JP2018029795A - 医療機器用ハンドルおよび医療機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】利便性を向上させることが可能な医療機器用ハンドルおよび医療機器を提供する。【解決手段】医療機器用ハンドル(ハンドル3)は、可撓性を有するチューブ状部材(シースチューブ2)の基端側に装着されるハンドルであって、ハンドル本体31と、このハンドル本体31の延在方向(Z軸方向)を回転軸として回転自在となるようにハンドル本体31に装着され、チューブ状部材の先端付近の形状を変形させる回転操作の際に用いられる回転操作部32と、この回転操作部32に対する回転操作に連動してハンドル本体31内を移動する移動機構(ワイヤ固定部材312a,312b)とを備えている。ハンドル本体31は、少なくとも移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域Atを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば不整脈の検査(診断)や治療等に用いられる電極カテーテルやシースイントロデューサなどの医療機器、およびこのような医療機器に適用される医療機器用ハンドルに関する。
電極カテーテルは、血管を通して体内(例えば心臓の内部)に挿入され、不整脈の検査や治療等に用いられるものである。このような電極カテーテルでは一般に、体内に挿入されたカテーテルチューブの先端(遠位端)付近の形状が、体外に配置される基端(近位端,後端,手元側)に装着された操作部の操作に応じて、片方向あるいは両方向に変化(偏向,湾曲、撓む)するようになっている。
また、このような電極カテーテル等のカテーテルを体内に挿入する際に、先行して血管内に導入されてカテーテルの挿入を補助する役割を果たすシース(シースチューブ)を備えたシースイントロデューサ(カテーテルシース装置)が知られている。
このような電極カテーテルやシースイントロデューサ等の医療機器用のハンドルの一例は、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1のハンドルには、ハンドル本体の延在方向(長手方向)を回転軸として回転自在な回転操作部(摘み)が、ハンドル本体に装着されている。このような回転操作部には、カテーテルチューブやシースチューブ等のチューブ状部材における先端付近を撓ませるための操作用ワイヤの基端側が、それらのチューブ状部材内から延伸されている。このような回転操作部を回転操作することで、チューブ状部材における先端付近を撓ませることが可能となっている。
特表2009−512497号公報
ところで、上記したような医療機器では、例えば、チューブ状部材の先端側を患者の体内に挿入している状態で、そのチューブ状部材の先端付近の変形状態(撓み状態,湾曲状態等)を確認したいケースが生じ得る。
ところが、例えば上記特許文献1におけるハンドルでは、所望の先端付近形状を得るために回転操作部を複数回回転させる場合があるため、上記したケースにおいて、以下のような問題が生じ得る。すなわち、チューブ状部材の先端付近の変形状態を、操作者の手元側にて確認(把握)することが困難となり、その結果、利便性が損なわれるおそれがあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、利便性を向上させることが可能な医療機器用ハンドルおよび医療機器を提供することにある。
本発明の医療機器用ハンドルは、可撓性を有するチューブ状部材の基端側に装着されるハンドルであって、ハンドル本体と、このハンドル本体の延在方向を回転軸として回転自在となるようにハンドル本体に装着され、チューブ状部材の先端付近の形状を変形させる回転操作の際に用いられる回転操作部と、この回転操作部に対する上記回転操作に連動してハンドル本体内を移動する移動機構とを備えたものである。上記ハンドル本体は、少なくとも上記移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域を有している。なお、この「透明領域」とは、少なくとも可視帯域の波長を有する光が透過することが可能な領域を意味しており、以下同様である。
本発明の医療機器は、可撓性を有するチューブ状部材と、このチューブ状部材の基端側に装着された、上記本発明の医療機器用ハンドルとしてのハンドルとを備えたものである。
本発明の医療機器用ハンドルおよび医療機器では、回転操作部に対する回転操作(チューブ状部材の先端付近の形状を変形させるための操作)に連動してハンドル本体内を移動する移動機構が設けられている。また、ハンドル本体には、少なくともこの移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域が設けられている。これにより、例えば、チューブ状部材の先端側が患者の体内に挿入されている状態であっても、透明領域を介してハンドル本体内(移動機構の移動状況)を視認することで、チューブ状部材の先端付近の変形状態が、操作者の手元側(ハンドル本体)にて確認(把握)できるようになる。
本発明の医療機器用ハンドルおよび医療機器では、上記回転操作に連動して上記延在方向を回転軸として回転するように構成され、ハンドル本体内に配置された部分を有する回転機構を更に設け、上記チューブ状部材の先端付近の形状を変形させるための1または複数の操作用ワイヤの基端が固定されていると共に上記回転機構に係合するように構成された1または複数のワイヤ固定部材が、上記移動機構として設けられているようにしてもよい。このようにした場合、上記回転操作に連動して回転機構が回転するのに伴って、ワイヤ固定部材がハンドル本体内を上記延在方向に沿って移動することになる。このため、チューブ状部材の先端付近の変形状態が、透明領域を介して直感的に把握し易くなり、利便性の更なる向上が図られる。また、チューブ状部材の先端付近の変形状態が、簡易な構造にて確認できるようになり、製造コストの低減や信頼性の向上も可能となる。
この場合において、上記操作用ワイヤおよび上記ワイヤ固定部材を一対ずつ設けたうえで、例えば以下のようにしてもよい。すなわち、一対の操作用ワイヤおよび一対のワイヤ固定部材のうち、一方の操作用ワイヤにおける基端が一方のワイヤ固定部材に固定されていると共に、他方の操作用ワイヤにおける基端が他方のワイヤ固定部材に固定されているようにし、上記一方のワイヤ固定部材と上記他方のワイヤ固定部材とが、上記回転機構における回転動作に連動して、上記延在方向に沿って互いに逆方向に移動するようにしてもよい。このようにした場合、上記一方のワイヤ固定部材および上記他方のワイヤ固定部材の移動状況に応じて、チューブ状部材の先端付近の変形状態(例えば、変形方向および変形量の双方)が、より直感的に把握できるようになる結果、利便性がより一層向上する。
ここで、上記回転機構が、例えば、上記延在方向に沿って左螺旋状に延伸する第1の凹部と、上記延在方向に沿って右螺旋状に延伸する第2の凹部とを含んでいるようにし、上記一方のワイヤ固定部材が、上記第1および第2の凹部のうちの上記第1の凹部に対して選択的に係合していると共に、上記他方のワイヤ固定部材が、上記第1および第2の凹部のうちの上記第2の凹部に対して選択的に係合しているようにしてもよい。このようにした場合、上記回転機構における回転動作に連動した、上記一方のワイヤ固定部材および上記他方のワイヤ固定部材の相互の逆方向動作が簡易な構造にて実現でき、組み付けが容易になる結果、製造コストの低減や信頼性の向上が図られる。
本発明の医療機器用ハンドルおよび医療機器では、上記ハンドル本体の表面の全領域を、上記透明領域としてもよい。このようにした場合、ハンドル本体の表面(外装部材)を単一部材によって構成できるようになるため、製造コストの低減や信頼性の向上が図られる。
なお、上記チューブ状部材としては、例えば、シースチューブまたはカテーテルチューブなどが挙げられる。換言すると、本発明が適用される医療機器としては、例えば、シースイントロデューサまたは各種のカテーテル(電極カテーテル等)などが挙げられる。また、上記した「チューブ状部材の先端付近の形状を変形させる回転操作」としては、例えば、「チューブ状部材の先端付近を撓ませる」回転操作や、「チューブ状部材の先端付近におけるループ状部分の径を変化させる」回転操作等が挙げられる。
本発明の医療機器用ハンドルおよび医療機器によれば、ハンドル本体における少なくとも移動機構(回転操作部に対する回転操作に連動してハンドル本体内を移動する機構)の一部分に対応する領域に、透明領域を設けるようにしたので、チューブ状部材の先端付近の変形状態を、操作者の手元側にて確認することができる。よって、医療機器を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る医療機器としてのシースイントロデューサの概略構成例を表す模式図である。 図1に示したハンドル内部の詳細構成例を表す分解側面図である。 比較例に係る医療機器の構成を表す模式図である。 図1に示した医療機器の使用状態の一例を表す模式図である。 変形例1に係る医療機器としてのシースイントロデューサの概略構成例を表す模式図である。 変形例2に係る医療機器としての電極カテーテルの概略構成例を表す模式図である。 変形例3に係る医療機器としての電極カテーテルの概略構成例を表す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(医療機器がシースイントロデューサである場合の例)
2.変形例
変形例1(ハンドル本体の表面の一部分のみが透明領域である場合の例)
変形例2(医療機器が電極カテーテルである場合の例1:撓ませる例)
変形例3(医療機器が電極カテーテルである場合の例2:ループ径が変化する例)
3.その他の変形例
<実施の形態>
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る医療機器としてのシースイントロデューサ1の概略構成例を、模式的に表したものである。具体的には、図1は、このシースイントロデューサ1の側面構成例(Z−X側面構成例)を模式的に表している。なお、この図1では、符号P1で示した部分(破線で囲った部分)において、破線の矢印で示した箇所付近(後述する回転機構311およびワイヤ固定部材312a,312b等)の拡大図も、併せて図示されている。
シースイントロデューサ1は、電極カテーテル等におけるカテーテルチューブ6を患者の体内に挿入する際に、これに先行してシースチューブ2が体内に導入されることで、血管内にカテーテルチューブ6が挿通される通路を確保するための装置である。このシースイントロデューサ1は、シース本体(長尺部分)としてのシースチューブ2(シースシャフト)と、このシースチューブ2の基端側に装着されたハンドル3とを備えている。
(A.シースチューブ2)
シースチューブ2は、可撓性を有する管状構造(中空のチューブ状部材)からなり、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状となっている。具体的には、シースチューブ2の軸方向の長さは、ハンドル3の軸方向(Z軸方向)の長さと比べて数倍〜数十倍程度に長くなっている。なお、このシースチューブ2は、その軸方向に向かって同じ特性のチューブで構成されていてもよいが、比較的可撓性に優れた先端部分と、この先端部分に対して軸方向に一体に形成されると共に先端部分よりも比較的に剛性のある基端部分とを有するようにするのが好ましい。
シースチューブ2内には、例えば図1に示したように、カテーテルチューブ6を挿通することができるようになっている。また、シースチューブ2の先端側には、後述する一対の操作用ワイヤ(操作用ワイヤ41a,41b)における各先端が固定されている。そして、これら操作用ワイヤ41a,41bの各基端側は、シースチューブ2内からハンドル3内(後述するワイヤ固定部材312a,312b上)へ延伸されるようになっている。
シースチューブ2は、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン等の合成樹脂により構成されている。シースチューブ2の軸方向の長さは、約300〜900mm程度であり、そのうちの先端付近の可撓性部分の長さは、約20〜150mm程度である。また、シースチューブ2の外径(X−Y断面の外径)は、約2.0〜5.0mm程度(好ましくは、約2.6〜4.3mm程度)であり、シースチューブ2の内径(X−Y断面の内径)は、約1.6〜4.3mm程度(好ましくは、約2.0〜2.8mm程度)である。
なお、カテーテルチューブ6の先端付近には、例えば図1に示したように、複数の電極(ここでは、3つのリング状電極61および1つの先端電極62)が所定の間隔をおいて配置されている。具体的には、リング状電極61は、カテーテルチューブ6の外周面上に固定配置される一方、先端電極62は、カテーテルチューブ6の最先端に固定配置されている。
(B.ハンドル3)
ハンドル3は、シースイントロデューサ1の使用時に操作者(医師)が掴む(握る)部分である。このハンドル3は、図1に示したように、シースチューブ2の基端側に装着されたハンドル本体31と、回転操作部(摘み,ダイヤル)32とを有している。回転操作部32は、後述するように、シースチューブ2の先端付近を変形させる(この例では、撓ませる,偏向させる)操作である回転操作の際に用いられる部分である。
ここで、図1に加えて図2を参照して、このようなハンドル3の詳細構成例について説明する。図2は、ハンドル3の詳細構成例を、模式的に分解側面図で表したものである。具体的には、図2(A)は、後述する回転機構311の側面構成例(Z−X側面構成例)を模式的に示している。また、図2(B)は、後述するワイヤ固定部材312aの側面構成例(Y−Z側面構成例)を模式的に示し、図2(C)は、後述するワイヤ固定部材312bの側面構成例(Y−Z側面構成例)を模式的に示している。
(B−1.回転操作部32)
回転操作部32は、図1に示したように、ハンドル本体31の延在方向(長手方向;Z軸方向)を回転軸として回転自在となるように構成されており、このハンドル本体31の先端側に装着されている。具体的には、図1中の矢印d1(d1a,d1b)で示したように、回転操作部32は、この回転軸の周りをX−Y平面内で回転自在となっている。また、この例では回転操作部32は、X−Y平面を双方向に回転(右回転および左回転)できるように構成されている(矢印d1a,d1b参照)。詳細は後述するが、回転操作部32に対するこのような回転操作が操作者によってなされることで、シースチューブ2の先端付近を(双方向に)撓ませることが可能となっている。
なお、このような回転操作部32は、Z軸方向に延伸する筒状の形状を有している。また、回転操作部32は、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン等の合成樹脂により構成されている。
(B−2.ハンドル本体31)
ハンドル本体31は、図1に示したように、操作者が実際に握る部分(把持部)に相当し、この例ではZ軸方向に沿って延在する円筒状となっている。なお、このハンドル本体31の延在方向の長さは、例えば、約100〜200mm程度(好ましくは、約150mm程度)である。
このハンドル本体31は、図1および図2に示したように、ハンドル部材310と、回転機構311の一部分と、一対(2つ)のワイヤ固定部材312a,312bと、チューブ固定部材315とを有している。なお、このようなハンドル本体31における各部材(ハンドル部材310、回転機構311、ワイヤ固定部材312a,312bおよびチューブ固定部材315等)は、例えば、前述した回転操作部32と同様の材料(合成樹脂等)により構成されている。
ハンドル部材310は、ハンドル本体31の外装部材として機能するものである。具体的には図1に示したように、ハンドル部材310の内部に、回転機構311の一部分、ワイヤ固定部材312a,312bおよびチューブ固定部材315等が収容されるようになっている。このハンドル部材310は、例えば、互いに嵌合する略樋状からなる、一対の部材を用いて構成されている。具体的には、例えば、Z軸の正方向に一方の部材が配置されるとともに、Z軸の負方向に他方の部材が配置されるようになっている。なお、このようなハンドル部材310の詳細構成例(特徴的部分の構成例)については、後述する。
チューブ固定部材315は、例えば図1に示したように、シースチューブ2の基端をハンドル本体31に固定しておくための部材である。この例では、チューブ固定部材315は、ハンドル部材310における基端付近の領域に設けられている。
回転機構311は、例えば図1中の符号P1内に示したように、前述した回転操作部32への回転操作(X−Y平面内での回転操作)に連動して、ハンドル本体31の延在方向(Z軸方向)を回転軸として回転するように構成されている。具体的には、回転操作部32に対する双方向の回転操作(矢印d1参照)に連動して、この回転機構311もまた、ハンドル本体31の延在方向(Z軸方向)を回転軸とした、双方向の回転動作(X−Y平面内での右回転および左回転の動作)が可能となるように構成されている。なお、このような回転機構311における双方向の回転動作の詳細については、後述する(図4(A),図4(B)等)。
このような回転機構311は、この例では図1および図2(A)に示したように、Z軸方向に沿って延在する筒状構造を有している。具体的には、回転機構311は、この例では図2(A)に示したように、Z軸方向に沿って延伸する筒状の本体部311Pと、この本体部311Pよりも拡径となっている筒状部分である係合部311Fとを有している。なお、これらの本体部311Pと係合部311Fとは、互いに一体化された構造となっている。また、回転機構311は、図2(A)に示したように、本体部311P上における係合部311Fよりも基端側(チューブ固定部材315側)の領域に、互いに独立した2つの螺旋状の凹部(溝部)311a,311bと、これらの凹部311a,311bを形成するための凸部(突状部)311cとを有している。この回転機構311の延在方向の長さは、例えば、約30〜100mm程度(好ましくは、約50mm程度)である。また、回転機構311における本体部311Pの外径は、例えば、約5〜20mm程度(好ましくは、約10mm程度)である。なお、回転機構311のうち、本体部311P上に凹部311a,311bおよび凸部311cが形成された部分が、ハンドル本体31内に配置された部分に対応している。
係合部311Fは、上記したように、本体部311Pよりも拡径となっている筒状部分であり、回転操作部32と係合するようになっている。具体的には、この係合部311Fにおける突状部(凸部)と、回転操作部32においてその内面に設けられた溝部(凹部)とが、互いに係合(嵌合)するようになっている。このようにして回転機構311(係合部311F)と回転操作部32とがハンドル本体31の内部で係合していることで、上記したように、回転操作部32への回転操作に連動した、回転機構311の双方向の回転動作が実現されるようになっている。
凹部311aは、図2(A)中に斜線にて模式的に示したように、回転機構311(本体部311P)の延在方向(Z軸方向)に沿って、左螺旋状に延伸する構造となっている(符号中に括弧書きで示した「L」の記号を参照)。一方、凹部311bは、図2(A)中に斜線(凹部311aを示す上記斜線と交差している斜線)にて模式的に示したように、回転機構311(本体部311P)の延在方向に沿って、右螺旋状に延伸する構造となっている(符号中に括弧書きで示した「R」の記号を参照)。この図2(A)に示したように、これらの凹部311aと凹部311bとは、互いに逆回転に延伸する螺旋状の凹部であり、上記した本体部311P上の領域において、部分的に交差するようになっている。また、凸部311cは、図2(A)に示したように、この本体部311P上の領域において、凹部311a,311bの間の領域に形成されており、略菱形の形状となっている。言い換えると、この本体部311P上の領域において、複数の凸部311c同士の間に形成された溝の部分が、凹部311a,311bに相当する。なお、凹部311aは、本発明における「第1の凹部」の一具体例に対応し、凹部311bは、本発明における「第2の凹部」の一具体例に対応している。
ワイヤ固定部材312a,312bは、前述した一対の操作用ワイヤ41a,41bの基端が固定されている部材である。ワイヤ固定部材312a,312b上には、この例では図1中の符号P1内に模式的に示したように、一対の留め具42a,42bが設けられている。これらの留め具42a,42bは、操作用ワイヤ41a,41bの各基端を、ねじ止め等により個別に固定するための部材(ワイヤ留め具)である。なお、これらの留め具42a,42bではそれぞれ、操作用ワイヤ41a,41bの各基端を固定する際のその基端付近の引き込み長を、任意に調整することが可能となっている。
ここで、具体的には、図1中の符号P1内に模式的に示したように、シースチューブ2内からハンドル本体31内へ延伸された操作用ワイヤ41aにおける基端は、ワイヤ固定部材312a上の留め具42aによって固定されている。一方、シースチューブ2内からハンドル本体31内へ延伸された操作用ワイヤ41bにおける基端は、ワイヤ固定部材312b上の留め具42bによって固定されている。
なお、これらの操作用ワイヤ41a,41bはそれぞれ、例えばステンレス鋼(SUS)、ニッケルチタン(NiTi)等の超弾性金属材料により構成されており、それらの径は約100〜500μm程度(例えば200μm)である。ただし、必ずしも金属材料で構成されていなくともよく、例えば高強度の非導電性ワイヤ等で構成されていてもよい。
このようなワイヤ固定部材312a,312bはまた、上記した回転機構311に係合するように構成されている。具体的には、この例では、図2(A),図2(B)に模式的に示したように、ワイヤ固定部材312aの内面上に形成された略矩形状の凸部(突状部)Caと、回転機構311における凹部311aとが、係合(嵌合)している(破線の矢印P2a参照)。また、ワイヤ固定部材312bの内面上に形成された略矩形状の凸部(突状部)Cbと、回転機構311における凹部311bとが、係合(嵌合)している(破線の矢印P2b参照)。つまり、ワイヤ固定部材312aは、凹部311a,311bのうちの凹部311aに対して選択的に係合しているとともに、ワイヤ固定部材312bは、凹部311a,311bのうちの凹部311bに対して選択的に係合している。
なお、これらのワイヤ固定部材312a,312bにはそれぞれ、互いの対向方向(X軸方向)に向かって張り出している部分である、張り出し部Ea,Ebを有している。具体的には、図1中の符号P1内に模式的に示したように、ワイヤ固定部材312aは、ワイヤ固定部材312bに向かってX軸方向に張り出している部分である、張り出し部Eaを有している。一方、ワイヤ固定部材312bは、ワイヤ固定部材312aに向かってX軸方向に張り出している部分である、張り出し部Ebを有している。なお、この例では、これらの張り出し部Ea,Eb同士は、X軸方向に沿って互いに接触あるいは近接するような位置に、配置されている。
ここで、前述したように、回転機構311は、回転操作部32への回転操作に連動して、ハンドル本体31内の延在方向(Z軸方向)を回転軸とした双方向の回転動作を行うように構成されている。また、上記したように、ワイヤ固定部材312a,312bは、この回転機構311に係合するように構成されている。したがって、図1中の符号P1内に模式的に示したように、これらのワイヤ固定部材312a,312bもまた、回転操作部32への回転操作に連動して、ハンドル本体31内をその延在方向に沿って双方向に移動(スライド)するようになっている(矢印d3a,d3b参照)。また、詳細は後述するが、この際に、ワイヤ固定部材312aとワイヤ固定部材312bとは、回転機構311における双方向の回転動作に連動して、ハンドル本体31の延在方向に沿って互いに逆方向に移動するようになっている。
なお、このようなワイヤ固定部材312a,312bはそれぞれ、本発明における「移動機構(スライド機構)」の一具体例に対応している。
ここで本実施の形態では、ハンドル本体31は、少なくともワイヤ固定部材312a,312b(移動機構)の一部分に対応する領域に、ハンドル本体31内が外部から視認可能な、透明領域Atを有している。具体的には、この例では図1に示したように、ハンドル本体31の表面の全領域が、このような透明領域Atとなっている。換言すると、この例ではハンドル部材310の全体が、単一の透明部材(可視光が透過することが可能な材料からなる部材)により構成されている。なお、このような透明部材を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ABS、アクリル等の合成樹脂が挙げられる。
[作用・効果]
(A.基本動作)
このシースイントロデューサ1では、不整脈等の検査や治療の際に、電極カテーテル等におけるカテーテルチューブ6に先行して、シースチューブ2が血管を通して患者の体内に挿入される。これにより挿入先の血管内に挿通路が確保され、カテーテルチューブ6の挿入が補助される。
ここで、シースチューブ2の体内への導入方法(操作者による操作方法)としては、例えば以下の方法が挙げられる。
すなわち、まず、シースチューブ2の内孔にダイレータ(図示せず)が挿入され、このダイレータと一体化されたシースチューブ2が患者の血管内に挿入される。そして、操作者による回転操作部32に対する回転操作が行われつつ、予め挿入されているガイドワイヤ(図示せず)に沿って、シースチューブ2が目的部位(患部)に向けて移動される。このとき、回転操作部32への回転操作に応じて、体内に挿入されたシースチューブ2の先端付近の形状が、両方向に変化する。
具体的には、操作者がハンドル本体31を掴み、指で回転操作部32を回転操作することにより、例えば、この回転操作部32を図1中の矢印d1aの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での右回り)に回転させた場合、以下のようになる。すなわち、図1中に示したように、この回転操作に連動して回転機構311が回転動作を行うのに伴って、ワイヤ固定部材312a,312bがそれぞれ、ハンドル本体31内をその延在方向(Z軸方向)に沿って移動する(矢印d3a,d3b参照)。特にこの場合、ワイヤ固定部材312bが、ハンドル本体31内でその基端側に移動する(矢印d3b参照)。すると、シースチューブ2およびハンドル本体31の内部で、操作用ワイヤ41bがその基端側(留め具42b側)へ引っ張られ(矢印d4b参照)、その結果、このシースチューブ2の先端付近が、図1中の矢印d2aで示した方向に沿って湾曲する(撓む)。
また、操作者が回転操作部32を回転操作することにより、例えば、この回転操作部32を図1中の矢印d1bの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での左回り)に回転させた場合、以下のようになる。すなわち、図1中に示したように、この回転操作に連動して回転機構311が回転動作を行うのに伴って、ワイヤ固定部材312a,312bがそれぞれ、ハンドル本体31内をその延在方向(Z軸方向)に沿って移動する(矢印d3a,d3b参照)。特にこの場合、ワイヤ固定部材312aが、ハンドル本体31内でその基端側に移動する(矢印d3a参照)。すると、シースチューブ2およびハンドル本体31の内部で、操作用ワイヤ41aがその基端側(留め具42a側)へ引っ張られ(矢印d4a参照)、その結果、このシースチューブ2の先端付近が、図1中の矢印d2bで示した方向に沿って湾曲する。
このように、操作者が回転操作部32を回転操作することにより、シースチューブ2の首振り偏向動作を行うことができる。なお、ハンドル本体31を軸回りに(XY平面内で)回転させることで、シースチューブ2が患者の体内に挿入された状態のまま、シースチューブ2の先端付近の湾曲方向の向きを自由に設定することができる。
続いて、シースチューブ2の先端開口が目的部位(患部)の近傍に到達した時点で、上記したダイレータおよびガイドワイヤが抜去される。これによりシースチューブ2の先端部分が、患者の体内に留置される。そして、このようにして体内に導入されたシースチューブ2を利用して、カテーテルチューブ6を体内に挿入することができる。
なお、カテーテルチューブ6の体内への挿入方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
すなわち、まず、カテーテルチューブ6の先端が、ハンドル3の基端からシースチューブ2の内孔へ挿入される。そして、操作者によるカテーテルの回転操作部(カテーテルチューブ6の基端側に設けられたハンドル内に配置:図1中に図示せず)に対する回転操作が行われつつ、シースチューブ2の内孔に沿ってカテーテルチューブ6が移動される。これにより例えば図1に示したように、シースチューブ2の先端開口から、カテーテルチューブ6の先端付近が延び出される。
続いて、操作者が上述したカテーテルの回転操作部を回転操作することにより、カテーテルチューブ6の首振り偏向動作を行う。また、必要に応じて、シースイントロデューサ1における回転操作部32を回転操作することにより、シースチューブ2の首振り偏向動作を行う。これにより、カテーテルチューブ6の先端部(例えば、電極カテーテルにおけるリング状電極61および1つの先端電極62等)の位置が調整され、目的部位(患部)に到達することができる。
このようにしてカテーテルチューブ6の先端部が位置決めされた後、カテーテルによる手技(検査や治療等)が行われる。そして、カテーテルによる手技の終了後、カテーテルチューブ6が体内から抜去され、次いで、シースチューブ2が体内から抜去される。以上のようにして、シースイントロデューサ1および電極カテーテル等のカテーテルを用いた、不整脈等の検査や治療が行われる。
(B.ハンドル3における作用)
続いて、このようなシースイントロデューサ1のハンドル3における作用について、比較例と比較しつつ詳細に説明する。
(B−1.比較例)
図3は、比較例に係るシースイントロデューサ101の構成を、模式的に側面図(Z−X側面図)で表したものである。
この比較例のシースイントロデューサ101は、シースイントロデューサ1と同様に、カテーテルチューブ6に先行してシースチューブ2を体内に導入することで、カテーテルチューブ6の挿入を補助する装置である。このシースイントロデューサ101は、図3に示したように、シースチューブ2と、このシースチューブ2の基端側に装着されたハンドル103とを備えている。すなわち、シースイントロデューサ101は、シースイントロデューサ1において、ハンドル3の代わりにハンドル103を設けたものに対応している。
このハンドル103は、図3に示したように、ハンドル本体102および回転操作部32を有している。すなわち、このハンドル103は、ハンドル3においてハンドル本体31の代わりにハンドル本体102を設けたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
このハンドル本体102は、ハンドル本体31において透明領域Atを設けないようにした(省いた)ものに対応しており、他の構成は基本的には同様となっている。つまり、ハンドル本体102におけるハンドル部材100では、ハンドル本体31におけるハンドル部材310とは異なり、全体が非透明部材(可視光が透過することができない材料からなる部材)により構成されている。
ところで、シースイントロデューサでは一般に、例えば、シースチューブの先端側を患者の体内に挿入している状態で、そのシースチューブの先端付近の撓み状態(湾曲状態)を確認したいケースが生じ得る。
ところが、この比較例に係るハンドル103では、そのようなケースにおいて、以下のような問題が生じ得る。すなわち、例えば湾曲形状の微調整を実現するには、回転操作部32の回転量に応じて変化する先端付近の湾曲量が少ないほうが望ましいことから、所望の先端付近形状を得るために、回転操作部32を複数回回転させる場合がある。特にそのような場合には、シースチューブ2の先端付近の撓み状態を、操作者の手元側にて確認(把握)することが困難となり、その結果、シースイントロデューサ101を使用する際の利便性が損なわれるおそれがある。
(B−2.本実施の形態)
これに対して、本実施の形態のシースイントロデューサ1におけるハンドル3は、図1および図2に示したように、以下の構成となっている。すなわち、このハンドル3には、回転操作部32に対する回転操作(シースチューブ2の先端付近を撓ませるための操作)に連動してハンドル本体31内を移動する移動機構(この例ではワイヤ固定部材312a,312b)が、設けられている。また、このハンドル本体31には、少なくともこの移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域Atが設けられている。
これによりハンドル3では、上記比較例のハンドル103とは異なり、例えば、シースチューブ2の先端側が患者の体内に挿入されている状態であっても、以下のようになる。すなわち、透明領域Atを介してハンドル本体31内(上記した移動機構の移動状況)を視認することで、シースチューブ2の先端付近の撓み状態が、操作者の手元側(ハンドル本体31)にて確認(把握)できるようになる。その結果、シースイントロデューサ1を使用する際の利便性が向上する。
具体的には、まず、例えば図4(A)に示したように、操作者によって回転操作部32が矢印d1aの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での右回り)に回転操作された場合、以下のようになる。すなわち、この場合、前述したように、回転機構311がハンドル本体31内の延在方向(Z軸方向)を回転軸とした回転動作を行う。そして、この回転動作に伴って、この回転機構311(凹部311a)と係合するワイヤ固定部材312aが、ハンドル本体31の先端側に移動することになる(図4(A)中の矢印d3a参照)。一方、回転機構311(凹部311b)と係合するワイヤ固定部材312bは、この回転機構311における回転動作に伴って、ワイヤ固定部材312aの移動方向とは逆方向、すなわち、ハンドル本体31の基端側に移動することになる(図4(A)中の矢印d3b参照)。このような回転操作に連動したワイヤ固定部材312a,312bの移動動作(スライド動作)は、ハンドル本体31(ハンドル部材310)における透明領域Atを介して、操作者によって視認できる。したがって、シースチューブ2の先端付近の撓み状態(図4(A)中の矢印d2a参照)が、ハンドル本体31にて確認できることとなる。
一方、例えば図4(B)に示したように、操作者によって回転操作部32が矢印d1bの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での左回り)に回転操作された場合、以下のようになる。すなわち、この場合も前述したように、回転機構311がハンドル本体31内の延在方向を回転軸とした回転動作を行う。そして、この回転動作に伴って、この回転機構311(凹部311b)と係合するワイヤ固定部材312bが、ハンドル本体31の先端側に移動することになる(図4(B)中の矢印d3b参照)。一方、回転機構311(凹部311a)と係合するワイヤ固定部材312aは、この回転機構311における回転動作に伴って、ワイヤ固定部材312bの移動方向とは逆方向、すなわち、ハンドル本体31の基端側に移動することになる(図4(B)中の矢印d3a参照)。このような回転操作に連動したワイヤ固定部材312a,312bの移動動作もまた、ハンドル本体31における透明領域Atを介して、操作者によって視認できる。したがって、シースチューブ2の先端付近の撓み状態(図4(B)中の矢印d2b参照)が、ハンドル本体31にて確認できることとなる。
このようにして本実施の形態のハンドル3では、上記した構成の回転機構311とワイヤ固定部材312a,312b(移動機構)とが設けられていることで、以下のようになる。すなわち、回転操作部32への回転操作に連動して回転機構311が回転動作を行うのに伴って、ワイヤ固定部材312a,312bが、ハンドル本体31内をその延在方向(Z軸方向)に沿って移動することになる。このため、シースチューブ2の先端付近の撓み状態(変形状態)が、透明領域Atを介して直感的に把握し易くなり、利便性の更なる向上が図られる。
また、このハンドル3では、このような構成の回転機構311およびワイヤ固定部材312a,312bによって、シースチューブ2の先端付近の撓み状態が、簡易な構造にて確認できるようになる(撓み状態の確認機能が簡易に実現可能となる)。したがって、ハンドル3(シースイントロデューサ1)における製造コストの低減や、信頼性の向上が可能となる。
更に、本実施の形態では、操作用ワイヤ41aの基端が、ワイヤ固定部材312aにおいて固定されている一方、操作用ワイヤ41bの基端が、ワイヤ固定部材312bにおいて固定されている。そして、これら2つのワイヤ固定部材312a,312bが、回転機構311における回転動作に連動して、ハンドル本体31の延在方向(Z軸方向)に沿って、互いに逆方向に移動するようになっている。これにより、ワイヤ固定部材312a,312bの移動状況に応じて、シースチューブ2の先端付近の撓み状態(例えば、撓み方向および撓み量の双方)が、より直感的に把握できるようになる。その結果、利便性がより一層向上する。なお、このようなワイヤ固定部材312a,312bの逆方向の移動状況等を、透明領域Atを介して外部から更に直感的に把握できるようにするため、例えば、これら2つのワイヤ固定部材312a,312b同士の外観を区別して設けておく(例えば、色分けして設けておく)ようにしてもよい。
加えて、一対の操作用ワイヤ41a,41bの各基端が、上記したようなシンプルな経路(直線的な経路)によって、各ワイヤ固定部材312a,312bに固定されているため、以下のようになる。すなわち、シースチューブ2の先端付近を双方向に撓ませる機構が簡易な構造で実現でき、ハンドル3(シースイントロデューサ1)における製造コストの低減や、信頼性の向上が可能となる。
また、特に本実施の形態では、ハンドル本体31の表面の全領域が、透明領域Atとなっている。したがって、ハンドル本体31の表面(ハンドル部材310)を単一部材によって構成できるようになるため、製造コストの低減や信頼性の向上が図られる。具体的には、例えばハンドル部材310が複数の部材の組合せからなる場合、例えば、臨床中に、血液や生理食塩水等の液体が、部材同士の結合部分などからハンドル本体31の内部に侵入し、その内部構造に悪影響を及ぼすおそれがある。そのようなケースでは、製品の信頼性が低下してしまうことになる。
以上のように本実施の形態では、ハンドル本体31における少なくとも移動機構(ワイヤ固定部材312a,312b)の一部分に対応する領域に、透明領域Atを設けるようにしたので、シースチューブ2の先端付近の撓み状態を、操作者の手元側(ハンドル本体31)にて確認することができる。よって、シースイントロデューサ1を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
また、前述したように、ハンドル本体31を軸回りに(XY平面内で)回転させて、シースチューブ2の先端付近の湾曲方向の向き(回転方向)を自由に設定する際にも、シースチューブ2が患者の体内に挿入された状態のまま、操作者の手元側にてその回転方向を確認することができるようになる。具体的には、上記した移動機構(ワイヤ固定部材312a,312b)のハンドル本体31内での向きによって、そのような回転方向を確認することが可能となる。よって、その点でも、シースイントロデューサ1を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。なお、仮に、ハンドル本体31に透明領域Atが全く設けられてない(ハンドル本体31全体が非透明である)場合を想定すると、本実施の形態ではハンドル本体31が円筒状であることから、例えば以下のようなデメリットが生ずる。すなわち、この場合、ハンドル本体31を外部から視認しても、このハンドル本体31がどの程度(どのくらいの角度の分だけ)回転しているかを操作者が把握できないことから、先端付近の湾曲量だけでなく、上記した湾曲方向の向き(回転方向)もわからなくなってしまう。このため、本実施の形態のように、ハンドル本体31に透明領域Atを設けることは、有用であると言える。
<変形例>
続いて、本発明の変形例(変形例1〜3)について説明する。なお、上記実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
図5は、変形例1に係る医療機器としてのシースイントロデューサ1Aの概略構成例を模式的に表したものである。具体的には、この図5は、シースイントロデューサ1Aの側面構成例(Z−X側面構成例)を模式的に表している。なお、図5においても前述した図1と同様に、符号P1で示した部分(破線で囲った部分)において、破線の矢印で示した箇所付近(回転機構311およびワイヤ固定部材312a,312b等)の拡大図が、併せて図示されている。
この変形例1のシースイントロデューサ1Aは、実施の形態のシースイントロデューサ1と同様に、カテーテルチューブ6に先行してシースチューブ2を体内に導入することで、カテーテルチューブ6の挿入を補助する装置である。このシースイントロデューサ1Aは、図5に示したように、シースチューブ2と、このシースチューブ2の基端側に装着されたハンドル3Aとを備えている。すなわち、シースイントロデューサ1Aは、シースイントロデューサ1において、ハンドル3の代わりにハンドル3Aを設けたものに対応しており、他の構成は基本的には同様となっている。
ハンドル3Aは、図5に示したように、ハンドル本体31Aおよび回転操作部32を有している。すなわち、このハンドル3Aは、ハンドル3においてハンドル本体31(ハンドル部材310)の代わりにハンドル本体31A(ハンドル部材310A)を設けたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
このハンドル本体31Aでは、図5に示したように、ハンドル本体31(その表面の全領域が透明領域Atとなっている)とは異なり、ハンドル本体31Aの表面の一部分のみが、透明領域Atとなっている。具体的には、この例では、ハンドル本体31Aでは、ワイヤ固定部材312a,312b(移動機構)の一部分に対応する領域にのみ、透明領域Atが設けられている。より具体的には、図5に示したように、この例では、ワイヤ固定部材312a,312bにおける張り出し部Ea,Ebに対向する領域が、選択的に外部から視認できるように、ハンドル本体31A(ハンドル部材310A)の軸方向(Z軸方向)に沿った長軸を有する矩形状に、透明領域Atが形成されている。これは、これらの張り出し部Ea,Ebだけでも透明領域Atを介して外部から視認できれば、ワイヤ固定部材312a,312bの移動状況を把握することが可能となるためである。
このような構成の本変形例においても、基本的には上記実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
また、特に本変形例では、上記したように、ハンドル本体31Aの表面の一部分(ワイヤ固定部材312a,312bの一部分に対応する領域)のみが、透明領域Atとなっているようにしたので、例えば以下のような効果も得ることが可能となる。すなわち、外部から内部を視認できない非透明領域(透明領域At以外の領域)がハンドル本体31Aに設けられているため、例えば、ハンドル本体31Aの内部で操作者には見せたくない箇所を、外部から視認できないように適宜隠す、といった構造も実現することが可能となる。
なお、このような部分的な透明領域Atの、ハンドル本体31Aにおける位置や大きさ、形状、個数などは、図5に示した例には限られず、例えば目的や用途等に応じて、任意に設定することが可能である。
[変形例2]
(構成)
図6は、変形例2に係る医療機器としての電極カテーテル5の概略構成例を模式的に表したものである。具体的には、この図6は、電極カテーテル5の側面構成例(Z−X側面構成例)を模式的に表している。なお、図6においても前述した図1,図5と同様に、符号P1で示した部分(破線で囲った部分)において、破線の矢印で示した箇所付近(回転機構311およびワイヤ固定部材312a,312b等)の拡大図が、併せて図示されている。
電極カテーテル5は、血管を通して体内(例えば心臓の内部)に挿入され、不整脈の検査や治療等に用いられるものである。この電極カテーテル5は、カテーテル本体(長尺部分)としてのカテーテルチューブ6(カテーテルシャフト)と、このカテーテルチューブ6の基端側に装着されたハンドル3とを備えている。なお、ハンドル3の構成は、基本的は実施の形態で説明したハンドル3と同様のものとなっている。
カテーテルチューブ6は、シースチューブ2と同様に、可撓性を有する管状構造(中空のチューブ状部材)からなり、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状となっている。また、カテーテルチューブ6の先端側には、シースチューブ2の場合と同様に、前述した一対の操作用ワイヤ41a,41bにおける各先端が固定されている。そして、これら操作用ワイヤ41a,41bの各基端側も、シースチューブ2の場合と同様に、カテーテルチューブ6内からハンドル3内(ワイヤ固定部材312a,312bにおける留め具42a,42b)へ延伸されるようになっている。なお、このようなカテーテルチューブ6は、例えばシースチューブ2と同様の材料(合成樹脂等)により構成されている。
カテーテルチューブ6はまた、自身の軸方向に沿って延在するように内部に1つのルーメン(細孔,貫通孔)が形成されたいわゆるシングルルーメン構造、あるいは複数(例えば4つ)のルーメンが形成されたいわゆるマルチルーメン構造を有している。なお、カテーテルチューブ6の内部において、シングルルーメン構造からなる領域とマルチルーメン構造からなる領域との双方が設けられていてもよい。このようなカテーテルチューブ6におけるルーメンには、各種の細線(上記した一対の操作用ワイヤ41a,41bや、図示しない導線等)がそれぞれ、互いに電気的に絶縁された状態で挿通されている。
また、カテーテルチューブ6の先端付近には、複数の電極(ここでは、3つのリング状電極61および1つの先端電極62)が所定の間隔をおいて配置されている。具体的には、リング状電極61は、カテーテルチューブ6の外周面上に固定配置される一方、先端電極62は、カテーテルチューブ6の最先端に固定配置されている。これらの電極は、前述したカテーテルチューブ6のルーメン内に挿通された複数の導線(図示せず)を介して、ハンドル3の内部と電気的に接続されるようになっている。なお、このような導線は、例えば銅等の金属材料により構成されていると共に絶縁性の樹脂で被覆されており、その径は約50〜200μm程度(例えば100μm)である。
これらのリング状電極61および先端電極62はそれぞれ、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、SUS、金(Au)、白金(Pt)等の、電気伝導性の良好な金属材料により構成されている。なお、電極カテーテル5の使用時におけるX線に対する造影性を良好にするためには、白金またはその合金により構成されていることが好ましい。また、これらのリング状電極61および先端電極62の外径は、特には限定されないが、上記したカテーテルチューブ6の外径と同程度であることが望ましい。
(作用・効果)
この電極カテーテル5では、不整脈等の検査や治療の際に、カテーテルチューブ6が血管を通して患者の体内に挿入される。このとき、操作者による回転操作部32に対する回転操作に応じて、体内に挿入されたカテーテルチューブ6の先端付近の形状が、両方向に変化する。
具体的には、操作者がハンドル本体31を掴み、指で回転操作部32を回転操作することにより、例えば、この回転操作部32を図6中の矢印d1aの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での右回り)に回転させた場合、以下のようになる。すなわち、図6に示したように、この回転操作に連動して回転機構311が回転動作を行うのに伴って、ワイヤ固定部材312a,312bがそれぞれ、ハンドル本体31内をその延在方向(Z軸方向)に沿って移動する(矢印d3a,d3b参照)。特にこの場合、ワイヤ固定部材312bが、ハンドル本体31内でその基端側に移動する(矢印d3b参照)。すると、カテーテルチューブ6およびハンドル本体31の内部で、操作用ワイヤ41bがその基端側(留め具42b側)へ引っ張られ(矢印d4b参照)、その結果、このカテーテルチューブ6の先端付近が、図6中の矢印d2aで示した方向に沿って湾曲する(撓む)。
また、操作者が回転操作部32を回転操作することにより、例えば、この回転操作部32を図6中の矢印d1bの方向(Z軸の正方向に沿って見た状態での左回り)に回転させた場合、以下のようになる。すなわち、図6に示したように、この回転操作に連動して回転機構311が回転動作を行うのに伴って、ワイヤ固定部材312a,312bがそれぞれ、ハンドル本体31内をその延在方向(Z軸方向)に沿って移動する(矢印d3a,d3b参照)。特にこの場合、ワイヤ固定部材312aが、ハンドル本体31内でその基端側に移動する(矢印d3a参照)。すると、カテーテルチューブ6およびハンドル本体31の内部で、操作用ワイヤ41aがその基端側(留め具42a側)へ引っ張られ(矢印d4a参照)、その結果、このカテーテルチューブ6の先端付近が、図6中の矢印d2bで示した方向に沿って湾曲する。
このように、操作者が回転操作部32を回転操作することにより、カテーテルチューブ6の首振り偏向動作を行うことができる。なお、ハンドル本体31を軸回りに(XY平面内で)回転させることで、カテーテルチューブ6が患者の体内に挿入された状態のまま、カテーテルチューブ6の先端付近の湾曲方向の向きを自由に設定することができる。
ここで、例えば不整脈等の検査に用いられる場合、患者の体内に挿入されたカテーテルチューブ6の電極(先端電極62やリング状電極61)を用いて、心電位が測定される。そして、この心電位の情報を基に、検査部位における不整脈等の有無や程度に関する検査が行われる。
一方、例えば不整脈等の治療に用いられる場合、患者の体表に装着された対極板(図示せず)と、患者の体内に挿入された電極カテーテル5の電極との間で、高周波(RF;Radio Frequency)通電がなされる。このような高周波通電によって、治療対象の部位(血管等)が選択的に焼灼(アブレーション)され、不整脈等の経皮的治療がなされる。
本変形例においても、基本的には上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。具体的には、本変形例の電極カテーテル5においても、上記実施の形態と同様の構成のハンドル3を設けるようにしたので、カテーテルチューブ6の先端付近の撓み状態を、操作者の手元側(ハンドル本体31)にて確認することができる。よって、電極カテーテル5を使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
なお、本変形例の電極カテーテル5においても、実施の形態のハンドル3の代わりに、変形例1で説明したハンドル3Aを適用するようにしてもよい。
[変形例3]
(構成)
図7は、変形例3に係る医療機器としての電極カテーテル5Aの概略構成例を模式的に表したものである。具体的には、この図7は、電極カテーテル5Aの斜視構成例を模式的に表している。
電極カテーテル5Aは、血管を通して体内(例えば心臓の内部)に挿入され、不整脈の検査や治療等に用いられるものである。この電極カテーテル5Aは、カテーテルチューブ6Aと、このカテーテルチューブ6Aの基端側に装着されたハンドル3とを備えている。なお、ハンドル3の構成は、基本的は実施の形態で説明したハンドル3と同様のものとなっている。
カテーテルチューブ6Aは、図7に示したように、長尺状のカテーテル本体60aと、このカテーテル本体60aの先端側に接続されたカテーテル先端部60bとを有している。
カテーテル本体60aは、基本的には、変形例2で説明したカテーテルチューブ6と同様の構成を有している。すなわち、カテーテル本体60aは、可撓性を有する管状構造(中空のチューブ状部材)からなり、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状となっている。ただし、リング状電極61および先端電極62はいずれも、以下説明するカテーテル先端部60bに設けられている。
カテーテル先端部60bは、上記したようにカテーテル本体60aの先端側に接続されており、図7に示したように、略円形状をなすように形成されたループ状部分を有している。また、このカテーテル先端部60bは、カテーテル本体60aにおける1または複数のルーメンに連通したルーメンを有する、可撓性の管状構造からなる。
図7に示したように、このカテーテル先端部60bは、カテーテル本体60aの延在方向(軸方向:この例ではZ軸方向)と非平行なループ面(仮想面)を形成するループ状部分を有している。具体的には、この例では、ループ面がカテーテル本体60aの延在方向と略直交している(例えば直交している)。
このループ状部分は、この例では、所定のループ径を有する略円形状(実質的な円形状)となっている。具体的には、このループ状部分は、この例では図7に示したように、Z軸の正方向に沿って見たときに反時計回り(左回り)となるよう、逆に言うと、Z軸の負方向に沿って見たときに時計回り(右回り)となるように、巻回されている。
ただし、このループ状部分は、厳密に言うと平坦な円形状の閉じたループでなく、例えば図7に示したように、後述する先端電極62を最先端とする、若干の螺旋形状のループとなっている。すなわち、本明細書において、「円形状」や「楕円形状」と言うときは、厳密には螺旋形状であるものを包含しているものとする。
このようなカテーテル先端部60bは、前述した可撓性の管状構造としての絶縁性チューブにより構成されている。このような絶縁性チューブは、例えばポリウレタンまたはPEBAX(ポリエーテルブロックアミド)のような生体許容性の樹脂材料により構成されている。また、カテーテル先端部60bの外径は、約0.6〜2.0mm程度(例えば1.3mm)であり、上記したループ径は、約10〜35mm程度(例えば20mm)である。
また、カテーテル先端部60bには、図7に示したように、複数の電極(この例では、6個のリング状電極61および1個の先端電極62)が所定の間隔をおいて配置されている。具体的には、リング状電極61は、カテーテル先端部60bの外周面上に固定配置される一方、先端電極62は、カテーテル先端部60bの最先端に固定配置されている。なお、本変形例におけるリング状電極61の数としては、この例で挙げたもの(6個)に限定されるわけではない。
このようなカテーテル先端部60b内には、形状記憶特性を有するコアワイヤ(図示せず)が挿通されている。詳細には、カテーテル本体60a内の先端付近からカテーテル先端部60b内に亘って、ループ状部分の形状(ループ形状)を記憶しているコアワイヤ(ループコア)が挿通されている。このような形状記憶特性を有するコアワイヤは、外部から力が加えられることによって容易に変形(例えば直線状に変形)するが、その力が取り除かれると元の形状(ループ形状)に戻るようになっている。なお、このコアワイヤは、例えば、Ni−Ti合金等の形状記憶合金により構成されている。
また、このカテーテル先端部60b内には、図示しない操作用ワイヤ(変径ワイヤ)が更に挿通されている。この操作用ワイヤは、カテーテル先端部60bにおけるループ状部分のループ径を変化(例えば縮小)させる操作(回転操作部32への回転操作)の際に用いられるものであり、カテーテル先端部60b内からカテーテル本体60a内を経由してハンドル3内へと挿通されている。また、操作用ワイヤの先端は、カテーテル先端部60bにおける先端付近に固定されている一方、操作用ワイヤの基端は、カテーテル本体60a内からハンドル3内へと延伸され、ハンドル3内(前述したワイヤ固定部材312a,312b上)で固定されている。なお、このような操作用ワイヤは、例えば、ステンレス、ニッケル合金、鉄合金、カーボンファイバー等の材料により構成されている。また、この操作用ワイヤの外径は、約0.1〜0.3mm程度(例えば0.2mm)である。
(作用・効果)
本変形例の電極カテーテル5Aでは、不整脈等の検査や治療の際に、カテーテルチューブ6A(カテーテル本体60aおよびカテーテル先端部60b)が、血管を通して患者の体内に挿入される。このとき、操作者による回転操作部32に対する回転操作に応じて、体内に挿入されたカテーテルチューブ6Aの先端付近の形状が変化する。
具体的には、この電極カテーテル5Aでは、例えば回転操作部32に対して回転操作を行うことで(図7中の矢印d1参照)、前述した操作用ワイヤ(変径ワイヤ)を利用して、カテーテル先端部60bにおけるループ状部分のループ径を変化させる操作(変径操作)が可能となる(図7中の矢印d5参照)。詳細には、例えば回転操作部32を回転させると、この操作用ワイヤが基端側に引っ張られることにより、上記したループ径が縮小する方向に変化する。また、その後に回転操作部32を元の位置(初期位置)に戻す(逆方向に回転させる)ことで、操作用ワイヤに対する引張り動作も解除され、このループ径が拡大する方向に変化して初期値に戻ることになる。
このように、操作者が回転操作部32を回転操作することにより、カテーテル先端部60bにおけるループ状部分のループ径を変化させる動作を行うことができる。なお、本変形例においても、ハンドル本体31を軸回りに(XY平面内で)回転させることで、カテーテルチューブ6Aが患者の体内に挿入された状態のまま、カテーテル先端部60bにおけるループ状部分の向きを自由に設定することができる。
ここで、例えば不整脈等の治療に用いられる場合、患者の体表に装着された対極板(図示せず)と、患者の体内に挿入された電極カテーテル5Aの電極との間で、高周波通電がなされる。このような高周波通電によって、治療対象の部位(血管等)が選択的に焼灼され、不整脈等の経皮的治療がなされる。
一方、例えば不整脈等の検査に用いられる場合、患者の体内に挿入されたカテーテルチューブ6Aの電極(先端電極62やリング状電極61)を用いて、心電位が測定される。そして、この心電位の情報を基に、検査部位における不整脈等の有無や程度に関する検査が行われる。このとき、本変形例の電極カテーテル5Aでは、複数のリング状電極61および先端電極62を有するカテーテル先端部60bがループ状に形成されていることにより、例えば血管(肺静脈等)の内周部分において、周方向に沿った複数個所の電位を一括して(同時に)測定することが可能となる。また、特にこのカテーテル先端部60bでは、上記したように、そのループ状部分におけるループ径が変更可能に構成されているため、例えば、血管(肺静脈等)の内径における患者間のばらつき(個人差)や、測定部位に応じた血管の内径変化等にも、適切に対応することが可能となる。
本変形例においても、基本的には上記実施の形態と同様の作用により同様の効果を得ることが可能である。具体的には、本変形例の電極カテーテル5Aでは、上記実施の形態と同様の構成のハンドル3を設けるようにしたので、カテーテルチューブ6Aの先端付近の変形状態(カテーテル先端部60bにおけるループ状部分のループ径の変化状態)を、操作者の手元側(ハンドル本体31)にて確認することができる。よって、電極カテーテル5Aを使用する際の利便性を向上させることが可能となる。
なお、本変形例の電極カテーテル5Aにおいても、実施の形態のハンドル3の代わりに、変形例1で説明したハンドル3Aを適用するようにしてもよい。
<その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等において説明した各部材の構成(形状や配置位置、個数、材料等)は限定されるものではなく、他の形状や配置位置、個数、材料等としてもよい。具体的には、例えば、ハンドル本体や回転操作部、ワイヤ固定部材(移動機構)等の構成(形状や配置位置、個数、材料等)は、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、チューブ状部材(シースチューブ2およびカテーテルチューブ6,6A)の構成を具体的に挙げて説明したが、必ずしも全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。具体的には、例えばカテーテルチューブ6,6Aの内部に、首振り部材として、撓み方向に変形可能な板バネが設けられているようにしてもよい。また、カテーテルチューブ6,6Aにおける電極の構成(リング状電極61および先端電極62の配置や形状、個数等)は、上記実施の形態等で挙げたものには限られない。更に、例えば、カテーテルチューブ6Aのカテーテル先端部60bにおけるループ状部分により形成されるループ面が、カテーテル本体60aの延在方向に対して直交以外の非平行となっているようにしてもよい。また、例えば、このループ状部分の形状(ループ形状)が、変形例3で説明した略円形状ではなく、略楕円形状となっていてもよい。加えて、変形例3で説明した例とは異なり、例えば、回転操作部32を逆方向に回転させることで、このループ状部分のループ径を、初期値よりも拡大する方向に変化させるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、ハンドル(ハンドル本体および回転操作部)の構成についても具体的に挙げて説明したが、必ずしも全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。
加えて、チューブ状部材(シースチューブ2またはカテーテルチューブ6)における先端付近の形状の態様は、上記実施の形態等で説明したものには限られない。具体的には、上記実施の形態等では、チューブ状部材における先端付近の形状が回転操作部への回転操作に応じて両方向に変化するタイプ(バイディレクションタイプ)の医療機器を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本発明は、例えば、チューブ状部材における先端付近の形状が回転操作部への回転操作に応じて片方向に変化するタイプ(シングルディレクションタイプ)の医療機器にも、適用することが可能である。なお、この場合、操作用ワイヤ、留め具、ワイヤ固定部材等をそれぞれ、1本(1つ)だけ設けることとなる。
また、本発明に係る医療機器の一具体例としての電極カテーテルは、不整脈等の検査用の電極カテーテル(いわゆるEPカテーテル)、および不整脈等の治療用の電極カテーテル(いわゆるアブレーションカテーテル)のいずれにも適用することが可能である。
更に、上記実施の形態等では、本発明に係る医療機器の一具体例として、シースイントロデューサおよび電極カテーテルを挙げて説明したが、これらには限られない。すなわち、本発明に係る医療機器用ハンドルは、例えば、ガイドカテーテル(ガイディングカテーテル)、血管造影用カテーテルおよびマイクロカテーテル等の他の医療機器にも適用することが可能である。
1,1A…シースイントロデューサ、2…シースチューブ、3,3A…ハンドル、31,31A…ハンドル本体、310,310A…ハンドル部材、311…回転機構、311P…本体部、311F…係合部、311a,311b…凹部(溝部)、311c…凸部(突状部)、312a,312b…ワイヤ固定部材(移動機構)、315…チューブ固定部材、32…回転操作部、41a,41b…操作用ワイヤ、42a,42b…留め具、5,5A…電極カテーテル、6,6A…カテーテルチューブ、60a…カテーテル本体、60b…カテーテル先端部、61…リング状電極、62…先端電極、At…透明領域、Ea,Eb…張り出し部、Ca,Cb…凸部(突状部)。

Claims (6)

  1. 可撓性を有するチューブ状部材の基端側に装着されるハンドルであって、
    ハンドル本体と、
    前記ハンドル本体の延在方向を回転軸として回転自在となるように前記ハンドル本体に装着され、前記チューブ状部材の先端付近の形状を変形させる回転操作の際に用いられる回転操作部と、
    前記回転操作部に対する前記回転操作に連動して前記ハンドル本体内を移動する移動機構と
    を備え、
    前記ハンドル本体は、少なくとも前記移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域を有する
    医療機器用ハンドル。
  2. 前記回転操作に連動して前記延在方向を回転軸として回転するように構成され、前記ハンドル本体内に配置された部分を有する回転機構を更に備え、
    前記チューブ状部材の先端付近の形状を変形させるための1または複数の操作用ワイヤの基端が固定されていると共に前記回転機構に係合するように構成された、1または複数のワイヤ固定部材が、前記移動機構として設けられている
    請求項1に記載の医療機器用ハンドル。
  3. 前記操作用ワイヤおよび前記ワイヤ固定部材が、一対ずつ設けられており、
    一対の前記操作用ワイヤおよび一対の前記ワイヤ固定部材のうち、
    一方の操作用ワイヤにおける前記基端が、一方のワイヤ固定部材に固定されていると共に、
    他方の操作用ワイヤにおける前記基端が、他方のワイヤ固定部材に固定されており、
    前記一方のワイヤ固定部材と前記他方のワイヤ固定部材とが、前記回転機構における回転動作に連動して、前記延在方向に沿って互いに逆方向に移動する
    請求項2に記載の医療機器用ハンドル。
  4. 前記回転機構は、
    前記延在方向に沿って左螺旋状に延伸する第1の凹部と、
    前記延在方向に沿って右螺旋状に延伸する第2の凹部と
    を含んでおり、
    前記一方のワイヤ固定部材は、前記第1および第2の凹部のうちの前記第1の凹部に対して、選択的に係合していると共に、
    前記他方のワイヤ固定部材は、前記第1および第2の凹部のうちの前記第2の凹部に対して、選択的に係合している
    請求項3に記載の医療機器用ハンドル。
  5. 前記ハンドル本体の表面の全領域が、前記透明領域である
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の医療機器用ハンドル。
  6. 可撓性を有するチューブ状部材と、
    前記チューブ状部材の基端側に装着されたハンドルと
    を備え、
    前記ハンドルは、
    ハンドル本体と、
    前記ハンドル本体の延在方向を回転軸として回転自在となるように前記ハンドル本体に装着され、前記チューブ状部材の先端付近の形状を変形させる回転操作の際に用いられる回転操作部と、
    前記回転操作部に対する前記回転操作に連動して前記ハンドル本体内を移動する移動機構と
    を備え、
    前記ハンドル本体は、少なくとも前記移動機構の一部分に対応する領域に、透明領域を有する
    医療機器。
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