JP2018027769A - 伝動システム、および、回転電機 - Google Patents

伝動システム、および、回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】 回転電機が出力する回転トルクを内燃機関の駆動軸に確実に伝達することが可能な伝動システムを提供する。
【解決手段】 伝動システム1は、回転軸211、回転軸211と一体に回転可能に設けられる回転電機プーリ22および回転電機用ECU28を有しエンジン11のクランクシャフト111の回転をアシスト可能な回転電機21、クランクシャフト111と一体に回転可能な駆動軸プーリ23、回転電機プーリ22および駆動軸プーリ23に掛け回されているベルト26、ならびに、ベルト26の張力を調整可能なオートテンショナ27を備える。回転電機21は、クランクシャフト111の回転をアシストするとき、所定の条件においてエンジン11の回転をアシスト可能な通常時トルクTordに比べ小さい休止時トルクTlowを出力する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ベルトを介して回転電機が出力する回転トルクを駆動軸に伝達可能な伝動システム、および、当該伝動システムに適用される回転電機に関する。
従来、エンジンの駆動力を利用して発電可能であるともに当該エンジンの駆動軸に回転トルクを付与可能な回転電機、および、回転電機と駆動軸とを連結する無端伝動部材としてのベルトを備える伝動システムが知られている。伝動システムには、エンジンの駆動を開始するときスタータによってエンジンの駆動を開始した後ベルトを介して回転電機が出力する回転トルクによって駆動軸の回転数を維持することができるものがある。これにより、エンジンを駆動開始するときのスタータの駆動時間を短くすることによってスタータと駆動軸とを連結するギアにおける噛み合い音を低減し、エンジンの駆動を開始するときの静粛性を向上することができる。
しかしながら、伝動システムにおいてベルトを介して駆動軸を回転するとき、エンジンの駆動力を利用して回転電機において発電するときとは異なる箇所のベルトの張力が低下するため、張力不足に起因するベルトの滑りが発生し、滑り音が発生したりエンジンを確実に駆動開始することができなかったりするおそれがある。例えば、特許文献1には、エンジン停止前の発電時またはエンジンの駆動を開始するときにエンジンを駆動するときの回転方向とは反対の方向に回転可能な回転電機、および、ベルトに当接可能なテンショナプーリを有しエンジンの駆動を開始するときにベルトの張力を比較的長い間維持可能なオートテンショナを備える伝動システムが記載されている。
特開2003−314322号公報
しかしながら、特許文献1に記載の伝動システムでは、エンジン停止前の発電時に回転電機が逆回転する場合、テンショナプーリは、エンジンの停止中にベルトが張力を維持し続けることができるようベルトに対して押し込まれた状態が維持される。特許文献1に記載の伝動システムが備えるオートテンショナでは、コイルに通電することによってテンショナプーリを所定の位置に固定するため、エンジンが停止している間はコイルに通電し続ける必要があり、消費電力が大きくなる。また、エンジンの駆動を開始するときに回転電機を逆回転する場合、エンジンの駆動開始の指令が出されてから実際にエンジンが駆動開始するまでの時間が長くなる。
また、クランクシャフトの回転をアシスト可能な伝動システムでは、エンジンが駆動しているときに回転電機がエンジンの回転をアシストするよう力行動作する場合、エンジンのクランクシャフトの回転方向と同じ方向に回転電機の回転軸を回転することによってベルトの回転トルクを作用させる。すなわち、ベルトには、クランクシャフトの回転トルクと回転軸の回転トルクとが作用することとなる。しかしながら、クランクシャフトの回転トルクは、エンジンの燃焼サイクルにおける行程によって変化するため、クランクシャフトの回転トルクと回転軸の回転トルクとの大小関係によっては回転軸の回転トルクがクランクシャフトに確実に伝わらないおそれがある。
本発明は、回転電機が出力する回転トルクを内燃機関の駆動軸に確実に伝達することが可能な伝動システムを提供することにある。
本発明は、伝動システム(1,3,6,7)であって、回転電機(21,31,41)、駆動軸プーリ(23)、無端伝動部材(26)、および、オートテンショナ(27,37)を備える。
回転電機は、内燃機関(11)の駆動軸(111)を回転可能な回転トルクを出力可能なトルク出力部(210)、トルク出力部に連結する回転軸(211)、回転軸と一体に回転可能に設けられる回転電機プーリ(22)、および、トルク出力部の駆動を制御可能な制御部(28,38,48)を有する。
駆動軸プーリは、駆動軸と一体に回転可能に設けられる。
無端伝動部材は、回転電機プーリおよび駆動軸プーリに掛け回され、回転軸と駆動軸との間において回転トルクを伝達可能である。
オートテンショナは、無端伝動部材に当接可能に設けられ無端伝動部材の張力を調整可能である。
本発明の伝動システムでは、回転電機は、駆動軸の回転をアシストするとき、所定の条件において駆動軸の回転をアシスト可能な第一回転トルク(Tord,Thigh)に比べ小さい第二回転トルク(Tlow)を出力する。
また、本発明は、駆動軸に回転トルクを伝達可能な伝動システムに適用される回転電機であって、トルク出力部(210)、回転軸(211)、回転電機プーリ(22)、および、制御部(28,38,48)を備える。
トルク出力部は、駆動軸を回転可能な回転トルクを出力可能である。
回転軸は、トルク出力部に連結する。
回転電機プーリは、回転軸と一体に回転可能に設けられる。
制御部は、トルク出力部の駆動を制御可能である。
本発明の回転電機は、駆動軸の回転をアシストするとき、所定の条件において駆動軸の回転をアシスト可能な第一回転トルク(Tord,Thigh)に比べ小さい第二回転トルク(Tlow)を出力する。
本発明の伝動システムでは、回転電機は、駆動軸の回転をアシストするとき出力する回転トルクを、駆動軸の回転をアシスト可能な第一回転トルク、または、当該第一回転トルクに比べ小さい第二回転トルクに内燃機関の状態にあわせて切り替える。例えば、駆動軸の回転トルクと回転軸の回転トルクとの大小関係によって無端伝動部材に張りがなくなり回転電機が出力する回転トルクが駆動軸に伝達されない場合、回転電機の回転トルクを第一回転トルクから第二回転トルクに切り替える。これにより、オートテンショナによって無端伝動部材の張りを維持することができる。したがって、回転電機が出力する回転トルクを駆動軸に確実に伝達することができる。
また、本発明の回転電機は、制御部が内燃機関の状態にあわせてトルク出力部の駆動を制御する。これにより、オートテンショナによって無端伝動部材の張りを維持することができるため、本発明の回転電機が適用される伝動システムでは、回転電機が出力する回転トルクを駆動軸に確実に伝達することができる。
また、本発明の伝動システムでは、回転電機が出力する回転トルクの大きさを制御することによって、外部のエネルギを利用することなく無端伝動部材の張りを維持することができる。これにより、電磁駆動のオートテンショナに比べ、エネルギの消費を少なくすることができる。
また、本発明の伝動システムでは、例えば、アイドルストップ状態から内燃機関の駆動を開始するとき回転電機を力行作動とは反対の方向に回転することなく無端伝動部材の張りを維持することができる。これにより、エンジンの駆動を開始するとき、エンジンの駆動開始の指令が出されてから実際にエンジンが駆動開始するまでの時間を短くすることができる。
第一実施形態による伝動システムの模式図である。 第一実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステムの模式図である。 第一実施形態のエンジンシステムにおけるエンジンの駆動開始のメインプロセスのフローチャートである。 第一実施形態のエンジンシステムにおけるエンジンの駆動開始のサブプロセスのフローチャートである。 第一実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第一実施形態による伝動システムの作用を説明する模式図である。 第二実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第三実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第四実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第五実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第六実施形態による伝動システムの模式図である。 第六実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第七実施形態のエンジンシステムの模式図である。 第七実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第八実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第九実施形態のエンジンシステムの特性図である。 第十実施形態による伝動システムが備えるオートテンショナの特性を説明する特性図である。
以下、複数の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
第一実施形態による伝動システムおよび回転電機を図1〜6に基づいて説明する。第一実施形態による伝動システム1は、図2に示すエンジンシステム10に適用される。エンジンシステム10は、「内燃機関」としてのエンジン11、トランスミッション12、スタータ13、および、伝動システム1を備える。
エンジン11は、例えば、ガソリンを燃料とする内燃機関である。エンジン11は、燃焼室110におけるガソリンの燃焼による図示しないピストンの上下移動を「駆動軸」としてのクランクシャフト111の回転運動として出力する。クランクシャフト111が出力する回転トルクは、トランスミッション12において回転数や回転方向が変換され、図示しない車輪に出力される。
スタータ13は、ギア131を介してクランクシャフト111に連結している。スタータ13は、伝動システム1と電気的に接続されている。スタータ13は、エンジン11が駆動可能な回転トルクをクランクシャフト111に出力可能である。
伝動システム1は、クランクシャフト111に連結可能な位置に設けられる。第一実施形態では、エンジン11を挟んでスタータ13のギア131とは反対側に設けられる。伝動システム1は、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、「無端伝動部材」としてのベルト26、オートテンショナ27、エンジン電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)29、および,「機関回転数検出部」としてのクランク角センサ291を備える。
回転電機21は、例えば、ISG(Integrated Starter Generator)であって、トルク出力部210、回転軸211、回転電機プーリ22、及び、「制御部」としての回転電機用電子制御ユニット(以下、「回転電機用ECU」という)28を有する。第一実施形態では、回転電機21は、スタータ13によってエンジン11の駆動が開始されたのちエンジン11の回転数を維持可能な回転トルクを出力可能となっている。
トルク出力部210は、電力が供給されることによって回転軸211を回転駆動(力行作動)し、回転軸211に回転トルクが入力されることによって発電(回生作動)する複数の機能を統合したモータジェネレータである。トルク出力部210は、回転電機用ECU28と電気的に接続するとともに、図示しないバッテリと電気的に接続している。
回転電機プーリ22は、円板状に形成され、中心部が回転軸211に接続されるよう設けられている。回転電機プーリ22は、回転軸211と一体に回転可能である。
回転電機用ECU28は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。回転電機用ECU28は、後述するエンジンECU29およびトルク出力部210と電気的に接続している。回転電機用ECU28は、エンジンECU29からの信号からの信号に基づき、ROMに記憶されたプログラムに従い処理を行い、トルク出力部210の駆動を制御する。
駆動軸プーリ23は、円板状に形成され、中心部がクランクシャフト111に接続されるよう設けられている。駆動軸プーリ23は、クランクシャフト111と一体に回転可能である。
補機プーリ24は、円板状に形成され、例えば、ウォーターポンプ240の回転軸241と一体に回転可能に設けられる。
補機プーリ25は、円板状に形成され、例えば、空調用コンプレッサ250の回転軸251と一体に回転可能に設けられる。
ベルト26は、例えば、ゴムおよびワイヤーなどによって端部を有しない環状に形成されている部材である。ベルト26は、外力が作用すると弾性変形し伸縮する。ベルト26は、駆動軸プーリ23、回転電機プーリ22、および、補機プーリ24、25に掛け回されるようにして設けられている。これにより、例えば、クランクシャフト111とともに駆動軸プーリ23が回転すると、当該回転が補機プーリ24、25、および、回転電機プーリ22に伝達される。また、回転軸211とともに回転電機プーリ22が回転すると、当該回転が補機プーリ24、25、および、駆動軸プーリ23に伝達される。
このように、ベルト26は、クランクシャフト111と回転軸211、241、251との間において回転トルクを伝達可能に形成されている。
第一実施形態では、エンジン11の通常運転時、クランクシャフト111の回転方向、すなわち、駆動軸プーリ23の回転方向は、図1において時計回り方向である。これにより、エンジン11の通常運転時、ベルト26および各プーリも時計回り方向に回転する。なお、第一実施形態では、時計回り方向の回転を「正回転」とし、反時計回り方向の回転を「逆回転」とする。
伝動システム1では、ベルト26が正回転しているときベルト26を介してクランクシャフト111の回転トルクが伝達される回転電機21は、ジェネレータとして発電を行う。このとき、クランクシャフト111の回転トルクは、ベルト26を介して回転軸241、251にも伝達され、ウォーターポンプ240および空調用コンプレッサ250が駆動する。
また、回転電機21は、エンジンECU29の指令に基づいて正回転し、クランクシャフト111の回転をアシストするアシストモータとして回転駆動を行うことも可能である。
オートテンショナ27は、テンショナプーリ271、アーム272、および、テンショナ本体部273を有する。
テンショナプーリ271は、円板状に形成され、アーム272の一端に回転可能に支持されている。テンショナプーリ271は、ベルト26が正回転するとき駆動軸プーリ23から回転電機プーリ22に送られるベルト26に当接可能に設けられている。ここで、テンショナプーリ271が当接している部位を含む駆動軸プーリ23から回転電機プーリ22に送られるベルト26の部位を第一の部位261とする。また、ベルト26が正回転するとき回転電機プーリ22から駆動軸プーリ23に送られるベルト26の部位を第二の部位262とする。
アーム272は、略L字状に形成され、軸部275、276を有している。軸部275は、例えば、エンジン11近傍の車体壁面に固定され、アーム272の略中央を軸受けする。これにより、アーム272は、軸部275を中心にエンジン11に対し相対回転可能である。軸部276は、アーム272のテンショナプーリ271が設けられている一方の端部に設けられ、テンショナプーリ271の中心を回転可能に支持している。これにより、テンショナプーリ271は、ベルト26に当接しつつ回転可能であり、かつ、軸部275を中心にエンジン11に対し相対移動可能である。
テンショナ本体部273は、例えば、エンジン11近傍の車体壁面に固定されている。テンショナ本体部273には、軸方向に移動可能な突出部277、および、付勢部278が設けられている。
突出部277は、一方の端部が付勢部278によってテンショナ本体部273から突出するよう形成されている。突出部277の当該一方の端部には、アーム272の他方の端部を回転可能に支持している。
付勢部278は、突出部277の他方の端部を支持している。付勢部278は、突出部277の一方の端部をテンショナ本体部273から突出するよう突出部277を付勢している。これにより、テンショナプーリ271がベルト26に当接する。
オートテンショナ27では、付勢部278が軸方向に伸縮すると、アーム272が軸部275を中心に回転し、テンショナプーリ271のエンジン11に対する相対位置が変化する。これにより、駆動軸プーリ23と回転電機プーリ22との間のベルト26の張力が変化する。
付勢部278が伸長する方向である伸長方向に突出部277を付勢するとテンショナプーリ271は、図1に示す実線矢印Fa27の方向に移動し、ベルト26の張力は増すこととなる。また、付勢部278が収縮する方向である収縮方向に突出部277を付勢するとテンショナプーリ271は、図1に示す実線矢印Fb27の方向に移動し、ベルト26の張力は減ることとなる。
エンジンECU29は、スタータ13、回転電機用ECU28、および、クランク角センサ291と電気的に接続している。エンジンECU29は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。エンジンECU29は、車両の各部に設けられた各種センサからの信号などに基づき、ROMに記憶されたプログラムに従い処理を行い、エンジン11を統合的に制御する。例えば、エンジンECU29は、車両の運転者による図示しないイグニッションスイッチでのエンジン11の駆動開始操作やアイドルストップ状態の解除操作などに基づいて、車両の状態に応じてスタータ13の駆動を制御する。また、エンジンECU29は、クランク角センサ291が出力する信号に基づく情報を回転電機用ECU28に送信する。
クランク角センサ291は、クランクシャフト111の近傍に設けられている。クランク角センサ291は、クランクシャフト111の回転角を検出し、当該検出した回転角に応じた「回転信号」としての機関回転数信号をエンジンECU29に出力する。
次に、第一実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスを図3〜5に基づいて説明する。エンジンシステム10では、例えば、アイドルストップ状態からのエンジン11の再駆動において、スタータ13と回転電機21とを連携しエンジン11の駆動を開始する。図3,4には、スタータ13によってエンジン11の駆動が開始された後に回転電機21によってエンジン11を駆動するときのプロセスのフローチャートを示す。このときのエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図5に示す。
図5(a)には、クランク角の時間変化を示す。
図5(b)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。
図5(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図5(c)には、ベルト26と回転電機プーリ22および駆動軸プーリ23との間における滑りの限界を示す滑り限界mTbを示す。ここで滑り限界mTbとは、回転電機プーリ22または駆動軸プーリ23に対してベルト26が滑り始めるときのベルト26の張力である。すなわち、ベルト26を介した回転電機プーリ22と駆動軸プーリ23との間での回転トルクの伝達において、ベルト26の張力が滑り限界mTb以下になると、回転電機プーリ22と駆動軸プーリ23との間での回転トルクの伝達が確実に行われなくなることを示す。
図5(d)には、エンジン11のエンジン回転数の時間変化を示す。
図5(e)には、クランクシャフト111の出力トルク(以下、「クランク出力トルク」という)の時間変化を示す。図5(e)では、ある時刻におけるクランク出力トルクがクランク出力トルクの基準値Tcsに比べ大きいとき当該時刻におけるクランク出力トルクをプラス(図5(e)に示す「+」側)で示し、クランク出力トルクが基準値Tcsに比べ小さいときクランク出力トルクをマイナス(図5(e)に示す「−」側)で示す。
第一実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、最初に、エンジンECU29において車両の運転者によるイグニッションスイッチでのエンジン11の駆動開始操作やアイドルストップ状態の解除操作を受け、スタータ13を駆動し、エンジン11の駆動を開始する。
スタータ13によってクランクシャフト111が回転している状態で、ステップ(以下、単に「S」という)101において、回転電機21の力行開始条件が成立しているか否かを判定する。エンジンECU29には、回転電機21の力行開始条件として、例えば、スタータ13によるエンジン11の駆動が開始した後エンジン11のピストンが一回目の圧縮行程におけるTDCを通過していることが事前に設定されている。そこで、S101では、エンジンECU29は、クランク角センサ291が出力する機関回転数信号に基づいてエンジン11のピストンが駆動開始から一回目の圧縮行程におけるTDCを通過しているか否かを判定する。回転電機21の力行開始条件が成立すると判定すると、S102に進む。回転電機21の力行開始条件が成立していないと判定すると、S101の判定を繰り返す。
次に、S102において、回転電機21の力行作動を開始する(図5の時刻t101)。これにより、回転電機21は、正回転を開始する。
次に、S103において、回転電機21の力行作動の回転トルクを演算する。ここで、S103における回転トルクの演算プロセスを図4に基づいて説明する。
図4に示すS131において、回転電機21による回転トルクの出力を休止とする「所定の条件」としてのトルク出力休止条件を設定する。図5に示すように、エンジン11のピストンが、吸気行程におけるTDCに位置するときのクランク角を0degCAとし、排気行程におけるTDCに位置するときのクランク角を360degCAとする。第一実施形態では、このクランク角が0degCAから30degCAまでの間、および、180degCAから210degCAまでの間において、回転電機21の回転トルクの出力を休止するトルク出力休止条件として設定する。クランク角が0degCAから30degCAまでの間、および、180degCAから210degCAまでの間の角度は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸の回転数に基づいて設定される条件」に相当する。
次に、S132において、トルク出力休止条件が成立しているか否かを判定する。S132では、S131において設定された回転電機21の回転トルクの出力を休止する条件、および、エンジンECU29が回転電機用ECU28に出力するクランク角に関する情報に基づいて現在のエンジン11の状態でトルク出力休止条件が成立しているか否かを判定する。現在のエンジン11の状態でトルク出力休止条件が成立していると回転電機用ECU28が判定すると、S133に進む。現在のエンジン11の状態でトルク力休止条件が成立していないと回転電機用ECU28が判定すると、S135に進む。
S132において現在のエンジン11の状態でトルク出力休止条件が成立していると回転電機用ECU28が判定すると、S133において、「第二回転トルク」としての休止時トルクTlowを演算する。ここで休止時トルクTlowとは、後述する「第一回転トルク」としての通常時トルクTordに比べ小さい回転トルクであって、エンジン11の駆動状態や運転者の要求に基づいて演算される。第一実施形態では、休止時トルクTlowを0とする。
次に、S134において、トルク指令値を設定する。S134では、休止時トルクTlowを回転電機用ECU28のROMに収納する。これにより、今回の回転トルクの演算プロセスを終了する。
また、S132において現在のエンジン11の状態でトルク出力休止条件が成立していないと回転電機用ECU28が判定すると、S135において、「第一回転トルク」としての通常時トルクTordを演算する。ここで、通常時トルクTordとは、ベルト26を介してクランクシャフト111に伝達されることによってエンジン11の回転数を維持可能な回転トルクである。
次に、S136において、トルク指令値を設定する。S136では、通常時トルクTordを回転電機用ECU28のROMに収納する。これにより、今回の回転トルクの演算プロセスを終了する。
図3に戻り、次に、S104において、S134またはS136において収納された回転トルクを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。
このときのエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図5に基づいて説明する。
時刻t101において回転電機21の力行作動が開始された直後、エンジン11では、図5(a)に示すように、クランク角が大きくなっていく。時刻t101以降、クランク角が180degCAになるまでは、回転電機21の力行作動の回転トルクは、図5(b)に示すように、通常時トルクTordとなっている。
さらにクランク角が大きくなりクランク角が180degCA(図5の時刻ts1)になると、回転電機21の力行作動の回転トルクは、図5(b)に示すように、休止時トルクTlowの0となる。この回転電機21の力行作動の回転トルクが0となる状態は、クランク角が210degCAになるまで続く(図5の時刻te1)。このとき、ベルト26の張力は、図5(c)に示すように、徐々に大きくなる。クランク角が210degCAになると、回転電機21の力行作動の回転トルクは、図5(b)に示すように、通常時トルクTordに戻る。
さらにクランク角が大きくなりクランク角が360degCA(図5の時刻ts2)になると、回転電機21の力行作動の回転トルクは、図5(b)に示すように、休止時トルクTlowの0となる。この回転電機21の力行作動の回転トルクが0となる状態は、クランク角が30degCAになるまで続く(図5の時刻te2)。このとき、ベルト26の張力は、図5(c)に示すように、徐々に大きくなる。クランク角が30degCAになると、回転電機21の力行作動の回転トルクは、図5(b)に示すように、通常時トルクTordに戻る。
このように、S104における指令において、回転電機21は、図5(b)に示すような時間変化の力行作動の回転トルクを出力する。第一実施形態では、回転電機21が出力する回転トルクは、図5の時刻ts3〜te3、ts4〜te4においても休止時トルクTlowの0となる。このS104によって、ベルト26の張力が滑り限界mTbを下回ることはない。
次に、S105において、力行終了条件が成立しているか否かを判定する。エンジンECU29には、燃料の噴射と点火とによってクランクシャフト111のみで回転することが可能な回転数を所定の値として事前に設定されている。S105では、エンジンECU29は、クランク角センサ291が出力する機関回転数信号に基づいてエンジン11の回転数が所定の値以上となっているか否かを判定する。回転電機21の力行終了条件が成立していると判定すると、S106に進む。回転電機21の力行終了条件が成立していないと判定すると、S103に戻り、回転電機21の力行作動の回転トルクを再度演算する。
回転電機21の力行終了条件が成立していると判定されると、S106において、回転電機21の力行作動は終了する(図5の時刻t106)。
(A)第一実施形態による伝動システム1の作用について図5,6に基づいて説明する。
最初に、図5に基づいて第一実施形態におけるクランク角とエンジン回転数とエンジン11におけるクランク出力トルクとの関係を説明する。
第一実施形態において、エンジン回転数は、図5(d)に示すように、クランク角が0degCAから180degCAになるまでの間に一旦大きくなってから小さくなる時間変化を示す。このとき、エンジン回転数が大きくなるときは、図5(e)に示すように、エンジン11におけるクランク出力トルクは主にプラスとなる。クランク出力トルクがプラスになると、クランクシャフト111の回転トルクは大きくなる。一方、エンジン回転数が小さくなるときは、図5(e)に示すように、エンジン11におけるクランク出力トルクは主にマイナスになる。クランク出力トルクがマイナスになると、クランクシャフト111の回転トルクは小さくなる。
第一実施形態では、さらに、クランク角が180degCAから360degCAとなるまでの間にエンジン回転数は、図5(d)に示すように、一旦大きくなってから小さくなる。このとき、クランク角とクランクシャフト111の回転トルクとの関係は、クランク角が0degCAから180degCAになるまでの間と同様である。
S103では、エンジンの回転数の時間変化において特に回転数が大きくなる、クランク角が0degCAから30degCAまでの間、および、180degCAから210degCAまでの間をトルク出力休止条件として設定されている。すなわち、図5(e)に示すように、クランク出力トルクがプラスに大きくなるクランク角がトルク出力休止条件として設定されている。
次に、図6に基づいて、エンジン11の駆動開始プロセスにおいて、ベルト26に作用する力がベルト26の張りに与える影響について説明する。図6は、クランクシャフト111の回転トルクおよび回転電機21の力行作動の回転トルクがベルト26に作用する力の方向を説明する模式図である。図6(a)には、クランクシャフト111の回転トルクが小さくなるときの模式図を示す。図6(b)には、クランクシャフト111の回転トルクが大きくなるときであって、トルク出力休止条件のときの模式図を示す。なお、図6では、オートテンショナ27の構成は簡単に図示するとともに、補機プーリ24、25を省略する。
クランクシャフト111の回転トルクが小さくなるとき、図6(a)の白抜き矢印Ra1の点線の状態から実線の状態に示すように、駆動軸プーリ23の回転速度は徐々に低下する。一方、回転電機プーリ22は、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクによって正回転に回転している(図6(a)の白抜き矢印Ra2)。
この状態では、ベルト26の第二の部位262には、駆動軸プーリ23側から回転電機プーリ22側に作用する力(図6(a)の白抜き矢印Ra3)が作用しつつ、回転電機プーリ22側から駆動軸プーリ23側に作用する力(図6(a)の白抜き矢印Ra4)が作用する。一方、ベルト26の第一の部位261には、駆動軸プーリ23の方向に引っ張られる力(図6(a)の白抜き矢印Ra5)が作用しつつ、回転電機プーリ22の方向に引っ張られる力(図6(a)の白抜き矢印Ra6)が作用する。これにより、ベルト26の第一の部位261は、張った状態となるため、回転電機21の力行作動の回転トルクは、クランクシャフト111に確実に伝達される。
一方、クランクシャフト111の回転トルクが大きくなるとき、図6(b)の白抜き矢印Rb1の点線の状態から実線の状態に示すように、駆動軸プーリ23の回転速度は徐々に増加する。
このとき、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクによって回転電機プーリ22が正回転に回転する(図6(b)の二点鎖線の白抜き矢印Rb2)と、ベルト26には次のような力が作用する。第二の部位262には、駆動軸プーリ23の方向に引っ張られる力(図6(b)の白抜き矢印Rb3)が作用しつつ、回転電機プーリ22側から駆動軸プーリ23側に作用する力(図6(b)の二点鎖線の白抜き矢印Rb4)が作用する。また、第一の部位261には、駆動軸プーリ23側から回転電機プーリ22側に作用する力(図6(b)の白抜き矢印Rb5)が作用しつつ、回転電機プーリ22の方向に引っ張られる力(図6(b)の二点鎖線の白抜き矢印Rb6)が作用する。これにより、クランクシャフト111の回転トルクの大きさ、すなわち、白抜き矢印Rb3,Rb5の大きさによっては、オートテンショナ27によっても第一の部位261の張りが維持されなくなるおそれがあるため、回転電機21の力行作動の回転トルクがクランクシャフト111に確実に伝達されないことが予想される。
そこで、第一実施形態による伝動システム1では、クランクシャフト111の回転トルクが大きくなるとき回転電機21の回転トルクを0にする。これにより、回転電機プーリ22は、ベルト26の動きに合わせて回転する。回転電機プーリ22がベルト26の動きに合わせて回転する状態では、ベルト26の第二の部位262には、駆動軸プーリ23の方向に引っ張られる力(図6(b)の白抜き矢印Rb3)が作用する。一方、ベルト26の第一の部位261には、駆動軸プーリ23側から回転電機プーリ22側に作用する力(図6(b)の白抜き矢印Rb5)が作用するのみである。これにより、回転電機21が通常時トルクTordで力行作動しているときに比べオートテンショナ27の伸長方向の基準位置からの変位が大きくなるため、オートテンショナ27によるベルト26の張力を増加する効果が大きくなり、ベルト26の張力が大きくなる。(図5(c)の時刻ts1〜te1,ts2〜te2,ts3〜te3,ts4〜te4)。したがって、ベルト26の張力は、図5(c)に示すように、滑り限界mTbより大きい状態が維持される。
このように、第一実施形態による伝動システム1では、回転電機21の力行作動の回転トルクの大きさをクランク角と相関関係にあるクランクシャフト111の回転トルクの大きさに応じて変更し、クランクシャフト111の回転トルクの変動によって低下したベルト26の張力を回復させる。これにより、ベルト26の張力を滑り限界mTb以上に維持することができるため、駆動軸プーリ23および回転電機プーリ22に対するベルト26の滑りを防止することができる。したがって、第一実施形態では、回転電機21の回転トルクをクランクシャフト111に確実に伝達することができる。
また、回転電機21は、回転電機用ECU28がクランクシャフト111の回転トルクの大きさに応じて上述したようにトルク出力部210の駆動を制御し、クランクシャフト111の回転トルクの変動によって低下したベルト26の張力を回復させる。これにより、オートテンショナ27によってベルト26の張力を維持することができる。したがって、回転電機21が適用される伝動システム1では、回転電機21が出力する回転トルクをクランクシャフト111に確実に伝達することができる。
(B)伝動システム1では、回転電機21の力行作動の回転トルクの大きさを制御することによって、外部のエネルギを利用することなくベルト26の張りを維持することができる。これにより、第一実施形態では、電磁駆動のオートテンショナに比べ、消費されるエネルギを少なくすることができる。
(C)また、例えば、アイドルストップ状態からエンジン11の駆動を開始するときに回転電機21を力行作動とは反対の方向に回転することなくベルト26の張りを維持することができる。これにより、第一実施形態では、エンジン11の駆動を開始するとき、エンジン11の駆動開始の指令が出されてから実際にエンジン11が駆動開始するまでの時間を短くすることができる。
(D)また、伝動システム1は、クランク角にあわせて回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの大きさを制御するプログラムの追加のみで上記(A)〜(C)の効果を奏することができる。したがって、第一実施形態では、追加の配線など構成の変更を必要としないため、伝動システム1の製造コストの増加を抑制することができる。
(第二実施形態)
第二実施形態による伝動システムを図7に基づき説明する。第二実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第二実施形態と異なる。
第二実施形態による伝動システムは、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、エンジンECU29、および、クランク角センサ291を備える。
第二実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図7に示す。図7(a)には、エンジン11のエンジン回転数の時間変化を示す。図7(b)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図7(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図7では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t201とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t206としている。
第二実施形態による伝動システムでは、回転電機用ECU28には、「駆動軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、回転電機21の力行作動中のTDC時刻から所定の時間以内とする設定がなされている。具体的には、図7において、エンジン回転数が減少から増加に転じる時刻ts1から時刻te1までの時間t2pがトルク出力休止条件として設定されている。なお、図7に示す時刻ts2から時刻te2までの時間t2p、時刻ts3から時刻te3までの時間t2p、および、時刻ts4から時刻te4までの時間t2pもトルク出力休止条件として設定されている。
第二実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、エンジンECU29は、クランク角センサ291が検出するクランクシャフト111の回転数に基づいてエンジン11のエンジン回転数を算出する。エンジンECU29は、算出したエンジン回転数の時間変化からエンジン11のピストンが膨張行程におけるTDCに位置した時刻(以下、「TDC時刻」という)を検出する。具体的には、図7(a)に示すエンジン回転数の時間変化において、最もエンジン回転数が落ち込んだ時刻であってエンジン回転数が減少から増加に転じる時刻ts1,ts2,ts3,ts4である。
第二実施形態による伝動システムでは、回転電機用ECU28は、回転電機21が力行作動しているときであって検出したTDC時刻から時間t2p以内である場合、休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。一方、検出したTDC時刻から時間t2pより大きい場合、回転電機用ECU28は、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図7(c)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
第二実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件として、回転電機21の力行作動中におけるエンジン11のTDC時刻から所定の時間t2p以内とする設定がなされている。これにより、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第三実施形態)
第三実施形態による伝動システムを図8に基づき説明する。第三実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第一実施形態と異なる。
第三実施形態による伝動システムは、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、エンジンECU29、および、クランク角センサ291を備える。
第三実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図8に示す。図8(a)には、エンジン11のエンジン回転数の時間変化を示す。図8(b)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図8(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図8では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t301とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t306としている。
第三実施形態による伝動システムでは、回転電機用ECU28には、「駆動軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、エンジン回転数が増加する時間における所定の時間とする設定がなされている。具体的には、図8(a)に示すエンジン回転数の時間変化において、エンジン回転数が減少から増加に転じる時刻ts1,ts2,ts3,ts4からエンジン回転数が増加から減少に転じる前の時刻te1,te2,te3,te4までのそれぞれの時間t3pがトルク出力休止条件として設定されている。
第三実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、エンジンECU29は、クランク角センサ291が検出するクランクシャフト111の回転数に基づいてエンジン11のエンジン回転数を算出する。回転電機用ECU28は、回転電機21が力行作動しているときであって算出したエンジン回転数に基づいて検出した時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t3p以内である場合、休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。一方、時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t3pより大きい場合、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図8(c)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
第三実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件として、回転電機21の力行作動中におけるエンジン11のエンジン回転数が増加する時間t3p以内とする設定がなされている。これにより、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、演算が比較的簡単なエンジン回転数にしたがってトルク出力休止条件が設定されているため、回転電機用ECU28における制御ロジックの規模を小さくすることができる。
(第四実施形態)
第四実施形態による伝動システムを図9に基づき説明する。第四実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第一実施形態と異なる。
第四実施形態による伝動システムは、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、エンジンECU29、および、クランク角センサ291を備える。
第四実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図9に示す。図9(a)には、エンジン11のエンジン回転数の時間変化を示す。図9(b)には、クランクシャフト111の角加速度の時間変化を示す。図9(c)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図9(d)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図9では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t401とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t406としている。
第四実施形態による伝動システムでは、回転電機用ECU28には、「駆動軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、クランクシャフト111の角加速度が所定の閾値以上となるときの時間とする設定がなされている。具体的には、図9(b)示すクランクシャフト111の角加速度の時間変化において、比較的大きな角加速度Aa4以上となる時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時刻te1,te2,te3,te4までのそれぞれの時間t4pがトルク出力休止条件として設定されている。
第四実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、エンジンECU29は、クランク角センサ291が検出するクランクシャフト111の回転数に基づいてクランクシャフト111の角加速度を算出する。回転電機用ECU28は、回転電機21が力行作動しているとき、クランクシャフト111の角加速度に基づいて検出した時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t4p以内である場合、休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。一方、時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t4pより大きい場合、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図9(d)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
第四実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件として、回転電機21の力行作動中においてクランクシャフト111の角加速度が角加速度Aa4以上となる時間t4p以内とする設定がなされている。これにより、第四実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、演算が比較的簡単なクランクシャフト111の角加速度にしたがってトルク出力休止条件が設定されているため、回転電機用ECU28における制御ロジックの規模を小さくすることができる。
(第五実施形態)
第五実施形態による伝動システムを図10に基づき説明する。第五実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第一実施形態と異なる。
第五実施形態による伝動システムは、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、エンジンECU29、および、クランク角センサ291を備える。
第五実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図10に示す。図10(a)には、エンジン11のエンジン回転数の時間変化を示す。図10(b)には、クランクシャフト111の角加速度の時間変化を示す。図10(c)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図10(d)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図10では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t501とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t506としている。
第五実施形態による伝動システムでは、回転電機用ECU28には、「駆動軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、クランクシャフト111の角加速度が所定の上限閾値以下かつ下限閾値以上となるときの時間とする設定がなされている。具体的には、図10(b)に示すクランクシャフト111の角加速度の時間変化において、角加速度Aa5Hとなる時刻ts1,ts2,ts3,ts4から角加速度Aa5Lとなる時刻te1,te2,te3,te4までのそれぞれの時間t5pがトルク出力休止条件として設定されている。
第五実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、エンジンECU29は、クランク角センサ291が検出するクランクシャフト111の回転数に基づいてクランクシャフト111の角加速度を算出する。回転電機用ECU28は、回転電機21が力行作動しているとき、クランクシャフト111の角加速度に基づいて検出した時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t5p以内である場合、休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。一方、時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t5pより大きい場合、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図10(c)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
第五実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件として、回転電機21の力行作動中においてクランクシャフト111の角加速度が角加速度Aa5H以下かつ角加速度Aa5L以上となる時間t5p以内とする設定がなされている。これにより、第五実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、演算が比較的簡単なクランクシャフト111の角加速度にしたがってトルク出力休止条件が設定されているため、回転電機用ECU28における制御ロジックの規模を小さくすることができる。
また、第五実施形態による伝動システムでは、時間変化する角加速度に対して任意に設定可能な上限閾値および下限閾値を設定することによって、任意の時間帯に回転電機21の力行トルクを0とすることができる。
(第六実施形態)
第六実施形態による伝動システムを図11、12に基づき説明する。第六実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第一実施形態と異なる。
第六実施形態による伝動システム6は、図11に示すように、回転電機31、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、および、オートテンショナ37、および、「制御部」としての回転電機用ECU38を備える。
回転電機31は、例えば、ISG(Integrated Starter Generator)であって、トルク出力部210、回転軸211、回転電機プーリ22、及び、「制御部」としての回転電機用ECU38を有する。第六実施形態では、回転電機31は、スタータ13によってエンジン11の駆動が開始されたのちエンジン11の回転数を維持可能な回転トルクを出力可能となっている。
回転電機用ECU38は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。回転電機用ECU38は、オートテンショナ37およびトルク出力部210と電気的に接続している。回転電機用ECU28は、オートテンショナ37からの信号に基づき、ROMに記憶されたプログラムに従い処理を行い、回転電機21の駆動を制御する。
オートテンショナ37は、テンショナプーリ271、アーム272、テンショナ本体部273、および、変位検出部274を有する。
変位検出部274は、テンショナ本体部273に設けられ、回転電機用ECU38と電気的に接続している。変位検出部274は、テンショナプーリ271の基準位置からの変位(以下、単に「テンショナ変位」という)を検出し、当該検出した変位に応じた変位信号をテンショナ変位に出力する。ここで、テンショナプーリ271の基準位置とは、回転電機プーリ22および駆動軸プーリ23が回転していないときのテンショナプーリ271の位置を指す。
伝動システム6が適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図12に示す。図12(a)には、テンショナ変位の時間変化を示す。図12(b)には、回転電機31が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図12(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図12では、回転電機31の力行作動を開始する時刻を時刻t601とし、回転電機31の力行作動が終了する時刻を時刻t606としている。
伝動システム6では、回転電機用ECU38には、オートテンショナ37が出力するテンショナ変位の大きさに基づくトルク出力休止条件が設定されている。ここで、図12に基づいて、伝動システム3における「所定の条件」としてのトルク出力休止条件を説明する。回転電機用ECU38には、テンショナ変位について三つの規定値Ptm,Pt1,Pt2が設定されている。
規定値Ptmは、ベルト26の張力が滑り限界mTbとなるときのテンショナ変位である。すなわち、テンショナ変位が規定値Ptm以下になると、ベルト26の張力が滑り限界mTb以下となり、回転電機プーリ22または駆動軸プーリ23に対してベルト26が滑ることとなる。
規定値Pt1は、規定値Ptmに比べ大きく、規定値Ptmに変位検出部274における検出誤差のマージンを含んだ値として設定されている。したがって、テンショナ変位が規定値Pt1であるとき、ベルト26は、回転電機プーリ22または駆動軸プーリ23に対して滑っていないこととなる。規定値Pt1は、特許請求の範囲に記載の「変位下限値」に相当する。
また、規定値Pt2は、規定値Pt1に比べ大きい値として設定されている。規定値Pt2は、特許請求の範囲に記載の「修正値」に相当する。
伝動システム3では、トルク出力休止条件として、回転電機31の力行作動中のテンショナ変位が規定値Pt1となった時刻から規定値Pt2となった時刻までの時間とする設定がなされている。具体的には、図12(a)に示すテンショナ変位の時間変化において、テンショナ変位が規定値Pt1となる時刻ts1,ts2,ts3,ts4からテンショナ変位が規定値Pt2となる時刻te1,te2,te3,te4までのそれぞれの時間t6pがトルク出力休止条件として設定されている。
第六実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、回転電機用ECU38は、回転電機21が力行作動しているとき、検出したテンショナ変位がPt1になる時刻ts1,ts2,ts3,ts4に休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。回転電機21の力行作動の回転トルクを0にすると、テンショナ変位は規定値Pt1より大きくなるため、ベルト26の張力も大きくなる。
回転電機用ECU38が休止時トルクTlowを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力し続けた後、テンショナ変位が規定値Pt2になる時刻te1,te2,te3,te4に、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図12(c)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
伝動システム6では、トルク出力休止条件として、回転電機21の力行作動中のテンショナ変位が規定値Pt1となった時刻から規定値Pt2となった時刻までとする設定がなされている。これにより、第六実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、伝動システム6では、回転電機用ECU38に入力されるオートテンショナ37の変位信号のみによってトルク出力部210の駆動が制御される。これにより、第六実施形態による伝動システム6は、回転電機用ECU38のみの制御によって回転電機31の回転トルクを確実にクランクシャフト111に伝達することができる。
(第七実施形態)
第七実施形態による伝動システムを図13、14に基づき説明する。第七実施形態は、トルク出力休止条件の設定の方法が第六実施形態と異なる。
第七実施形態による伝動システム7は、図13に示すように、回転電機41、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、および、「電機回転数検出部」としての回転角センサ481を備える。
回転電機41は、例えば、ISG(Integrated Starter Generator)であって、トルク出力部210、回転軸211、回転電機プーリ22、及び、「制御部」としての回転電機用ECU48を有する。第七実施形態では、回転電機31は、スタータ13によってエンジン11の駆動が開始されたのちエンジン11の回転数を維持可能な回転トルクを出力可能となっている。
回転電機用ECU48は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。回転電機用ECU48は、トルク出力部210、および、回転角センサ481と電気的に接続している。回転電機用ECU48は、回転角センサ481からの信号に基づき、ROMに記憶されたプログラムに従い処理を行い、回転電機41の駆動を制御する。
回転角センサ481は、回転軸211の近傍に設けられている。回転角センサ481は、回転軸211の回転角を検出し、当該検出した回転角に応じた「回転信号」としての電機回転数信号を回転電機用ECU48に出力する。
伝動システム7が適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図14に示す。図14(a)には、回転電機41の回転数(以下、「回転電機回転数」という)の時間変化を示す。図14(b)には、回転電機41が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図14(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図14では、回転電機41の力行作動を開始する時刻を時刻t701とし、回転電機41の力行作動が終了する時刻を時刻t706としている。
第七実施形態による伝動システム7では、回転電機用ECU48には、「回転軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、回転電機回転数が増加する時間における所定の時間とする設定がなされている。具体的には、図14(a)に示す回転電機回転数の時間変化において、回転電機回転数が減少から増加に転じる時刻ts1,ts2,ts3,ts4から回転電機回転数が増加から減少に転じる前の時刻te1,te2,te3,te4までのそれぞれの時間t7pがトルク出力休止条件として設定されている。
第七実施形態におけるエンジン11の駆動開始プロセスでは、回転電機用ECU48は、回転角センサ481が検出する回転軸211の回転数に基づいて回転電機回転数を算出する。回転電機用ECU48は、回転電機41が力行作動しているときであって算出した回転電機回転数に基づいて検出した時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t7p以内である場合、休止時トルクTlowである0を力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。一方、時刻ts1,ts2,ts3,ts4から時間t7pより大きい場合、通常時トルクTordを力行トルク指令値としてトルク出力部210に出力する。これにより、図14(c)に示すように、ベルト26は、張力が滑り限界mTbを下回ることなく、張った状態を維持する。
第七実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件として、回転電機41の力行作動中におけるエンジン11のエンジン回転数が増加する時間t7p以内とする設定がなされている。これにより、第七実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
伝動システム7では、回転電機用ECU48に入力される回転電機回転に関する情報のみによってトルク出力部210の駆動が制御される。これにより、第七実施形態による伝動システム7は、回転電機用ECU48のみの制御によって回転電機41の回転トルクを確実にクランクシャフト111に伝達することができる。
また、伝動システム7では、演算が比較的簡単な回転電機回転数にしたがってトルク出力休止条件が設定されているため、回転電機用ECU48における制御ロジックの規模を小さくすることができる。
(第八実施形態)
第八実施形態による伝動システムを図15に基づき説明する。第八実施形態は、休止時トルクの大きさが第一実施形態と異なる。
第八実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図15に示す。図15(a)には、クランク角の時間変化を示す。図15(b)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図15(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図15では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t801とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t806としている。
第八実施形態による伝動システムでは、休止時トルクTlowは、0より大きな値として設定されている。これにより、回転電機用ECU28は、トルク出力休止条件が成立していると判定されるときの回転電機21の力行作動の回転トルクが図15(b)に示すように0より大きい休止時トルクTlowとなるようトルク出力部210を制御する。
第八実施形態による伝動システムでは、トルク出力休止条件が成立するときトルク出力部210が出力する休止時トルクTlowを0より大きな値としている。これにより、回転電機プーリ22または駆動軸プーリ23に対してベルト26が滑ることなく、回転電機21がクランクシャフト111をアシストする回転トルクの総和を多くすることができる。したがって、第八実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、クランクシャフト111をアシストする回転トルクの総和を第一実施形態に比べ多くすることができる。
(第九実施形態)
第九実施形態による伝動システムを図16に基づき説明する。第九実施形態は、通常時トルクの大きさが第一実施形態と異なる。
第九実施形態による伝動システムが適用されるエンジンシステム10の各部の特性の時間変化を図16に示す。図16(a)には、クランク角の時間変化を示す。図16(b)には、回転電機21が出力する力行作動の回転トルクの時間変化を示す。図16(c)には、ベルト26の張力の時間変化を示す。図16では、回転電機21の力行作動を開始する時刻を時刻t901とし、回転電機21の力行作動が終了する時刻を時刻t906としている。
第九実施形態による伝動システムでは、「第一回転トルク」としての通常時トルクThighは、第一実施形態の通常時トルクTordに比べ大きな値が設定されている。これにより、エンジンECU29は、トルク出力休止条件が成立していないと判定されるときの回転電機21の力行作動の回転トルクが図16(b)に示すように第一実施形態の通常時トルクTordより大きい通常時トルクThighとなるようトルク出力部210を制御する。
第九実施形態による伝動システムでは、回転電機21の力行作動の回転トルクである通常時トルクThighを第一実施形態の通常時トルクTordに比べ大きな値としている。これにより、回転電機プーリ22または駆動軸プーリ23に対してベルト26が滑ることなく、回転電機21がクランクシャフト111をアシストする回転トルクの総和を多くすることができる。したがって、第九実施形態は、第八実施形態と同じ効果を奏する。
(第十実施形態)
第十実施形態による伝動システムを図17に基づき説明する。第十実施形態は、オートテンショナの付勢部の特性が第一実施形態と異なる。
第十実施形態による伝動システムは、回転電機21、駆動軸プーリ23、補機プーリ24、25、ベルト26、オートテンショナ27、エンジンECU29、および、クランク角センサ291を備える。
第十実施形態による伝動システムが備えるオートテンショナ27の付勢部278は、変位する方向によって減衰力が異なる。図17に、テンショナプーリ271の移動速度に対する付勢部278の減衰力の変化を示す。
図17では、横軸にテンショナプーリ271の移動速度を示す。図17の横軸において正の側、すなわち、図17の紙面における右側を付勢部278が伸長方向にテンショナプーリ271が移動したときの移動速度とし、図17の紙面における左側を付勢部278が収縮方向にテンショナプーリ271が移動したときの移動速度とする。
また、図17では、縦軸に付勢部278の減衰力を示す。ここで減衰力とは、テンショナプーリ271が伸長方向または収縮方向に移動するとき、当該移動する方向に移動することを妨げる力を指す。
図17に示すように、テンショナプーリ271が伸長方向に移動するとき、付勢部278における減衰力は、ほぼ0となっている。一方、テンショナプーリ271が収縮方向に移動するとき、付勢部278における減衰力は、テンショナプーリ271の移動速度が増加するにしたがって大きくなる。すなわち、テンショナプーリ271を現状より収縮方向に移動するときの付勢部278における減衰力は、テンショナプーリ271を現状より伸長方向に移動するときの付勢部278における減衰力に比べ大きい。
第十実施形態では、オートテンショナ27は、収縮方向の減衰力が伸長方向の減衰力に比べ大きくなるよう設定されている。これにより、回転電機21の力行作動において回転電機21の力行作動の回転トルクを休止時トルクTlowとしテンショナ変位を比較的大きくすると、一旦伸長方向に伸びたテンショナプーリ271が収縮するための時間がかかるため、ベルト26の張りを比較的長い時間維持することができる。これにより、第十実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、第一実施形態に比べ確実に回転電機21の回転トルクをクランクシャフト111に伝達することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、「無端伝動部材」としてベルトを用いるとした。しかしながら、回転電機の回転軸とクランクシャフトとを連結する部材はこれに限定されない。
上述の実施形態では、伝動システムは、スタータによるエンジンの駆動開始に続いて回転電機によるエンジンの回転をアシストするとした。しかしながら、伝動システムが適用される場面はこれに限定されない。車両の通常走行時、エンジンが車輪に回転トルクを出力する場面において、回転電機がエンジンの回転をアシストする場面であってもよい。
上述の実施形態では、伝動システムは、アイドルストップ可能なエンジンシステムに適用されるとした。しかしながら、伝動システムが適用されるエンジンシステムはこれに限定されない。
上述の実施形態では、「所定の条件」は、回転電機用ECUが設定するとした。しかしながら、エンジンECUにおいて設定され、エンジンECUでの判定に基づく信号を回転電機用ECUに入力されてもよい。
上述の実施形態では、エンジンのピストンが駆動開始から一回目の圧縮行程におけるTDCを通過しているか否かを判定するS101の判定、および、エンジンの回転数が所定の値以上となっているか否かを判定するS105の判定は、エンジンECUが行うとした。しかしながら、回転電機用ECUがエンジンECUに入力されるクランク角センサから機関回転数信号に基づいて判定してもよい。
上述の実施形態では、現在のエンジンの状態でトルク出力休止条件が成立しているか否かを判定するS132の判定は、回転電機用ECUが行うとした。しかしながら、エンジンECUがクランク角センサから機関回転数信号に基づいて判定してもよい。
第二実施形態では、エンジンECUは、検出されたクランク角から算出されたエンジン回転数に基づいてトルク出力休止条件を設定するとした。しかしながら、エンジン回転数の算出方法はこれに限定されない。点火プラグの点火タイミングから算出してもよい。
第六実施形態では、回転電機用ECUは、オートテンショナが出力する変位信号に基づいて回転電機の回転トルクを小さくするとした。しかしながら、トルク出力休止条件を設定する方法は、これに限定されない。オートテンショナの位置、移動方向、移動速度に基づいて回転電機の回転トルクを小さくしてもよい。
第六実施形態では、オートテンショナが出力する変位信号は、回転電機用ECUに出力されるとした。しかしながら、エンジンECUに出力されてもよい。
第七実施形態では、回転角センサが出力する電機回転数信号から算出される回転電機回転数に応じて回転電機の回転トルクを小さくするとした。しかしながら、トルク出力休止条件を設定する方法は、これに限定されない。回転電機回転数に基づいて算出される回転電機の回転軸の角加速度やエンジンの回転数、クランクシャフトの角加速度、クランク角に基づいて回転電機の回転トルクを小さくしてもよい。回転電機の回転軸の角加速度の場合、「回転軸の回転数に基づいて設定される条件」としてのトルク出力休止条件は、クランクシャフトの角加速度に基づいて判定した第四、五実施形態のように、所定の閾値以上となるときの時間や、所定の上限閾値以下かつ下限閾値以上となるときの時間とする設定を行う。
第八実施形態における休止時トルク、第九実施形態における通常時トルク、および、第十実施形態におけるオートテンショナの減衰力の特徴は、第二〜七実施形態に適用してもよい。第九実施形態における通常時トルクを適用する場合、休止時トルクによって減少するトルクを考慮して通常時トルクを比較的大きく設定してもよい。
第八実施形態における休止時トルクと第九実施形態における通常時トルクとを組み合わせて実施してもよい。この場合、クランクシャフトをアシストする回転トルクの総量を第一実施形態に比べさらに多くすることができる。
第十実施形態におけるオートテンショナの減衰力の特徴を第八,九実施形態に適用してもよい。
第七実施形態では、回転電機の回転角を回転角センサによって検出するとした。しかしながら、回転角センサの代わりに回転電機に生じる誘起電圧によって回転電機の回転角を検出してもよいし、回転電機に供給される電圧の変化によって回転電機の回転角を検出してもよい。
上述の実施形態では、回転電機用ECUは、小型のコンピュータであるとしたが、演算手段、記憶手段、および、入出力手段などを有する集積回路であってもよい。
上述の実施形態では、オートテンショナは、ベルトの当接可能なテンショナプーリ、テンショナプーリを回転可能に支持するアーム、および、アームを支持するテンショナ本体部を有するとした。しかしながら、オートテンショナの構成はこれに限定されない。
また、上述の実施形態では、オートテンショナが伸びるとベルトの張力は増し、オートテンショナが縮むとベルトの張力は減るとした。しかしながら、オートテンショナの伸縮とベルトの張力との関係はこれに限定されない。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1,3,6,7・・・伝動システム
11・・・エンジン(内燃機関)
111・・・駆動軸
21,31,41・・・回転電機
211・・・回転軸
22・・・回転電機プーリ
23・・・駆動軸プーリ
26・・・ベルト(無端伝動部材)
27、37・・・オートテンショナ
28,38,48・・・回転電機用ECU(制御部)
Tord,Thigh・・・通常時トルク(第一回転トルク)
Tlow・・・休止時トルク(第二回転トルク)

Claims (15)

  1. 内燃機関(11)の駆動軸(111)を回転可能な回転トルクを出力可能なトルク出力部(210)、前記トルク出力部に連結する回転軸(211)、前記回転軸と一体に回転可能に設けられる回転電機プーリ(22)、および、前記トルク出力部の駆動を制御可能な制御部(28,38,48)を有する回転電機(21,31,41)と、
    前記駆動軸と一体に回転可能に設けられる駆動軸プーリ(23)と、
    前記回転電機プーリおよび前記駆動軸プーリに掛け回され、前記回転軸と前記駆動軸との間において回転トルクを伝達可能な無端伝動部材(26)と、
    前記無端伝動部材に当接可能に設けられ前記無端伝動部材の張力を調整可能なオートテンショナ(27、37)と、
    を備え、
    前記回転電機は、前記駆動軸の回転をアシストするとき、所定の条件において前記駆動軸の回転をアシスト可能な第一回転トルク(Tord,Thigh)に比べ小さい第二回転トルク(Tlow)を出力する伝動システム。
  2. 前記所定の条件は、前記回転軸または前記駆動軸の回転信号に基づいて設定される条件である請求項1に記載の伝動システム。
  3. 前記内燃機関の回転数を検出可能に設けられ当該回転数に応じた前記回転信号としての機関回転数信号を出力可能な機関回転数検出部(291)をさらに備え、
    前記制御部は、前記機関回転数検出部が出力する前記機関回転数信号に基づいて前記回転電機の駆動を制御する請求項2に記載の伝動システム。
  4. 前記回転電機の回転数を検出可能に設けられ当該回転数に応じた前記回転信号としての電機回転数信号を出力可能な電機回転数検出部(481)をさらに備え、
    前記制御部は、前記電機回転数信号に基づいて前記回転電機の駆動を制御する請求項2に記載の伝動システム。
  5. 前記所定の条件は、前記オートテンショナが有し前記無端伝動部材に当接可能に設けられ前記無端伝動部材の張り方向および緩み方向へ移動可能なテンショナプーリ(271)の基準位置からの変位、移動方向、および、移動速度に基づいて設定される条件である請求項1に記載の伝動システム。
  6. 前記所定の条件は、前記テンショナプーリの基準位置からの変位が変位下限値(Pt1)になったときから当該変位下限値より大きい修正値(Pt2)になるときまでとする請求項5に記載の伝動システム。
  7. 前記変位下限値は、前記無端伝動部材の張力が前記回転電機プーリまたは前記駆動軸プーリに対して前記無端伝動部材が滑り始めるときの前記テンショナプーリの基準位置からの変位に比べ大きい請求項6に記載の伝動システム。
  8. 前記テンショナプーリの基準位置からの変位を検出可能に設けられ当該変位に応じた変位信号を出力可能な変位検出部(274)をさらに備え、
    前記制御部は、前記変位信号に基づいて前記回転電機の駆動を制御する請求項6または7に記載の伝動システム。
  9. 前記第一回転トルクは、前記駆動軸の回転を維持可能な回転トルクに比べ大きい請求項1〜8のいずれか一項に記載の伝動システム。
  10. 前記制御部は、前記無端伝動部材の張力が前記回転電機プーリまたは前記駆動軸プーリに対して前記無端伝動部材が滑り始めるときの前記無端伝動部材の張力より大きくなるよう前記第二回転トルクを設定する請求項1〜9のいずれか一項に記載の伝動システム。
  11. 前記第二回転トルクは、0より大きい請求項10に記載の伝動システム。
  12. 前記オートテンショナは、前記無端伝動部材に当接可能に設けられ前記無端伝動部材の張り方向および緩み方向へ移動可能なテンショナプーリ(271)を有し、
    前記オートテンショナは、前記テンショナプーリを現状より前記緩み方向に移動するときの減衰力が前記テンショナプーリを現状より前記張り方向に移動するときの減衰力に比べ大きい請求項1〜11のいずれか一項に記載の伝動システム。
  13. 内燃機関(11)の駆動軸(111)と一体に回転可能な駆動軸プーリ(23)と、
    前記駆動軸プーリを掛け回され、前記駆動軸に回転トルクを伝達可能な無端伝動部材(26)と、
    前記無端伝動部材に当接可能に設けられ前記無端伝動部材の張力を調整可能なオートテンショナ(27、37)と、
    を備える伝動システム(1,3,6,7)に適用される回転電機であって、
    前記駆動軸を回転可能な回転トルクを出力可能なトルク出力部(210)と、
    前記トルク出力部に連結する回転軸(211)と、
    前記回転軸と一体に回転可能に設けられる回転電機プーリ(22)と、
    前記トルク出力部の駆動を制御可能な制御部(28,38,48)と、
    を備え、
    前記駆動軸の回転をアシストするとき、所定の条件において前記駆動軸の回転をアシスト可能な第一回転トルク(Tord,Thigh)に比べ小さい第二回転トルク(Tlow)を出力する回転電機。
  14. 前記第一回転トルクは、前記駆動軸の回転を維持可能な回転トルクに比べ大きい請求項13に記載の回転電機。
  15. 前記制御部は、前記無端伝動部材の張力が前記回転電機プーリまたは前記駆動軸プーリに対して前記無端伝動部材が滑り始めるときの前記無端伝動部材の張力より大きくなるよう前記第二回転トルクを設定する請求項13または14に記載の回転電機。
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