JP2016096874A - 電極カテーテル - Google Patents

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拓也 桝田
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Abstract

【課題】カテーテル先端部のループ状部分における内部空間の利用効率を向上させることが可能な電極カテーテルを提供する。【解決手段】電極カテーテル1は、可撓性を有するカテーテル本体21と、このカテーテル本体21の先端側に設けられ、カテーテル本体21の延在方向と非平行なループ面Sを形成するループ状部分を有するカテーテル先端部22と、このカテーテル先端部22に設けられた複数の電極(221,222)と、カテーテル本体21内の先端付近からカテーテル先端部22内に挿通され、形状記憶特性を有する中空状のコアワイヤ42と、ループ状部分のループ径Rを変化させる操作の際に用いられ、コアワイヤ42内に挿通された収縮ワイヤ43とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば不整脈の検査(診断)や治療等に用いられる電極カテーテルに関する。
電極カテーテルは、血管を通して体内(例えば心臓の内部)に挿入され、不整脈の検査や治療等に用いられるものである。このような電極カテーテルでは一般に、体内に挿入されたカテーテルチューブの先端(遠位端)付近の形状が、体外に配置される基端(近位端,後端,手元側)に装着された操作部の操作に応じて、片方向あるいは両方向に変化(偏向,湾曲、撓む)するようになっている。
このような電極カテーテルにおいて、心臓の肺静脈などの部位における電位を測定するため、ループ状に形成されたカテーテル先端部を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。カテーテル先端部がループ状に形成されていることにより、血管の内周部分において、周方向に沿った複数個所の電位を一括して(同時に)測定することが可能となる。
特開2003−111740号公報
ところで、このようなループ状のカテーテル先端部の内部には、一般に、各種の細線(操作用ワイヤや導線、収縮ワイヤ等)がそれぞれ、互いに電気的に絶縁された状態で挿通されている。したがって、このようなカテーテル先端部における内部スペース(内部空間)を有効利用することが望ましく、その利用効率を向上する手法の提案が望まれる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、カテーテル先端部における内部空間の利用効率を向上させることが可能な電極カテーテルを提供することにある。
本発明の電極カテーテルは、可撓性を有するカテーテル本体と、このカテーテル本体の先端側に設けられ、カテーテル本体の延在方向と非平行なループ面を形成するループ状部分を有するカテーテル先端部と、カテーテル先端部に設けられた複数の電極と、カテーテル本体内の先端付近からカテーテル先端部内に挿通され、形状記憶特性を有する中空状のコアワイヤと、ループ状部分のループ径を変化させる操作の際に用いられ、前記コアワイヤ内に挿通された収縮ワイヤとを備えたものである。
本発明の電極カテーテルでは、中空状のコアワイヤ内に収縮ワイヤが挿通されている。これにより、例えば、コアワイヤと収縮ワイヤとが別々に配置されている(コアワイヤの外部に収縮ワイヤが別個に配置されている)場合と比べ、カテーテル先端部の内部にスペース(空間)が生じ易くなる。
本発明の電極カテーテルでは、上記カテーテル先端部が、単一のルーメンを含むシングルルーメン構造を有するのが望ましい。このようにした場合、カテーテル先端部が簡易な構造となる。
この場合において、上記ループ状部分では、上記単一のルーメン内における内周側にコアワイヤを配置するのがより望ましい。このようにした場合、コアワイヤ内の収縮ワイヤを用いたループ径の変化操作(収縮操作)が、容易なものとなる。
本発明の電極カテーテルでは、コアワイヤにおける内周面および外周面の少なくとも一方(望ましくは双方)を、角部を有しない面とするのが望ましい。このようにした場合、コアワイヤ周囲の部材(収縮ワイヤや導線等)への悪影響(角部に起因した部材の損傷等)が、回避され易くなる(望ましくは回避される)。
この場合において、上記角部を有しない面を曲面とするのが更に望ましい。このようにした場合、上記悪影響が更に回避され易くなる(望ましくは回避される)。
本発明の電極カテーテルでは、例えば、上記ループ面がカテーテル本体の延在方向と略直交するようにしてもよい。また、例えば、上記複数の電極に対して電気的に接続されると共にカテーテル先端部内からカテーテル本体内の基端側へ向けて挿通された導線を更に設けてもよい。
本発明の電極カテーテルによれば、中空状のコアワイヤ内に収縮ワイヤを挿通するようにしたので、カテーテル先端部の内部にスペースを生じ易くすることができる。よって、カテーテル先端部における内部空間の利用効率を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る電極カテーテルの概略構成例を表す模式斜視図である。 図1に示したカテーテル先端部の詳細構成例を表す模式斜視図である。 図2に示したカテーテル先端部の側面構成例を表す模式図である。 図3に示したカテーテル先端部の断面構成例を表す模式図である。 図2〜図4に示したコアワイヤの詳細構成例を表す模式斜視図である。 図5に示したコアワイヤの側面構成例を表す模式図である。 図1に示した電極カテーテルの使用態様の一例を表す模式図である。 図1に示した電極カテーテルの使用態様の他の例を表す模式図である。 比較例1に係るカテーテル先端部の断面構成を表す模式図である。 比較例2に係るカテーテル先端部の断面構成を表す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(中空状のコアワイヤ内に収縮ワイヤが挿通されている構成例)
2.変形例
<実施の形態>
[構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電極カテーテル(電極カテーテル1)の概略構成例を、模式的に斜視図で表したものである。電極カテーテル1は、血管を通して体内(例えば心臓の内部)に挿入され、不整脈の検査や治療等に用いられるものである。この電極カテーテル1は、長尺状のカテーテル本体21(カテーテルチューブ,カテーテルシャフト)と、このカテーテル本体21の先端側に接続されたカテーテル先端部22と、カテーテル本体21の基端側に装着されたハンドル3とを備えている。
(カテーテル本体21)
カテーテル本体21は、可撓性を有する管状構造(中空のチューブ状部材)からなり、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状となっている。具体的には、カテーテル本体21の軸方向の長さは、ハンドル3の軸方向(Z軸方向)の長さと比べて数倍〜数十倍程度に長くなっている。なお、このカテーテル本体21は、その軸方向に向かって同じ特性のチューブで構成されていてもよいが、比較的可撓性に優れた先端部分と、この先端部分に対して軸方向に一体に形成されると共に先端部分よりも比較的に剛性のある基端部分とを有するようにするのが好ましい。
カテーテル本体21はまた、自身の軸方向に沿って延在するように内部に1つのルーメン(内孔,細孔,貫通孔)が形成された、いわゆるシングルルーメン構造、あるいは複数(例えば4つ)のルーメンが形成された、いわゆるマルチルーメン構造を有している。なお、カテーテル本体21の内部において、シングルルーメン構造からなる領域とマルチルーメン構造からなる領域との双方が設けられていてもよい。このようなカテーテル本体21におけるルーメンには、各種の細線(後述する操作用ワイヤ40や導線41、収縮ワイヤ43等)がそれぞれ、互いに電気的に絶縁された状態で挿通されている。
このうち、操作用ワイヤ40(引張りワイヤ)は、例えば図1中に破線で示したように、カテーテル本体21内を延伸してハンドル3内へと引き出されており、後述するカテーテル本体21の先端部分の偏向動作の際に用いられるものである。換言すると、操作用ワイヤ40は、カテーテル本体21の先端付近を撓ませるために用いられるものである(例えば図1中の矢印d2参照)。この操作用ワイヤ40における先端は、カテーテル本体21内の先端付近において、アンカーおよびはんだ等によって固定されている。また、操作用ワイヤ40の基端側は、上記したように、カテーテル本体21内からハンドル3内へと延伸され、ハンドル3内で留め具(図示せず)により固定されている。この操作用ワイヤ40は、例えばSUS(ステンレス鋼)やNiTi(ニッケルチタン)等の超弾性金属材料により構成されており、その径は約100〜500μm程度(例えば200μm)である。ただし、必ずしも金属材料で構成されていなくともよく、例えば高強度の非導電性ワイヤ等で構成されていてもよい。
このようなカテーテル本体21は、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン等の合成樹脂により構成されている。また、カテーテル本体21の軸方向の長さは、約500〜1200mm程度(例えば1170mm)であり、カテーテル本体21の外径(X−Y断面の外径)は、約0.6〜3mm程度(例えば2.0mm)である。
(ハンドル3)
ハンドル3は、図1に示したように、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状の把持部31(ハンドル本体,グリップ)と、この把持部31に対して軸方向にスライド可能に装着された操作部32(ノブ)とを有している。
把持部31は、電極カテーテル1の使用時に操作者(医師)が掴む(握る)部分である。この把持部31全体の軸方向の長さは、操作者が片手で把持できる程度となっているのが好ましいが、特に限定されない。このような把持部31は、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂により構成されている。
操作部32は、カテーテル本体21の先端付近を偏向(湾曲)させる際の操作である、偏向操作(首振り操作)を行うための部材である。具体的には、ここでは図1中の矢印d1で示したように、把持部31の軸方向に沿って基端側にスライドさせる操作が可能となっている。また、この操作部32では、例えば、後述する収縮ワイヤ43を用いて後述するループ径Rを変化(例えば縮小)させる操作(収縮操作)を行うことも可能となっている。
(カテーテル先端部22)
カテーテル先端部22は、前述したようにカテーテル本体21の先端側に接続されており、図1に示したように、略円形状をなすように形成されたループ状部分を有している。また、このカテーテル先端部22は、カテーテル本体21における1または複数のルーメンに連通したルーメンを有する、可撓性の管状構造からなる。
図2〜図4はそれぞれ、カテーテル先端部22の詳細構成例を模式図で表したものである。具体的には、図2は、カテーテル先端部22の斜視構成例を拡大して表したものであり、図3は、カテーテル先端部22の側面構成例(電極カテーテル1全体としての先端側から見たX−Y側面構成例)を拡大して表したものである。また、図4は、図3中に示したII−II線に沿った矢視断面構成例(Y−Z断面構成例)を拡大して表したものである。
図2および図3に示したように、このカテーテル先端部22は、カテーテル本体21の延在方向(軸方向:この例ではZ軸方向)と非平行なループ面S(仮想面)を形成するループ状部分を有している。具体的には、この例では、ループ面Sがカテーテル本体21の延在方向と略直交している(例えば直交している)。
このループ状部分は、この例では図2および図3に示したように、ループ径Rを有する略円形状(実質的な円形状)となっている。具体的には、このループ状部分は、この例では、Z軸の正方向に沿って見たときに反時計回り(左回り)となるよう、逆に言うと、Z軸の負方向に沿って見たときに時計回り(右回り)となるように(図3参照)、巻回されている。
ただし、このループ状部分は、厳密に言うと平坦な円形状の閉じたループでなく、後述する先端電極222を最先端とする、若干の螺旋形状のループとなっている。すなわち、本明細書において、「円形状」や「楕円形状」と言うときは、厳密には螺旋形状であるものを包含しているものとする。
このようなカテーテル先端部22は、図2〜図4に示したように、前述した可撓性の管状構造としての絶縁性チューブ220により構成されている。また、この絶縁性チューブ220は、この例では図4に示したように、単一(1つ)のルーメンを有するシングルルーメン構造を有している。このような絶縁性チューブ220は、例えば、ポリウレタンまたはPEBAX(ポリエーテルブロックアミド)のような生体許容性の樹脂材料により構成されている。また、カテーテル先端部22の外径は、約0.6〜2.0mm程度(例えば1.3mm)であり、上記したループ径Rは、約10〜35mm程度(例えば20mm)である。
また、カテーテル先端部22には、図2および図3に示したように、複数の電極(この例では、9個のリング状電極221および1個の先端電極222)が所定の間隔をおいて配置されている。具体的には、リング状電極221は、カテーテル本体21の外周面上に固定配置される一方、先端電極222は、カテーテル本体21の最先端に固定配置されている。なお、リング状電極221の数としては、この例で挙げたもの(9個)に限定されるわけではない。具体的には、リング状電極221の数は、例えば6〜20個であることが好ましく、更に好ましくは、例えば8〜12個である。
これらの電極は、カテーテル先端部22内に挿通された複数の導線41(例えば図4参照)に対して、個別に電気的に接続されている。そして、これらの導線41がそれぞれ、カテーテル先端部22内からカテーテル本体21内へ向けて挿通されることで、リング状電極221および先端電極222がそれぞれ、ハンドル3の内部と電気的に接続されるようになっている。なお、このような導線41は、例えば銅(Cu)等の金属材料により構成されていると共に絶縁性の樹脂で被覆されており、その径は約50〜200μm程度(例えば100μm)である。
このようなリング状電極221および先端電極222はそれぞれ、例えば、アルミニウム(Al),銅,SUS,金(Au),白金(Pt)等の、電気伝導性の良好な金属材料により構成されている。なお、電極カテーテル1の使用時におけるX線に対する造影性を良好にするためには、白金またはその合金により構成されていることが好ましい。また、これらのリング状電極221および先端電極222の外径は、特には限定されないが、上記したカテーテル先端部22の外径と同程度であることが望ましい。
ここで、図2〜図4に示したように、カテーテル先端部22内には、形状記憶特性を有するコアワイヤ42が挿通されている。詳細には、図2に示したように、カテーテル本体21内の先端付近からカテーテル先端部22内に亘って、ループ状部分の形状(ループ形状)を記憶しているコアワイヤ42(ループコア)が挿通されている。また、このコアワイヤ42は、図4に示したように、中空状(チューブ状,管状)の構造を有している。更に、この例では図3および図4に示したように、コアワイヤ42は、カテーテル先端部22のループ状部分内(前述した絶縁性チューブ220における単一のルーメン内)において、その内周側(複数の導線41よりも内周側)に配置されている。このような形状記憶特性を有するコアワイヤ42では、外部から力が加えられることによって容易に変形(例えば直線状に変形)するが、その力が取り除かれると元の形状(ループ形状)に戻るようになっている。
このようなコアワイヤ42は、例えば、Ni−Ti合金等の形状記憶合金により構成されている。なお、このNi−Ti合金におけるNiとTiとの比率は、Ni:Ti=54:46〜57:43であることが好ましい。また、好ましいNi−Ti合金としては、例えばニチノールが挙げられる。
図5〜図7は、コアワイヤ42の詳細構成例を模式的に表したものである。具体的には、図5は、コアワイヤ42の斜視構成例を表したものであり、図6は、コアワイヤ42の側面構成例(X−Y側面構成例)を表したものである。
図5および図6に示したように、コアワイヤ42は、カテーテル本体21における先端付近の形状(直線状)およびカテーテル先端部22の形状(ループ形状)をそれぞれ倣った形状を有している。具体的には、コアワイヤ42は、この例ではカテーテル本体21の先端付近からカテーテル先端部22へと向けて、直線部42a、中継部42b(移行部,連結部)およびループ部42cをこの順に有している。
直線部42aは、カテーテル本体21内に配置されており、このカテーテル本体21の延在方向(この例ではZ軸方向)に沿った直線状となっている。ループ部42cは、カテーテル先端部21におけるループ状部分内に配置されており、このループ状部分に倣ったループ形状(略円形状)となっている。中継部42bは、カテーテル先端部21内に配置されており、直線部42aとループ部42cとを繋ぐ(連結する)部分である。言い換えると、この中継部42cは、直線部42a(直線状)からループ部42c(ループ形状)へと移行する形状の部分となっている。
ここで本実施の形態では、図4に示したように、このような中空状のコアワイヤ42の内部に、収縮ワイヤ43が挿通されている。この収縮ワイヤ43は、カテーテル先端部22におけるループ状部分のループ径Rを変化(例えば縮小)させる操作の際に用いられるものであり、カテーテル先端部22内からカテーテル本体21内を経由してハンドル3内へと挿通されている。また、収縮ワイヤ43の先端は、カテーテル先端部22における先端付近に固定されている一方、収縮ワイヤ43の基端は、カテーテル本体21内からハンドル3内へと延伸され、ハンドル3内で固定されている。
このような収縮ワイヤ43は、例えば、ステンレス、ニッケル合金、鉄合金、カーボンファイバー等の材料により構成されている。また、この収縮ワイヤ43の外径は、約0.1〜0.3mm程度(例えば0.2mm)である。
本実施の形態ではまた、例えば図4に示したように、コアワイヤ42における内周面および外周面の少なくとも一方(この例では内周面および外周面の双方)が、角部を有しない面となっている。具体的には、この例では、コアワイヤ42における角部を有しない面が、曲面(円筒状の曲面)となっている。
[作用・効果]
(A.基本動作)
この電極カテーテル1では、不整脈等の検査や治療の際に、カテーテル本体21およびカテーテル先端部22が、血管を通して患者の体内に挿入される。このとき、操作者による操作部32の操作に応じて、体内に挿入されたカテーテル本体21の先端付近の形状が変化する。
具体的には、例えば、操作者が把持部31を片手で掴み、その片手の指で操作部32を操作することにより、この操作部32を図1中のd1方向(基端側)にスライドさせた場合、以下のようになる。すなわち、カテーテル本体21内で、操作用ワイヤ40が基端側(ハンドル3内の前述した留め具側)へと引っ張られる。すると、このカテーテル本体21の先端付近が、図1中の矢印d2で示した方向に沿って湾曲する(撓む)。
このように、操作者が操作部32を操作(スライド操作)することにより、カテーテル本体21の首振り偏向動作を行うことができる。なお、把持部31をその軸回りに(図1中のXY平面内で)回転させることで、カテーテル本体21が患者の体内に挿入された状態のまま、カテーテル本体21の先端付近の湾曲方向の向きを自由に設定することができる。
また、この電極カテーテル1では、例えば操作部32に対して別の操作(例えば回転操作)を行うことで、収縮ワイヤ43を利用して、カテーテル先端部22におけるループ状部分のループ径Rを変化させる操作(収縮操作)が可能となる(図1中の矢印d3参照)。具体的には、例えば操作部32を回転させると、収縮ワイヤ43が基端側に引っ張られることにより、ループ径Rが縮小する方向に変化する。また、その後に操作部32を元の位置(初期位置)に戻す(逆方向に回転させる)ことで、収縮ワイヤ43に対する引張り動作も解除され、ループ径Rが拡大する方向に変化して初期値に戻ることになる。
ここで、例えば、電極カテーテル1が不整脈等の検査に用いられる場合、患者の体内に挿入されたカテーテル先端部22の電極(リング状電極221および先端電極222)を用いて、心電位が測定される。そして、この心電位の情報を基に、検査部位における不整脈等の有無や程度に関する検査が行われる。
一方、例えば不整脈等の治療に用いられる場合、患者の体表に装着された対極板(図示せず)と、患者の体内に挿入された電極カテーテル1の電極との間で、高周波(RF;Radio Frequency)通電がなされる。このような高周波通電によって、治療対象の部位(血管等)が選択的に焼灼(アブレーション)され、不整脈等の経皮的治療がなされる。
(B.カテーテル先端部22での電位測定の詳細)
ここで、このような電極カテーテル1において、カテーテル先端部22における複数の電極(リング状電極221および先端電極222)を利用した電位測定について、詳細に説明する。
すなわち、まず、例えば図7に示したように、例えば大腿動脈のような主要な動脈または静脈等の血管9内に、電極カテーテル1がカテーテル先端部22側から挿入される。そして、電位の測定部位(例えば心臓の肺静脈等)に向けて、カテーテル先端部22側から血管9内を前進するよう(図8中の矢印D1参照)、電極カテーテル1が操作される(押し込まれる,ねじ込まれる)。
次いで、電位の測定部位に到達後、カテーテル先端部22のループ径Rを随時変化(例えば拡大)させることで(図7中の矢印D2参照)、例えば図8に示したように、その測定部位の内壁(内周面)に、各リング状電極221および先端電極222をそれぞれ、当接または近接させる。そして、この状態にて、複数のリング状電極221および先端電極222をそれぞれ用いて、測定部位における電位(心電位)が測定される。
このようにして電極カテーテル1では、複数のリング状電極221および先端電極222を有するカテーテル先端部22がループ状に形成されていることにより、血管9の内周部分において、周方向に沿った複数個所の電位を一括して(同時に)測定することが可能となる。
(C.コアワイヤ42および収縮ワイヤ43の作用)
次いで、電極カテーテル1におけるコアワイヤ42および収縮ワイヤ43の作用について、比較例(比較例1,2)と比較しつつ詳細に説明する。
(C−1.比較例)
図9は、比較例1に係るカテーテル先端部の断面構成を模式的に表したものである。この比較例1のカテーテル先端部では、本実施の形態の絶縁性チューブ220とは異なり、絶縁性チューブ102が、複数(この例では7つ)のルーメンを有するマルチルーメン構造となっている。そして、これら複数のルーメン内に各種の細線(複数の導線41、コアワイヤ104および収縮ワイヤ43)がそれぞれ、個別に挿通されている。
一方、図10は、比較例2に係るカテーテル先端部の断面構成を模式的に表したものである。この比較例2のカテーテル先端部においても、本実施の形態の絶縁性チューブ220とは異なり、絶縁性チューブ202が、複数(この例では2つ)のルーメンを有するマルチルーメン構造となっている。具体的には、メインとなる大きなルーメンL201内に、複数の導線41およびコアワイヤ204がそれぞれ一緒に挿通されている。また、このメインのルーメンL201の内周側に、サブとなる小さなルーメンL202が形成され、このルーメンL202に収縮ワイヤ43が挿通されている。
このように、これら比較例1,2のカテーテル先端部では、いずれも本実施の形態のカテーテル先端部22とは異なり、コアワイヤ104,204と収縮ワイヤ43とが、別々に配置されている(コアワイヤ104,204の外部に、収縮ワイヤ43が別個に配置されている)。このため、カテーテル先端部の内部にスペース(空間)が生じにくくなり、この内部空間を有効に利用することが困難となる。また、その結果、これら比較例1,2では、カテーテル先端部に設ける電極の多極化(導線41の多本数化)による電位測定箇所の増加や、カテーテル先端部の細径化等に対応するのも困難となる。
(C−2.本実施の形態)
これに対して本実施の形態の電極カテーテル1では、図4に示したように、カテーテル先端部22において、中空状のコアワイヤ42内に収縮ワイヤ43が挿通されている。これにより、例えば上記比較例1,2のように、コアワイヤと収縮ワイヤとが別々に配置されている(コアワイヤの外部に収縮ワイヤが別個に配置されている)場合と比べ、カテーテル先端部22の内部にスペースが生じ易くなる。
また、例えば図4に示したように、このカテーテル先端部22は、単一のルーメンを含むシングルルーメン構造となっている。これにより、例えば上記比較例1,2のようなマルチルーメン構造の場合と比べ、カテーテル先端部22が簡易な構造となる。
更に、例えば図4に示したように、カテーテル先端部22のループ状部分内における内周側に、このようなコアワイヤ42が配置されている。これにより、このコアワイヤ42内の収縮ワイヤ43を用いたループ径Rの変化操作(収縮操作)が、容易なものとなる。
加えて、例えば図4に示したように、このコアワイヤ42における内周面および外周面の少なくとも一方(この例では双方)が、角部を有しない面となっている。これにより、このコアワイヤ42の周囲の部材(収縮ワイヤ43や導線41等)への悪影響(この角部に起因した部材の損傷等)が、回避され易くなる(望ましくは回避される)。
また、例えば図4に示したように、このコアワイヤ42における角部を有しない面が曲面となっていることにより、上記した悪影響が、更に回避され易くなる(望ましくは回避される)。
以上のように本実施の形態では、中空状のコアワイヤ42内に収縮ワイヤ43を挿通するようにしたので、カテーテル先端部22の内部にスペースを生じ易くすることができる。よって、カテーテル先端部22における内部空間の利用効率を向上させることが可能となる。
また、カテーテル先端部22における内部空間の利用効率が向上する結果、例えば、カテーテル先端部22に設ける電極の多極化による電位測定箇所の増加や、カテーテル先端部22の細径化等に対応することが容易となる。更に、例えば、カテーテル先端部22の組み立て工程を容易化することができると共に、収縮ワイヤ43との摩耗が回避されることから絶縁性チューブ220の薄肉化を図ることも可能となる。
<変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態において説明した各部材の形状や配置位置、材料等は限定されるものではなく、他の形状や配置位置、材料等としてもよい。
また、上記実施の形態では、チューブ状部材(カテーテル本体21およびカテーテル先端部22)の構成を具体的に挙げて説明したが、必ずしも全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。具体的には、例えばカテーテル本体21の内部に、首振り部材として、撓み方向に変形可能な板バネが設けられているようにしてもよい。また、カテーテル先端部22における電極の構成(リング状電極221および先端電極222の配置や形状、個数等)は、上記実施の形態で挙げたものには限られない。
また、カテーテル先端部22の形状の態様は、上記実施の形態で説明したものには限られない。具体的には、例えば、カテーテル先端部22におけるループ状部分により形成されるループ面Sが、カテーテル本体21の延在方向に対して直交以外の非平行となっているようにしてもよい。また、例えば、このループ状部分の形状(ループ形状)が、上記実施の形態で説明した略円形状ではなく、略楕円形状となっていてもよい。更に、例えば、カテーテル先端部22が、単一のルーメンを含むシングルルーメン構造ではなく、複数のルーメンを含むマルチルーメン構造であってもよい。
加えて、コアワイヤ42の形状や配置等についても、上記実施の形態で説明したものには限られない。具体的には、例えば、コアワイヤ42における角部を有しない面が、曲面以外の面であってもよく、また、場合によっては、角部を有する面であってもよい。また、例えば、コアワイヤ42が、その内周側(複数の導線41よりも内周側)に配置されていなくともよい(例えば中央付近や外周側に配置されていてもよい)。
更に、カテーテル本体21における先端付近の形状の態様についても、上記実施の形態で説明したものには限られない。具体的には、上記実施の形態では、カテーテル本体21における先端付近の形状が操作部32の操作に応じて片方向に変化するタイプ(シングルディレクションタイプ)の電極カテーテルを例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本発明は、例えば、カテーテル本体21における先端付近の形状が操作部32の操作に応じて両方向に変化するタイプ(バイディレクションタイプ)の電極カテーテルにも適用することが可能である。この場合、操作用ワイヤおよびその留め具をそれぞれ、2本(2つ)設けることとなる。
加えて、本発明に係る電極カテーテルは、不整脈等の検査用の電極カテーテル(いわゆるEPカテーテル)、および不整脈等の治療用の電極カテーテル(いわゆるアブレーションカテーテル)のいずれにも適用することが可能である。
1…電極カテーテル、21…カテーテル本体、22…カテーテル先端部、220…絶縁性チューブ、221…リング状電極、222…先端電極、3…ハンドル、31…把持部、32…操作部、40…操作用ワイヤ、41…導線、42…コアワイヤ、42a…直線部、42b…中継部、42c…ループ部、43…収縮ワイヤ、9…血管、S…ループ面、R…ループ径。

Claims (7)

  1. 可撓性を有するカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の先端側に設けられ、前記カテーテル本体の延在方向と非平行なループ面を形成するループ状部分を有するカテーテル先端部と、
    前記カテーテル先端部に設けられた複数の電極と、
    前記カテーテル本体内の先端付近から前記カテーテル先端部内に挿通され、形状記憶特性を有する中空状のコアワイヤと、
    前記ループ状部分のループ径を変化させる操作の際に用いられ、前記コアワイヤ内に挿通された収縮ワイヤと
    を備えた電極カテーテル。
  2. 前記カテーテル先端部が、単一のルーメンを含むシングルルーメン構造を有する
    請求項1に記載の電極カテーテル。
  3. 前記ループ状部分において、前記単一のルーメン内における内周側に、前記コアワイヤが配置されている
    請求項2に記載の電極カテーテル。
  4. 前記コアワイヤにおける内周面および外周面の少なくとも一方が、角部を有しない面となっている
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電極カテーテル。
  5. 前記角部を有しない面が、曲面である
    請求項4に記載の電極カテーテル。
  6. 前記ループ面が、前記カテーテル本体の延在方向と略直交している
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電極カテーテル。
  7. 前記複数の電極に対して電気的に接続され、前記カテーテル先端部内から前記カテーテル本体内の基端側へ向けて挿通された導線を更に備えた
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電極カテーテル。
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