JP2018035101A - Eu錯体及び有機EL素子 - Google Patents

Eu錯体及び有機EL素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2018035101A
JP2018035101A JP2016170553A JP2016170553A JP2018035101A JP 2018035101 A JP2018035101 A JP 2018035101A JP 2016170553 A JP2016170553 A JP 2016170553A JP 2016170553 A JP2016170553 A JP 2016170553A JP 2018035101 A JP2018035101 A JP 2018035101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
complex
general formula
group
bonded
substituents
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016170553A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6749816B2 (ja
Inventor
長谷川 靖哉
Yasuchika Hasegawa
靖哉 長谷川
詩織 名取
Shiori Natori
詩織 名取
中西 貴之
Takayuki Nakanishi
貴之 中西
北川 裕一
Yuichi Kitagawa
裕一 北川
公志 伏見
Koji Fushimi
公志 伏見
努 赤木
Tsutomu Akagi
努 赤木
裕義 内藤
Hiroyoshi Naito
裕義 内藤
淳 福留
Jun Fukudome
淳 福留
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Osaka University NUC
Stanley Electric Co Ltd
Osaka Prefecture University
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Osaka University NUC
Stanley Electric Co Ltd
Osaka Prefecture University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Osaka University NUC, Stanley Electric Co Ltd, Osaka Prefecture University filed Critical Hokkaido University NUC
Priority to JP2016170553A priority Critical patent/JP6749816B2/ja
Publication of JP2018035101A publication Critical patent/JP2018035101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6749816B2 publication Critical patent/JP6749816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】溶液プロセスにより薄膜形成が可能で、有機ELデバイスの発光層として用いた場合にも発光が得られる粒子状の希土類錯体組成物、これを用いた薄膜の発光層を有する有機ELデバイスを提供する。発光特性と耐熱性に優れた希土類錯体ポリマーを提供する。
【解決手段】1つのEuイオンに対して、ホスフィンオキシド基を含有する図10に例示される特定の分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物。この組成物の薄膜を発光層として含む有機EL素子。
【選択図】図10

Description

本発明は、Eu錯体及びこのEu錯体を用いた有機EL素子に関する。より詳しくは、キャリア輸送部位を有するEu(III)錯体ポリマー組成物及びこのEu(III)錯体ポリマー組成物を発光材料として用いた有機EL素子に関する。
有機EL素子は薄型軽量・低消費電力であることから次世代デバイスとして実用化が進められている。特に、有機ELディスプレイは赤・緑・青の3原色を混合することで様々な発光を実現できる。それらの色純度が高いほど色再現性が上がり、画質の向上につながる。つまり、ディスプレイの発光材料として、高色純度の発光は非常に重要である。
しかし、市販のディスプレイでは発光スペクトルから不必要な光を光学フィルターで除去することで、発光の色純度を高めている。そのため、光をカットするため実質的な効率が大幅に減少してしまうという問題点があった。
そこで、色純度が極めて高い希土類錯体を発光材料として用いることができれば、有機ELディスプレイの高効率化が期待される。
現在まで、EL発光を示す様々な希土類錯体が報告されてきた。希土類錯体は4f-4f遷移に基づく高輝度発光・高い色純度・配位子を介した光増感エネルギー移動を示す。これらの特徴からEL素子の発光層として注目されるようになった。EL素子は、一般に、図1に示すように、発光層となる薄膜を電極で挟んだ構造を有する。発光層へと注入された電子とホールが再結合することで発光を示す。電気励起による発光のためエレクトロルミネッセンスと呼ばれる。希土類錯体の一種としてEu錯体が多数報告されている[例えば、非特許文献1]。しかし、Eu錯体は、分解温度が低いこと、デバイスにしたときに外部量子効率が低いことが問題とされていた。
それに対して、分解温度が高いという観点で、配位部を複数持つ有機分子を用いた錯体ポリマーに注目が集まっている。単分子ではELに必要な機能を持つ分子を積層させて素子を作製する必要があるが、キャリア輸送部位をポリマー中に組み込むことで素子構造を単純化できるという利点もある。また、分子間の距離が近くなることでエネルギー移動効率の向上、及びポリマー間の相互作用による耐熱性の向上が期待できる[非特許文献2〜4、特許文献1〜2]。
WO2012/150712 WO2015/002295
J. Wang et al., Chem. Eur. J., 2014. K. Miyata et al., Chem. Eur. J. 2011, 17, 521-528. Y. Hasegawa et al., ChemPlusChem. 2012. H. Onodera et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 2014 ,87, 1386-1390.
しかし、非特許文献2〜4及び特許文献1〜2で報告されている希土類錯体ポリマーは、真空プロセスでは分解してしまい、また溶液プロセスでは溶媒に対して難溶解性であるための薄膜形成は困難であった。そのため、デバイスへの展開が難しいことが課題であった。
そこで本発明の第一の目的(課題)は、溶液プロセスにより薄膜形成が可能な希土類錯体ポリマー組成物を提供することである。より具体的には、溶媒中に均一に分散させることができる粒子状希土類錯体ポリマー組成物を提供し、さらにこれを用いて薄膜を形成し、有機ELデバイスを作製することを第一の目的(課題)とする。
従来、希土類錯体ポリマーは、材料としては発光を示すことが確認されていた[非特許文献2〜4及び特許文献1〜2]。しかし、これらをデバイスとすることは上記のように溶媒に対する難溶解性のために難しかった。また、本発明者らが希土類錯体ポリマーを特別な方法で有機ELデバイスの発光層とした素子を作製し、試験したところ、期待したような発光が得られなかった。
有機ELデバイスの発光層では、陰極側から電子が供給され、陽極側からホールが供給され、これらの電子とホールとが発光層で結合することで発光が生じる。発光層において電子とホールが結合するためには、陰極及び陽極から発光層に向かってそれぞれ電子とホールとが流れる必要がある。しかし、この流れがスムーズでないと発光層への電子とホールの供給不良となり、発光が得られにくくなる。従来の希土類錯体ポリマーを有機ELデバイスの発光層として発光試験を行ったところ、容易に発光が得られなかったという課題が明らかになった。
そこで、本発明の第二の目的(課題)は、前記のように溶媒中に均一に分散させることができる粒子状希土類錯体ポリマーであって、なおかつ、有機ELデバイスの発光層として用いた場合にも発光が得られる粒子状の希土類錯体ポリマーを提供することにある。さらにこれを用いて薄膜を形成し、有機ELデバイスを作製することを第二の目的(課題)とする。
さらに、本発明の第三の目的(課題)は、発光特性と耐熱性に優れた希土類錯体ポリマーを提供することにある。
本発明者らは、上記3つの課題を解決すべく種々検討した結果、本発明に至った。
[1]
1つのEuイオンに対して、下記一般式1、2及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式2中、R31-R35、R36-R40、R51-R55、R56-R60は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式3中、R51-R57は、ナフチル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の7個の炭素原子のそれぞれ結合する置換基の群であり、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式4中、R61-R65、R66-R70は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式1の化合物は、少なくとも1つのホスフィンオキシド基で、Euイオンに配位しており、
一般式2の化合物は、2つのホスフィンオキシド基が共同で1つのEuイオンに配位しており、
一般式3又は4の化合物は、1個〜4個が、ジケト基で1つのEuイオンに配位しており、
前記錯体分子は、1分子中の少なくとも2つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含む、前記錯体組成物。
[2]
前記錯体分子は、1分子中の3つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含む錯体分子を含む、[1]に記載の錯体組成物。
[3]
一般式2の化合物を配位子として含まない錯体分子をさらに含む、
[1]又は[2]に記載の錯体組成物。
[4]
Euイオンに対する一般式1の化合物のモル比は、1:1〜1:5の範囲であり、
Euイオンに対する一般式2の化合物のモル比は、1:0.1〜1:3の範囲であり、
Euイオンに対する一般式3又は4の化合物のモル比は、1:1〜1:4の範囲である、
[1]〜[3]のいずれか1項に記載の錯体組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれか1項に記載の錯体組成物であって、DSLで測定した一次粒子径が100〜1000nmの範囲にある粒子状錯体分子又はその集合体を含む、粒子状錯体組成物。
[6]
[1]〜[4]のいずれか1項に記載の錯体組成物又は[5]に記載の粒子状錯体組成物及び有機溶媒を含む、塗布用組成物。
[7]
[6]に記載の塗布用組成物を基板に塗布することを含む錯体膜の製造方法。
[8]
基板が電極、または正孔輸送層若しくは電子輸送層を有する電極である[7]に記載の製造方法。
[9]
[1]〜[4]のいずれか1項に記載の錯体組成物を含む薄膜。
[10]
[9]に記載の薄膜を発光層として含む、有機EL素子。
[11]
1つのEuイオンに対して、下記一般式1及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式3中、R51-R57は、ナフチル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の7個の炭素原子のそれぞれ結合する置換基の群であり、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式4中、R61-R65、R66-R70は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式1の化合物は、少なくとも1つのホスフィンオキシド基で、Euイオンに配位しており、
一般式3又は4の化合物は、1個〜4個が、ジケト基で1つのEuイオンに配位している、前記錯体組成物。
本発明によれば、溶媒中に均一に分散等させることができる粒子状希土類錯体組成物(ポリマー)を提供でき、これを用いて溶液法で薄膜の発光層を形成することができ、これにより、有機ELデバイスを作製することができる。得られた有機ELデバイスは、従来の希土類錯体ポリマーを発光層として用いた有機ELデバイスに比べて、容易に発光を示す物である。
EL素子の構造を示す。 Eu-nanoのDLSの結果を示す。 Eu-nanoのSEM像を示す。 各物質のXRDパターンを示す。 各物質のXRDパターンを示す。 Eu-dbm-tpcz及びEu-nanoの発光スペクトルを示す。 Eu-ntfa-tpcz,Eu-dbm-tpcz及びEu-nanoの発光減衰曲線を示す。 Eu-dbm-tpcz及びEu-nanoの熱質量分析結果を示す。 Eu-nanoを用いて作製したEL素子構造と分子の構造を示す。 各物質のエネルギー準位図を示す。(tpcz, Eu-ntfa, Eu-dbm, dpepoはDTF計算より算出、他は既報の値) 素子CのELスペクトルを示す。 素子CのJ-L-V特性を示す。 Eu-nanoにおける各配位子の分子軌道計算の結果を示す。
<略語の説明>
tpcz又はTPCZ: 3,6-bis(diphenylphosphoryl)-9-(4'-(diphenylphosphoryl)phenyl)carbazol
dpepo: Bis[2-(diphenylphosphino)phenyl] ether oxide
dbm: Dibenzoylmethane
ntfa: 3-(2-Naphthoyl)-1,1,1-trifluoroacetone
Eu: ユーロピウム
<錯体組成物>
本発明の第一の態様は、1つのEuイオンに対して、下記一般式1、2及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物に関する。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30は、独立な5個の置換基からなる群である。即ち、例えば、R1-R5は、R1、R2、R3、R4、R5の5個の置換基からなる群であり、R6-R10は、R6、R7、R8、R9、R10の5個の置換基からなる群である。各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合する。例えば、R1-R5の場合、R1、R2、R3、R4、R5が、上記一般式1中の左上に位置するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子のそれぞれと結合する。R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは5個が水素原子であるか、4個が水素原子であり、1個が炭素数1〜6のアルキル基である。R6〜R30についても、同様ある。炭素数1〜6のアルキル基は、制限はないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルである。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30が、水素原子である化合物は公知である。(文献名:Junqiao Ding et al, J. Mater. Chem. 2010, 20, 8126-8133.)以下の反応スキームに従って合成することができる。反応スキームで用いる各原料は、市販品として入手可能である。
R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30のいずれかが、アルキル基である化合物も上記文献を参照して合成することができる。2段目の反応におけるPh2PClのPhにアルキル基を導入した化合物を用いることで合成できる。
一般式2中、R31-R35、R36-R40、R51-R55、R56-R60は、一般式2中のR 1-R5と同様に、
独立な5個の置換基からなる群である。各置換基群は、それぞれが結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合する。各置換基群の5個の置換基が、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であること等、一般式1中のR 1-R5と同様である。
一般式2中、R31-R35、R36-R40、R51-R55、R56-R60が、水素原子である化合物は公知である。(文献名: Li Yuehui et al, J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 18325.)以下の反応スキームに従って合成することができる。反応スキームで用いる各原料は、市販品として入手可能である。尚、出発原料であるビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルは、K. Miyata et al., Chem. Eur. J. 2011, 17, 521-528(非特許文献2)に記載の方法により合成することもできる。
R31-R35、R36-R40、R51-R55、R56-R60のいずれかが、アルキル基である化合物は、例えば、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルの合成に際して用いる、Ph2PClのPhにアルキル基を導入した化合物を用いることで合成できる。
一般式3中、R51-R57は、結合するナフチル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の7個の炭素原子のそれぞれ結合する置換基の群であり、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜6のアルキル基の例は、一般式1中のR 1-R5と同様である。
R51-R57が水素原子である、一般式3で示される化合物は公知である。(文献名: Y. Hasegawa et al, ChemPlusChem. 2016, 81, 187-193.)以下の反応スキームに従って合成することができる。反応スキームで用いる各原料は、市販品として入手可能である。
R51-R57のいずれかが、アルキル基である化合物は、例えば、通常のジケトン合成法と同様に、アルキル基を含む芳香族誘導体との反応を行うことで、合成することができる。
一般式4中、R61-R65、R66-R70は、一般式1中のR 1-R5と同様に、独立な5個の置換基からなる群である。各置換基群が結合するフェニル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合する。各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜6のアルキル基の例は、一般式1中のR 1-R5と同様である。
R61-R65、R66-R70が水素原子である一般式4で示される化合物は公知である。(文献名: R.G. Charles, A. Perrotto, j. Inorg. Nucl. Chem. 1964, 26, 373-389.)以下の反応スキームに従って合成することができる。反応スキームで用いる各原料は、市販品として入手可能である。
R61-R65、R66-R70のいずれかが、アルキル基である化合物は、例えば、溶媒にエタノールを導入することで、同様の方法によって合成できる。
本発明の錯体組成物においは、一般式1〜4の化合物は、Euイオンに対する配位子として機能し、錯体組成物に含まれる錯体分子において、配位子として含有される。1つの錯体分子において、一般式1の化合物(配位子)は少なくとも1つのホスフィンオキシド基でEuイオンに配位しており、一般式2の化合物(配位子)は2つのホスフィンオキシド基が共同でEuイオンに配位しており、さらに、一般式3又は4の化合物(配位子)は1個または2個〜4個が、ジケト基で1つのEuイオンに配位している。一般式3の化合物(配位子)及び一般式4の化合物(配位子)は、1つの錯体分子又は複数の錯体分子の混合物である錯体組成物においては、単独(単一種類)であることも、複数種が共存することもできる。複数種が共存する場合、1つの錯体分子において、複数種が共存する場合と、1つの錯体分子においては単独(単一種類)であるが、錯体組成物においては、異なる配位子を含む錯体分子が含まれる場合のいずれもあり得る。
さらに本発明の錯体組成物が含有する錯体分子は、1分子中の少なくとも2つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに独立に配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含む。この錯体分子は、1分子中に少なくとも2個のEuイオンを含み、これらのEuイオンは、1分子の一般式1の化合物の2つのホスフィンオキシド基とそれぞれ結合し、それにより架橋されている。
本発明の錯体組成物が含有する錯体分子は、1分子中の3つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに独立に配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含むこともできる。1分子の一般式1の化合物の2つのホスフィンオキシド基と異なるEuイオンがそれぞれ結合した錯体分子は、この繰返単位を有する2次元構造のポリマーを形成する。1分子の一般式1の化合物の3つのホスフィンオキシド基と異なるEuイオンがそれぞれ結合した錯体分子は、この繰返単位を有する3次元構造のポリマーを形成する。
本発明の錯体組成物は、例えば、Euイオンと一般式3又は4の化合物(配位子)からなる錯体の水和物を原料として、この錯体に対して一般式1の化合物及一般式2の化合物を反応させることで調製できる。以下に一般式1中のR1〜R30が水素原子である三座のホスフィンオキシド配位子tpczと一般式2中の R31〜R50が水素原子であるジホスフィンオキシド配位子dpepo、一般式3中のR51〜R57が水素原子であるジケト型配位子を含むEu錯体(2水和物)を用いた錯体分子の形成反応(溶媒としてメタノールを用い、還流条件で行う場合)の概略図を示す。
生成物である錯体分子は、Euイオンに対して、1分子の一般式1で示される三座のホスフィンオキシド配位子tpczと3分子のジケト型配位子を有する単位が繰返単位として存在し、かつ1つの末端で、Euイオンに対して、1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoが配位している。繰返単位中の三座のホスフィンオキシド配位子tpczの残りの二座ホスフィンオキシド基はQ10及びQ20に結合(配位結合)している。Q10及びQ20は独立に、1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoであるか、または、Euイオンに対して1分子の一般式1で示される三座のホスフィンオキシド配位子tpczと3分子のジケト型配位子を有する下記で示される繰返単位[Eu(ntfa)x(TPCZ)y]nである。但し、Q10及びQ20が[Eu(ntfa)x(TPCZ)y]nである場合、それらの末端にも1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoが配位している。[Eu(ntfa)x(TPCZ)y]n中、例えば、xは1〜4の整数であり、好ましくは3であり、yは1であり、nは1以上の自然数である。
同様に、以下に一般式1の化合物としてtpczと一般式2の化合物としてdpepoを用い、一般式4中のR61〜R70が水素原子であるジケト型配位子を含むEu錯体(2水和物)を用いた錯体分子の形成反応(溶媒としてメタノールを用い、還流条件で行う場合)の概略図を示す。
生成物である錯体分子は、Euイオンに対して、1分子の一般式1で示される三座のホスフィンオキシド配位子tpczと3分子のジケト型配位子を有する単位が繰返単位として存在し、かつ1つの末端で、Euイオンに対して、1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoが配位している。繰返単位中の三座のホスフィンオキシド配位子tpczの残りの二座ホスフィンオキシド基はQ30及びQ40に結合(配位結合)している。Q30及びQ40は独立に、1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoであるか、または、Euイオンに対して1分子の一般式1で示される三座のホスフィンオキシド配位子tpczと3分子のジケト型配位子を有する下記で示される繰返単位[Eu(dbm)x(TPCZ)y]nである。但し、Q10及びQ20が[Eu(dbm)x(TPCZ)y]nである場合、それらの末端にも1分子の一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子dpepoが配位している。[Eu(dbm)x(TPCZ)y]n中、好ましくはxは1〜4の整数であり、好ましくは3であり、yは1であり、nは1以上の自然数である。
何れの錯体分子においても、一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子は、配位子中の2つのホスフィンオキシド基が共同で1個のEuイオンに配位する。従って、一般式2で示される配位子は、一般式1で示される配位子と異なり、架橋構造を形成することはなく、上記反応においてジホスフィンオキシド配位子dpepoと結合すると、錯体分子はそれ以上大きくならない。従って一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子は、上記反応においては、反応のターミネータとして機能する。さらに、その結果、錯体分子(粒子)の表面付近に一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子が偏在することになる。この状態を以下に示す。繰返単位[Eu(dbm)x(TPCZ)y]nの固まりを球状に表記し、[Eu(dbm)x(TPCZ)y]nの末端のEuに対して、L字方のdpepoが配位し、錯体分子を終端している。
本発明の錯体組成物は、繰返単位の数が異なる複数の錯体分子を含み得る。これらの錯体分子は上述のように一般式1、2及び3又は4を配位子として含む物であるが、本発明の錯体組成物は、一般式2の化合物を配位子として含まない錯体分子、即ち、一般式1及び3又は4を配位子として含む錯体分子をさらに含むこともできる。本発明の錯体組成物が、一般式2の化合物を配位子として含まない錯体分子を含むか否かは、主に、Euイオンに対する一般式2の化合物のモル比、及び粒子状錯体組成物の形状や粒子径による。
本発明の錯体組成物において、Euイオンに対する一般式1の化合物のモル比は、例えば、1:1〜1:5の範囲であることができる。このモル比は、好ましくは1:2〜1:4の範囲、より好ましくは1:2.5〜1:3.5の範囲、最も好ましくは1:3である。
本発明の錯体組成物において、Euイオンに対する一般式2の化合物のモル比は、1:0.1〜1:3の範囲であることができる。このモル比は、好ましくは1:0.5〜1:2の範囲、より好ましくは1:0.8〜1:1.5の範囲、最も好ましくは1:1である。
本発明の錯体組成物において、Euイオンに対する一般式3又は4の化合物のモル比は、1:1〜1:4の範囲であることができる。このモル比は、好ましくは1:2〜1:4の範囲、より好ましくは1:2.5〜1:3.5の範囲、最も好ましくは1:3である。
本発明の錯体組成物は、前記錯体組成物であって、DSLで測定した一次粒子径が100〜1000nmの範囲にある粒子状錯体分子又はその集合体を含むことができる。本発明の錯体組成物は、上記粒子状錯体分子又はその集合体のみからなる粒子状錯体組成物であることができる。さらに本発明の本発明の錯体組成物は、前記一次粒子径が凝集した二次粒子として存在することもでき、DSLで測定した二次粒子の粒子径は例えば、0.5μm〜10μmの範囲である。一次粒子径及び二次粒子径は、この範囲に限定されるものではない。また、本発明の錯体組成物の一次粒子径及び二次粒子径は、原料として用いる配位子や製造条件により適宜調整することができる。
<塗布用組成物>
本発明は、上記本発明の錯体組成物又は上記本発明の粒子状錯体組成物及び有機溶媒を含む、塗布用組成物を包含する。この塗布用組成物は、有機EL素子の発光層となる薄膜の形成に用いることができる。塗布用組成物中の錯体組成物又は粒子状錯体組成物の濃度は、錯体組成物の種類、溶媒の種類、薄膜形成条件等を考慮して適宜決定することができる。但し、錯体組成物又は粒子状錯体組成物が溶媒中に均一に分散又は溶解した状態となる濃度を選択することが、均一な薄膜形成には好ましい。
塗布用組成物に含まれる溶媒は、錯体組成物又は粒子状錯体組成物を均一に分散又は溶解できるものから適宜選択することができる。この溶媒は、水以外の有機溶媒を適宜用いることができ、親水性有機溶媒及び疎水性有機溶媒のいかなる溶媒も利用できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの塩素系溶剤、ペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒などを挙げることができる。好ましくはアルコール系溶媒である。
<錯体膜の製造方法>
本発明は、上記本発明の塗布用組成物を基板に塗布することを含む錯体膜の製造方法に関する。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法等の印刷方法により塗布する方法が挙げられる。
<有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子>
本発明は、本発明の錯体組成物を含む発光層を有する有機EL素子を包含する。
有機EL素子は、通常、基板、陽極、電荷(正孔)輸送層、前記発光層、電荷(電子)輸送層及び陰極が順に積層された構造を有する。前記発光層中における本発明の錯体組成物の含有量は、例えば、5〜100質量%程度であることができる。
前記発光層は本発明の錯体組成物単独で形成されていてもよいし、本発明の錯体組成物以外の化合物をさらに含有していてもよい。例えば下記に示す電荷(正孔)輸送層の材料もしくは電荷(電子)輸送層の材料等をホスト化合物として含有していても良い。
前記発光層の膜厚は、少なくともピンホールが発生しないような厚みが必要であるが、厚すぎると素子の抵抗が増し、高い駆動電圧が必要となるためあまり好ましくない。従って前記発光層の膜厚は、例えば、0.0005〜10μm程度、好ましくは0.001〜1μm程度、より好ましくは、0.005〜0.2μm程度である。
前記発光層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の錯体組成物をスピンコート法、インクジェット法等の印刷方法により塗布する方法が挙げられる。
前記基板は、透明のものであればよく、例えば、ガラス、石英、光透過性プラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート(PC)等)等が挙げられる。前記基板の厚みは、本発明の効果を妨げない範囲であればよく特に限定されない。
前記陽極の材料として、例えば、仕事関数の大きな導電性材料であるITO(インジウム錫酸化物)等を用いることができる。前記陽極の厚みは、0.1〜0.3μm程度とすることができる。
前記電荷(正孔、ホール)輸送層の材料としては、例えば、トリアリールアミン等のアリールアミン系化合物等が用いられる。前記材料は一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。実施例で用いたPVK(ポリ(N-ビニルカルバゾール))は、アリールアミン系化合物の一例である。
前記電荷(電子)輸送層の材料としては、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、トリアゾール類、フェナントロリン類、オキサジアゾール類等が用いられる。前記材料は一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。PBD(2-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,3,4-オキサジアゾール)及びOXD-7( 2,2'-(1,3-フェニレン)ビス[5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール])は、オキサジアゾール類の例である。
これら電荷輸送層の厚みは、それぞれ通常0.0005μm〜10μm程度であり、好ましくは0.001〜1μm程度である。
前記陰極の材料としては、仕事関数が小さな金属であるアルミニウム、マグネシウム、インジウム、アルミ−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用される。前記陰極の厚みは、0.01〜0.5μm程度が好ましい。
前記陽極、前記正孔輸送層、前記電子輸送層及び前記陰極は、前記各種材料を用いて抵抗加熱蒸着、真空蒸着、スパッタリング法等の公知の方法に従って形成できる。
本発明の有機EL素子は、カラー液晶表示器のバックライト等の照明器、ディスプレイ等に用いることができる。
<錯体組成物2>
本発明は、1つのEuイオンに対して、前記一般式1及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物(錯体組成物2と表記する)を包含する。一般式1及び3又は4は、前記本発明の錯体組成物で説明した化合物と同様である。
本発明の錯体組成物2は、一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子を用いずに形成したこと以外は、前記本発明の錯体組成物と同様である。
本発明の錯体組成物2が含む錯体分子は、Euイオンに対して、1分子の一般式1で示される三座のホスフィンオキシド配位子例えば、tpczと3分子のジケト型配位子例えば、ntfaを有する単位が繰返単位として存在する。一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子は、ある種のターミネータとして機能するが、本発明の錯体組成物2は一般式2で示されるジホスフィンオキシド配位子を含有しない。そのため、本発明の錯体組成物よりは、より高分子の錯体分子を含有する。
本発明の錯体組成物2は、ジケト型配位子がdbmの場合は繰返単位[Eu(dbm)x(TPCZ)y]nを含む錯体分子を含有する。
本発明の錯体組成物2は、繰返単位の数が異なる複数の錯体分子を含み得る。これらの錯体分子は上述のように一般式1及び3又は4を配位子として含む物である。
本発明の錯体組成物2において、Euイオンに対する一般式1の化合物のモル比は、例えば、1:1〜1:5の範囲であることができる。このモル比は、好ましくは1:2〜1:4の範囲、より好ましくは1:2.5〜1:3.5の範囲、最も好ましくは1:3である。
本発明の錯体組成物2において、Euイオンに対する一般式3又は4の化合物のモル比は、1:1〜1:4の範囲であることができる。このモル比は、好ましくは1:2〜1:4の範囲、より好ましくは1:2.5〜1:3.5の範囲、最も好ましくは1:3である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実験方法
例1-1. 配位子tpczの合成
配位子tpczは出発原料であるモノブロモ体をNBSを用いてトリブロモ体にした後、n-BuLiを用いてジフェニルホスフィンクロライドと反応させ、酸化することで得られた。
1H NMR (400 MHz,CDCl3, TMS, δ ppm): δ 8.45 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 7.95 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.66-7.78 (m, 16H), 7.44-7.64 (m, 20H) ppm. 31P NMR(CDCl3): δ 28.0, 30.8 ppm.
例1-2.
ターミネート配位子dpepoは前駆体DPEphos(ディーピーイーホス)を過酸化水素で酸化させることで得られた。
1H NMR (400 MHz, CD3OD, δ ppm): δ 7.18-7.62 (m, 26H), 6.18-6.21 (m, 2H) ppm.
例1-3. dpepoをターミネート配位子として用いたEu-dbm-tpczのナノ粒子(Eu-nano)の合成
リンカー配位子tpcz[1]とターミネート配位子dpepo[2]をMeOHに溶解させ、溶液Aを調製した。Eu(dbm)3(H2O)2 [3]をMeOH に溶かし、オイルバスで50℃に加温した溶液Aに滴下した。23時間加熱還流後に黄色い粉体が得られたので、4000rpmで30分間遠心分離を行い、紛体を回収した。物質量比Eu(dbm)3(H2O)2 : tpcz : dpepo = 3 :1 : nとし、dpepoの比率n=3, 4.5, 6の3種類合成を行った(表1)。n=6の時、dpepoが完全に溶解しなかったため、MeOHを30 mLに増やして加熱還流を行った。
参考文献
[1] Junqiao Ding et al, J. Mater. Chem. 2010, 20, 8126-8133.
[2] Li Yuehui et al, J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 18325.
[3] Y. Hasegawa, ChemPlusChem, 77, 277-280 (2012).
(n=3のEu-nano)
FAB-MS:
Calcd. for [Eu(dbm)2(dpepo)]+: 1169.2, Found: 1442.31,
Calcd. for [Eu(dbm)2(tpcz)]+: 2013.45, Found: 2013.8,
Calcd. for [Eu2(dbm)5(tpcz)(dpepo)]+: 2835.60, Found: 2835.7
FTIR(KBr):
3125-2935 (Ar, C-H), 1620-1425 (Ar, C-C), 1214 (st, P=O) cm-1
Eu-nanoは、Euにdbm、tpcz及びdpepoが配位した錯体分子 Eu-dbm-tpcz-dpepoを意味する。
例1-4.Eu-dbm-tpczの合成
Eu-dbm-tpczの合成は、合成した配位子tpczをMeOH中でEu-dbm-aqua錯体と錯形成させることで、目的の錯体を得た。同定は、ESI-MS及びFT-IRにて行った。
ESI-MS及びFT-IRから得られた化合物は、Euにdbm及びtpczが配位した錯体分子([Eu(dbm)x(TPCZ)y]n)であると同定された。原料及び反応条件から、xは3であり、yは1である。繰返単位数nは、1〜10000の範囲であると推定される。
ESI-MS:
Calcd. for [Eu(dbm)2(TPCZ)]+: 1442.30, Found: 1442.31,
Calcd. for [Eu(dbm)2(TPCZ)2]+: 2286.52, Found: 2286.52
FTIR(ATR): 3132-2915 (Ar, C-H), 1600-1435 (Ar, C-C), 1220 (st, P=O) cm-1
例1-5.Eu--ntfa-tpczの合成
Eu-ntfa-tpczの合成は、例1-4におけるEu-dbmをEu-ntfaに代えた以外、例1-4と同様に実施した。同定は、ESI-MS及びFT-IRにて行った。ESI-MS及びFT-IRから得られた化合物は、Euにntfa 及びtpczが配位した錯体分子[Eu(ntfa)x(TPCZ)y]n) であると同定された。原料及び反応条件から、xは3であり、yは1である。繰返単位数nは、1〜10000の範囲であると推定される。
ESI-MS:
Calcd. for [Eu(ntfa)2(TPCZ)]+: 1526.24, Found: 1526.20,
Calcd. for [Eu(ntfa)2(TPCZ)2]+: 2370.46, Found: 2370.35,
Calcd. for [Eu2(ntfa)5(TPCZ)2]+: 3318.53, Found: 3318.36
FTIR(ATR): 3104-2967 (Ar, C-H), 1616 (st, C=O), 1548-1437 (Ar, C-C), 1120 (st, P=O) cm-1
以下、Eu-nanoは、Euにdbm、tpcz及びdpepoが配位した錯体分子 Eu-dbm-tpcz-dpepoを示し、Eu-ntfa-tpczは、Euにntfa 及びtpczが配位した錯体分子[Eu(ntfa)x(TPCZ)y]n) を示し、Eu-dbm-tpczは、Euにdbm及びtpczが配位した錯体分子([Eu(dbm)x(TPCZ)y]n) を示す。
例2. DLS測定
得られた粉体をMeOHに分散させ、DLS測定を行い粒径サイズの評価を行った。結果を図2-1および表 2に示す。SEM像を図2-2に示す。一次粒径は、配位子dpepoの比率n=3の時183 nm、n=4.5の時220 nm であった。この結果からnの値が大きいほど、一次粒径は大きくなる傾向が確認できた。n=4.5及びn= 6については反応後の溶媒中にdpepoの析出が見られたため、全量反応していない可能性がある。n=3については、dpepoの析出は見られず、仕込み量の全量が反応したと考えられる。最も小さい粒径を示したn=3のナノ粒子(以下、Eu-nanoと表記する)を用いて、以下の物性の評価を行った。その結果、depepoが少ないと、小さな粒径のナノ粒子ができdepepoの添加量が増えると、ナノ粒子の粒子直径も大きくなることが分かる。
例3. XRD測定
結晶性の有無・Eu(III)錯体ポリマーおよび単核錯体との構造比較のためにXRD測定を行った。結果を図3-1及び3-2に示す。単核錯体であるEu-dbm-dpepoおよびターミネート配位子dpepoのXRDパターンと比較してEu-nanoのパターンは異なっていた。これから、Eu(III)錯体はdpepoのみが配位した単核錯体となっていないこと、dpepoが残留していないことが明らかとなった。また図3-2に示すtpcz, Eu-ntfa-tpcz, Eu-dbm-tpczのXRDパターンは非常にブロードであり、これらは周期的な構造を組まず非晶性であることを示した[1]。Eu(III)錯体ポリマーの非晶性はtpcz由来と考えられるが、Eu-nanoは結晶性を示した。これは、表面に配位しているdpepoの強い結晶性が発現していると考えられる。
[1] Junqiao Ding et al, J. Mater. Chem. 2010, 20, 8126-8133.
例4. 発光物性の評価
Eu-dbm-tpcz, Eu-nanoの発光スペクトルを図4-1に示す。どちらのスペクトルEu(III)に特徴的なピークが観測された。スペクトル形状が異なることから、dpepoが配位することでEu(III)周りの配位環境が変化したと考えられる。図4-2にEu-dbm-tpcz及びEu-ntfa-tpczの発光スペクトルを示す。配位子dbm及びntfaはほぼ同等の機能を有していることが分かる。
Eu-ntfa-tpcz, Eu-dbm-tpcz, Eu-nanoの発光減衰曲線を図5に示す。3種類全ての発光は短寿命成分と長寿命成分の2種類から構成されることが分かった。生データを2成分フィッテングして算出した発光寿命およびそれらの頻度因子を表3-1に示す。多成分化する理由は、下記に示すように、tpczの配位サイトが2種類あるため、Eu(III)の配位環境が3種類存在していることに起因していると考えられる(図5)。カルバゾール側のP=OをA、ベンゼン側のP=OをBとしてすべてランダムに配位すると考えた場合、A-B、A-Aとなる確率は44.4%である。一方B-Bとなる確率は11.1%と見積もられる。B-Bとなる確率が、A-A・A-Bの組み合わせになる確率よりも低いため、この2成分はA-A、A-B由来の発光と考えられる。
表3に前駆体Eu-dbm-aqua、ポリマーEu-ntfa-tpcz及びEu-dbm-tpcz、並びにナノ粒子Eu-nanoの光物性値を示す。
前駆体(Eu-dbm-aqua)をポリマーにした場合(Eu-dbm-tpcz)、寿命と量子収率が向上し、無放射速度定数knrの値が約10倍低下した。これはポリマー化したことで振動失活が抑制されていると考えらる。
Eu-nano(Eu-dbm-tpcz-dpepo)はポリマー(Eu-dbm-tpcz)と比較して放射速度定数krの減少及び無放射速度定数knrの増加が見られた。krの減少の原因としては、ターミネート配位子のdpepoを添加したことによってEu周りの対称性が向上したためと考えられる。またknrの増大の原因として、ナノ粒子化することで表面積が増加したため表面の無放射失活の影響が大きくなったと考えられる。さらに、ナノ粒子化するとわずかに発光量子効率は減少するが、これは、kr(放射速度)が減少するためである。この減少は、表面のdepepoの配位が起因していると考えられる。
例5. 熱物性の評価
図6に、ポリマーEu-dbm-tpcz及びナノ粒子Eu-nanoの熱質量分析(5℃ / min, Ar雰囲気下)の結果を示し、表3には、ポリマーEu-ntfa-tpcz及びEu-dbm-tpcz、並びにナノ粒子Eu-nanoの熱分解温度も示す。Eu-dbm-tpczは293℃という高い熱安定性を示したが、Eu-nanoは、表面のdepepoが185℃付近で外れることを示す質量減少を示した。このデータはEu-nanoの表面にdepepoが配位していることを示唆する。
2-5.OLEDの作製
合成したナノ粒子Eu-nanoを用いてEL素子の作製を行った。素子はアセトンとIPA(イソプロピルアルコール)でそれぞれ10分間洗浄し、UV/O3処理を行った。その後、PEDOT:PSSをスピンコートし、PVK(ポリビニルカルバゾール)を積層させた。これは、Eu-nanoを分散させているMeOHがPEDOT:PSSを溶解させるためである。次に発光層を積層させ[(ナノ粒子Eu-nanoをMeOHに分散) 2000 rpm 60 s]、80℃で20分間真空乾燥した。その上からCa(5 nm)とAl(40 nm)を蒸着し、素子を封止した。作成した素子構造と素子に用いた分子を図7-1、素子に用いた物質のエネルギー準位を図7-2に示す。ナノ粒子Eu-nanoは、発光層中でキャリア移動を担う役割を持つ。
作製したEu-nanoを用いた素子では紫の発光が見られ、ELスペクトルとJ-L-V(電流密度-輝度-電圧)特性を観測できた。結果を図8及び9に示す。ELスペクトルでは、Eu(III)特有の612 nmの発光とPVKの410 nmをピークとするブロードな発光が観測された。この原因はEu-nano製膜の際に、PVKがMeOHにわずかに溶けて発光層に混入していると考えられる。J-V特性からは約6 Vで電流密度が上昇し、EL特有の電流密度-電圧特性が確認できた。またL-V測定では、6.5 Vから1 cdほどの発光が観測された。
Eu-nanoを用いた素子の発光は、図10に示す各配位子の分子軌道計算で得られたHOMO・LUMOのエネルギー準位図からも支持される。カルバゾール基を含む3座のtpcz配位子はホール輸送能、dpepoは電子輸送能を有する。陽極からTPCZのHOMOへホールが注入され、陰極からdpepoのLUMOに電子が注入される。Euに配位するβジケトン配位子dbm上で送られたホールと電子が再結合し、Euにエネルギー移動することで発光が生じると考えられる。
本発明は有機EL素子に関連する分野に有用である。

Claims (11)

1つのEuイオンに対して、下記一般式1、2及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式2中、R31-R35、R36-R40、R51-R55、R56-R60は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式3中、R51-R57は、ナフチル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の7個の炭素原子のそれぞれ結合する置換基の群であり、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式4中、R61-R65、R66-R70は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式1の化合物は、少なくとも1つのホスフィンオキシド基で、Euイオンに配位しており、
一般式2の化合物は、2つのホスフィンオキシド基が共同で1つのEuイオンに配位しており、
一般式3又は4の化合物は、1個〜4個が、ジケト基で1つのEuイオンに配位しており、
前記錯体分子は、1分子中の少なくとも2つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含む、前記錯体組成物。
前記錯体分子は、1分子中の3つのホスフィンオキシド基がそれぞれ異なるEuイオンに配位している少なくとも1つの一般式1の化合物を含む錯体分子を含む、請求項1に記載の錯体組成物。
一般式2の化合物を配位子として含まない錯体分子をさらに含む、
請求項1又は2に記載の錯体組成物。
Euイオンに対する一般式1の化合物のモル比は、1:1〜1:5の範囲であり、
Euイオンに対する一般式2の化合物のモル比は、1:0.1〜1:3の範囲であり、
Euイオンに対する一般式3又は4の化合物のモル比は、1:1〜1:4の範囲である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の錯体組成物。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の錯体組成物であって、DSLで測定した一次粒子径が100〜1000nmの範囲にある粒子状錯体分子又はその集合体を含む、粒子状錯体組成物。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の錯体組成物又は請求項5に記載の粒子状錯体組成物及び有機溶媒を含む、塗布用組成物。
請求項6に記載の塗布用組成物を基板に塗布することを含む錯体膜の製造方法。
基板が電極、または正孔輸送層若しくは電子輸送層を有する電極である請求項7に記載の製造方法。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の錯体組成物を含む薄膜。
請求項9に記載の薄膜を発光層として含む、有機EL素子。
1つのEuイオンに対して、下記一般式1及び3又は4で示される分子が配位する錯体部位を含む錯体分子を含有する錯体組成物。
一般式1中、R1-R5、R6-R10、R11-R15、R16-R20、R21-R25、R26-R30は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のりン原子に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式3中、R51-R57は、ナフチル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の7個の炭素原子のそれぞれ結合する置換基の群であり、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式4中、R61-R65、R66-R70は、独立な5個の置換基からなる群であり、各置換基群が結合するフェニル基のジケト構造に結合した炭素原子以外の5個の炭素原子に5個の置換基がそれぞれ結合し、各置換基群の5個の置換基は、独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
一般式1の化合物は、少なくとも1つのホスフィンオキシド基で、Euイオンに配位しており、
一般式3又は4の化合物は、1個〜4個が、ジケト基で1つのEuイオンに配位している、前記錯体組成物。
JP2016170553A 2016-09-01 2016-09-01 Eu錯体及び有機EL素子 Active JP6749816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016170553A JP6749816B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 Eu錯体及び有機EL素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016170553A JP6749816B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 Eu錯体及び有機EL素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018035101A true JP2018035101A (ja) 2018-03-08
JP6749816B2 JP6749816B2 (ja) 2020-09-02

Family

ID=61565460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016170553A Active JP6749816B2 (ja) 2016-09-01 2016-09-01 Eu錯体及び有機EL素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6749816B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10158639A (ja) * 1996-12-05 1998-06-16 Mitsui Chem Inc ユーロピウム錯体を用いたエレクトロルミネッセンス素子
JP2001354953A (ja) * 2000-04-10 2001-12-25 Nippon Kayaku Co Ltd 赤色蛍光材料およびそれを含有する組成物
WO2011013520A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 希土類錯体及びその利用
JP2012528143A (ja) * 2009-05-27 2012-11-12 インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ダンクック ユニバーシティ カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子
JP2015053366A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 株式会社ブリヂストン 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池
JP2016074787A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 国立大学法人山口大学 三光子励起により発光する発光性組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10158639A (ja) * 1996-12-05 1998-06-16 Mitsui Chem Inc ユーロピウム錯体を用いたエレクトロルミネッセンス素子
JP2001354953A (ja) * 2000-04-10 2001-12-25 Nippon Kayaku Co Ltd 赤色蛍光材料およびそれを含有する組成物
JP2012528143A (ja) * 2009-05-27 2012-11-12 インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ダンクック ユニバーシティ カルバゾール系ホスフィンオキシド化合物及びこれを含む有機電界発光素子
WO2011013520A1 (ja) * 2009-07-29 2011-02-03 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 希土類錯体及びその利用
JP2015053366A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 株式会社ブリヂストン 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池
JP2016074787A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 国立大学法人山口大学 三光子励起により発光する発光性組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
HASEGAWA, Y. ET AL.: "Luminescent Thin Films Composed of Nanosized Europium Coordination Polymers on Glass Electrodes", CHEMPLUSCHEM, vol. 81, JPN6020014071, 30 September 2015 (2015-09-30), pages 187 - 193, ISSN: 0004253501 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6749816B2 (ja) 2020-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102303671B1 (ko) 붕소-질소 폴리방향족 화합물 및 oled에서의 이의 용도
KR102579120B1 (ko) 유기 전계발광 물질 및 소자
JP5646733B2 (ja) 予備混合した材料の堆積
EP3425693B1 (en) Method for producing an organic light-emitting diode
JP5165854B2 (ja) シリル置換シクロメタル化遷移金属錯体およびこれを用いた有機電界発光素子
Yook et al. Solution processed deep blue phosphorescent organic light-emitting diodes with over 20% external quantum efficiency
JP5481385B2 (ja) 発光素子および発光組成物
JP5186085B2 (ja) 有機金属錯体及びこれを用いた有機電界発光素子
JP4448482B2 (ja) 有機金属化合物およびこれを用いたディスプレイ装置
KR20130019346A (ko) 유기 발광 다이오드를 위한 물질
JP2008013700A (ja) 発光材料及び発光素子
KR102315298B1 (ko) 인광 발광성 소자용 물질
JP5391427B2 (ja) 白色有機電界発光素子及びその製造方法
Yook et al. Solution processed multilayer deep blue and white phosphorescent organic light-emitting diodes using an alcohol soluble bipolar host and phosphorescent dopant materials
KR20210096021A (ko) 유기 전계발광 물질 및 소자
WO2005105746A1 (ja) 有機金属錯体、発光性固体、有機el素子及び有機elディスプレイ
WO2013157451A1 (ja) 有機電界発光素子及びその製造方法
KR101807223B1 (ko) 유기 전계 발광 소자
KR20200130669A (ko) 이종리간드 오스뮴 착물 및 이의 제조 방법
Behzad et al. Synthesis, characterization, and optical properties of lead (II) coordination polymers and nanosize lead oxide core of polymer
JP6749816B2 (ja) Eu錯体及び有機EL素子
Liang et al. A novel cyclometalated Iridium (iii) complex containing dibenzo-24-crown-8: synthesis, luminescence and application in highly efficient green phosphorescent OLEDs
Shin et al. Blue Phosphorescent Iridium Complexes with Fluorine‐free Main Ligands for Efficient Organic Light‐emitting Diodes
Feng et al. Simple/efficient solution-processed emitting systems dominated by a novel bipolar small-molecule iridium (III) complex
Yun et al. Deep‐Blue Phosphorescent Emitters with Phosphoryl Groups for Organic Light‐Emitting Diodes by Solution Processes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190829

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6749816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250