JP2018034542A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温時においてもモータジェネレータ(MG)を発電機として機能させてエンジン回転数を低下可能とする。
【解決手段】エンジン58と、第1、第2MG52,54とバッテリ10とを備え、エンジン58を停止させる際に、第1MG52を発電機として機能させてエンジン58の回転数を低下させるハイブリッド車両100の制御装置20であって、バッテリ10の充放電履歴に基づいてバッテリ10の入力電力制限値を算出し、バッテリ10への入力許可電力を調整する入力許可電力調整部40と、バッテリ温度に基づいて、回生制動によりバッテリ10に入力される回生電力の回生禁止閾値を設定する回生電力制限値設定部46と、バッテリ温度が所定値以下の場合で、入力電力制限値の絶対値が回生禁止閾値の絶対値より小さい場合に回生制動を禁止する回生制動禁止部48を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンとモータジェネレータとバッテリとを備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
エンジンとモータジェネレータによって駆動されるハイブリッド車両が多く用いられている。このようなハイブリッド車両では、エンジンの始動停止が頻繁に繰り返される。エンジンの停止に際しては、モータジェネレータを発電機として機能させてエンジン回転数を低下させる方法が用いられる。この際、モータジェネレータで発電した電力は、バッテリに充電される(例えば、特許文献1参照)。
一方、ハイブリッド車両に搭載されるバッテリとして、リチウムイオン二次電池の適用が進められている。リチウムイオン二次電池は、エネルギ密度が高く、出力電圧が高いことから、大きな電池容量および高電圧を必要とする車載バッテリに適している。
しかしながら、リチウムイオン二次電池は、使用態様(例えば、ハイレートで充電、高充電状態(高SOC)からの充電、長時間充電継続、低温での充電(抵抗が高い状態での充電))において、リチウムイオン二次電池の負極表面にリチウム(Li)金属が析出するおそれがあり、結果として、リチウムイオン二次電池の劣化あるいは性能低下を招くおそれがある。そのため、充放電時の履歴に基づきバッテリへの入力許可電力を調整し、リチウムイオン二次電池の負極でのリチウム金属の析出を抑制する制御が提案されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、バッテリの電流に基づいて、リチウム金属が析出しない最大電流値を逐次算出するとともに、バッテリ電流が当該最大電流値を超えないように、バッテリへの入力許可電力を調整する。
この制御では、バッテリへの充電電力が高いレート(時間変化率)で制限されるため、これに応じて回生制動力も制限されることになる。そこで、リチウムイオン二次電池を搭載したハイブリッド車両において、リチウム金属の析出を抑制するように充電電流を制限する制御を実行した上で、油圧制動と回生制動との間のブレーキ協調制御を両立することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2014−113869号公報 国際公開第2010/005079号パンフレット 特開2012−223044号公報
ところで、リチウムイオン二次電池は、温度が低いほど負極表面にリチウム(Li)金属が析出しやすくなるので、極低温時に回生制動を長時間継続するとバッテリへの入力許可電力が大きく制限される。このため、エンジン停止の際にモータジェネレータで発電した電力をバッテリに充電できず、モータジェネレータを発電機として機能させてエンジン回転数を低下させられない場合がある。この場合、エンジンの回転数を低下させるのに時間がかかってしまい、エンジンと周辺部品との共振帯での時間が長くなることにより、音や振動が発生してしまう場合がある。
そこで、本発明は、極低温時においても、モータジェネレータを発電機として機能させてエンジン回転数を低下可能とすることを目的とする。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、モータジェネレータと、リチウムイオン二次電池からなるバッテリとを備え、前記エンジンを停止させる際に、前記モータジェネレータを発電機として機能させて発電電力を前記バッテリに入力し、前記エンジンの回転数を低下させるハイブリッド車両の制御装置であって、前記バッテリの充放電履歴に基づいて、前記バッテリへの入力電力の制限値を算出し、前記バッテリの負極電位がリチウム基準電位まで低下しないように前記バッテリへの入力許可電力を調整する入力許可電力調整部と、前記バッテリの温度に基づいて、前記モータジェネレータの回生制動により前記モータジェネレータから前記バッテリに入力される回生電力の制限値を設定する回生電力制限値設定部と、前記バッテリの温度が所定値以下の場合で、前記入力許可電力調整部によって算出された入力電力の制限値の絶対値が、前記回生電力制限値設定部により設定された回生電力の制限値の絶対値より小さい場合には、前記モータジェネレータによる回生制動を禁止する指令を出力する回生制動禁止部と、を備えることを特徴とする。
本発明は、極低温時においてバッテリへの入力可能電力が大きく制限されることを抑制することができる。これにより、極低温時においてもモータジェネレータを発電機として機能させてエンジン回転数を低下させることが可能となる。
本発明の実施形態におけるハイブリッド車両の制御装置の構成及びハイブリッド車両の構成を示す構成図である。 リチウムイオン二次電池の充電時間と正極電位および負極電位の推移を示す説明図である。 リチウムイオン二次電池の構成の一例を示す模式図である。 許容入力電流値を算出するにあたりリチウムイオン二次電池の放置による電流回復量を説明するための図である。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の制御装置におけるバッテリへの入力電力の制限値を求める式(IV)の構成を説明するための図である。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の制御装置における充放電制御のフローチャートである。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の制御装置における回生制動禁止部の回生禁止動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の制御装置における回生制動禁止部の回生制動禁止解除動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の回生電力制限値設定部に格納されている回生電力の制限値(回生禁止閾値)と回生許可閾値のマップである。 本発明の実施形態のハイブリッド車両の制御装置におけるバッテリの入力電力制限値Win(t)の変化とバッテリ電力の変化とを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。最初に図1を参照しながら、本実施形態の制御装置20が搭載されるハイブリッド車両100について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両100は、エンジン58と、第1モータジェネレータ52と、第2モータジェネレータ54と、リチウム二次電池で構成されたバッテリ10と、バッテリ10の直流電力を第1、第2モータジェネレータ駆動用の交流電力に変換すると共に、第1、第2モータジェネレータが発電した交流電力をバッテリ10への充電用の直流電力に変換するインバータ50と、を備えている。エンジン58の出力軸と第1、第2モータジェネレータ52,54の出力軸は、動力分配統合機構56に接続されている。動力分配統合機構56は、エンジン58の出力トルクを、駆動輪60を駆動するトルクと、第1、第2モータジェネレータを発電機として機能させるためのトルクと、に分配すると共に、第1、第2モータジェネレータ52,54の出力トルクとエンジン58の出力トルクとを統合して駆動輪60に伝達することができる。バッテリ10とインバータ50との間には、バッテリ10の電圧を検出する電圧センサ16が取り付けられている。また、バッテリ10の出力端子に接続された電力ラインにはバッテリ10の充放電電流(以下「バッテリ電流」ともいう)を検出する電流センサ14が取り付けられている。また、バッテリ10には、バッテリ10の温度を検出する温度センサ12が取り付けられている。電圧センサ16、電流センサ14、温度センサ12は、後述する制御装置20のバッテリECU22に接続されている。なお、本実施形態のようにモータジェネレータを2つ設けず、1つのモータジェネレータによってハイブリッド車両を構成してもよい。
上記のように構成されたハイブリッド車両100のエンジン58、第1、第2モータジェネレータ52,54は、後述する制御装置20によって回転数、トルク等が調整される。エンジン58を始動する際には、第1モータジェネレータ52を電動機として機能させてエンジン58を駆動方向に回転させる。逆にエンジン58を停止させる際には、第1モータジェネレータ52を発電機として機能させてエンジン58に回転方向と逆方向のトルクを加える。この際、第1モータジェネレータ52で発電された電力は、インバータ50を介してバッテリ10に充電される。
図1に示すように、本実施形態における制御装置20は、バッテリ10の状態を監視するバッテリ用電子制御ユニット22(以下「バッテリECU22」という)と、バッテリ10の充電状態を推定するSOC推定部24と、第1モータジェネレータ52および第2モータジェネレータ54を駆動制御するモータ用電子制御ユニット28(以下「モータECU28」という)と、エンジン58の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するとともにエンジン58に対して燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御を行うエンジン用電子制御ユニット26(以下「エンジンECU26」という)と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット30(以下「HVECU30」という)と、充放電時に充放電履歴に基づき、リチウムイオン二次電池からなるバッテリ10の負極電位がリチウム基準電位まで低下しないようにバッテリ10への入力許可電力を調整する入力許可電力調整部40と、バッテリ10の温度に応じて回生電力の制限値を設定する回生電力制限値設定部46と、第1、第2モータジェネレータ52、54による回生制動を禁止する指令を出力する回生制動禁止部48と、を備えている。
図2に示すように、バッテリ10として用いるリチウムイオン二次電池は、充電の継続により、正極平均電位が上昇する一方、負極平均電位が下降することで正負極間の電位差(Vav)が大きくなる。ここで、負極電位がLi基準電位(0V)以下となると負極表面にLi金属が析出することが知られている。そのため、従来からリチウムイオン二次電池を充電する際には、正負極間の平均電位の電位差である正負極間の端子電圧を所定電位(例えば、4.1V)以内に抑制することで負極表面のLi金属の析出を回避している。
しかしながら、電池のセル内部(正負極表面)には反応バラツキがあるため、図2における時刻t0以降のように、例え正負極平均電位の電位差(Vav)が所定電位(Vlim)以内であったとしても、負極における局所的な部位の負極電位(負極局所電位と称す)としては、Li基準電位(0V)以下に達し、該当する負極表面にはLi金属が析出する場合がある。また、このようなLi金属の析出プロセスは、ハイレート(例えば20C以上)での充電、高充電状態(高SOC)からの充電、長時間の充電継続、低温(電池セルの内部抵抗が高い状態)での充電などにおいて発生しやすい。
なお、図3に示すように、セル電位は、リチウムイオン二次電池のセルにおける正極74と負極76との電位差であり、負極電位は、負極76とLi基準電極78(電位0V)との電位差であり、また正極電位は、正極74とLi基準電極78(電位0V)との電位差である。また、Li基準電位以下にならないように、正極平均電位を引き下げることも考えられるが、かかる場合には、バッテリ10に対する要求性能を満足できない場合が生じる。
そこで、本実施の形態における制御装置20は、局所的にも負極電位が、Li基準電位0Vに達するのを抑制するため、入力許可電力調整部40を有している。
次に、上述した制御装置20の各構成について詳細に説明する。図1に示すように、バッテリECU22には、バッテリ10を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ10の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、電流センサ14からの充放電電流、温度センサ12からのバッテリ温度TBなどが入力され、記憶される。また、SOC推定部24では、バッテリECU22に入力された電流センサ14から実測される時間tにおけるバッテリ電流値IB(t)を積算して充電状態(SOC、残容量)も推定している。なお、積算には、実測された時間tのバッテリ温度値TB(t)により補正された推定電流値を用いることが好適である。また、バッテリ起電圧など他の情報を利用してより正確なSOC推定を採用することができる。
HVECU30は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU32の他に処理プログラムを記憶するROM34と、データを一時的に記憶するRAM36と、タイマー38と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。HVECU30には、図示しないイグニッションスイッチからのイグニッション信号や、図示しないアクセルセンサからの信号や、その他センサからの信号を受け、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、車速などの情報が入力される。ここで、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、車速などの情報に基づき、HVECU30においてトルク指令が決定され、HVECU30からモータECU28、エンジンECU26にトルク指令が出力され、このトルク指令に合致するように第1、第2モータジェネレータ52、54及びエンジン58の駆動が制御される。また、HVECU30は、エンジンECU26やモータECU28、バッテリECU22と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU26やモータECU28、バッテリECU22と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。また、ROM34には、後述する入力許可電力調整部40において算出される許容入力電流値Ilim(t)、Ilim’(t)及びバッテリ10の入力電力制限値Win(t)を算出するためのプログラムが格納され、一方、RAM36には、バッテリECU22から出力されたバッテリ電流値IB(t)及びバッテリ温度値TB(t)を一時的に記憶するとともに、入力許可電力調整部40にて算出された許容入力電流値Ilim(t)、Ilim’(t)及びバッテリ10の入力電力制限値Win(t)も一時的に記憶するとともに、各種演算に必要なデータを記憶する。
また、入力許可電力調整部40は、許容入力電流値算出部42と入力電力制限値算出部44とを備え、例えば100msec毎に得られるバッテリ10の入力電力制限値Win(t)を基にバッテリ10への入力許可電力を調整している。
許容入力電流値算出部42は、バッテリECU22より出力されHVECU30のRAM36に一時記憶された時間tにおけるバッテリ電流値IB(t)(以下「IB[t]」ともいう)とバッテリ温度値TB(t)(以下「TB[t]」ともいう)と、SOC推定部24において推定された時間tにおける充電容量値SOC(t)とを用い、HVECU30のROM34に格納されているプログラムに基づき、充電時における単位時間当たりの許容入力電流値減少量F又はf、又は放電時の単位時間当たりの許容入力電流値回復量F’又はf’(後述する式(I’)のFと(II’)のfに相当)を求めるとともに、放置による単位時間当たりの許容入力電流値回復量G又はgを求め、これに基づいてバッテリへの許容入力電流値Ilim(t)を算出する。ここで、許容入力電流値Ilim(t)は、前回算出した前回算出許容入力電流値Ilim(t−1)に基づいて算出するが、初回のみ設定許容入力電流値Ilim(0)を用いる。この初回のみ用いる設定許容入力電流値Ilim(0)は、充放電履歴の影響がない状態から充電した場合に、単位時間以内にLi金属が析出しない最大電流値として求められる。
本実施の形態において、充電中の場合、許容入力電流値算出部42は、以下に示す式を用いて許容入力電流値Ilim(t)(以下、「Ilim[T]」、「Ilim[t]」ともいう)を算出する。まず、充放電履歴がない場合は、すなわち初回のみ以下の式(I)により求められる。すなわち、充放電履歴がない状態における許容入力電流値Ilim(0)から、充放電継続による許容入力電流値減少量Fまたは許容入力電流値回復量F’、放置による許容入力電流値回復量Gを減算する。
Figure 2018034542
式(I)中において、以下の通りである。
Figure 2018034542
:充放電履歴の影響がない状態から充電した場合に、単位時間以内にLi金属が析出しない最大電流
Figure 2018034542
:履歴なしの状態から時間Tまで継続された充電による許容電流値減少項
(放電の場合は正となるため、回復項)
Figure 2018034542
:時間による回復項
また、充電中であって、充放電履歴がある場合は、以下の式(II)により求められる。
Figure 2018034542
式中、Ilim[T]及びIlim[t]:時間T,tにおける許容入力電流値
IB[t]:時間tにおけるバッテリ電流値
TB[t]:時間tにおけるバッテリ温度値
SOC[t]:時間tにおけるバッテリSOC値
f()関数:単位時間当たりの充電による許容電流減少項
g()関数:放置による単位時間当たりの許容電流回復項
lim[t]=0の場合、バッテリ10の負極活物質中のLiイオンが飽和状態になることを示すことから、Ilim[0]−Ilim[t]は、バッテリ10の負極活物質中のLiイオン量を示す。一方、図4に示すように、時間による許容入力電流値の回復量は、負極活物質中のLiイオンが減少することによって得られ、その大きさはLiイオンの量に比例する。したがって、単位時間(dt)前の時間(t−1)におけるIlim[t−1]の関係は、Ilim[0]とIlim[t−1]との差に比例し、さらに差を無次元化するためにIlim[0]で除すことにより得ることができる。
一方、放電中の場合には、それぞれ上記式(I)及び(II)の式中のF()の関数及びf()の関数における符号がマイナスからプラスに変わり、以下のようになる。
Figure 2018034542
Figure 2018034542
式中、F()関数及びf()関数:単位時間当たりの放電による許容電流回復項を示す以外は、上述同様であるためここでは説明を省略する。
さらに、本実施の形態において、許容入力電流値算出部42では、使用により性能低下することを考慮し、さらにLi金属析出を経時劣化を考慮して、上述の式より得られたIlim[T]及びIlim[t]に劣化係数ηを乗じ、二次電池の経時劣化を考慮したIlim’[T]及びIlim’[t]を求めている。

lim’[T]=Ilim[T]×η 、又は、
lim’[t]=Ilim[t]×η ・・・ (III)
式中、η:劣化係数。
上記劣化係数ηは、一定の値であっても、またHVECU30のRAM36に予め格納された二次電池の充放電頻度と劣化係数との関係からなるマップに基づき変化する変数でもよい。
また、本実施の形態の入力電力制限値算出部44は、フィードバック制御の制御遅れなどによりバッテリ電流値IBが、Ilim’(t)を超えて流れることを防止することを目的とし、バッテリ10の入力電力制限値Win(t)を算出する。すなわち、バッテリECU22より出力されHVECU30のRAM36に一時記憶された時間tにおけるバッテリ電流値IB(t)と許容入力電流値算出部42において算出された許容入力電流値Ilim’(t)に基づき、例えばIlim(t)に対して所定量オフセットさせるようにして入力電流制限目標値Itagを一旦算出する(図5参照)。そして、得られたItagに基づいて下式(IV)によりバッテリ10の入力電力制限値Win(t)を算出する。
入力電力制限値算出部44は、図5に示すように、式(IV)で求められる入力電力制限値Win(t)により充電を制御することで、バッテリ電流値IBをIlim’(t)以下にして、負極76においてLi金属が析出することを抑制することが可能となる。
in(t)=SWin(t)
−Kp×{IB(t)−Itag1(t)}
−Ki×∫{IB(t)−Itag2(t)}dt ・・・(IV)

式中、Win(t):時間tにおけるバッテリ入力電力制限値(W)
SWin(t):予め設定されたバッテリ入力電力制限規定値(例えば、バッテリ温度から定められたバッテリ10のベース入力電力制限規定値)
p:p項フィードバックゲイン
i:i項フィードバックゲイン
tag1(t):p項フィードバック制御による電流制限目標値
tag2(t):i項フィードバック制御による電流制限目標値
IB(t):時間tにおけるバッテリ電流値

なお、SWin(t)は、例えば、予め設定された、バッテリ10の温度などと入力電力制限規定値との関係のマップにより求められる。
また、上記Itag1(t)及びItag2(t)は以下の式(V)により得られる。

tag1(t)=Fp(Ilim’(t))、及び、
tag2(t)=Fi(Ilim’(t)) ・・・ (V)
式(V)において、Itag1(t)及びItag2(t)は、上述のようにIlim’(t)に対し、それぞれ所定量だけオフセットさせた量として求められる。従って、Itag1,Itag2と、Ilim’(t)の関係をHVECU30のRAM36にマップとして予め格納しておき、これを参照してItag1,Itag2を求めるとよい。なお、二次電池の劣化や二次電池の制御を考慮して、マップを作成しておくことにより、さらに局所的な負極電位低下によるLi金属析出を抑制することができる。
また、本実施の形態における制御装置20は、バッテリ10の使用による性能低下を抑制するために、リチウムイオン二次電池の上限電圧が予め設定された上限電圧を超えないように制御する上限電圧制御部をさらに有してもよい。上限電圧制御部としては、例えば、HVECU30において、予め設定された上限電圧値と、図示しない電圧センサから出力される実際のバッテリ電圧値とを比較して、充電量を制御する。このように、充電電圧に上限値を設定することで、セルに不当に大きな電圧が印加されることを防止することが可能となる。
次に、本実施の形態における制御装置20を有するハイブリッド車両100におけるバッテリ10の充放電制御の動作について、図1と図6を用い、以下に説明する。まず、温度センサ12にて時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)が測定され、電流センサ14にて時間tにおけるバッテリ電流値IB(t)が測定される(図6のステップS110)。バッテリECU22は、温度センサ12から出力された時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)と、電流センサ14から出力された時間tにおけるバッテリ電流値IB(t)を記憶するとともに、SOC推定部24に時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)及びバッテリ電流値IB(t)を出力し、さらに、時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)及びバッテリ電流値IB(t)をHVECU30に出力する。HVECU30のRAM36は、入力された時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)及びバッテリ電流値IB(t)を一時的に記憶する。SOC推定部24では、入力された時間tにおけるバッテリ温度値TB(t)及びバッテリ電流値IB(t)を基に、時間tにおける充電容量値SOC(t)を推定する(図6のステップS112)。
次いで、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、車速などからHVECU30が回生中であると判定した場合(図6のステップS114)、回生エネルギのバッテリ10への充電が開始される。許容入力電流値算出部42は、上述した式(I)又は式(II)を用いて許容入力電流値Ilim(t)を算出し(図6のステップS118)、さらに、式(III)を用いて、二次電池の経時劣化を考慮した許容入力電流値Ilim’(t)を算出する(図6のステップS120)。
さらに、許容入力電流値算出部42により出力された許容入力電流値Ilim’(t)と時間tにおける実際のバッテリ電流値IB(t)とを基に、入力電力制限値算出部44において、式(IV)及び式(V)を用い、入力電力制限値Win(t)を算出する(図6のステップS122)。すなわち、充電継続による許容入力電流値Ilim(t)の減少分(F項による減少分)を更新する。そして、バッテリ10への入力電力を算出された入力電力制限値Win(t)に制限する(図6のステップS124)。すなわち、HVECU30は、モータトルク指令を決定し、モータECU28を介してインバータ50を制御するが、この際にバッテリ10への入力電力がWin(t)以下になるように、モータトルク指令(充電するための負のトルク指令)を調整する。
また、回生中ではないが、バッテリ10のSOCに基づき充電要求が発生した場合にも、上述した図6のステップS118からステップS124の動作を行う。なお、この場合には、通常第2モータジェネレータ54からの発電電力がバッテリ10に供給される。
また、回生中ではなく、走行に際してバッテリ10が充電中でない場合には、許容入力電流値算出部42において、上述した式(I’)又は式(II’)を用いて許容入力電流値Ilim(t)が算出され(図6のステップS126)、さらに、式(III)を用いて、二次電池の経時劣化を考慮した許容入力電流値Ilim’(t)が算出される(図6のステップS128)。すなわち、放電継続による許容入力電流値Ilim(t)の回復分(F項による回復分)または放置による増加分(G項による回復分)を更新する。
また、許容入力電流値算出部42により出力された放電時または放置時の更新をした許容入力電流値Ilim’(t)と時間tにおける実際のバッテリ電流値IB(t)とを基に、入力電力制限値算出部44において、式(IV)及び式(V)を用い、入力電力制限値Win(t)を算出する(図6のステップS122)。さらに、算出された入力電力制限値Win(t)を基に、バッテリ10への入力許可電力を制限する(図6のステップS124)。ここで、放電時または放置時は、バッテリ10への充電が行われないので、入力電力制限値Win(t)が更新されるだけで、第1、第2モータジェネレータ52,54の駆動(出力トルク)制御は、入力電力制限値Win(t)と無関係に行われる。
上述のように制御されることにより、バッテリ10への入力電力は、入力電力制限規定値のベース電力値であるSWin(t)に対し、バッテリ電流値IBに応じたフィードバック制御を行ったものになる。そして、このフィードバック制御においては、金属リチウムを析出させないための許容入力電流値Ilim(t)またはこれに電池劣化を考慮したIlim’(t)に対し所定のオフセット(制御マージン)を付与したItag1(t)またはItag2(t)に応じたものであり、フィードバック制御による制御遅れなどにより、バッテリ電流値IBがItag1(t)またはItag2(t)を超えてしまうことを効果的に防止することができる。さらに、Itag1(t)(またはItag2(t))は、充放電の履歴を考慮している。すなわち、式(I)、(II)、(I’)(II’)、(III)に示すように、充放電継続時間に基づく許容入力電流の減少、回復や、放置に許容入力電流の回復を考慮している。従って、その時のバッテリ10の状態に応じた金属リチウム析出防止を図ることができる。
ここで、図10を参照しながら、以上のような動作によるバッテリ10の出力電力(放電電力)、入力電力(充電電力)の変化、すなわち、バッテリ電力(充放電電力)の時間変化とバッテリ10の入力電力制限値Win(t)の時間変化の一例について説明する。図10において実線cはバッテリ電力(充放電電力)の時間変化を示し、一点鎖線dはバッテリ10の入力電力制限値Win(t)の時間変化を示す。なお、ここでは、時刻0〜時刻t2の直前までの変化について説明する。時刻t2以降の変化については後述する。
図10の時刻0近傍では、バッテリ10は、充放電を繰り返しており、許容入力電流値Ilim(t)は、減少と回復を交互に繰り返す。このため、バッテリ10の入力電力制限値Win(t)は、バッテリ10の温度等から予め定められたバッテリ入力電力制限規定値SWin(t)となっている。そして、図10に示すように、回生制動等により、バッテリ10に電力が継続的に入力されると、図5を参照して説明したように、許容入力電流値Ilim(t)、Itag(t)の絶対値が小さくなり、図5、図10に示す時刻t1以降、図10の一点鎖線dに示すように、入力電力制限値Win(t)の絶対値はバッテリ入力電力制限規定値SWin(t)の絶対値よりも小さく制限される。
図10に示す時刻t1以降も回生制動等によるバッテリ10への電力の入力が継続すると、許容入力電流値Ilim(t)の絶対値は継続的に減少していくので、図10の一点鎖線dに示すように、入力電力制限値Win(t)の絶対値は時間とともに減少していく。図10の実線cに示すように、バッテリ電力(充放電電力)は制御装置20によって入力電力制限値Win(t)を超えないように制御されるので、バッテリ10に入力可能な回生電力の絶対値は次第に減少してくる。
次に、本実施形態の制御装置20の回生電力制限値設定部46について説明する。回生電力制限値設定部46は、図9に実線aで示すようなバッテリ温度TBに応じた回生電力の制限値である回生禁止閾値(kW)と、図9に一点鎖線bで示すようなバッテリ温度TBに応じて回生制動の禁止解除を行う回生許可閾値(kW)のマップを格納している。回生禁止閾値(kW)、回生許可閾値(kW)ともマイナスの数値である。図9に示す温度T0は、例えば、−10〜−15℃程度である。図1に示すように、回生電力制限値設定部46はバッテリECU22、回生制動禁止部48と接続されており、バッテリECU22から入力されるバッテリ温度TBに応じて回生禁止閾値(kW)と回生許可閾値(kW)を回生制動禁止部48に出力する。
回生禁止閾値は、バッテリ10が−10〜−15℃以下の極低温状態にある場合に、エンジン停止の際に第1モータジェネレータ52から入力される最大電力値に所定の余裕を加えた数値であり、例えば、−数kWの値であってよい。また、図9の実線a、一点鎖線bに示すように、回生禁止閾値(kW)、回生許可閾値(kW)の各設定値は、バッテリ10の温度が低くなるほど、その絶対値が大きくなる。これは、リチウム二次電池は温度が低くなるほど、リチウム金属の析出が起こりやすいので、バッテリ10の温度が低くなるほど、入力電力制限値Win(t)の絶対値が大きい間に回生制動を禁止して、バッテリ10の入力可能電力の余裕を大きくするためである。
回生許可閾値は、その絶対値が回生禁止閾値の絶対値よりも少し大きく、回生禁止による放置状態、あるいは、放電等により、バッテリ10の入力電力制限値Win(t)の絶対値が大きくなってきた場合に、回生制動禁止指令を解除するための閾値である。
回生制動禁止部48は、バッテリECU22、回生電力制限値設定部46、入力許可電力調整部40の中の入力電力制限値算出部44と接続されており、バッテリECU22から入力されるバッテリ温度TBに応じて、回生電力制限値設定部46から入力される回生禁止閾値、回生許可閾値と入力電力制限値算出部44から入力される入力電力制限値Win(t)とを比較し、回生制動を禁止する指令及び、回生制動禁止を解除する指令をHVECU30に出力する。
以下、図7、図8を参照しながら、回生制動禁止部48の動作について説明する。
回生制動禁止部48は、バッテリECU22を介してバッテリ温度TBを測定する(図7のステップS210)。そして、バッテリ温度TBが所定の閾値以下、例えば、−10〜−15℃程度の極低温状態にあるかどうか判断する(図7のステップS212)。そして、図7のステップS212でYesと判断した場合には、図7のステップS214に進み、回生電力制限値設定部46から、回生電力の制限値である回生禁止閾値を取得する。そして、図7のステップS216に進み、入力電力制限値算出部44からバッテリ10の入力電力制限値Win(t)を取得する。そして、図7のステップS218に進み、入力電力制限値Win(t)の絶対値と回生禁止閾値の絶対値とを比較し、入力電力制限値Win(t)の絶対値が回生禁止閾値の絶対値よりも小さい場合には、図7のステップS220に進み、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動を禁止する指令をHVECU30に出力する。これにより、HVECU300は、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動を禁止し、油圧ブレーキによる制動に切換える。
一方、バッテリ温度TBが所定の閾値以下でない場合には、バッテリ10は極低温状態ではなく図7のステップS212でNoと判断した場合には、通常の回生制動が可能と判断して回生制動を禁止せずルーチンを終了する。また、入力電力制限値Win(t)の絶対値が回生禁止閾値の絶対値よりも小さくなっていない場合には、バッテリ10は、エンジン停止の際に第1モータジェネレータ52から入力される電力を受け入れ可能と判断して回生制動の禁止を行わずルーチンを終了する(図7のステップS218)。
また、図8に示すように、回生制動禁止部48は図7を参照して説明したルーチンによって出力した回生制動禁止を解除する指令を出力する。図8に示すように、回生制動禁止部48は、バッテリ温度TBを取得し、バッテリ温度TBが所定の閾値以下の場合(図8のステップS310,S312)には、回生電力制限値設定部46から回生許可閾値(kW)を取得し、入力電力制限値算出部44から入力電力制限値Win(t)を取得する(図8のステップS314,S316)。そして、図8のステップS318に進み、入力電力制限値Win(t)の絶対値と回生許可閾値の絶対値とを比較し、入力電力制限値Win(t)の絶対値が回生許可閾値の絶対値よりも大きい場合には、図8のステップS320に進み、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動を禁止する指令を解除する指令をHVECU30に出力する。
また、回生制動禁止部48は、バッテリ温度TBが所定の閾値を超える場合には、図8のステップS312でNoと判断して図8のステップS320に進み、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動を禁止する指令を解除する指令をHVECU30に出力する。
次に図10を参照しながら、回生制動禁止部48と、入力許可電力調整部40の動作による、入力電力制限値Win(t)の変化と、バッテリ電力の変化について説明する。以下、バッテリ10の温度は、所定の閾値(例えば、−10〜−15℃)以下の極低温状態であるとして説明する。
先に説明したように、図10に示す時刻t1まで回生制動等によるバッテリ10への電力の入力が継続すると、許容入力電流値Ilim(t)の絶対値は継続的に減少していくので、図10の一点鎖線dに示すように、入力電力制限値Win(t)の絶対値は時間とともに減少していく。バッテリ10の温度が所定の以下の極低温状態なので、回生制動禁止部48は、回生電力制限値設定部46から回生禁止閾値(kW)を、入力電力制限値算出部44から入力電力制限値Win(t)を取得し、入力電力制限値Win(t)の絶対値と回生禁止閾値の絶対値とを比較している。図10に示す時刻t2以前は、入力電力制限値Win(t)の絶対値は回生禁止閾値の絶対値よりも大きいので、回生制動禁止部48はHVECU30に対して回生制動を禁止する指令を出力しない。このため、HVECU30は、第1、第2モータジェネレータ52、54による回生制動を継続している。
さらに、回生制動を継続すると、入力電力制限値Win(t)の絶対値は時間とともに更に減少し、時刻t2において、入力電力制限値Win(t)の絶対値が回生禁止閾値の絶対値よりも小さくなる。このため、回生制動禁止部48は、図7のステップS218でYesと判断して、図7のステップS220に示すように、HVECU30に対して回生制動を禁止する指令を出力する。
HVECU30は、この指令が入力されたら、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動を行わず、油圧ブレーキのみで制動を行うように制御する。このため、図10の実線cに示すように、時刻t2以降、バッテリ10への入力電力がゼロとなる。バッテリ10への入力電力がゼロとなると、バッテリ10は放置状態となり、時間による許容電力の回復項(式(II)におけるg()関数)の絶対値が大きくなるので、図10の一点鎖線dに示すように、時刻t2以降、入力電力制限値Win(t)の絶対値も大きくなっていく。
また、バッテリ10の温度が所定の閾値以下の極低温なので、回生制動禁止部48は、図8のステップS318に示すように、入力電力制限値Win(t)の絶対値と回生許可閾値の絶対値とを比較している。そして、図10の時刻t3に入力電力制限値Win(t)の絶対値が回生許可閾値の絶対値よりも大きくなると、回生制動禁止部48は、図8のステップS320に示すように、回生制動禁止を解除する指令をHVECU30に出力する。この指令が入力されるとHVECU30は、第1、第2モータジェネレータ52,54による回生制動の要求があった場合には、入力電力制限値Win(t)を超えない範囲で回生制動を行う。回生制動を再開し、バッテリ10に電力が入力されると、再び、入力電力制限値Win(t)の絶対値が小さくなって来る。
このように、回生制動禁止部48が回生制動の禁止指令を出力することにより、バッテリ10の入力電力制限値Win(t)の絶対値は回生禁止閾値を大きく下回ることがない。回生禁止閾値は、バッテリ10が−10〜−15℃以下の極低温状態にある場合に、エンジン停止の際に第1モータジェネレータ52から入力される最大電力値に所定の余裕を加えた数値であるから、図10の時刻t5に開始されるエンジン58の停止動作の際に、図10に示す時刻t5から時刻t6までの間、第1モータジェネレータ52を発電機として機能させ、この間の発電電力をバッテリ10に入力し、エンジン58の回転速度を低下させることが可能となる。なお、エンジン停止動作では、時刻t6から時刻t7までの間、第1モータジェネレータ52を電動機として機能させてエンジン58に回転方向と同方向のトルクを加えてエンジン58が逆回転しないようにする。そして、図10の時刻t7にエンジン58は停止する。
このように、本実施形態の制御装置20は、極低温時において、エンジン停止の際に第1モータジェネレータ52から入力される最大電力値以上にバッテリ10への入力可能電力が制限されることを抑制し、極低温時においても第1モータジェネレータ52を発電機として機能させてエンジン58の回転数を低下させることが可能となる。これにより、エンジン58の回転数を低下させる時間を短縮し、エンジン58と周辺部品との共振帯での時間を短くすることが可能となり音や振動の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、図9のマップに示すように、回生禁止閾値、回生許可閾値は、バッテリ温度TBが低いほど、その絶対値が大きくなるように設定される。これにより、バッテリ温度TBが低いほど入力電力制限値Win(t)の絶対値が大きくなるように制御され、バッテリ10への入力電力の余力が大きくなる。これにより、バッテリ10のリチウム金属の析出をより有効に抑制しつつ、エンジン停止の際に第1モータジェネレータ52を発電機として機能させてエンジン58の回転数を低下させることが可能となる。
10 バッテリ、12 温度センサ、14 電流センサ、16 電圧センサ、20 制御装置、22 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、24 SOC推定部、26 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、
28 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、30 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、40 入力許可電力調整部、42 許容入力電流値算出部、44 入力電力制限値算出部、46 回生電力制限値設定部、48 回生制動禁止部、50 インバータ、52 第1モータジェネレータ、54 第2モータジェネレータ、56 動力分配統合機構、58 エンジン、60 駆動輪、74 正極、76 負極、78 基準電極、100 ハイブリッド車両。

Claims (1)

  1. エンジンと、モータジェネレータと、リチウムイオン二次電池からなるバッテリとを備え、前記エンジンを停止させる際に、前記モータジェネレータを発電機として機能させて発電電力を前記バッテリに入力し、前記エンジンの回転数を低下させるハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記バッテリの充放電履歴に基づいて、前記バッテリへの入力電力の制限値を算出し、前記バッテリの負極電位がリチウム基準電位まで低下しないように前記バッテリへの入力許可電力を調整する入力許可電力調整部と、
    前記バッテリの温度に基づいて、前記モータジェネレータの回生制動により前記モータジェネレータから前記バッテリに入力される回生電力の制限値を設定する回生電力制限値設定部と、
    前記バッテリの温度が所定値以下の場合で、前記入力許可電力調整部によって算出された入力電力の制限値の絶対値が、前記回生電力制限値設定部により設定された回生電力の制限値の絶対値より小さい場合には、前記モータジェネレータによる回生制動を禁止する指令を出力する回生制動禁止部と、を備えるハイブリッド車両の制御装置。


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