JP2018031996A - 高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材及び定着装置 - Google Patents

高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材及び定着装置 Download PDF

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耕治 杉本
Koji Sugimoto
耕治 杉本
坂井 徹
Toru Sakai
徹 坂井
克則 高田
Katsunori Takada
克則 高田
祥人 幸田
Yoshito Koda
祥人 幸田
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Abstract

【課題】高導電性により帯電防止機能、高離型性、磨耗が少ないことによる高耐久化、高画質化をあわせ持つことができる定着装置を提供する。【解決手段】PTFE粉末に、アスペクト比900以上、好ましくは1,000以上のカーボンナノチューブ(CNT)を極少量添加した(重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満、好ましくは0.01wt%以上0.5wt%未満)PTFE粉末粒子表層に付着・混合したPTFEにより製作した高導電性による帯電防止・導電材料が極少量による高離型性・放射線処理による高い耐磨耗性材料を合わせ持つことにより、高温での耐久性ならびに、トナー等の付着を防ぎ、導電フィラーであるカーボン添加剤の脱落がない部材。【選択図】図2

Description

この発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置、それらの複数の機能を有する複合機等の定着または帯電防止機能を可能にするための高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材及び定着装置に関する。
例えば、電子写真方式の画像形成装置は、画像担持体である感光体(ドラム又はベルト)の周囲に帯電、露光、現像、転写、清掃、除電等の各手段を配しており、その感光体の表面を一様に帯電させ、印刷すべき文字等に対応した露光を行うことにより静電潜像を形成させ、それを現像剤であるトナーで現像する。そのトナー像を感光体から直接、あるいは一旦中間転写ベルトに転写した後、転写材である転写紙(用紙)に転写し、その転写紙が定着装置を通過することによってトナー像が転写紙に定着されて印刷を完了する。
この定着装置には、加熱される定着部材(定着ローラ、定着スリーブ又はベルト)と加圧部材(一般に加圧ローラ)とが食い込むように当接してニップ部を形成し、トナー像が転写された転写紙を、そのニップ部で挟んで加熱及び加圧しながら通紙させて、トナー像を転写紙に定着させる(特許文献1及び2)。
また、定着装置には、分離部材として分離ガイド板または分離爪を設けて、転写紙が定着部材に付着することを防止し、転写紙の分離性を確保している。また、定着された転写材をニップ部から次工程に搬送するためのガイド部材、転写材を冷却させる冷却装置、カールを除去するためのカール除去装置などを配設する必要もある。
この分離ガイド板または分離爪、ガイド部材、転写材冷却装置、カール除去装置などには、トナーの付着を防止するため離型性を確保するためにフッ素樹脂がコーティングまたは貼り付けられている(特許文献3)。
その他に、トナー付着を防止するため各種の部品にフッ素樹脂がコーティングまたは貼り付けられている。例えば、定着入口ガイド板、定着出口ガイド板、搬送コロ、転写材冷却装置(例えば特許文献4)、カール除去装置等も定着装置で加熱され、トナーが完全に固化していない状態でこれらの部品と接触するため、フッ素樹脂で処理していない金属または樹脂では離型しないためトナーが付着する問題があった。
特開平11−202655号公報 特開2001−97604号公報 特開2014−26118号公報 特開平10−247052号公報
以上のように、定着部から転写紙が排出されるまでは、溶融されたトナーが付着しないように高離型性と、転写紙が高速で搬送されるため、転写紙が通過する部材は、異常な帯電が発生し、スムーズな搬送性能が得られなかった。そのため、高離型性と、高導電性材料が必須であった。これまでの材料では、導電性PTFEにするためには、帯電防止のために添加されているカーボンブラック(CB)等の炭素系物質量を多量に添加する必要があった。そのため、離型性が不足すると同時に、表面が荒れて、定着ローラ、定着入口ガイド板、定着出口ガイド板(分離ガイド板)、ガイド部材、搬送コロ、転写材冷却装置、カール除去装置の部品に、トナーが付着する問題があった。また、現在市販されている導電性PTFEとしては、日東電工(株)のNITOFLONがあるが、半導電性で、表面抵抗のカタログ値は、10Ω/□から10Ω/□と幅があり、使う上で安定しない問題があった。
この発明は、こんな実情に鑑みてなされたもので、材料自体に帯電防止機能をもたせ、高離型性を実現させ且つ高耐久化、表面の平滑性により高画質化を持たせ、トナーの付着ならびに材料からの添加したカーボンブラックの離脱の問題を解決することが可能な高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材及び定着装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載した発明は、ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法であり、
アスペクト比900以上でカーボンナノチューブ(CNT)を重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、前記PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、
ラム押し出し成形法で薄肉チューブ状に製造することを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法である。
請求項2に記載した発明は、ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法であり、
アスペクト比900以上でカーボンナノチューブ(CNT)を重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、前記PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、
スカイブド加工で薄肉シート状に製造することを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法である。
請求項3に記載した発明は、前記PTFEの粉末粒子表層を膨潤させ、
前記CNTを樹脂表層に固定化したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法である。
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材を、放射線処理をしたことを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法である。
請求項5に記載した発明は、ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材であり、
前記PTFEに、アスペクト比900以上のカーボンナノチューブ(CNT)を、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を含むことを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材である。
請求項6に記載した発明は、画像をシート材に定着する定着部またはシート材を搬送する搬送部は、
請求項5に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材を、前記定着部または前記搬送部を構成する部材の一部に用いたことを特徴とする定着装置である。
この発明では、ベース樹脂としてPTFEを用い、アスペクト比900以上でCNTを重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、成形法で薄肉チューブ状に製造するか、スカイブド加工でシート状に製造する。このベース樹脂としてPTFEを用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材である薄肉チューブまたは薄肉シートは、PTFEに、アスペクト比900以上でCNTを、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を含み、柔軟性・離型性・導電性および経済性をあわせ持つことで、表面平滑性、含有カーボンフィラーの脱落発生を防止し、柔軟性が高く耐久性を高めることができ、例えばカラー画像形成装置用の定着部材として高画質、高離型・高耐久が得られる。アスペクト比900以上でCNTは、好ましくは0.01wt%以上0.5wt%未満、PTFEの粉末粒子表層に付着・混合する。
また、PTFEの粉末粒子表層を膨潤させ、CNTを樹脂表層に固定化したことで、CNTを、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満、好ましくは0.01wt%以上0.5wt%未満で分散・混合をするプロセスにおいて、添加するCNTは、樹脂粒子表層の三次構造である結晶同士間を膨潤させた後、樹脂結晶繊維構造の中に繊維状の結晶であるCNTが埋まり込む構造のため、添加したCNTは樹脂からの脱落がほぼない構造をもった、導電性・高離型性・高耐磨耗性をもつ、PTFEの薄肉チューブ及び薄肉シートである。
定着装置は、画像をシート材に定着する定着部またはシート材を搬送する搬送部を備え、高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材を、定着部または搬送部を構成する部材の一部に用いる。この定着装置は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置、それらの複数の機能を有する複合機などの電子写真方式の画像形成装置に備えられ、高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材は、定着装置に備えられる画像をシート材に定着する定着部またはシート材を搬送する搬送部を構成する部材の一部に用いられる。
定着装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 定着装置の周辺構造を示す概略断面図である。 分離部材の他の実施の形態を示す定着装置の断面図である。 厚みと体積抵抗率の関係を示す図である。 体積抵抗率を示す図である。 引っ張る際のCNTとCNTの接点切れを示す図である。 時間と帯電電位の関係を示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)CNT添加濃度0.05wt%を示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)CNT添加濃度0.05wt%を示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)CNT添加濃度0.025wt%を示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)CNT添加濃度0.025wt%を示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率5,000倍)CNT添加なしを示す図である。 電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)CNT添加なしを示す図である。
以下、この発明の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材としての薄肉チューブ及び薄肉シートと、定着装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
(画像形成装置の全体構成)
図1は定着装置が搭載された画像形成装置の全体構成を示す概略図であり、この実施の形態では、定着装置を画像形成装置として電子写真複写機(以下、単に「複写機」という。)に搭載した例を示している。
図1において、複写機Aは、外部から伝達された画像データに応じて、転写材として所定の用紙(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。ただし、この実施の形態では単色の画像を形成する複写機を例示している。
この複写機Aは、装置本体1に、原稿処理部10、給紙部20、画像形成部30及び排紙部15を備えている。原稿処理部10は、原稿載置台11、原稿搬送部12及び原稿読取部13を備えている。
原稿載置台11は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送部12は、原稿トレイ12aに積載された原稿を1枚ずつ搬送する構成である。この原稿搬送部12は、紙面奥方向に回動自在に構成され、原稿載置台11の上を開放することにより原稿載置台11に原稿を置くことができるようになっている。原稿読取部13は、原稿搬送部12で搬送中の原稿または原稿載置台11に載置された原稿を読み取るものであり、ミラー群13a、集光レンズ13b及び撮像素子(CCD)13cを備えている。
給紙部20は、給紙カセット21及びピックアップローラ22を備えている。ピックアップローラ22は、給紙カセット21の端部近傍に設けられ、給紙カセット21から用紙(記録用紙)Pを1枚ずつピックアップして用紙搬送路25に供給する。
画像形成部30は、感光体ドラム31、帯電器32、現像器33、クリーナ部34、露光ユニット35、転写ローラ36を備える。画像形成部30では、感光体ドラム31上に帯電器32により帯電し、現像器33によりトナー像を形成する。このトナー像を転写ローラ36により用紙(記録用紙)Pに転写し、感光体ドラム31と転写ローラ36とにより転写部Bが構成される。
画像形成部30は、電子写真方式によるものであり、帯電器32へのバイアス印加によって表面を一様に帯電した感光ドラム31に、読み取りデータに基づいて露光ユニット35からレーザ光を照射して静電潜像を形成する。この静電潜像を現像器33によりトナー現像して可視像化する。また、トナー像の形成と同期するように、装置本体1の下部に装着された給紙カセット21に装填されている用紙Pをピックアップローラ22によってピックアップし、搬送ローラ37によって感光ドラム31と転写ローラ36との間のニップ部へ搬送する。そして、転写ローラ36へのバイアス印加によって感光ドラム31上のトナー像を用紙Pに転写して画像形成する。トナー像が転写された用紙Pは定着装置38に送られ、加熱、加圧されることによってトナー像が定着された後、排出ローラ39によって排紙部15に排出される。
(定着装置)
図2は定着装置の周辺構造を示す概略断面図、図3は分離部材の他の実施の形態を示す定着装置の断面図である。この実施の形態の定着装置38は、内部にヒーター等の発熱体43が設けられ、用紙Pの未定着トナーを加熱溶融させる定着部材としての定着ローラ41と、加圧部材としての加圧ローラ42とからなるローラ対で定着部40が構成されている。このローラ対により用紙を挟持搬送する間に用紙Pを加熱、加圧することで用紙Pに転写された未定着のト
ナー像を定着させる。
定着部40の上流側(感光体ドラム31側)には、感光体ドラム31からの用紙Pを定着ローラ41と加圧ローラ42の圧接部であるニップ部Nに案内するために、一対のガイドローラ90と、定着入口ガイド板44aが設けられており、定着部40の下流側には、トナー像が定着された用紙Pを排紙部15へ向かって案内するための定着出口ガイド板44bが設けられている。
また、定着ローラ41の周面に対して選択的に当接し離間する可動式の剥離部材としての剥離爪46が、ニップ部Nの下流側に設けられている。この剥離爪46は駆動軸47に軸支され、この駆動軸47の一端部にはアーム49が取付けられ、このアーム49に、ソレノイド48のプランジャ48aが軸支されている。
剥離部材としては、図3に示すように、定着ローラ41から用紙Pを剥離案内するための剥離ガイド板50を設けることができ、この実施の形態では、剥離ガイド50の端部は、最大画像領域外で定着ローラ41と接触するよう構成されているため、最大画像領域内においては定着ローラ41と微小間隙をもって剥離ガイド50は保持されている。これにより、比較的容易に、しかも精度の良い間隙量が得られるとともに、もし定着ローラ41に傷が発生したとしても定着画像には悪影響を与えることは少ない。
図2に示すように、定着出口ガイド板44bのさらに下流側には、カール除去装置80が配置されている。カール除去装置80は、駆動ローラ81と従動ローラ82とから構成されるローラ対を備えている。駆動ローラ81は、例えばステンレススチール(SUS)等の金属材料から形成された芯金から構成されている。従動ローラ82は、駆動ローラ81の上方に回転自在に支持され、例えばSUS等の金属材料から形成された芯金82aと、芯金82aの外周面に形成されたローラ部82bと、から構成されている。従動ローラ82は、駆動ローラ81に圧接され、駆動ローラ82の回転に従動して回転することができ、ニップ部を挿通させることにより定着装置38から搬送された用紙Pのカールを除去する。
カール除去装置80のさらに下流側には、定着を完了した用紙Pを搬送するための用紙搬送ガイド55が設けられている。用紙搬送ガイド55は、トナー像が定着されて搬送される用紙Pを支持するガイド部材としての下側搬送ガイドであって、用紙支持面55aを貫通するスリット状の通気孔56が用紙搬送方向Yに直交する幅方向Xに沿って複数個設けられている。
また、用紙支持面55aには、用紙搬送ガイド55と用紙Pとの接触面積を減らして摺動抵抗を小さくするために、幅方向Xに沿って複数本のガイドリブ57が設けられている。通気孔56とガイドリブ57とは、幅方向Xに交互に配置されている。また、通気孔56とガイドリブ57とは、用紙搬送方向Yに沿って縦長に形成されている。
用紙搬送ガイド55の用紙支持面55aと反対の下面側には、転写材冷却装置60が設けられ、この転写材冷却装置60は、用紙搬送ガイド55と別体で構成された冷却ダクト61が設けられている。この冷却ダクト61は、定着部40で加熱されて用紙搬送ガイド55上を搬送される用紙Pを冷却するためにエアを流すためのものであり、用紙搬送ガイド55上を通過する定着済みの用紙Pに冷却風を送風する通気路62を備えている。このような構成によれば、未定着のトナー像を保持した用紙Pに冷却風(冷却エア)の影響を与えることなく、用紙搬送ガイド55上を通過する定着済み用紙Pの冷却を効率的に行うことができる。この転写材冷却装置60の下流側には、一対の搬送ローラ70が配置され、この搬送ローラ70、排出ローラ39によって定着済み用紙Pは排紙部15に排出され、定着装置30から装置外に排出される構成である。その他に1対のローラで構成されている冷却装置もある。
画像形成装置としての複写機Aには、転写部Bから定着装置38の定着部40のニップ部Nに搬送し、ニップ部Nにより定着後、定着装置38から装置外に排出される用紙Pの搬送経路Kを備える。この搬送経路Kは、一対のガイドローラ90と、定着入口ガイド板44a、定着出口ガイド板44b、カール除去装置80、転写材冷却装置60、用紙搬送ガイド55、一対の搬送ローラ70により構成される。
また、定着装置38は、加熱させた定着ローラ41と加圧ローラ42とを備え、定着ローラ41と加圧ローラ42とが当接してニップ部Nを形成し、トナー像が転写された用紙Pをニップ部Nで挟んで通過させることによってトナー像を用紙Pに定着させる構成である。
定着ローラ41は、基材41aと表層41bの間にシリコーンゴム41cを有する。このシリコーンゴム41cを100μm〜2mmとし、定着ローラ41の表層41bに、高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉チューブSを設ける。
高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉チューブSは、ベース樹脂としてPTFEを用い、アスペクト比900以上でCNTを重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、一般的であるラム押し出し成形法で成形した。その薄肉チューブSを定着ローラの芯金であるアルミニウムの上に、被服している。薄肉チューブSは、PTFEに、アスペクト比900以上でCNTを、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を含み、柔軟性・離型性・導電性および経済性をあわせ持つことで、表面平滑性、含有カーボンフィラーの脱落発生を防止し、柔軟性が高く耐久性を高めることができ、例えばカラー画像形成装置用の定着部材として高画質、高耐久が得られる。アスペクト比900以上でCNTは、好ましくは0.01wt%以上0.5wt%未満、PTFEの粉末粒子表層に付着・混合する。
また、PTFEの粉末粒子表層を膨潤させ、CNTを樹脂表層に固定化したことで、CNTを、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満、好ましくは0.01wt%以上0.5wt%未満で分散・混合をするプロセスにおいて、添加するCNTは、樹脂粒子表層の三次構造である結晶同士間を膨潤させた後、樹脂結晶繊維構造の中に繊維状の結晶であるCNTが埋まりこむ構造のため、添加したCNTは樹脂からの脱落がほぼない構造をもった、導電性をもつ、PTFEである。
高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉チューブSは、定着装置38に備えられる画像をシート材である用紙Pに定着する定着部を構成する定着ローラ41の表層41bに用いられるが、シート材である用紙Pを搬送する搬送部を構成する部材の一部、例えば搬送経路Kを構成する定着入口ガイド板44a、定着出口ガイド板44b、剥離爪46、剥離ガイド板50などの剥離部材、用紙搬送ガイド55などのガイド部材、ガイドローラ90などの搬送部材、転写材冷却装置60、カール除去装置80の部品等には、高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートが用いられる。また、定着装置38は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置、それらの複数の機能を有する複合機などの電子写真方式の画像形成装置に備えられる。
[実施例1]
(CNT]含む樹脂粒子中のCNTのアスペクト比の評価)
旭硝子製 PTFE G163は、平均粒径25μmフッ素樹脂を用意し、PTFEと大陽日酸素株式会社製CNTが均一に分散したメチルエチルケトン(MEK)分散液を混合し、MEK溶媒によりポリテトラフルオロエチレン(PFA)樹脂粒子の表面を膨潤させたのち、分散しているCNTを樹脂粒子表面近傍に付着固定化する。その後、溶媒をろ過・乾燥し、CNTを0.05wt%含んだPTFE樹脂粒子を作製した。
CNTを含んだ樹脂粒子の表面に付着するCNTの様子を電子顕微鏡(日本電子製 形式JSM−7401F)にて観察したものを図8の写真1および図9の写真2に示す。写真1には5,000倍の倍率で、1つのPTFE樹脂粒子全体がとらえられており、粒子径はスケールバーから25μm〜30μmである。また、写真2は写真1の一部を10,000倍に拡大した写真となっており、CNTが観察される。このCNTの長さは、スケールバーより9〜10μmの長さがあることがわかる。大陽日酸株式会社製CNTは、基板法により製造していることから直径が均一であり、平均10nm程度であるため、アスペクト比(長さ/直径比)で900〜1000程度である。
(導電性評価方法)
三菱化学製 ロレスタにより4端子法にて表面抵抗率及び体積抵抗を測定。
CNTを0.05wt%含むPTFE樹脂粒子を、粉体をプレス機(三庄インダストリー株式会社製 形式TB−50 H)にて圧力48MPaにて圧縮成形し、直径φ30mm×厚み2.8mmのコイン型の成形体を形成後、真空電気炉にて360℃で4時間焼成した後、三菱化学製 ロレスタにより4端子法にて表面抵抗率10 Ω/□、体積抵抗率で10Ω・cmの値が計測された。
(CNTを0.05wt%含む高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートの導電性評価)
CNTを0.05wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mm〜1mmの薄肉の高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートを作製した。
厚さ0.025mm〜1mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートの体積抵抗率は、図4に示すとおり厚みが薄くなると大きくなる現象がみられた。さらに、0.1mm、0.05mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シート(3cm×3cm)を一定方向に3.5cm(16%)伸ばした後、体積抵抗率を測定したところ、図5に示すとおり体積抵抗率は増大する結果が得られた。
[実施例2]
(CNTを含む樹脂粒子中のCNTのアスペクト比の評価)
旭硝子製 PTFE G163は、平均粒径25μmフッ素樹脂を用意し、PTFEと大陽日酸素株式会社製CNTが均一に分散したメチルエチルケトン (MEK)分散液を混合し、MEK溶媒によりPTFE樹脂粒子の表面を膨潤させたのち、分散しているCNTを樹脂粒子表面近傍に付着固定化する。その後、溶媒をろ過・乾燥し、CNTを0.025wt%含んだPTFE樹脂粒子を作製した。
CNTを含んだ樹脂粒子の表面に付着するCNTの様子を電子顕微鏡(日本電子製 形式JSM−7401F)にて観察したものを図10の写真3および図11の写真4に示す。写真3には5,000倍の倍率で、1つのPTFE樹脂粒子全体がとらえられており、粒子径はスケールバーから25μm〜30μmである。また、写真4は写真3の一部を10,000倍に拡大した写真となっており、CNTが粒子から少し飛び出した状態となっている様子が観察される。このCNTの長さは、スケールバーより9〜10μmの長さがあることがわかる。大陽日酸株式会社製CNTは、基板法により製造していることから直径が均一であり平均10nm程度であるため、アスペクト比(長さ/直径比)で900〜1000程度である。
(CNTを含まない樹脂粒子の観察)
CNTを含まない樹脂粒子の電子顕微鏡(日本電子製 形式JSM−7401F)にて観察したものを図12の写真5、図13の写真6に示す。樹脂粒子の径は、スケールバーから25〜30μmである。また、樹脂粒子の表面はフッ素樹脂特有の密な、つるつるした、ち密な表面であり、CNTを含むものに比べて表面が膨潤していない様子が観察される。
(CNTを0.025wt%含む高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートの導電性評価)
CNTを0.025wt%含むPTFE樹脂粒子を、粉体をプレス機(三庄インダストリー株式会社製 形式TB−50 H)にて圧力48MPaにて圧縮成形し、直径φ30mm×厚み2.8mmのコイン型の成形体を形成後、真空電気炉にて360℃で4時間焼成した後、三菱化学製 ロレスタにより4端子法にて表面抵抗率を計測すると10Ω/□、体積抵抗率で10Ω・cmの値が計測された。
CNTを0.025wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い、ビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターをあてるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mm〜1mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートを作製した。
厚さ0.025mm〜1mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートの体積抵抗率は、図4に示すとおり厚みが薄くなると大きくなる現象がみられた。また、熱伝導率は0.52W/m・Kであった。さらに、0.1mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シート(3cm×3cm)を一定方向に3.5cm(16%)伸ばした後、体積抵抗率を測定したところ、図5に示すとおり体積抵抗率は増大(1011Ω・cm以上)する結果が得られた。
厚さ0.025mm〜1mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートは、厚みを薄くすることで、体積抵抗率が高くなるのは高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートを巻き取る際にシートにかかる張力により樹脂が引っ張られることが原因である。引っ張る際に図6に示したように、CNTとCNTの接点が切れてしまう問題がある。できるだけ、長尺の(アスペクト比の大きい)CNTを均一に混合することにより、薄い高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートにおいても安定した帯電防止性能を発揮するものである。
(CNTを0.025wt%、0.05wt%含むPTFEの除電効果の評価)
CNTを0.05wt%、0.025wt%含む、PTFE樹脂粒子をプレス機(三庄インダストリー株式会社製 形式TB−50 H)にて圧力48MPaにて圧縮成形し、直径φ30mm×厚み2.8mmのコイン型の成形体を形成後、真空電気炉にて360℃で4時間焼成した後、コイン成形体の表面に1000Vの電圧をかけておき、裏面を接地しておく。電圧を計測しながら、供給電圧を切ると、図7に示すとおり0.5秒以内に10V以下の電圧に下がることが確認できる。同時に、アルミニウムの板についても実施したが、同様に0.5秒以内に10V以下の電圧に下がることが確認できる。この現象は、部品材が静電気によって帯電した際に、短い時間で除電できる性能を示している。ここで、この発明部材の高熱伝導性に付いて記載する。PTFEにCBを3wt%添加で熱伝導率は、0.54W/m・Kであり、それに対し、この発明は、CNT0.025wt%でほぼ同じの0.52W/m・Kであり、いかに少ない量で高熱伝導が得られるか分かる。
(CNTを含まない樹脂)
CNTを含まないPTFEを上記と同じように圧縮成形、コイン成形体の表面に1000Vの電圧をかけておき、裏面を接地しておく。電圧を計測しながら、供給電圧を切ると、1000Vの電位を保ったまま電圧がさがらないことが確認できる。この現象は、部品材が静電気によって帯電した際に、除電できない性能を示している。
[実施例3]
(耐摩耗性向上の評価)
CNTを0.05wt%、0.025wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い、ビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mmの高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シートを作製した後、α330℃、Ar雰囲気でα線を線量100kGyで照射した。表1に示すように、CNTを0.025wt%もしくは0.05wt%含み、かつ放射線を照射にしたものについては、摩耗量が格段に小さくなった。樹脂の架橋が起こることにより、摩耗性が向上したものである。
(磨耗量及び動摩擦係数測定方法)
JISK7218A法に準ずる往復型摩擦試験機を下記の試験条件で評価した。
・ 試験速度:0.5m/S、相手材:SUS304 荷重:5Kgf
・ 滑り速度:0.2km
表-1
[実施例4]
(定着ローラによる高離形性の評価)
高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉ューブSは、ベース樹脂としてPTFEを用い、アスペクト比900以上でCNTを重量比率0.05wt%PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、一般的であるラム押し出し成型法で厚さ0.025mmのチューブに成型し、α330℃、Ar雰囲気でα線を線量100kGyで照射した。その後接着処理し、φ40mmのローラ芯金であるアルミの上に、被服している。ローラ表面は、光沢があり、表面粗さ(Ra)は、0.08であった。定着入り口ガイド板44a、分離板49、ガイド部材55には、上記と同じ処方でビュレットからスカイブド加工で、厚さ0.05mmのシートを作成し、チューブSと同様に囲気でα線を照射した。そして接着処理し、貼り付けた。
定着ローラには内部ヒーターが内蔵され図示しない温度制御部材で制御されている。定着ローラと加圧ローラの接触幅であるニップ部は、10mmで転写材の搬送速度は300mm/秒で行った。使用したトナーはモノクロ機用で、転写材は一般的にオフィスで使用する70g/mの紙を用いていた。
比較としての従来例は、旭硝子製 AD911E(PTFE樹脂粒子0.25μm)にキシダ化学製アセチレンブラック6wt%を分散したディスパーションを、実施例4と同じ形状の定着ローラにスプレー法により塗布し、フッ素樹脂膜を350℃で焼成した。定着入り口ガイド板、分離板、ガイド部材のシートには上記と同じ処方で、ビュレットからスカイブド加工で厚さ0.05mmのシートを作成し、エッチング処理後、粘着剤加工した物を各部品に貼り付けた。
(離型幅の評価方法)
実施形態と比較例の定着装置を用いて転写材の搬送速度は300mm/秒でニップ幅は10mm、転写材は一般的にオフィスで使用する70g/mの紙を用い行った。測定方法は、定着ローラの温度を120℃から210℃まで10℃毎にトナー像を通し、そのトナーが定着されてからホットオフセットが発生する温度まで確認した。この方法は、業界では周知である。
測定結果を表2に示したように、本発明品は、120℃ではコールドオフセットで、130℃で定着良好であった。そして、210℃でホットオフセットが発生した。離型幅は、70degの温度領域があり、比較例の離型幅は、50degであった。理由は、アセチレンブラックwt6%を分散したため、PTFE樹脂本来の離型性能が出なかったためと予測出来る。本発明品は、CNTが0.05wt%と極少量であるため、PTFE表面にはCNTが出てこないため、殆ど純PTFEの性能が発揮出来ている。
表−2
(通紙によるCNT含有PTFEの耐久性の評価)
離型幅の評価と同様に70g/m紙をトータル50万枚通紙し、10万枚毎に通紙による摩耗量とトナー付着の不具合を評価した。定着ローラ及び加圧ローラ以外の部品は、紙の通紙によって被覆されている離型層であるフッ素樹脂が少しずつ摩耗で剥れたり、表面性が悪化してトナー付着が発生する。当然、トナーが付着すると分離板の場合はベタ画像部にいたその付着トナーにより引っ掻き傷がでる。また、定着前の入口ガイド板、定着後の出口ガイド板にトナーが付着すると通紙がスムーズでなくなり、トナーの塊でジャムする不具合が発生する場合がある。その他には、排紙ローラにトナーが付着すると転写材にオフセットとして汚れがでる。
50万枚の通紙評価の結果を表―3に示したが、導電剤としてアセチレンブラックを添加したシートは、離型性が劣るため、各種部品でトナー付着が出た、その他に耐磨耗性が悪いため、定着ローラの場合、30万枚で磨耗とタナー付着が同時に発生している。それに対し本発明品は、50万枚何の問題もなく通紙出来ている。
表―3


[実施例5]
アスペクト比が900で、CNTを0.001wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025の薄肉シートを作製した。
[実施例6]
アスペクト比が900で、CNTを0.04wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025の薄肉シートを作製した。実施例5、6で作成したシートの表面抵抗、離型性、耐磨耗性の評価を行った。
その結果を表−4に示す。この表の離型性評価方法は、油性ペン(サクラ製マイネーム)でシートに字を書き込む。その字の状態が小さな粒状になり、布で綺麗にふき取れて痕跡がなければ◎、一部がとれて微かに残ったら○、書いた字が残った場合は×とした。
この評価法は、フッ素樹脂の評価法として一般的である。
表−4

表−4のように、CNTの下限値であっても帯電防止性能である表面抵抗値は複写機・プリンターが必要とされる帯電防止性能の限界範囲には収まっている。逆にCNT含有量の上限は、磨耗量が多いが使える範囲である。
アスペクト900以上での、CNT含有量と各特性の関係を表―5に示す。
表−5
[比較例1]
アスペクト比が要件から外れた890で、CNTを0.001wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mmの薄肉シートを作製した。
[比較例2]
アスペクト比900で、CNTが要件から外れた0.0009wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mmの薄肉シートを作製した。
[比較例3]
アスペクト比890で、CNT添加量を上限側にした0.5wt%含むPTFE樹脂粒子を、直径φ150mm×高さ150mmの円柱状の型に装填し、圧力15MPaにて圧縮成形を行い円柱状のビュレットを作製する。その後、温度350℃にて焼成炉の中で加熱を2時間実施し、その後冷却する。円柱状のビュレットを回転機にかけて、カッターを当てるスカイブド加工で、ビュレットから厚さ0.025mmの薄肉シートを作製した。比較例1から3までのシートの性能比較を表−6に示す。
表−6
比較例1,2,3を表−7にまとめた
表−7。
比較例―1と2は、帯電防止性能であるロレスタでの表面抵抗が、複写機、プリンターで必要な9乗台が得られていない。比較例―3は、帯電防止性能、離型性は問題ないが、耐磨耗性が悪く、使えない。
なお、前記した実施例1〜6及び比較例1〜3は、スカイブド加工で薄肉シート状に製造したが、同様にしてラム押し出し成形法で薄肉チューブ状に製造して高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材を得ることができた。
この発明は、複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ装置、それらの複数の機能を有する複合機等の定着または帯電防止機能が必要なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の部品において、高耐久化、高画質化、また帯電防止性をあわせ持つことにより、高温での耐久性ならびに、トナー等の付着を防ぎ、導電フィラーであるカーボン添加剤の脱落問題を解決することが可能である。
A 複写機
B 転写部
K 搬送経路
P 用紙
N ニップ部
S 高導電性・高離型性・高耐磨耗性薄肉シート
1 装置本体
10 原稿処理部
11 原稿載置台
12 原稿搬送部
13 原稿読取部
15 排紙部
16 吸引ファン
20 給紙部
21 給紙カセット
22 ピックアップローラ
25 用紙搬送路
30 画像形成部
31 感光体ドラム
32 帯電器
33 現像器
34 クリーナ部
35 露光ユニット
36 転写ローラ
38 定着装置
39 排出ローラ
40 定着部
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
44a 定着入口ガイド板
44b 定着出口ガイド板
46 剥離爪
49 剥離板
55 用紙搬送ガイド
60 転写材冷却装置
61 冷却ダクト
62 通気路
70 一対の搬送ローラ
80 カール除去装置
81 駆動ローラ
82 従動ローラ
83 ローラ対






Claims (6)

  1. ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法であり、
    アスペクト比900以上でカーボンナノチューブ(CNT)を重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、前記PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、
    ラム押し出し成形法で薄肉チューブ状に製造することを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法。
  2. ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性・高熱伝導性部材の製造方法であり、
    アスペクト比900以上でカーボンナノチューブ(CNT)を重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を、前記PTFEの粉末粒子表層に付着・混合し、
    スカイブド加工で薄肉シート状に製造することを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法。
  3. 前記PTFEの粉末粒子表層を膨潤させ、
    前記CNTを樹脂表層に固定化したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性・高熱伝導性部材を、放射線処理をしたことを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材の製造方法。
  5. ベース樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた高導電性・高離型性・高耐磨耗性・高熱伝導性部材であり、
    前記PTFEに、アスペクト比900以上のカーボンナノチューブ(CNT)を、重量比率0.001wt%以上0.5wt%未満を含むことを特徴とする高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材。
  6. 画像をシート材に定着する定着部またはシート材を搬送する搬送部は、
    請求項5に記載の高導電性・高離型性・高耐磨耗性部材を、前記定着部または前記搬送部を構成する部材の一部に用いたことを特徴とする定着装置。

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