JP6314190B2 - 組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、組成物、その製造方法、及びその使用に関する。
近年、金属ハロゲン化物が様々な用途で注目されている。特に、この材料の太陽電池用材料としての適用が多く提案されている。非特許文献1では、メチルアンモニウムカチオン、鉛カチオン(Pb2+)及びヨウ化物アニオンからなる化合物が、バンドギャップが約1.6eV、バンド間遷移が直接遷移であり、太陽電池の光吸収層として用いられていることが記載されている。
非特許文献2では、セシウムカチオン(Cs+)、錫カチオン(Sn2+)及びヨウ化物アニオンからなる化合物が、窒素で雰囲気を制御した環境の下で使用でき、バンドギャップが約1.3eV、バンド間遷移が直接遷移であり、太陽電池の光吸収層として用いられていることが記載されている。
非特許文献3では、電子構造計算により、ペロブスカイト構造を有することが確認された、CH3NH3Tl0.5Bi0.53や、CH3NH3In0.5Bi0.53が提案されており、それぞれのバンドギャップは1.68eV、1.03eV、バンド間遷移がいずれも直接遷移であることが記載されている。
H.J.Snath et al., Science 2012, 338, 644. J.Phys.Chem.C, 2015, 119, 1763. Chem. Lett. 2015, 45, 826.
しかしながら、非特許文献1に記載の材料は鉛カチオンを有しており、鉛は毒性が強いために、含まれる鉛量がより少ない材料が望まれている。
非特許文献2に記載の材料は、鉛カチオンを含まず、錫カチオン(Sn2+)としているが、Sn2+は容易に酸化され、Sn4+となる。この場合、この材料は半導体特性を失う。そのために、酸素の存在量が極めて低い、窒素などの不活性雰囲気中での製造や保存が必要となり、より取扱いに容易な材料が求められている。
非特許文献3に記載の材料に含まれるTl+やIn+については、Tlは人体に有害な毒物であり、In+は容易にIn3+に酸化されるため、不活性雰囲気での取り扱いが必要となり、より取扱いに容易な材料が求められている。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、安全性が高く、取扱いがより容易である半導体材料用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定のカチオンと所定のアニオンを含む半導体材料用組成物とすることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記のとおりのものである。
[1]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、分子カチオンであり、
前記分子カチオンが、アンモニウム基を含む、半導体材料用組成物。
[2]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
前記カチオンに希土類元素カチオンを含む、半導体材料用組成物。
[3]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物である、半導体材料用組成物。
[4]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
太陽電池材料用である、半導体材料用組成物。
[5]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
太陽電池の光吸収層用である、半導体材料用組成物。
[6]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
光センサー用である、半導体材料用組成物。
[7]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
電子輸送材と接触している、半導体材料用組成物。
[8]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
正孔輸送材と接触している、半導体材料用組成物。
[9]
前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、単一元素カチオンである、[2]〜[8]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[10]
前記単一元素カチオンが、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される元素のカチオンを含む、[9]に記載の半導体材料用組成物。
[11]
前記単一元素カチオンがCs、Rb、K及びNaからなる群より選択されるいずれかの元素のカチオンである、[9]又は[10]に記載の半導体材料用組成物。
[12]
前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、分子カチオンである、[2]〜[8]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[13]
前記分子カチオンが、アンモニウム基を含む、[12]に記載の半導体材料用組成物。
[14]
前記アニオンの55モル%以上が第17族元素のアニオンである、[1]〜[13]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[15]
前記第17族元素がCl、Br及びIからなる群より選択されるいずれか1つである、[1]〜[14]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[16]
前記カチオンの35モル%以上95モル%以下が前記ビスマスカチオンである、[1]〜[15]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[17]
前記カチオンに希土類元素カチオンを含む、[1],[3]〜[16]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[18]
前記カチオンの0.001モル%以上50モル%以下が希土類元素カチオンである、[2]又は[17]に記載の半導体材料用組成物。
[19]
前記ビスマスカチオンに対する前記希土類元素カチオンのモル比率が、希土類元素カチオン/ビスマスカチオンとして、0.01以上50以下である、[2],[17]〜[18]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[20]
前記希土類元素カチオンが第6周期以降の元素のカチオンである、[2],[17]〜[19]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[21]
前記希土類元素カチオンの価数が3である、[2],[17]〜[20]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[22]
前記希土類元素カチオンがLa 3+ である、[2],[17]〜[21]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[23]
前記半導体材料用組成物が、異なる複数の結晶相を有する、[1]〜[2],[4]〜[8]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[24]
前記半導体材料用組成物が、異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物である、[1]〜[2],[4]〜[8]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[25]
前記化合物Aのバンド間遷移が間接遷移である、[3]又は[24]に記載の半導体材料用組成物。
[26]
前記化合物AがCs 3 Bi 2 9 である、[3],[24],[25]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[27]
前記化合物Bのバンド間遷移が直接遷移である、[3],[24]〜[26]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[28]
前記化合物BがBiI 3 である、[3],[24]〜[27]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[29]
前記化合物Aと前記化合物Bのバンド構造について、一方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルが、それぞれ、他方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルよりも正である、[3],[24]〜[28]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[30]
薄膜形状である、[1]〜[29]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[31]
太陽電池材料用である、[1]〜[3],[5]〜[30]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[32]
太陽電池の光吸収層用である、[1]〜[4],[6]〜[30]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[33]
光センサー用である、[1]〜[5],[7]〜[30]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[34]
電子輸送材と接触している、[1]〜[6],[8]〜[30]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[35]
前記電子輸送材が無機物を含む、[7]又は[34]に記載の半導体材料用組成物。
[36]
前記電子輸送材が金属酸化物である、[7],[34],[35]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[37]
正孔輸送材と接触している、[1]〜[7],[9]〜[30]のいずれかに記載の半導体材料用組成物。
[38]
前記正孔輸送材が有機物を含む、[8]又は[37]に記載の半導体材料用組成物。
[39]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物を製造する方法であって、
前記カチオンと前記アニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、
前記溶液から溶剤を除去する工程と、
を含む、半導体材料用組成物の製造方法。
[40]
前記溶液が、前記ビスマスカチオンの対カチオンを含み、
前記溶液に含まれる、前記対カチオンと、前記ビスマスカチオンとのモル比(対カチオン/ビスマスカチオン)が、0.01以上1.4以下である、[39]に記載の半導体材料用組成物の製造方法。
[41]
前記溶液を、不活性雰囲気下、70℃以上200℃以下で加熱する工程をさらに含む、[39]又は[40]に記載の半導体材料用組成物の製造方法。
[42]
[1]〜[38]のいずれかに記載の半導体材料用組成物の半導体材料としての使用。
[43]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
太陽電池材料としての使用。
[44]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
太陽電池の光吸収層としての使用。
[45]
カチオンとアニオンとを含み、
前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
光センサーとしての使用。
本発明に係る半導体材料用組成物は、安全性が高く、取扱いがより容易である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(半導体材料用組成物)
本実施形態に係る半導体材料用組成物は、カチオンとアニオンとを含み、前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである。このように構成されているため、本実施形態に係る半導体材料用組成物は、安全性が高く、取扱いがより容易である。なお、本実施形態に係る半導体材料用組成物とは、所定のカチオン及びアニオンから構成される単一の化合物、及び複数の化合物の集合体などを包含する。
構成要素のカチオンには、ビスマスカチオンが含まれる。半導体材料用組成物に含まれる化合物の価電子帯と伝導帯は、カチオンとアニオンとの混成軌道から構成されることで、その化合物中での電子や正孔の拡散、及び/又は光励起電子や正孔の寿命向上などに有利となり、その結果優れた半導体特性を有する。電子帯及び/又は伝導帯での混成軌道の形成に有利となる観点から、金属カチオンの電子配置がs2100となることが重要である。このs2100の電子配置を取りうるTl、Pb、Sb、Inなどに比べ、人体への有害性の観点からBiは有利である。また、電子配置がs2100となる、Ga+、In+、Ge2+、Sn2+、に比べ、酸化に対する安定性において有利である観点から、Bi3+が有利である。
本実施形態における半導体材料用組成物に含まれるビスマスカチオンは、半導体材料用組成物を構成するカチオンのうち30モル%以上である。半導体材料用組成物を太陽電池の光吸収層とした際の、光電流密度、太陽光変換効率の向上に有利である観点から、電子配置がs2100となるカチオンをより多く含むことが好ましい。電子配置がs2100となるカチオンのうちBi3+をより多く含むことは、この電子配置を取りうるTl、Pb、Sb、Inに比べ、安全性が高い観点から有利である。また、電子配置がs2100となる、Ga+、In+、Ge2+、Sn2+、に比べ、Bi3+は酸化に対する安定性にも有利である。これらの観点から、半導体材料用組成物に含まれるカチオン中、ビスマスカチオンが30モル%以上であることが重要である。加えて、酸化に対する安定性の観点から、本実施形態における半導体材料用組成物を構成するカチオンに含まれるGa、In、Ge、及びSnのカチオンは、55モル%以下であることが好ましく、より好ましくは40モル%以下であり、さらに好ましくは30モル%以下である。また、十分な安全性を確保する観点から、半導体材料用組成物を構成するカチオンに含まれるTl、Pb、Sb、As、Po、Cd、及びHgのカチオンは、55モル%以下であることが好ましく、より好ましくは40モル%以下であり、さらに好ましくは30モル%以下である。
本実施形態の半導体材料用組成物は、結晶相が異なる材料を含む場合、結晶相が異なる材料同士が物理的に接合した、Bi3+を全カチオンに対して5モル%以上含む領域での組成物のことを示し、構成する元素のモル比率は、この組成物範囲でのモル比率を意味する。また、該半導体材料用組成物の領域判断のために行う元素組成分析は、例えば、該半導体材料用組成物をX線蛍光分析することで、求めることができる。この際、例えば、本実施形態に非該当の組成物を該組成物の貧溶媒(例えば、トルエン)で洗浄することで、接触する他の材料を溶解除去させてから、該組成物のみを溶解した溶液の組成を分析することができる。
安全性の観点、酸化に対する安定性に有利である観点、及び/又は、太陽電池材料として光電変換効率、特に光電流密度の向上に有利である観点から、半導体材料用組成物を構成するカチオンのうちビスマスカチオンが、35モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、とりわけ太陽電池材料の光吸収層として光電変換効率、特に光電流密度の向上に有利である観点から、45モル%以上がさらに好ましく、50モル%以上がよりさらに好ましい。対カチオンを含むことで、ビスマスカチオンの配列を制御できる観点、太陽電池の光吸収層としたときの起電圧及び太陽光変換効率の向上に有利である観点から、半導体材料用組成物を構成するカチオンのうちビスマスカチオンが95%モル以下であることが好ましく、85モル%以下であることがより好ましく、70モル%以下であることがさらに好ましい。太陽電池材料としたときの起電圧は、開放電圧などで評価することができる。
半導体材料用組成物には、ビスマスカチオン以外のカチオン(本実施形態において、「対カチオン」ともいう。)が含まれることが、ビスマスカチオンの配列を制御できる観点、太陽電池の光吸収層としたときの起電圧及び太陽光変換効率の向上に有利である観点から好ましい。ビスマスカチオンの配列を制御することで、光励起キャリアの再結合がより抑制される傾向にあり、その結果、太陽電池の光吸収層としたときの起電圧及び太陽光変換効率の向上に有利とすることができる。本実施形態における光励起キャリアとは、光を半導体材料用組成物に照射した際に生じる、電子や正孔などのことを示す。すなわち、本実施形態の半導体材料用組成物を太陽電池材料として利用したときには、起電圧を向上させることができる。対カチオンは有機物カチオンや、無機物カチオンとすることができる。熱的安定性の観点からは、無機物カチオンが好ましい。また、対カチオンは、一つ又は複数の元素や、分子から構成することができる。対カチオンは、新IUPACの第1族元素から第15族元素までのいずれかの元素のカチオンを含むことが好ましい。
対カチオン元素の価電子帯や伝導帯への混成を少なくしてビスマスカチオンの配列をより制御できる、又は対カチオン元素の価電子帯や伝導帯により多く混成できる観点から、対カチオンは、該材料に含まれるカチオンのうち、20モル%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。
本実施形態においては、熱的安定性や原料の製造が容易である観点から、無機物カチオンが、半導体材料用組成物を構成する対カチオンに含まれることが好ましい。そのため、前記対カチオンに含まれる有機物カチオンは半導体材料用組成物を構成するカチオンのうち、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることがさらに好ましく、0.1モル%以下であることがよりさらに好ましい。また、熱的安定性や原料の製造が容易である観点から、単一元素からなるカチオン(本実施形態において、「単一元素カチオン」ともいう。)が、半導体材料用組成物を構成する対カチオンに含まれることが好ましい。前記対カチオンに含まれる単一元素カチオンは、前記観点から、半導体材料用組成物を構成する対カチオンのうち、15モル%以上100モル%以下含まれることが好ましく、20モル%以上100モル%以下がより好ましく、25モル%以上100モル%以下がさらに好ましく、30モル%以上100モル%以下がよりさらに好ましい。また、上記を考慮すると、前記対カチオンに含まれる分子カチオンは半導体材料用組成物を構成する対カチオンのうち、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、1モル%以下であることがさらに好ましく、0.1モル%以下であることがよりさらに好ましい。
電気陰性度が小さくカチオン性が強いこと、及び/又はイオン半径が結晶構造形成に有利である観点から、対カチオンとして、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される単一元素カチオンが含まれることが好ましい。第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される単一元素カチオンは、半導体材料用組成物における対カチオン中に15モル%以上含まれることが好ましく、20モル%以上がより好ましく、25モル%以上がさらに好ましく、30モル%以上がよりさらに好ましい。Biカチオンが多いほど、光吸収に有利である観点から、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される単一元素カチオンは、55モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、45モル%以下がさらに好ましい。
対カチオンが単一元素からなるカチオンの場合、s0の電子配置となることで、対カチオン元素の価電子帯や伝導帯への混成を少なくしてビスマスカチオンの配列を制御できる観点から、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択されるいずれかの元素が好ましく、s0の電子配置となったときのイオン半径が大きくなることで、配列するビスマスカチオンの電子状態を非局在化できる観点から、第1族元素及び第2族元素からなる群より選択されるいずれかの元素がより好ましく、第1族元素からなる群より選択されるいずれかの元素がさらに好ましい。具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、スカンジウムなどが好ましく、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどがより好ましく、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムがよりさらに好ましく、セシウムが特に好ましい。
対カチオンとして分子カチオンが含まれる場合、該化合物の柔軟性に有利である観点、バンドギャップを大きくする観点から、分子カチオンは対カチオンのうち、15モル%以上100モル%以下であることが好ましく、50モル%以上100モル%以下であることがより好ましい。分子カチオンは金属クラスターや、有機分子由来のカチオンであることが好ましい。また、分子カチオンがアンモニウム基を含むことが、構成する窒素元素が豊富である、比較的小さなカチオンである観点から好ましい。分子カチオンの具体例としては、以下に限定されないが、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、プロピルアンモニウムカチオン、ブチルアンモニウムカチオン、ペンタアンモニウムカチオン、ヘキサアンモニウムカチオン、アニリンカチオン等が挙げられ、分子サイズが小さいほど、ビスマスカチオンの電子状態を非局在化するために有利である観点から、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオンが好ましく、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオンがより好ましい。
本実施形態において、対カチオンとして含まれうる希土類元素カチオンは、当該希土類元素カチオンの導入による半導体特性の向上効果を高める観点から、半導体材料用組成物のカチオンの総量(100モル%)に対し、0.001モル%以上であることが好ましく、0.01モル%以上がより好ましく、0.02モル%以上がさらに好ましい。また、ビスマスカチオンを多く含ませる観点から、50モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
希土類元素カチオンの導入による半導体特性の向上効果を高める観点から、ビスマスカチオンに対する希土類元素カチオンの比率が、希土類元素カチオン量/ビスマスカチオン量のモル比として、0.01以上であることが好ましく、0.1以上がより好ましく、1以上がさらに好ましい。また、価電子帯及び/又は伝導帯のビスマスカチオンの状態密度を向上させる観点から、ビスマスカチオンに対する希土類元素カチオンの比率は、50以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
半導体材料用組成物のカチオンに含まれうる希土類元素カチオンは、半導体材料用組成物を構成するカチオンのイオン半径に近くなり、ドープが容易になる観点から、第6周期以降の元素のカチオンであることが好ましい。具体的には、Laが好ましい。また、ビスマスカチオン(III)と近い価数のため、キャリア密度を大きく変えずに希土類元素カチオンを半導体材料用組成物に含むことができる観点から、希土類元素カチオンの価数は3価又は2価であることが好ましく、3価がより好ましい。すなわち、希土類元素カチオンがLa(III)であることがとりわけ好ましい。また、半導体材料用組成物中の希土類元素由来の発光を利用できる観点から、f軌道に不対電子を有する電子配置であるカチオンが好ましい。具体的には、Prカチオン、Ndカチオン、Smカチオン、Euカチオン、Gdカチオン、Tbカチオン、Dyカチオン、Hoカチオン、Erカチオン、Tmカチオン、Ybカチオンが挙げられ、より具体的には、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+が挙げられる。
半導体材料用組成物を構成するアニオンは、含まれるアニオンの総量(100モル%)に対して、第17族元素のアニオンを30モル%以上100モル%以下含む。第17族元素のアニオンをより多く含むことで、半導体材料用組成物のイオン結合性が増し、結晶の形成に有利になる観点から、30モル%以上含むことが重要である。半導体材料用組成物のイオン結合性が増す観点から、第17族元素を55モル%以上含むことがより好ましく、75%以上含むことがさらに好ましい。具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等が挙げられ、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、ヨウ素、及び臭素がより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。半導体材料用組成物には、前記第17族元素のアニオンを複数含むことができる。また、半導体材料用組成物を構成するアニオンには、分子アニオンを含むことができ、具体的には、無機分子アニオン、有機分子アニオン、擬ハロゲンなどを含むことができ、より具体的には、シアネートアニオン、チオシアネートアニオン、セレノシアネートアニオン、BF4 -アニオン、PF6 -アニオン、CH3COO-アニオン、CF3COO-アニオンなどが挙げられる。
半導体材料用組成物の結晶構造は、ビスマスカチオンの電子状態がより非局在化する構造であることが、電子や正孔やイオンの移動に有利である観点、及び/又はバンドギャップを小さくする観点から好ましい。非局在化する構造としては、以下に限定されないが、例えば、ビスマスカチオンに前記アニオンが配位した構造、さらには、ビスマスカチオンに配位しているアニオンが少なくとも一部共有されている構造が挙げられ、電子や正孔やイオンの移動に有利である観点、及び/又はバンドギャップを小さくする観点から、共有される数が多いほど、好ましい。すなわち、アニオンの少なくとも一部が複数のビスマスカチオンに配位した構造を有することが好ましい。なお、ビスマスカチオンのアニオンへの配位数は、5配位以上、8配位以下が好ましい。例えば、Cs3Bi29は、Bi3+がI-に6配位であり、一部のI-が複数のBi3+と結合を有する構造であるため、好ましい。すなわち、ビスマスカチオンがアニオンに対し6配位である構造を含むことが好ましい。
本実施形態における半導体材料用組成物のバンドギャップは、タンデム型セルなどで、太陽光が該材料透過した光を有効に利用できる観点から、1.6eVより大きいことが好ましい。本発明者らは、特定の理論に拘束されることを欲しないが、半導体材料用組成物に含まれる所定量のBiにより、及び/又は該Biに由来して形成される結晶構造により、PbやSnなどを多く含む材料よりも、バンドギャップが大きくなったと推測する。半導体材料用組成物を透過する太陽光を有効に利用できる観点から、1.7eV以上がより好ましく、1.8eV以上がさらに好ましい。また、太陽光には特に可視光域までは比較的エネルギーの小さな光子が多く含まれることを考慮すると、上記バンドギャップは5.0eV以下であることが好ましく、4.0eV以下がより好ましく、3.0eV以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における半導体材料用組成物におけるバンド間遷移は、間接遷移、又は直接遷移であることが好ましい。光励起電子と正孔再結合の際にフォノンが必要となるため、再結合速度が遅くなる観点から、間接遷移が好ましい。一方、吸光係数が高く、照射した光を利用することに有利である観点からは、直接遷移であることが好ましい。
本実施形態における半導体材料用組成物は、単一結晶相、又は複数の結晶相を有することができる。中でも、異なる複数の結晶相を有することが好ましく、二つの結晶相を有することがより好ましい。複数の結晶相を有する場合、光吸収特性を複合化し光吸収に優れる、及び/又は材料間での光励起電子と正孔の分離を促進できる観点から好ましい。本実施形態の半導体材料用組成物は、異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物であることがとりわけ好ましい。複数の結晶相を有する際は、バンド構造(電子構造)について、一つの結晶相Aの伝導帯下端のポテンシャルは他の結晶相(例えば結晶相B)の伝導帯下端のポテンシャルよりも正であり、かつその結晶相Aの価電子帯上端のポテンシャルは、他の結晶相(例えば結晶相B)の価電子帯上端のポテンシャルよりも正であることが、光励起した電子と正孔の分離を促進できる観点から好ましい。すなわち、化合物Aと化合物Bのバンド構造について、一方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルが、それぞれ、他方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルよりも正であることが好ましい。また、前記結晶相Aと他の結晶相(例えば結晶相B)の多数キャリアは異なることが好ましく、例えば、結晶相Aの多数キャリアが正孔であるとき、他の結晶相(例えば結晶相B)の多数キャリアが電子である、又はその逆であることが好ましい。より具体的には、結晶相Aがp型半導体であるとき、他の結晶相(例えば結晶相B)はn型半導体、又はその逆であることが好ましい。なお、上記において、化合物Aのバンド間遷移が間接遷移である場合、化合物Bのバンド間遷移が直接遷移であることが好ましく、また、化合物AがCs3Bi29であることがより好ましく、化合物BがBiI3であることがさらに好ましい。前記化合物Aと前記化合物Bでの光励起電荷の電荷分離を好適に進行させる、例えば太陽電池の光吸収層としたときの光電流値の向上、起電圧向上、フィルファクターの向上、太陽光変換効率の向上のためには、すなわち、前記異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物を得るためには、前記対カチオンと、前記ビスマスカチオンとのモル比(対カチオン/ビスマスカチオン)が、0.01以上1.4以下である溶液を調製し、当該溶液から溶剤を除去することにより、本実施形態の半導体材料用組成物を製造することがとりわけ好ましい。前記化合物Aと前記化合物Bとの電荷の移動に有利な接合界面を形成するために、前記溶液から溶剤を除去する工程を含む製造方法であることが重要である。
該半導体材料用組成物の形態は、粉体や薄膜などであることが好ましい。特に、積層が容易である観点から、薄膜形状であることが好ましい。薄膜の膜厚は、膜厚が厚いほど、光吸収に有利である観点から、10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、200nm以上がさらに好ましい。膜厚が厚くなると、対極までの正孔、又は電子の必要となる拡散距離が増加する観点から、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。薄膜中には、相分離した別の材料を含むことができる。前記膜厚は、相分離した別の材料を含む範囲も含んだ膜厚を示す。
(半導体材料用組成物の製造方法)
本実施形態の半導体材料用組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する原料を用い、所定の工程を経るものとすることができる。本実施形態の半導体材料用組成物の原料としては、該半導体材料用組成物を構成するカチオン元素を含む物質、及び構成するアニオン元素を含む物質が好ましい。特に、所定のカチオンとアニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、前記溶液から溶剤を除去する工程と、を含むことが好ましい。
本実施形態において、カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである半導体材料用組成物は、例えば、ビスマスカチオンを含む化合物と対カチオンを含む化合物を混合することによって得ることができる。特に、半導体材料用組成物を太陽電池の光吸収層とした際の光電流密度の増大や、太陽光変換効率の向上には、カチオンの35モル%以上95モル%以下がビスマスカチオンであり、アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである半導体材料用組成物が有利であり、このような半導体材料用組成物の調製には、ビスマスカチオンを含む化合物を所望とする化合物の化学量論量よりも過剰に配合することが好ましい。例えば、所望とする化合物がCs3Bi29である場合、上記のような過剰量の配合により、ビスマスカチオンの量を化学量論量(40モル%が化合物の形成に有利)よりも高い45モル%以上95モル%以下に調整しやすく、かつ過剰量のビスマスカチオンを含む化合物との混合物となることにより、異なる複数の結晶相を有する半導体材料用組成物としやすくなる傾向にある。さらに、前記化合物Aと前記化合物Bでの光励起電荷の電荷分離を好適に進行させる、例えば太陽電池の光吸収層としたときの光電流値の向上、起電圧向上、フィルファクターの向上、太陽光変換効率を、効果的に向上させるためには、前記対カチオンと、前記ビスマスカチオンとのモル比(対カチオン/ビスマスカチオン)が、0.01以上1.4以下である溶液を調製し、当該溶液から溶剤を除去することにより、本実施形態の半導体材料用組成物を製造することがとりわけ好ましい。
本実施形態の半導体材料用組成物の原料としては、具体的には、以下の金属や化合物を用いることが好ましい。具体的には、上記金属としては、ビスマス金属又はビスマス化合物や、第1族元素〜3族元素の金属を用いることが好ましい。より具体的には、上記金属は、ビスマス、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、スカンジウムなどが好ましく、ビスマス、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなどがより好ましい。
上記化合物について、具体的には、ハロゲン化金属、アンモニア化合物、塩基とハロゲン化水素との塩などを原料とすることが好ましく、原料の熱的安定性や、製造が比較的容易である観点から、ハロゲン化金属を用いることがより好ましい。前記ハロゲン化金属を構成するハロゲン種は、新IPACの周期表における第17族元素が好ましく、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが好ましい。イオン結合性が小さいほど、結合解離に有利である観点から、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、ヨウ素、臭素がより好ましい。
ハロゲン化金属は、ビスマスハロゲン化物、又は第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される元素のハロゲン化物、希土類元素のハロゲン化物が好ましい。第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される元素のハロゲン化物のうち、s0の電子配置となった時のイオン半径が大きくなることで、配列するビスマスカチオンの電子状態を非局在化できる観点から、第1族元素及び第2族元素からなる群より選択される元素がより好ましく、第1族元素からなる群より選択される元素がさらに好ましい。具体的には、ヨウ化ビスマス、臭化ビスマス、塩化ビスマス、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ルビジウム、臭化ルビジウム、塩化ルビジウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム、塩化セシウムなどが挙げられる。
上記塩基とハロゲン化水素との塩の具体例としては、以下に限定されないが、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、プロピルアミン・ヨウ化水素塩、プロピルアミン・臭化水素塩、プロピルアミン・塩化水素塩、ブチルアミン・ヨウ化水素塩、ブチルアミン・臭化水素塩、ブチルアミン・塩化水素塩、ペンタアミン・ヨウ化水素塩、ペンタアミン・臭化水素塩、ペンタアミン・塩化水素塩、ヘキサアミン・ヨウ化水素塩、ヘキサアミン・臭化水素塩、ヘキサアミン・塩化水素塩、アンモニア・ヨウ化水素塩、アンモニア・臭化水素塩、アンモニア・塩化水素塩、アニリン・ヨウ化水素塩、アニリン・臭化水素塩、アニリン・塩化水素塩、などが挙げられ、より具体的には、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、プロピルアミン・ヨウ化水素塩、プロピルアミン・臭化水素塩、プロピルアミン・塩化水素塩、などが挙げられる。
本実施形態の半導体材料用組成物は、溶剤を用いない方法、又は溶剤を用いる方法により製造することもできる。溶剤を用いない方法として、以下に限定されないが、例えば、蒸着法、固相法などが挙げられる。組成が均一な半導体材料用組成物を製造する観点から、本実施形態の半導体材料用組成物は、溶剤を用いる方法、すなわち、前記原料を溶剤に溶解させた溶液から、溶剤を除去することで結晶化させる方法で半導体材料用組成物を製造することが好ましい。すなわち、本実施形態における半導体材料用組成物の製造方法は、カチオンとアニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、当該溶液から溶剤を除去する工程と、を含むことが好ましい。上記溶剤としては、原料となるビスマスハロゲン化物の溶解に有利である観点から、非プロトン性有機溶剤が好ましい。具体的には、ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記す。)、ジメチルスルホキシド(以降、DMSOと記す。)、γブチロラクトンなどが好ましく、ハロゲン化ビスマスの溶解に優れる観点から、DMF、DMSOがより好ましい。過剰な溶媒の除去や、核生成を促進する観点から、貧溶媒を用いて結晶生成をすることが好ましい。貧溶媒は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、トルエンなどが挙げられる。また、半導体材料用組成物中の結晶について、結晶成長を促進させる観点から、圧力をかけながら、加熱する(ホットプレス)処理を施すことが好ましい。前記ホットプレスの圧力は、特に限定されないが、例えば、0.001MPa以上100MPa以下とすることができ、結晶成長の促進に有利である観点から、0.01MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましく、基材の耐圧性の条件を緩和できる観点から、50MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましい。
該半導体材料用組成物を製造するための原料の固定化方法としては、以下に限定されないが、原料溶液を用いた、スピンコート法、スプレー法、液相反応法などが挙げられる。原料溶液の引火などの危険性が少ない、及び/又は調製方法の調整が容易である観点から、スピンコート法が好ましい。
該半導体材料用組成物を製造する雰囲気は、大気中や不活性雰囲気中で調製できるが、より簡便に調製できる観点から、大気中で調製することが好ましい。また、該半導体材料用組成物を光吸収層とする太陽電池の光起電圧を大きくする観点、積層する正孔輸送材の緻密な製膜に有利となる観点から、窒素中で製造すること、特に窒素中で加熱処理を施すことが好ましい。すなわち、本実施形態に係る半導体材料用組成物の製造方法は、溶液を、不活性雰囲気下、70℃以上200℃以下で加熱する工程をさらに含むことがより好ましい。
(用途)
本実施形態の半導体材料用組成物は、半導体材料として利用することができる。本実施形態における半導体材料とは、価電子帯上端と伝導帯下端とのエネルギー差を有する材料などが挙げられる。
該半導体材料用組成物は、他の用途に用いることもできる。具体的には、電子又は正孔又はイオンを伝導する材料や、光吸収による光励起キャリアの生成を利用する材料などであり、より具体的には、太陽電池材料用、光センサー用、光触媒用、イオン伝導材料、導電性材料、圧電素子、パワーデバイスなどである。本実施形態でのイオンとは、該材料を構成するカチオン又はアニオンのことを指す。太陽光に含まれる光子のエネルギーを利用できる観点から、本実施形態の半導体材料用組成物を太陽電池の光吸収層用とすることが好ましい。また、特定波長の光を利用できる観点から、本実施形態の半導体材料用組成物を光センサーとして使用することが好ましい。なお、前記特定波長の光とは、X線、紫外線、可視光などが挙げられる。
(構成)
本実施形態における半導体材料用組成物は、キャリア移動の異方性に優れる観点から、電子輸送材と接触していることが好ましい。ここでいう電子輸送材とは、電子の有効質量の方が、正孔のものよりも小さい半導体などであり、電子の輸送に有利な材料などである。該半導体材料用組成物が薄膜のとき、接触面積を大きくすることで電子の移動に有利となる観点から、接触している電子輸送材も薄膜であることが好ましい。電子輸送材には、有機物や無機物を含む態様が挙げられるが、強度が高いことで、該半導体材料用組成物と合わせた強度が高くなる観点から、電子輸送材は無機物を含むことが好ましく、物性の調整が比較的容易である観点から、金属化合物であることがより好ましい。大気中で比較的容易に製造、及び保存できる観点から、電子輸送材は金属酸化物であることが、さらに好ましい。金属酸化物の具体例としては、以下に限定されないが、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどを挙げることができ、電子の有効質量が小さい観点から、酸化チタン及び酸化ニオブが好ましく、材料が豊富で安価である観点から、酸化チタンがとりわけ好ましい。電子輸送材のピンホールなどの欠陥を少なくする観点から、電子輸送材に、前駆体材料を吸着、反応させる処理を施すことが好ましい。具体的には、塩化チタン種を電子輸送材に吸着後、加水分解させ酸化チタンを結着させる処理(以降、TiCl4処理と記す。)を施すことが好ましい。
本実施形態における半導体材料用組成物は、キャリア移動の異方性を有することができる観点から、正孔輸送材と接触していることが好ましい。ここでいう正孔輸送材とは、正孔の有効質量の方が電子のものよりも小さい半導体などであり、正孔の輸送に有利な材料などである。該半導体材料用組成物が薄膜のとき、接触面積を大きくすることで電子の移動に有利となる観点から、接触している正孔輸送材も薄膜であることが好ましい。正孔輸送材は、有機物や無機物を含むことが挙げられるが、材料が柔らかいことで、曲りによる膜の欠陥を形成しにくくなる観点から、正孔輸送材は有機物を含むことが好ましく、有機物の具体例としては、有機分子の集合体や、有機高分子が挙げられる。より具体的には、Spiro−OMeTAD、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(:P3HT)、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン](:PTAA)、N,N−ビス(3−メチルフェニル)―N,N−ジフェニルベンジジン(:TPD)、N,N−ジ[(1−ナフチル)―N,N−ジフェニル]−1,1−ビフェニル)−4,4−ジアミン(:NPD)、トリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミン(:TCTA)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(:PVK)、4,4−ビス(N−カルバゾリル)−1,1−ビフェニル(:CBP)などが挙げられ、HOMOの準位が比較的深く、p型材料とオーミックコンタクトを形成することに有利であることや、キャリア密度を高くでき、正孔の輸送に有利とできることや、起電圧を大きくできる観点から、Spiro−OMeTAD、TPD、PVKが好ましい。前記正孔輸送材料にはLiTFSIや酸化材を混合するなどして、ドープ処理を施したものが、導電性に優れる観点から好ましい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における物性、反応条件、及び生成物の同定は、以下に示す方法により、測定及び設定した。
(含カチオン量と含アニオン量)
薄膜に含まれるSnカチオン量、ビスマスカチオン量、その他の対カチオン量、ハロゲンアニオン量は、調製した薄膜をSEM−EDX(SEM:SU−70,日立製作所社製、EDX:EMAX X−max,堀場製作所社製)により評価することによって求めた。
(各化合物の同定)
異なる2つの結晶相を構成する化合物A及びBについては、XRD(D8 ADVANCE、ブルカー社製)により、X線出力が40kV、40mAの下、得られたX線回折パターンから、半導体材料用組成物に含まれる化合物として同定した。
(バンドギャップ)
バンドギャップは、調製した各材料の薄膜に対して下記のように測定された吸光度を縦軸とし、横軸を波長としたグラフのベースラインと減衰曲線の接線の交点をこの材料の吸収端とし、この吸収端の波長から、下記の式からバンドギャップエネルギーを算出した。
(バンドギャップエネルギー)=1240/(吸収端の波長)
なお、各材料の薄膜の吸光度は、スペクトロフォトメーター U4100(日立製作所社製)を用いて、スキャン速度300nm/分で測定を行った。
(価電子帯上端のポテンシャル)
価電子帯上端のポテンシャルは、大気圧光電子分光測定装置(AC−3、日本分光社製)を用い、Cs3Bi29、及びBiI3の単一相を石英板に堆積したサンプルを、それぞれ測定することで求めた。
(伝導帯下端のポテンシャル)
伝導帯下端のポテンシャルは、それぞれの材料の前記価電子帯上端のポテンシャルと、前記バンドギャップのエネルギーとの和から算出した。
(バンド間遷移)
バンド間遷移は、Cs3Bi29(ISCD No.:1448)とBiI3(ISCD No.:20676)、(CH3NH33Bi29(ISCD No.:109710)の結晶構造を用い、Material StudioのCASTEPにて算出した電子構造計算結果から求めた。
(太陽電池特性評価)
作製したセルの太陽電池特性評価は、下記の装置、及び評価方法により評価した。
[装置]
(疑似太陽光)
疑似太陽光は、ソーラーシミュレーター(MP−160、英弘精機社製)を用い、フォトダイオードで照射量を100mW/cm-2に調整して用いた。照射セルへの照射面積は、いずれのセルでも、0.02cm-2であった。
(直流電源)
セルに電圧印加、光電流値の評価、印加電圧の掃引操作は、ソースメーター(6242、ADCMT社製)を用いて行った。
[評価方法]
(短絡電流密度)
短絡電流は、作製したセルに電圧を印加せずに、前記疑似太陽光を照射した際に流れた光電流密度から求めた。
(開放電圧)
開放電圧は、前記疑似太陽光を照射した際に、電流値が0となるセルへの印加電圧から求めた。
(フィルファクター)
フィルファクター(以降、「F.F.」とも表記する。)は、前記疑似太陽光を照射しながら、印加電圧を掃引した際に、電力が最大となる値(実電力最大値)を、短絡電流密度と開放電圧を積算した値で除算した、以下の式から求めた。
(F.F.)= (実電力最大値)/((短絡電流密度)×(開放電圧))
(太陽光エネルギー変換効率)
太陽光エネルギー変換効率(以降、変換効率とも表記する。)は、以下の式から求めた。
(変換効率)=(実電力最大値(mW cm-2))/100mW cm-2
(光センサー機能)
光センサー機能は、作製したセルに疑似太陽光(100mW cm-2)を照射した際に、光起電力を生じた際には○を、光起電力を生じなかった際には×と示した。
下記に示すとおり、実施例1〜6及び比較例1に係る組成物を調製し、その物性の評価を行った。
<実施例1>
溶剤としてDMSOを用い、これに1.5Mのヨウ化セシウムと1.0Mヨウ化ビスマスとなるように溶解させた(溶液1)。
FTO(フッ素ドープ酸化スズ)を堆積したガラスのFTO面上に、電子輸送材として50nmのTiO2の緻密層、さらにその上に粒子径30nmのTiO2粒子が堆積し、TiCl4処理を施した膜厚800nmの多孔質膜層が堆積された基板(TiO2/FTOガラス)に、大気中で溶液1を滴下し、4000rpmで20秒間スピンコート(スロープ時間:5秒)、スピンコート開始20秒後に0.5mLのトルエンを滴下し、100℃で30分加熱した。この薄膜上に真空蒸着により金を100nm堆積することで電極とし、大気中5分間静置後、FTOガラス側から疑似太陽光を照射することで太陽電池特性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1のスピンコート及びその後の薄膜の加熱雰囲気を窒素中とし、加熱温度を150℃とした以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1の溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、1.0Mヨウ化ビスマスとなるように溶解させた溶液2を用いた以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
溶液1の代わりに、DMSOに1.0Mのヨウ化セシウムと1.0Mヨウ化ビスマスを溶解させた溶液(溶液3)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製、評価した。ヨウ化ビスマスがCs3Bi29の化学量論よりも過剰量であるため、Cs3Bi29とヨウ化ビスマスの混合物(それぞれ化合物A、化合物Bとして表1に示す。)となった。結果を表1に示す。
<実施例5>
溶液1の代わりに、DMSOに0.5Mのヨウ化セシウムと1.0Mのヨウ化ビスマスを溶解させた溶液(溶液4)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製、評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
溶液1の代わりに、DMSOに1.5Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と1.0Mヨウ化ビスマスを溶解させた溶液(溶液5)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製、評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
溶液1の代わりに、DMSOに1.0Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と1.0Mのヨウ化錫(II)を溶解させた溶液(溶液6)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製、評価した。このセルは光起電力を示さなかった。結果を表1に示す。
実施例1〜6からわかるように、調製したいずれのセルでも光起電力が観測され、本実施形態の所定の要件を満たす半導体材料用組成物が、半導体材料として機能することが示された。すなわち、本実施形態の半導体材料用組成物が、光センサー機能や太陽電池材料としての機能を有することが示された。
実施例1〜6と比較例1の比較から、組成物を構成するカチオンのうち、Biカチオンが0モル%、かつSnカチオンが50モル%である比較例1では、光起電力を示さなかったことから、本実施形態の所定の組成とすることが、大気中での取扱い性に優れた半導体材料用組成物として重要であることが示された。
実施例1は、大気中での製造とすることで、比較的簡便に調製することができた。また、実施例1と実施例2の比較から、半導体材料用組成物の製造の雰囲気を窒素などの不活性雰囲気とすることで、太陽電池の光吸収層として、短絡電流密度、開放電圧が向上し、太陽光変換効率を向上できることが示された。
実施例1と実施例3を比較すると、半導体材料用組成物に対カチオンを含むことで、太陽電池の光吸収層として、開放電圧及びフィルファクターの向上でき、優れた半導体特性となることが示された。
実施例1と実施例3を比較すると、半導体材料用組成物に対カチオンを含むことで、太陽電池の光吸収層として、開放電圧及びフィルファクターが向上し、優れた半導体特性となることが示された。
実施例1,3と、実施例4,5を比較すると、半導体材料用組成物の含ビスマスカチオン量を45モル%以上95モル%以下とすることで、短絡電流密度、開放電圧及びフィルファクターの少なくともいずれかが向上することで、太陽光変換効率が向上し、優れた半導体特性が得られることが示された。
<実施例7>
実施例1の溶液1の代わりに、DMSOに1.5Mのヨウ化セシウム、0.95Mヨウ化ビスマス、0.05Mヨウ化ランタンを溶解させた溶液(溶液7)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製、評価した。結果を表2に示す。
<実施例8>
実施例2のスピンコート、加熱後の薄膜上に、40g/Lの濃度のTPD(N,N−ビス(3−メチルフェニル)―N,N−ジフェニルベンジジン)を溶解させたトルエン溶液を4000rpmで30秒間スピンコート後、窒素中70℃で30分加熱した以外は、実施例2と同様に電極を作製、評価した。結果を表2に示す。
<実施例9>
実施例2のスピンコート、加熱後の薄膜上に、8g/Lの濃度のPVK(トリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミン(:TCTA)、ポリ(9−ビニルカルバゾール))を溶解させたトルエン溶液を4000rpmで30秒間スピンコート後、窒素中70℃で30分加熱した以外は、実施例2と同様に電極を作製、評価した。結果を表2に示す。
実施例1と実施例7とを比較すると、半導体材料用組成物を太陽電池の光吸収層とした際に、実施例1に対し、実施例7は開放電圧が向上した。この結果から、希土類元素カチオンを所定量含むことで、半導体特性が向上することが示された。
実施例2と実施例8,9とを比較すると、正孔輸送材料を半導体材料用組成物に積層した光吸収層を含む太陽電池セルの開放電圧が向上した。この結果から、正孔輸送材、特に、TPDやPVKなどの所定の正孔輸送材料を、半導体材料用組成物に接触させることで、高効率に光励起による電荷を利用できることが示された。

Claims (45)

  1. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、分子カチオンであり、
    前記分子カチオンが、アンモニウム基を含む、半導体材料用組成物。
  2. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    前記カチオンに希土類元素カチオンを含む、半導体材料用組成物。
  3. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物である、半導体材料用組成物。
  4. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    太陽電池材料用である、半導体材料用組成物。
  5. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    太陽電池の光吸収層用である、半導体材料用組成物。
  6. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    光センサー用である、半導体材料用組成物。
  7. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    電子輸送材と接触している、半導体材料用組成物。
  8. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    正孔輸送材と接触している、半導体材料用組成物。
  9. 前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、単一元素カチオンである、請求項2〜8のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  10. 前記単一元素カチオンが、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される元素のカチオンを含む、請求項に記載の半導体材料用組成物。
  11. 前記単一元素カチオンがCs、Rb、K及びNaからなる群より選択されるいずれかの元素のカチオンである、請求項9又は10に記載の半導体材料用組成物。
  12. 前記ビスマスカチオンの対カチオンの15モル%以上100モル%以下が、分子カチオンである、請求項2〜8のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  13. 前記分子カチオンが、アンモニウム基を含む、請求項12に記載の半導体材料用組成物。
  14. 前記アニオンの55モル%以上が第17族元素のアニオンである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  15. 前記第17族元素がCl、Br及びIからなる群より選択されるいずれか1つである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  16. 前記カチオンの35モル%以上95モル%以下が前記ビスマスカチオンである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  17. 前記カチオンに希土類元素カチオンを含む、請求項1,3〜16のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  18. 前記カチオンの0.001モル%以上50モル%以下が希土類元素カチオンである、請求項2又は17に記載の半導体材料用組成物。
  19. 前記ビスマスカチオンに対する前記希土類元素カチオンのモル比率が、希土類元素カチオン/ビスマスカチオンとして、0.01以上50以下である、請求項2,17〜18のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  20. 前記希土類元素カチオンが第6周期以降の元素のカチオンである、請求項2,17〜19のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  21. 前記希土類元素カチオンの価数が3である、請求項2,17〜20のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  22. 前記希土類元素カチオンがLa3+である、請求項2,17〜21のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  23. 前記半導体材料用組成物が、異なる複数の結晶相を有する、請求項1〜2,4〜8のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  24. 前記半導体材料用組成物が、異なる2つの結晶相である化合物Aと化合物Bの混合物である、請求項1〜2,4〜8のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  25. 前記化合物Aのバンド間遷移が間接遷移である、請求項3又は24に記載の半導体材料用組成物。
  26. 前記化合物AがCs3Bi29である、請求項3,24,25のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  27. 前記化合物Bのバンド間遷移が直接遷移である、請求項3,24〜26のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  28. 前記化合物BがBiI3である、請求項3,24〜27のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  29. 前記化合物Aと前記化合物Bのバンド構造について、一方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルが、それぞれ、他方の伝導帯下端及び価電子帯上端のポテンシャルよりも正である、請求項3,24〜28のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  30. 薄膜形状である、請求項1〜29のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  31. 太陽電池材料用である、請求項1〜3,5〜30のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  32. 太陽電池の光吸収層用である、請求項1〜4,6〜30のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  33. 光センサー用である、請求項1〜5,7〜30のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  34. 電子輸送材と接触している、請求項1〜6,8〜30のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  35. 前記電子輸送材が無機物を含む、請求項7又は34に記載の半導体材料用組成物。
  36. 前記電子輸送材が金属酸化物である、請求項7,34,35のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  37. 正孔輸送材と接触している、請求項1〜7,9〜30のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物。
  38. 前記正孔輸送材が有機物を含む、請求項8又は37に記載の半導体材料用組成物。
  39. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物を製造する方法であって、
    前記カチオンと前記アニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、
    前記溶液から溶剤を除去する工程と、
    を含む、半導体材料用組成物の製造方法。
  40. 前記溶液が、前記ビスマスカチオンの対カチオンを含み、
    前記溶液に含まれる、前記対カチオンと、前記ビスマスカチオンとのモル比(対カチオン/ビスマスカチオン)が、0.01以上1.4以下である、請求項39に記載の半導体材料用組成物の製造方法。
  41. 前記溶液を、不活性雰囲気下、70℃以上200℃以下で加熱する工程をさらに含む、請求項39又は40に記載の半導体材料用組成物の製造方法。
  42. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の半導体材料用組成物の半導体材料としての使用。
  43. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
    太陽電池材料としての使用。
  44. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
    太陽電池の光吸収層としての使用。
  45. カチオンとアニオンとを含み、
    前記カチオンの30モル%以上100モル%以下がビスマスカチオンであり、
    前記アニオンの30モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、半導体材料用組成物の、
    光センサーとしての使用。
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