JP2018027899A - 層状ペロブスカイト構造を有する化合物 - Google Patents

層状ペロブスカイト構造を有する化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】低温で製造でき、励起子の束縛エネルギーが大きく、熱安定性に優れる化合物を提供する。
【解決手段】カチオンとアニオンとを含む化合物であって、前記カチオンが3種類以上のカチオンを含み、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン及び/又は炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、前記化合物が結晶であり、前記結晶が層状ペロブスカイト構造を有し、前記層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を含む化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、層状ペロブスカイト構造を有する化合物、その製造方法、及びその使用に関する。
近年、ペロブスカイト構造を有する金属ハロゲン化物が、様々な用途で注目されている。ペロブスカイト構造を有する化合物は、Aサイト及びBサイトのカチオンと、Xサイトのアニオンとから構成される。そのような化合物の例として、CH3NH3PbI3を挙げることができ、この例において、AサイトのカチオンはCH3NH3 +に、BサイトのカチオンはPb2+に、XサイトのアニオンはI-に、それぞれ対応する。Bサイトのカチオンは、Xサイトのアニオンに6配位で結合しており、対称又は非対称な8面体を形成している。3次元構造のみからなるペロブスカイト構造は、一般式としてABX3等で表される。ペロブスカイト構造を有することで、材料中での電荷の移動や、光などによる励起キャリア(電子や正孔など)の長寿命化に有利であることが知られている。
非特許文献1では、CH3NH3PbI3が100℃程度の低温で製造でき、太陽電池などの用途として有用な材料であることが記載されている。製造を低エネルギーで実施できる観点、装置を簡易にできる観点、及び形態を薄膜とする際には薄膜を堆積する基板への耐熱の必要性を緩和できる観点から、低温でペロブスカイト構造を有する化合物を製造できることは重要である。
非特許文献2には、100℃程度の加熱温度で製造した、ホルムアミジニウムカチオン(CHNHNH3 +)、鉛カチオン(Pb2+)、及びヨウ素アニオンからなる化合物は、六方晶の結晶構造であることが記載されている。
非特許文献3には、100℃程度の加熱温度で製造した、セシウムカチオン(Cs+)、鉛カチオン(Pb2+)、及びヨウ素アニオンからなる化合物CsPbI3は、斜方晶の結晶構造であることが記載されている。
非特許文献4には、Aサイトに炭素鎖の長い(例えば、炭素数4の)有機分子カチオンを含むことで、層構造(2次元構造)をペロブスカイト構造に導入することができ、3次元構造と2次元構造とを周期的に含む、2次元−3次元構造も形成することができることが記載されている。例えば、AサイトのカチオンがC49NH3 +及びCH3NH3 +、BサイトのカチオンがPb2+、XサイトのアニオンがI-である、(C49NH32(CH3NH3)Pb27が開示されている。また、層状構造を含むことで、励起子の束縛エネルギーが大きくなること、及びバンドギャップが大きくなることが記載されている。特に、層間距離が大きくなることで、バンドギャップがより大きくなることが記載されている。
Science 2012, 338, 644. J. Phys. Chem. Lett. 2015, 6, 1249. Nat. Chem. 2014, 5, 5757. J. Am. Soc. 2015, 137, 7843.
しかしながら、非特許文献1に記載のCH3NH3PbI3は、耐熱性が十分ではない。そこで、より優れた耐熱性を有する化合物の開発が求められている。また、非特許文献1に記載のCH3NH3PbI3は励起子の束縛エネルギーが小さい。そこで、高効率な発光などに有利となる観点から束縛エネルギーの大きい化合物の開発が望まれている。
非特許文献3及び4に記載の化合物は、低温ではペロブスカイト構造を形成できない。そこで、製造を低エネルギーで実施できること、装置を簡易にできること、及び薄膜にする際には基板の耐熱の必要性を緩和できる観点から、より低温でペロブスカイト構造を形成できる材料が求められている。
非特許文献2に記載の(C49NH32(CH3NH3)Pb27は、熱的安定性や動作安定性が十分ではない。そこで、更なる安定な材料の開発が必要とされている。
本発明は、上記の従来技術が有する課題の少なくとも一部に鑑みてなされたものであり、低温で製造でき、励起子の束縛エネルギーが大きく、熱安定性に優れる化合物、その製造方法、及びその使用を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定の方法で製造し、所定のカチオンと所定のアニオンとを含み、所定の結晶構造を有する化合物が上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記のとおりのものである。
[1]カチオンとアニオンとを含む化合物であって、前記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、前記化合物が結晶であり、前記結晶が層状ペロブスカイト構造を有し、前記層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を含む、化合物。
[2]前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記有機分子カチオンAである、[1]に記載の化合物。
[3]前記有機分子カチオンAの炭素数が4以上10以下である、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]前記有機分子カチオンAがアンモニウムカチオンを含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の化合物。
[5]前記有機分子カチオンAの炭素鎖が直鎖のみである、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[6]前記有機分子カチオンAの炭素鎖が芳香環を含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[7]前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記第1族元素カチオンである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の化合物。
[8]前記第1族元素カチオンが、セシウムカチオンである、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の化合物。
[9]前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記有機分子カチオンBである、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の化合物。
[10]前記有機分子カチオンBがアンモニウムカチオンを含む、[1]〜[9]のいずれか1つに記載の化合物。
[11]前記有機分子カチオンBの窒素数が2である、[1]〜[10]のいずれか1つに記載の化合物。
[12]前記有機分子カチオンBがホルムアミジニウムカチオンである、[1]〜[11]のいずれか1つに記載の化合物。
[13]前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、[1]〜[12]のいずれか1つに記載の化合物。
[14]前記第14族元素カチオンが、錫カチオン又は鉛カチオンである、[1]〜[13]のいずれか1つに記載の化合物。
[15]前記アニオンの55モル%以上100モル%以下が、前記第17族元素アニオンである、[1]〜[14]のいずれか1つに記載の化合物。
[16]前記層状ペロブスカイト構造の前記八面体ネットワークの層数が2層以上3層以下である構造を含む、[1]〜[15]のいずれか1つに記載の化合物。
[17][1]〜[16]のいずれか1つに記載の化合物の製造方法であって、前記カチオンと前記アニオンとを含む化合物前駆体を調製する工程と、前記化合物前駆体を0℃以上150℃以下の温度で加熱する工程と、を有し、前記化合物前駆体において、前記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、前記加熱する工程により、前記化合物前駆体から、層状ペロブスカイト構造を有する結晶であり、前記層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を形成する、製造方法。
[18][1]〜[16]のいずれか1つに記載の化合物の半導体材料としての使用。
[19][1]〜[16]のいずれか1つに記載の化合物の発光材料としての使用。
[20][1]〜[16]のいずれか1つに記載の化合物の太陽電池材料としての使用。
[21][1]〜[16]のいずれか1つに記載の化合物の太陽電池の光吸収層としての使用。
本発明によると、低温で製造でき、励起子の束縛エネルギーが大きく、熱安定性に優れる化合物、その製造方法、及びその使用を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の化合物は、カチオンとアニオンとを含む化合物であって、上記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、そのカチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が、炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、上記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、上記化合物が結晶であり、その結晶が層状ペロブスカイト構造を有し、その層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下であるペロブスカイト構造を含むものである。このように構成されているため、本実施形態の化合物は、低温で製造でき、励起子の束縛エネルギーが大きく、熱安定性に優れる。なお、本実施形態において、「熱安定性に優れる」とは、熱分解温度及び/又は熱分解開始温度がより高温であることを意味する。また、「励起子の束縛エネルギーが大きい」ことは、該化合物について、室温において励起子吸収が観察されるか否かにより判定できる。
(化合物)
本実施形態の化合物は、カチオンとアニオンとを含む化合物であって、上記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、そのカチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が、炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBである。このように化合物がカチオンを3種類以上含むことで、層状構造と上記八面体ネットワークの層数が複数である構造を共に含む層状ペロブスカイト構造を形成することができる。なお、層状ペロブスカイト構造とは、少なくとも後述の層間を含むペロブスカイト構造である結晶構造を意味する。
上記八面体ネットワークを形成するために更に有利となる観点から、化合物に含まれるカチオンの全量(100モル%。以下同様。)に対する第14族元素カチオンの含有量は10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることがさらに好ましく、40モル%以上であることが特に好ましい。また、層状構造の形成に更に有利となる観点から、化合物に含まれるカチオンの全量に対する第14族元素カチオンの含有量は80モル%以下であることが好ましく、75モル%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましく、65モル%以下であることが特に好ましい。
第14族元素カチオンとしては、特に限定されないが、例えば、Si4+、Ge2+、Ge4+、Sn2+、Sn4+、及びPb2+が挙げられる。第14族元素カチオンと第17族元素アニオンとの八面体構造の形成により有利である観点から、第14族元素カチオンは2価のカチオンであることが好ましく、具体的には、Ge2+、Sn2+又はPb2+が好ましい。また、酸化に対して比較的安定である観点から、第14族元素カチオンはSn2+、又はPb2+がより好ましく、Pb2+がさらに好ましい。本実施形態においては、第14族元素カチオンが、錫カチオン及び鉛カチオンの少なくとも一方を含むことが特に好ましく、錫カチオン又は鉛カチオンであることが極めて好ましい。第14族元素カチオンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態の化合物において、カチオンは、炭素数が3以上20以下の有機分子カチオンAを含む。有機分子カチオンAの炭素数が3以上20以下であることで、該化合物は一層有効かつ確実に層状構造を形成することができる。有機分子カチオンAの炭素鎖は、直鎖、分岐鎖及び環状構造のうち1つ以上を含むことができる。ここで、「直鎖」とは、分岐鎖のない炭素鎖などを含み、芳香環は含まない。より緻密に有機分子カチオンAを化合物に含ませることができる観点から、有機分子カチオンAの炭素鎖は直鎖のみであることが好ましい。また、有機分子カチオンAの熱安定性に更に有利である観点から、有機分子カチオンAの炭素鎖は芳香環を含むことが好ましい。上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造を含む層状ペロブスカイト構造の形成により有利である観点から、有機分子カチオンAの炭素数は、4以上であると好ましく、6以上であるとさらに好ましい。一方、ペロブスカイト構造の形成により有利となる観点から、有機分子カチオンAの炭素数は、10以下であると好ましく、8以下であるとより好ましく、6以下であるとさらに好ましい。有機分子カチオンAは、結晶形成により有利である観点から、アンモニウムカチオンを含むことが好ましい。また、結晶形成により有利である観点から、有機分子カチオンAに含まれるアンモニウムカチオンの数は、1以上4以下であることが好ましく、1以上2以下であることがより好ましく、1であることが最も好ましい。有機分子カチオンAの具体例としては、例えば、プロピルアンモニウム、ブチルアンモンニウム、ペンチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、ヘプチルアンモニウム、オクチルアンモニウム、ノナンアンモニウム、デカンアンモニウム、アニリン、プロピルジアンモニウム、ブチルジアンモンニウム、ペンチルジアンモニウム、ヘキシルジアンモニウム、ヘプチルジアンモニウム、オクチルジアンモニウム、ノナンジアンモニウム、及びデカンジアンモニウムが挙げられ、ペロブスカイト構造の形成により有利である観点から、プロピルアンモニウム、ブチルアンモンニウム、ペンチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、ブチルジアンモンニウム、ペンチルジアンモニウム、ヘキシルジアンモニウム、ヘプチルジアンモニウム、オクチルジアンモニウム、ノナンジアンモニウム、及びデカンジアンモニウムが好ましく、プロピルアンモニウム、ブチルアンモンニウム、ペンチルアンモニウム、及びヘキシルアンモニウムがより好ましい。有機分子カチオンAは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物に含まれるカチオンの全量に対する有機分子カチオンAの含有量は、層状ペロブスカイト構造の形成に有利である観点から、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、25モル%以上であることがさらに好ましい。また、その有機分子カチオンAの含有量は、より多くの八面体ネットワーク構造の形成に有利である観点から、70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
本実施形態において、化合物のカチオンのうち5モル%以上90モル%以下は、第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBである。化合物のカチオンが、所定量の第1族元素カチオンを含むことは、層状ペロブスカイト構造に上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造を含ませること、熱安定性の向上、及び動作安定性の向上の観点から重要である。なお、本実施形態において、「動作安定性に優れる」とは、相転移温度が0℃以上の範囲でより高温であることを意味する。動作安定性に優れることは、示差走査熱量計などにより評価することができる。また、化合物のカチオンが、所定量の炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBを含むことは、化合物の層状ペロブスカイト構造により多層の八面体ネットワーク構造を含ませること、熱安定性の向上、結晶性の向上、及びc軸配向性の向上の観点から重要である。化合物のカチオンは、第1族元素カチオン及び炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBのいずれか一方を含んでもよく、両方を含んでもよいが、それらの合計の含有量は、上述と同様の観点から、化合物に含まれるカチオンの全量に対して、5モル%以上であり、10モル%以上であると好ましく、14モル%以上であるとより好ましく、18モル%以上であると更に好ましい。それらの合計の含有量は、化合物の層状向上の形成に更に有利である観点から、化合物に含まれるカチオンの全量に対して、90モル%以下であり、80モル%以下であると好ましく、70モル%以下であるとより好ましく、60モル%以下であるとさらに好ましい。
なお、本実施形態における有機分子カチオンAと有機分子カチオンBとは、互いにその構造が異なるものである。
化合物に含まれるカチオンの全量に対する第1族元素カチオンの含有量は、化合物により多層の八面体ネットワークを含ませること、熱安定性の向上、動作安定性の向上、及び、凹凸の小さな薄膜形成に更に有利である観点から、10モル%以上であることが好ましく、14モル%以上であることがより好ましく、18モル%以上であることがさらに好ましい。その第1族元素カチオンの含有量は、化合物の層状構造の形成に更に有利である観点から、70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましく、50モル%以下であることがさらに好ましい。第1族元素カチオンとしては、具体的には、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、及びセシウムカチオンが挙げられる。化合物に上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造を含ませること、熱安定性の向上、動作安定性の向上、及び結晶性の向上により有利である観点から、第1族元素カチオンは、ルビジウムカチオン、又はセシウムカチオンであると好ましく、セシウムカチオンであるとより好ましい。第1族元素カチオンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物に含まれるカチオンの全量に対する有機分子カチオンBの含有量は、化合物により多層の八面体ネットワーク構造を含ませること、熱安定性の向上、動作安定性の向上、結晶性の向上、c軸方向への配向形成、及び太陽電池光吸収層としての太陽光エネルギー変換の向上により有利である観点から、10モル%以上であることが好ましく、14モル%以上であることがより好ましく、18モル%以上であることがさらに好ましい。その有機分子カチオンBの含有量は、化合物の層状構造の形成に更に有利である観点から、70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましく、50モル%以下であることがさらに好ましい。有機分子カチオンBは、炭素数と窒素数との和が3以上5以下であることが、熱安定性の向上、動作安定性の向上、結晶性の向上、及びc軸方向への配向の形成により有利となる観点から重要である。熱安定性の向上、動作安定性の向上、結晶性の向上、及びc軸方向への配向形成などにより有利となる観点から、有機分子カチオンBの炭素数と窒素数との和は、3以上4以下であることが好ましく、3であることがより好ましい。有機分子カチオンBの炭素数は、化合物により多層の八面体ネットワーク構造を含ませること、熱安定性の向上、動作安定性の向上、結晶性の向上、及びc軸方向への配向形成に有利である観点から、1であることがさらに好ましい。また、有機分子カチオンBの窒素数は、化合物により多層の八面体ネットワーク構造を含ませる観点から、1以上4以下であることが好ましく、2以上3以下であることがより好ましく、2であることがさらに好ましい。有機分子カチオンBは、化合物に上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造を含ませること、熱安定性の向上、動作安定性の向上、結晶性の向上、及びc軸方向への配向形成により有利である観点から、アンモニウムカチオンを含むことが好ましい。有機分子カチオンBとして、具体的には、ホルムアミジニウムカチオン、アセトアミジニウムカチオン、及びグアニジウムカチオンが挙げられ、ホルムアミジニウムカチオンがとりわけ好ましい。有機分子カチオンBは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物は、そこに含まれるアニオンの全量(100モル%)に対して、第17族元素アニオンを30モル%以上100モル%以下含む。化合物が第17族元素アニオンを30モル%以上100モル%以下含むことは、低温での結晶の形成、及び半導体特性の向上に重要である。化合物に含まれるアニオンの全量に対する第17族元素アニオンの含有量は、化合物が異なる種類の第17族元素アニオンを含む場合は、それらのモル比率の総和である。低温での結晶の形成、及び半導体特性の向上により有利となる観点から、化合物に含まれるアニオンの全量に対する第17族元素アニオンの含有量は、55モル%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素、臭素、及び塩素が挙げられる。結晶化に有利である観点から、第17族元素は、ヨウ素、又は臭素を含むことが好ましい。ハンドギャップをより小さくする観点から、第17族元素は、ヨウ素を含むことがより好ましい。結晶性を向上させる観点から、第17族元素は、臭素を含むことがより好ましい。第17族元素は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態において、化合物は結晶構造として複数層連なる八面体ネットワーク構造を含む層状ペロブスカイト構造を有する。化合物が、そのようなペロブスカイト構造を有することで、六方晶や斜方晶に比べ、電荷の移動に有利になる。本実施形態におけるペロブスカイト構造を有する化合物は、例えば、Aa 2b27という一般式で表され、Aサイト(Aaサイト及びAbサイト)及びBサイトのカチオンと、Xサイトのアニオンとから構成される。そのような化合物としては、例えば、(C613NH32(CHNHNH3)Pb27が挙げられる。この化合物において、AaサイトのカチオンはC613NH3 +に、AbサイトのカチオンはCHNHNH3 +に、BサイトのカチオンはPb2+に、XサイトのカチオンはI-に、それぞれ対応する。Bサイトのカチオンは、Xサイトのアニオンに6配位で結合しており、8面体を形成している。この8面体構造の少なくとも一部は、隣り合う8面体構造と頂点共有している。本実施形態における層状構造とは、層間を有する構造を意味し、層間とは、BサイトのカチオンとXサイトのアニオンによる8面体構造が頂点共有していない面を有する構造を指す。また、層状ペロブスカイト構造とは、上記層状構造を有し、かつ上記8面体が連なった平面構造(以下、「8面体平面構造」という。)を有する構造を意味する。また、第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークとは、上記8面体平面構造が2層以上重なった構造を意味し、例えば各8面体の5つ以上が頂点共有している構造である。この結晶構造は、X線結晶構造解析や透過型電子顕微鏡像の格子像などの種々の公知の手法により評価することができる。
本実施形態の化合物のペロブスカイト構造において、Aaサイトは有機分子カチオンA、Abサイトは第1族元素カチオン及び/又は有機分子カチオンB、Bサイトは第14族元素カチオン、Xサイトは第17族元素アニオンであることが好ましい。化合物における層状ペロブスカイト構造の層間距離は、層状ペロブスカイト構造の形成に有利である観点から、8Å以上40Å以下であることが好ましい。本実施形態において、層状ペロブスカイト構造に含まれる上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造は、上記8面体平面構造が2層以上5層以下重なった構造を含むと好ましい。励起子の束縛エネルギーがより大きく、かつバンドギャップがより小さく、キャリアの移動により有利となるためには、8面体平面構造が2層以上5層以下重なった構造であると好ましい。励起子の束縛エネルギーを更に大きくする観点から、層状ペロブスカイト構造に含まれる上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造は、8面体平面構造が4層以下重なることが好ましく、3層以下重なることがより好ましく、2層重なることがさらに好ましい。
太陽光には可視光域の光(>400nm)が多く含まれており、太陽光の有効利用のためには、化合物のバンドギャップが小さいことが有利である。そのような観点から、化合物のバンドギャップは、3.00eV以下であると好ましく、2.80eV以下であるとより好ましい。一方、光起電力をより大きくできること、透過した光をより有効に利用できること、及び、波長が同じ励起光を照射した際の発光波長によるエネルギー損失がより小さくなる観点から、化合物のバンドギャップは、1.80eV以上が好ましく、2.00eV以上がより好ましい。
本実施形態において、熱分解温度及び/又は熱分解開始温度がより高温であることは、種々の公知の手法により評価することができ、例えば、重量減少から評価することができる。また、熱分解温度及び熱分解開始温度は、それぞれ、重量減少が5質量%となる温度、及び、1質量%となる温度として求めることができる。
本実施形態の化合物は、様々な形態をとりうるが、取り扱いがより容易である観点から、固体粉末や薄膜の形態であることが好ましく、積層構造により有利である観点から、薄膜の形態であることがより好ましい。
化合物の結晶子径は、1nm以上500nm以下であることが好ましい。結晶性向上により有利である観点から、結晶子径は5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。凹凸の小さな薄膜とするためにより有利である観点から、結晶子径は200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
(化合物の製造方法)
本実施形態の化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する所定の原料を用い、所定の工程を経るものとすることができる。特に、低温条件で上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造、及び層状ペロブスカイトを製造できる観点から、その製造方法は、化合物の製造方法であって、カチオンとアニオンとを含む化合物前駆体を調製する工程と、その化合物前駆体を0℃以上150℃以下の温度で加熱する工程とを有し、上記化合物前駆体において、カチオンが3種類以上のカチオンを含み、カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、上記加熱する工程により、化合物前駆体から、層状ペロブスカイト構造を有する結晶であり、層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を形成する製造方法であると好ましい。すなわち、当該製造方法は、カチオンとアニオンとを含む化合物であって、上記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、そのカチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、上記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、上記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである化合物前駆体を、0℃以上150℃以下の温度で加熱することにより、層状ペロブスカイト構造を有し、その層状ペロブスカイト構造が2層以上8層以下の上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造の結晶を形成する工程を含むことが好ましい。化合物前駆体に、所定のカチオン及びアニオンを含ませることは、層状ペロブスカイト構造を形成するために、重要となる。なお、本実施形態の化合物前駆体において、上記第14族元素カチオン以外のカチオンは、いわゆる対カチオンに相当する。
本実施形態の化合物の原料としては、該化合物を構成するカチオン元素を含む物質、及び構成するアニオン元素を含む物質が好ましい。特に、本実施形態の化合物の製造方法は、上記化合物前駆体を調製する工程が、非プロトン性極性溶剤と、上記対カチオンと、第14族元素カチオンと、第17族元素アニオンとを含む溶液であって、第17族元素アニオンと第14族元素カチオンとのモル比(第17族元素アニオン/第14族元素カチオン)が0.1以上10以下である溶液を調製する工程と、得られた溶液から溶剤を除去する工程とを有することが好ましい。
上記化合物について、具体的には、ハロゲン化金属、塩基とハロゲン化水素との塩などを原料とすることが好ましい。上記ハロゲン化金属を構成するハロゲン種は、新IUPACの周期表における第17族元素が好ましく、具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素、臭素及び塩素が挙げられ、化合物の結晶化に有利である観点から、ヨウ素及び臭素が好ましい。化合物のハンドギャップをより小さくする観点から、第17族元素はヨウ素であることより好ましい。結晶性を向上させる観点から、第17族元素は臭素であることがより好ましい。第17族元素は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記塩基とハロゲン化水素との塩の具体例としては、以下に限定されないが、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、などが挙げられ、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、及びホルムアミジン・臭化水素塩が挙げられ、これらがさらに好ましい。当該塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態の化合物は、溶剤を用いない方法、又は溶剤を用いる方法により製造することもできる。溶剤を用いない方法として、以下に限定されないが、例えば、蒸着法及び固相法が挙げられる。組成が均一な化合物を製造する観点から、本実施形態の化合物は、溶剤を用いる方法、すなわち、上記原料を溶剤に溶解させた溶液から、溶剤を除去することで結晶化させる方法で製造することが好ましい。すなわち、本実施形態に係る化合物の製造方法は、上述した所定のカチオンとアニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、当該溶液から溶剤を除去する工程とを含むことが好ましい。上記において、化合物の好適な原料である第14族元素ハロゲン化物の溶解に有利である観点から、溶剤として非プロトン性有機溶剤を用いることが好ましい。その非プロトン性有機溶剤のなかでは、具体的には、ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記す。)、ジメチルスルホキシド、及びγブチロラクトンが好ましく、化合物の形成に有利である観点から、DMFがより好ましい。
上記溶液は、化合物に含まれる対カチオンと、第14族元素カチオンと、第17族元素アニオンとを含むことが好ましい。第17族元素アニオンと第14族元素カチオンとのモル比(第17族元素カチオン/第14族元素カチオン)は、0.1以上10以下であることが好ましく、0.5以上8以下であることがより好ましく、1以上5以下であることがさらに好ましい。上記のように調製された溶液から溶剤を除く工程をさらに有する化合物の製造方法がとりわけ好ましい。溶液から溶剤を除く工程としては、特に限定されないが、例えば、加熱により溶剤を蒸発除去する工程、及び、貧溶媒と接触又は混合することで良溶媒である溶剤を除去する工程が挙げられる。
該化合物を製造するための原料の固定化、例えば、薄膜形態の化合物の製造方法としては、以下に限定されないが、溶液を用いた、スピンコート法、スプレー法及び液相反応法が挙げられる。溶液の引火などの危険性が少ない、及び/又は、調製方法の調整が容易である観点から、スピンコート法が好ましい。また、過剰な溶媒の除去や、核生成を促進する観点から、貧溶媒を用いて結晶生成をすることが好ましい。貧溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、アセトニトリル及びトルエンが挙げられる。
該化合物を製造する雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気中や不活性雰囲気中で調製できる。より簡便に調製できる観点から、大気中で調製することが好ましい。また、化合物の純度をより高くできる観点から、不活性雰囲気中で調製することが好ましい。
(用途)
本実施形態の化合物は、半導体材料として使用することができる。本実施形態における半導体材料としては、例えば、バンドギャップが2eV以下である材料が挙げられる。
本実施形態の化合物は、他の用途に用いることもできる。具体的には、電子若しくは正孔又はイオンを伝導する材料、光吸収による光励起キャリアの生成を利用する材料、及びその再結合による発光を利用する材料が挙げられる。より具体的には、発光材料、太陽電池材料、太陽電池の光吸収層、光センサー、光触媒、イオン伝導材料、導電性材料、圧電素子、及びパワーデバイスが挙げられる。本実施形態でのイオンとは、該材料を構成するカチオン又はアニオンのことを指す。該化合物は、励起子の束縛エネルギーがより大きい観点から、発光材料としての使用が好ましい。化合物は太陽光に含まれる波長の光を吸収できる観点から、太陽電池の光吸収層用の化合物であることが好ましい。さらに、特定波長の光を利用できる観点から、化合物は、光センサーとして利用することが好ましい。
本実施形態の化合物は、優れた発光特性を有するため、該化合物を含む発光素子などに適用することが好ましい。本実施形態の化合物は、発光のストークスシフトを小さくできる、発光量子収率を大きくできるなどの特徴と相俟って、好適に発光材料として使用できる。
本実施形態の化合物は、優れた光吸収特性を有するため、太陽電池セルに含ませると好ましく、特に、太陽電池セルに備えられる光吸収層が該化合物を含むと好ましい。このような化合物の使用によると、さらに、光電流密度、開放電圧、及びフィルファクターの少なくとも一つを向上させることで、当該化合物が有する光吸収特性と相俟って太陽光変換効率を向上させることができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における各種物性及び反応条件は、以下に示す方法により測定及び設定した。
(結晶構造)
化合物の結晶構造は、X線回折装置(製品名「SmartLab」、リガク社製)を用いて測定したCuα線によるX線回折(XRD)パターンから評価した。特に、ペロブスカイト構造であるかは、PbカチオンとIアニオンによる八面体が頂点共有している構造において、Pbカチオンとヨウ素アニオンとによる面間の回折に由来する、2θ=14〜15°の回折ピークにより判定した。また、層状構造を有するか否かの判定は、該化合物のXRDパターンに、2θ=11°(d=8Å)よりも低角度の回折ピークを有する場合は層状構造ありと判定し、そのような回折ピークを有しない場合は層状構造なしと判定した。第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワーク数は、最低角度の回折ピークのd値が、21〜25°である場合は2層であると判定した。結晶子径は、回折ピークの半値幅からシェラー式により算出することで求めた。
(励起子吸収)
励起子吸収の評価は、該化合物の室温における吸収スペクトルを紫外可視近赤外分光計(製品名「UV−PC3100」、SHIMADZU社製)を用いて測定し、その吸収スペクトルが励起子吸収を有するか否かにより、判定した。室温にて励起子吸収を有する場合は励起子の束縛エネルギーが大きく、有しない場合は励起子の束縛エネルギーが小さいことを意味する。
(熱分解開始温度)
化合物の熱分解開始温度は、示差熱熱重量同時測定装置(製品名「TG−DTA7200」、SIIナノテクノロジー社製)を用いた熱重量測定にて、昇温速度10(C/minの条件で測定を行った。重量減少が1質量%となった温度を熱分解開始温度、5質量%となった温度を熱分解温度とした。
(相転移温度)
化合物の相転移温度は、示差走査熱量計(製品名「DSC7020」、SIIナノテクノロジー社製)により評価した。昇温速度及び降温速度を10(C/minに設定した。0℃以上で観測される、最も低温の相転移温度を相転移温度とした。
(ペロブスカイト形成温度)
化合物のペロブスカイト形成温度は、ペロブスカイト構造を形成した化合物について、製膜した温度とした。
下記に示すとおり、実施例1〜4及び比較例1に係る薄膜を調製し、その物性の評価を行った。
(実施例1)
溶剤としてDMFを用い、これに0.5Mのヘキシルアミン・ヨウ化水素塩と、0.25Mのホルムアミジン・ヨウ化水素塩と、0.5Mのヨウ化鉛とを溶解させて、溶液1を得た。基板として石英板を用い、溶液1をその基板に200μL滴下した。その後、3000rpmで30秒間スピンコートし、乾燥させることで基板上に薄膜サンプルを得た。サンプルの結晶構造及び吸収スペクトルを評価した。また、基板上のサンプルを粉末として回収し、熱重量測定、及び示差走査熱量測定を行った。評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
溶剤としてDMFを用い、これに0.5Mのヘキシルアミン・ヨウ化水素塩と、0.25Mのヨウ化セシウムと、0.5Mのヨウ化鉛とを溶解させて、溶液2を得た。溶液1に代えて溶液2を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
溶剤としてDMFを用い、これに0.5Mのヘキシルアミン・ヨウ化水素塩と、0.25Mのメチルアンモニウム・ヨウ化水素塩と、0.5Mのヨウ化鉛とを溶解させて、溶液3を得た。溶液1に代えて溶液3を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
Figure 2018027899
実施例1及び2と比較例1とを比較すると、いずれも20℃程度の低温でぺロブスカイト構造を形成し、電荷移動などに有利な化合物であることがわかる。なお、第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークは、実施例1及び2と比較例1のいずれも2層であった。また、室温にて励起子吸収も観測されたことから、本実施形態に係る化合物は、励起子について束縛エネルギーの大きな材料とすることができ、発光材料などとして有利になることがわかる。
実施例1及び2と比較例1との熱分解開始温度及び熱分解温度について比較すると、実施例1及び2の化合物は、比較例1の化合物よりも熱分解温度が向上し、熱安定性が改善することがわかる。また、この熱分解温度の序列は、(CHNHNH3+:ホルムアミジニウム>Cs+>(CH3NH3+:メチルアンモニウムとなった。このことから、熱安定性は、上記八面体ネットワークの層数が複数層である構造のAbサイトカチオンの沸点のみによるわけではなく、形成した結晶の立体的安定性や、Abサイトカチオンのカチオン性などの静電的安定性の兼ね合いによって決まることがわかる。
実施例2と比較例1の相転移温度を比較すると、本実施形態の化合物に係る実施例2では、相転移温度が高くなり、動作安定性に優れることがわかった。
実施例1及び2と比較例1とを比較すると、Abサイトを炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBとする実施例1は、ペロブスカイトの結晶子径は大きくなり、結晶性改善に有利になることがわかった。また、Abサイトを第一元素カチオンとする実施例2は、結晶子径は小さくなり、凹凸の小さな薄膜などの形成に有利であることがわかった。
本発明によると、低温で製造でき、励起子の束縛エネルギーが大きく、熱安定性に優れる化合物を提供できるので、半導体材料、より具体的には、発光材料、太陽電池の光吸収層などの太陽電池材料等の分野に産業上の利用可能性がある。

Claims (21)

  1. カチオンとアニオンとを含む化合物であって、前記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、
    前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、
    前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、
    前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、
    前記化合物が結晶であり、前記結晶が層状ペロブスカイト構造を有し、
    前記層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を含む、化合物。
  2. 前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記有機分子カチオンAである、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記有機分子カチオンAの炭素数が4以上10以下である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記有機分子カチオンAがアンモニウムカチオンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記有機分子カチオンAの炭素鎖が直鎖のみである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記有機分子カチオンAの炭素鎖が芳香環を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記第1族元素カチオンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 前記第1族元素カチオンが、セシウムカチオンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記有機分子カチオンBである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 前記有機分子カチオンBがアンモニウムカチオンを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 前記有機分子カチオンBの窒素数が2である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 前記有機分子カチオンBがホルムアミジニウムカチオンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 前記カチオンの10モル%以上70モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 前記第14族元素カチオンが、錫カチオン又は鉛カチオンである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 前記アニオンの55モル%以上100モル%以下が、前記第17族元素アニオンである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 前記層状ペロブスカイト構造の前記八面体ネットワークの層数が2層以上3層以下である構造を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
    前記カチオンと前記アニオンとを含む化合物前駆体を調製する工程と、
    前記化合物前駆体を0℃以上150℃以下の温度で加熱する工程と、を有し、
    前記化合物前駆体において、前記カチオンが、3種類以上のカチオンを含み、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が炭素数3以上20以下の有機分子カチオンAであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が第1族元素カチオン、及び/又は、炭素数が2以下かつ炭素数と窒素数との和が3以上5以下の有機分子カチオンBであり、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素アニオンであり、
    前記加熱する工程により、前記化合物前駆体から、層状ペロブスカイト構造を有する結晶であり、前記層状ペロブスカイト構造における第14族元素カチオンとアニオンとによる八面体ネットワークの層数が2層以上8層以下である構造を形成する、製造方法。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の半導体材料としての使用。
  19. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の発光材料としての使用。
  20. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の太陽電池材料としての使用。
  21. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の太陽電池の光吸収層としての使用。
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