JP2018034426A - タイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法 - Google Patents

タイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法 Download PDF

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【課題】 コストの増大や作業性の低下を伴うことなく、タイヤからの離型を安定的に実施可能とするタイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法を提供する。
【解決手段】 タイヤ加硫工程において使用されるタイヤ加硫用ブラダー10において、円筒状をなす膜部11Aと該膜部11Aの両端に形成されたクランプ部11Bとを有するブラダー本体11と、該ブラダー本体11から独立していてクランプ部11Bから外れた位置で膜部11Aの外周面上に積層される円筒状のカバー部材12とを備え、該カバー部材12がタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料で構成される。このようなタイヤ加硫用ブラダー10を用いてグリーンタイヤGの加硫を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タイヤ加硫工程において使用されるタイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法に関し、更に詳しくは、コストの増大や作業性の低下を伴うことなく、タイヤからの離型を安定的に実施可能とするタイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法に関する。
空気入りタイヤを加硫する工程において、ブラダーをグリーンタイヤの内側に配置し、そのブラダーの中に加熱加圧媒体を充填することにより、グリーンタイヤを金型の成形面に対して押圧すると共に、ブラダー内部に充填された加熱加圧媒体によりグリーンタイヤを加熱することが行われている。
このようなタイヤ加硫用ブラダーは、一般的に、空気透過性が低いブチルゴムにより形成されるため、タイヤの最内面層を形成するインナーライナー層と加硫接着し易いという特性を有している。そのため、加硫後にブラダーを収縮させてタイヤから取り出す際の離型性が悪い。そして、加硫後においてタイヤインナーライナー層とブラダーとが強固に密着した状態になっていると、タイヤ取り出し時にタイヤインナーライナー層を破損させたり、タイヤ取り出し時の作業性が悪化して生産性を阻害したりする。
このような不都合を解消するために、従来からグリーンタイヤの内表面やブラダーの外表面に離型剤を塗布することが行われているが、離型剤を塗布しただけでは離型効果が長続きしないため、加硫のたびに離型剤を塗布する必要があり、作業性や作業環境への影響が問題視されている。
また、シリコーン等の離型剤をブラダー外表面に塗布し、乾燥・硬化させることにより、離型層を形成することも行われているが、このような離型層の耐久性も不十分であり、問題の根本的な解決には至っていない。
一方、タイヤ加硫用ブラダーそのものをインナーライナー層と加硫接着しないシリコーンゴム等で形成することが考えられる。しかしながら、ブラダー内に充填される加熱加圧媒体としては一般的にスチームが用いられるため、シリコーンゴム等からなるタイヤ加硫用ブラダーでは、加水分解による劣化が急速に進行するため実用的ではない。
更に、タイヤ加硫用ブラダーを多層構造とし、従来のブラダーの外表面にシリコーンゴム等からなる離型層を一体的に設けることで、上記問題を解決することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、多層のゴム層を一体成型する場合、タイヤ加硫用ブラダーの製造工程が煩雑になり、その製造コストが大幅に増大することになる。
また、多層構造を有するタイヤ加硫用ブラダーを、内側に位置する内側ブラダーと、該内側ブラダーから独立していて離型性に優れた材料からなる外側ブラダーとから構成し、これら内側ブラダー及び外側ブラダーを積層した状態で両ブラダーに形成されたクランプ部を一体的に把持するようにした構造が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この場合、多層構造を有するタイヤ加硫用ブラダーを加硫機に装着する際、2つのブラダーを重ね合せた状態で、両者のクランプ部を一体的に把持する必要があるため、ブラダー交換作業が煩雑になるという問題がある。しかも、ブラダーの組み付け時に層間に入ってしまった空気が抜け難く、その残留した空気が加硫度に影響を及ぼしてタイヤ品質を低下させるという問題がある。
特開2011−161766号公報 特開2012−101389号公報 特開2014−121847号公報 特開2005−66848号公報
本発明の目的は、コストの増大や作業性の低下を伴うことなく、タイヤからの離型を安定的に実施可能とするタイヤ加硫用ブラダー及びそれを用いたタイヤ製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、タイヤ加硫工程において使用されるタイヤ加硫用ブラダーにおいて、円筒状をなす膜部と該膜部の両端に形成されたクランプ部とを有するブラダー本体と、該ブラダー本体から独立していて前記クランプ部から外れた位置で前記膜部の外周面上に積層される円筒状のカバー部材とを備え、該カバー部材がタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料で構成されることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明のタイヤ製造方法は、上記タイヤ加硫用ブラダーを用いたタイヤ製造方法であって、金型内にグリーンタイヤを挿入し、該グリーンタイヤの内側に前記ブラダー本体と前記カバー部材とからなる前記タイヤ加硫用ブラダーを挿入し、該タイヤ加硫用ブラダーの内部に加熱加圧媒体を充填した状態で前記グリーンタイヤの加硫を行うことを特徴とするものである。
本発明では、タイヤ加硫用ブラダーがブラダー本体とカバー部材とを備え、該カバー部材がタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料で構成されることにより、カバー部材の離型性に基づいてタイヤ加硫用ブラダーのタイヤからの離型を安定的に行うことが可能となる。
また、ブラダー本体としては従来のブラダーを使用することが可能であり、ブラダー本体に対してカバー部材を付加すれば良いので、タイヤ加硫用ブラダーの製造コストの増大を最小限に抑制することができる。
また、カバー部材はブラダー本体のクランプ部から外れた位置で膜部の外周面上に積層される円筒状をなし、それ自体がクランプ部を持たない構造を有しているので、ブラダー交換作業が容易である。しかも、カバー部材とブラダー本体との間に空気が残留したとしても、その空気は加硫時に内圧が充填された際にカバー部材とブラダー本体との層間から容易に排出されるので、層間に残留した空気に起因するタイヤ品質の低下を防止することができる。
更に、本発明によれば、ブラダー本体に対してカバー部材が独立しているので、これらブラダー本体とカバー部材の各々を必要周期で交換可能であり、各部材を有効に活用することが可能である。
本発明において、ブラダー本体とカバー部材とを非接着状態で互いに拘束する拘束部材を備えることが好ましい。これにより、ブラダー本体とカバー部材との間の一体性を確保し、タイヤ加硫工程を円滑に行うことができる。このような拘束部材としては、一対の面ファスナー又は一対の機械的留め具を用いると良い。
カバー部材の任意位置での初期内径はブラダー本体の対応位置での初期外径よりも小さく、かつカバー部材の永久歪みがブラダー本体の永久歪みよりも小さいことが好ましい。カバー部材の任意位置での初期内径をブラダー本体の対応位置での初期外径よりも小さくすることにより、ブラダー本体とカバー部材との間の一体性を確保し、タイヤ加硫工程を円滑に行うことができる。また、カバー部材の永久歪みをブラダー本体の永久歪みよりも小さくすることにより、ブラダー本体とカバー部材とが収縮を繰り返しても両者間の一体性を確保することができる。上記永久歪みは例えばJIS−K6262に規定された圧縮永久歪みを意味する。
カバー部材の厚さはブラダー軸方向に沿って均一であることが好ましい。また、カバー部材の厚さは1.5mm以下であることが好ましい。カバー部材は離型性を担持するものであるので、均一厚さを有する簡単な構成とすれば良い。
上述したタイヤ加硫用ブラダーを用いてタイヤを製造する場合、金型内にグリーンタイヤを挿入し、該グリーンタイヤの内側にブラダー本体とカバー部材とからなるタイヤ加硫用ブラダーを挿入し、該タイヤ加硫用ブラダーの内部に加熱加圧媒体を充填した状態でグリーンタイヤの加硫を行う。これにより、離型剤を使用しなくても、タイヤ加硫用ブラダーのタイヤからの離型を安定的に行うことが可能となる。
本発明が適用されるタイヤ加硫用ブラダーの一例を示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示す側面図である。 本発明の他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示す子午線断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示す子午線断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを展開した状態を示す斜視図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明が適用されるタイヤ加硫用ブラダーの一例を示すものである。図1において、ブラダー10はグリーンタイヤGの加硫工程において使用されるものである。このブラダー10は円筒状をなし、金型20内に投入されたグリーンタイヤGの内側に同軸的に挿入される。そして、ブラダー10をグリーンタイヤGの内側で膨らませることにより、グリーンタイヤGを金型20の成形面に対して押圧するように機能する。図1において、金型20は下型21、上型22及びセクター23から構成されている。また、ブラダー10の下端部は下型21と下側クランプリング24との間に把持され、ブラダー10の上端部は上側クランプリング25と補助リング26との間に把持されている。
図2及び図3は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示すものである。図2及び図3に示すように、ブラダー10は、円筒状をなす膜部11Aと該膜部11Aの両端に形成されたクランプ部11Bとを有するブラダー本体11と、該ブラダー本体11から独立していてクランプ部11Bから外れた位置で膜部11Aの外周面上に積層される円筒状のカバー部材12とを備えている。クランプ部11Bは膜部11Aよりも厚く成形されている。ブラダー本体11がブチルゴムを主体とするゴム組成物から構成されているのに対して、カバー部材12はタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料から構成されている。タイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料として、好ましくはシリコーンゴムが使用される。他の材料として、フッ素ゴム等を挙げることができる。
上述したタイヤ加硫用ブラダー10を用いてタイヤを製造する場合、金型20内にグリーンタイヤGを挿入し、該グリーンタイヤGの内側にブラダー本体11とカバー部材12とからなるタイヤ加硫用ブラダー10を挿入し、該タイヤ加硫用ブラダー10の内部に加熱加圧媒体を充填した状態でグリーンタイヤGの加硫を行う。その後、金型20を開き、加硫済みのタイヤの内部からタイヤ加硫用ブラダー10を抜き取り、そのタイヤを金型20内から取り出すことにより、タイヤ加硫工程を完了する。
上述のようにタイヤ加硫用ブラダー10がブラダー本体11とカバー部材12とを備え、カバー部材12がタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料で構成されているので、カバー部材12の離型性に基づいてタイヤ加硫用ブラダー10のタイヤからの離型を安定的に行うことが可能となる。
また、ブラダー本体11としては従来のブラダーを使用することが可能であり、単にブラダー本体11に対してカバー部材12を付加すれば良いので、タイヤ加硫用ブラダー10の製造コストの増大を最小限に抑制することができる。つまり、多層のゴム層を一体成型する場合とは異なって、タイヤ加硫用ブラダー10を構成するブラダー本体11とカバー部材12の製造工程は簡素である。
また、カバー部材12はブラダー本体11のクランプ部11Bから外れた位置で膜部11Aの外周面上に局所的に積層される円筒状をなし、それ自体がクランプ部を持たない構造を有しているので、ブラダー交換作業が容易である。つまり、2枚のブラダーを積層した状態で両ブラダーに形成されたクランプ部を一体的に把持するようにした構造とは異なって、ブラダー本体11のクランプ部11Bだけを加硫機に装着すれば良いため、その交換作業が容易である。しかも、カバー部材12とブラダー本体11との間に空気が入り込んだとしても、その空気は加硫時に内圧が充填された際にカバー部材12とブラダー本体11との層間から容易に排出されるので、層間に残留した空気に起因するタイヤ品質の低下を防止することができる。
更に、ブラダー本体11に対してカバー部材12が独立しているので、これらブラダー本体11とカバー部材12の各々を必要周期で交換可能であり、各部材11,12を有効に活用することが可能である。つまり、従来のようにブチルゴム層と離型層とが一体的に成形された多層構造を有するブラダーの場合、ブチルゴム層と離型層のいずれか一方が寿命を迎えた場合、その全体を交換する必要があるが、ブラダー本体11とカバー部材12とを独立させた場合、ブラダー本体11とカバー部材12の各々を寿命限度まで使用することができる。
上述した実施形態において、例えば、カバー部材12の任意の位置での初期内径はブラダー本体11のそれに対応する位置での初期外径よりも小さくなるように設定されることが望ましい。例えば、ブラダー10の軸方向中心位置において、カバー部材12の初期内径はブラダー本体11の初期外径よりも小さくなっているのが良い。カバー部材12の任意位置での初期内径をブラダー本体11の対応位置での初期外径よりも小さくすることにより、ブラダー本体11とカバー部材12との間の一体性を確保し、タイヤ加硫工程を円滑に行うことができる。つまり、ブラダー本体11とカバー部材12とを互いに固定しなくても、両者間に位置ずれを生じ難いのである。
また、カバー部材12の永久歪みがブラダー本体11の永久歪みよりも小さくなるようにブラダー本体11及びカバー部材12の材料が選択されることが望ましい。カバー部材12の永久歪みをブラダー本体11の永久歪みよりも小さくすることにより、ブラダー本体11とカバー部材12とが収縮を繰り返しても両者間の一体性を確保することができる。
図4は本発明の他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示すものである。図4において、タイヤ加硫用ブラダー10は、ブラダー本体11及びカバー部材12に加えて、ブラダー本体11とカバー部材12とを非接着状態で互いに拘束する拘束部材13を備えている。拘束部材13は、互いに係合可能な一対の面ファスナー13A,13Bで構成されている。これにより、ブラダー本体11とカバー部材12との間の位置ずれを防止し、両者の一体性を確保することができる。また、面ファスナー13A,13Bによる非接着状態での拘束であるため、ブラダー本体11とカバー部材12とを必要に応じて分離することができる。
拘束部材13を構成する一対の面ファスナー13A,13Bはタイヤ加硫用ブラダー10の任意の箇所に設置することができる。例えば、図4においては、一対の面ファスナー13A,13Bがブラダー本体11の軸方向中央部及び両端部にそれぞれ配置されている。面ファスナー13A,13Bはそれ自体が伸縮性を有することが望ましい。また、面ファスナー13A,13Bはブラダー本体11の周方向に沿って点在するように配置されることが望ましい。特に、ブラダー本体11及びカバー部材12の伸縮を妨げないように、各ファスナー13A,13Bの面積を小さくし、必要な係合力に応じてファスナー13A,13Bの個数を増やし、それらを離散させると良い。例えば、各ファスナー13A,13Bの面積は100mm2以下であると良い。
ファスナー13A,13Bはブラダー本体11及びカバー部材12の表面に接着剤を用いて固定することも可能であるが、縫合糸のような縫合部材やステープルのような係止部材を用いて固定することも可能である。また、ファスナー13A,13Bを加硫接着によりブラダー本体11及びカバー部材12の表面に固定することも可能である。
ファスナー13A,13Bの構成は特に限定されるものではなく、例えば、シート状の基材と該基材の一方の面に形成された複数本の係合素子とを備えたものを使用することができる。また、各係合素子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、フック状やループ状の係合素子を採用することができる。
図5は本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示すものである。図5において、タイヤ加硫用ブラダー10は、ブラダー本体11及びカバー部材12に加えて、ブラダー本体11とカバー部材12とを非接着状態で互いに拘束する拘束部材14を備えている。拘束部材14は、互いに着脱可能な一対の機械的留め具14A,14Bで構成されている。これにより、ブラダー本体11とカバー部材12との間の位置ずれを防止し、両者の一体性を確保することができる。また、機械的留め具14A,14Bによる非接着状態での拘束であるため、ブラダー本体11とカバー部材12とを必要に応じて分離することができる。
拘束部材14を構成する一対の機械的留め具14A,14Bとは、結合と分離を反復的に行うことを許容する機械的な連結構造を有するものを意味する。その代表的なものとして、ホック又はスナップと呼ばれる機械的留め具があり、衣料業界等では、より具体的には、スナップボタン、リングスナップ、リングホック、アメリカンスナップ、アメリカンホック、アイレットホック、バネホック、又は、ジャンパーホックと呼ばれるものである。また、機械的留め具14A,14Bは結合部が小面積(例えば、好ましくは1mm2〜115mm2、更に好ましくは4mm2〜90mm2)である点状の留め具である。
機械的留め具14A,14Bはブラダー本体11及びカバー部材12の表面に接着剤を用いて直接的に固定することも可能であるが、ゴムシート等の基材に対して機械的留め具14A,14Bを固定し、その基材を縫合糸のような縫合部材やステープルのような係止部材を用いてブラダー本体11及びカバー部材12の表面に固定することも可能である。また、機械的留め具14A,14Bを備えた基材を加硫接着によりブラダー本体11及びカバー部材12の表面に固定することも可能である。
図6は本発明の更に他の実施形態からなるタイヤ加硫用ブラダーを示すものである。図6において、タイヤ加硫用ブラダー10は、便宜上、その周方向Cが直線に沿うように描写されている。図6に示すように、ブラダー本体11の外表面にはブラダー周方向に延在する複数本の溝15が形成され、カバー部材12の内表面にはブラダー周方向に延在する複数本の突条16が形成されている。そして、ブラダー本体11の外側にカバー部材12を積層した状態において、ブラダー本体11の溝15内にカバー部材12の突条16が嵌合するようになっている。このような構成によれば、ブラダー本体11とカバー部材12との間の位置ずれを防止し、両者の一体性を確保することができる。
上述した各実施形態において、カバー部材12の厚さはブラダー軸方向に沿って均一であると良い。また、カバー部材12の厚さは1.5mm以下であると良い。カバー部材12は離型性を担持するものであるので、均一厚さを有する簡単な構成とすれば良い。カバー部材12が厚過ぎると、タイヤ加硫用ブラダー10に要求される伸縮特性や熱伝導特性が低下することになる。一方、ブラダー本体11の膜部11Aの厚さはブラダー軸方向に沿って均一であることが好ましく、例えば、その厚さが2mm〜30mmの範囲にあれば良い。
10 ブラダー
11 ブラダー本体
11A 膜部
11B クランプ部
12 カバー部材
13,14 拘束部材
13A,13B 面ファスナー
14A,14B 機械的留め具
15 溝
16 突条

Claims (8)

  1. タイヤ加硫工程において使用されるタイヤ加硫用ブラダーにおいて、円筒状をなす膜部と該膜部の両端に形成されたクランプ部とを有するブラダー本体と、該ブラダー本体から独立していて前記クランプ部から外れた位置で前記膜部の外周面上に積層される円筒状のカバー部材とを備え、該カバー部材がタイヤインナーライナー層に対して離型性を有する材料で構成されることを特徴とするタイヤ加硫用ブラダー。
  2. 前記ブラダー本体と前記カバー部材とを非接着状態で互いに拘束する拘束部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  3. 前記拘束部材が一対の面ファスナーであることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  4. 前記拘束部材が一対の機械的留め具であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  5. 前記カバー部材の任意位置での初期内径が前記ブラダー本体の対応位置での初期外径よりも小さく、かつ前記カバー部材の永久歪みが前記ブラダー本体の永久歪みよりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  6. 前記カバー部材の厚さがブラダー軸方向に沿って均一であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  7. 前記カバー部材の厚さが1.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ加硫用ブラダー。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ加硫用ブラダーを用いたタイヤ製造方法であって、金型内にグリーンタイヤを挿入し、該グリーンタイヤの内側に前記ブラダー本体と前記カバー部材とからなる前記タイヤ加硫用ブラダーを挿入し、該タイヤ加硫用ブラダーの内部に加熱加圧媒体を充填した状態で前記グリーンタイヤの加硫を行うことを特徴とするタイヤ製造方法。
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