JP2018027916A - 除菌用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】細菌に対する除菌性だけではなく、除菌剤に対して強い抵抗性を示すウイルスに対する除ウイルス性を有し、基材シートに含浸させた際の除菌・除ウイルス効果やその持続性が低下する虞のない除菌用シートを提供する。【解決手段】本発明除菌用シートは、液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された除菌用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質及び/又はクエン酸塩、(C)成分として(B)成分を除くアルカリ剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが8.1以上、12.0以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、細菌に対する除菌性だけでなく、ウイルスに対する除ウイルス性にも優れ、除菌剤を基材シートに含浸させた際に効果が低下する虞がなく、優れた除菌性を発揮する除菌用シートに関するものである。
除菌剤等を含有する水溶液を不織布に含浸させた所謂ウエットシート(除菌用シート)という形態は、簡便で使いやすく、使い捨てできるため、常に清潔なものを使用できることから、家庭用だけではなく、食品工場、厨房、医療施設における環境整備などで使用されている。
特許文献1には、ε−ポリリジン及び/またはその塩、pH緩衝能を有する電解質、及びアミノ酸が配合された抗菌剤組成物及びそれを用いた抗菌性シート状物品が開示されている。
特許文献2には、水と殺菌防腐剤と水溶性保湿剤と、必要により更に可溶化剤を含む清浄薬剤を含浸させた清拭シートが開示されている。
特許文献3には、水性含浸液が剥離性シリコーン皮膜を形成するシリコーンや油性香料を含み、シリコーンや油性香料の一部又は全部が水性エマルジョンとして含有されている水性含浸液が含浸された清掃用水解性ウェットシートが開示されている。
また除菌用シートに含浸されている除菌剤として、第四級アンモニウム塩型界面活性剤を含むものが知られており、特許文献4には、ポリアミノプロピルビグアナイドと第四級アンモニウム塩との混合物、安息香酸ナトリウム、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、非イオン界面活性剤及び水を含むpH3.5〜4.5の繊維シート含浸用水溶性組成物が開示されている。
特開2004−67586号公報 特開2006−230612号公報 特開2011−30793号公報 特開2013−151447号公報
しかしながら、特許文献1から2に記載されている除菌用シートでは、pH領域が酸性から中性であり、且つ人体の清拭を目的としていることから比較的除菌効果の低い薬剤しか配合できないため、薬剤抵抗性の高いウイルスに対する効果が低く、環境の清掃・除菌に用いた場合、求められる洗浄・除菌効果を得ることができない。除菌及び洗浄が不十分な場合、残存した細菌・ウイルスなどが人体に感染し重症化したり集団感染の原因となることや、食品に混入し食品腐敗及び食中毒を引き起こすことが問題となる。また、特許文献3に記載されている清掃用ウェットシートは、水解性を保つための含浸液の最適なpHは3〜5であり、このようなpH領域の含浸液を含む清掃用シートでは、環境除菌用ウェットシートとして求められる洗浄・除菌効果を発揮することができない。
一方、特許文献4に記載されているような第四級アンモニウム塩を含む除菌剤は、除菌効果は優れているが、不織布等の基材シートに含浸されると基材シートの繊維に強く吸着されて有効な除菌剤成分量が低下し、除菌剤の含浸量を多くしないと除菌効果や除菌効果の持続性が低下する虞があった。基材シートとして再生繊維、特にレーヨンを含む繊維からなるものを用いると、基材シートが親水性となるため、水を主体とした除菌剤の含浸量を増大させることができるが、レーヨンは除菌剤の有効成分の吸着性が他の繊維に比して高いため、基材シートに対する除菌剤の含浸量が増大しても除菌効果やその持続性を十分に向上させることは困難であった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、細菌に対する除菌性だけではなく、除菌剤に対して強い抵抗性を示すウイルスに対する除ウイルス性を有し、基材シートに含浸させた際の除菌・除ウイルス効果やその持続性が低下する虞のない除菌用シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、第四級アンモニウム塩、無機電解質及び/又はクエン酸塩、アルカリ剤を含む水性除菌剤を基材シートに含浸させてなり、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが8.1以上、12.0以下である除菌用シートが、従来の除菌用シートの問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された除菌用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質及び/又はクエン酸塩、(C)成分として(B)成分を除くアルカリ剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが8.1以上、12.0以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする除菌用シート、
(2)基材シートが再生繊維を含むことを特徴とする上記(1)の除菌用シート、
(3)基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である上記(2)の除菌用シート、
(4)基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかの除菌用シート、
(5)(A)成分が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、エチルベンジルアンモニウムクロライドより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかの除菌用シート、
(6)(B)成分が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかの除菌用シート、
(7)(B)成分が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの少なくとも一種と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムの少なくとも一種との組み合わせ、もしくはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムの少なくとも一種と、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムの少なくとも一種との組み合わせであることを特徴とする上記(6)の除菌用シート、
(8)(C)成分が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかの除菌用シート、
(9)前記水性除菌剤が、(E)成分としてキレート剤を含有する上記(1)から(8)のいずれかの除菌用シート、
を要旨とするものである。
本発明の除菌用シートは、細菌、真菌等に対して優れた除菌性を有し、特に抵抗性の強いウイルスに対する除ウイルス性に優れ、除菌剤を基材シートに含浸させた際の除菌効果の低下が少なく、除菌効果の維持性にも優れている。また本発明の除菌用シートは、基材シートがレーヨンを含む繊維からなる場合であっても除菌効果の低下をきたすことなく基材シートへの含浸量を高めることができるため、優れた除菌・除ウイルス効果と除菌効果の維持性を有する等の効果を奏する。
本発明の除菌用シートに含浸される水性除菌剤において、(A)成分の第四級アンモニウム塩としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、ジデシルジメチルアンモニウムグルコネート、ジデシルジメチルアンモニウムプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド等のジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド等のオクチルデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムアジペート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムグルコネート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムスルホネート、1,4−ビス(3,3’−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイド、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、セチルピリジニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウムプロピオネート、およびベンゼトニウムクロライド等が挙げられる。(A)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、除菌性や除ウイルス性の点から、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドが好ましく、特に炭素数12から16のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドが好ましい。
水性除菌剤における(B)成分の無機電解質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられる。またクエン酸塩としては、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。(B)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、吸着防止性の点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムが好ましく、特に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムと、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムとの組み合わせ、リン酸二水素ナトリウム又はリン酸二水素カリウムと、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸水素二カリウムとの組み合わせが好ましい。
(C)成分としては、(B)成分に含まれるアルカリを除くアルカリ剤が用いられ、このようなアルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、3号珪酸ナトリウム、A珪酸カリウム、B珪酸カリウム、C珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。(C)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、洗浄性の点から、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましく、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、モノエタノールアミンが特に好ましい。
水性除菌剤における(D)成分の水としては、特に限定はなく、水道水、井水、イオン交換水、軟水などが挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、除菌性、除ウイルス性及び使用感の観点から、イオン交換水又は軟水が好ましい。
本発明の除菌シートは、上記水性除菌剤が、液体の保持が可能な基材シートに含浸されているが、基材シートに含浸されている水性除菌剤は、pHが8.1以上、12.0以下であり、好ましくはpHが8.1以上、11.0以下である。基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが8.1未満であると細菌やウイルスに対する効果が低下し且つ汚れに対する洗浄性が低下するとなり、12.0を超えると被清拭物に対する腐食したり含浸している不織布の脆化などが生じる。本発明の除菌シートに含浸される水性除菌剤は、(A)成分としての第四級アンモニウム塩型界面活性剤とともに、(B)成分として無機電解質及び/又はクエン酸塩と、(C)成分として(B)成分以外のアルカリ剤とを含むことにより、基材シートに含浸させた際に基材シートの繊維に吸着されて有効成分である第四級アンモニウム塩型界面活性剤の量が低下したり、pHが低下したりする虞が少なく、基材シートにレーヨンを含む場合でも、有効成分量やpHが低下する虞が少ない。
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上、5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上、4質量%以下であることがさらに好ましい。また、基材シートに含浸するための水性除菌剤は、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、0.01以上、20以下であることが好ましく、0.1以上、5以下であることがより好ましい。基材シートに含浸されている水性除菌剤のpH、(B)成分の濃度、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。
本発明の除菌シートにおける基材シートとしては、再生繊維、合成系繊維、天然繊維やこれらの混合繊維よりなる不織布、織布、網布等が挙げられる。再生繊維としてはレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテートが挙げられるが、不織布の薬剤耐性や薬剤の偏在の観点でレーヨンが好ましい。基材シートに再生繊維を用いると、基材シートが親水性となり水性の除菌剤の含浸量を向上できる。基材シートの再生繊維の割合としては、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。水性除菌剤のシート基材への含浸量は、通常、シート基材を構成する繊維100質量部当たり20〜120質量部であるが、基材シートが再生繊維を含んでいると、基材シートへの水性除菌剤の含浸量を増加させることができる。本発明の除菌シートは、基材シート100質量部当たり、水性除菌剤が150質量部以上、350質量部以下含浸されていることが好ましく、200質量部以上、330質量部以下含浸されていることがより好ましい。
本発明の除菌用シートに用いる水性除菌剤には、更に(E)成分としてキレート剤が含有されていることが好ましい。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、β-アラニン二酢酸(ADA)、セリン二酢酸(SDA)、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸や、グルコール酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。キレート剤は洗浄性向上の点で、水性除菌剤中に0.01質量%以上、10質量%以下配合することが好ましく、0.03質量%以上、5質量%以下配合することがより好ましい。
本発明の除菌用シートに用いる水性除菌剤は、更に当該技術分野で通常使用される成分を含有していてもよい。このような成分としては、例えば、有機溶媒、(A)成分以外の界面活性剤、芳香剤、色素等が挙げられる。これらの水性除菌剤中の割合は0.001質量%以上、10質量%以下が好ましいが、0.1質量%以上、5質量%以下がより好ましい。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、ヘキサン、アセトニトリル、トルエン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。有機溶媒は溶液状態における液安定性の向上の点で、水性除菌剤中に0.001質量%以上、5質量%以下配合することが好ましく、0.01質量%以上、3質量%以下配合することがより好ましい。
(A)成分以外の界面活性剤は洗浄性向上の点で、水性除菌剤中に0.001質量%以上、5質量%以下配合することが好ましく、0.01質量%以上、3質量%以下配合することがより好ましい。
上記芳香剤としては、従来公知の芳香剤を特に制限なく用いることができ、例えば、ペパーミントオイル等の天然物から抽出した天然香料、リモネン等の合成した合成香料、二種以上の公知香料を適宜の割合で混合して得られる香料等が挙げられる。
芳香成分としては、従来公知の各種の芳香剤や芳香を有する天然物等に含有されるものを特に制限なく用いることができ、例えば、天然香料としては、アニス油、バジル油、ベルガモット油、シダー油、クローブ油、コリアンダー油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバヌム油、ゼラニウム油、ジャスミンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ラベンダースパイク油、ネロリ油、オークモスアブソリュート、パチョリ油、ぺチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、タイム油、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、ベチバー油、イランイラン油、ペパーミント油、しょう脳油、芳油、ペリラ油、スペアミント油、スターアニス油、ライム油、オコチア油、テレピン油、ナツメグ油、シトロネラ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、ベイ油、エレミ油、ヒバ油、桧油、グレープフルーツ油、ゆず油等が挙げられる。
合成香料としては、炭化水素類(α−ピネン、リモネン、カンフェン、p−シメン、フェンチェン、オシメン及びグアイエン等)、アルコール類(リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、ネロリドール、オイゲノール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ロジノール、アンブリノール、ミルセノール、テトラヒドロリナロール、ターピネオール、セドロール、1−オクタノール、3−オクタノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、ジヒドロカルベオール、プレノール、エチルリナロール、3−ヘプタノール、ベンジルオイゲノール、2−エチルヘキサノール、3−ヘキセノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、P−イソプロピルシクロヘキセンメタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、P−イソプロピルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヘキセノール、1−ノネン−3−オール、3−メチル−1−ベンタノール、2,6−ジメチル−ヘプタノール及び3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール等)、アルデヒド類(n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリン、トリプラール、2−ドデセナール、2,5,6−トリメチル−4−ヘプタナール、トリメチルウンデセナール、2−デセナール、p−トリルアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、n−オクタナール、n−デカナール、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、n−ノナナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、フェニルプロピオンアルデヒド、3−ヘキセナール、2−ウンデセナール及びp−メチルヒドラトロパアルデヒド等)、ケトン類(メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン、ジヒドロカルボン及び2−ウンデカノン等)、ラクトン又はオキシド類(アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール、ジャスミンラクトン、メチルr−デカラクトン、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン及び5−イソプロペロル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン等)、エーテル類(1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロールメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチルエーテル、イソアミルフェニルエチルエーテル、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、アネトール等が挙げられる。エステル類(メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレート、酢酸デシル及びギ酸プロピル等)等が挙げられる。
上記色素としては、天然系色素、合成系色素、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。天然系色素としては、具体的には、例えば、アカキャベツ色素(紫赤色)、アカダイコン色素(赤橙〜赤紫色)、ムラサキイモ色素(紫赤色)、ビートレッド(赤色)、アルカネット色素(赤〜赤紫色)、コチニール色素(黄橙〜紫色)、ラック色素(赤橙〜紫色)、ベニバナ赤色素(赤色)、アカネ色素(黄橙〜赤紫色)、クチナシ赤色素(赤色)、ベニコウジ色素(赤色)、トウガラシ色素(黄〜赤橙色)、アナトー色素(黄〜赤橙色)、クチナシ黄色素(黄色)、ベニバナ黄色素(黄色)、ウコン色素(黄色)、マリーゴールド色素(黄色)、カラメル色素(暗褐〜黒色)、コウリャン色素(赤褐〜暗褐色)、タマネギ色素(褐色)、シアナット色素(褐色)、ペカンナッツ色素(褐色)、チコリ色素(赤褐〜褐色)、カカオ色素(赤褐〜褐色)、クロロフィル(緑色)、クチナシ青色素(青色)、スピルリナ色素(青色)などを挙げることができる。
合成系色素としては、具体的には、例えば、赤色1号、赤色2号、赤色3号、赤色4号、赤色5号、赤色101号、赤色102号、赤色103号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、橙色1号、橙色2号、黄色1号、黄色2号、黄色3号、黄色4号、黄色5号、緑色1号、緑色2号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫色1号、食用混合色素等を挙げることができる。
本発明の除菌用シートは、強力な除菌性を有し、細菌やウイルスに対する除菌・除ウイルス性に優れるため、細菌やウイルスの汚染・混入が問題となる幅広い分野、主に医療分野、食品分野、醸造分野、農業分野など、での除菌・除ウイルスに有用である。特に、医療分野での硬質表面の除菌に好適に用いることができる。
本発明の除菌用シートは種々の用途で適用可能であり、例えば、ヒトの皮膚表面を除く表面消毒、機器消毒、またはトイレやベッド周りにおける除菌・除ウイルスに好適である。本発明の除菌用シートは、複数枚のシートが積層された形態、長尺なシートをロール状に巻いたり、折り畳んだ形態等に形成することができる。
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示す。なお、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略であり、その後の数字はそれぞれEO、POの平均付加モル数を表す。尚、表中における実施例及び比較例における各成分の配合の数値は純分の質量%を表す。また、各成分中のアルキル基の表記は、例えば、アルキル(C12〜16)の場合、炭素数12以上、16以下のアルキル基を有する混合物を表す。
(A)成分
A−1:オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−2:ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド
A−3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−4:アルキル(C12〜16)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド
(A´)成分〔(A)成分の比較成分〕
A´−1:N−アルキル(C14〜18)トリメチレンジアミンオレイン酸塩
A´−2:アルキル(C8〜18)アミン酢酸塩
(B)成分
B−1:炭酸ナトリウム
B−2:炭酸水素ナトリウム
B−3:セスキ炭酸ナトリウム
B−4:硫酸ナトリウム
B−5:塩化ナトリウム
B−6:クエン酸ナトリウム
B−7:リン酸水素二ナトリウム
B−8:リン酸二水素ナトリウム
B−9:炭酸カリウム
B−10:炭酸水素カリウム
(B´)成分〔(B)成分の比較成分〕
B´−1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量:4,500)
B´−2:グリセリン
(C)成分
C−1:モノエタノールアミン
C−2:メタケイ酸ナトリウム・5水塩
C−3:水酸化ナトリウム
C−4:水酸化カリウム
(D)成分
D−1:水
(E)成分
E−1:エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩(EDTA−4Na)
E−2:メチルグリシン二酢酸・三ナトリウム塩(MGDA−3Na)
その他の成分
(F)成分
F−1:非イオン界面活性剤1[ポリオキシエチレン(EO:6.5モル)アルキル(C9〜11)エーテル]
F−2:非イオン界面活性剤2[ポリオキシエチレン(EO:25モル)アルキル(獣脂脂肪)エーテル]
F−3:オクチルジメチルアミンオキシド
(G)成分
G−1:イソプロピルアルコール
実施例1から91、比較例1から17
表1から表10に示す配合に基づき水性除菌剤を調製した。表に示す再生繊維を含む不織布の基材シートに、基材シート100質量部当たり表に示す含浸量となるように各水性除菌剤を24時間含浸させて除菌用シートとした。万力を用いて除菌用シートを10N・cmの力で10分間締め込み、搾出された溶液(以下、搾出液という)のpH、有効(A)成分量、除菌用シートの洗浄性、除菌性、除ウイルス性、吸着防止性、また、水性除菌剤の不織布に対する薬剤耐性、除菌用シートの使用感、被清掃素材の磨耗、除菌用シート中の薬剤の偏在等の性状を評価した。結果を表1から10にあわせて示す。
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pHの測定方法
<pHメーターの校正>
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86標準液(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86、pH9.18、pH4.01の順に校正操作を行った。
<pH測定>
恒温槽内にて25℃の恒温に調整された搾出液100mLにpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
有効(A)成分量(陽イオン界面活性剤量)測定方法
搾出液8mLをビーカーにとり、搾出液に0.25MのpH5.7の酢酸ナトリウム緩衝液1mL、6×10−4MのクロムアズロールS溶液1mLを順次加え、磁気攪拌機で攪拌しながら、2.0mol/Lラウリル硫酸ナトリウム水溶液で滴定して搾出液中の(A)成分量を求めた。滴定の終点は、溶液が紫からオレンジに色調変化することを目視によって判定した。
※1:洗浄性試験
試験方法:
ステンレス板(15×50mm)に擬似血液(牛血精製物:アルブミン、ヘモグロビン、フィブリノーゲン、トロンビン)を付着させた洗浄度評価インジケーター〔Pereg社製、商品名:TOSI〕を試験片とし質量を測定した。この試験片を搾出液200mLに浸漬し、5分間放置した後、イオン交換水ですすぎ、自然乾燥させた後、質量を測定した。洗浄率を洗浄前後の試験片の質量変化により算出し、次の尺度で示した。
評価基準:
◎:洗浄率80%以上、100%以下
○:洗浄率60%以上、80%未満
△:洗浄率40%以上、60%未満
×:洗浄率40%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※2:除菌性試験
試験方法:
供試菌株をSCDブイヨン培地で培養して2.0×10CFU/mL以上、9.0×10CFU/mL以下になるように菌数を調製して菌液とした。搾出液10mLに、各供試菌液0.1mLを添加し、25℃にて15分間接触させた後、滅菌中和溶液(SCDLP培地)を加えよく攪拌した。一般細菌として、Pseudomonas aeruginosa NBRC13736(10CFU/mLレベル)、Staphylococcus aureus NBRC13276(10CFU/mLレベル)、Escherichia coli ATCC11229(10CFU/mLレベル)、Alcaligenes faecalis NBRC14479(10CFU/mLレベル)、Serratia marcescens NBRC12648(10CFU/mLレベル)を用いた。
この1mLをSCD寒天培地で混釈培養し生菌数を確認し、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:供試菌のLog reductionが5以上の菌数減少
2点:供試菌のLog reductionが4以上、5未満の菌数減少
3点:供試菌のLog reductionが3以上、4未満の菌数減少
4点:供試菌のLog reductionが3未満の菌数減少
として上記各菌種について菌数減少を点数で評価し、菌数減少の点数の平均値を求め、以下の基準で除菌性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※3:除ウイルス性試験
試験方法:
試験管に0.9mLの搾出液とそれぞれ10TCID50/mLとなるように調整したウイルス液0.1mLを加え、ミキサーで混合し、25℃で10分間作用させた。作用後0.1mLをサンプリングし、9.9mLの作用停止液(2%チオ硫酸ナトリウム、0.2%レシチン及び1.5%ポリソルベート80を含む細胞増殖液)に添加して100倍希釈後、ウイルスに対する水性除菌剤(搾出液)の作用を停止させた。これをウイルス感染価測定用資料原液として感染価の測定に用いた。同様に、搾出液の代わりに、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate bufferred saline、以下、PBSと略すことがある)を用いた試験を実施し、コントロールとした。リン酸緩衝生理食塩水は、塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.44g、リン酸二水素カリウム0.24gの4種類の塩を混合し、超純水で900mLに溶解後、塩酸でpHを7.4に調整する。1Lにメスアップ後、オートクレーブにより滅菌する。ウイルスとして、ネコカリシウイルス、マウスノロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アデノウイルス、AIDSウイルス、インフルエンザウイルスを用いた。
ウイルス感染価測定用試料原液をPBSで10倍段階希釈した後、感染価測定用試料原液及び希釈ウイルス液50μLとウシ胎仔血清(FBS)を5%添加したDulbecco‘s modified Eagle’s Medium(DMEM)に懸濁した細胞を96ウェルプレートに植え込んだ。その後、炭酸ガスふ卵器において37℃、5%CO2の条件で4日間培養した。培養後、倒立顕微鏡下でウイルスの増殖によるCPE(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法を用いてウイルス感染価(TCID50/mL)を求め、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:ウイルス感染価のLog reductionが5以上の減少
2点:ウイルス感染価のLog reductionが4以上、5未満の減少
3点:ウイルス感染価のLog reductionが3以上、4未満の減少
4点:ウイルス感染価のLog reductionが3未満の減少
として上記各ウイルスについてウイルス感染価の減少を点数で評価し平均値を求め、以下の基準で除ウイルス性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※4:吸着防止性試験
搾出液について有効成分量を測定し、含浸前の溶液の測定値と比較し、溶液中の成分の不織布への吸着度合を評価した。有効成分量(陽イオン界面活性剤量)測定方法は、含浸前後の有効成分を測定し、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:有効成分量が含浸前の80%以上、100%以下
〇:有効成分量が含浸前の60%以上、80%未満
△:有効成分量が含浸前の40%以上、60%未満
×:有効成分量が含浸前の40%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※5:不織布の薬剤耐性に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、40℃で1週間保存した後、不織布の外観変化を目視によって観察した。
評価基準:
◎:変色や劣化が発生していない。
○:薄い変色や軽微な劣化が発生している。
△:部分的に濃い変色や強い劣化が発生している。
×:全体的に濃い変色や強い劣化が発生している。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※6:使用感に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、十分に薬液が行き渡ったことを確認した後、薬液が染み込んだ不織布を1枚取り出し、清浄なステンレス表面を約30センチメートル四方に渡って、上下5回左右5回ふき取りを行い、泡立ちやべたつき水っぽさやごわごわ感・湿り気などの観点から官能試験によって使用感を確認した。また、パネラーは無作為に選定し、それぞれのサンプルにつきn=10とした。評価結果の解析には統計処理を行い、最も評価が多い項目を評価結果として採用した。
評価基準:
○:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がなく、適度な湿り気があり使用感が良い。
△:やや泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がある、もしくは適度な湿り気がない。
×:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感が非常に強い、もしくはほとんど湿り気がなく使用感が悪い。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※7:被清掃素材の磨耗に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、十分に薬液が行き渡ったことを確認した後、薬液が染み込んだ不織布を1枚取り出し、清浄なステンレス表面を約30センチメートル四方に渡って、上下5回左右5回ふき取りを行った。その後、ステンレス表面に発生した傷について目視によって観察した。
評価基準:
◎:傷が見られない。
○:部分的にやや浅い傷が見られる。
△:部分的に深い傷が見られる。
×:全体的に深い傷が見られる。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※8:薬剤の偏在に関する評価試験
試験方法:
表8から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm×300枚)を容量3Lのポリプロピレン製の袋に入れて、各供試水性除菌剤2Lを含浸させ、25℃にて24時間保存した後、縦半分に裁断し、中心部分まで薬液が染み込んでいるかを目視によって観察した。
評価基準:
◎:全体にまんべんなく薬液が染み込んでいる。
○:ほとんど全体的に薬液が染み込んでいる。
△:一部染み込んでいない部分がある。
×:いたるところに染み込んでいない部分がある。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
即ち本発明は、
(1)液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された除菌用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質、(C)成分として(B)成分を除くアルカリ剤、(D)成分として水を含有していて、前記(B)成分が、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムと、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムとの組み合わせ、もしくはリン酸二水素ナトリウム又はリン酸二水素カリウムと、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸水素二カリウムとの組み合わせであり、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが9.8以上、12.0以下であり、
前記基材シートが、再生繊維からなるか、又は再生繊維、合成系繊維、天然繊維のうちの少なくとも1種を混合してなる混合繊維よりなることを特徴とする除菌用シート、
(2)基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である上記(1)の除菌用シート、
(3)基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)の除菌用シート、
(4)(A)成分が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、エチルベンジルアンモニウムクロライドより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかの除菌用シート、
(5)(C)成分が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかの除菌用シート、
(6)前記水性除菌剤が、(E)成分としてキレート剤を含有する上記(1)から(5)のいずれかの除菌用シート、
を要旨とするものである。

Claims (9)

  1. 液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された除菌用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質及び/又はクエン酸塩、(C)成分として(B)成分を除くアルカリ剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが8.1以上、12.0以下であり、
    前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする除菌用シート。
  2. 基材シートが再生繊維を含むことを特徴とする請求項1記載の除菌用シート。
  3. 基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である請求項2記載の除菌用シート。
  4. 基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の除菌用シート。
  5. (A)成分が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、エチルベンジルアンモニウムクロライドより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の除菌用シート。
  6. (B)成分が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の除菌用シート。
  7. (B)成分が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの少なくとも一種と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムの少なくとも一種との組み合わせ、もしくはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムの少なくとも一種と、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムの少なくとも一種との組み合わせである請求項6記載の除菌用シート。
  8. (C)成分が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の除菌用シート。
  9. 前記水性除菌剤が、(E)成分としてキレート剤を含有する請求項1から8のいずれかに記載の除菌用シート。
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