JP2018033120A - 頭部装着型画像表示装置 - Google Patents

頭部装着型画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018033120A
JP2018033120A JP2016246991A JP2016246991A JP2018033120A JP 2018033120 A JP2018033120 A JP 2018033120A JP 2016246991 A JP2016246991 A JP 2016246991A JP 2016246991 A JP2016246991 A JP 2016246991A JP 2018033120 A JP2018033120 A JP 2018033120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
link
image display
display device
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016246991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6844245B2 (ja
Inventor
和也 鎌倉
Kazuya Kamakura
和也 鎌倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to US15/665,692 priority Critical patent/US10268042B2/en
Publication of JP2018033120A publication Critical patent/JP2018033120A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6844245B2 publication Critical patent/JP6844245B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】安定して装着可能な頭部装着型画像表示装置を提供すること。【解決手段】ユーザーの頭部に装着される頭部装着型画像表示装置であって、画像表示部と、左側の側頭部に当接される左側当接部と、右側の側頭部に当接される右側当接部と、画像表示部に設けられ、左側当接部を支持する左側支持部と、画像表示部に設けられ、右側当接部を支持する右側支持部と、を備え、左側及び右側支持部のうち少なくとも一方の支持部は、左側及び右側当接部のうち当該少なくとも一方の支持部が支持する当接部である対象当接部の全体を、第1位置から、当該第1位置より頭部に対して左右方向において離間した第2位置に移動可能に支持し、対象当接部の全体が第1位置に位置する場合と第2位置に位置する場合とで、左側当接部と右側当接部との間の左右方向における寸法は、異なる。【選択図】図3

Description

本発明は、頭部装着型画像表示装置に関する。
従来、ユーザーの頭部に装着され、当該ユーザーによって観察可能に画像を表示する頭部装着型画像表示装置(HMD:Head Mounted Display)が知られている。このような頭部装着型画像表示装置として、左右の眼に応じた開口部を有する眼鏡フレームと、当該眼鏡フレームの左右にヒンジ部を介して接続される左右のテンプルホルダーと、各テンプルホルダーと結合されたテンプルと、を備え、左右のテンプル間の幅を調整可能な画像観賞用眼鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の画像鑑賞用眼鏡では、テンプルホルダーには、円柱状の回動部材が板バネを挟んでビスによって締結され、当該回動部材は、その中心を回動中心として回動可能に構成されている。また、眼鏡フレームのテンプルホルダーが装着される部位には、回動部材に対応する位置に溝(凹部)が形成されている。この溝は、回動部材の回動中心に対して円弧状に形成されており、当該溝の深さは、円弧の円周方向に沿って段階的に変化するように構成されている。そして、上記ビスを回動させることにより、ビスと回動部材をともに回動させることができ、当該回動部材の突起が溝のどの位置に移動するかによってテンプルの開き角度が調整され、これにより、左右のテンプル間の幅が調整される。このような構成の画像鑑賞用眼鏡によれば、頭部サイズが異なる利用者においても、当該画像鑑賞用眼鏡を装着できる。
特開2011−85929号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像鑑賞用眼鏡は、上記のように、テンプルの開き角を調整するものである。このため、頭部が比較的小さい利用者においては、頭部における後方側の部位は、左右のテンプルによって挟持されるものの、前方側の部位がテンプルから比較的離れた状態となるため、眼鏡フレームがぐらつく可能性がある。
すなわち、頭部が比較的大きい利用者が当該画像鑑賞用眼鏡を利用する場合には、当該頭部とテンプルとの接触面積が大きくなるので、眼鏡フレームを安定して頭部に装着可能である。しかしながら、頭部が比較的小さい利用者が当該画像鑑賞用眼鏡を利用する場合には、当該頭部とテンプルとの接触面積が小さくなるので、眼鏡フレームを安定して頭部に装着できない可能性がある。
同様に、ヨロイ部に設けられたヒンジ部にて互いに接離する方向に回動可能に設けられた一対のテンプルを有する眼鏡のような構成が採用される場合も、頭部が比較的小さい利用者が当該画像鑑賞用眼鏡を利用する際に、当該一対のテンプルにおいて後頭部側の部位のみが頭部に当接する可能性があり、上記と同様の問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、安定して装着可能な頭部装着型画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係る頭部装着型画像表示装置は、ユーザーの頭部に装着され、前記ユーザーに観察可能に画像を表示する頭部装着型画像表示装置であって、前記画像を表示する画像表示部と、前記頭部における左側の側頭部に当接される左側当接部と、前記頭部における右側の側頭部に当接される右側当接部と、前記画像表示部に設けられ、前記左側当接部を支持する左側支持部と、前記画像表示部に設けられ、前記右側当接部を支持する右側支持部と、を備え、前記左側支持部及び前記右側支持部のうち少なくとも一方の支持部は、前記左側当接部及び前記右側当接部のうち前記少なくとも一方の支持部が支持する当接部である対象当接部の全体を、第1位置から、前記第1位置より前記頭部に対して左右方向において離間した第2位置に移動可能に支持し、前記対象当接部の全体が前記第1位置に位置する場合と、前記対象当接部の全体が前記第2位置に位置する場合とで、前記左側当接部と前記右側当接部との間の前記左右方向における寸法は、異なることを特徴とする。
上記一態様によれば、左側支持部及び右側支持部のうち少なくとも一方の支持部は、上記対象当接部を第1位置及び第2位置に移動可能に支持する。そして、当該対象当接部が第1位置に位置する場合の左側当接部と右側当接部との間の左右方向における寸法は、第2位置に位置する場合の当該寸法と異なる。すなわち、対象当接部が第1位置に位置する場合の当該寸法より、第2位置に位置する場合の当該寸法の方が大きくなる。
これによれば、上記対象当接部の全体が、第1位置から第2位置の範囲で左右方向に移動可能なことにより、当該対象当接部全体をユーザーの頭部の大きさに応じた位置、すなわち、側頭部に当接する位置に移動させることができる。このため、頭部の大きさによって当該頭部と対象当接部との接触面積が変化することを抑制でき、当該接触面積を略一定に維持できる。従って、左側当接部及び右側当接部のそれぞれを左右の側頭部に確実に当接させることができ、頭部に頭部装着型画像表示装置を安定して装着させることができる。
上記一態様では、前記少なくとも一方の支持部に、上下方向に沿う第1回動軸を中心として回動可能に支持され、前記対象当接部と接続される第1リンクと、前記少なくとも一方の支持部において前記第1リンクとは前後方向において異なる位置に、上下方向に沿う第2回動軸を中心として回動可能に支持されて、前記対象当接部と接続される第2リンクと、を有することが好ましい。
ここで、頭部の大きさはユーザーによって異なることは述べたが、当該頭部の大きさは、左右方向の寸法だけでなく前後方向の寸法も異なり、頭部の左右方向の寸法と前後方向の寸法とは、比例関係にある。このため、それぞれ頭部の大きさが異なる複数のユーザーにおいて、それぞれの顔を同じ位置に位置させると、後頭部の位置や耳の位置は、ユーザーによって異なる。このことから、左右の当接部が、側頭部から後頭部にかけて当接する形状を有する場合、上記対象当接部の全体が当該左右方向においてのみ移動される構成では、当該対象当接部を側頭部に当接させることはできるものの、当該側頭部及び後頭部に当接部を適切に当接させることができない可能性がある。また、例えば、左右の当接部がユーザーの耳に懸架されるものである場合、上記対象当接部の全体が当該左右方向においてのみ移動される構成では、左右の当接部を適切に耳に懸架することができない可能性がある。
これに対し、上記構成によれば、上記対象当接部は、それぞれ上下方向に沿う第1回動軸及び第2回動軸を中心として回動可能に支持された第1リンク及び第2リンクに接続されている。これによれば、第1リンク及び第2リンクの回動によって、対象当接部の全体を上記左右方向に移動させることができる他、前後方向に移動させることができる。そして、この際、各リンクを前側に回動させることによって、対象当接部全体を前側で、かつ、他方の当接部に対して近接する位置に移動させることができ、また、各リンクを後側に回動させることによって、対象当接部全体を後側で、かつ、他方の当接部に対して離間する位置に移動させることができる。このため、前後及び左右の大きさがそれぞれ異なるユーザーの頭部に応じて左右の少なくともいずれかの当接部全体を移動させることができる。従って、左右の当接部全体を頭部において適切な位置に当接させることができるので、頭部装着型画像表示装置を頭部に安定して装着させることができる。
上記一態様では、前記第1リンク及び前記第2リンクのうち一方のリンクである減衰対象リンクと係合し、前記減衰対象リンクの回動力を減衰させる減衰機構を有することが好ましい。
このような構成によれば、減衰機構によって、減衰対象リンクの回動力が減衰されるので、当該減衰対象リンク、ひいては、上記対象当接部が急激に移動することを抑制できる。従って、対象当接部を緩やかにユーザーの頭部に当接させることができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、前記減衰対象リンクを回動可能に支持する回動支持部と、前記減衰機構を支持する減衰機構支持部と、を有し、前記回動支持部及び前記減衰機構支持部は、それぞれ異なる位置に配置され、前記減衰機構及び前記減衰対象リンクは、互いに噛み合う噛合部を有することが好ましい。
このような構成によれば、それぞれ異なる位置に配置された回動支持部及び減衰機構支持部にて減衰対象リンク及び減衰機構が支持される。そして、減衰対象リンクと減衰機構とは、それぞれが有する噛合部によって噛合される。これによれば、噛合部同士が噛合すれば、減衰対象リンクの回動力を減衰機構に伝達できるので、当該減衰対象リンクが減衰機構に支持される場合に比べて、これら減衰対象リンクと減衰機構とを係合しやすくすることができる。
また、回動支持部と減衰機構支持部とが異なる位置に配置されていることにより、減衰対象リンクの回動に伴う、それぞれの支持部に対する負荷を軽減できる。従って、頭部装着型画像表示装置の長寿命化を図ることができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、前記第1リンク及び前記第2リンクのそれぞれの一部を上下方向に沿って挟む一対の筐体部を有し、前記回動支持部及び前記減衰機構支持部は、前記一対の筐体部のうち、一方の筐体部に位置することが好ましい。
このような構成によれば、上記一方の筐体部に減衰対象リンク及び減衰機構を取り付けた後に、当該一方の筐体部に他方の筐体部を取り付けることによって対象当接部を構成できる。従って、対象当接部の組立を簡略化できる。
上記一態様では、前記対象当接部の全体が前記第1位置に位置する回動方向に、前記第1リンク及び前記第2リンクのうち少なくとも一方のリンクである付勢対象リンクを付勢する付勢部を有することが好ましい。
このような構成によれば、対象当接部は、付勢部によって、上記寸法が小さくなる方向に付勢される。これによれば、対象当接部が頭部に当接した状態を維持でき、左右の当接部によって頭部を挟持できる。従って、頭部装着型画像表示装置を頭部に一層安定して装着させることができる。
上記一態様では、前記付勢部は、一端が前記付勢対象リンクと係合し、他端が所定の位置と係合する引張ばねであり、前記付勢対象リンクは、前記引張ばねの一端が取り付けられる取付部を有し、前記対象当接部が前記第1位置と前記第2位置との間の範囲内に位置する際に、前記付勢対象リンクにおける前記対象当接部とは反対側の回動中心から前記取付部における前記引張ばねの一端の取付位置に向かう方向である第1方向と、前記引張ばねの軸方向に沿う第2方向とは、交差することが好ましい。
ここで、付勢部を構成する引張ばねによる付勢力は、付勢対象リンクが回動して、当該引張ばねの伸長寸法(引張ばねの軸方向の寸法)が大きくなるに従って大きくなる。すなわち、当該引張ばねの付勢力は、上記第1方向と上記第2方向との交差角が大きくなるに従って大きくなる。
一方、付勢対象リンクにおいて引張ばねの一端の取付位置に当該引張ばねの付勢力の作用方向(第2方向に沿う方向)と同方向に力を作用させて、当該付勢対象リンクを回動させようとした場合、上記交差角が大きくなるに従って、当該付勢対象リンクを回動させるのに必要な力(換言すると抵抗)は大きくなる。
そして、上記引張ばねの付勢力によって付勢対象リンクを回動させる力は、引張ばねによって付勢対象リンクに作用する付勢力と、上記付勢対象リンクを回動させるのに必要な力とを合成した値となる。すなわち、当該付勢対象リンクを回動させる力は、前者の付勢力から、後者の力(抵抗)を減算した力となる。そして、この付勢対象リンクを回動させる力は、当接部がユーザーの頭部を押圧する押圧力となる。
これによれば、付勢対象リンクの回動状態に依らずに、上記押圧力を一定の範囲内の値とすることができる。すなわち、頭部装着型画像表示装置を装着するユーザーの頭部の大きさに依らずに、略一定の押圧力を当該頭部に付与できる。従って、頭部の大きさによって受けるユーザーの負荷を軽減できる。
上記一態様では、前記第1リンクは、前記第1回動軸を中心として回動可能に支持される第1リンク側第1回動部と、前記対象当接部に回動可能に支持される第1リンク側第2回動部と、を有し、前記第2リンクは、前記第2回動軸を中心として回動可能に支持される第2リンク側第1回動部と、前記対象当接部に回動可能に支持される第2リンク側第2回動部と、を有し、前記第1リンク側第1回動部、前記第1リンク側第2回動部、前記第2リンク側第1回動部、及び、前記第2リンク側第2回動部の少なくともいずれかは、軸受を介して支持されることが好ましい。
このような構成によれば、第1リンク及び第2リンクの少なくともいずれかは、これらリンクの支持構造に軸受を介して支持される。これによれば、当該リンク及び支持構造の摩耗を抑制できる他、当該リンクの回動を円滑に行うことができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、本体部と、前記本体部に対して着脱可能に設けられ、前記本体部の少なくとも一部を覆うカバーと、を有することが好ましい。
このような構成によれば、ユーザーの頭部に接触するカバーを、必要に応じて交換することによって、当該頭部装着型画像表示装置を清浄な状態に保つことができる。
なお、このようなカバーは、頭部に接触することから劣化が比較的進行しやすいと考えられる。このようにカバーが劣化すると、頭部装着型画像表示装置の装着感が損なわれる可能性がある。これに対し、必要に応じてカバーを交換することにより、当該装着感が損なわれることを抑制できる。
これらの効果は、1つの頭部装着型画像表示装置を複数のユーザーが使用する場合に、特に有効である。
上記一態様では、前記本体部は、前記第1リンク及び前記第2リンクと接続される接続部と、一端が前記接続部に固定されて、前記接続部から前記ユーザーの後方に延出するフレーム部と、を有し、前記フレーム部は、可撓性を有することが好ましい。
このような構成によれば、フレーム部が可撓性を有することによって、頭部の形状に合わせて当接部を変形させることができる。このため、当該頭部に沿うように対象当接部を配置できる他、頭部装着型画像表示装置の装着感を向上させることができる。
上記一態様では、前記フレーム部は、前記接続部からの前記フレーム部の延出方向において前記接続部との固定位置に対して前記延出方向の先端側に位置する湾曲部を有することが好ましい。
ここで、湾曲部がない構成を想定すると、フレーム部が撓む場合、当該フレーム部において接続部との固定位置に負荷が加わりやすい。このため、当該固定位置や、接続部とフレーム部とを固定する固定構造が変形したり劣化したりする場合を考慮して、当該固定位置又は固定構造を強化する必要がある。
これに対し、上記構成によれば、フレーム部が撓む際に、当該フレーム部が撓む位置を湾曲部に規定できるので、上記固定位置及び固定構造を強化する必要がない。そして、当該湾曲部が湾曲していることから、フレーム部の撓む位置の強度を高めることができる。更に、フレーム部が撓みやすくなることから、フレーム部、ひいては、対象当接部を頭部の形状に沿うように変形させやすくすることができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、前記フレーム部と前記カバーとの間に位置するシール部材を有することが好ましい。
このような構成によれば、フレーム部とカバーとの間に隙間が生じることを抑制できる。従って、カバーが変形する等して、頭部装着型画像表示装置の装着感が損なわれることを抑制できる。
上記一態様では、前記フレーム部は、金属により形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、フレーム部、ひいては、対象当接部の強度を高めることができる。この他、当該対象当接部における後方側の部位が重くなるので、フレーム部にカウンターウェイトとしての機能を持たせることができる。従って、頭部装着型画像表示装置の装着感を向上させることができるだけでなく、当該頭部装着型画像表示装置を使用するユーザーの疲労感を軽減できる。
上記一態様では、前記カバーは、前記フレーム部が挿通される挿通口を有し、前記対象当接部は、前記挿通口に前記フレーム部が挿通された前記カバーの脱落を規制する規制部材を有することが好ましい。
このような構成によれば、カバーは、挿通口をフレーム部が挿通するように装着されるので、カバーを当該フレーム部に容易に装着できる。また、規制部材によってカバーの脱落が規制されるので、意図せずにカバーが脱落することを抑制できる。
上記一態様では、前記フレーム部は、前記接続部からの前記フレーム部の延出方向先端部に、前記規制部材が取り付けられる被取付部を有し、前記被取付部は、前記フレーム部の他の部位より厚さ寸法が大きいことが好ましい。
このような構成によれば、被取付部から規制部材が脱落することを抑制でき、ひいては、フレーム部からカバーが脱落することを確実に抑制できる。
上記一態様では、前記被取付部は、前記フレーム部の一部を、前記頭部に近接する側とは反対側に折り返した構成であることが好ましい。
このような構成によれば、上記規制部材の脱落を抑制できる被取付部を簡易に構成できる。
上記一態様では、前記少なくとも一方の支持部は、当該頭部装着型画像表示装置の外装の一部を構成する外装部を有することが好ましい。
このような構成によれば、上記少なくとも一方の支持部は、上記外装部を有するので、当該支持部を画像表示部の外側に取り付けることによって、上記効果を奏することができる頭部装着型画像表示装置を構成できる。従って、当該頭部装着型画像表示装置の製造工程を簡略化できる。
上記一態様では、前記外装部は、前記画像表示部の側方及び上方の少なくともいずれかを覆うことが好ましい。
このような構成によれば、画像表示部を側方或いは上方から覆うように支持部を取り付けることによって、上記効果を奏する頭部装着型画像表示装置を簡易に構成できる。また、外装部が画像表示部の側方及び上方を覆うことによって、当該頭部装着型画像表示装置の強度を高めることができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、少なくとも一部が他の部位より細いことが好ましい。
ここで、頭部装着型画像表示装置を頭部に装着する際に、ユーザーは、比較的細い部位を掴んで装着することが多い。
このため、上記構成によれば、ユーザーに掴むべき位置を把握させやすくすることができる。従って、頭部装着型画像表示装置を装着させやすくすることができる。
上記一態様では、前記対象当接部は、前記画像表示部によって表示される前記画像を前記ユーザーが観察する方向である観察方向とは反対方向側の部位に、当該頭部装着型画像表示装置の重心位置を調整する重心調整部を有することが好ましい。
なお、重心調整部としては、例えば、対象当接部において他の部位より太い部位として構成できる他、比較的重い部材が内部に設けられた部位として構成できる。
ここで、頭部装着型画像表示装置においては、ユーザーの眼に画像光を入射させる構成を当該ユーザーの眼前に配置することが多いため、重心位置が前側に偏りやすい。このような場合、頭部装着型画像表示装置がずれやすくなるだけでなく、装着感が損なわれる。
これに対し、上記構成によれば、重心調整部がカウンターウェイトとなって、頭部装着型画像表示装置の重心位置を調整できる。従って、頭部装着型画像表示装置の前後のバランスを保ちやすくすることができるので、装着感が損なわれることを抑制できる他、ユーザーの疲労感を軽減できる。更に、対象当接部における後側の部位に位置する重心調整部が、当該対象当接部において太い部位として構成されている場合には、当該対象当接部がユーザーの耳に懸架される構成である場合に、当該対象当接部がずれて、耳から外れることを抑制できる。
上記一態様では、前記少なくとも一方の支持部は、前記左側当接部と前記右側当接部との間の前記左右方向における寸法を128mm以上、170mm以下の範囲となるように、前記対象当接部を移動可能に支持することが好ましい。
ここで、子供(頭部装着型画像表示装置の対象年齢の子供)の頭部における左右方向の寸法は、略128mmであり、頭部が比較的大きな大人の頭部における左右方向の寸法は、略170mmである。このため、上記構成によれば、子供から大人まで、幅広いユーザーに上記頭部装着型画像表示装置を安定して装着させることができる。従って、頭部装着型画像表示装置の汎用性を一層向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るHMDの外観を示す斜視図。 上記第1実施形態におけるHMDの外観を示す斜視図。 上記第1実施形態におけるテンプル間の寸法が最も縮小された状態のHMDを示す平面図。 上記第1実施形態におけるテンプル間の寸法が最も拡大された状態のHMDを示す平面図。 上記第1実施形態における画像表示部を示す斜視図。 上記第1実施形態における画像表示部を示す斜視図。 上記第1実施形態における上部ケース及び下部ケースを分離させた画像表示部を示す分解斜視図。 上記第1実施形態における上部ケース及び下部ケースを分離させた画像表示部を示す分解斜視図。 上記第1実施形態における画像投射部を示す斜視図。 上記第1実施形態におけるテンプルを分解したHMDを示す斜視図。 上記第1実施形態におけるテンプルを分解したHMDを示す斜視図。 上記第1実施形態における外側カバーを示す斜視図。 上記第1実施形態における外側カバーを示す斜視図。 上記第1実施形態における内側カバーを示す斜視図。 上記第1実施形態における内側カバーを示す斜視図。 上記第1実施形態における内側カバーを示す斜視図。 上記第1実施形態におけるリンク機構、当接部及び減衰機構を示す斜視図。 上記第1実施形態におけるリンク機構、当接部及び減衰機構を示す斜視図。 上記第1実施形態における当接部の移動状態を示す平面図。 上記第1実施形態における当接部の移動状態を示す平面図。 本発明の第2実施形態に係るHMDの外観を示す斜視図。 上記第2実施形態におけるHMDの外観を示す斜視図。 上記第2実施形態におけるテンプル間の寸法が最も縮小された状態のHMDを示す平面図。 上記第2実施形態におけるテンプル間の寸法が最も拡大された状態のHMDを示す平面図。 上記第2実施形態におけるカバー部材を分離したHMDを示す斜視図。 上記第2実施形態におけるカバー部材を示す斜視図。 上記第2実施形態における右側テンプルを示す分解斜視図。 上記第2実施形態における第1リンク及び第2リンクから当接部を分離させた右側テンプルを示す平面図。 上記第2実施形態における当接部の移動状態を示す平面図。 上記第2実施形態における当接部の移動状態を示す平面図。 本発明の第3実施形態に係るHMDの外観を示す斜視図。 上記第3実施形態におけるHMDを示す分解斜視図。 上記第3実施形態におけるカバー部材を示す斜視図。 上記第3実施形態におけるカバー部材と遮蔽部材とを示す断面図。 上記第3実施形態におけるカバー部材と遮蔽部材とを示す断面図。 上記第3実施形態における右側テンプルを上方から見た平面図。 上記第3実施形態におけるリンク機構及び当接部の本体部を示す斜視図。 上記第3実施形態における本体部を示す分解斜視図。 上記第3実施形態における本体部を示す分解斜視図。 上記第3実施形態における当接部を示す斜視図。 上記第3実施形態における当接部を示す分解斜視図。 上記第3実施形態におけるHMDを下方から見た図。 上記第3実施形態におけるユーザーに装着されたHMDを示す右側面図。 上記第3実施形態におけるリンク機構と当接部とを示す平面図。 本発明の第4実施形態に係るHMDのテンプルを示す平面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[HMDの概略構成]
図1及び図2は、本実施形態に係るHMD1の外観を示す斜視図である。詳述すると、図1は、HMD1を正面側上方から見た斜視図であり、図2は、HMD1を背面側下方から見た斜視図である。
本実施形態に係るHMD1は、ユーザーの頭部に装着されて使用され、当該ユーザーによって視認可能に画像を表示するとともに、外光を透過させて外界を観察可能とするシースルー型の頭部装着型画像表示装置であり、虚像表示装置である。このHMD1は、図1及び図2に示すように、画像表示部2及び一対のテンプル6L,6Rを備える。
図3は、テンプル6L,6R(当接部67L,67R)間の寸法L1が最も縮小された状態のHMD1を上方から見た平面図であり、図4は、当該寸法L1が最も拡大された状態のHMD1を上方から見た平面図である。
このHMD1では、図3及び図4に示すように、一対のテンプル6L,6Rの当接部67L,67Rが互いに離間する方向に移動可能に構成されている。そして、HMD1は、当接部67L全体と当接部67R全体との間の寸法L1がユーザーUSの頭部HEに大きさに応じて調整されることによって、当該頭部HEの大きさに依らずにHMD1を装着可能に構成されている点を特徴の1つとしている。この寸法L1は、左右の当接部67L,67Rにおける特定部位間の寸法ではなく、或る位置に移動された当接部67L,67Rにおいて左右方向に互いに最も離間した部位間の寸法である。このため、当接部67L,67Rにおいて、寸法L1が設定される部位は、図3及び図4に示すように、当接部67L,67Rの位置に応じて変化する。
なお、以下の説明では、HMD1によって視認可能に表示された画像のユーザーによる観察方向側を前側(正面側)とし、当該前側とは反対側を後側(背面側)とする。すなわち、ユーザーの視線が向く方向側を前側とする。また、HMD1における上側及び下側は、当該HMD1を装着したユーザーにおける上側及び下側に対応し、HMD1における右側及び左側は、当該HMD1を装着したユーザーにおける右側及び左側に対応する。そして、図1以降の図にて示す+Z方向、+Y方向及び+X方向は、互いに直交しており、+Z方向は前方(後側から前側に向かう方向)を示し、+Y方向は上方(下側から上側に向かう方向)を示し、+X方向は右方向(左側から右側に向かう方向)を示している。また、図示を省略するが、説明の便宜上、+Z方向とは反対方向を−Z方向とする。−Y方向及び−X方向も同様である。
[画像表示部の構成]
図5及び図6は、画像表示部2を正面側上方及び背面側下方のそれぞれから見た斜視図である。換言すると、図5及び図6は、それぞれ図1及び図2からテンプル6L,6Rを取り外したHMD1を正面側上方及び背面側下方のそれぞれから見た斜視図である。
画像表示部2は、ユーザーに視認可能に画像を表示する。この画像表示部2は、図5及び図6に示すように、フレーム3、光学装置4L,4R及び撮像装置5を備える。
[フレームの構成]
フレーム3は、眼鏡のフレーム様の構成を有し、光学装置4L,4R及び撮像装置5を支持する他、ノーズパッドNPや、レンズホルダー及び遮蔽部材(それぞれ図示省略)を支持する。このようなフレーム3は、上方から見て略U字状を有するフレーム本体31と、当該フレーム本体31に取り付けられるケース部材32L,32Rと、を有する。
フレーム本体31は、左右方向に沿って延出するフロント部311と、当該フロント部311の左右の両端から当該フロント部311と交差する後方に延出する側面部312R,312Lと、を有する。このフレーム本体31は、これらフロント部311及び側面部312R,312Lが一体的に形成された金属製の一体成型品である。
フロント部311は、HMD1が頭部に装着された際に、当該頭部における額に沿うように配置される。このフロント部311は、光学装置4L,4Rにおいてユーザーの左右の眼前に配置される導光部材47L,47Rを支持する。この他、フロント部311は、後述する導光部材47L,47Rの間に位置する装着部3111にて、ノーズパッドNP、レンズホルダー及び遮蔽部材(それぞれ図示省略)を支持可能に構成されている。なお、フロント部311における左側端部311L及び右側端部311Rは、上方から見て後方側に円弧状に湾曲しており、右側端部311Rには、撮像装置5が配置されている。そして、右側端部311Rから側面部312Rが後方に延出しており、左側端部311Lから側面部312Lが後方に延出している。
ここで、ノーズパッドNPは、上記装着部3111に後方から前方に挿入されて支持される。このノーズパッドNPは、HMD1の装着時にユーザーの鼻(小鼻に応じた部位)を左右から挟み、これにより、当該HMD1が左右にずれたり、下方にずれたりすることを抑制する。このようなノーズパッドNPは、ユーザーの鼻の大きさや形状に応じて複数用意され、当該ユーザーに適したノーズパッドNPが装着部3111に挿抜される。
レンズホルダーは、図示を省略するが、テンプルのない眼鏡様の構成を有する。このレンズホルダーは、視力矯正用の左右のレンズを保持して、上記装着部3111に後側から着脱可能に取り付けられる。
遮蔽部材は、図示を省略するが、後述する導光部材47R,47Lに対する前側に配置され、当該導光部材47R,47Lに入射される外光の少なくとも一部を遮蔽して外界を見づらくし、これにより、表示される画像の視認性を向上させる。この遮蔽部材は、上記装着部3111に下方側から着脱可能に取り付けられる。
側面部312L,312Rは、HMD1が頭部に装着された際に、左右の側頭部(例えば、こめかみ)に沿うように配置される。
これらのうち、側面部312Rは、ケース部材32Rと組み合わされて、光学装置4Rの画像投射部41及び制御部46を内部に収容する収容空間を形成する。
同様に、側面部312Lは、ケース部材32Lと組み合わされて、光学装置4Lの画像投射部41及び制御部46を内部に収容する収容空間を形成する。
これら側面部312L,312Rは、図6に示すように、後方側の端部から更に後方側に突出して、後述するテンプル6L,6Rの内側カバー62L,62Rが固定される固定部3121をそれぞれ有する。これら固定部3121は、当該テンプル6L,6Rとは異なるテンプルが利用される際に、当該異なるテンプルを回動可能に支持する支持部としても機能する。
図7及び図8は、ケース部材32Rを構成する上部ケース321及び下部ケース323を分離させた画像表示部2を示す分解斜視図である。詳述すると、図7は、当該画像表示部2を背面側上方から見た分解斜視図であり、図8は、当該画像表示部2を背面側下方から見た分解斜視図である。
また、側面部312Rは、図7及び図8に示すように、固定部3121より前側の部位に固定部3122を有し、当該固定部3122は、上下に並列された2つの孔部3123,3124を有する。これらのうち、上側の孔部3123には、ケース部材32Rの上部ケース321を固定するねじが取り付けられ、下側の孔部3124には、同じくケース部材32Rの下部ケース323を固定するねじが取り付けられる。なお、図示を省略するが、側面部312Lも、同様の固定部3121,3122を有する。
[光学装置の構成]
ここで、光学装置4L,4Rについて先に説明する。
光学装置4Lは、フレーム3において左側に位置し、光学装置4Rは、右側に位置する。これら光学装置4L,4Rは、外部から入力される画像信号に応じた画像を形成し、当該画像をユーザーの眼に入射させる。これらのうち、光学装置4Rは、側面部312Rとケース部材32Rとが組み合わされて形成される上記収容空間内にそれぞれ配置される画像投射部41及び制御部46と、上記フロント部311に支持される導光部材47Rと、を有する。
以下、光学装置4Rの画像投射部41、制御部46及び導光部材47Rについて主に説明する。なお、光学装置4Lも、光学装置4Rの各構成と鏡面対称となる画像投射部41、制御部46及び導光部材47Lを有するが、これらは光学装置4Rの各構成と同様であるので、一部の説明を省略する。
[画像投射部の構成]
図9は、画像投射部41を画像光の投射側とは反対側(背面側)における上方から見た斜視図である。なお、図9では、画像形成装置42の枠体を図示し、表示パネルの図示を省略している。
画像投射部41は、導光部材47R,47Lのうち対応する導光部材に画像光(画像を形成する光)を投射する。この画像投射部41は、図9に示すように、画像形成装置42及び投射光学装置43を備え、これらが組み合わされてユニットとして構成されている。
画像形成装置42は、制御部46による制御の下、外部からケーブルCB(図1参照)を介して入力される画像信号に応じた画像光を形成する。この画像形成装置42は、本実施形態では、有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の自己発光型表示パネルにより構成されている。しかしながら、これに限らず、画像形成装置42は、LED等の光源と、透過型又は反射型の液晶パネルや、MEMSミラー等のマイクロミラーを用いたデバイス等の光変調装置との組合せにより構成することも可能である。
このような画像形成装置42は、図示を省略するが、フレーム本体31(例えば側面部312R,312L)と熱伝導部材によって接続されており、当該画像形成装置42にて生じた熱の少なくとも一部は、当該フレーム本体31にて外部に放熱される。一方、このような熱伝導部材はなくてもよい。
投射光学装置43は、画像形成装置42によって形成された画像光を、対応する導光部材47L,47Rに投射する。この投射光学装置43は、複数のレンズ44と、当該複数のレンズ44を収容する鏡筒45と、を備えた組レンズとして構成されている。なお、画像形成装置42から入射される画像光を、対応する導光部材に導くことができれば、当該複数のレンズ44の少なくとも1つに代えてプリズムを採用してもよい。
鏡筒45は、略四角筒状に形成されており、フレーム本体31に固定される。この鏡筒45には、図7及び図8に示すように、後述する基板ホルダー322が取り付けられる。すなわち、鏡筒45を含む画像投射部41は、基板ホルダー322によって下方側から覆われる。なお、図示を省略するが、光学装置4Lの画像投射部41も、同様の基板ホルダーによって下方側から覆われる。
制御部46は、回路素子が実装されたプリント基板によって構成されている。光学装置4Rを構成する制御部46は、光学装置4Lを構成する制御部と信号線(図示省略)を介して接続されている。これら制御部は、上記ケーブルCBを介して外部から供給される画像信号に応じて、対応する画像形成装置42を動作させる。
なお、光学装置4Rの制御部には、上記撮像装置5を制御する制御回路が実装されている。
導光部材47L,47Rは、上記フレーム本体31によって支持されてユーザーの左右の眼前に配置され、対応する画像投射部41から入射される画像光を、ユーザーの左眼及び右眼に導く。
具体的に、導光部材47Rは、光学装置4Rの画像投射部41(投射光学装置43)から入射された右眼用の画像光を、界面にて内面反射させて中央側に進行させ、ユーザーの右眼に応じた位置に設けられた半透過層によって右眼に導く。光学装置4Lの画像投射部41(投射光学装置43)から入射された左眼用の画像光を左眼に導く導光部材47Lも同様である。これら導光部材47L,47Rは、それぞれ可視光領域で高い光透過性を示す樹脂(例えばシクロオレフィンポリマー)により形成されている。このため、左右の眼前に配置された導光部材47R,47Lを介して、ユーザーは、外界を観察可能である。
[ケース部材の構成]
ケース部材32Rは、側面部312Rと組み合わされて上記収容空間を形成し、ケース部材32Lは、側面部312Lと組み合わされて上記収容空間を形成する。これらのうち、ケース部材32Rは、図7及び図8に示すように、上部ケース321、基板ホルダー322及び下部ケース323を有する。
なお、ケース部材32Lも、上部ケース321、基板ホルダー322(図示省略)及び下部ケース323を有するが、ケース部材32Rとケース部材32Lとは、鏡面対称となっている。
以下では、ケース部材32Rの各構成について説明し、ケース部材32Lの各構成については、ケース部材32Rの各構成と同様であるため、説明を省略する。
[上部ケースの構成]
上部ケース321は、画像投射部41を上方から覆う部材である。この上部ケース321は、上面部321Aと、当該上面部321Aにおけるユーザー側(左側)の端部から垂下して側面部312Rと対向する側面部321Bと、これら上面部321A及び側面部321Bに交差する背面部321Cと、を有する。
これらのうち、背面部321Cは、略中央に凹部3211を有する他、当該凹部3211を上下に挟む位置に、2つの孔部3212,3213を有する。
凹部3211は、側面部312Rの固定部3121を外部に露出させる凹部である。
孔部3212,3213のうち、上方に位置する孔部3212は、後述するテンプル6Rの外側カバー61R及び内側カバー62Rを挿通したねじが固定されるねじ孔であり、これにより、ケース部材32Rに外側カバー61R及び内側カバー62Rが固定される。この他、これら孔部3212,3213は、テンプル6Rとは異なる形状及び構成を有する他のテンプルをケース部材32Rに固定するねじが螺合するねじ孔でもある。
[基板ホルダーの構成]
基板ホルダー322は、上記鏡筒45を下方から覆うように当該鏡筒45に固定される部材である。この基板ホルダー322は、上面(鏡筒45と対向する面)における周縁から上方に向けて起立する起立部3221、及び、下面(鏡筒45とは反対側の面)における周縁より僅かに内側の部位から下方に向けて起立する起立部3222を有する。これらのうち、起立部3222によって囲まれる位置に、上記制御部46が配置される。
[下部ケースの構成]
下部ケース323は、基板ホルダー322を下方から覆うとともに、上部ケース321、基板ホルダー322及び側面部312Rと組み合わされて上記収容空間を構成する。この下部ケース323は、基板ホルダー322の外形形状と同様に、右側の端縁が側面部312Rに沿い、左側及び背面側の端縁が上部ケース321における左側及び背面側の端縁に沿う形状に形成されている。この他、下部ケース323における背面側の端部は、上方に向かって傾斜している。このような下部ケース323は、起立部3231及び固定部3232を有する。
起立部3231は、下部ケース323の底面(基板ホルダー322に対向する面)における周縁より僅かに内側の位置から上方に起立しており、当該周縁に沿って形成されている。この起立部3231のうち、下部ケース323の側面部312R側に位置する部位の外面は、下部ケース323が側面部312Rと接続された場合に、当該側面部312Rの内面における下端部と当接する。また、起立部3231のうち、側面部312R側とは反対側に位置する部位の外面は、下部ケース323が上部ケース321と組み合わされた際に、側面部321Bの内面における下端部と当接される。
また、下部ケース323と基板ホルダー322とが組み合わされた際に、起立部3231の内側に当該基板ホルダー322の上記起立部3222が配置される。これにより、上記制御部46が配置された空間は閉ざされることとなり、当該空間内への液体の浸入が抑制される。
固定部3232は、下部ケース323の背面側端部から上方に起立した部位である。この固定部3232には、孔部3233が形成されている。この孔部3233には、上部ケース321の孔部3213を挿通したねじが挿通し、当該ねじは、上記側面部312Rの孔部3124に固定される。
[撮像装置の構成]
撮像装置5は、上記のように、右側端部311Rに設けられている。この撮像装置5は、光学装置4Rの制御部46による制御の下で動作して、撮像画像を当該制御部46に出力する。なお、当該制御部46は、図示を省略するが、フロント部311に沿って配置される信号線を介して光学装置4Lの制御部46と接続されており、当該光学装置4Lの制御部46は、ケース部材32Lから外部に延出するケーブルCBを介して外部機器と接続されている。そして、撮像装置5による撮像画像は、当該外部機器に出力される。
[テンプルの構成]
図10及び図11は、テンプル6L,6Rのうち、テンプル6Rを分解したHMD1を示す斜視図である。これらのうち、図10は、当該HMD1を正面側上方から見た斜視図であり、図11は、当該HMD1を背面側下方から見た斜視図である。
テンプル6L,6Rは、HMD1を当該ユーザーの頭部に装着させる装着部材であり、画像表示部2を構成するケース部材32L,32Rにそれぞれ取り付けられる。これらテンプル6L,6Rは、ユーザーの耳に懸架される当接部67L,67R(左側当接部及び右側当接部に相当)が、頭部に対して接離する方向に移動可能に構成されている点に特徴の1つを有する。
このようなテンプル6L,6Rのうち、テンプル6Rは、図10及び図11に示すように、外側カバー61R、内側カバー62R、リンク機構63R、当接部67R及び減衰機構68を有する。なお、テンプル6Lも、外側カバー61L、内側カバー62L、リンク機構63L、当接部67L及び減衰機構68(図示省略)を有し、これら構成は、テンプル6Rと鏡面対称となっている。
以下、テンプル6Rが有する各構成について説明し、テンプル6Lの各構成については、テンプル6Rが有する各構成と同様であるので説明を省略する。
[外側カバーの構成]
図12は、外側カバー61Rを背面側上方から見た斜視図であり、図13は、当該外側カバー61Rを背面側下方から見た斜視図である。
外側カバー61Rは、内側カバー62Rと組み合わされて上記ケース部材32R及び側面部312Rを覆う他、リンク機構63R及び減衰機構68を支持するカバー部材であり、本発明の支持部に相当する。この外側カバー61Rは、図12及び図13に示すように、それぞれHMD1の外装の一部を構成する外装部としての上面部61A、底面部61B、前面部61C、側面部61D及び背面部61Eを有する箱型形状に形成されている。
このような外側カバー61Rは、開口部611、突起部612、凹部613、軸部614及び孔部615を有する。
開口部611は、上記した各面部61A〜61Eにより端縁が形成されており、左側(ユーザー側)に開口している。この開口部611内には、ケース部材32Rに取り付けられた内側カバー62Rが嵌め込まれる。すなわち、内側カバー62R及びケース部材32Rは、外側カバー61R内に配置される。
突起部612は、図12に示すように、底面部61Bの内面における前側の部位に突設されている。この突起部612は、内側カバー62Rが上記開口部611内に挿入される際に、当該内側カバー62Rに形成された凹部629(図16参照)に嵌合される。
凹部613は、同じく底面部61Bの内面における後側の部位に、それぞれ中心が一致する円形及び長方形を組み合わせたような形状に形成されている。この凹部613には、後述する減衰機構68が取り付けられた内側カバー62Rが外側カバー61R内に収容された際に、当該減衰機構68が配置される。
軸部614は、図13に示すように、上面部61Aの内面に突設されており、当該軸部614の形成位置は、上記凹部613の中央に対応する位置となっている。この軸部614は、リンク機構63Rを構成する第1リンク64Rの孔部6411(図17参照)に嵌め込まれて、当該第1リンク64Rの回動軸(後述する回動軸AX1)となる。
孔部615は、背面部61Eに形成されており、当該孔部615には、外側カバー61Rをケース部材32Rに固定するねじ(図示省略)が挿通する。このねじは、上記上部ケース321の孔部3212を挿通して、側面部312Rの孔部3123に螺合する。すなわち、背面部61Eは、外側カバー61Rをケース部材32Rに固定する固定部として機能する。
なお、外側カバー61Rにおける前面部61Cは、右側端部311Rと同様に、上方から見て緩やかな円弧状に形成されており、当該前面部61Cは側面部61Dと連続して形成されている。このような外側カバー61Rの円弧状部分には、略矩形の開口部616が形成されており、当該開口部616を介して当該右側端部311Rに配置された上記撮像装置5が露出される。このような撮像装置5は、本実施形態では左側端部311L(図5参照)には設けられていないため、テンプル6Lを構成する外側カバー61Lには、このような開口部616は形成されていない。
[内側カバーの構成]
図14〜図16は、内側カバー62Rを示す斜視図である。詳述すると、図14は、内側カバー62Rを右側で、かつ、背面側上方から見た斜視図であり、図15は、内側カバー62Rを左側で、かつ、背面側上方から見た斜視図である。また、図16は、内側カバー62Rを右側で、かつ、正面側下方から見た図である。
内側カバー62Rは、上記のように、外側カバー61Rと組み合わされて支持部として機能する。この他、内側カバー62Rは、リンク機構63Rを構成する第2リンク65Rと、減衰機構68とを支持する。この内側カバー62Rは、図14〜図16に示すように、上面部62A、底面部62B、側面部62C及び背面部62Dを有する箱型形状に形成されている。これらのうち、側面部62Cは、外側カバー61RとともにHMD1の外装の一部を構成する外装部に相当する。
このような内側カバー62Rは、開口部621〜623、ガイド孔624、支持部625、固定部626、開口部627、固定部628、凹部629及び配置部620を有する。
開口部621は、図14及び図16に示すように、上記各面部62A〜62Dによって端縁が形成され、右側(外側カバー61R側)に開口する開口部である。この開口部621を介して、ケース部材32Rが内側カバー62R内に収容される。
開口部622は、図14〜図16に示すように、上面部62Aに位置する。この開口部622は、リンク機構63Rにおいて上記外側カバー61Rの軸部614に上端が嵌め込まれた第1リンク64Rの回動可能範囲に応じて形成されている。
開口部623は、図14及び図16に示すように、底面部62Bに位置する。この開口部623は、第1リンク64Rの下端が挿通される開口部である。
ガイド孔624は、図14〜図16に示すように、側面部62Cに位置し、第1リンク64Rの延出部644と第2リンク65Rの本体部651とが挿通するスリット状の孔部である。このガイド孔624は、第1リンク64R及び第2リンク65Rのそれぞれの回動可能範囲に応じて前後に長く形成されている。換言すると、第1リンク64R及び第2リンク65Rの回動可能範囲は、当該ガイド孔624又は開口部622の端縁によって規定される。
支持部625は、第2リンク65Rを支持する部位であり、内側カバー62R内において後側の部位に設けられている。この支持部625は、上下に対向する一対の平面部6251,6252と、各平面部6251,6252に形成された孔部6253,6254及び傾斜部6255,6256と、を有する。
これらのうち、孔部6253,6254は、第2リンク65Rの上端及び下端がそれぞれ挿入される孔部である。これら孔部6253,6254により、第2リンク65Rが上下方向に沿う回動軸(後述する回動軸AX2)を中心として回動可能に支持される。
傾斜部6255,6256は、孔部6253,6254に対する第2リンク65Rの軸部652の挿入しやすさを考慮した傾斜部であり、それぞれ孔部6253,6254に対して右側、すなわち、開口部621の開口側に形成されている。これら傾斜部6255,6256は、各孔部6253,6254に近接するに従って傾斜部6255,6256間の上下方向の寸法が小さくなるように傾斜している。これにより、ロッドスプリングによって構成された第2リンク65Rの軸部652の上下端を当該各孔部6253,6254に挿入しやすくしている。
固定部626は、上記平面部6251に形成された孔部6261と、当該平面部6251に対して固定部3121の上下方向の寸法分だけ下方に離間した位置に形成されたねじ孔6262とを有し、ケース部材32Rが取り付けられた側面部312Rの固定部3121に内側カバー62Rを固定する部位である。この固定部626において、上側に位置する孔部6261には、ねじS1(図6参照)が挿通し、当該ねじS1は、上記固定部3121を挿通した後、下側に位置するねじ孔6262に螺合する。これにより、固定部3121に、内側カバー62Rが固定される。
開口部627は、固定部626に対応して上面部62Aに形成されている。この開口部627は、ケース部材32Rを覆う内側カバー62Rの固定部626が固定部3121に対して位置合わせされた状態で、当該固定部626,3121にねじS1を上方から挿入するための開口部である。
固定部628は、図14及び図15に示すように、背面部62Dに位置し、内側カバー62Rをケース部材32R(上部ケース321)に固定する部位である。この固定部628は、孔部6281及び凹部6282を有する。
孔部6281は、背面部62Dを前後方向に沿って貫通する孔部であり、ケース部材32R(上部ケース321)と組み合わされた内側カバー62Rに外側カバー61Rが組み合わされた場合に、孔部3212(図7参照),615に応じた位置に形成されている。この孔部6281には、孔部615を挿通したねじ(図示省略)が挿通し、当該ねじは、孔部3212を挿通して孔部3123(図7参照)に螺合する。これにより、外側カバー61R及び内側カバー62Rが、ケース部材32Rに固定される。
凹部6282は、背面部62Dにおいて孔部6281の周囲に略矩形状に形成されている。この凹部6282には、内側カバー62Rに外側カバー61Rが組み合わされる際に、当該外側カバー61Rの背面部61E(図12参照)が嵌め合わされる。
凹部629及び配置部620は、図16に示すように、底面部62Bの外面に位置する。
凹部629は、底面部62Bにおいて前側の部位に略矩形状に位置する。この凹部629には、内側カバー62Rと外側カバー61Rとが組み合わされる際に、上記突起部612が挿入される。これにより、内側カバー62Rに外側カバー61Rを仮固定できる。
配置部620は、底面部62Bの外面において後側の部位に位置する凹部である。具体的に、配置部620は、上記開口部623に応じた位置に形成されている。この配置部620内には、開口部623を介して底面部62Bの外面側に突出する第1リンク64Rと係合する減衰機構68が配置される。この配置部620の底部には、円筒状の突部6201が設けられている。
[リンク機構の構成]
図17及び図18は、テンプル6Rのうち、リンク機構63R、当接部67R及び減衰機構68を示す斜視図である。これらのうち、図18は、当接部67Rを分解した斜視図である。
リンク機構63Rは、外側カバー61R及び内側カバー62Rに一端側が回動可能に支持されて、他端に取り付けられた当接部67Rと、支持部として機能する外側カバー61R及び内側カバー62Rとを接続する接続部として機能する他、当該当接部67R全体を左右に移動させて、テンプル6Lの当接部67L(換言すると右側頭部)に対して近接及び離間させるものである。このリンク機構63Rは、図17及び図18に示すように、第1リンク64R、第2リンク65R及び付勢部66Rを備える。
[第1リンクの構成]
第1リンク64Rは、外側カバー61R及び内側カバー62Rにおける略中央に位置し、上下方向に沿う回動軸AX1(図19及び図20参照)を中心として、当該外側カバー61Rの軸部614及び内側カバー62Rに固定される減衰機構68に回動可能に取り付けられる。この第1リンク64Rは、対向部641,642、接続部643及び延出部644を有する。
対向部641,642は、上下方向に沿って互いに対向している。
上側に位置する対向部641は、接続部643とは反対側の端部に、上方から見て略円形状の孔部6411を有する。この孔部6411には、上記軸部614が挿入される。
下側に位置する対向部642は、同じく接続部643とは反対側の端部に、上方から見て孔部6411に対応する位置に長円形状の孔部6421を有する。この孔部6421には、後述する減衰機構68の軸部682が挿入される。
このように、孔部6411,6421に軸部614,682が挿入されることにより、第1リンク64Rが、回動軸AX1(図19及び図20参照)を中心として回動可能に支持され、ひいては、第1リンク64Rの前方及び後方(後述する−D1方向及び+D1方向)への回動が可能となる。
接続部643は、上下方向に沿って延出して、対向部641,642における左側の端部間を接続する。このため、第1リンク64Rにおいて対向部641,642及び接続部643によって形成される部位は、上下方向においてケース部材32Rを挟む横向きの略U字状をなしている。
延出部644は、接続部643において対向部641,642の接続側の面とは反対側の面から突出するように、対向部641,642と略平行に延出している。この延出部644の先端部には、図18に示すように、突出部6441が上下に突出している。これら突出部6441は、当接部67R内に形成された孔部6721,6731に挿入され、これにより、第1リンク64Rと当接部67Rとが一体化される。
[第2リンクの構成]
第2リンク65Rは、側方から見て横向きの略T字状に形成されている。この第2リンク65Rは、一端が上記支持部625によって回動可能に支持され、他端が当接部67Rと接続されている。このような第2リンク65Rは、棒状に構成された本体部651と、当該本体部651の一端に位置する軸部652と、他端に位置する突出部653と、を有する。
これらのうち、軸部652は、上下方向に突出するように設けられている。この軸部652は、上記のように上下に伸縮可能なロッドスプリングによって構成され、上端が上記支持部625の孔部6253に挿入され、下端が孔部6254に挿入される。これにより、第2リンク65Rが、当該軸部652により形成される回動軸AX2(図19及び図20参照)を中心として回動可能に支持部625に支持され、ひいては、第2リンク65Rの前方及び後方(後述する−D2方向及び+D2方向)への回動が可能となる。
突出部653は、上下方向に突出するようにそれぞれ形成されている。これら突出部653は、当接部67R内に形成された孔部6722,6732に挿入され、これにより、第2リンク65Rと当接部67Rとが一体化される。
[付勢部の構成]
付勢部66Rは、第2リンク65Rの回動可能範囲において当該第2リンク65Rの突出部653側の端部(当接部67R側の端部)が前方側(−D2方向側)に位置するように、ひいては、当接部67R全体が前方側で、かつ、他方のテンプル7L側及び頭部側に位置するように、第2リンク65Rを付勢する。この付勢部66Rは、本実施形態では、巻回部661,662、接続部663及びアーム664,665を有するねじりコイルばねによって構成されている。
巻回部661,662は、それぞれ、線材をコイル状に巻回した部位である。これらのうち、巻回部661は、軸部652において上方に突出する部位を巻回するように配置され、巻回部662は、軸部652において下方に突出する部位を巻回するように配置されている。
接続部663は、巻回部661,662を接続する部位であり、横向きの略U字状に形成されている。この接続部663は、上記本体部651の側面のうち、後側の側面に当接される。
アーム664,665は、巻回部661,662における接続部663側とは反対側の端部から前方に延出している。これらアーム664,665が、内側カバー62Rに固定されることによって、本体部651に当接される接続部663が、当該本体部651に対して前方(−D2方向)への付勢力を作用させる。
[当接部の構成]
当接部67Rは、ユーザーの頭部(側頭部及び後頭部)に当接され、当該ユーザーの耳に懸架される。この当接部67Rは、リンク機構63Rの第1リンク64R及び第2リンク65Rと接続されている。そして、当接部67R全体は、各リンク64R,65Rの前方への回動とともに、前側で、かつ、テンプル6L(換言すると右側頭部)に近い位置に移動され、当該各リンク64R,65Rの後方への回動とともに、後側で、かつ、テンプル6Lから離れた位置に移動される。このような当接部67Rは、挟持部材671と、当該挟持部材671によって挟持される当接片674と、を有する。
挟持部材671は、上方及び下方に位置する一対の挟持片672,673によって構成されている。この挟持部材671は、図17に示すように、各挟持片672,673の凹部によって形成されて、上記第1リンク64Rの端部(突出部6441側の端部)が挿入される開口部6711を有する。また、挟持部材671は、各挟持片672,673の凹部によって形成されて、上記第2リンク65Rの端部(突出部653側の端部)が挿入される開口部6712を有する。
挟持部材671を構成する一対の挟持片672,673のうち、下方に位置する挟持片673は、図18に示すように、開口部6711を介して挿入された第1リンク64Rにおける下側の突出部6441が挿入される孔部6731を有する。また、挟持片673は、開口部6712を介して挿入された第2リンク65Rにおける下側の突出部653が挿入される孔部6732を有する。
また、詳しい図示を省略するが、上側に位置する挟持片672にも、第1リンク64Rにおける上側の突出部6441が挿入される孔部6721と、第2リンク65Rにおける下側の突出部653が挿入される孔部6722と、が形成されている。
更に、挟持部材671は、図17に示すように、上記一対の挟持片672,673によって形成される挟持部6713を、後方側の端部に有する。この挟持部6713は、当接片674を挟持する。
なお、挟持部材671は、外側(テンプル6Lから離間する側)に円弧状に湾曲した湾曲部6714を略中央に有する。この湾曲部6714は、ユーザーがHMD1を頭部に装着する際に、人差し指等の指を掛ける指掛け部であり、当接部67R,67Lを互いに離間する方向に移動させて、上記寸法L1を広げやすくする部位である。
当接片674は、ユーザーの頭部において当該当接片674の配置側の側頭部及び後頭部の形状に合わせた円弧状に湾曲した板状体であり、当該側頭部及び後頭部に当接されて耳に懸架される。この当接片674の上下方向(当接片674の幅方向)の寸法、及び、左右方向(当接片674の厚さ方向)の寸法は、挟持部材671のそれぞれの寸法より小さく設定されている。このような当接片674は、当該側頭部及び後頭部に直接当接される部位であるため、側頭部側の端面にクッション等の弾性部材が設けられていてもよい。
また、当接片674だけでなく、挟持部材671の一部も頭部に当接されてもよい。
このような当接部67Rは、第1リンク64R及び第2リンク65Rと組み合わされることにより、当該第2リンク65Rに作用する付勢部66Rの付勢力により、上記のように、前方側に位置するように付勢される。すなわち、当該付勢力によって、当接部67Rにおける当接片674が、ユーザーの頭部側に近接する方向に付勢される。
[減衰機構の構成]
テンプル6Rを構成する減衰機構68は、図17及び図18に示すように、第1リンク64Rの対向部642と係合する。この減衰機構68は、第2リンク65Rに作用する付勢部66Rの付勢力によって当接片674が頭部側に近接する方向に移動する際に、当該第2リンク65Rに挟持部材671を介して接続された第1リンク64Rの回動力(当接部67Rの移動力)を減衰させて、当該当接片674の急激な移動を抑制する。
このような減衰機構68は、本体部681と、当該本体部681から突出する軸部682と、一対の孔部683と、を有する。
これらのうち、軸部682は、上記対向部642の孔部6421に挿入される。この軸部682は、上記回動軸AX1(図19及び図20参照)、すなわち、第1リンク64Rの回動軸AX1と同軸上の回動軸を中心として回動可能に本体部681に支持されている。この軸部682の回転抵抗によって、上記付勢力による第1リンク64Rの回動力が減衰される。
一対の孔部683は、本体部681において、上方から見て軸部682を挟む位置に形成されている。これらのうち、一方の孔部683は、上記内側カバー62Rの配置部620に突設された突部6201が挿入され、これにより、軸部682の回動に伴う本体部681(減衰機構68)の回動が防止される他、配置部620に減衰機構68が位置決めされる。
[HMD装着時のテンプルの動作]
図19及び図20は、テンプル6Rの当接部67Rの移動状態を示す平面図である。具体的に、図19は、当接部67R全体がテンプル6Lに対して最も近接する第1位置に位置する状態を上方から見た図であり、図3に示した状態から外側カバー61Rの図示を省略したテンプル6Rを拡大して示す図である。また、図20は、当接部67R全体がテンプル6Lに対して最も離間する第2位置に位置する状態を上方から見た図であり、図4に示した状態から外側カバー61Rの図示を省略したテンプル6Rを拡大して示す図である。
上記構成のテンプル6Rでは、当接部67Rは、以下のように移動される。
HMD1が頭部HEに装着されていない状態では、図19に示すように、第2リンク65Rは、上下方向に沿う回動軸AX2を中心とする回動方向である+D2方向及び−D2方向(+D2方向とは反対方向)のうち、当該第2リンク65Rの回動可能範囲において前方に向かう−D2方向に付勢部66Rによって付勢されている。このため、当該第2リンク65Rと組み合わされた当接部67R全体は、前側に位置する。この際、当接部67Rと組み合わされた第1リンク64Rも、上下方向に沿う回動軸AX1を中心とする回動方向である+D1方向及び−D1方向(+D1方向の反対方向)のうち、当該第1リンク64Rの回動可能範囲において前方に向かう−D1方向側に位置する。この状態では、当接部67R全体は、テンプル6L及び頭部に対して最も近接する第1位置に位置する。また、図示を省略するが、テンプル6Lにおいても同様に、当接部67L全体は、付勢部の付勢力によってテンプル6R及び頭部に対して最も近接する第1位置に位置する。
各当接部67L,67R全体が第1位置に位置する状態は、上記寸法L1(図3及び図4参照)が最も短い状態であり、当該状態での寸法L1は、本実施形態では、子供の頭部に合わせて128mmに設定されている。
なお、このような第1リンク64R及び第2リンク65Rの回動可能範囲は、内側カバー62において扇状に形成されて内側に第1リンク64Rの一部が配置される開口部622の端縁、又は、ガイド孔624の端縁によって設定される。第1リンク64L及び第2リンク65Lも同様である。
各当接部67L,67R全体が第1位置に位置する状態から、上記湾曲部6714に掛けられた左右の指等によって当該各当接部67L,67Rに対して互いに離間する方向に力が加わると、テンプル6Rにおいては、各リンク64R,65Rが、当該各リンク64R,65Rの回動可能範囲において後方に向かう+D1,+D2方向に、それぞれ回動される。この場合、図20に示すように、当接部67R全体が、後方で、かつ、テンプル6Lから離間した位置に移動される。また、図示を省略するが、テンプル6Lにおいても同様に、各リンク64L,65Lが当該各リンク64L,65Lの回動可能範囲において後方に向かう方向にそれぞれ回動されると、当接部67L全体が、後方で、かつ、テンプル6Rから離間した位置に移動される。
このようにして、当接部67L,67R全体を最も後方で、かつ、他方のテンプルから最も離間させた際の当該当接部67L,67Rの位置が第2位置であり、これら当接部67L,67R全体を第2位置に位置させた状態が、上記寸法L1が最も長くなる状態となる。この状態での寸法L1は、本実施形態では、頭部が比較的大きな大人に合わせて170mmに設定されている。
このように、テンプル6L,6Rは、各当接部67L,67Rが上記第1位置から上記第2位置までの範囲で移動可能に構成されている。
なお、図3及び図4に示すように、当接部67L,67Rは、第1位置から第2位置に向かうに従って第1リンク64R,64Lとの係合位置を中心として回動するため、当該第2位置での当接部67L,67R(当接片674)は、反対側のテンプルに対して開いた状態(+Z方向に対する傾斜角が大きい状態)となる。しかしながら、これに限らず、各当接部67L,67Rは回動せずに平行移動されてもよい。
そして、テンプル6L,6Rによって挟まれる位置に頭部を配置し、各当接部67L,67Rを互いに離間させる方向の力を弱めると、テンプル6Rにおいては、付勢部66Rの付勢力によって、各リンク64R,65Rがそれぞれ−D1,−D2方向に回動される。これにより、当該頭部の右側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における右側の部位)に当接部67R(当接片674)が当接される。また、テンプル6Lにおいても当接部67L(当接片674)も同様に移動されて、当該頭部の左側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における左側の部位)に当接される。換言すると、各当接部67L,67R全体は、頭部に当接するまで、当該頭部に近接する方向に移動される。
これら当接部67L,67Rには、付勢部(当接部67Rにおいては付勢部66R)による付勢力が作用されるので、当該各当接部67L,67Rによって頭部が挟持される。なお、上記のように、当該付勢力による各当接部67L,67Rの移動の際には、上記減衰機構68によって移動力が減衰されるので、各当接部67L,67Rの急激な移動が抑制される。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るHMD1によれば、以下の効果を奏することができる。
右側支持部として機能する外側カバー61R及び内側カバー62Rは、第1リンク64R及び第2リンク65Rを支持し、ひいては、当該リンク64R,65Rに接続された当接部67R(対象当接部)を支持する。これらリンク64R,65Rによって、当該当接部67Rの全体が、それぞれ上記した第1位置及び第2位置の間で移動可能となる。同様に、左側支持部として機能する外側カバー61L及び内側カバー62Lは、第1リンク64L及び第2リンク65Lを支持し、ひいては、これらリンク64L,65Lに接続された当接部67L(対象当接部)を支持する。これらリンク64R,65Rによって、当該当接部67Rの全体が、それぞれ上記した第1位置及び第2位置の間で移動可能となる。
これら当接部67L,67R全体がそれぞれ第1位置に位置する場合の当接部67L,67R間の左右方向における寸法L1より、第2位置に位置する場合の当該寸法L1は、大きくなる。これによれば、当接部67L,67R間にユーザーの頭部が位置することによって、これら当接部67L,67Rを、左右方向の大きさが異なる頭部の大きさに応じた位置(側頭部)に確実に当接させることができる。従って、頭部の大きさによって当該頭部と各当接部67L,67Rとの接触面積が変化することを抑制でき、当該接触面積を略一定に維持できるので、HMD1を頭部に安定して装着させることができる。
なお、当接部67L,67Rのうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が頭部に対して近接及び離間する方向に移動可能であることにより、上記効果を奏することができる。
ここで、頭部の大きさはユーザーによって異なるが、当該頭部の大きさは、左右方向の寸法だけでなく前後方向の寸法もユーザーによって異なる。すなわち、頭部の左右方向の寸法と前後方向の寸法とは、比例関係にある。このため、顔の位置が同じである場合には、後頭部の位置や耳の位置は、頭部の大きさに応じて後側にずれることとなる。左右の当接部67L,67Rは、側頭部から後頭部にかけて当接する湾曲形状を有することから、これら当接部67L,67R全体が左右方向においてのみ移動される構成では、当該当接部67L,67Rを側頭部に当接させることはできるものの、当該側頭部及び後頭部に適切に当接させづらい場合がある。また、左右の当接部67L,67Rはユーザーの耳に懸架されるものであるので、上記当接部67L,67R全体が左右方向においてのみ移動される構成では、適切に耳に懸架しづらい場合がある。
これに対し、上記当接部67Rは、それぞれ上下方向に沿う回動軸AX1(第1回動軸),AX2(第2回動軸)を中心として回動可能に支持された第1リンク64R及び第2リンク65Rに接続されている。同様に、当接部67Lは、それぞれ上下方向に沿う回動軸を中心として回動可能に支持された第1リンク64L及び第2リンク65Lに接続されている。これによれば、各リンク64L,65L,64R,65Rの回動によって、各当接部67L,67R全体を左右方向及び前後方向に移動させることができる。このため、各リンク64L,65L,64R,65Rを前側に回動させることによって、各当接部67L,67R全体を前側で、かつ、他方の当接部及び頭部に対して近接する位置に移動させることができる。また、各リンク64L,65L,64R,65Rを後側に回動させることによって、当接部67L,67R全体を後側で、かつ、他方の当接部及び頭部に対して離間する位置に移動させることができる。これにより、前後及び左右の大きさがそれぞれ異なるユーザーの頭部に応じて左右の当接部67L,67R全体を移動させることができる。従って、左右の当接部67L,67R全体を頭部において適切な位置に当接させやすくすることができるので、HMD1を頭部に安定して装着させやすくすることができる。
なお、当接部67L,67Rのうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が左右だけでなく前後にも移動可能となるので、上記効果を奏することができる。
テンプル6Rは、当接部67R全体が上記第1位置に位置する回動方向に、第2リンク65Rを付勢する付勢部66Rを有する。また、図示を省略したが、テンプル6Lも、当接部67L全体が上記第1位置に位置する回動方向に、第2リンク65Lを付勢する付勢部を有する。これによれば、当接部67L,67Rは、各付勢部(例えば付勢部66R)によって、上記寸法L1が小さくなる方向に付勢される。このため、各当接部67L,67Rが頭部に当接した状態を維持でき、各当接部67L,67Rによって頭部を挟持できる。従って、HMD1を頭部に一層安定して装着させることができる。
なお、当接部67L,67Rのうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が頭部側に付勢されるので、上記効果を奏することができる。
テンプル6Rは、付勢部66Rによる付勢力を減衰させる減衰機構68を有する。また、図示を省略したが、テンプル6Lは、付勢部による付勢力を減衰させる減衰機構68を有する。これによれば、各減衰機構68によって、上記付勢力が強い場合でも、当接部67L,67Rが急激に移動することを抑制できる。従って、当接部67L,67Rを緩やかに頭部に当接させることができる。
テンプル6Rにおいて、それぞれ右側支持部として機能する外側カバー61R及び内側カバー62Rは、互いに組み合わされる。これらのうち、外側カバー61Rは、HMD1の外装の一部を構成する外装部としての上面部61A、底面部61B、前面部61C、側面部61D及び背面部61Eを有し、また、内側カバー62Rは、当該外装部としての側面部62Cを有する。これによれば、画像表示部2の外側に、リンク機構63R、当接部67R及び減衰機構68が設けられた各カバー61R,62Rを取り付けることによって、上記効果を奏することができるHMD1を構成できる。従って、HMD1の製造工程を簡略化できる。テンプル6Lにおいても同様である。
外側カバー61R及び内側カバー62Rにおいて、それぞれ外装部として機能する上面部61A、底面部61B、前面部61C、側面部61D、背面部61E及び側面部62Cは、画像表示部2を構成するケース部材32Rの側方、上方及び下方を覆う。これによれば、ケース部材32Rを挟むように各カバー61R,62Rを取り付けることによって、上記効果を奏するHMD1を簡易に構成できる。また、ケース部材32Rの上下及び左右が覆われることによって、HMD1の強度を高めることができる。
HMDを頭部に装着する際に、ユーザーは、比較的細い部位を掴んで装着することが多い。これに対し、当接部67Rにおいて後方に位置する当接片674は、本体部となる挟持部材671より細い。これによれば、ユーザーに掴むべき位置を把握させやすくすることができる。従って、HMD1を装着させやすくすることができる。
子供の頭部における左右方向の寸法は、略128mmであり、頭部が比較的大きな大人の頭部における左右方向の寸法は、略170mmである。
これに対し、外側カバー61L及び内側カバー62L、並びに、外側カバー61R及び内側カバー62Rは、第1リンク64L,64R及び第2リンク65L,65Rによって、各当接部67L,67R間の左右方向における寸法L1を、128mm以上、170mm以下の範囲となるように、各当接部67L,67R全体を移動可能に支持する。これによれば、子供から大人まで、幅広いユーザーの頭部にHMD1を安定して装着させることができる。従って、HMD1の汎用性を一層向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るHMDは、上記HMD1と同様の構成及び機能を有するが、テンプルの構成が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図21〜図24は、本実施形態に係るHMD1Aの外観を示す図である。詳述すると、図21及び図22は、HMD1Aを正面側上方及び背面側下方からそれぞれ見た斜視図である。また、図23は、左側テンプル72L及び右側テンプル72R間の寸法L2が最も縮小された状態のHMD1Aを上方から見た平面図であり、図24は、当該寸法L2が最も拡大された状態のHMD1Aを上方から見た平面図である。
本実施形態に係るHMD1Aは、図21〜図24に示すように、テンプル6L,6Rに代えてテンプル7を有する他は、上記HMD1と同様の構成及び機能を有する。そして、HMD1Aは、図23及び図24に示すように、テンプル7を構成する右側テンプル72R及び左側テンプル72Lの各当接部726全体が互いに離間する方向に移動可能に構成され、各当接部726全体間の寸法L2がユーザーの頭部に大きさに応じて調整されることによって、当該頭部の大きさに依らずに装着可能に構成されている点を特徴の1つとしている。この寸法L2は、上記寸法L1と同様に、左右の当接部726における特定部位間の寸法ではなく、或る位置に移動された各当接部726において左右方向に互いに最も離間した部位間の寸法である。
以下、テンプル7の構成について説明する。
[テンプルの構成]
図25は、テンプル7を構成するカバー部材71を分離したHMD1Aを示す斜視図である。
テンプル7は、上記テンプル6L,6Rと同様に、ユーザーの頭部にHMD1A(画像表示部2)を装着させる装着部材であり、画像表示部2(フレーム本体31及びケース部材32L,32R)を上方から覆うように、当該画像表示部2に取り付けられる。このテンプル7は、図25に示すように、カバー部材71と、当該カバー部材71によって支持される左側テンプル72L及び右側テンプル72Rと、を有する。
そして、このようなテンプル7は、左側テンプル72L及び右側テンプル72Rにおいて、ユーザーの左右の側頭部に当接される各当接部74全体が、前後方向、並びに、テンプル72L,72Rのうち反対側のテンプル及び頭部に対して接離する方向に移動可能に構成されている。
[カバー部材の構成]
図26は、カバー部材71を正面側下方から見た斜視図である。
カバー部材71は、略U字状に形成されており、フロント部311及びケース部材32L,32Rを上方から覆うとともに側面部312L,312Rを外側から覆うように、当該ケース部材32L,32Rに固定される。
このようなカバー部材71は、図25及び図26に示すように、フロント部711、延出部712L,712R、側面部713L,713R、固定部714L,714R、凹部715、開口部716、第1軸部717L,717R及び第2軸部718L,718Rを有し、これらが一体的に形成されている。
フロント部711は、上記フレーム本体31のフロント部311を上方から覆う。
延出部712L,712Rは、フロント部711における左側端部及び右側端部から後方に延出している。これら延出部712L,712Rは、ケース部材32L,32Rの上面部(各上部ケース321の上面部321A)を上方から覆う。
側面部713L,713Rは、それぞれ、側面部312L,312Rを外側(ユーザーの頭部側とは反対側)から覆う。
すなわち、これらフロント部711、延出部712L,712R及び側面部713L,713Rは、HMD1Aの外装の一部を構成する外装部に相当する。
固定部714L,714Rのうち、固定部714Lは、図26に示すように、延出部712L及び側面部713Lのそれぞれの後端に位置し、固定部714Rは、延出部712R及び側面部713Rのそれぞれの後端に位置する。これら固定部714L,714Rは、左右の固定部3121に応じた孔部7141及びねじ孔7142を有する。そして、孔部7141及び固定部3121を下方から挿通したねじS2(図25参照)がねじ孔7142に螺合することにより、カバー部材71が、フレーム3(フレーム本体31及びケース部材32L,32R)に固定される。
凹部715は、図26に示すように、フロント部711における前面に形成され、フレーム本体31に支持された上記導光部材47L,47Rを露出させる。
開口部716は、上記撮像装置5を露出させる。
第1軸部717L,717Rは、延出部712L,712Rの下面に、それぞれ円筒状に突設されている。これらのうち、第1軸部717Lは、左側テンプル72Lの第1リンク731に挿入されて、当該第1リンク731の回動軸となる。同様に、第1軸部717Rは、右側テンプル72Rの第1リンク731に挿入されて、当該第1リンク731の回動軸AX3(図29及び図30参照)となる。このような第1軸部717L,717Rには、これら第1軸部717L,717Rの軸方向に沿うねじ孔7171がそれぞれ形成されている。
第2軸部718L,718Rは、延出部712L,712Rの下面において第1軸部717L,717Rより後方に、それぞれ円筒状に突設されている。これらのうち、第2軸部718Lは、左側テンプル72Lの第2リンク732に挿入されて、当該第2リンク732の回動軸となる。同様に、第2軸部718Rは、右側テンプル72Rの第2リンク732に挿入されて、当該第2リンク732の回動軸AX4(図29及び図30参照)となる。このような第2軸部718L,718Rにも、ねじ孔7181がそれぞれ形成されている。
すなわち、カバー部材71は、右側テンプル72Rを支持する右側支持部、及び、左側テンプル72Lを支持する左側支持部を構成するものである。
[右側テンプルの構成]
図27は、右側テンプル72Rを示す分解斜視図である。また、図28は、リンク機構721を構成する第1リンク731及び第2リンク732から当接部74を分離させた右側テンプル72Rを上方から見た平面図である。
右側テンプル72Rは、ユーザーの右側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部の右側の部位)に当接され、左側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における左側の部位)に当接される左側テンプル72Lとともに、当該ユーザーの頭部を挟持する。この右側テンプル72Rは、図25、図27及び図28に示すように、リンク機構73、当接部74及び減衰機構68を有する。
[リンク機構の構成]
リンク機構73は、上記カバー部材71における延出部712Rの下面に取り付けられ、当接部74を支持するとともに、当該当接部74全体を移動させる。このリンク機構73は、第1リンク731、第2リンク732、ベース部材733及び付勢部734を有する。
[第1リンク及び第2リンクの構成]
第1リンク731及び第2リンク732は、それぞれ平板状に形成され、第1リンク731は前側に、第2リンク732は後側に、それぞれの延出方向が略平行となるように配置される。これら第1リンク731及び第2リンク732は、上記延出部712Rの下面に取り付けられるベース部材733に一端が回動可能に支持され、他端が当接部74と接続される。
このような第1リンク731は、両端に略円形状の孔部7311,7312を有し、第2リンク732も、両端に略円形状の孔部7321,7322を有する。
これらのうち、各リンク731,732において同じ側に位置する孔部7311,7321には、ベース部材733の円筒部7331,7332が挿入され、これにより、第1リンク731及び第2リンク732は、当該ベース部材733に回動可能に支持される。
第1リンク731において孔部7312が位置する端部は、当接部74内に挿入され、孔部7312には、当接部74の孔部743に挿入される嵌合部材(図示省略)が挿入される。これにより、第1リンク731と当接部74とが組み合わされる。
第2リンク732において孔部7322には、減衰機構68の軸部682が挿入される。そして、第2リンク732において孔部7322が位置する端部、及び、当該減衰機構68は、当接部74内に挿入される。そして、減衰機構68が当接部74内に固定されることにより、第2リンク732と当接部74とが、減衰機構68を介して組み合わされる。
このような第1リンク731では、当接部74との接続側の端部が前側に屈曲している。一方、第2リンク732では、ベース部材733による支持側の端部が後側に屈曲している。そして、それぞれの屈曲部分の屈曲方向は、略平行となっており、各リンク731,732において屈曲部分を除く部位も、略平行となっている。これらは、カバー部材71及び当接部74内に、各リンク731,732を収容しやすくするための構成である。
なお、第1リンク731は、上記孔部7311,7312の他、当該孔部7311が位置する側の端部に、外側に突出する取付部7313を有する。この取付部7313には、付勢部734の一端が取り付けられる。
[ベース部材の構成]
ベース部材733は、第1リンク731、第2リンク732及び付勢部734を支持し、上記カバー部材71の延出部712Rにおける下面に取り付けられる。このベース部材733は、図27及び図28に示すように、ボス様の円筒部7331,7332、挿通孔7333,7334、取付部7335及び起立部7336,7337を有する。
円筒部7331は、第1リンク731の孔部7311に挿入され、当該第1リンク731の回動軸(回動軸AX3)を構成する。また、円筒部7332は、第2リンク732の孔部7321に挿入され、当該第2リンク732の回動軸(回動軸AX4)を構成する。
挿通孔7333は、円筒部7331の軸方向に沿って当該円筒部7331を貫通する孔部であり、挿通孔7334は、円筒部7332の軸方向に沿って当該円筒部7332を貫通する孔部である。そして、挿通孔7333を下方から挿通したねじ(図示省略)が、第1軸部717Rのねじ孔7171に螺合し、挿通孔7334を下方から挿通したねじ(図示省略)が、第2軸部718Rのねじ孔7181に螺合することによって、ベース部材733は、上記延出部712Rの下面に取り付けられる。これにより、当該延出部712Rは、右側テンプル72Rの第1リンク731及び第2リンク732を、上下方向に沿う回動軸を中心として回動可能に支持する。
取付部7335は、ベース部材733の側面のうち当接部74側とは反対側の側面から外側に突出している。この取付部7335は、鉤状に形成されたフックであり、当該取付部7335には、付勢部734の他端が取り付けられる。
起立部7336,7337のうち、起立部7336は、ベース部材733の前側の端部に位置し、起立部7337は、左側の端部に位置する。この起立部7336に、前側に回動された第1リンク731が当接されることにより、当該第1リンク731の前方への回動可能範囲が規定される。同様に、起立部7337に、後側に回動された第1リンク731が当接されることにより、当該第1リンク731の後方への回動可能範囲が規定される。
[付勢部の構成]
付勢部734は、本実施形態では、引張ばね(引張コイルばね)によって構成され、上記のように、一端が第1リンク731の取付部7313に取り付けられ、他端がベース部材733の取付部7335に取り付けられる。このような付勢部734によって、第1リンク731は、当該第1リンク731の回動可能範囲において、孔部7312側の端部が前方に移動する方向(後述する−D3方向)に付勢される。
[当接部の構成]
当接部74は、上記当接部67Rと同様に、ユーザーの頭部(側頭部及び後頭部)に当接され、当該ユーザーの耳に懸架される部材である。この当接部74は、第1リンク731及び第2リンク732と接続されている。そして、当接部74全体は、各リンク731,732の前方への回動とともに、前側で、かつ、左側テンプル72L及び頭部に近い位置に移動され、当該各リンク731,732の後方への回動とともに、後側で、かつ、左側テンプル72L及び頭部から離れた位置に移動される。このような当接部74は、本体部741と、当該本体部741によって支持される当接片745と、を有する。
本体部741は、第1リンク731及び第2リンク732と接続される部位である。この本体部741における各リンク731,732側の側面には、前後方向に長い挿入口742が形成されている。この挿入口742を介して、各リンク731,732における孔部7312,7322側の端部が本体部741内に挿入される。
本体部741の上面741Aには、孔部743,744が形成されている。これら孔部743,744には、本体部741内に挿入された各リンク731,732の孔部7312,7322に嵌合される嵌合部材(図示省略)が挿入される。これにより、第1リンク731及び第2リンク732と、当接部74(本体部741)とが組み合わされる。
当接片745は、本体部741から後方に延出しており、当該当接片745は、ユーザーの右側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における右側の部位)の形状に沿う湾曲形状を有する。すなわち、当接片745は、後方に向かうに従って左側テンプル72Lに近接する方向に湾曲している。このような当接片745は、後方に向かうに従って細くなるように形成されており、先端部(後側端部)に重心調整部746が設けられている。
重心調整部746は、本実施形態では、略四角柱状に形成されている。この重心調整部746が、HMD1Aのカウンターウェイトとして機能することによって、前方に重心が偏りがちなHMD1Aの重心位置を当該重心調整部746が無い場合に比べて後側にずらすことができ、装着感の向上及び疲労感の低減を図っている。この他、重心調整部746は、当接片745において太く形成されていることから、耳に懸架された当接片745のずれを抑制する。
[左側テンプルの構成]
左側テンプル72Lは、ユーザーの左側頭部及び後頭部に当接され、上記右側テンプル72Rとともに、当該ユーザーの頭部を挟持する。この左側テンプル72Lも、右側テンプル72Rと同様に、図25に示すように、第1リンク731、第2リンク732、ベース部材733及び付勢部734を有するリンク機構73と、当接部74と、減衰機構68(図25では図示省略)と、を有する。そして、左側テンプル72Lと右側テンプル72Rとは、鏡面対称に構成されている。
[HMD装着時のテンプルの動作]
図29及び図30は、右側テンプル72Rの当接部74の移動状態を示す平面図である。具体的に、図29は、当該当接部74全体が左側テンプル72Lや頭部に対して最も近接した状態を上方から見た平面図であり、図23に示した状態からカバー部材71の図示を省略して右側テンプル72Rを拡大した図である。また、図30は、当該当接部74全体が左側テンプル72L及び頭部に対して最も離間した状態を上方から見た平面図であり、図24に示した状態からカバー部材71の図示を省略して右側テンプル72Rを拡大した図である。なお、図30では、図示の都合上、付勢部734と取付部7313との係合を解除している。
上記構成の右側テンプル72Rでは、当接部74は、以下のように移動される。
HMD1Aが頭部に装着されていない状態、図29に示すように、第1リンク731は、上下方向に沿う回動軸AX3を中心とする回動方向である+D3方向及び−D3方向(+D3方向とは反対方向)のうち、当該第1リンク731の回動可能範囲において前方に向かう−D3方向に付勢部734によって付勢されている。このため、当該第1リンク731と組み合わされた当接部74全体は、前側に位置する。この際、当接部74と組み合わされた第2リンク732も、上下方向に沿う回動軸AX4を中心とする回動方向である+D4方向及び−D4方向(+D4方向の反対方向)のうち、当該第2リンク732の回動可能範囲において前方に向かう−D4方向側に位置する。この状態では、第1リンク731は、上記起立部7336に当接し、当接部74全体は、左側テンプル72L及び頭部に対して最も近接する第1位置に位置する。また、図示を省略するが、左側テンプル72Lにおいても同様に、当接部74全体は、付勢部の付勢力によって右側テンプル72R及び頭部に対して最も近接する第1位置に位置する。
各当接部74全体が第1位置に位置する状態は、上記寸法L2(図23及び図24参照)が最も短い状態であり、当該状態での寸法L2は、本実施形態では128mmに設定されている。
各当接部74が第1位置に位置する状態から、当接部74が外側に広げられて各リンク731,732が、それぞれ+D3,+D4方向に回動されると、図30に示すように、当接部74全体は、後方に移動するとともに、左側テンプル72L及び頭部から離間した位置に移動される。また、図示を省略するが、左側テンプル72Lにおいても同様に、各リンク731,732が当該各リンク731,732の回動可能範囲において後方に向かう方向にそれぞれ回動されると、当接部74全体は、後方に移動するとともに、右側テンプル72R及び頭部から離間した位置に移動される。
このようにして、右側テンプル72Rのリンク731,732をそれぞれ+D3,+D4方向にそれぞれ最も回動させ、同様に、左側テンプル72Lのリンク731,732を後方に最も回動させた際の各当接部74全体の位置が第2位置であり、これら当接部74全体のそれぞれを第2位置に位置させた状態が、上記寸法L2が最も長くなる状態となる。この状態では、第1リンク731は、上記起立部7337に当接しており、当該寸法L2は、本実施形態では170mmに設定されている。
このように、テンプル7は、各当接部74全体がそれぞれの上記第1位置からそれぞれの上記第2位置までの範囲で移動可能に構成されている。
これら当接部74に挟まれる位置に頭部を配置して、各当接部74を外側に開く力を弱めると、付勢部734の付勢力によって、右側テンプル72Rのリンク731,732が、それぞれ−D3,−D4方向に回動される。これにより、当該頭部の右側頭部及び後頭部に、右側テンプル72Rの当接部74(当接片745)が当接される。この際、左側テンプル72Lのリンク731,732も前側に回動されて、当接部74全体が頭部の左側頭部及び後頭部に当接される。換言すると、各当接部74全体は、頭部に当接するまで、当該頭部に近接する方向に移動される。
これら当接部74には、付勢部734による付勢力が作用されるので、当該各当接部74(当接片745)によって頭部が挟持される。本実施形態においても、付勢部734による各当接部74全体の移動の際には、上記減衰機構68によって移動力が減衰され、当該各当接部74の急激な移動が抑制される。
なお、各当接部74の移動は、上記した当接部67L,67Rとは異なり、上記第1位置から上記第2位置の間での平行移動である。しかしながら、これに限らず、各当接部74は、当該当接部67L,67Rと同様に、第1位置側から第2位置側に移動するに従って各当接部74の後端間の間隔が広がるように(第2位置側から第1位置側に移動するに従って当該間隔が狭まるように)、リンク731,732の一方(特に第1リンク731)との係合位置を中心として回動する構成としてもよい。これによれば、上記HMD1の場合と同様に、ユーザーの頭部が比較的小さい場合には、各当接部74の後端が内側に閉じ、当該頭部が比較的大きい場合には、各当接部74の後端が外側に開くので、それぞれの場合で各当接部74(当接片745)の頭部との接触面積を維持しやすくすることができる。このような各当接部74の回動は、例えば、第2リンク732より第1リンク731の寸法(ベース部材733との係合位置から当接部74との係合位置までの寸法)を大きくすることによって実現できる。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るHMD1Aによれば、上記HMD1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
左側支持部及び右側支持部として機能するカバー部材71は、右側テンプル72Rを構成する第1リンク731及び第2リンク732を支持し、ひいては、これらリンク731,732に接続された当接部74(対象当接部)を支持する。また、当該カバー部材71は、左側テンプル72Lを構成する第1リンク731及び第2リンク732を支持し、ひいては、これらリンク731,732に接続された当接部74(対象当接部)を支持する。そして、それぞれ対応するリンク731,732によって、各当接部74の全体が、上記した第1位置及び第2位置の間で移動となる。これら当接部74がそれぞれ第1位置に位置する場合の各当接部74間の左右方向における寸法L2より、第2位置に位置する場合の当該寸法L2は、大きくなる。これによれば、各当接部74間にユーザーの頭部が位置することによって、これら当接部74全体を、左右方向の大きさが異なる頭部の大きさに応じた位置(側頭部)に確実に当接させることができる。従って、頭部の大きさによって当該頭部と各当接部74との接触面積が変化することを抑制でき、当該接触面積を略一定に維持できるので、HMD1Aを頭部に安定して装着させることができる。
なお、左右の当接部74のうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が頭部に対して近接及び離間する方向に移動可能であることにより、上記効果を奏することができる。
右側テンプル72Rの当接部74は、それぞれ上下方向に沿う回動軸AX3(第1回動軸),AX4(第2回動軸)を中心として回動可能に支持された第1リンク731及び第2リンク732に接続されている。同様に、左側テンプル72Lの当接部74は、それぞれ上下方向に沿う回動軸を中心として回動可能に支持された第1リンク731及び第2リンク732に接続されている。これによれば、それぞれ対応するリンク731,732の回動によって、各当接部74全体を左右方向及び前後方向に移動させることができる。このため、各リンク731,732を前側に回動させることによって、各当接部74全体を前側で、かつ、他方の当接部及び頭部に対して近接する位置に移動させることができる。また、各リンク731,732を後側に回動させることによって、各当接部74全体を後側で、かつ、他方の当接部及び頭部に対して離間する位置に移動させることができる。これにより、前後及び左右の大きさがそれぞれ異なるユーザーの頭部に応じて左右の当接部74全体を移動させることができる。従って、左右の当接部74全体を頭部において適切な位置に当接させることができるので、HMD1Aを頭部に安定して装着させることができる。
なお、左右の当接部74のうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が左右だけでなく前後にも移動可能となるので、上記効果を奏することができる。
右側テンプル72Rは、当接部74全体が上記第1位置に位置する回動方向に、第1リンク731を付勢する付勢部734を有する。また、図示を省略したが、左側テンプル72Lも、当接部74全体が上記第1位置に位置する回動方向に、第1リンク731を付勢する付勢部734を有する。これによれば、各当接部74は、各付勢部734によって、上記寸法L1が小さくなる方向に付勢される。これにより、各当接部74が頭部に当接した状態を維持でき、各当接部74によって頭部を挟持できる。従って、HMD1Aを頭部に一層安定して装着させることができる。
なお、左右の当接部74のうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能に構成されている場合でも、当該他方の当接部全体が頭部側に付勢されるので、上記効果を奏することができる。
左側支持部及び右側支持部として機能するカバー部材71は、HMD1Aの外装の一部を構成する外装部としてのフロント部711、延出部712L,712R及び側面部713L,713Rを有する。そして、フロント部711及び延出部712L,712Rは、フレーム本体31のフロント部311及びケース部材32L,32Rを上方から覆い、側面部713L,713Rは、ケース部材32L,32Rを外側(側方)から覆う。これによれば、画像表示部2の外側に、左側テンプル72L及び右側テンプル72Rが設けられたカバー部材71を取り付けることによって、上記効果を奏することができるHMD1Aを簡易に構成できる。従って、HMD1Aの製造工程を簡略化できる。この他、カバー部材71が画像表示部2の上方及び側方を覆うので、HMD1Aの強度を高めることができる。
なお、左側テンプル72L及び右側テンプル72Rの一方のみがカバー部材71に設けられる場合でも、同様の効果を奏することができる。
上記のように、HMD1Aを頭部に装着する際には、ユーザーは、比較的細い部位を掴んで装着することが多い。これに対し、当接部74における当接片745は、本体部741の後方に設けられ、当該当接片745において重心調整部746を除く部分は、本体部741より細い。これによれば、ユーザーに掴むべき位置を把握させやすくすることができる。従って、HMD1Aを装着させやすくすることができる。
また、HMD1Aにおいては、ユーザーの眼に画像光を入射させる導光部材47L,47Rは当該ユーザーの眼前に配置することが多いため、重心位置が前側に偏りやすい。このような場合、装着されたHMD1が前側にずれやすくなるだけでなく、装着感が損なわれる。
これに対し、当接片745においてユーザーにとっての観察方向とは反対方向側、すなわち、後側に位置する重心調整部746が、カウンターウェイトとして機能するので、HMD1Aの前後のバランスを保ちやすくすることができる。従って、装着感が損なわれることを抑制できる他、ユーザーの疲労感を軽減できる。また、当該重心調整部746が、当接部74における後側の部位に太く形成されているので、当該当接部74(当接片745)がユーザーの耳から外れることを抑制できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るHMDは、上記HMD1Aと同様の構成を有するが、フレーム及びテンプルの構成が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図31及び図32は、本実施形態に係るHMD1Bの外観を示す斜視図である。これらのうち、図31は、当該HMD1Bを正面側上方から見た斜視図である。また、図32は、テンプル8の一部を分離させたHMD1Bを背面側上方から見た斜視図である。なお、図32では、図示の都合上、第1リンク831と付勢部834との係合を解除している。また、図32においては、遮蔽部材SDを省略している。
本実施形態に係るHMD1Bは、図31及び図32に示すように、遮蔽部材SD(図31)を有し、テンプル7に代えてテンプル8を有する他は、上記HMD1Aと同様の構成及び機能を有する。このテンプル8は、カバー部材81と、左側テンプル82L及び右側テンプル82Rと、を有する。なお、遮蔽部材SDの構成については、後に詳述する。
このテンプル8は、上記テンプル7と同様の機能を有し、当該テンプル8を構成する右側テンプル82R及び左側テンプル82Lの各当接部84全体が、他方のテンプル及びユーザーの頭部に対して最も近接する第1位置と、最も離間する第2位置との間で移動可能に構成されている。この他、テンプル8は、詳しくは後述するが、ユーザーの頭部の大きさに依らずに略一定の押圧力で頭部を挟持する機能を有する点と、より頭部の形状に沿うように構成されている点とを、それぞれ特徴の1つとして有する。
なお、本実施形態においても、各当接部84全体が第1位置に位置する状態での当接部84間の寸法は、128mmに設定され、上記第2位置に位置する状態での当接部84間の寸法は、170mmに設定されている。
以下、テンプル8の各構成について説明する。
[カバー部材の構成]
図33は、カバー部材81を正面側下方から見た斜視図である。
カバー部材81は、カバー本体811及び取付部材812を備えて構成されている。
カバー本体811は、上方から見て略U字状に形成されている。このカバー本体811は、上記カバー部材71と同様に、左側テンプル82L及び右側テンプル82Rを支持して、フレーム本体31及びケース部材32L,32Rの上方、及び、当該ケース部材32L,32Rの側面(ユーザーの頭部側とは反対側の側面)を覆うように、フレーム3に取り付けられる。
このようなカバー本体811は、図33に示すように、フロント部711、延出部712L,712R、側面部713L,713R、固定部714L,714R、凹部715、開口部716、ねじ孔7171を有する第1軸部717L,717R、及び、ねじ孔7181を有する第2軸部718L,718Rを有し、これらが一体的に形成されている。
なお、カバー本体811においては、後述する第1リンク831にそれぞれ挿入される第1軸部717L,717Rの位置は、上記カバー部材71における第1軸部717L,717Rの位置に比べて、ユーザーの頭部側に位置する。
取付部材812は、カバー本体811のフロント部711における背面側の端縁に沿って、当該カバー本体811に固定される。このような取付部材812は、当該端縁に沿って延びる延出部8121と、当該延出部8121の略中央に位置する挟持部8123と、遮蔽部材SDが回動可能に取り付けられる一対の取付部8124と、を有し、下方から見て略T字状に形成されている。
延出部8121は、取付部材812をカバー本体811に固定するねじ(図示省略)が挿通する複数の孔部8122を有する。
挟持部8123は、取付部材812がカバー本体811に取り付けられた際に、上記装着部3111に応じた位置に配置され、当該カバー本体811とともに装着部3111を上下に挟持する。なお、図示を省略するが、この挟持部8123における正面側の端面には、カバー本体811の突出部(図示省略)が挿入される凹部が形成されており、これらにより、カバー本体811に対する取付部材812の位置合わせが行われる。
また、挟持部8123における背面側の端面には、装着部3111に挿入されるノーズパッドNPの一部が挿通する開口部が形成されている。
取付部8124は、挟持部8123を挟むように一対設けられている。これら取付部8124は、延出部8121の延出方向に中心軸を有する略円筒状に形成されている。この取付部8124には、遮蔽部材SD(図34及び図35参照)が回動可能に取り付けられる。
[遮蔽部材の構成]
遮蔽部材SDは、上記遮蔽部材と同様に、導光部材47R,47Lを介してユーザーの両眼に入射される外光の少なくとも一部を遮蔽して外界を見づらくし、これにより、表示される画像の視認性を向上させるものである。この遮蔽部材SDは、図31に示すように、遮光部SD1及び支持部SD2を有する。本実施形態では、これら遮光部SD1及び支持部SD2は、それぞれ別の部材として構成され、これら部材が組み合わされて遮蔽部材SDが構成されている。しかしながら、これに限らず、遮蔽部材SDは、一体的に形成されていてもよい。
遮光部SD1は、導光部材47R,47Lを覆って、当該導光部材47R,47Lに入射する外光を遮蔽する部位であり、本実施形態では、所定の光透過率を有する材料によって形成されている。この所定の光透過率には、光を透過させない透過率0も含む。なお、遮光部SD1は、入射される光の少なくとも一部の透過を抑制できれば、構成及び材料は問わない。例えば、遮光部SD1は、入射光を一定の透過率にて透過させるフィルターを有する構成でもよく、偏光素子を有する構成でもよい。また、遮光部SD1は、入射光の光量に応じて透過率が変化する材料(例えばフォトクロミック材料)により少なくとも一部が形成されていてもよい。更に、遮光部SD1は、印加電圧に応じて光の透過率を調整可能なシャッター装置(例えば液晶シャッター)を有する構成としてもよい。
支持部SD2は、上記遮光部SD1を支持した状態にて、上記取付部8124(図33参照)に回動可能に取り付けられる部位である。この支持部SD2は、図31に示すように、左右方向(+X方向)に長い遮光部SD1の上端を把持する把持部SD3と、把持部SD3における左右方向の略中央から背面側に延出するアームSD4と、を有する。
図34及び図35は、カバー部材81(取付部材812)と、当該カバー部材81に取り付けられた遮蔽部材SDとを示す断面図である。これらのうち、図34は、遮蔽部材SDをユーザーの視方向上に配置した状態の断面図であり、図35は、当該視方向から外した位置に遮蔽部材SDを回動させた状態の断面図である。
アームSD4は、図34及び図35に示すように、取付部8124に回動可能に取り付けられ、把持部SD3、ひいては、遮光部SD1を移動させる部位である。このアームSD4は、把持部SD3から背面側に延出する第1延出部SD5と、当該第1延出部SD5における背面側の端部にて当該第1延出部SD5に対して略直交する第2延出部SD6と、当該第2延出部SD6に設けられた一対の取付部SD7と、を有する。
これらのうち、一対の取付部SD7のそれぞれは、断面視略U字状に形成されており、それぞれ対応する取付部8124を挟持する。これにより、遮蔽部材SDは、取付部8124を中心として上下に回動可能である。
このため、遮蔽部材SDを+E1方向に回動させることにより、図34に示すように、導光部材47L,47R(導光部材47Lは図示省略)が正面側にて遮光部SD1によって覆われる遮蔽状態と、図35に示すように、導光部材47L,47R(導光部材47Lは図示省略)が遮光部SD1によって覆われない非遮蔽状態とに切り替え可能である。換言すると、ユーザーの視方向上に遮光部SD1が位置することによって外界を遮蔽し、画像の視認性を高め、没入感を向上可能な遮蔽位置と、当該視方向上に遮光部SD1が位置しないことによって外界を観察可能な非遮蔽位置とに、遮蔽部材SDの位置を切り替えることができる。
ここで、図34及び図35に示すように、上記一対の取付部8124のそれぞれは、外周面に凹部8125,8126を有する。これら凹部8125,8126のうち、凹部8125は、当該取付部8124における上側の位置に形成され、凹部8126は、背面側の位置に形成されている。
一方、上記一対の取付部SD7のそれぞれは、対応する取付部8124に対向する面に、上記凹部8125,8126の一方に嵌合可能な突起SD8を有する。
そして、遮蔽部材SDが+E1方向に回動して、導光部材47L,47Rが上記遮蔽状態となったときに、突起SD8は、凹部8125に嵌合する。これにより、遮蔽部材SDは、導光部材47L,47Rを正面側にて覆う位置に位置決めされる。
また、遮蔽部材SDが−E1方向に回動して、導光部材47L,47Rが上記非遮蔽状態となったときに、突起SD8は、凹部8126に嵌合する。これにより、遮蔽部材SDは、導光部材47L,47Rを覆わない位置に位置決めされる。
なお、このような取付部8124,SD7の組合せは、一対でなくてもよく、取付部材812に取付部8124が1つ設けられ、遮蔽部材SDに取付部SD7が1つ設けられる構成としてもよい。すなわち、取付部8124,SD7の数は適宜変更可能であり、位置も適宜変更可能である。また、取付部8124が突起を有し、当該突起が嵌合可能な複数の凹部を取付部SD7が有する構成としてもよく、突起の位置や、凹部の位置及び数も適宜変更可能である。
更に、+X方向に沿う回動軸(遮蔽部材SDの回動軸)となる取付部8124の位置は、適宜変更可能であり、遮蔽部材SDがカバー部材81に回動可能に支持される支持構造も適宜変更可能である。例えば、遮蔽部材SDは、カバー部材81に着脱可能でなくてもよく、回動可能に連結されていてもよい。また、遮蔽部材SDにおける右側領域と左側領域とが、それぞれ独立して回動してもよく、この場合の回動軸は、左右方向(+X方向)に沿っていてもよく、上下方向(+Y方向)に沿っていてもよい。
[右側テンプルの構成]
図36は、右側テンプル82Rを上方から見た平面図である。なお、図36では、当接部84を構成する上側筐体部861を外した右側テンプル82Rを示している他、図示の都合上、第1リンク831と付勢部826との係合を解除している。
右側テンプル82Rは、図31及び図32に示したように、ユーザーの頭部に対して右側に位置し、当該ユーザーの右側頭部と後頭部の右側部分とに当接されて、左側テンプル82Lとともに当該頭部を挟持する。この右側テンプル82Rは、図36に示すように、右側テンプル72Rと同様に、リンク機構83、当接部84及び減衰機構68を備えて構成されている。
[リンク機構の構成]
リンク機構83は、上記カバー部材81における延出部712Rの下面に取り付けられ、当接部84全体を左側テンプル82L及び頭部に対して接離する方向に移動させる。このリンク機構83は、第1リンク831、第2リンク832、ベース部材833及び付勢部834を有する。
[第1リンク及び第2リンクの構成]
第1リンク831及び第2リンク832は、第1リンク731及び第2リンク732と略同じ形状に形成されている。すなわち、第1リンク831は、ベース部材833に対する回動中心となる第1リンク側第1回動部としての孔部7311と、当接部84に対する回動中心となる第1リンク側第2回動部としての孔部7312と、を有する。この第1リンク831は、孔部7311にベース部材833の円筒部7331が挿入されることによって、当該円筒部7331を中心として左側テンプル82L及びユーザーの頭部から離間する方向である+D5方向と、当該+D5方向とは反対方向(左側テンプル82L及び頭部に近接する方向)である−D5方向とに、上下方向に沿う回動軸AX5を中心として回動可能に、ベース部材833に支持される。
また、第2リンク832は、ベース部材833に対する回動中心となる第2リンク側第1回動部としての孔部7321と、当接部84に対する回動中心となる第2リンク側第2回動部としての孔部7322と、を有する。この第2リンク832は、孔部7321にベース部材833の円筒部7332が挿入されることによって、当該円筒部7332を中心として左側テンプル82L及びユーザーの頭部から離間する方向である+D6方向と、当該+D6方向とは反対方向(左側テンプル82L及び頭部に近接する方向)である−D6方向とに、上下方向に沿う回動軸AX6を中心として回動可能に、ベース部材833において第1リンク831より背面側の位置に支持される。
また、第1リンク831は、取付部7313に代えて、孔部7311側の端部から突出する取付部8313を有し、当該取付部8313には、付勢部834の一端が取り付けられる取付孔8314が形成されている。この取付部8313は、上記第1リンク731における取付部7313より突出量が大きくなっている。これは、第1リンク831の回動時に、付勢部834が当該第1リンク831に当たることを抑制するためである。この取付部8313において第2リンク832側の端縁には、凹部8315が形成されている。
更に、第2リンク832は、当接部84側の端部に、複数の歯により構成された噛合部8323を有する。この噛合部8323は、減衰機構68の軸部682に設けられて、当該軸部682とともに回動するギアである噛合部684と噛合する(図36においては、図示の都合上、噛合部8323,684が互いに噛合していないように見えるが、実際は互いに噛合している)。
これら第1リンク831及び第2リンク832では、各孔部7311,7312及び孔部7321の内側に、軸受BRが設けられており、これらリンク831,832の回動が円滑に行われるように構成されている。
[ベース部材の構成]
ベース部材833は、上記ベース部材733と同様に、第1リンク831、第2リンク832及び付勢部834を支持し、上記カバー部材81の延出部712Rにおける下面に取り付けられる。このベース部材833は、円筒部7331,7332、挿通孔7333,7334、取付部7335及び起立部8336を有する。
これらのうち、起立部8336は、ベース部材833によってそれぞれ支持された第1リンク831側から第2リンク832側に向かって直線状に延出した後、円筒部7332の一部を囲む円弧状に形成されている。この起立部8336は、起立部7336,7337と同様に、回動された各リンク831,832の一部(例えば、上記凹部8312)と当接して、当該各リンク831,832の回動範囲を規定する。
[付勢部の構成]
付勢部834は、上記付勢部725と同様に、引張ばね(引張コイルばね)によって構成され、一端が上記取付部8313(取付孔8314)に取り付けられ、他端が上記取付部7335に取り付けられる。これにより、付勢部834は、第1リンク831が+D5方向に回動された場合(当接部84全体がユーザーの頭部から離間する方向に第1リンク831が回動された場合)に、当該第1リンク831の回動方向とは反対方向(−D5方向)に回動させる付勢力を当該第1リンク831に作用させる。なお、付勢部834の付勢力に伴う頭部への当接部84の押圧力については、後に詳述する。
[当接部の構成]
当接部84は、上記当接部67R,74と同様に、ユーザーの頭部(側頭部及び後頭部)に当接され、当該ユーザーの耳に懸架される部材である。この当接部84全体は、接続された各リンク831,832の前方への回動とともに、前側で、かつ、左側テンプル82L及び頭部に近い位置に移動され、当該各リンク831,832の後方への回動とともに、後側で、かつ、左側テンプル82L及び頭部から離れた位置に移動される。このような当接部84は、本体部85、カバー88及び規制部材89を有する。
[本体部の構成]
図37は、リンク機構83及び本体部85を示す斜視図である。また、図38及び図39は、それぞれ背面側上方及び正面側下方から見た本体部85を示す分解斜視図である。
本体部85は、当接部84の主要部を構成する。この本体部85は、図37〜図39に示すように、接続部86及びテンプルフレーム87を有する。
[接続部の構成]
接続部86は、当接部84において第1リンク831及び第2リンク832と接続される部位である。この接続部86は、各リンク831,832の一部を上下から挟む一対の筐体部である上側筐体部861及び下側筐体部862が組み合わされて構成されており、これら筐体部861,862は、それぞれ合成樹脂により形成されている。そして、接続部86は、当該筐体部861,862に形成された凹部によって構成される開口部860を有し、当該開口部860内には、各リンク831,832の一部が挿入される。
上側筐体部861は、各リンク831,832を回動可能に支持する他、減衰機構68を支持する。この上側筐体部861は、図39に示すように、正面側に位置するボス8611と、背面側に位置するボス8612〜8615と、溝部8616と、を有する。
ボス8611は、下方に向かって突設されている。このボス8611は、第1リンク831の孔部7312内の軸受BRに挿入される。これにより、第1リンク831が当接部84(接続部86)に回動可能に支持される。
ボス8612は、リンク機構83側で、かつ、正面側に形成されている。このボス8612は、第2リンク832の孔部7322に挿入される。これにより、第2リンク832が当接部84(接続部86)に回動可能に支持される。すなわち、ボス8611,8612は、回動支持部に相当する。
ボス8613,8614には、上記減衰機構68が有する一対の孔部683を挿通するねじ(図示省略)がそれぞれ固定される。これらボス8613,8614は、上記ボス8611,8612から離間した位置に配置されている。すなわち、ボス8613,8614は、回動支持部に相当するボス8611,8612とは異なるボスであり、減衰機構支持部に相当する。
ボス8615には、下側筐体部862を挿通したねじが固定される。同様に、上記ボス8611,8612にも、下側筐体部862を挿通したねじが固定される。これにより、上側筐体部861と下側筐体部862とが組み合わされる。
溝部8616は、上側筐体部861においてリンク機構83側とは反対側の側面に位置し、当該溝部8616には、後述するカバー88の一部が挿入される。
下側筐体部862は、図38に示すように、上側筐体部861と組み合わされる他、一部に後述するカバー88が取り付けられる。この下側筐体部862は、ボス8621〜8623、溝部8624及び被覆部8625を有する。
ボス8621は、上記ボス8611とともに、第1リンク831の孔部7312内の軸受BRに挿入される。また、ボス8622は、上記ボス8612とともに、第2リンク832の孔部7322に挿入される。
ボス8623は、ボス8615に固定されるねじが下方から挿通する孔部を有する。なお、ボス8621,8622も、上記ボス8611,8612に固定されるねじが下方から挿通する孔部を有する。
溝部8624は、下側筐体部862においてリンク機構83側とは反対側の側面に位置する。この溝部8624は、挿入されたカバー88の正面側の一部を、溝部8616とともに係止する。
被覆部8625は、カバー88によって覆われる部位である。この被覆部8625は、テンプルフレーム87が固定される部位であり、当該被覆部8625は、テンプルフレーム87を挿通したねじ(図示省略)が固定される2つのねじ孔8626を有する。
[テンプルフレームの構成]
テンプルフレーム87は、本発明のフレーム部に相当し、図37に示すように、被覆部8625から背面側に延出するように、当該被覆部8625に固定される。このテンプルフレーム87は、可撓性を有する材料により円弧状に形成され、本実施形態では、金属により形成されている。このようなテンプルフレーム87は、固定部871、湾曲部873、延出部874及び被取付部875を有する。
固定部871は、テンプルフレーム87において接続部86(被覆部8625)に固定される部位である。この固定部871は、上記2つのねじ孔8626に応じた位置に2つの挿通孔872を有する。これら挿通孔872を挿通したねじが、当該ねじ孔8626に固定されることによって、テンプルフレーム87は、下側筐体部862(被覆部8625)に固定される。すなわち、固定部871は、接続部86に対するテンプルフレーム87の固定位置である。
湾曲部873は、上記固定部871近傍で、かつ、当該固定部871より背面側に位置し、左側テンプル82Lとは反対側に円弧状に湾曲している。この湾曲部873は、一部が被覆部8625における背面側の端部に当接しており、当該湾曲部873から背面側に延出する延出部874が撓む際の支点となる。このような湾曲部873が円弧状に湾曲していることにより、延出部874が撓みやすくなる他、支点となる湾曲部873の強度を高めることができる。
なお、このような湾曲部873は、テンプルフレーム87に1つだけでなく、複数設けられていてもよい。すなわち、テンプルフレーム87は、複数の湾曲部873を有する波状に形成されていてもよい。この場合、テンプルフレーム87(延出部874)を一層撓みやすく構成できる。
延出部874は、上記のように、接続部86から湾曲部873とともに背面側に延出する部位である。この延出部874は、背面側に向かうに従って他方のテンプルである左側テンプル82L側に円弧状に湾曲した形状を有する。そして、延出部874は、上記湾曲部873を支点として左側テンプル82Lと側とは反対側に撓むことができる。
被取付部875は、延出部874の先端に位置する。この被取付部875は、テンプルフレーム87において厚さ方向(頭部から離間する方向であり、延出部874の延出方向に交差する方向)の寸法が最も大きく形成されている。具体的に、被取付部875は、延出部874を左側テンプル82L(ユーザーの頭部)とは反対側に折り返した略U字状に形成されている。この被取付部875には、後述する規制部材89が取り付けられる。このような被取付部875は、第1係止部876及び第2係止部877を有する。
第1係止部876は、上記略U字状の先端に位置し、左側テンプル82L及びユーザーの頭部とは反対側に突出する段差形状に形成されている。この第1係止部876は、当該段差形状によって、延出部874の延出方向に交差する方向の寸法が大きくなっている。このような第1係止部876は、延出部874を覆うカバー88が取り付けられた際に、当該カバー88の端部を係止する。
第2係止部877は、第1係止部876と延出部874の折返部分との間に位置する。この第2係止部877は、被取付部875に取り付けられた規制部材89を係止する突出部である。
[カバーの構成]
図40及び図41は、当接部84をリンク機構83とは反対側から見た斜視図及び分解斜視図である。
カバー88は、テンプルフレーム87を覆うように本体部85に取り付けられ、ユーザーの頭部(側頭部から後頭部に掛けた部位)に接触する部材である。このカバー88は、図40及び図41に示すように、カバー本体880と、挿通口881、延出部882及び拡張部883と、を有する。
カバー本体880は、接続部86側から後方に向かうに従って外径が細くなる筒状に形成されている。
挿通口881は、カバー本体880の長手方向に沿って当該カバー本体880を貫通する孔部である。この挿通口881は、カバー88が本体部85に取り付けられる際に、テンプルフレーム87が挿通される。この際、テンプルフレーム87の上記被取付部875は、カバー88(カバー本体880)の背面側の端部から外側に露出される。この状態で、カバー88は、上記第1係止部876によって係止される。すなわち、カバー88は、テンプルフレーム87に対して挿抜されるようにして、本体部85に着脱可能である。
延出部882は、カバー本体880から正面側に延出した部位である。この延出部882は、接続部86の溝部8616,8624内に挿入されて係止される。
図42は、HMD1Bを下方から見た図である。
拡張部883は、カバー本体880から下方に垂下した部位である。この拡張部883は、ユーザーの側頭部と耳との間に配置されて、当該耳(例えば耳の付け根の上部)に載せられる部位であり、カバー88においてユーザーの頭部に接触する接触面積を拡大する部位でもある。すなわち、拡張部883は、当接部84の位置を安定させる位置安定部として機能する部位である。
この拡張部883は、図42に示すように、カバー本体880においてユーザーの側頭部側の部位に、下方に向かうに従って幅寸法(左右方向である+X方向に沿う寸法)が小さくなるように形成されている。このため、ユーザーの頭部のサイズに依らずに、拡張部883を側頭部に当接しやすい構成となっている他、ユーザーによって形状が異なる耳の付け根の上部に載せやすくなっている。更に、このような構成により、当接部84における後部(テンプルフレーム87及びカバー88が位置する部位)を曲げる場合であっても、拡張部883の存在によって曲げにくくなることが抑制されている。
なお、拡張部883は、下方に向かうに従って幅寸法が小さくなる略錐形状(略錐台形状)に形成されているが、当該幅寸法が略変化しない板状であってもよい。
図43は、ユーザーUSに装着されたHMD1Bを示す右側面図である。なお、図43においては、平均的な成人女性の頭部HEの形状及び耳EA1の位置を実線によって示し、当該成人女性より頭部が小さい子供の耳EA2の位置を点線によって示し、当該成人女性より頭部が大きい平均的な成人男性の耳EA3の位置を二点鎖線によって示している。
このような拡張部883は、図43に示すように、正面側から順に、傾斜部8831〜8834を下側外縁に有する。
傾斜部8831は、拡張部883において最も正面側に位置し、カバー本体880から後方に向かうに従って当該カバー本体80から離間するように傾斜した部位である。
傾斜部8832は、傾斜部8831における背面側端部から後方に向かうに従ってカバー本体880に近接するように傾斜した部位である。
傾斜部8833は、傾斜部8832における背面側端部から後方に向かうに従ってカバー本体880から離間するように傾斜した部位である。
傾斜部8834は、拡張部883において最も背面側に位置し、傾斜部8833における背面側端部から後方に向かうに従ってカバー本体880に近接するように傾斜した部位である。
なお、本実施形態では、傾斜部8832,8833は、一体の円弧状に形成されているが、それぞれ直線状であってもよい。
このような拡張部883においては、傾斜部8831における背面側端部が、カバー本体880からの下方への突出量が最も大きい部位であり、次いで、傾斜部8833における背面側端部が、カバー本体880からの下方への突出量が大きい部位である。すなわち、傾斜部8832における背面側端部は、傾斜部8831,8833のそれぞれにおける背面側端部より、カバー本体880からの突出量は小さい。
このようなカバー88を有するHMD1Bが、平均的な頭部の大きさを有する成人女性に装着される場合には、図43において実線で示す耳EA1の付け根の上部に、傾斜部8832における後方側の部位が当接する。
また、HMD1Bが、成人女性より頭部が小さい子供に装着される場合には、図43において点線で示す耳EA2の付け根の上部に、傾斜部8832における正面側の部位が当接する。
一方、HMD1Bが、成人女性より頭部が大きい平均的な成人男性に装着される場合には、図43において二点鎖線で示す耳EA3の付け根の上部に、傾斜部8833が当接する。
すなわち、ユーザーの頭部の大きさに依らずに、傾斜部8832,8833のいずれかの部位に、当該ユーザーの耳が当接するように、拡張部883は構成されている。
このような形状に拡張部883が形成されていることにより、頭部の大きさや耳の位置が異なる複数のユーザーがHMD1Bを装着する場合でも、当接部84を一定の配置状態(例えばユーザーの視方向と略平行となる配置状態)に維持しやすくすることができる。また、これにより、自然に前を見た場合に外界と画像光に基づく画像とを視認しやすい角度となる位置(例えば、視方向を水平方向に沿わせた場合にユーザーの眼に入射される画像光の光路と当該視方向との交差角が5°となる位置)に、光学装置4L,4R(特に導光部材47L,47R)を位置させやすくすることができる。
更に、当接部84がユーザーの視方向と略平行となるように配置できることから、テンプルフレーム87や後述する規制部材89によってHMD1Bの重心位置を、後方側に位置させやすくすることができる。このような効果は、当該視方向及び当接部84のそれぞれが略水平方向に沿う場合に、特に有効である。従って、ユーザーの頭部の形状や大きさに依らずに、ノーズパッドNPを介してユーザーの鼻に加わる荷重を低減できる。
加えて、上記のように、傾斜部8832,8833が一体の円弧状に形成されていることにより、耳との接触面積を拡大しやすくすることができる。
なお、上記説明では、拡張部883は、ユーザーの耳の付け根の上部に当接するとしたが、ユーザーの耳に当接すればよく、当該拡張部883が当接する耳の部位は問わない。更に、HMD1Bが頭部に安定して装着されるのであれば、当該頭部に対する拡張部883の接触位置は、耳でなくてもよい。
また、拡張部883は、上記傾斜部8831〜8834を有し、傾斜部8832,8833が一体の円弧状に形成されていた。しかしながら、これに限らず、傾斜部8831〜8834のそれぞれは、直線状でもよく円弧状でもよい。更に、拡張部883は、頭部(例えば耳)に当接可能な円弧状部位を複数有する構成でもよい。加えて、拡張部883は、後方に向かうに従ってカバー本体880からの突出量が小さくなる(細くなる)側面視略三角形状に形成されていてもよい。
このようなカバー88とテンプルフレーム87との間には、シール部材SMが配置される。このシール部材SMは、テンプルフレーム87とカバー88の内面との間に隙間が生じることを抑制するものであり、本実施形態では、カバー88の内部に設けられている。しかしながら、これに限らず、テンプルフレーム87の外面に設けてもよい。
[規制部材の構成]
規制部材89は、被取付部875に着脱可能に取り付けられる。この規制部材89は、被取付部875に取り付けられることによって、本体部85からのカバー88の脱落を規制し、また、被取付部875から取り外されることによって、本体部85からのカバー88の取り外しを可能とする。このような規制部材89は、被取付部875が挿入される開口部891を有し、当該開口部891の内面が上記第2係止部877によって係止されることによって、被取付部875からの意図しない脱落が抑制される。
[当接部による頭部への押圧力]
図44は、リンク機構83と当接部84とを拡大して示す平面図である。
右側テンプル82Rでは、付勢部834による−D5方向への付勢力によって、当該付勢部834と接続される第1リンク831を介して、当接部84は、左側テンプル82L及びユーザーの頭部に近接する方向に付勢される。この当接部84が頭部に当接した際に作用する押圧力は、第1リンク831の回動状態(換言すると、当接部84の位置)によって大きく変化せずに、所定の範囲内の値となるように、右側テンプル82Rは構成されている。
具体的に、図44に示すように、第1リンク831の回動中心(孔部7311の中心)から、取付部8313において付勢部834の一端が取り付けられる取付位置(取付孔8314)に向かう方向を、D7方向(第1方向)とすると、当該D7方向は、当接部84が上記第1位置と第2位置との間の範囲内に位置する際に、引張コイルばねである付勢部834の軸方向と交差する(略直交)する。換言すると、D7方向は、当該付勢部834の軸方向に沿い、かつ、上記取付孔8314からベース部材833の取付部7335に向かう方向であるD8方向(第2方向)に対して交差(略直交)する。
ここで、付勢部834による付勢力は、第1リンク831が+D5方向(当接部84が頭部から離間する方向)に回動して、付勢部834の伸長方向の寸法が大きくなるに従って大きくなる。すなわち、当該付勢力は、第1リンク831が+D5方向に回動するに従って大きくなる。
一方、取付部8313に上記D8方向に沿って作用して、第1リンク831を−D5方向に回動させるのに必要な力(必要回動力)は、上記D7方向とD8方向との交差角が大きくなるほど大きくなる。すなわち、当該必要回動力は、第1リンク831が+D5方向に回動するに従って大きくなる。
そして、第1リンク831の−D5方向への回動に伴って当接部84がユーザーの頭部を押圧する押圧力は、付勢部834による付勢力と、上記必要回動力とを合成した力である。すなわち、当該押圧力は、付勢部834による付勢力から当該必要回動力を減算した値である。
これによれば、第1リンク831の回動状態、すなわち、当接部84の位置に依らずに、当該当接部84による頭部への押圧力を一定の範囲内の値に設定できる。従って、当接部84の位置によって、当該当接部84が当接する頭部の大きさによって押圧力が変化することを抑制できる。
[左側テンプルの構成]
左側テンプル82Lは、図31及び図32に示したように、ユーザーの頭部に対して左側に位置し、当該ユーザーの左側頭部及び後頭部に当接されて、右側テンプル82Rとともにユーザーの頭部を挟持する。この左側テンプル82Lは、右側テンプル82Rと鏡面対称に構成されており、詳しい図示を省略するが、第1リンク831、第2リンク832、ベース部材833及び付勢部834を有するリンク機構83と、本体部85、カバー88及び規制部材89を有する当接部84と、減衰機構68と、を有する。
そして、左側テンプル82Lは、右側テンプル82Rと同様に動作する。そして、テンプル8は、上記テンプル7と同様に機能し、右側テンプル82R及び左側テンプル82Lが、頭部を挟持する。
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るHMD1Bによれば、上記HMD1,1Aと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
右側テンプル82Rにおいて、当接部84は、減衰対象リンクである第2リンク832を回動可能に支持する回動支持部としてのボス8612と、減衰機構68を支持する減衰機構支持部としてのボス8613,8614と、を有する。これらボス8612〜8614は、それぞれ異なる位置に配置され、減衰機構68及び第2リンク832は、互いに噛み合う噛合部684,8323を有する。これによれば、噛合部684,8323同士が噛合すれば、第2リンク832の回動力を減衰機構68に伝達できるので、当該第2リンク832が減衰機構68によって支持される場合に比べて、これらを係合しやすくすることができる。また、ボス8612〜8614が、上側筐体部861において互いに異なる位置に配置されていることにより、減衰機構68が第2リンク832を支持する場合に比べて、当該第2リンク832の回動に伴う減衰機構68の負荷を軽減できる。従って、HMD1Bの長寿命化を図ることができる。
なお、右側テンプル82Rと同様の構成を有する左側テンプル82Lも、上記と同様の効果を奏することができる。
当接部84は、第1リンク831及び第2リンク832のそれぞれの一部を上下方向に沿って挟む一対の筐体部(上側筐体部861及び下側筐体部862)を有し、回動支持部及び減衰機構支持部としてのボス8612〜8614は、上側筐体部861に位置する。これによれば、上側筐体部861に各リンク831,832及び減衰機構68を取り付けた後に、当該上側筐体部861に下側筐体部862を取り付けることによって、当接部84を構成できる。従って、当接部84の組立を簡略化できる。
付勢部834は、一端が付勢対象リンクである第1リンク831の取付孔8314と係合し、他端がベース部材833の取付部7335と係合する引張ばね(引張コイルばね)である。そして、第1リンク831は、当接部84が上記第1位置と上記第2位置との間の範囲内に位置する際に、ベース部材833に対する第1リンク831の回動中心(孔部7311の中心)から付勢部834の一端が係合する取付位置としての取付孔8314に向かう方向であるD7方向と、当該付勢部834の軸方向に沿うD8方向とは、交差する。これによれば、上記のように、第1リンク831の回動状態、すなわち、当接部84の位置に依らずに、上記押圧力を一定の範囲内の値とすることができる。すなわち、HMD1Bを装着するユーザーの頭部の大きさに依らずに、略一定の押圧力を当該頭部に付与できる。従って、頭部の大きさによって受けるユーザーの負荷を軽減できる。
第1リンク831は、第1リンク側第1回動部としての孔部7311と、当接部84に回動可能に支持される第1リンク側第2回動部としての孔部7312と、を有する。また、第2リンク832は、第2リンク側第1回動部としての孔部7321と、当接部84に回動可能に支持される第2リンク側第2回動部としての孔部7322と、を有する。これらのうち、孔部7311,7312,7321は、軸受BRを介して、ベース部材833及び当接部84に支持される。これによれば、各リンク831,832の回動による当該各リンク831,832、ベース部材833及び当接部84の摩耗を抑制できる他、当該各リンク831,832の回動を円滑に行うことができる。
当接部84は、本体部85と、当該本体部85に対して着脱可能に設けられて、本体部85の少なくとも一部を覆うカバー88と、を有する。これによれば、ユーザーの頭部に接触するカバー88を、必要に応じて交換することによって、当該HMD1Bを清浄な状態に保つことができる。
なお、このようなカバー88は、頭部に接触することから劣化が比較的進行しやすいと考えられる。このようにカバー88が劣化すると、HMD1Bの装着感が損なわれる可能性がある。これに対し、必要に応じてカバー88が交換されることにより、当該装着感が損なわれることを抑制できる。
これらの効果は、1つのHMD1Bを複数のユーザーが使用する場合に特に有効である。
本体部85は、第1リンク831及び第2リンク832と接続される接続部86と、一端が接続部86に固定されて、当該接続部86から延出するテンプルフレーム87と、を有する。このテンプルフレーム87は、上記のように、可撓性を有する。これによれば、テンプルフレーム87の可撓性によって、ユーザーの頭部の形状に合わせて当接部84を変形させることができる。従って、当該頭部に沿うように当接部84を配置できる他、HMD1Bの装着感を向上させることができる。
ここで、湾曲部873がない構成を想定すると、テンプルフレーム87が撓む場合、固定部871(接続部86との固定位置)に負荷が加わりやすい。このため、当該固定部871や、接続部86とテンプルフレーム87とを固定する固定構造が変形したり劣化したりする場合を考慮して、当該固定部871や固定構造を強化する必要がある。なお、本実施形態では、テンプルフレーム87は、接続部86に対してねじによって固定されているが、他の固定構造が採用される場合も同様である。
これに対し、テンプルフレーム87は、接続部86と固定される固定部871に対して、当該接続部86からのテンプルフレーム87の延出方向の先端側に位置する湾曲部873を有する。これによれば、テンプルフレーム87(延出部874)が撓む際に、当該テンプルフレーム87が撓む位置を湾曲部873に規定できるので、固定部871や上記固定構造を強化する必要がない。そして、当該湾曲部873が湾曲していることから、テンプルフレーム87の撓む位置の強度を高めることができる。更に、テンプルフレーム87が撓みやすくなることから、テンプルフレーム87、ひいては、当接部84を頭部の形状に沿うように変形させやすくすることができる。
当接部84は、テンプルフレーム87とカバー88との間にシール部材SMを有する。これによれば、テンプルフレーム87とカバー88との間に隙間が生じることを抑制できる。従って、カバー88が変形する等して、HMD1Bの装着感が損なわれることを抑制できる。
テンプルフレーム87は、金属により形成されている。これによれば、テンプルフレーム87、ひいては、当接部84の強度を高めることができる。この他、当該当接部84における背面側の部位が重くなるので、テンプルフレーム87にカウンターウェイトとしての機能を持たせることができる。従って、HMD1Bの装着感を向上させることができるだけでなく、当該HMD1Bを使用するユーザーの疲労感を軽減できる。
カバー88は、テンプルフレーム87が挿通される挿通口881を有する。また、当接部84は、挿通口881にテンプルフレーム87が挿通されたカバー88の脱落を規制する規制部材89を有する。これによれば、カバー88は、挿通口881をテンプルフレーム87が挿通するように装着されるので、当該カバー88をテンプルフレーム87、ひいては、本体部85に容易に装着できる。また、規制部材89によってカバー88の脱落が規制されるので、意図せずにカバー88が本体部85から脱落することを抑制できる。
テンプルフレーム87は、接続部86からのテンプルフレーム87の延出方向先端部に、規制部材89が取り付けられる被取付部875を有し、当該被取付部875は、テンプルフレーム87の他の部位より厚さ寸法が大きい。これによれば、被取付部875から規制部材89が脱落することを抑制でき、ひいては、テンプルフレーム87からカバー88が脱落することを確実に抑制できる。
被取付部875は、テンプルフレーム87(延出部874)の一部を、ユーザーの頭部に近接する側とは反対側に折り曲げて形成されている。これによれば、規制部材89の脱落を抑制できる被取付部875を簡易に構成できる。この他、当接部84における背面側の部位が重くなるので、当該被取付部875をHMD1Bにおけるカウンターウェイトとして機能させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るHMDは、上記HMD1と同様の構成を有するが、テンプルの構成が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図45は、本実施形態に係るHMD1Cが有するテンプル9を上方から見た図である。
本実施形態に係るHMD1Cは、図45に示すように、テンプル7に代えてテンプル9を備える他は、上記HMD1Aと同様の構成及び機能を有する。
[テンプルの構成]
テンプル9は、上記テンプル7と同様に、カバー部材91と、右側テンプル92R及び左側テンプル(図示省略)と、を有する。なお、左側テンプルは、図示を省略するが、右側テンプル92Rと鏡面対称に構成されていることから、当該左側テンプルについては、説明を省略する。
[カバー部材の構成]
カバー部材91は、上記カバー部材71と同様に、略U字状に形成されており、画像表示部2(ケース部材32L,32R)に取り付けられる。そして、カバー部材91は、フロント部311及びケース部材32L,32Rを上方から覆う他、側面部312L,312Rを外側から覆う。
このようなカバー部材91は、それぞれ外装部としてのフロント部711、延出部712L,712R及び側面部713L,713Rと、固定部714L,714R、凹部715及び開口部716と、を有する(図43では、延出部712L、側面部713L及び固定部714Lの図示は省略)。この他、カバー部材91は、伸縮部材921,922が配置されて、当該伸縮部材921,922を介して当接部923を支持する支持部としての配置部911,912を有する。
配置部911,912は、延出部712Rの下面に位置し、内部に伸縮部材921,922の一端がそれぞれ配置される孔部である。これら配置部911,912は、ユーザーの頭部側、すなわち、右側テンプル92Rを構成する当接部923側に開口している。
なお、図示を省略するが、延出部712Lの下面にも、左側テンプルを構成する当接部側に開口し、内部に伸縮部材921,922と同様の伸縮部材が配置される2つの配置部が位置する。
このように、カバー部材91は、右側テンプル92Rを支持する右側支持部、及び、左側テンプルを支持する左側支持部であるとともに、フレーム3(フレーム本体31及びケース部材32L,32R)の上方及び側方を覆ってHMD1Cの外装を構成する外装部を構成する。
[右側テンプルの構成]
右側テンプル92Rは、上記右側テンプル72R,82Rと同様に、ユーザーの右側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における右側の部位)に当接され、左側頭部及び後頭部(詳しくは後頭部における左側の部位)に当接される左側テンプルとともに、当該ユーザーの頭部を挟持する。この右側テンプル92Rは、上記配置部911,912内に一端が配置される伸縮部材921,922と、これら伸縮部材921,922に接続される当接部923と、を有する。
なお、上記のように、左側テンプルは、右側テンプル92Rと鏡面対称に構成され、当該右側テンプル92Rと同様に、伸縮部材921,922及び当接部923を有する。
伸縮部材921,922は、それぞれ、一端が配置部911,912内に配置され、他端が当接部923内に配置されて、これらカバー部材91と当接部923とを接続する。この伸縮部材921,922は、それぞれ伸縮することによって、カバー部材91に対して当接部923全体を接離する方向に移動可能とする他、当接部923全体をカバー部材91(延出部812R)から離間する方向、すなわち、ユーザーの頭部に近接する方向に付勢する。このような伸縮部材921,922は、本実施形態では、それぞれ圧縮コイルばね及び棒状部材が組み合わされたロッドスプリングにより構成されている。
当接部923は、上記当接部74,84と同様に、ユーザーの右側頭部及び後頭部に当接され、当該ユーザーの耳に懸架される部材である。この当接部923は、伸縮部材921,922と接続される本体部9231と、当該本体部9231に設けられた当接片745と、を有する。
本体部9231は、上記本体部741と同様に、ケース部材32R(上部ケース321の側面部321B)に対向配置される。この本体部9231は、上記伸縮部材921,922の他端が配置される孔部である配置部9232,9233を有する。
なお、伸縮部材921と伸縮部材922とは、それぞれ略平行に配置されるが、一端側(配置部911,912に配置される端部側であり、カバー部材91との係合位置側)から他端側(配置部9232,9233に配置される端部側であり、当接部923との係合位置側)に向かうに従って前方に位置するように、前後方向及び左右方向に対して傾斜して配置されている。なお、伸縮部材921,922は、更に、一端側から他端側に向かうに従って上方又は下方に位置するように、上下方向に対して傾斜して配置されてもよい。
このような右側テンプル92Rと、当該右側テンプル92Rに対して鏡面対称な左側テンプルとが、HMD1Cに設けられている。このため、右側テンプル92R及び左側テンプルのそれぞれの当接部全体を、カバー部材91の延出部712L,712Rに対して最も離間させた第1位置(頭部に最も近接した第1位置)から、当該延出部712L,712Rに対して最も近接させた第2位置(頭部から最も離間した第2位置)までの範囲で移動させることができる。これにより、当該HMD1Cが装着されるユーザーの頭部の大きさに依らずに、各当接部923を側頭部及び後頭部に適切な付勢力で当接させることができる。従って、ユーザーの頭部を各当接部923によって挟持することができ、HMD1Cを当該頭部に確実に装着させることができる。
なお、本実施形態では、各当接部923の移動は、上記第1位置から上記第2位置の間での平行移動である。しかしながら、これに限らず、各当接部923は、第1位置側から第2位置側に移動するに従って各当接部923の後端間の間隔が一層広がるように、伸縮部材921,922の一方との係合位置を中心として回動してもよい。
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るHMD1Cによれば、上記HMD1,HMD1A,HMD1Bと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
すなわち、右側支持部として機能するカバー部材91は、右側テンプル92Rを構成する伸縮部材921,922を支持し、ひいては、これら伸縮部材921,922に接続された当接部923(対象当接部)を支持する。また、左側支持部としても機能する当該カバー部材91は、図示を省略したが、右側テンプル92Rと鏡面対称に構成された左側テンプルを構成する伸縮部材921,922を支持し、ひいては、これら伸縮部材921,922に接続された当接部923(対象当接部)を支持する。そして、それぞれ対応する伸縮部材921,922によって、各当接部923全体が、上記した第1位置及び第2位置の間で移動可能となる。これら当接部923がそれぞれ第1位置に位置する場合の各当接部923間の左右方向における寸法より、第2位置に位置する場合の当該寸法は、大きくなる。これによれば、各当接部923間にユーザーUSの頭部が位置することによって、これら当接部923全体を、左右方向の大きさが異なる頭部の大きさに応じた位置(側頭部)に確実に当接させることができる。従って、頭部の大きさによって当該頭部と各当接部923との接触面積が変化することを抑制でき、当該接触面積を略一定に維持できるので、HMD1Cを頭部に安定して装着させることができる。
なお、左右の当接部923のうち、一方の当接部が固定され、他方の当接部全体が上記構成によって移動可能である場合でも、当該他方の当接部全体が頭部に対して近接及び離間する方向に移動可能であることにより、上記効果を奏することができる。
ここで、上記のように、HMDの重心は、比較的前側に位置する。このため、伸縮部材921,922が、一端側(カバー部材91との係合位置側)から他端側(当接部923との係合位置側)に向かうに従って後方に位置するように、前後方向及び左右方向に対して傾斜して配置されていると、HMDを装着した際にユーザーの頭部が当接部923を押し返す力の向きが前向きになってしまう。この場合、ユーザーが顔を下に向ける等した際に、HMDが頭部から前側に脱落する可能性がある。
これに対し、伸縮部材921,922は、上記一端側から上記他端側に向かうに従って前方に位置するように、前後方向及び左右方向に対して傾斜して配置されている。これによれば、ユーザーの頭部が当接部923を押し返す力の向きを後向きにすることができる。従って、HMD1Cが頭部から脱落することを抑制でき、当該HMD1Cを頭部に安定して装着させることができる。
また、当接部923が第1位置に位置する場合、当該当接部923は、他方の当接部926及びユーザーの頭部に近接する側で、かつ、前側に位置することとなる。そして、当接部923が第2位置に位置する場合、当該当接部923は、他方の当接部923及びユーザーから離間する側で、かつ、後側に位置することとなる。これにより、頭部の大きさに依らずに、各当接部923を側頭部及び後頭部に適切に当接させることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記第1実施形態では、画像表示部2に、左右のテンプル6L,6Rが設けられ、上記第2及び第3実施形態では、画像表示部2に取り付けられるカバー部材71,81に、左側テンプル72L,82L及び右側テンプル72R,82Rが設けられた。また、上記第4実施形態では、画像表示部2に取り付けられるカバー部材91に、左側テンプル及び右側テンプル92Rが設けられた。すなわち、画像表示部2の左右に、当接部が移動可能に設けられていた。しかしながら、これに限らず、ユーザーの頭部(側頭部)にそれぞれ当接される左右の当接部のうち、一方の当接部は固定され、他方の当接部が移動可能に設けられていてもよい。また、頭部における当接部の当接部位も、側頭部に当接すればよく、必ずしも側頭部から後頭部にかけた範囲でなくてもよい。更に、当接部は、耳に懸架されなくてもよい。
上記第1実施形態では、テンプル6L,6Rは、当接部67R,67L全体を左右方向及び前後方向に移動させる第1リンク64L,64R及び第2リンク65L,65Rを有するとした。上記第2及び第3実施形態では、テンプル7,8は、各当接部74,84全体を左右方向及び前後方向に移動させる第1リンク731,831及び第2リンク732,832を有するとした。上記第4実施形態では、テンプル9は、各当接部923全体を左右方向及び前後方向に移動させる伸縮部材921,922を有するとした。しかしながら、これらに限らず、ユーザーの頭部に当接される当接部を左右方向及び前後方向に移動させる構成は、例えばレール部材及びスライド部材の組合せ等、他の構成でもよい。更に、当接部は、全体が少なくとも頭部に対して接離する方向である左右方向に移動可能であれば、前後方向に移動しなくてもよく、上下方向に移動してもよい。
また、第1リンク64L,64R及び第2リンク65L,65Rと、第1リンク731,831及び第2リンク732,832と、伸縮部材921,922とは、それぞれ、画像表示部2において上側(ケース部材32R,32Lに対する上側)の部位に設けられていた。これに対し、これらは、画像表示部2において下側(ケース部材32R,32Lに対して下側)の部位や、略中央(上下方向におけるケース部材32R,32Lの略中央)の部位に設けられていてもよい。また、これらを支持する支持部の画像表示部2に対する位置も、適宜変更可能であり、例えばカバー部材71,81,91は、画像表示部2(フレーム3)を下側から覆うように、当該画像表示部2に設けられてもよい。
上記第1実施形態では、第1リンク64Rと第2リンク65Rとは、当接部67Rが第1位置に位置する場合に、外側カバー61R及び内側カバー62Rとの係合位置からの延出方向がそれぞれ平行であるとし、第1リンク64L及び第2リンク65Lも同様であるとした。上記第2及び第3実施形態では、右側テンプル72R,82Rをそれぞれ構成する第1リンク731,831と第2リンク732,832とは、当接部74,84が第1位置に位置する場合に、ベース部材733,833とのそれぞれの係合位置からの延出方向がそれぞれ平行であるとし、左側テンプル72Lを構成する第1リンク731,831及び第2リンク732,832も同様であるとした。上記第4実施形態では、右側テンプル92Rをそれぞれ構成する伸縮部材921,922は、それぞれ平行に配置されるとした。しかしながら、これに限らず、一方のリンクと他方のリンクとは、上側(又は下側)から見てそれぞれの延出方向(第1リンク731,831及び第2リンク732,832においては屈曲部分を除いた部分の延出方向)が平行であれば、上下にずれて配置されていてもよい。同様に、伸縮部材921,922も、一方が他方に対して上下にずれて配置されていてもよい。
上記第4実施形態では、伸縮部材921,922は、カバー部材91との係合位置から当接部923との係合位置に向かうに従って前側に位置するように傾斜して配置されるとした。しかしながら、これに限らず、伸縮部材921,922の配置は適宜変更可能である。例えば、伸縮部材921,922は、上記のように、カバー部材91との係合位置から当接部923との係合位置に向かうに従って後側に位置するように傾斜して配置されてもよい。
また、伸縮部材921,922は、互いに平行とならずに、これら伸縮部材921,922のうち一方が他方に対して傾斜するように配置されていてもよい。例えば、カバー部材91との係合位置から当接部923との係合位置に向かう方向が前側となるように前後方向及び左右方向に対して傾斜した伸縮部材921,922の配置状態において、伸縮部材921,922のうち一方の伸縮部材を、各伸縮部材921,922における当接部923側の端部間の間隔が、カバー部材91側の端部間の間隔より広がるように傾斜させて配置してもよい。この場合、これら伸縮部材921,922のうち少なくとも一方と当接部923との係合部が、当該当接部923に沿って前後方向に移動可能であれば、第2位置側への当接部923の移動の際に、各当接部923が平行移動される場合に比べて、当該各当接部923間の間隔が一層広がるように、当該当接部923を回動させつつ移動させることができる。
更に、当接部に接続される伸縮部材は、2つに限らず、1つでも3つ以上でもよい。
上記第1実施形態では、テンプル6L,6Rにおいて、当接部67L,67Rがユーザーの頭部に当接されるとした。上記第2〜第4実施形態では、テンプル7〜9において、ユーザーの左右に配置された各当接部74,84,923が当該ユーザーの頭部に当接されるとした。これら移動可能な当接部67L,67R,74,84,923に加えて、画像表示部2のフレーム3(フレーム本体31又はケース部材32L,32R)、外側カバー61L,61R又は内側カバー62L,62Rに固定されて、頭部における当接部67L,67R,74,84,923の当接部位とは異なる部位に当接する他の当接部を、HMDが備えていてもよい。このような他の当接部(当接部67L,67R,74,84,923を第1当接部とした場合の第2当接部)としては、画像表示部2のフレーム3、外側カバー61L,61R又は内側カバー62L,62Rから延出するアームを例示できる。また、当該他の当接部の当接部位としては、頭部において上記当接部67L,67R,74,84,923の当接部位より上側又は下側の部位を例示できる他、上記当接部67L,67R,74,84,923の当接部位より後側又は前側の部位を例示できる。このような他の当接部は、当接部67L,67R,726,923に応じて左右に設けられていてもよく、フレーム3(フロント部311)の略中央に設けられていてもよい。すなわち、当該他の当接部の配置位置は、適宜設定可能である。
上記各実施形態では、ノーズパッドNPは、ユーザーの鼻の大きさや形状に応じて複数用意され、当該ユーザーに適したノーズパッドNPが、装着部3111に装着されるとした。このようなノーズパッドNPの上下方向における位置(高さ位置)及び前後方向における位置(奥行き位置)のうち、少なくともいずれかを調整可能な調整機構を、上記HMD1,1A,1B,1Cが備えていてもよい。このような調整機構によれば、ユーザー毎に高さが異なる鼻に応じてノーズパッドNPを配置でき、装着感の向上及び疲労感の軽減を図ることができる。
上記第2〜第4実施形態では、カバー部材71,81,91は、固定部714L,714Rが側面部312L,312Rのそれぞれの後端に位置する固定部3121に固定されることによって、フレーム3に固定されるとした。このような固定方法に代えて、或いは、加えて、フレーム3に設けられた固定部材にカバー部材71,81,91が固定される固定方法を採用してもよい。このような固定部材として、フロント部311に沿うようにフレーム本体31に取り付けられる固定部材を例示できる。そして、当該固定部材におけるカバー部材71,81,91の固定位置としては、フロント部311における略中央の部位に応じた位置とすることができる他、固定部材が左側端部311L及び右側端部311R近傍に到達する程度の寸法(左右方向における寸法)を有している場合には当該固定部材における左右の端部近傍の位置とすることもできる。
また、カバー部材71,81,91は、左側支持部及び右側支持部を一体化した構成を有していなくてもよく、これら左側支持部及び右側支持部は、分離されていてもよい。例えば、カバー部材71,81,91における左右の部位を、右側カバー部材及び左側カバー部材として独立させてもよい。これらのうち、延出部712Rを有する右側カバー部材を右側支持部として利用でき、延出部712Lを有する左側カバー部材を左側支持部として利用できる。なお、これら右側カバー部材及び左側カバー部材にフロント部はなくてもよい。
上記第1実施形態では、付勢部(付勢部66R)は、第2リンク65L,65Rを付勢し、上記第2及び第3実施形態では、付勢部(付勢部734,834)は、第1リンク731,831を付勢するとした。しかしながら、これに限らず、付勢部は、各リンクに設けられていてもよく、1つの付勢部の付勢力が各リンクに作用してもよく、リンクを介して頭部に近接する方向に当接部を付勢する付勢部はなくてもよい。また、上記第1実施形態にて示したテンプル6L,6Rにおいて、付勢部は、第1リンクと係合して付勢する構成としてもよく、上記第2及び第3実施形態にて示したテンプル7,8において、付勢部734,834は、第2リンク732,832と係合して付勢する構成としてもよい。更に、左右の当接部のうち、一方の当接部に対してのみ上記付勢力が作用するように、付勢部を設けてもよい。すなわち、付勢部は左右の一方のみに設けられていてもよい。
また、付勢部66Rは、ねじりコイルばねによって構成され、付勢部734,834は、引張ばね(引張コイルばね)によって構成されるとした。しかしながら、これに限らず、上記付勢力を作用させる付勢部の構成は、他の構成でもよい。
上記各実施形態では、テンプル6L,6R,7,8,9は、減衰機構68のような減衰機構を有するとした。しかしながら、これに限らず、このような減衰機構はなくてもよい。また、減衰機構が係合する構成は、第1リンク及び第2リンクのいずれでもよく、減衰機構の位置は、上記第1実施形態のように、リンク機構側でもよく、当接部側でもよい。更に、当接部の移動力を減衰させる減衰機構の構成は、上記に限らず他の構成でもよい。例えば、第1リンク及び第2リンクの一方のリンクの回動軸に設けられたギア等の第1噛合部材と、当該第1噛合部材と噛合するギア等の第2噛合部材と、を有し、当該第2噛合部材の回動抵抗が第1噛合部材の回動抵抗より大きいことにより、第1噛合部材、ひいては、当該一方のリンクの回動力を減衰させて、当接部の移動力を減衰させる減衰機構を採用してもよい。
上記第1実施形態では、テンプル6L,6Rは、フレーム本体31の側面部312L,312R及びケース部材32L,32Rを覆う左側支持部及び右側支持部としての外側カバー61L,61R及び内側カバー62L,62Rを有するとした。また、上記第2〜第4実施形態では、テンプル7,8,9を構成する左側支持部及び右側支持部としてのカバー部材71,81,91は、フレーム本体31のフロント部311の前面部の一部及び側面部312L,312Rを上方及び側方から覆うとともに、ケース部材32L,32Rの上方を覆うとした。すなわち、外側カバー61L,61R、内側カバー62L,62R及びカバー部材71,81,91は、HMD1,1A,1B,1Cの外装の一部を構成する外装部を有するとした。しかしながら、これに限らず、HMDにおいて、ユーザーの頭部に当接される当接部を支持する左右の支持部が当該HMDの外装を構成する部位は、どこでもよい。
また、このような外側カバー61L,61R、内側カバー62L,62R及びカバー部材71,81,91は、なくてもよい。例えば、第1リンク64L,64R,731,831、第2リンク65L,65R,732,832及び伸縮部材921,922の少なくともいずれかは、フレーム本体31やケース部材32L,32Rに設けられていてもよい。
一方、ケース部材32L,32Rは無くてもよい。この場合、例えば外側カバー61L,61R及び内側カバー62L,62R内に上記画像投射部41が設けられていてもよく、カバー部材71,81,91に当該画像投射部41が取り付けられていてもよい。
上記第1実施形態では、当接部67L,67Rにおいて、挟持部材671から後方に延出してユーザーの頭部に当接される当接片674は、挟持部材671より細いとした。また、上記第2及び第4実施形態では、当接部74,923において、本体部741,9231から後方に延出する当接片745は、当該本体部741,9231より細いとした。しかしながら、これに限らず、当接部は、一定の太さを有する構成であってもよい。また、各リンク64L,64R,731,65L,65R,732及び伸縮部材921,922と接続される本体部が、当接片より細くてもよい。これらのことは、上記第3実施形態にて示した当接部84においてもいえる。
上記第2及び第4実施形態では、当接部74,923(当接片745)における後端(ユーザーが画像を観察する方向とは反対方向側の部位)を太く形成することによって、上記重心調整部746を構成した。しかしながら、これに限らず、このような重心調整部746はなくてもよい。また、重心調整部746が設けられる場合でも、当該重心調整部746の形状、太さ及び重さは適宜変更可能である。例えば、当接片745に重量物を配置することによって、当該重量物の配置部位を重心調整部として構成してもよい。この場合、重心調整部の太さは、当接片745における他の部位と同じであってもよく、細くてもよい。また、このような重量物としては、HMD(頭部装着型画像表示装置)の機能に必要な部品(例えば、電池、センサー、通信モジュール及び制御モジュール)を例示できる他、金属等の比重が大きい物質によって構成された重りであってもよい。例えば、当接片745が合成樹脂によって形成されている場合に、当該当接片745の一部を金属により形成して、当該一部を重心調整部として用いてもよい。更に、重心調整部の位置は、当接片の後端に限らず、どこでもよい。上記第2及び第4実施形態においては、当接部74,923における前側の位置に、当該当接部74,923において比較的重い本体部7261,9231が位置し、当該本体部7261,9231から後方に当接片745が延出しているので、当該当接片745のいずれの位置に重心調整部が位置していても、前側に偏りがちなHMDの重心位置を後側にずらすことができる。加えて、当接部67L,67Rの後端に、上記した重心調整部を設けてもよい。
上記各実施形態では、左右の当接部は、これら当接部間の左右方向における寸法L1,L2が128mm以上、170mm以下である範囲で移動可能に構成されているとした。しかしながら、これに限らず、当該範囲は適宜変更可能である。例えば、寸法L1,L2は、120mm以上の範囲であってもよく、180mm以下の範囲であってもよい。
上記第3実施形態では、接続部86内に配置される減衰機構68と第2リンク832とは、これらが有する噛合部684,8323にて噛合することによって係合するとした。しかしながら、これに限らず、上記テンプル7の場合と同様に、減衰機構68によって第2リンク832が支持されてもよい。また、このように互いに噛合する減衰機構及び第2リンクの構成を、テンプル7に採用してもよい。更に、右側テンプル及び左側テンプルのうち、一方のみが、互いに噛合する減衰機構及び第2リンクを有していてもよい。更に、減衰機構が係合するリンクは、第2リンクに限らず、第1リンクであってもよい。例えば、減衰対象リンクと付勢対象リンクとが、同一のリンクであってもよい。
上記第3実施形態では、当接部84の本体部85を構成する接続部86の上側筐体部861が、第2リンク832を回動可能に支持する回動支持部としてのボス8612と、減衰機構68を支持するボス8613,8614と、を有するとした。しかしながら、これに限らず、これらボス8612〜8614を下側筐体部862が有する構成としてもよい。この場合、下側筐体部862は、第2リンク832の孔部7322に挿入されるボス8622を有するので、当該ボス8613,8614に相当するボスを別途設ければよい。
更に、第1リンク831、第2リンク832及び減衰機構68を支持する構造を、上側筐体部861及び下側筐体部862のいずれかが有していればよい。
上記第3実施形態では、当接部84が上記第1位置と上記第2位置との間の範囲内に位置する場合に、上記D7方向と上記D8方向とが交差するとした。しかしながら、これに限らず、付勢部834の付勢力が第1リンク831に作用して、当該第1リンク831が−D5方向に回動されて、当接部84がユーザーの頭部に近接する方向に付勢されればよい。このことは、右側テンプル82R及び左側テンプル82Lのいずれにおいても同様である。
上記第3実施形態では、第1リンク831及び第2リンク832は、ベース部材833及び当接部84(上側筐体部861及び下側筐体部862)に軸受BRを介して支持されるとした。しかしながら、これに限らず、軸受BRはなくてもよい。また、当接部84が、軸受BRを介して第2リンク832を支持する構成としてもよい。更に、このような軸受BRは、テンプル6L,6R,7の各リンクに適用されてもよい。
上記第3実施形態では、当接部84は、本体部85と、当該本体部85の少なくとも一部を覆うカバー88と、を有するとした。しかしながら、これに限らない。このようなカバー88は無くてもよく、当接部84全体が覆われるカバーが設けられてもよい。また、このように当接部を覆うカバーを、他のテンプル6L,6R,7,9の当接部に採用してもよい。
上記第3実施形態では、当接部84の本体部85は、接続部86と、可撓性を有するテンプルフレーム87を有し、当該テンプルフレーム87を覆うようにカバー88が装着されるとした。しかしながら、これに限らず、テンプルフレーム87は、可撓性を有していなくてもよい。また、テンプルフレーム87に代えて、接続部86が背面側に延出する構成を採用してもよい。
更に、テンプルフレーム87は、金属製でなくてもよく、合成樹脂等の他の材料により形成されていてもよい。また、テンプルフレーム87とカバー88との間にシール部材SMはなくてもよく、隙間が形成されていてもよい。
上記第3実施形態では、テンプルフレーム87は、固定部871に対して当該テンプルフレーム87の延出方向先端側に湾曲部873を有するとした。しかしながら、これに限らず、湾曲部873はなくてもよい。また、テンプルフレーム87の撓みの支点とするのであれば、他の形状の支点部を設けてもよい。
上記第3実施形態では、カバー88は、テンプルフレーム87が挿通する挿通口881を有するとした。しかしながら、これに限らず、テンプルフレーム87にカバー88が確実に係止されるのであれば、テンプルフレーム87はカバー88を挿通しなくてもよく、規制部材89はなくてもよい。
また、カバー88は、ユーザーの右側頭部及び左側頭部に沿う形状に形成されて、それぞれ右側テンプル82R及び左側テンプル82Lのテンプルフレーム87に個別に取り付けられるとした。しかしながら、これに限らず、カバー88の形状は、ユーザーの後頭部や頭頂部に沿う円弧状に形成されていてもよい。例えば、カバーは、左右の当接部84の一部を覆うとともに、頭頂部に沿うように延出したヘッドバンド様(カチューシャ様)の形状に形成されていてもよい。この場合、当該カバーは、カバー88のようにユーザーの後方(背面側)に延出する部位を有していてもよい。また例えば、左右のカバー88に代えて、ユーザーの後頭部に沿う円弧状(略半円形状)のバンド様のカバーを採用してもよい。この場合、当該カバーの一端を右側の当接部84(例えばテンプルフレーム87)に取り付け、他端を左側の当接部84に取り付けてもよい。更に、これらヘッドバンド様のカバー、及び、バンド様のカバーにおいて、それぞれの長さを調整する長さ調整部を設けてもよく、ヘッドバンド様のカバーとバンド様のカバーとを組み合わせたカバーを採用してもよい。
上記第3実施形態では、規制部材89が取り付けられる被取付部875は、厚さ寸法がテンプルフレーム87における他の部位より大きいとした。しかしながら、これに限らず、規制部材89が容易に脱落しなければ、被取付部875の厚さ寸法は、適宜変更可能であり、他の部位と同じであってもよい。
更に、被取付部875は、延出部874の一部を外側(頭部に近接する側とは反対側)に折り返した構成でなくてもよく、上記重心調整部746のように、予め太く形成された部位であってもよい。
上記各実施形態では、当接部67L,67R、74,84,923は、それぞれ、上記第1位置から上記第2位置までの間で移動可能とした。これら当接部67L,67R,74,84,923は、第1位置から第2位置の間で段階的に移動されるように構成してもよい。また、それぞれの当接部67L,67R,74,84,923を、当該第1位置から第2位置の間の所望の位置で係止するロック機構(係止機構)が設けられていてもよい。このようなロック機構としては、例えば、上記リンク機構を構成する一対のリンクのうち、少なくとも一方のリンクの回動可能範囲内に当該リンクの回動方向に沿って少なくとも1つの凸部を設け、当該リンクに凹部を形成し、当該凸部が凹部に嵌まり込むことによって係止される機構としてもよい。或いは、当該ロック機構は、少なくとも一方のリンクの回動可能範囲内に当該リンクの回動方向に沿って少なくとも1つの凹部を設け、当該リンクに凸部を形成し、当該凸部が凹部に嵌まり込むことによって係止される機構としてもよい。このロック機構において、凸部及び凹部を有する構成は逆でもよい。また、当該ロック機構としては、伸縮部材の伸縮が段階的に行われる機構としてもよい。
上記各実施形態では、当接部67L,67R、74,84,923は、眼鏡のテンプルのように剛性を有する構成とした。これら当接部67L,67R、74,84,923に代えて、ユーザーの頭部に沿って変形可能な当接部を採用してもよい。このような当接部として、弾性変形可能な当接部や、フレキシブルアームのような柔軟性を有する当接部、及び、少なくとも一部が屈曲可能な当接部を例示できる。
上記各実施形態では、HMD1,1A,1B,1Cは、フレーム本体31と組み合わされて内部に画像投射部41を収容するケース部材32Rは、内部ケースとしての基板ホルダー322と、外部ケースをそれぞれ構成する上部ケース321及び下部ケース323と、を有するとした。しかしながら、これに限らず、例えば、ケース部材は一体化されていてもよく、基板ホルダー322は無くてもよい。また、これら各部材の構成も、上記に限らず、適宜変更可能である。ケース部材32Lにおいても同様である。
上記各実施形態では、画像情報に応じた画像光を投射する画像投射部41は、ケース部材32L,32R及び側面部312L,312Rによって形成される収容空間内に位置するとした。しかしながら、これに限らず、例えば、ケース部材32L,32Rの外部から光ファイバー等によって導光された画像光を、投射光学装置43が導光部材47L,47Rに投射する構成としてもよい。
上記各実施形態では、画像表示部2は、それぞれ画像投射部41から投射された画像光をユーザーの左右の眼に導く導光部材47R,47Lを採用した。しかしながら、これに限らず、画像光をユーザーの眼に入射させる構成は、当該ユーザーの眼前に配置される液晶パネルや有機ELパネル等の表示パネルであってもよい。すなわち、クローズド型のHMDに、本発明を適用することも可能であり、ユーザーによって視認可能に画像を表示できれば、当該画像の表示形式は問わない。導光部材47R,47Lに代えて、画像投射部41によって投射された画像をユーザーの眼に反射させる反射部材を採用してもよく、ホログラム素子や、回折格子といった半透過反射面を有する構成や、瞳分割型のように全反射ミラーを用いる構成を採用してもよい。
また、上記収容空間内に収容される部材は、画像投射部41及び制御部46でなくてもよく、これらのうち一方のみでもよい。更に、例えば、画像表示部2の動作に必要な制御回路や電源等、他の部材が当該収容空間内に配置されていてもよい。
上記各実施形態では、HMD1,1A,1B,1Cは、ユーザーの左右の眼に応じて配置される導光部材47R,47Lを備えるとした。しかしながら、これに限らず、1つの導光部材が、各画像投射部41から入射される画像光を、当該左右の眼に導く構成としてもよい。更に、光学装置4R,4Lのうち一方のみを備える構成としてもよい。
上記各実施形態では、撮像装置5は、フレーム本体31における右側端部311Rに1つ設けられているとした。しかしながら、これに限らず、撮像装置5の位置及び数は、適宜変更可能である。例えば、撮像装置5は、左側端部311Lに設けられていてもよく、左側端部311L及び右側端部311Rのそれぞれに設けられていてもよい。更に、撮像装置5は、右側端部311R及び左側端部311Lとは異なる位置、例えば、フレーム本体31の中央や、側面部312R,312L、或いは、ケース部材32R,32Lに設けられていてもよい。
上記各実施形態では、光学装置4L,4Rを構成する制御部46は、画像投射部41の動作(例えば、画像形成装置42による画像形成)を制御するとした。しかしながら、これに限らない。例えば、制御部46が、外部から供給される電力を用いてフレーム3に保持されたバッテリーの充電を制御してもよく、他のHMD等の画像表示装置や、画像供給装置等の電子機器との通信を制御してもよい。すなわち、制御部46により実行される処理は、上記に限らず他の処理でもよい。この場合、画像形成装置42の動作を制御する制御装置が、別の場所(例えば、ケーブルCB等を介して有線で接続される外部機器や、無線で接続される外部機器)に位置していてもよい。
更に、制御部46は、プリント基板に限らず、フレキシブルプリント基板であってもよく、演算処理回路等の回路素子を有する制御ユニットであってもよい。すなわち、所定の制御を実行するものであれば、制御部46の構成は問わない。
上記各実施形態では、テンプル6L,6R,7,8,9がHMD1,1A,1B,1Cに用いられた例を挙げた。しかしながら、これらテンプル6L,6R,7,8,9が採用される構成はHMDに限らず、ユーザーの頭部に装着されるものであれば、当該テンプル6L,6R,7,8,9及び上記したテンプルの変形を採用可能である。このようなものとして、眼鏡様のフレームにカメラが取り付けられたウェアラブルカメラを例示できる。
1,1A,1B,1C…HMD(頭部装着型画像表示装置)、2…画像表示部、3…フレーム、31…フレーム本体、311…フロント部、4L,4R…光学装置、5…撮像装置、61L…外側カバー(左側支持部)、61R…外側カバー(右側支持部)、61A…上面部(外装部)、61B…底面部(外装部)、61C…前面部(外装部)、61D…側面部(外装部)、61E…背面部(外装部)、62L…内側カバー(左側支持部)、62R…内側カバー(右側支持部)、62C…側面部(外装部)、64L,64R…第1リンク、65L,65R…第2リンク、66R…付勢部、67L…当接部(左側当接部)、67R…当接部(右側当接部)、674…当接片、68…減衰機構、684…噛合部、71…カバー部材(左側支持部、右側支持部)、711…フロント部(外装部)、712L,712R…延出部(外装部)、713L,713R…側面部(外装部)、731…第1リンク、7311…孔部(第1リンク側第1回動部)、7312…孔部(第1リンク側第2回動部)、732…第2リンク、7321…孔部(第2リンク側第1回動部)、7322…孔部(第2リンク側第2回動部)、734…付勢部、74…当接部(左側当接部、右側当接部)、746…重心調整部、81…カバー部材(左側支持部、右側支持部)、831…第1リンク(付勢対象リンク)、8313…取付部、8314…取付孔(取付位置)、832…第2リンク(減衰対象リンク)、8323…噛合部、834…付勢部、84…当接部、85…本体部、86…接続部、861…上側筐体部(一対の筐体部)、8612…ボス(回動支持部)、8613,8614…ボス(減衰機構支持部)、862…下側筐体部(一対の筐体部)、87…テンプルフレーム(フレーム部)、873…湾曲部、875…被取付部、88…カバー、881…挿通口、89…規制部材、91…カバー部材(左側支持部、右側支持部)、923…当接部(左側当接部、右側当接部)、AX1,AX3,AX5…回動軸(第1回動軸)、AX2,AX4,AX6…回動軸(第2回動軸)、BR…軸受、D7…方向(第1方向)、D8…方向(第2方向)、HE…頭部、L1,L2…寸法(左右方向における寸法)、NP…ノーズパッド、SM…シール部材、US…ユーザー。

Claims (21)

  1. ユーザーの頭部に装着され、前記ユーザーに観察可能に画像を表示する頭部装着型画像表示装置であって、
    前記画像を表示する画像表示部と、
    前記頭部における左側の側頭部に当接される左側当接部と、
    前記頭部における右側の側頭部に当接される右側当接部と、
    前記画像表示部に設けられ、前記左側当接部を支持する左側支持部と、
    前記画像表示部に設けられ、前記右側当接部を支持する右側支持部と、を備え、
    前記左側支持部及び前記右側支持部のうち少なくとも一方の支持部は、前記左側当接部及び前記右側当接部のうち前記少なくとも一方の支持部が支持する当接部である対象当接部の全体を、第1位置から、前記第1位置より前記頭部に対して左右方向において離間した第2位置に移動可能に支持し、
    前記対象当接部の全体が前記第1位置に位置する場合と、前記対象当接部の全体が前記第2位置に位置する場合とで、前記左側当接部と前記右側当接部との間の前記左右方向における寸法は、異なることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記少なくとも一方の支持部に、上下方向に沿う第1回動軸を中心として回動可能に支持され、前記対象当接部と接続される第1リンクと、
    前記少なくとも一方の支持部において前記第1リンクとは前後方向において異なる位置に、上下方向に沿う第2回動軸を中心として回動可能に支持されて、前記対象当接部と接続される第2リンクと、を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  3. 請求項2に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記第1リンク及び前記第2リンクのうち一方のリンクである減衰対象リンクと係合し、前記減衰対象リンクの回動力を減衰させる減衰機構を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  4. 請求項3に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、
    前記減衰対象リンクを回動可能に支持する回動支持部と、
    前記減衰機構を支持する減衰機構支持部と、を有し、
    前記回動支持部及び前記減衰機構支持部は、それぞれ異なる位置に配置され、
    前記減衰機構及び前記減衰対象リンクは、互いに噛み合う噛合部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  5. 請求項4に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、前記第1リンク及び前記第2リンクのそれぞれの一部を上下方向に沿って挟む一対の筐体部を有し、
    前記回動支持部及び前記減衰機構支持部は、前記一対の筐体部のうち、一方の筐体部に位置することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部の全体が前記第1位置に位置する回動方向に、前記第1リンク及び前記第2リンクのうち少なくとも一方のリンクである付勢対象リンクを付勢する付勢部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  7. 請求項6に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記付勢部は、一端が前記付勢対象リンクと係合し、他端が所定の位置と係合する引張ばねであり、
    前記付勢対象リンクは、前記引張ばねの一端が取り付けられる取付部を有し、
    前記対象当接部が前記第1位置と前記第2位置との間の範囲内に位置する際に、前記付勢対象リンクにおける前記対象当接部とは反対側の回動中心から前記取付部における前記引張ばねの一端の取付位置に向かう方向である第1方向と、前記引張ばねの軸方向に沿う第2方向とは、交差することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  8. 請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記第1リンクは、
    前記第1回動軸を中心として回動可能に支持される第1リンク側第1回動部と、
    前記対象当接部に回動可能に支持される第1リンク側第2回動部と、を有し、
    前記第2リンクは、
    前記第2回動軸を中心として回動可能に支持される第2リンク側第1回動部と、
    前記対象当接部に回動可能に支持される第2リンク側第2回動部と、を有し、
    前記第1リンク側第1回動部、前記第1リンク側第2回動部、前記第2リンク側第1回動部、及び、前記第2リンク側第2回動部の少なくともいずれかは、軸受を介して支持されることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  9. 請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、
    本体部と、
    前記本体部に対して着脱可能に設けられ、前記本体部の少なくとも一部を覆うカバーと、を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  10. 請求項9に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記本体部は、
    前記第1リンク及び前記第2リンクと接続される接続部と、
    一端が前記接続部に固定されて、前記接続部から前記ユーザーの後方に延出するフレーム部と、を有し、
    前記フレーム部は、可撓性を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  11. 請求項10に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記フレーム部は、前記接続部からの前記フレーム部の延出方向において前記接続部との固定位置に対して前記延出方向の先端側に位置する湾曲部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、前記フレーム部と前記カバーとの間に位置するシール部材を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  13. 請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記フレーム部は、金属により形成されていることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  14. 請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記カバーは、前記フレーム部が挿通される挿通口を有し、
    前記対象当接部は、前記挿通口に前記フレーム部が挿通された前記カバーの脱落を規制する規制部材を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  15. 請求項14に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記フレーム部は、前記接続部からの前記フレーム部の延出方向先端部に、前記規制部材が取り付けられる被取付部を有し、
    前記被取付部は、前記フレーム部の他の部位より厚さ寸法が大きいことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  16. 請求項15に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記被取付部は、前記フレーム部の一部を、前記頭部に近接する側とは反対側に折り返した構成であることを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記少なくとも一方の支持部は、当該頭部装着型画像表示装置の外装の一部を構成する外装部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  18. 請求項17に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記外装部は、前記画像表示部の側方及び上方の少なくともいずれかを覆うことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  19. 請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、少なくとも一部が他の部位より細いことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  20. 請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記対象当接部は、前記画像表示部によって表示される前記画像を前記ユーザーが観察する方向である観察方向とは反対方向側の部位に、当該頭部装着型画像表示装置の重心位置を調整する重心調整部を有することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  21. 請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
    前記少なくとも一方の支持部は、前記左側当接部と前記右側当接部との間の前記左右方向における寸法を128mm以上、170mm以下の範囲となるように、前記対象当接部を移動可能に支持することを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
JP2016246991A 2016-08-19 2016-12-20 頭部装着型画像表示装置 Active JP6844245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/665,692 US10268042B2 (en) 2016-08-19 2017-08-01 Head-mounted image display device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016161360 2016-08-19
JP2016161360 2016-08-19

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018033120A true JP2018033120A (ja) 2018-03-01
JP6844245B2 JP6844245B2 (ja) 2021-03-17

Family

ID=61302901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016246991A Active JP6844245B2 (ja) 2016-08-19 2016-12-20 頭部装着型画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6844245B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10642051B2 (en) 2018-01-26 2020-05-05 Seiko Epson Corporation Virtual-image display device and nose pad for virtual-image display device
CN111983807A (zh) * 2019-05-22 2020-11-24 精工爱普生株式会社 佩戴型显示装置
WO2021024526A1 (ja) * 2019-08-06 2021-02-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 表示装置
CN115327795A (zh) * 2022-10-17 2022-11-11 歌尔股份有限公司 一种调节装置以及眼镜
WO2023007794A1 (ja) * 2021-07-26 2023-02-02 ソニーグループ株式会社 ヘッドマウント装置
JP7338235B2 (ja) 2019-05-22 2023-09-05 セイコーエプソン株式会社 装着型表示装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5682608A (en) * 1996-06-28 1997-11-04 Op-D-Op, Inc. Articulating visor apparatus
JPH10197825A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Sharp Corp 頭部搭載型ディスプレイ
JPH10293544A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Olympus Optical Co Ltd 頭部装着型映像表示装置
JP2009065440A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nikon Corp 頭部装着型ディスプレイ
JP2011085929A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Sony Corp 画像鑑賞用眼鏡
JP2012163641A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Seiko Epson Corp 虚像表示装置
US20130258271A1 (en) * 2012-03-28 2013-10-03 Google Inc. Sliding Frame

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5682608A (en) * 1996-06-28 1997-11-04 Op-D-Op, Inc. Articulating visor apparatus
JPH10197825A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Sharp Corp 頭部搭載型ディスプレイ
JPH10293544A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Olympus Optical Co Ltd 頭部装着型映像表示装置
JP2009065440A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nikon Corp 頭部装着型ディスプレイ
JP2011085929A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Sony Corp 画像鑑賞用眼鏡
JP2012163641A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Seiko Epson Corp 虚像表示装置
US20130258271A1 (en) * 2012-03-28 2013-10-03 Google Inc. Sliding Frame

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10642051B2 (en) 2018-01-26 2020-05-05 Seiko Epson Corporation Virtual-image display device and nose pad for virtual-image display device
CN111983807A (zh) * 2019-05-22 2020-11-24 精工爱普生株式会社 佩戴型显示装置
JP7338235B2 (ja) 2019-05-22 2023-09-05 セイコーエプソン株式会社 装着型表示装置
WO2021024526A1 (ja) * 2019-08-06 2021-02-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 表示装置
WO2023007794A1 (ja) * 2021-07-26 2023-02-02 ソニーグループ株式会社 ヘッドマウント装置
CN115327795A (zh) * 2022-10-17 2022-11-11 歌尔股份有限公司 一种调节装置以及眼镜
CN115327795B (zh) * 2022-10-17 2023-01-24 歌尔股份有限公司 一种调节装置以及眼镜

Also Published As

Publication number Publication date
JP6844245B2 (ja) 2021-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10268042B2 (en) Head-mounted image display device
JP6844245B2 (ja) 頭部装着型画像表示装置
JP4887907B2 (ja) 映像表示装置
US9207456B2 (en) Virtual image display device
JP6686504B2 (ja) 頭部装着型画像表示装置
JP6547622B2 (ja) 画像表示装置及び表示装置
JP6358248B2 (ja) 表示装置
JP5389493B2 (ja) 眼鏡装着型画像表示装置
JP7155815B2 (ja) 頭部装着型表示装置
US8004769B2 (en) Binocular apparatus and system
JP6686503B2 (ja) 頭部装着型画像表示装置
WO2016132974A1 (ja) ヘッドマウントディスプレイ
US20100245757A1 (en) Eyeglass-mounted type image display device
US10718950B2 (en) Head-mounted display apparatus
WO2007037089A1 (ja) 頭部装着型映像表示装置
CN105629467B (zh) 图像显示装置
JP2012063633A (ja) 頭部装着型表示装置
JP2013210587A (ja) ヘッドマウントディスプレイ
JP4010909B2 (ja) 頭部装着型画像表示装置
JP6165174B2 (ja) 頭部装着型表示装置
JP6455449B2 (ja) ヘッドマウントディスプレイ
JP2017147522A (ja) 頭部装着型画像表示装置
JP6703513B2 (ja) 画像表示装置
JP2002277815A (ja) 映像観察装置
JP5838880B2 (ja) ヘッドマウントディスプレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6844245

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150