JP2018029329A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュ同調速度を高速化する。【解決手段】本開示の撮像装置は、蓄積した電荷を第1の方向に順次リセットして露光を開始し、前記露光中に光学系を介して入力した被写体像を撮像して画像信号を生成する撮像素子と、前記撮像素子により生成された前記画像信号に所定の処理を行い、画像データを生成する画像処理部と、前記撮像素子を遮蔽して前記露光を終了する後幕を有するフォーカルプレーンシャッタと、撮影の際に、前記撮像素子のEV値が前記第1の方向に所定の傾斜を持つように、前記撮像素子に対して前記電荷のリセットを開始してから前記リセットを完了するまでの電荷リセット時間を設定し、また前記フォーカルプレーンシャッタに対して前記後幕による前記撮像素子の遮蔽を開始してから前記遮蔽を完了するまでの遮蔽時間を設定して、フラッシュ装置の閃光を開始させる閃光開始タイミングに関する指示を出力する制御部と、を備える。【選択図】図6A

Description

本開示は、フラッシュ撮影を行う撮像装置に関する。
特許文献1は、電子シャッタと機械シャッタを併用する撮像装置を開示する。この撮像装置は、電子シャッタによる電荷リセットを露光量に関係なく高速にリセットすることで、電子シャッタと機械シャッタを併用するフラッシュ撮影を実現している。
特開2008−60640号公報
本開示は、日中シンクロ撮影にも対応可能なフラッシュ同調シャッタスピードを備える撮像装置を提供することにある。
本開示における撮像装置は、蓄積した電荷を第1の方向に順次リセットして露光を開始し、前記露光中に光学系を介して入力した被写体像を撮像して画像信号を生成する撮像素子と、前記撮像素子により生成された前記画像信号に所定の処理を行い、画像データを生成する画像処理部と、前記撮像素子を遮蔽して前記露光を終了する後幕を有するフォーカルプレーンシャッタと、撮影の際に、前記撮像素子の露光量を示すEV値が前記第1の方向に所定の傾斜を持つように、前記撮像素子に対して前記電荷のリセットを開始してから前記リセットを完了するまでの電荷リセット時間を設定し、また前記フォーカルプレーンシャッタに対して前記後幕による前記撮像素子の遮蔽を開始してから前記遮蔽を完了するまでの遮蔽時間を設定して、フラッシュ装置の閃光を開始させる閃光開始タイミングに関する指示を出力する制御部と、を備える。
本開示によれば、多様な撮影環境下でもフラッシュ同調速度を高速化し、違和感の少ない画像を撮影できる。
図1Aは実施の形態1に係るカメラシステムのブロック図である。 図1Bは実施の形態1に係るカメラ本体の斜視図である。 図1Cは実施の形態1に係るフラッシュ撮影時のカメラ本体の斜視図である。 図1Dは実施の形態1に係るカメラ本体の上面図である。 図1Eは実施の形態1に係るフラッシュ撮影時のカメラ本体の上面図である。 図2は実施の形態1に係るメイン回路基板のブロック図である。 図3は電子先幕撮影時の通常撮影における撮影制御のタイムチャートである。 図4は電子先幕撮影時のフラッシュ撮影における撮影制御のタイムチャートである。 図5は電子先幕撮影時のスローシンクロ撮影における撮影制御のタイムチャートである。 図6Aは実施の形態1に係るフラッシュ同調速度の第1の高速化方法を実行した場合の各幕の動作及びフラッシュ装置の閃光を示すタイムチャートである。 図6Bは実施の形態1の変形例に係るフラッシュ同調速度の第1の高速化方法を実行した場合の各幕の動作及びフラッシュ装置の閃光を示すタイムチャートである。 図7Aは実施の形態1に係るフラッシュ同調速度の第2の高速化方法を実行した場合の各幕の動作及びフラッシュ装置の閃光を示すタイムチャートである。 図7Bは実施の形態1の変形例に係るフラッシュ同調速度の第2の高速化方法を実行した場合の各幕の動作及びフラッシュ装置の閃光を示すタイムチャートである。 図8は別の実施の形態に係る外部フラッシュ装置の斜視概略図である。 図9Aは後幕軌跡の変形例と電子先幕軌跡を示すタイムチャートである。 図9Bは図9Aの後幕軌跡に対する電子先幕軌跡の変形例を示すタイムチャートである。 図10Aは後幕軌跡の他の変形例と電子先幕軌跡を示すタイムチャートである。 図10Bは図10Aの後幕軌跡に対する電子先幕軌跡の変形例を示すタイムチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下、図1A〜図7Bを用いて実施の形態1を説明する。
[1−1:カメラシステムの概要]
図1Aは、実施の形態1に係るカメラシステム100のブロック図である。
カメラシステム100は、レンズ交換式のカメラである。カメラシステム100は、カメラ本体1と、カメラ本体1に着脱可能に取り付けられる交換レンズ5とを備えている。カメラ本体1は、撮像装置の一例である。
カメラ本体1は、ミラーボックス装置を有していない、いわゆるミラーレスカメラである。
以下、説明の便宜のため、被写体側を前、撮像面側を後、通常姿勢におけるカメラ本体1の鉛直上側を上、通常姿勢におけるカメラ本体1の鉛直下側を下、通常姿勢におけるカメラ本体1を被写体側から見たときの左側を左、通常姿勢におけるカメラ本体1を被写体側から見たときの右側を右と称する。カメラ本体1の通常姿勢とは、撮像面の長手方向が水平方向に一致し且つ、撮像面の短手方向が鉛直方向に一致するときのカメラ本体1の姿勢である。
図1B〜図1Eは、フラッシュ装置40を備えたカメラ本体1の外観図である。図1Bはフラッシュ装置40が収納された状態のカメラ本体1の斜視図であり、図1Cはフラッシュ装置40がカメラ本体1の上面から上方かつ前方に大きくポップアップした開状態を表す斜視図である。図1Dはフラッシュ装置40が収納された状態のカメラ本体1の上面図であり、図1Eはフラッシュ装置40がカメラ本体1の上面から上方かつ前方に大きくポップアップした開状態を表す上面図である。
カメラ本体1は、その筐体上面にフラッシュ装置40の他、シャッタボタン11a、操作ダイヤル11c等の各種操作部や外付装置用の本体側ホットシュー60を有する。シャッタボタン11aは、使用者による操作を受け付けて、オートフォーカス動作や撮像した画像データの記憶動作を実行するためのボタンである。操作ダイヤル11cは、絞り優先モード、シャッタスピード優先モード、マニュアルモードなどの撮影モードを切り替えるためのボタンである。また、本体側ホットシュー60は、外付けフラッシュ装置540(図8参照)や外付けファインダーなどを接続するために備えられており、これら外付装置と電気的および機械的に接続可能である。
図1Aに戻り説明する。カメラ本体1は、外装カバー11と、電池12と、表示装置13と、ボディマウント14と、本体側接点15と、メイン回路基板20と、メカニカルシャッタ250と、防塵フィルタ260と、光学的ローパスフィルタ16と、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)イメージセンサ30と、CMOS回路基板31と、放熱板32と、フラッシュ装置40とを備えている。
外装カバー11は、カメラ本体1の外装を構成している。外装カバー11は、略直方体状をしている。外装カバー11の上面には、シャッタボタン11aが設けられている。シャッタボタン11aは、2段スイッチである。例えば、シャッタボタン11aを半押しすることによって、オートフォーカスが実行され、シャッタボタン11aを全押しする(完全に押し下げる)ことによって、撮影が行われる。外装カバー11の後面には、表示装置13と、ユーザが各種の操作を行うための操作ボタン11bとが設けられている。
外装カバー11の前面には、ボディマウント14が設けられている。ボディマウント14の近傍には、本体側接点15が設けられている。ボディマウント14には、交換レンズ5がバヨネット結合により取り付けられる。すなわち、ボディマウント14は、交換レンズ5を着脱可能に保持する。このとき、本体側接点15には、後述するレンズ側接点54が電気的に接続される。本体側接点15及びレンズ側接点54を介して、カメラ本体1と交換レンズ5との間でデータ及び制御信号の少なくとも一方の送受信が可能である。尚、本体側接点15は、ボディマウント14に設けられていてもよい。
外装カバー11は、電池12、光学的ローパスフィルタ16、メイン回路基板20、CMOSイメージセンサ30、CMOS回路基板31、放熱板32及びフラッシュ装置40を収容している。
交換レンズ5は、図1Aに示すように、レンズ群51と、レンズ群51のうちズーミングに関わるレンズを駆動する電動ズームアクチュエータと、レンズ群51のうちフォーカシングに関わるレンズを駆動するフォーカスアクチュエータと、レンズ群51のうちブレ補正に関わるレンズを駆動するブレ補正ユニットと、絞りユニットと、レンズ制御回路52と、カメラ本体1に連結されるレンズマウント53と、レンズ側接点54とを備えている。レンズ群51は、光軸Aを有している。レンズ群51は、CMOSイメージセンサ30の撮像面(受光面)に被写体像を結像させる。
交換レンズ5は、レンズマウント53を介してカメラ本体1に取り付けられる。詳しくは、レンズマウント53は、カメラ本体1のボディマウント14にバヨネット結合により連結される。このとき、レンズ側接点54は、カメラ本体1の本体側接点15と電気的に接続される。レンズ制御回路52は、電動ズームアクチュエータ、フォーカスアクチュエータ、ブレ補正ユニット及び絞りユニットを制御する。
[1−2:カメラ本体の構成要素]
CMOSイメージセンサ30は、撮像面に結像した光学像を電気的な画像信号に変換する。CMOSイメージセンサ30は、撮像素子の一例である。撮像素子は、Charge Coupled Device(CCD)イメージセンサ等であってもよい。CMOSイメージセンサ30は、電子シャッタ機能を有している。より詳しくは、CMOSイメージセンサ30は、ローリングシャッタとして機能する。CMOSイメージセンサ30は、ローリングシャッタとして機能するときには、1〜数走査ラインを1つのブロックとする。実施の形態1では、一の走査ラインとは、CMOSイメージセンサ30の全画素を上下方向で複数に分割した場合の、左右方向に平行なラインの一つである。CMOSイメージセンサ30は、ブロック内では電荷蓄積の開始を同時に行うと共に電荷蓄積の終了を同時に行う。
CMOS回路基板31は、CMOSイメージセンサ30を制御する回路基板である。CMOS回路基板31は、CMOSイメージセンサ30からの画像データにアナログ‐デジタル(AD)変換等の所定の処理を施してもよい。CMOS回路基板31には、CMOSイメージセンサ30が取り付けられている。
放熱板32は、CMOSイメージセンサ30が発する熱を放熱する役割を果たす。放熱板32は、CMOSイメージセンサ30に密着した状態で固定されている。放熱板32は、外装カバー11に設けられた3本のボスに取り付けられている。放熱板32は、ボスに取り付ける際に、ボディマウント14からの距離を調整可能となっている。これにより、ボディマウント14からCMOSイメージセンサ30の撮像面までの距離、所謂、フランジバックを所定の値に調整することができる。
表示装置13は、液晶ディスプレイを有する。表示装置13は、表示用画像データに対応する画像等を表示する。表示用画像データは、画像処理された画像データ並びにカメラ本体1の撮影条件及び操作メニュー等のデータである。表示装置13は、動画像及び静止画像を選択的に表示可能である。表示装置13は、被写体の観察像、いわゆるライブビュー画像を表示可能である。表示装置13は、表示部の一例である。
尚、表示部は、有機EL(Electro Luminescence)、無機EL、プラズマディスプレイパネル等の画像を表示できる装置であってもよい。また、表示装置13は、外装カバー11の背面でなく、側面や上面等、他の場所に設けられてもよい。
メカニカルシャッタ250は、詳しくは後述するが、先幕252および後幕253によってスリットを形成し、露光動作を行うことが出来る、いわゆるフォーカルプレーンシャッタである。また、後述するように、電子先幕で露光する場合には、メカニカルシャッタ250の後幕253は、この後幕253単一でアパーチャの開閉ができるように構成されている。図1Aでは、メカニカルシャッタ250は先幕252を含むが、電子先幕を用いる場合、先幕252が含まれなくてもよい。メカニカルシャッタ250が先幕252を含む場合は、撮影状況によって先幕252と電子先幕とを使い分けてもよい。
光学的ローパスフィルタ16は、入射光から空間周波数の高い部分を取り除く。具体的には、光学的ローパスフィルタ16は、入射光を分離して、被写体像の解像度をCMOSイメージセンサ30の画素のピッチよりも粗くする。一般的にCMOSイメージセンサ等の撮像素子には、ベイヤ配列と呼ばれるRGB色のカラーフィルタやYCM色の補色カラーフィルタが配されている。したがって、被写体像をCMOSイメージセンサ30の1画素に合わせて解像してしまうと、偽色が発生するばかりでなく、繰り返しパターンの被写体ではモアレ現象が発生する。そこで、光学的ローパスフィルタ16を設けることによって、偽色やモアレ現象の発生を抑制することができる。光学的ローパスフィルタ16は、光学的フィルタの一例である。
光学的ローパスフィルタ16は、赤外光を取り除くIR(infrared)カットフィルタ機能も有している。
また、CMOSイメージセンサ30の画素が非常に小さく、偽色やモアレ現象が発生しにくい場合、または、画像処理によってソフト的に偽色やモアレ現象を抑制できる場合には光学的ローパスフィルタ16を省略してもよい。
防塵フィルタ260は、圧電素子261を有する。防塵フィルタ260は、圧電素子261を振動させることによって埃等の撮影画像に影響を与える異物を除去する。尚、防塵フィルタ260を省略し、光学的ローパスフィルタ16に防塵フィルタ260の機能を持たせてもよい。例えば、光学的ローパスフィルタ16のうち撮影に影響の無い部分に圧電素子を取り付け、該圧電素子を振動させる。これにより、光学的ローパスフィルタ16に付着した埃や塵を落とす。
図2に示すように、メイン回路基板20には、制御Integrated Circuit(IC)21と、Read Only Memory(ROM)405と、Random Access Memory(RAM)407と、DC/DCコンバータ22と、記録メディアソケット23とが実装されている。
制御IC21は、制御部としてのコントローラ401と、画像処理部403と、を備える。制御IC21は、半導体素子などで実現可能である。
画像処理部403は、CMOSイメージセンサ30で生成され、変換されたデジタル画像データに対して、コントローラ401の制御を受け、各種処理を施す。画像処理部403は、表示装置13に表示するための画像データを生成したり、記録メディアソケット23を介して記録メディア23a(図1A参照)に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部403は、CMOSイメージセンサ30で生成された画像データに対して、シェーディング補正、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部403は、CMOSイメージセンサ30で生成された画像データを、RAW出力したり、JPEG規格などに準拠した圧縮形式等により圧縮したりする。
コントローラ401は、カメラ本体1全体の制御を司り、例えば、撮影に関わるカメラ本体1の制御を行う。コントローラ401は、制御部の一例である。尚、制御部は、カメラシステム100又はカメラ本体1を制御するものであれば、物理的にどのように構成されてもよい。例えば、コントローラ401は、プログラム可能なマイクロコンピュータであってもよい。またコントローラ401は、ハードロジックで実現されてもよい。コントローラ401は、1つの素子で構成されてもよいし、物理的に複数の素子で構成されてもよい。複数の素子で構成される場合、それらの複数の素子で一つの制御部を構成すると考えることができる。またコントローラ401は、制御IC21のように、画像処理部403のような別の機能を有する部材とともに1つの素子として構成されてもよい。コントローラ401は、マイクロコントローラ、Central Processing Unit(CPU)、Micro Processing Unit(MPU)、Digital Signal Processor(DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Field‐Programmable Gate Array(FPGA)などで実現できる。
RAM407は、画像処理部403及びコントローラ401のワークメモリとして機能する。RAM407は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、強誘電体メモリなどで実現できる。
ROM405は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。ROM405は、カメラシステム100全体を制御するための制御プログラムやプログラム線図などのデータ等を記憶している。
尚、RAM407やROM405は、制御IC21に内蔵または混載されても構わない。
DC/DCコンバータ22は、電池12からの電圧を各デバイスに応じた電圧に変換して出力する。すなわち、電池12は、DC/DCコンバータを介してカメラ本体1及び交換レンズ5に電力を供給する。
記録メディアソケット23には、記録メディア23aが挿入可能である。
メイン回路基板20は、本体側ホットシュー電気接点60a、メカニカルシャッタ250、本体側接点15、無線通信回路基板70、フラッシュ回路基板42、などに接続されている。
コントローラ401は、本体側ホットシュー60に接続された外付けフラッシュ装置540などの外部機器と本体側ホットシュー電気接点60aを介して双方向に通信制御を行うことができる。
コントローラ401は、メカニカルシャッタ250を制御する駆動メカ254(図1A参照)と接続され、後述するアパーチャの開閉を制御する。
無線通信回路基板70には、Bluethooh(登録商標)規格の通信モジュール(通信部の一例)が実装されており、コントローラ401は、無線接続された外部機器と双方向に通信制御を行うことができる。なお、通信モジュールは、赤外線通信や無線LAN(Local Area Network)などであっても良く、外部機器と無線で接続できるものであれば良い。
メイン回路基板20は、回路基板の一例である。
図1B〜図1Eに示すように、フラッシュ装置40は、外装カバー11の右端においてポップアップ可能に収容されている。フラッシュ装置40がポップアップすることによって、フラッシュ光の交換レンズ5によるケラレが抑制される。
[1−3.フラッシュ装置の詳細構成]
フラッシュ装置40は、図1Aに示すように、発光部41と、フラッシュ回路基板42と、メインコンデンサ43と、フラッシュ回路基板42とメインコンデンサ43とを電気的に接続する第1電線42aと、メインコンデンサ43と発光部41とを電気的に接続する第2電線42bと、ケーシング44とを有している。発光部41は、キセノン発光菅及びトリガコイルを有する。フラッシュ回路基板42は、電気回路を有している。フラッシュ回路基板42は、発光部41及びメインコンデンサ43を制御する。詳しくは、フラッシュ回路基板42は、メイン回路基板20から供給される電圧を昇圧して、第1電線42aを介してメインコンデンサ43に供給する。また、フラッシュ回路基板42は、発光部41にトリガ信号を出力する。フラッシュ回路基板42からのトリガ信号によってトリガコイルに電力が供給されると、メインコンデンサ43に蓄えられた電荷が第2電線42bを介して発光部41に供給され、発光部41のキセノン菅の両端子間で放電され、フラッシュ光が発せられる。メインコンデンサ43は、コンデンサの一例である。
フラッシュ回路基板42は、ケーシング44に収容されている。ケーシング44は、ファイヤエンクロージャである。すなわち、ケーシング44は、難燃性(UL94規格でV−0以上)の樹脂で形成されている。フラッシュ回路基板42とメインコンデンサ43との間の第1電線42a及びメインコンデンサ43と発光部41との間の第2電線42bは、比較的大きな電圧で電流が流れる高電圧線である。発光部41は、収納位置とポップアップ位置との間を移動する。
[1−4.メカニカルシャッタの動作]
メカニカルシャッタ250は、先幕252および後幕253を有する幕ユニットでアパーチャの開動作及び閉動作を択一的に行う。カメラシステム100はミラーレスカメラであるため、撮影者が被写体像を認識しフレーミングするためには、CMOSイメージセンサ30上に交換レンズ5のレンズ群51による被写体像を結像させライブビュー画像を確認する必要がある。したがって、メカニカルシャッタを用いる撮影(以下メカニカルシャッタ撮影)では、撮影者がフレーミングするとき、メカニカルシャッタ250の先幕252および後幕253はアパーチャから退避した状態を維持する。続いて、撮影者がシャッタボタン11aを押下したとき、オートフォーカス、測光など所定の撮影準備動作の後、先幕252は一旦閉動作し、CMOSイメージセンサ30の電荷はリセットされる。次に実際の露光動作に移るため、先幕252は開動作を開始し、前述した測光の結果に基づき後幕253は閉動作を開始する。このとき先幕252と後幕253がスリットを形成し、CMOSイメージセンサ30は被写体像を適正な露出で撮像することが可能となる。撮影が終了すると、蓄積された電荷に基づく被写体像がCMOSイメージセンサ30から読み出される。このとき、CMOSイメージセンサ30は遮光されている必要があるため、後幕253は閉状態を保持している。CMOSイメージセンサ30からの被写体像の読出しが完了すると、後幕253が開動作することで、先幕252および後幕253の双方が開状態となり、前述のフレーミングのときと同様にライブビュー可能な状態に戻ることが出来る。
次に電子先幕を用いる撮影(以下電子先幕撮影という)について説明する。電子先幕撮影では、前述の先幕252は開状態のまま保持される。電子先幕撮影では、CMOSイメージセンサ30は、コントローラ401によって制御され、後幕253の閉動作の軌跡と平行になるように、蓄積された電荷を順次リセットしていく。つまり電子先幕撮影とは、先幕252の機械的な閉動作を、電子的な電荷リセット動作に代えて実現することを意味する。
[1−5.カメラ本体の撮影制御]
次に、カメラ本体1の撮影制御について図3、図4及び図5を参照しながら説明する。ここでは、先幕252および後幕253を使用したメカニカルシャッタ撮影は公知であるため説明を割愛し、電子先幕と後幕253とを用いた撮影(以下、電子先幕撮影という)について詳しく説明する。具体的には、コントローラ401が、カメラ本体1の各要素を制御し、以下の撮影制御を行う。
図3は、電子先幕撮影時の通常撮影(フラッシュ無し)における撮影制御のタイムチャートを示す。図4は、電子先幕撮影時のフラッシュ撮影における撮影制御のタイムチャートを示す。図5は電子先幕撮影時のスローシンクロ撮影における撮影制御のタイムチャートを示す。
図3、図4、図5ともに上段から順に、(A)は、信号S1の変化を示し、(B)は、信号S2の変化を示す。信号S1及び信号S2は、シャッタボタン11aを操作したときに出力される信号である。シャッタボタン11aが半押しされたときに、信号S1が出力される(信号S1がオン(ON)になる)。シャッタボタン11aが全押しされたときに、信号S2が出力される(信号S2がONになる)。信号S2が出力されるときには、信号S1の出力も継続している。(C)は、フォーカスレンズの位置を示す。(D)は、CMOSイメージセンサ30の電荷リセット及び電荷読出タイミングの概念を示す概略図である。(D)の縦軸の下端(0)は全ラインの電荷がリセットされた状態を示し、上端(+)に行くほどCMOSイメージセンサ30に蓄積された総電荷量が増えることを示す。つまり(D)の縦軸は、CMOSイメージセンサ30における特定のラインの電荷量(有無)を示すものではない。(E)は、電子先幕の挙動イメージを示す。(E)の縦軸の上端(閉)は、電子先幕が完全に閉状態であることを示し、下端(開)は電子先幕が全開状態であることで示している。(F)は、メカニカルシャッタの動作を示している。(F)の縦軸の上端(開)は、後幕が全開状態であることを示し、下端(閉)は後幕が完全に閉状態であることで示している。図4及び図5における(G)は、フラッシュ装置による閃光タイミングを示す。
[1−6−1.電子先幕とメカニカル後幕を併用した撮影]
電子先幕とメカニカルシャッタの後幕を併用した、いわゆる電子先幕撮影について図3を参照しながら説明する。なお、実施の形態1において、後幕とは図1に示すメカニカルシャッタ250の後幕253を指し、必要に応じて後幕もしくはメカニカル後幕と称する。図3に示す電子先幕撮影では、閃光させていない。
シャッタボタン11aが半押しされ、信号S1がON状態になると、制御IC21(コントローラ401)は、既知のコントラスト方式のオートフォーカス(以下、「AF」という)を行う。つまり、制御IC21は、フォーカスレンズを駆動し、CMOSイメージセンサ30で取得される画像のコントラスト評価を行うことによって合焦位置を探し、フォーカスレンズを合焦位置に移動させる。それと同時に、制御IC21は、被写体像の測光を行う。この測光に基づいて露光時間を決定する。
制御IC21は、信号S2がON状態となるまでの間は、表示装置13にライブビュー画像を表示させる。このとき、メカニカル後幕253は開状態である。
シャッタボタン11aが全押しされて、信号S2が出力されると、制御IC21は、CMOS回路基板31を介して、CMOSイメージセンサ30にローリングシャッタ方式の電子先幕シャッタ動作を行わせる。詳しくは、信号S2が出力されると、CMOSイメージセンサ30は、一旦全電荷を一斉にリセットした後、撮影の為に上端のラインから下端のラインに向かって順にアパーチャが開くように電荷リセットを行う。撮影の為の電荷リセットを開始してから所定の露光時間が経過すると、制御IC21は、メカニカルシャッタ250を作動させ、アパーチャを遮蔽させる。すなわち、メカニカルシャッタ250は、後幕として機能している。こうして被写体からCMOSイメージセンサ30へ入射する光を遮断した後、制御IC21は、CMOSイメージセンサ30の電荷の読出を実行する。なお、アパーチャとは、光学系へ入射する光を通過させる開口部である。
CMOSイメージセンサ30の電荷の読出が完了すると、制御IC21は、メカニカルシャッタ250のアパーチャを開放し、ライブビュー表示を再開する。
ここで、図3に示す電子先幕撮影では、電荷リセットの領域を順次変えていくことで、電荷リセットによりアパーチャが閉じる方向とメカニカル後幕253によりアパーチャを閉じる方向(すなわち、アパーチャをどちら側からどちら側へ閉じていくか)とを一致させている。さらに図3に示す電子先幕撮影では、電荷リセットの速度(リセット速度)とメカニカルシャッタ250の幕速(後幕253が進む速度)とが一致するようにしている。こうすることによって、各ラインの露光時間が一定になるようにしている。
[1−6−2.電子先幕とメカニカル後幕を併用したフラッシュ撮影]
続いて、電子先幕とメカニカル後幕を併用する電子先幕撮影であり、さらにフラッシュ光を用いるフラッシュ撮影について図4を参照しながら説明する。
電子先幕とメカニカル後幕を併用したによるフラッシュ撮影においては、シャッタボタン11aが完全に押し下げられるまでの処理は、電子先幕とメカニカル後幕を併用した図3に示す撮影と同じである。
シャッタボタン11aが全押しされて、信号S2が出力されると、制御IC21は、フラッシュ装置40にプリ発光を行わせ、露光時の露出が適正となる発光量を求める。続いて、制御IC21は、CMOS回路基板31を介して、CMOSイメージセンサ30にローリングシャッタ方式の電子先幕シャッタ動作を行わせる。すなわち、CMOSイメージセンサ30は、上端のラインから下端のラインに向かってアパーチャが開くように、順に電荷リセットを行う。このとき、電荷リセットによりアパーチャが開く方向をメカニカルシャッタ250がアパーチャを閉じる方向と一致させると共に、リセット速度をメカニカルシャッタ250の幕速と一致させる。
全画素の電荷リセットが完了すると、制御IC21は、プリ発光により求めた発光量でフラッシュ装置40に本発光(閃光)を行わせる。本発光の後、制御IC21は、メカニカルシャッタ250を作動させ、アパーチャを遮蔽させる。アパーチャを遮蔽した後、制御IC21は、CMOSイメージセンサ30の電荷の読出を実行する。
電荷の読出が完了すると、制御IC21は、メカニカルシャッタ250のアパーチャを開放し、ライブビュー表示を再開する。
電子先幕及びメカニカル後幕によれば、先幕及び後幕の幕速を速くすることができるので、先幕が完全に開放してから本発光を行い、本発光後に後幕の遮蔽を開始したとしても、適正露出によるフラッシュ撮影を行うことができる。
[1−6−3.スローシンクロ撮影]
次に、スローシンクロ撮影について図5を参照しながら説明する。スローシンクロ撮影とは、フラッシュ光を用いて、比較的遅いシャッタ速度で行う撮影であり、夜景などフラッシュ光の届かない被写体とフラッシュ光の届く比較的近距離の被写体とを同時に適正露出で捕らえる撮影である。
シャッタボタン11aが全押しされて、フラッシュ装置にプリ発光させるまでの基本的な処理は、電子先幕撮影における通常のフラッシュ撮影と同じである。ただし、スローシンクロ撮影においては、シャッタボタン11aが半押しされると、雰囲気光による被写体像の測光を行い、CMOSイメージセンサ30の電荷取り込み時間を決定する。図5の場合は、電荷取り込み時間を、例えば電子先幕が開き始めた点から後幕が閉じ始めた点とする。
そしてプリ発光時には、制御IC21は、比較的近距離の被写体の露出が適正となるように発光量を求める。その後、制御IC21は、アパーチャが順に開くように、CMOSイメージセンサ30の全画素の電荷を順にリセットする。リセット直後に制御IC21は、プリ発光により求めた発光量でフラッシュ装置40に本発光を行わせる。電荷取り込み時間が経過すると、制御IC21は、メカニカルシャッタ250の後幕253を閉状態となる位置へ移動させ、アパーチャを遮蔽する。すなわち、メカニカルシャッタ250は、後幕として機能している。こうして被写体からCMOSイメージセンサ30への光を遮断した後、制御IC21は、CMOSイメージセンサ30の電荷の読出を実行する。
電荷の読出が完了すると、制御IC21は、メカニカルシャッタ250のアパーチャを開放し、ライブビュー表示を再開する。
スローシンクロ撮影においては、電荷取り込み時間が設定され、通常の電子先幕撮影におけるフラッシュ撮影のときよりも露光時間が長くなる。スローシンクロ撮影においても、閃光開始後にメカニカルシャッタ250を閉じることによって、電荷の読出時に余分な被写体光を遮断することができる。これにより、読出中の露光を防止し、適正露出によるフラッシュ撮影を行うことができる。
[1−7.フラッシュ同調速度の高速化の必要性]
メカニカル後幕と電子先幕を併用したフラッシュ撮影においては、前述のように先幕(電子先幕)がアパーチャから退避してから後幕がアパーチャに出るまでの間にフラッシュ装置による閃光を行う必要がある。環境輝度が非常に低い場合には、フラッシュ光の到達可能な距離にある被写体だけにフラッシュ光が照射されるため、先幕と後幕によって決定される露出時間による撮影画像の差異は小さい。しかしながら、昼間などの環境輝度が高い状態で手前の主被写体にフラッシュ光を照射し、主被写体と背景被写体とを同時に撮影する、いわゆる日中シンクロ(デイライトシンクロ)フラッシュ撮影の場合は、フラッシュ光とは無関係に背景被写体の輝度と使用絞り値、および撮像ISO感度によって露出時間が決定される。意図する撮影画像を得るためには、撮影者が被写界深度から絞り値を決定し、ノイズ等の諸要因からISO感度を決定するが、このとき露出時間が一義的に決定されてしまう。このとき決定された露出時間がフラッシュ同調速度より短い場合はフラッシュ装置を閃光させることが出来ず、絞り値やISO感度を変更せざるを得なくなり、撮影者の意図する撮像が出来ない可能性がある。なお、フラッシュ同調速度とは、フラッシュ光が同調可能な最速のシャッタ速度を言う。つまり撮影の際の電子先幕の電荷リセットが完了した後メカニカル後幕の閉動作が開始されるまでの間(アパーチャが全開となる期間)に、フラッシュ装置が閃光できる、最も速いシャッタ速度である。また、シャッタ速度とは露光時間であり、シャッタ速度が速いとは露光時間が短いことを意味する。また、逆光シーンなどのように、背景被写体が明るく主被写体との輝度差が激しい場合に、フラッシュ装置を閃光させることが出来ないと、背景被写体の輝度に応じて露出をあわせると主被写体が暗くなり、逆に主被写体に露出をあわせると背景被写体が白飛びを起こしてしまい、撮影者の意図する撮像が出来ない可能性がある。一方で、背景被写体が明るく主被写体との輝度差が激しい環境下において、主被写体にフラッシュ光を照射するためにフラッシュ同調速度を遅くすると、絞りを必要以上に絞り込むか、ISO感度を極端に落とす必要が生じる。しかしながら、必要以上に絞り込むと撮影者の意図する被写界深度より深くなり、回折現象による小絞りボケなどの画質劣化が生じたり、あるいは物理的に絞りを絞れない事態が生じたりする。また、低ISO感度にも限界があるため、いずれにせよ撮影者の自由度が狭められる結果となる。ここで、電子先幕の場合、電荷をリセットする速度は自由度が高い。そこで、電子先幕における電荷をリセットする速度の自由度を利用することでフラッシュ同調速度を高速化し、撮影画像の違和感を低減する方法を考案した。
[1−8.第1のフラッシュ同調速度の高速化方法]
図6Aを用いて、実施の形態1に係るフラッシュ同調速度の第1の高速化方法を説明する。図6Aの一点鎖線で示す電子先幕軌跡200は、スローシンクロ撮影以外の撮影時であって、図4に示すような電子先幕撮影時におけるフラッシュ撮影時の電子先幕の軌跡を表す。後幕軌跡300は、メカニカル後幕の閉動作に対応するCMOSイメージセンサ30への遮光の軌跡を示す。電子先幕は、電子先幕軌跡200が後幕軌跡300に沿うように制御ICによって制御される。ここで、例えば、後幕が、アパーチャを上下方向で上から下(下から上でも良い)に遮蔽する時間(遮蔽時間)を3.6m秒とし、フラッシュ装置が閃光を開始してから閃光を終了するまでの閃光時間Bラグを1.0m秒とする。電子先幕が電荷リセットを完了するタイミング(以下、電荷リセット完了タイミングという)やフラッシュ装置が閃光を開始するタイミング(以下、閃光開始タイミングという)は電気的に正しく設定できるため、電荷リセット完了タイミングと閃光開始タイミングとの時間差であるAラグは0m秒に設定することが可能である。したがって、露光時間は、
0 + 1.0 + 3.6 = 4.6m秒
となる。
TV(Time Value)値に換算すると、以下の値となる。
TV = log1/(4.6÷1000) = 7.76415
したがって、通常の撮影において物理的可能なフラッシュ同調速度は、以下の値となる。
1/27.76415 = 1/217秒
次に電子先幕軌跡201は、撮像された画像の背景被写体の露出時間差が規格(JIS B 7091 カメラ用シャッタ、ISO 516)にて許容される0.45EV(Exposure Value)に対応する露出時間差となるように設定された場合の、電子先幕の軌跡である。電子先幕軌跡200を説明した場合と同じ閃光時間、閃光時間Bラグ、Aラグの条件下において、CMOSイメージセンサ30の全画素において、上下方向の露光量差が0.45EVになる計算例を説明する。
前述のように電荷リセット完了タイミングから1m秒経過後に後幕が走行開始(遮蔽開始)することが必要条件であり、上記背景被写体の上下方向の露光量差が0.45EVであることが十分条件となる。
露光時間を4.6m秒とする場合に、露光が完了する直前のタイミングの露光量と比較して、露光開始時の露光量が0.45EV暗くなるように設定する。露光開始ラインのTV値をTVs(時間換算で1/2TVs=Ts秒)とすると、TVsは以下の式で求められる。
TVs = TV + 0.45
= 7.76415 + 0.45
= 8.21415
これより全ラインのTV値の相乗平均を示すTV値TVm(時間換算で1/2TVm=Tm秒)は、以下の式で求められる。
TVm = (TVs+TV)/2 = 7.98915
すなわち、Tmは以下の値となる。
Tm = 1/254秒
このように、JIS規格を満足しながらフラッシュ同調速度を早くすることが出来る。
また、CMOSイメージセンサ30の全画素の上下方向における中心となる中心ラインの露出時間Tcは、以下の値となる。
Tc = (Ts+T)/2
= 1/251秒
すなわち、中心ラインの露出時間を基準としてもフラッシュ同調速度を早くすることが出来る。なお、実施の形態1では、基本的にはフラッシュ同調速度を中心ラインの露出時間Tcと同義と考える。
上記を一般化すると、メカニカル後幕によりアパーチャが遮蔽されるのに要する遮蔽時間をC秒、フラッシュ装置による閃光時間BラグをF秒、AラグをA秒とした場合の露光時間(従来の実施の形態において物理的可能な最速のシャッタ速度であるフラッシュ同調速度)T秒は、以下の式に示される。
T = (C+F+A)秒
この露出時間T秒をTV値に換算すると、TV値は以下の式に示される。
TV = −log(C+F+A)
次に電子先幕軌跡201は、撮影画像の背景被写体の上下方向における露出時間の許容値(EV値の差)を1/2秒(EV値換算でx)となるように設定した場合の軌跡を示す。
前述のように電荷リセット完了タイミングからF秒経過後に後幕253による遮蔽を開始することが必要条件であり、上記背景被写体の上下方向における露光時間差が1/2秒(EV値換算でx)であることが十分条件となる。
(C+F+A)秒を基準に露光開始時に1/2秒(EV値換算でx)分、暗くなるように設定する。露光開始時のTV値をTVs(時間換算で1/2TVs=Ts)とすると、TVsは以下の式で示される。
TVs = TV + x
これよりフラッシュ同調速度Tcに対応する中心TV値であるTVc(時間換算で1/2TVc=Tc秒)は、以下の式(1)で示される。
TVc = (TVs+TV)/2
= x/2 + TV
= x/2 − log(C+F+A) ・・・(1)
また、中心ラインの露出時間Tc(TV値換算で−logTc)は、以下の式(2)で示される。
Tc = (T+Ts)/2
= T/2 + 2−TVs/2
= T/2 + 2−(TV+x)/2
= T/2 + (T× 2−x )/2
= {1+2−(1+x)} × T/2 ・・・(2)
つまり、中心ラインの露出時間を基準としてもフラッシュ同調速度を早くすることが出来る。
なお、図6Bに示すように電子先幕軌跡201aが曲線軌跡となるようにCMOSイメージセンサ30を制御すると、TV値の平均である中央TV値Tmと、CMOSイメージセンサ30の中心ラインのTV値TVcとが一致し、より自然な画像が得られる。なお、図6Bでは、CMOSイメージセンサ30は、電子先幕軌跡201aが、線形軌跡ではなく、2のべき乗や高次の項を含む曲線軌跡となるよう制御されている。よって電子先幕軌跡201aの開始ライン(例えばCMOSイメージセンサ30の上端)と終了ライン(例えばCMOSイメージセンサ30の下端)の電荷リセットが実行されるリセット時刻は、図6Aに示す線形軌跡である電子先幕軌跡201の開始ラインと終了ラインのリセット時刻と同じであるが、電子先幕軌跡201aの他のラインのリセット時刻は、対応する電子先幕軌跡201の他のラインのリセット時刻と異なる。
言い換えると、図6Aおよび図6Bに示すように、CMOSイメージセンサ30の電子先幕軌跡(図6Aの例では201、図6Bの例では201a)が、露光開始ライン(図6Aおよび図6Bの例では上端のライン)の電荷リセットを開始してから最終ライン(図6Aおよび図6Bの例では下端のライン)の電荷リセットが完了するまでの時間である、電荷リセット時間Tr秒経過した後、A秒経過後にフラッシュ装置による閃光が開始するよう指示し、フラッシュ装置による閃光開始から、F秒後にメカニカルシャッタ250の後幕253による遮蔽を行い、遮蔽をC秒で完了させるように制御すれば良い。
ここで、電荷リセット時間Trは、露光開始ラインの露光時間をTs秒とした時、以下の式(3)で示される。
Tr = Ts −(A+F)
= 2−(TV + x) −(A+F)
= 2−TV × 2−x −(A+F)
= (A+F+C) × 2−x − (A+F)・・・(3)
すなわち、電子先幕の軌跡は、図6Aで示した電子先幕軌跡201や、図6Bで示した201aに限られず、EV値が上下方向で所定の差を有すれば良く、最初に露光を開始する上端のラインの電荷リセットから、最後に露光を開始する下端のラインの電荷リセットまでの時間(アパーチャが全開となるまでの時間)がTr秒となるように、CMOSイメージセンサ30の電子先幕軌跡を制御すればよい。
[1−9.第2のフラッシュ同調速度の高速化方法]
撮影後の画像に対し、画像処理部403で、EV値の傾斜の半値(例えば0.45EV)以上の逆傾斜シェーディング補正を実施する前提であれば、[1−8.第1のフラッシュ同調速度の高速化方法]と同様の考えを用いて、背景被写体の上下方向の露光量差が0.9EVとすることが可能となる。
具体的には、図7Aに示すように、露光開始ラインのTV値をTVs(時間換算で1/2TVs=Ts秒)、露光最終ラインのTV値をTV(時間換算で1/2TV=T秒)とすると、EV値の差は0.9EVであるので、TVsは以下の式で求められる。
TVs = TV + 0.9
= 7.76415 + 0.9
= 8.66415
これよりTV値の相乗平均値であるTVm(時間換算で1/2TVm=Tm)は、以下の式で求められる。
TVm = (TVs+TV)/2 = 8.21415
すなわち、
Tm = 1/297秒となる。
この状態で、CMOSイメージセンサ30の下端から上端に向かって0.45EVだけシェーディング補正を掛けることで、背景被写体のEV値は、[1−8.第1のフラッシュ同調速度の高速化方法]と同じように上下方向に、EV値差0.45EVに相当する傾斜を持つことになる。また主被写体のEV値は、背景被写体と逆方向に(下から上に)、EV値差0.45EVに相当する傾斜を持つことになる。
また、CMOSイメージセンサ30の全画素の上下方向における中心となる中心ラインの露出時間Tcは、以下の値となる。
Tc = (Ts+T)/2
= 1/283秒
したがって、中心ラインの露出時間を基準としてもフラッシュ同調速度を早くすることが出来る。
上記を一般化すると、メカニカル後幕によりアパーチャが遮蔽されるのに要する遮蔽時間をC秒、フラッシュの閃光時間BラグをF秒、AラグをA秒とした場合のフラッシュ同調速度である中心TV値TVcは[1−8.第1のフラッシュ同調速度の高速化方法]と同じく、下記の式(1)で示される。
TVc = x/2 − log(C+F+A) ・・・(1)
なお、図7Bに示すように電子先幕軌跡201aが曲線軌跡となるようにCMOSイメージセンサ30を制御すると、中央TV値Tmと、中心ラインのTV値TVcが一致し、より自然な画像が得られる。なお、図7Bでは、CMOSイメージセンサ30は、線形軌跡ではなく、2のべき乗や高次の項を含む曲線軌跡となるよう制御されている。よって電子先幕軌跡201aの開始ラインと終了ラインのリセット時刻は、図7Aに示す線形軌跡である電子先幕軌跡201の開始ラインと終了ラインのリセット時刻と同じであるが、電子先幕軌跡201aの他のラインのリセット時刻は、対応する電子先幕軌跡201の他のラインのリセット時刻と異なる。
言い換えると、図7Aおよび図7Bに示すように、CMOSイメージセンサ30の電子先幕軌跡(図7Aの例では201、図7Bの例では201a)が、露光開始ライン(図7Aおよび図7Bの例では上端のライン)の電荷リセットを開始してから最終ライン(図7Aおよび図7Bの例では下端のライン)の電荷リセットが完了するまでの時間である、電荷リセット時間Tr秒経過した後、A秒経過後にフラッシュ装置による閃光が開始するよう指示し、フラッシュ装置による閃光開始から、F秒後にメカニカルシャッタ250の後幕253による遮蔽を行い、遮蔽をC秒で完了させるように制御すれば良い。
ここで、電荷リセット時間Trは、露光開始ラインの露光時間をTs秒とした時、[1−8.第1のフラッシュ同調速度の高速化方法]と同じく、下記の式(3)で示される。
Tr = (A+F+C) × 2−x − (A+F)・・・(3)
すなわち、電子先幕の軌跡は、図7Aで示した電子先幕軌跡201や、図7Bで示した201aに限られず、上下方向に所定のEV値の差を有すれば良く、最初に露光を開始するラインの電荷リセットから、最後に露光を開始するラインの電荷リセットまでの時間(アパーチャが全開となるまでの時間)がTr秒となるように、CMOSイメージセンサ30の電子先幕軌跡を制御すればよい。
[1−10.効果等]
以下に実施の形態1における効果等を示す。
(1)実施の形態1において、カメラ本体1は、フラッシュ装置により閃光させて撮像可能なカメラ本体1であって、CMOSイメージセンサ30(撮像素子の一例)と画像処理部403とメカニカルシャッタ250(フォーカルプレーンシャッタの一例)とコントローラ401(制御部の一例)とを備える。CMOSイメージセンサ30は、電荷を蓄積することができ、蓄積した電荷を上下方向(第1の方向の一例)に順次リセットして露光を開始する。CMOSイメージセンサ30は、露光中にレンズ群51(光学系の一例)を介して入力した被写体像を撮像して画像信号を生成する。画像処理部403は、CMOSイメージセンサ30により生成された画像信号に所定の処理を行い、画像データを生成する。メカニカルシャッタ250は、CMOSイメージセンサ30を遮蔽して露光を終了する後幕253を少なくとも有する。コントローラ401は、CMOSイメージセンサ30およびメカニカルシャッタ250を制御する。コントローラ401は、CMOSイメージセンサ30のEV値が所定の傾斜を持つように(後幕軌跡300に沿うように設定した通常撮影時の電子先幕軌跡200に対して、所定の傾斜を有する電子先幕軌跡201を描くように)、CMOSイメージセンサ30に対して電荷リセット時間Tr(あるいは電子先幕軌跡201)を設定する。またコントローラ401は、CMOSイメージセンサ30のEV値が上下方向に所定の傾斜を持つように(後幕軌跡300に沿うように設定した通常撮影時の電子先幕軌跡200に対して、所定の傾斜を有する電子先幕軌跡201を描くように)、メカニカルシャッタ250に対して後幕253によるCMOSイメージセンサの遮蔽時間C(あるいは後幕軌跡300)を設定する。そしてコントローラ401は、フラッシュ装置の閃光を開始する閃光開始タイミングに関する指示を出力する。なお、電荷リセット時間Trとは、CMOSイメージセンサ30が電荷のリセットを開始してからリセットを完了するまでに要する時間である。ここで所定の傾斜とは、線形であっても非線形であってもよいが、CMOSイメージセンサ30のEV値が第1の方向に(実施の形態では上端から下端に向かって)段階的に増大するように設定される。また遮蔽時間Cとは、後幕253によるCMOSイメージセンサ30の遮蔽を開始してから遮蔽を完了するまでに要する時間である。
これにより、メカニカル先幕の動作をCMOSイメージセンサ30の電荷リセットにて代用し、メカニカルシャッタ250の後幕253により遮蔽を行う、いわゆる電子先幕撮影における撮影において、フラッシュ同調速度の高速化を実現できる。そのため、日中シンクロ撮影にも対応可能なフラッシュ同調速度を備える撮像装置を提供できる。
なお、電子先幕撮影において撮像素子の全画素の電荷を一斉にリセットするような急峻な電荷リセットを行うと、日中シンクロ撮影ではフラッシュ光が照射されていない遠景の被写体の上下方向で撮影輝度が大きく異なり、違和感のある画像となる場合がある。実施の形態1では、EV値が上下方向に所望の傾斜を有するように設定されるため、日中シンクロ撮影にも対応するフラッシュ同調速度を備える撮像装置を提供できる。
また、コントローラ401は、撮影毎に適切な第1の方向におけるEV値傾斜を算出し、CMOSイメージセンサ30を制御できる。これにより、日中シンクロ撮影を含む多様な撮影環境において、フラッシュ同調速度を向上できる。
(2)また、実施の形態1において、コントローラ401は、閃光開始タイミングを、CMOSイメージセンサ30が電荷のリセットを完了する電荷リセット完了タイミング以降に設定し、閃光開始タイミングを経過した後に後幕253に対してCMOSイメージセンサ30の遮蔽を開始させる。
CMOSイメージセンサ30が電荷リセットを完了する電荷リセット完了タイミング以降に、フラッシュ装置に対して閃光するよう指示することにより、確実にフラッシュ光の同調を開始できる。閃光開始後にメカニカルシャッタ250の後幕253による遮蔽が開始することにより、確実にフラッシュ光の同調を終了できる。
(3)また、実施の形態1において、コントローラ401は、閃光開始タイミングを電荷リセット完了タイミングと同時に設定する。
これにより、Aラグを0秒とすることができ、フラッシュ同調の開始タイミングを早めることができる。そのため、撮像装置の使用者がシャッタチャンスを逃す事を低減できる。
(4)また、実施の形態1において、カメラ本体1は、メカニカルシャッタ250の後幕253による遮蔽時間をC秒、フラッシュ装置の閃光時間をF秒、電荷リセット完了タイミングから閃光開始タイミングまでの時間をA秒、CMOSイメージセンサ30の上端と下端との間のEV値の差をxとするとき、コントローラ401は、フラッシュ同調速度TVcが以下の条件(1)を満足するようにCMOSイメージセンサ30及びメカニカルシャッタ250を制御する。
TVc = x/2 − log(C+F+A)・・・(1)
言い換えると、図6Aおよび図6Bに示すように、コントローラ401は、CMOSイメージセンサ30の電子先幕軌跡(図6Aの例では201、図6Bの例では201a)の電荷リセット時間Tr秒を経過した後、A秒経過後にフラッシュ装置の閃光が開始するよう指示する。そしてコントローラ401は、フラッシュ装置の閃光開始から、F秒後にメカニカルシャッタ250の後幕253による遮蔽を行う。そしてコントローラ401は、後幕253に対して、遮蔽をC秒で完了させるように制御する。なお、電荷リセット時間Trとは、CMOSイメージセンサ30の露光開始ライン(図6Aおよび図6Bの例では上端のライン)の電荷リセットが開始されてから最終ライン(図6Aおよび図6Bの例では下端のライン)の電荷リセットが完了するまでの時間である。
ここで、電荷リセット時間Trは、露光開始ラインの露光時間をTs秒とした時、以下の式(3)で示される。
Tr = Ts −(A+F)
= 2−(TV + x) −(A+F)
= 2−TV × 2−x −(A+F)
= (A+F+C) × 2−x − (A+F)・・・(3)
これにより、コントローラ401は、フラッシュ同調速度TVcに応じて、確実に電子先幕と、後幕253と、フラッシュ装置の閃光タイミングを制御できる。そのため、環境輝度など撮影環境に応じたフラッシュ同調速度を調整可能な撮像装置を提供できる。
(5)また、実施の形態1において、CMOSイメージセンサ30の上下方向における所定のEV値の差が0.3EV以上、0.45EV以下となるように制御する。
所定のEV値の差が0.3EVを上回るほど高速化する事ができる。また、所定のEV値の差が0.45EVを上回る程ムラが目立ち、JIS規格を満足しなくなる。好ましいEV値の差は0.4EV〜0.45EVであり、より好適な所定のEV値の差は0.45EVである。
(6)実施の形態1において、撮影後の画像に対して画像処理部403はEV値の傾斜の半値以上の逆傾斜の変換特性に基づくシェーディング補正を行う。
これにより、カメラ本体1は、シェーディング補正を行わない第1のフラッシュ同調速度の高速化方法に比べて、上下方向におけるEV値の差を大きくすることができる。そのため、より高速なフラッシュ同調速度を備える撮像装置を提供できる。
(7)また、実施の形態1において、画像処理部403がEV値の傾斜の半値以上の逆傾斜シェーディング補正を行う場合、上下方向における所定のEV値の差が0.3EV〜0.9EVとなるように制御する。
所定のEV値の差が0.3EVを上回るほど高速化する事ができる。また、所定のEV値の差が0.9EVを上回ると、EV値差0.9EVの半値である0.45EV以上の逆傾斜シェーディング補正を行う必要が生じる。つまり、所定のEV値の差が0.9EVを上回る程、ムラを低減するのが困難となり、JIS規格を満足しなくなる。逆傾斜シェーディング補正を行う場合、上下方向における所定のEV値の差は、好ましくは0.7EV〜0.9EVであり、より好適な所定のEV値の差は0.9EVである。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、撮像素子の一例としてCMOSイメージセンサ30を説明した。撮像素子は、電子先幕としての機能を備え、被写体像を撮像して画像データを生成するものであればよい。したがって、撮像素子は、CMOSイメージセンサ30に限定されない。ただし、撮像素子としてCMOSイメージセンサ30を用いれば、安価に撮像素子を入手可能である。また、NMOS(n‐Channel Metal‐Oxide Semiconductor)イメージセンサを撮像素子として用いてもよい。
実施の形態1では、閃光を行うフラッシュ装置の一例として、カメラ本体1に内蔵されたフラッシュ装置40を説明した。フラッシュ装置は、このようないわゆる内蔵フラッシュに限られず、図8に示すような、発光部541を有する外付けフラッシュ装置540であってもよい。カメラ本体1の本体側ホットシュー60と、外付けフラッシュ装置540の外付けフラッシュ装置側ホットシュー561とは、機械的かつ電気的に接続可能である。ここでいう電気的な接続は、本体側ホットシュー電気接点60aと、対向する外付けフラッシュ装置側ホットシュー電気接点との接続により実現される。コントローラ401は、電気接点を介して、外付けフラッシュ装置540の発光部541に閃光を指示することが出来る。また、フラッシュ装置は、カメラ本体1と離れた位置に配置される、いわゆる外部フラッシュ装置であってもよい。外部フラッシュ装置は通信部を備え、カメラ本体1の通信部とワイヤレス通信が可能である。ワイヤレス通信とは、たとえば赤外線通信やBluetooth(登録商標)規格等の通信である。フラッシュ装置は、撮像に伴い、カメラ本体1から閃光タイミングを制御できるものであればよい。以上のように、フラッシュ装置は、カメラ本体1に内蔵されたフラッシュ装置40に限定されない。ただし、フラッシュ装置として電気的に接続されたフラッシュ装置40または外付けフラッシュ装置540を用いれば、電荷リセットが完了してから閃光が開始されるまでのタイムラグ(Aラグ)を短くできる。
実施の形態1では、フォーカルプレーンシャッタの一例として、機械式の先幕252および機械式の後幕253を備えるメカニカルシャッタ250を挙げ、シンクロ撮影を行う場合には、機械式の先幕252に代えて電子先幕を用いる例について説明した。撮影条件によらず常に電子先幕を用いることを許容すれば、後幕253のみを備えるフォーカルプレーンシャッタでも良い。
また、実施の形態1では、電子先幕を用いる場合に、撮像素子に受光する被写体光(アパーチャ)を機械的に遮蔽する働きとしての後幕として後幕253を用いた。フォーカルプレーンシャッタが機械式の先幕252および機械式の後幕253を備える場合には、後幕253に代えて先幕252を撮像素子に受光する被写体光(アパーチャ)を機械的に遮蔽する働きとして用いても良い。
実施の形態1では、フラッシュ同調速度の高速化方法の概念を示すために、後幕軌跡の一例として、図6A〜図7Bを用いて線形軌跡である後幕軌跡300について説明した。また、電子先幕軌跡の一例として、図6Aおよび図7Aを用いて線形軌跡である電子先幕軌跡201を挙げ、図6Bおよび図7Bを用いて曲線軌跡である電子先幕軌跡201aを挙げた。後幕と電子先幕の軌跡はこれらに限られない。図9Aおよび図9Bに示す後幕軌跡309のように初速と終速が中心部の幕速よりも遅い軌跡であっても良い。先幕の軌跡は、後幕軌跡309に沿った通常撮影時の電子先幕軌跡209に対して所定の傾斜を設けた軌跡であれば、線形軌跡であっても曲線軌跡であってもよい。つまり先幕の軌跡は、図9Aに示す線形軌跡である電子先幕軌跡209aや、図9Bに示す曲線軌跡である電子先幕軌跡209bであっても良い。電子先幕軌跡209bのようにすると、中心ラインのTV値TVcと、TV値の相乗平均値であるTVmが一致する。また、後幕の軌跡は、図10Aおよび図10Bに示す後幕軌跡310のように初速が遅い軌跡であっても良い。先幕の軌跡は、後幕軌跡310に沿った通常撮影時の電子先幕軌跡210に対して所定の傾斜を設けた軌跡であればよい。つまり先幕の軌跡は、図10Aに示す線形軌跡である電子先幕軌跡210aや、図10Bに示す曲線軌跡である電子先幕軌跡210bであっても良い。
フラッシュ同調撮影時の電子先幕軌跡は、後幕軌跡に沿った通常撮影時の電子先幕軌跡に対して、所定の傾斜を有すれば良く、最初に露光を開始するラインの電荷リセットから、最後に露光を開始するラインの電荷リセットまでの時間(アパーチャが全開となるまでの時間)がTr秒となるような軌跡であれば良い。
実施の形態1では、撮像装置の一例として、レンズ交換式であるカメラシステム100を説明した。カメラシステム100は、交換レンズ5とカメラ本体1が一体に構成された、いわゆるコンパクトデジタルカメラであっても良い。
なお、上記の実施の形態は、CMOSイメージセンサ30が電荷をリセットする方向を上から下として説明したが、下から上でもよく、左右、あるいは斜め方向であってもよい。いずれの場合であっても、CMOSイメージセンサ30の電荷をリセットする方向と、メカニカル後幕253による遮蔽方向とを一致させればよい。そしていずれの場合であっても、電荷をリセットする方向にCMOSイメージセンサ30のEV値が所定の傾斜を有すればよい。
上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、閃光を伴う静止画撮影を行う撮像装置について有用である。具体的には、デジタルスチルカメラ、コンパクトデジタルカメラ、カメラ機能付き携帯電話機、スマートフォンなどに、本開示は適用可能である。
100 カメラシステム
1 カメラ本体
11 外装カバー
11a シャッタボタン
11b 操作ボタン
11c 操作ダイヤル
12 電池
13 表示装置
14 ボディマウント
15 本体側接点
16 光学的ローパスフィルタ
20 メイン回路基板(回路基板)
21 制御IC
22 DC/DCコンバータ
23 記録メディアソケット
23a 記録メディア
30 CMOSイメージセンサ(撮像素子)
31 CMOS回路基板
32 放熱板
40 フラッシュ装置
41 発光部
42 フラッシュ回路基板
42a 第1電線
42b 第2電線
43 メインコンデンサ
44 ケーシング
5 交換レンズ
51 レンズ群
52 レンズ制御回路
53 レンズマウント
54 レンズ側接点
60 本体側ホットシュー
60a 本体側ホットシュー電気接点
70 無線通信回路基板
200 電子先幕軌跡
201 電子先幕軌跡(フラッシュ同調速度の高速化時)
209 電子先幕軌跡
210 電子先幕軌跡
250 メカニカルシャッタ(シャッタユニット)
252 先幕
253 後幕
254 駆動メカ
260 防塵フィルタ
261 圧電素子
300 後幕軌跡
309 後幕軌跡
310 後幕軌跡
401 コントローラ
403 画像処理部
405 ROM
407 RAM
540 外付けフラッシュ装置
541 発光部
561 外付けフラッシュ装置側ホットシュー

Claims (10)

  1. 光学系を介して入力した被写体像を撮像して画像信号を生成し、蓄積された電荷をリセット可能な撮像素子と、
    前記撮像素子により生成された前記画像信号に所定の処理を行い、画像データを生成する画像処理部と、
    前記撮像素子を第1の方向に遮蔽する後幕を有するフォーカルプレーンシャッタと、
    撮影の際に、前記撮像素子の露光量を示すEV(Exposure Value)値が前記第1の方向に所定の傾斜を持つように、前記撮像素子に対して前記電荷のリセットを開始してから完了するまでの電荷リセット時間を設定し、また前記フォーカルプレーンシャッタに対して前記後幕による前記撮像素子の遮蔽を開始してから前記遮蔽を完了するまでの遮蔽時間を設定して、フラッシュ装置の閃光を開始させる閃光開始タイミングに関する指示を出力する制御部と、
    を備えた、撮像装置。
  2. 前記制御部は、前記閃光開始タイミングを、前記撮像素子が前記電荷の前記リセットを完了する電荷リセット完了タイミング以降に設定し、前記閃光開始タイミングを経過した後に前記後幕に対して前記撮像素子の前記遮蔽を開始させる、
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御部は、前記閃光開始タイミングを、前記電荷リセット完了タイミングと同時に設定する、
    請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記後幕による前記遮蔽時間をC秒、
    前記閃光開始タイミングから前記フラッシュ装置が前記閃光を終了するタイミングまでの閃光時間をF秒、
    前記電荷リセット完了タイミングから前記閃光開始タイミングまでの時間をA秒、
    前記撮像素子の前記EV値の前記第1の方向における一端と他端との差をx、
    とするとき、
    前記制御部は、フラッシュ同調速度におけるTV値TVcが以下の条件
    TVc = x/2 − log(C+F+A)・・・(1)
    を満足するように前記撮像素子及び前記フォーカルプレーンシャッタを制御する、
    請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像素子の前記EV値の前記第1の方向における一端と他端との差は、0.3EV以上、0.45EV以下である、
    請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記画像処理部は、前記画像データに対して、前記第1の方向と逆方向に、前記EV値の前記所定の前記傾斜の半値以上の傾斜を有する変換特性に基づいてシェーディング補正を行う、
    請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記撮像素子の前記EV値の前記第1の方向における一端と他端との差は、0.3EV以上、0.9EV以下である、
    請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記フラッシュ装置をさらに備え、
    前記制御部は、前記フラッシュ装置に対して前記閃光開始タイミングを設定する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記撮像装置に着脱可能な前記フラッシュ装置と電気的かつ機械的に接続可能な接点を有するホットシューをさらに備え、
    前記制御部は、前記ホットシューに対して前記閃光開始タイミングを出力する、
    請求項1に記載の撮像装置。
  10. 前記フラッシュ装置と無線通信する通信部をさらに備え、
    前記制御部は、前記通信部に対して前記閃光開始タイミングを出力する、
    請求項1に記載の撮像装置。
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