1000(平均分子量1000)、同D−1200(平均分子量1200)、同D−2000(平均分子量2000)、同D−4000(平均分子量4000)(以上、日油株式会社製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、NIKKOL BL−2(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 9.5)、同BL−4.2(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 11.5)、同BL−9EX(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 14.5)、同BL−21(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 19.0)、同BL−25(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 19.5)、同BC−2(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 8.0)、同BC−5.5(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 10.5)、同BC−7(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 11.5)、同BC−10(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 13.5)、同BC−15(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 15.5)、同BC−20(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 17.0)、同BC−23(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 18.0)、同BC−25(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 18.5)、同BC−30(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 19.5)、同BC−40(ポリオキシエチレンセチルエーテル、HLB 20.0)、同BS−2(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB 8.0)、同BS−4(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB 9.0)、同BS−20(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB 18.0)、同BO−2V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 7.5)、同BO−7V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 10.5)、同BO−10V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 14.5)、同BO−15V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 16.0)、同BO−20V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 17.0)、同BO−50V(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB 18.0)、同BB−5(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、HLB 7.0)、同BB−10(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、HLB 10.0)、同BB−20(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、HLB 16.5)、同BB−30(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、HLB 18.0)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
防錆剤として、ベンゾトリアゾール、シクロヘキシルアンモニウムクロライド、2−メルカプトベンゾトリアゾール、ベンゾイルアミノカプロン酸、硝酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの界面活性剤、防錆剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの界面活性剤、防錆剤の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.1重量%以上15.0重量%以下の使用が好ましく、更に好ましくは1.0重量%以上8.0重量%以下である。これらの界面活性剤、防錆剤の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し15.0重量%を越えると、ボールペン用油性インキ組成物中の有機溶剤の含有量が減ってしまい、染料や樹脂などインキ中の固形分の溶解性が不足し、文字掠れが生じやすくなる恐れがある。これらの界面活性剤、防錆剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
上記成分の他に必要に応じて、潤滑剤、消泡剤、受け座摩耗防止剤などの添加剤を併用することも可能である。潤滑剤、消泡剤、受け座摩耗防止剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
潤滑剤は、ボールの回転を円滑にし、筆記感を向上させるために添加するものであり、上記界面活性剤の他に、切削油類、高級脂肪酸類、アシルアミノ酸類、チアゾール類、ポリエチレングリコール類、ポリオール変性シリコーンを挙げることができる。筆記感が長期に渡って良好な状態を保つことができることから、ポリオール変性シリコーンを使用することが好ましい。
これらの潤滑剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの潤滑剤の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.2重量%以上4.5重量%以下の使用が好ましい。これらの潤滑剤の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し4.5重量%を超えて添加するとインキの表面張力が小さくなり、ペン先を下向きにして放置したときにインキが漏れ出す恐れがある。
受け座磨耗防止剤の一例としては、アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、炭化ホウ素、ジルコン、セン晶石、ヒスイ石、フッ化カルシウム、タングステンカーバイド、シリカ、ダイヤ、ザクロ石、窒化アルミニウム、窒化珪素が挙げられる。
これらの受け座磨耗防止剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。これらの受け座磨耗防止剤の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.001重量%以上0.1重量%以下の使用が好ましい。さらに、これらの受け座磨耗防止剤の使用量が、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し0.004重量%以上0.03重量%以下が好ましい。中でも、アルミナが最も好ましい。
本発明のボールペン用油性インキ組成物は筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のボールペン用油性インキ組成物の逆流を防止したりするために剪断減粘性を付与しても良い。剪断減粘性剤としては、シリカ、ベントナイト系無機化合物、有機ベントナイトの他に上記記載の樹脂で剪断減粘性を付与できるポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、ポリアセトアミドなども兼用することができる。
本発明のボールペン用油性インキ組成物の測定温度25℃、測定剪断速度100s−1における粘度は、10mPa・s以上5000mPa・s以下であることが好ましい。10mPa・sより小さくなるとインキ漏れの恐れが生じ、5000mPa・sを超えると、インキの追従不良に起因する筆記カスレが生じる傾向がある。好ましくは、200mPa・s以上1000mPa・s以下である。本発明にて使用する分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物と、有機アミンとを組み合わせたものであれば、粘度が高くても書き味は軽い。
本発明のボールペン用油性インキ組成物のpHは3.0以上10.0以下であることが好ましい。pHが3.0より小さく、又は、pHが10.0よりも大きくなると染料の析出に起因する、書き味の悪化と−20℃環境での筆記カスレが生じる恐れがある。より好ましくはpHが6.0以上8.0以下である。
インキを製造するには、上記で分散した顔料と染料から選ばれる1種もしくは2種以上の着色剤と、樹脂と、溶剤をホモミキサーなどの撹拌機にて充分に混合攪拌した後、他の成分、例えば粘度調整剤や、色調調整のための染料、潤滑剤などを混合し、更に均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。また、インキ製造時に電熱ヒーター、バンドヒーターなどを用いてインキを加熱することも何ら差し支えない。インキ製造時のインキ温度は5℃以上95℃以下が好ましい。
上述したボールペン用油性インキ組成物を中空状のインキ収容管内に直に収容し、このインキ収容管の先端に、筆記部材としてのボールとこのボールを先端突出して抱持するボールホルダーとを備えるボールペンチップを直接又は接続部材を介して取り付け、ボールペンとする。ボールホルダーは、貫通孔であるインキ通孔の先端開口部をボールの直径よりも小径に形成すると共にインキ通孔の内壁中腹部分に複数の内方突出部を形成することによってボールの前後移動可能範囲を規定するボールハウス部を形成しているボールホルダーは、主にステンレス等の円柱状金属部材にインキ通孔となる貫通孔、及び内方突出部をドリルやブローチなどの切削刃を用いて形成するものであるが、予め貫通孔が形成されたパイプ材を使用することもできる。パイプ材を使用した場合は、パイプ材の外側壁部にピンによる押圧変形加工を施して凹部を形成することによって、該部に対応する内側壁部に凸部を形成し、その凸部が内方突出部となるものである。
ボールペンチップで使用するボールとしては、成分が、タングステン(元素記号:W)が75.0重量%以上85.0重量%以下、コバルト(元素記号:Co)が9.0重量%以上14.0重量%以下、クロム(元素記号:Cr)が0.01重量%以上3.0重量%以下、炭素(元素記号:C)が0.01重量%以上6.0重量%以下、Crが0.01重量%以上5.0重量%以下のものが使用できる。ボール表面粗さはRaが1.0nm以上20.0nm以下のものが使用できる。ボールのビッカース硬さ(HV)は1000以上2500以下のものが使用できる。
また、上記の超硬合金以外にも、成分が、炭化ケイ素(元素記号:SiC)が0.01重量%以上95.0重量%以下、酸化イットリウム−酸化アルミニウム(元素記号:Y−Al)が0.01重量%以上5.0重量%以下でボール表面粗さは算術平均高さ(Ra:JIS B 0601に記載のもの)が0.5nm以上10.0nm以下のものや、成分が、二酸化ジルコニウム(元素記号:ZrO)が0.01重量%以上95.0重量%以下、酸化イットリウム(元素記号:Y)が0.01重量%以上5.0重量%以下でボール表面粗さはRaが0.5nm以上10.0nm以下のものや、成分が、酸化アルミニウム(元素記号:Al)が0.01重量%以上99.9重量%以下、クロム(元素記号:Cr)が0.01重量%以上0.1重量%以下でボールの表面粗さはRaが0.5nm以上10.0nm以下のもの、樹脂、真鍮、黄銅などが挙げられる。
ボール径は、0.1mm以上3.0mm以下の、0.3mm、0.38mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.2mm、1.5mm、2.0mm、2.5mmなどのいずれを用いても良い。細字の筆跡を得たい場合は0.5mm以下のボール径を使用するのが好ましく、太字の筆跡を得たい場合は1.0mm以上のボール径を使用するのが好ましい。また、使用する顔料や粒子の径が比較的大きなものを使用する場合、ボールの直径も大きいほうがインキ吐出に有利であるといえる。
ボールペンチップで使用するボールホルダーの材質として、ステンレスの場合、成分が、クロム(元素記号:Cr)が18.0重量%以上22.0重量%以下、モリブデン(元素記号:Mo)が0.5重量%以上3.0重量%以下、マンガン(元素記号:Mn)が0.01重量%以上2.0重量%以下、珪素(元素記号:Si)が0.01重量%以上1.0重量%以下、硫黄(元素記号:S)が0.1重量%以上、リン(元素記号:P)が0.01重量%以上0.1重量%以下、炭素(元素記号:C)が0.01重量%以上0.1重量%以下、鉛(元素記号:Pb)が0.01重量%以上0.5重量%以下、テルル(元素記号:Te)が0.01重量%以上0.1重量%以下、鉄(元素記号:Fe)が0.01重量%以上80.0重量%以下のものが使用できる。チップのビッカース硬さ(HV)は150以上300以下のものが使用できる。
ボールホルダーの材質が銅合金の場合、成分が、炭素(元素記号:C)が55.0重量%以上65.0重量%以下、ニッケル(元素記号:Ni)が12.0重量%以上18.0重量%以下、マンガン(元素記号:Mn)が0.01重量%以上1.0重量%以下、鉄(元素記号:Fe)が0.01重量%以上0.5重量%以下、鉛(元素記号:Pb)が0.01重量%以上4.0重量%以下、亜鉛(元素記号:Zn)が0.01重量%以上30.0重量%以下のものが使用できる。チップのビッカース硬さ(HV)は150以上300以下のものが使用できる。加工性を付与している鉛を、同程度の加工性を付与できるビスマス(元素記号:Bi)に置き変えたものが、環境に優しいためより好ましい。
ボールホルダー内にコイルスプリングを挿入配置して、ボールを後方より前方付勢して、ボールホルダーの先端開口部の内縁に押し当てることで、ボールとボールホルダーとの開口部分における密閉性を向上させ、ボールペンチップ先端からのインキのにじみ出しを防止することもできる。コイルスプリングの材質としては主にSUS304やSUS316などのステンレス鋼線を使用するが、硬鋼線やピアノ線材も使用できる。また、ポリカーボネートやポリエーテルエーテルケトン等の樹脂も使用することができる。ステンレス鋼線、硬鋼線などの表面にニッケル(元素記号:Ni)メッキを施したものも使用できる。また、メッキ層とインキなどとの反応性を考慮して適切な材料を選択できるほか、メッキなどをあえて施さない仕様とすることもできる。このようなコイルスプリングの線径は0.05mm以上0.15mm以下が好ましい。
コイルスプリングはボールに接触して付勢力を付与している為、この力がボールの回転に対しては抵抗となり、ボールの回転を阻害し、引っ掛かるような抵抗感を感じることがある。特に、ボール径が0.5mm以下のような比較的小径のボールになるほど、相対的にコイルスプリングの荷重を受ける体積比が小さくなるので抵抗を強く感じる傾向がある。
このことなどから、コイルスプリングのボールに対する押圧荷重(付勢力)は0.01N以上1.50N以下とすることが好ましい。
以下、添付図面に基づいて、本発明のボールペン用油性インキ組成物を使用したボールペンとしての幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1にボールペンとして、後述する直接手に把持される外装内に収容されて使用されるボールペンリフィル1とした場合の一例における縦断面図を示す。尚、便宜上ボールペンチップ側を前または先、インキ収容管側を後と称する。
ボールペンリフィル1は、先端にペン先として備えるボールペンチップとして、筆記部材としてのボール2を、ボールホルダー3に形成された先端開口部より一部突出した状態で回転自在に抱持している。
インキ収容管4内にはインキ5が収容されており、インキ5の後端界面に接して、インキ5と相溶しない高粘度流体であるインキ追従体6が配置されている。また、外装体自体をインキ収容管として直接インキを収容する、所謂直液式といわれる形態にすることも可能である。
インキ収容管4として、金属や、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂が使用できる。インキ収容管4の内径は直径0.1mm以上直径30.0mm以下のものが使用でき、直径0.5mm以上直径15.0mm以下が好ましい。また、図示した直線状のパイプの収容管の他に、内径の異なる部分を多段に複数組み合わせた形状の収容管も使用することができる。内径部分として直径0.5mm以上のものを使用する場合は、逆流防止のため可動栓となる成型品(フロートなど)を、直接又はインキ追従体である高粘度流体中に埋没させて併用してもよい。
インキ追従体6はインキ収容管4を透明性の内視可能な材料とした際のインキの残量視認性向上、インキの乾燥防止性向上、インキの逆流防止、などを目的として配置されている。インキ追従体6としては、例えば、ポリブテン、αオレフィン、ポリオレフィン、シリコーンなどの比較的高粘度の流体を基材として、これにシリカなどのゲル化剤を適宜配合するなどして更に高粘度のインキ逆流防止体としたり、剪断減粘性やチキソトロピック性などの流動特性、レオロジー特性、物理特性を付与した流動組成物が使用できる。インキ追従体の物理特性としては、ニュートン流体、チキソトロピー、剪断減粘性などの物性を有していてもよいが、ニュートン流体が好ましい。インキ追従体の粘度は特に限定されるものではないが、25℃、剪断速度100s−1におけるインキ追従体の粘度は10mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以上30,000mPa・s以下が最も好ましい。市販されているものとしては、ジメチルシリコーンオイルとして、SH200 C Fluid 5CS(粘度5mm/s)、同6CS(粘度6mm/s)、同10CS(粘度10mm/s)、同20CS(粘度20mm/s)、同30CS(粘度30mm/s)、同50CS(粘度50mm/s)、同100CS(粘度100mm/s)、同200CS(粘度200mm/s)、同350CS(粘度350mm/s)、同500CS(粘度500mm/s)、同1000CS(粘度1000mm/s)、同3000CS(粘度3000mm/s)、同10000CS(粘度10000mm/s)、同12500CS(粘度12500mm/s)、同30000CS(粘度30000mm/s)、同60000CS(粘度60000mm/s)、同100000CS(粘度100000mm/s)、同1000000(粘度1000000mm/s)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、高重合ジメエチルシリコーンとして、BY11−040(粘度1500mm/s)、BY11−003(粘度1500mm/s)、BY11−007(粘度1700mm/s)、BY11−014(粘度13000mm/s)、BY11−026(粘度100000mm/s)、BY25−320(粘度10000mm/s)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、シリコーンオイルに剪断減粘性を付与したものとして、IF4310(粘度31000±2000mPa・s)、同4311(粘度24000±2000mPa・s)、同4312(粘度3850±450mPa・s)(以上、Dokumental社製、米国)などが挙げられる。これらのインキ追従体の使用量は、ボールペン用油性インキ組成物全量に対し、重量比で、0.1%以上100.0%以下の範囲で使用できる。しかし、インキ追従体6は特に必要無いと判断された場合は、配置しなくとも構わない。
図2にボールペンチップの縦断面図を示す。ボールホルダー3の内部には、ボール2を前方付勢するコイルスプリング7が配設されている。このコイルスプリング7は、ボールホルダー3に挿入された後に、ボールペンチップ内に押し込まれて全長を圧縮された状態で、ボールホルダー3の後端開口部3aを縮径するかしめ加工を施すことによって、ボール2の後端を付勢した状態で固定されている。コイルスプリング7は、伸縮する巻き部7aと先端に直線状に起立した先端直状部7bを備えており、先端直状部7bが、ボールホルダー3のインキ通路である貫通孔を通ってボール2の後端を直接押し、ボール2をボールホルダー3の先端開口部3bの内縁に周接させている。ボールホルダー3の貫通孔が十分に大きい場合はコイルスプリング7の先端直状部7bを形成せずに、巻き部7aを直接ボール2に当接させて付勢させても構わない。
図3に図2のI部拡大図を示す。ボールホルダー3は、円柱状金属部材に貫通孔を形成する製法にて貫通したインキの通路として、先端側よりボールハウス部8、中孔9、後穴10を有している。ボールハウス部8と後穴10との間には、内方突出部11が形成され、また、ボールハウス部8の先端開口部3bは、かしめ加工にて縮径化されており、この縮径化された先端開口部3bと内方突出部11とにて、ボール2の前後方向への移動し得る範囲を規定している。先端開口部をかしめ加工する際には、予め挿入したボールにボールハウス部8の先端開口部側内面を押し当てながら縮径化して塑性変形させ、ボールハウス部8の先端開口部側内面に先端開口部ボール転写部8aを形成する。また、内方突出部11には、等間隔で放射状に複数本の放射状溝12が剪断加工により形成されている。この放射状溝12は、インキの流通を維持しやすいように、中孔9及び、後孔10に連通しているが、コイルスプリング7を挿入する時のコイルスプリング先端が狭い放射状溝内で引っ掛かることを防止する為に後孔10に連通させずに中孔9の途中までに留めておくこともできる。
また、内方突出部11には、ボール2を押し付けることによって凹状のボール転写部13が形成されており、この凹状のボール転写部13は、ボール2が紙面などに当接して後退した状態で回転する筆記状態でのボールの位置を安定させ、不要な振動等の少ない円滑な回転を保障せんとするものであり、ボール2と凹状のボール転写部13とがわずかな隙間を有しながらも略面状に接触するような形状としている。また、前述の放射状溝12は、凹状のボール転写部13内と共に凹状のボール転写部13より外側にも開口部を有し、ボール2と凹状のボール転写部13との間のわずかな隙間にインキを供給してボール2の円滑な回転に資すると共に、ボールハウス部8へのインキ供給を確保しているものである。
ボールペンチップの各寸法値としては、ボール径は0.10mm以上5.0mm以下、先端開口部径は0.45mm以上0.70mm以下、ボールの前後方向移動距離は0.005mm以上0.030mm以下、ボール突出長さは0.10mm以上0.25mm以下、ボールハウス部径は0.50mm以上0.75mm以下、ボール転写部径は0.450mm以上0.800mm以下、中孔径は0.15mm以上0.45mm以下、後孔径は0.70mm以上0.90mm以下、放射状溝幅は0.050mm以上0.300mm以下、小口肉厚は0.01mm以上0.05mm以下、カシメ角度は50度以上90度以下、面取り角度は10度以上70度以下、カシメ幅は0.05mm以上0.25mm以下、先端開口部ボール面転写部長さは0.01mm以上0.15mm以下、ボールハウス座角は50度以上150度以下、放射状溝本数は2本以上8本以下、放射状溝外径はボール転写部径の100%以上、中穴長さは0.10mm以上0.50mm以下、テーパー角度は150度以下が好ましく、また、ボールペンチップ表面には、使用するインキに応じて親水処理又は疎水処理を行うことでボールペンチップへのインキ付着を防止できるため好ましい。
図示のボールペンチップを基本にして、試験で用いるボールペンチップを作製した。ボールペンチップサンプル1として、下記に示す寸法にボールペンチップを調整した。各寸法部分については、図4、図5(コイルスプリングの図示省略)、図6に示している。尚、図4においてボール2をボールホルダーの開口部側のボール転写部13に当接させた状態を破線にて示している。
(ボールペンチップサンプル1)
ボール径A1:0.7mm
先端開口部径B1:0.660mm
ボールの前後方向移動距離C1:0.017mm
ボール突出長さD1:0.21mm
ボールハウス部径E1:0.725mm
中孔径F1:0.36mm
後孔径G1:0.80mm
放射状溝幅H1:0.10mm
ボール転写部径J1:0.630mm
小口肉厚K1:0.015mm
カシメ角度α1:64度
面取り角度β1:34度
カシメ幅L1:0.13mm
先端開口部ボール面転写部長さM1:0.10mm
ボールハウス座角γ1:90度
放射状溝本数:6本
放射状溝外径N1:0.690mm
中穴長さP1:0.30mm
テーパー角度δ1:30度
コイルスプリング線径Q1:0.12mm
ボールチップ表面にはフッ素系界面活性剤により、疎水処理をしてある。ボールペンチップ表面のフッ素膜厚は10nmである。この疎水処理は、チップへのインキの這い上がり抑制、ボテの抑制、インキ漏れの抑制、などを目的として行っている。
尚、ボールホルダー内にコイルスプリングを配設した状態におけるボールの押圧荷重は0.190Nとした。ボールホルダーの材質はステンレス(商品名:SF20T、下村特殊精工株式会社製)、コイルスプリングの材質はSUS304、ボールは超硬ボール(商品名:PB11、株式会社ツバキ・ナカシマ製)、表面粗さである算術平均高さ(Ra:JIS B 0601)は8.0nmを用いた。
ボールペンチップサンプル1と同様に、ボールペンチップサンプル2として、下記に示す寸法にボールペンチップを調整した。
(ボールペンチップサンプル2)
ボール径A2:0.5mm
先端開口部径B2:0.470mm
ボールの前後方向移動距離C2:0.014mm
ボール突出長さD2:0.153mm
ボールハウス部径E2:0.525mm
中孔径F2:0.26mm
後孔径G2:0.60mm
放射状溝幅H2:0.070mm
ボール転写部径J2:0.445mm
小口肉厚K2:0.02mm
カシメ角度α2:64度
面取り角度β2:34度
カシメ幅L2:0.10mm
先端開口部ボール面転写部長さM2:0.06mm
ボールハウス座角γ2:100度
放射状溝本数:5本
放射状溝外径N2:0.50mm
中穴長さP2:0.23mm
テーパー角度δ2:30度
コイルスプリング線径Q2:0.12mm
ボールチップ表面にはフッ素系界面活性剤により、疎水処理をしてある。ボールペンチップ表面のフッ素膜厚は15nmである。この疎水処理は、チップへのインキの這い上がり抑制、ボテの抑制、インキ漏れの抑制、などを目的として行っている。
尚、ボールホルダー内にコイルスプリングを配設した状態におけるボールの押圧荷重は0.200Nとした。ボールホルダーの材質はSF20T(下村特殊精工株式会社製)、コイルスプリングの材質はSUS304、ボールは超硬ボールPB11、表面粗さである算術平均高さ(Ra:JIS B 0601)は12.0nm(株式会社ツバキ・ナカシマ製)を用いた。
以下、添付図面を参照して本発明に使用可能な外装体の実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
外装体、リフィルの一例を図10〜図19に示し、説明する。
図10に本発明のボールペン用油性インキ組成物を用いたボールペンを、所謂リフィルとして、ノック機構を備える外装体に収容した状態の縦断面図を示す。
リフィル1は、前軸14a後部外面の雌螺子部14gと後軸14b前部内面の雄螺子部14hとが螺合によって連接された軸筒に内装され、後述するノック機構に後端部を接続して、ノック機構のノック操作にて先端のボールペンチップを前軸14aの先端開口部より出没させる構造となっている。
また、後軸14bの側壁にはクリップ15が配置されている。
後軸14bの部品外観図である図11に示す通り、後軸14bの後部開口部14cは、軸線に対して傾斜状に開口していると共に、後軸14bの側壁部に至る切り欠き部14dと連通している。また、後軸14bは、後述するカム筒16に対する固定用の嵌合孔14eを有しているが、嵌合孔14eはクリップ15の下部分に該当する目立ち難い位置に配置している。
ノック式ボールペンの後部拡大図である図12に示す通り、後軸14bには、後端開口部14cより後方部分を突出して、ノック機構が内装されている。ノック機構は、内壁にカム溝16aを形成したカム筒16(カム筒16の部品縦断面図である図13参照)、カム溝16aに対する係合突起17aを側壁に有し、軸線に対して前後動及び回転可能にカム筒16内を移動可能な回転子17(回転子17の部品縦断面図である図14参照)、回転子の後部に被嵌されるノック冠18、回転子17を後方付勢するコイルスプリング19とから構成され、回転子17の貫通孔に形成された前孔17bに形成した縦リブ17cにてリフィル1の後端を圧入固定して前孔17bの底である段部17dにリフィル1の後端を当接させ、回転子17の前後動に伴い、リフィル1が軸筒内を前後動するようになしている。回転子17の貫通孔は、リフィル1のインキ収容管4の後端開口部を塞がず、インキ消費に伴う円滑な空気交換がなされるために貫通している。
コイルスプリング19は、回転子17の係合突起17aと後軸14bの内壁に形成した周状突部14fとの間に配置され、ノック操作によって回転子17が前進位置に係止された際に弾撥力を蓄えた収縮状態となり後軸14bに対して回転子17及びこれに被るノック冠18を後方付勢する。コイルスプリング19の巻き方向は、ノック操作により回転子17が回転する方向と逆巻きとすることで、回転子17が回転する際にスプリングの巻き終わり端が引っ掛かり、作動不良が起き難いため好ましい。
本例のようにノック機構内に配置したコイルスプリングにて回転子17の作動を補助するものであるため、前軸内などにコイルスプリングを配置してリフィルの側壁にスプリング受けとなる出っ張りなどを形成する必要がなく、リフィルの汎用性が高く、また、軸筒を透明性の材料とした場合など、コイルスプリングをカム筒内に隠した状態ともなり得るので、デザインの制約も受け難いものとなるが、出っ張りを形成したリフィルを使用して前軸の内部との間にコイルスプリングを配置してリフィルを後方付勢してカム機構を動作させるものとすることも可能である。
ノック機構のカム部材を構成する部品は、摺動部品であるため、耐摩耗性の高いポリオキシメチレン等のポリアセタール樹脂にて成型されることが好ましいが、シリコーンオイルなどの潤滑剤を塗布したり、めっき処理するなどの表面処理を施して、耐摩耗性、摺動性が良好なものとすることもできる。金属材料を使用する場合は表面を不導体化したり、めっき処理などを施すことが好ましい。
後軸14bの部品を示す縦断面図である図15に示す通り、コイルスプリング19の前部と当接する後軸14bの周状突部14fは、リフィル1を挿入する際に、リフィル1の後端が周状突部14fを乗り越えやすくするように、内接円が前側に向かって縮径する放射状に周状配置された傾斜リブ20と連接されており、周状突部14f周辺に該当する部分の後軸14bの外面に「ヒケ」などの成型時の樹脂の収縮等による変形部分が形成され難くなっている。また、各傾斜リブ20が形成されている後軸の内壁部分は平面に形成されており、外部の横断面が多角形状となっており、多角形の内角もリフィル1の後端を傾斜リブ間に案内しやすくしてある。また、後軸14bは、横断面外形を円形、内形を多角形とすることによって、透明性の材質で成型した場合に光の屈折や乱反射による視覚効果も得ることができる。
尚、後軸14bの内壁及び回転子17の内面など、リフィル1を設置する際にリフィル1と接触しえる部分は、その表面を算術平均粗さ(Ra)が20μm以下であることが好ましく、16.0μmとしている。算術表面粗さ(Ra)の測定は、VK−8500(キーエンス社製、JIS B0601 1994に準拠)を用いて測定し、撮影した画像の中央部分を一辺が10μmの正方形で切り取って5点測定した平均値を使用している。
ノック冠18の部品を示す縦半断面図である図16に示す通り、ノック冠18は有体筒状の形体であり、開口縁に回転子17の係合突起17aとの当接によって回転子17を回転誘導する傾斜壁18aを形成しており、ノック冠18の前進に伴い、回転子17の係合突起の後端に形成された段部17dとの接合によって回転子17をカム溝16aに沿って前進させつつ所定位置で回転させるものである。ここで、カム溝16aは、先端部分の位置が長手方向にて異なる溝を交互に周状配置しており(図13参照)、カム溝16aに沿った回転子17の係合突起17aの前進移動から溝の前端に至る際に回転して隣の溝に移動し、長手方向係止位置がノック操作にて交互に繰り返され、それに伴いペン先であるボールペンチップが前軸14aの先端より出没して筆記可能状態とペン先収納状態とを形成する構造となっている。
カム筒16の部品を示す外観図である図17に示す通り、カム筒16の側壁にはクリップ取り付け用の台部16bが形成されており、後軸14bにカム筒16を挿入設置した際に、後軸14bの傾斜した後端開口部17cからカム筒16の後部が外露している。台部16bは、別部材であるクリップ15の支えとなる横台部分16cとクリップ15に対する蝶番用の突部16dを有する縦台16eとを有しており、クリップ15の部品を示す縦断面図である図18に示すように、クリップ15は、囲い状に形成した横壁部内壁15aに形成した孔部15bを有し、前述のカム筒16の突部16dと回動可能に嵌合している(図12参照)。カム筒16の縦台16eは、後軸14bの切り欠き部14dに挿入されガタツキなく固定される。また、カム筒16の側壁に、後軸14bが有する嵌合孔14eに係止される凸部16fが形成されている。
クリップ15の後部には、スプリング固定突起15cが一体に形成されており、この突起15cをコイルスプリング21の巻内に圧入して固定しており、コイルスプリング21は外露しているカム溝16の外壁との間で弾撥力を発揮して、クリップ15の先端内側に形成した玉部15dを後軸14bの外壁に当接するようなしている。クリップ15の後部は、カム筒16に対する蝶番状の嵌合部より後方に突出した操作部15eとなっており、この操作部15eを軸心方向に押圧することで、クリップ15の先端玉部15dを後軸14bの外壁から離間させることができ、クリップ15に紙やポケットの縁などを挟み固定することができる。クリップ15の挟持力は、コイルスプリング21の弾撥力を調節することで適宜なせる。もちろんクリップ15の本体部分を指先で持ち上げて、紙などを挟むことも可能である。
前軸14aの部品を示す縦断面図である図19に示す通り、前軸14aは後部に後軸14bの雄螺子部14hに対する雌螺子部14gを有し、先端近傍を先細り上に形成し、その間の凹状部分14iに二色成型によって比較的軟質材によるグリップ部22を一体的に形成している。凹状部分14iには、グリップ部22の回転やズレを抑制する縦リブ14jが配置されている。また、前軸14aの先部の内側には、リフィルのボールペンチップが相通するガイドリブ23が放射状に形成されている。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1、3〜14、比較例1〜3は、有機溶剤(2)の全量と、顔料分散剤(1)の全量とを70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してから顔料(1)〜(3)の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、株式会社シンマルエンタープライス製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い、10回通しを行い、ペーストを得た。
ついで、このペーストに残りの配合物の全量を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後、室温まで放冷し、ボールペン用油性インキ組成物を得た

実施例2は、有機溶剤(2)の全量と、顔料分散剤(1)の全量とを70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してから顔料(1)〜(3)の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、株式会社シンマルエンタープライス製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い、10回通しを行い、ペースト1を得た。
次に、リン酸エステル化合物(1)の全量と有機アミン(1)〜(3)の全量と有機溶剤(3)の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、前記ペーストを添加し、70℃で30分攪拌し、ペースト2を得た。
ついで、前記ペースト2に残りの配合物の全量を加え、70℃で3時間攪拌、混合した後、室温まで放冷し、ボールペン用油性インキ組成物を得た。
表1〜2で使用した各成分の詳細を示す。
有機溶剤(1):エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
有機溶剤(2):ジエチレングリコールモノメチルエーテル
有機溶剤(3):エチレングリコールモノフェエニルーテル
有機溶剤(4):ベンジルアルコール
有機溶剤(5)3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール
有機溶剤(6)へキシレングリコール
樹脂(1):エスレック BL−1(顔料分散剤、ブチラール樹脂、数平均分子量19000、積水化学工業株式会社製)
樹脂(2):PVP K−30(曳糸性付与剤、ポリビニルピロリドン、重量平均分子量60000、ISPジャパン株式会社製)
樹脂(3):PVP K−90(曳糸性付与剤、ポリビニルピロリドン、重量平均分子量1300000、ISPジャパン株式会社製)
曳糸性付与剤(3):PVP K−120(ポリビニルピロリドン、重量平均分子量3000000、ISPジャパン株式会社製)
樹脂(4):ハイラック 901(シクロヘキサノン系ケトン樹脂、数平均分子量800、重量平均分子量2400、日立化成工業株式会社製)
樹脂(5):エスレック BH−3(ブチラール樹脂、数平均分子量110000、積水化学工業株式会社製)
摩耗防止剤(1):AKP−20(アルミナ、平均粒径0.5μm、住友化学工業株式会社製)
リン酸エステル(1):フォスファノール LB−400(ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、東邦化学工業株式会社製、平均分子量:728.2)
リン酸エステル(2):オキシエチレンラウリルエーテルリン酸(平均分子量:393.5)
有機アミン(1):ナイミーンL−201(ヒドロキシエチルラウリルアミン、日油株式会社製、平均分子量:229.4)
有機アミン(2):NIKKOL アミドアミンMPS(ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、日光ケミカルズ株式会社製、平均分子量:368.4)
有機アミン(3):トリイソプロパノールアミン(平均分子量:191.27)
界面活性剤(1):NIKKOL HCO−10(PEG−10水添ヒマシ油、HLB 6.5、日光ケミカルズ株式会社製)
界面活性剤(2):NIKKOL HCO−50(PEG−50水添ヒマシ油、HLB 13.5、日光ケミカルズ株式会社製)
界面活性剤(3):ユニオール D−2000(ポリプロピレングリコール(ジオール)、平均分子量2000、日油株式会社製)
界面活性剤(4):L7002(シリコーン活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、HLB 7、東レ・ダウコーニング株式会社製)
界面活性剤(5):NIKKOL BL−9EX(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB 14.5、日光ケミカルズ株式会社製)
顔料(1):プリンテックス35(着色剤、カーボンブラック、エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製)
顔料(2):FUJI FAST RED 8800(着色剤、C.I.Pigment Red 254、富士色素株式会社製)
顔料(3):DCC Blue A3R(着色剤、C.I.Pigment Blue 60、Dominion Color Corporation製、米国)
染料(1):VALIFAST VIOLET 1731(着色剤、Acid Violet 17(トリアリールメタン系酸性染料)とメチン系塩基性染料のオニウム塩、オリエント化学工業株式会社製)
染料(2):OIL BLUE 613(着色剤、C.I.Solvent Blue 5(トリアリ−ルメタン染料)とロジン変性樹脂の混合物、オリエント化学工業株式会社製)
染料(3):VALIFAST BLUE 1631(着色剤、Basic Blue 7(トリアリ−ルメタン染料)と無色酸根のオニウム塩、オリエント化学工業株式会社製)
染料(4):SPILON RED C−GH(着色剤、C.I.Basic Red 1:1と酸性物質との混合物、保土谷化学工業株式会社製)
染料(5):SPILON YELLOW C−GNH new(着色剤、保土谷化学工業株式会社製)
染料(6):VALIFAST YELLOW 1171(着色剤、C.I. Acid Yellow 42誘導体、オリエント化学工業株式会社製)
染料(7):VALIFAST YELLOW 1108(着色剤、ジスアゾ染料、オリエント化学工業株式会社製)
インキ追従体A:SH200 12500CS(粘度 12500mm/s、東レ・ダウコーニング社製)
インキ追従体B:IF4312(粘度3850±450mPa・s、Dokumental社製、米国)
表1〜2に記載した組み合わせにて、前述のボールペンチップサンプル1、2をそれぞれインキ収容管に直接接続し、実施例1〜14、比較例1〜3で作成したボールペン用油性インキ組成物をインキ収容管内に直に収容し、インキ追従体をインキ界面と接触するようにインキ収容管内に直に収容し、ボールペンチップサンプルの先端をポリ塩化ビニル系の樹脂にて密封した状態で遠心分離機で1000rpmにて10分間の遠心力による脱泡処理を行い、試験用ボールペンリフィルを得た。下記の試験では試験用ボールペンリフィルを前述のノック式の外装体に搭載したものを使用した。結果は、表1、表2に合わせて記載した。
試験方法1
筆記官能試験
作成した試験用油性ボールペンリフィルを50℃、30%RHの条件で3ヶ月の耐熱経時試験を行った後に、外装体に搭載し、筆記荷重1.96Nで上質紙に「国会の年日」を繰り返し10回筆記し、書き味についての官能評価を行った。
評価内容は以下の通り。
非常に軽い書き味・・・◎
軽い書き味・・・○
重い書き味・・・×
試験方法2
インキの発色官能試験
実施例1〜14、比較例1〜3に記載のインキ組成物を、デルミナ紙に金ヘラでヘラ引きし、インキの発色を官能評価した。
評価内容は以下の通り。
発色が非常に良い・・・3
発色が良い・・・2
発色が悪い・・・1
試験方法3
−20℃環境における筆記試験
試験1と同様に作成した試験用油性ボールペンリフィルを、外装体に搭載し、−20℃の恒温槽内に1時間放置し、その後、−20℃の恒温槽内で筆記荷重1.96Nで上質紙に「国会の年日」を手書きで繰り返し10回筆記し、筆記カスレが生じるかどうか確認した。
筆記カスレが生じない・・・○
筆記カスレが生じる・・・×
粘度測定
実施例1〜14および比較例1〜3で得たボールペン用油性インキ組成物を、Physica MCR302(Anton Paar社製)で温度25℃、ローター CP20−1で粘度測定した。
Figure 2018035334
Figure 2018035334
実施例1〜14に記載した油性ボールペンリフィルは、有機溶剤、水、着色剤、樹脂、リン酸エステル、シリコーン活性剤、ヒマシ油を併用しているため、書き味が良好であり、寒冷地を想定した−20℃環境で筆記カスレがない。
更に実施例1〜13は、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料、インドリノン系染料、アゾ系染料、メチン系染料又は塩基性染料とアルキルベンゼンスルホン酸基を有する酸性化合物との造塩体を着色剤として使用しているためインキの発色が非常に優れている。
また更に、実施例1〜13はインキ粘度、pHを適切に調節したことにより、ボール径の大小によらず、極めて優れた非常に軽い書き味を示す。
これに比べ、比較例1はシリコーン活性剤を、比較例2はリン酸エステルおよびヒマシ油を使用していないため、寒冷地を想定した−20℃環境で筆記カスレが生じる。
比較例3はリン酸エステル化合物を使用していないので、重い書き味で、低荷重低速筆記時の引っかかりに起因する抵抗感を常に感じ、さらに、寒冷地を想定した−20℃環境で筆記カスレが生じる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明は油性ボールペンとして利用でき、さらに詳細としては、該ボールペン用油性インキ組成物を充填した、キャップ式、ノック式などの油性ボールペンとして広く利用することができる。
1 ボールペンリフィル
2 ボール
3 ボールホルダー
3a 後端開口部
3b 先端開口部
4 インキ収容管
5 インキ
6 インキ追従体
7 コイルスプリング
7a 巻き部
7b 先端直状部
8 ボールハウス部
8a 先端開口部ボール転写部
9 中孔
10 後穴
11 内方突出部
12 放射状溝
13 ボール転写部
14a 前軸
14b 後軸
14c 後部開口部
14d 切り欠き部
14e 嵌合孔
14f 周状突部
14g 雌螺子部
14h 雄螺子部
14i 凹状部分
14j 縦リブ
15 クリップ
15a 横壁部内壁
15b 孔部
15c スプリング固定突起
15d 玉部
15e 操作部
16 カム筒
16a カム溝
16b 台部
16c 横台部分
16d 突部
16e 縦台
16f 凸部
17 回転子
17a 係合突起
17b 前孔
17c 縦リブ
17d 段部
18 ノック冠
18a 傾斜壁
19 コイルスプリング
20 傾斜リブ
21 コイルスプリング
22 グリップ部
23 ガイドリブ

Claims (9)

  1. 有機溶剤と、水と、着色剤と、樹脂と、リン酸エステル化合物と、シリコーン活性剤と、ヒマシ油とを少なくとも含むボールペン用油性インキ組成物。
  2. 前記着色剤が、トリアリールメタン系染料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料、インドリノン系染料、アゾ系染料、メチン系染料のうち少なくとも1つ以上含有することを特徴とする請求項1に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  3. 前記着色剤が、少なくとも塩基性染料とアルキルベンゼンスルホン酸基を有する酸性化合物との造塩体であることを特徴とする請求項1に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  4. 前記ヒマシ油がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  5. 前記リン酸エステル化合物が、分子内に不飽和炭化水素基を有するリン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  6. 前記シリコーン活性剤が、ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  7. 前記ボールペン用油性インキ組成物のpHが3.0以上10.0以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  8. 25℃、剪断速度100sec−1におけるインキ粘度が、10mPa・s以上5000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載のボールペン用油性インキ組成物をインキ収容管内に直に収容し、筆記部材としてのボールと、このボールを貫通孔であるインキ通孔の先端開口部から一部突出して抱持し、インキ通孔の先端開口部をボールの直径よりも小径に形成すると共にインキ通孔の内壁中腹部分に複数の内方突出部を形成することによってボールの前後移動可能範囲を規定するボールハウス部を形成したボールホルダーとで成り、更に複数の内方突出部の中心に形成される中孔部を通じてボールを背面より押して前方付勢するコイルスプリングを備えるボールペンチップをインキ収容管内の先端に直接、又はチップホルダーを介して装着した油性ボールペンリフィル。
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