JP2018026249A - 絶縁電線、回転電機及び絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接による熱が導体を伝わっても絶縁被膜が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できる絶縁電線、回転電機及び絶縁電線の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る絶縁電線10は、任意の形状の導体11と、前記導体11の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜12と、前記絶縁被膜12の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層13と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線及びこれを用いた回転電機並びに絶縁電線の製造方法に関する。
現在、家庭用電気機器、産業用電気機器、船舶、鉄道、電気自動車などに用いられる駆動用モータなどの回転電機のさらなる小型化や高出力化が進められている。
そのため、回転電機の巻線として用いられる絶縁電線には、小型化、高出力化に伴う発熱量の増大に対応し得る耐熱性と高電圧化に対応し得る耐圧性(耐電圧性)が要求されている。
従来、回転電機の巻線としては、絶縁樹脂を溶剤に溶解したワニスを塗布及び焼付したエナメル線が主に用いられている。例えば、ポリイミドワニスを塗布及び焼付して製造されるエナメル線は、H種相当以上の耐熱区分に属し、長期の高温環境に耐える耐熱性と絶縁性を有している。
しかしながら、このようなエナメル線において所定の膜厚の絶縁被膜を形成するには、ワニスの塗布及び焼付の工程を多数回繰り返す必要がある。また、ワニスに含まれる溶剤が工程毎に廃棄物として発生するという問題を抱えている。さらなる高耐圧化に向けては、ワニスの塗布及び焼付の工程の増加に伴う、コスト増が課題となっている。
そこで、絶縁電線を製造する方法としては、絶縁被膜を形成する絶縁樹脂として熱可塑性樹脂を採用し、押出成形によって溶剤を使用することなく製造する方法が、環境負荷を低減する上で有効であると考えられている。なお、押出成形では、熱可塑性樹脂を、ガラス転移温度以上まで加熱し、成形に適した粘度に溶融させることを要する。
上記のH種相当の耐熱区分に属する熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)や、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのスーパーエンジニアリングプラスチック及びその樹脂アロイが知られている。これらは、従来の熱可塑性樹脂に比べて、化学的に安定であることが特長であり、これらを絶縁電線に適用した例が、特許文献1や特許文献2に記載されている。
特許文献1には、導体の周囲にPPS及びPEEKのうちの少なくとも一方と、ポリエチレンと、を含み、貯蔵弾性率を所定の範囲とした絶縁性の被覆層を備えた絶縁電線が記載されている。
また、特許文献2には、最外層に自己融着層を有し、内層の絶縁層がPPSからなる自己融着性絶縁電線が記載されている。
特許文献1、2に記載されている技術は、エナメル線に比べて少ない工程数で絶縁被膜を任意に形成できて、かつ耐熱性と耐圧性を有する絶縁電線を提供し得る。また、特許文献1、2に開示されるPPSやPEEKなどスーパーエンジニアリングプラスチックからなる樹脂被膜(層)は、押出成形で導体の周囲に形成される。このようにして製造された絶縁電線は、電線メーカから回転電機を作製するメーカへと提供される。
一般的に、回転電機は回転子及び固定子を含んで構成され、そのいずれかには、絶縁電線を巻き付けた巻線によるコイルが設置されている。回転電機は、このコイルに電流を流すことで発生する誘導磁界により、回転力を発生させ、回転子を回転させる。回転子の回転に伴って、回転子又は固定子に設置される巻線には遠心力や振動、電磁加振力が印加される。
このような力学的なストレスにより巻線同士がこすれたり、巻線と周辺部材がこすれたりして巻線の絶縁被膜が消耗するのを防ぐため、回転電機メーカは、コイルにエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性の樹脂ワニスを用いた固着処理をすることが一般的である。
この固着処理に用いる樹脂ワニスは、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂を溶解した極性の高い液体の状態で使用されている。これに対し、PPSやPEEKは化学的に安定であることが特長である一方で他の化学物質との親和性が低い。そのため、PPSやPEEKには、有機溶剤とのぬれ性が低いという問題があるだけでなく、最外層にPPSやPEEKが形成された絶縁電線には、樹脂ワニスのぬれ性が低いという問題がある。
絶縁電線に対する樹脂ワニスのぬれ性が低いと、絶縁電線間や、絶縁電線と周辺部材間への樹脂ワニスの浸透性も低下する。そのため、樹脂ワニス硬化後のコイルの固着処理が不十分となり、回転電機駆動時における長期信頼性が低下する懸念がある。
このような観点から、特許文献2では、樹脂ワニスでの固着処理ではなく、PPSの最外層に自己融着層を成形してなる絶縁電線を設けている。
特開2013−33607号公報 特開平04−073811号公報
特許文献1、2に記載されている絶縁電線は、コイルなどに加工されたのち、端部から任意の長さだけ絶縁被膜を剥離して導体を露出させ、当該露出させた端部を溶接により電源や周辺回路に接続する。このとき、溶接による熱が導体を伝わってPPSやPEEKなどの絶縁被膜や自己融着層を加熱する。
PPSやPEEKなどの絶縁被膜に熱が伝わると、絶縁被膜が導体から浮いて剥がれてしまう(以下、「浮き剥がれ」という)という問題があった。
また、自己融着層がポリエステルやフェノキシ樹脂のような熱可塑性樹脂で形成されている場合、導体により伝わった溶接の熱によって樹脂のガラス転移温度や融点を超えると、自己融着層が溶融して絶縁被膜から剥がれたり、層厚が不均一になったりする問題がある。
また、熱硬化性樹脂を導体の被膜に用いている場合は、導体により伝わった溶接の熱によって硬化が進むが、モノマの融点を超えると溶融するため、同様に剥がれが問題となる。
さらに、コイルなどに加工された絶縁電線の溶接端部の近くで絶縁電線の曲げ加工が施された回転電機の場合、当該曲げ加工が施された箇所には、曲げ加工が施されたことによる応力が発生している。溶接による熱が導体を伝わって当該応力が発生している箇所に到達すると、絶縁被膜に亀裂が発生し、絶縁性が低下する可能性がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、溶接による熱が導体を伝わっても絶縁被膜が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できる絶縁電線、回転電機及び絶縁電線の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明に係る絶縁電線は、任意の形状の導体と、前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している。
また、本発明に係る回転電機は、任意の形状の導体と、前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している絶縁電線と、前記絶縁電線を巻き付けた回転子又は固定子と、を備えている。
本発明に係る絶縁電線の製造方法は、任意の形状の導体と、前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している絶縁電線を製造する絶縁電線の製造方法であり、予め任意の形状に作製した前記導体の周囲に、押出成形によって前記絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、前記絶縁被膜の周囲に前記自己融着層を形成する自己融着層形成工程と、を有する。
本発明に係る絶縁電線及び回転電機は、溶接による熱が導体を伝わっても絶縁被膜が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できる。
本発明に係る絶縁電線の製造方法は、溶接による熱が導体を伝わっても絶縁被膜が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できる絶縁電線を製造できる。
一実施形態に係る絶縁電線の構成を説明する模式断面図である。 一実施形態に係る絶縁電線の構成を説明する模式断面図である。 工具で絶縁電線の端部を絶縁被膜及び自己融着層と共に導体の一部を削り取り、導体を露出させた様子を示す模式断面図である。 露出させた導体の端部を溶接に相当する温度で加熱した後の様子を説明する模式断面図である。 本実施形態に係る回転電機の一態様を説明する分解模式図である。 図5に示す固定子に本実施形態に係る絶縁電線を巻き付けたコイルを説明する端面模式図である。 本実施形態に係る回転電機の他の態様を説明する分解模式図である。 図7に示す固定子に本実施形態に係る絶縁電線を巻き付けたコイルを説明する端面模式図である。 本実施形態に係る絶縁電線の製造方法を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る絶縁電線の製造方法を実施する製造装置の構成を示す模式概略図である。 実施例及び比較例に係る絶縁電線の溶接部分を模擬した試験片を説明する模式図である。 実施例及び比較例に係る絶縁電線の溶接部分を模擬した試験片を説明する模式図である。
以下、適宜図面を参照して本発明に係る絶縁電線及び回転電機の一実施形態について詳細に説明する。
(絶縁電線)
図1及び図2は、一実施形態に係る絶縁電線10の構成を説明する概略断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る絶縁電線10は、導体11と、導体11の周囲に形成された絶縁被膜12と、絶縁被膜12の周囲に形成された自己融着層13と、を備えている。
本実施形態に係る絶縁電線10は、家庭用電気機器、産業用電気機器、船舶、鉄道、電気自動車などに用いられる駆動用モータなどの回転電機に用いることができるがこれに限定されるものではなく、従来、エナメル線が用いられてきた機器であればどのようなものにも適用することができる。つまり、本実施形態に係る絶縁電線10はエナメル線の代替として用いることができる。
(導体)
導体11は、任意の形状とすることができる。導体11は、例えば、一般的な絶縁電線10の芯線と同様の線状の導体11を用いることができ、銅線、アルミ線、又は銅及びアルミニウムのうちの少なくとも一方を含む合金からなる合金線などで形成される。
銅線としては、タフピッチ銅、無酸素銅、及び脱酸銅のいずれを材質としたものでもよく、軟銅線及び硬銅線のいずれでもよい。また、錫、ニッケル、銀、アルミニウムなどが表面にめっきされためっき銅線であってもよい。
アルミ線としては、硬アルミ線、半硬アルミ線などが用いられる。
また、合金線としては、例えば、銅−錫合金、銅−銀合金、銅−亜鉛合金、銅−クロム合金、銅−ジルコニウム合金、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−銀合金、アルミニウム−亜鉛合金、アルミニウム−鉄合金、又はイ号アルミ合金(Aldrey Aluminium)で形成された線などが挙げられる。
導体11の形状として好適には、例えば、横断面が図1に示されるような円形状の丸線及び横断面が図2に示されるような矩形状の平角線などとすることができる。なお、平角線は角部が丸みを帯びたものであってもよい。また、一本の導体11で形成される単線及び複数本の導体11が撚り合わされて形成される撚り線のいずれでもよい。
導体11は、第一の熱可塑性樹脂との接着性を向上するため、シランカップリング剤などの有機金属化合物で表面処理されたものを用いるのが好ましい。
導体11は、原料を溶解してビレットやワイヤバーなどの鋳塊を鋳造し、当該鋳塊を押出加工し、又は熱間圧延を行った後に伸線加工することで製造することができる。なお、導体11は市販されているものを購入して用いることもできる。
(絶縁被膜)
絶縁被膜12は、導体11の周囲に、第一の熱可塑性樹脂を用いて形成されている。第一の熱可塑性樹脂は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のうちのいずれかからなる。つまり、この絶縁被膜12は、PPS又はPEEKを用いているので、絶縁性、耐熱性、耐薬品性、難燃性、寸法安定性、機械的特性などに優れている。
第一の熱可塑性樹脂は、加工性や耐熱性、絶縁性など要求される諸特性に応じて、PPSやPEEKに、その他の樹脂材料及び無機材料を添加した樹脂アロイであってもよい。その他の樹脂材料及び無機材料としては、例えば、ポリアミド、熱可塑性ポリイミドのような任意の熱可塑性樹脂やタルクなどの無機充填剤、ガラス繊維などを挙げることができる。また、PPSやPEEKは一部を変性させた変性PPSや変性PEEKであってもよい。PPSは、例えば、東レ社製のトレリナ(登録商標)T1881が使用でき、必要に応じてその他の樹脂を任意の量で添加し、混練調整して用いることができる。
絶縁被膜12の層厚は、絶縁性や加工性などを考慮して任意に選択できるが、近年の回転電機の高出力及び小型化の潮流から、おおよそ100μm以上200μm以下であることが望ましい。
(自己融着層)
自己融着層13は、絶縁被膜12の周囲に形成されている。自己融着層13は、第二の熱可塑性樹脂を用いて形成されており、自己融着性を有する。つまり、自己融着層13は、熱や溶剤などによって活性化すると、隣接する自己融着層13と融着し、より大きな構造体を形成する。例えば、絶縁電線10を回転電機の磁極ティース部に巻き付けて作製した巻線コイルを1つの融着コイル、つまり、巻線コイルの自己融着層13を自己融着させたコイルとすることができる。第二の熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂(熱硬化性モノマ、架橋剤)と、無機フィラと、を含有している。また、自己融着層13は、硬化剤を含有している。
第二の熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂及びポリアミド樹脂のうちの少なくとも一方を含有しており、これらの樹脂を任意の比率で混合したものを用いることができる。すなわち、第二の熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂とポリアミド樹脂の混合比率は、フェノキシ樹脂0〜100質量部に対し、ポリアミド樹脂を100〜0質量部とすることができる。好ましくは、例えば、フェノキシ樹脂とポリアミド樹脂の合計100質量部に対して、ポリアミド樹脂を20質量部以上とし、より好ましくは、フェノキシ樹脂とポリアミド樹脂の合計100質量部に対して、ポリアミド樹脂を40質量部以上とする。
フェノキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂とビスフェノールFエポキシ樹脂からなる共重合体である、新日鉄住金化学社製のYP−70やZX−1356−2などを用いることができる。また、フェノキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAフェノキシ樹脂とビスフェノールFフェノキシ樹脂である、新日鉄住金化学社製のYP−50とFX−316を用いることができる。
ポリアミド樹脂は、例えば、可撓性に優れるPA66である東レ社製のCM3007や、宇部興産製のUBESTA XPA(登録商標)などを用いることができ、これらを任意の割合で上記のフェノキシ樹脂にブレンドした樹脂組成物も用いることができる。
熱硬化性モノマとしては、例えば、エポキシ化合物を好適に用いることができる。熱硬化性モノマの含有量は適宜設定可能であるが、例えば、第二の熱可塑性樹脂100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下とするのが好ましい。
エポキシ化合物は、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルアクリル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びポリエステル型エポキシ樹脂などから選択したいずれか1種又は2種以上を混合して用いることができる。エポキシ化合物は、接着強度向上及び高耐熱化を図る場合、架橋密度を高めることができる多官能エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
硬化剤は、架橋剤などとも呼ばれており、熱硬化性モノマを硬化(架橋)させる役割を果たす。第二の熱可塑性樹脂を形成する組成物は、熱硬化性モノマと硬化剤との反応を促進させる硬化触媒を任意の割合で含有しているのが好ましい。硬化剤の含有量は架橋剤の当量比に合わせて適宜設定可能であるが、例えば、第二の熱可塑性樹脂100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下とするのが好ましい。
硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂や酸無水物を用いることができる。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールアラルキル樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格などを有する)、ナフトールアラルキル樹脂及びポリオキシスチレン樹脂などを用いることができる。また、フェノール樹脂としては、例えば、アニリン変性レゾール樹脂、ジメチルエーテルレゾール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型樹脂などの特殊フェノール樹脂を用いることができる。また、ポリオキシスチレン樹脂としては、ポリ(p−オキシスチレン)のようなフェノールノボラック系樹脂を用いることができる。
酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸やヘキサヒドロ無水フタル酸などを用いることができる。
硬化触媒としては、例えば、自己融着層13を押出成形する場合は、押出成形によって架橋反応が進まない高温タイプのイミダゾール類を用いることが好ましい。硬化触媒の含有量は適宜設定可能であるが、例えば、第二の熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下とするのが好ましい。
自己融着層13は、無機フィラ(図示せず)を含有することにより、絶縁電線10において曲げ加工された箇所の耐圧性や絶縁性を向上させることができる。また、自己融着層13は、無機フィラを含有することにより、チクソ性が付与され、熱硬化時の変形やダレを抑制することができる。
無機フィラは、板状及び鱗片状のうちの少なくとも一方の形状を呈するのが好ましい。このようにすると、前記した耐圧性、絶縁性がより確実に向上し、熱硬化時の変形や溶接時に伝わってきた熱による熱ダレをより確実に抑制することができる。
無機フィラとしては、例えば、マイカ、ガラスフレーク、水酸化アルミニウムなどの無機物であれば好適に用いることができる。無機フィラは、例えば、日本板硝子社製のガラスフレークや、ヤマグチマイカ社製のマイカなどを用いることができる。
無機フィラの含有量は、加工性や絶縁性を満足できるのであれば特に限定されないが、実用上は、おおむね10重量部以上30重量部以下が好ましい。
自己融着層13の層厚は、融着することにより絶縁電線10同士の接着性や、絶縁電線10と他の部材(図示せず)との接着性、また、絶縁電線10と絶縁ワニスとの接着性が得られるのであれば、特に限定されるものではないが、おおよそ5μm以上50μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る絶縁電線10は、絶縁被膜12が形成された後に、大気圧プラズマ処理を実施し、その後に、自己融着層13を形成するのが好ましい。大気圧プラズマ処理を行うことによって、絶縁被膜12のぬれ性が向上し、自己融着層13との接着性を向上させることができる。
なお、大気圧プラズマ処理による絶縁被膜12と自己融着層13との接着性を向上させる効果は数時間から数日間で消失してしまう。そのため、製品化され、ある程度の期間が経過した後に絶縁電線10の絶縁被膜12の表面に対して分析機器等で分析し、前記処理を行っているか否かを判断することは不可能であると言える。ただし、当該処理を行っているか否かの目安は次のようにして判断することができる。
例えば、絶縁電線10の端部を電動ワイヤストリッパーなどの工具で絶縁被膜12及び自己融着層13と共に導体11の一部を削り取り、導体11を露出させる(図3参照。なお、図3については後述する。)。そして、露出させた導体11に対して、絶縁被膜12及び自己融着層13が炭化等しない条件で溶接を行った後、絶縁被膜12の浮き剥がれの有無を観察することで確認できる。
この場合、大気圧プラズマ処理を行っていると、絶縁被膜12と自己融着層13との接着性が向上しており、絶縁被膜12は自己融着層13によって被覆されているので、浮き剥がれが(殆ど)生じない。これに対し、大気圧プラズマ処理を行っていない場合は、絶縁被膜12と自己融着層13との接着性が向上していないので、自己融着層13が絶縁被膜12よりも多く収縮してしまう。そのため、絶縁被膜12は被覆されない部分が多くなり、浮き剥がれが生じる。言い換えると、本実施形態においては、このような観察実験を行うことで大気圧プラズマ処理を行っているか否かを判断することができる。
前記したように、自己融着層13は、熱や溶剤などで活性化させることによって自己融着性を示す。つまり、溶接していない絶縁電線10は、自己融着層13が未硬化の(自己融着に使われていない)熱硬化性モノマを含有している。そのため、溶接による熱が導体11を伝わって自己融着層13を加熱すると、その熱によって活性化され、樹脂は硬化収縮する。これに対し、絶縁被膜12は熱硬化性モノマを含有していないので、熱硬化性モノマに起因する樹脂の硬化収縮は発生しない。従って、絶縁被膜12の熱収縮率は、自己融着層13の熱収縮率よりも小さく、絶縁被膜12はあまり収縮しない。なお、本実施形態に係る絶縁電線10の場合、自己融着層13が無機フィラを含有しているので、無機フィラを含有していない自己融着層と比較して硬化収縮は低減されている。さらに、本実施形態に係る絶縁電線10の場合、大気圧プラズマ処理などの絶縁被膜12の表面に自己融着層13の接着強度を高める表面処理を行っていると、絶縁被膜12と自己融着層13との接着性を向上させることができる。そのため、自己融着層13の硬化収縮をより低減できる。
従って、本実施形態に係る絶縁電線10を用いて溶接を行い、回転電機などを製造すると絶縁被膜12及び自己融着層13は、図3及び図4に示すような状態となる。なお、図3は、図示しない工具で絶縁電線10の端部を絶縁被膜12及び自己融着層13と共に導体11の一部を削り取り、導体11を露出させた様子を説明する模式断面図である。図4は、露出させた導体11の端部を溶接に相当する温度で加熱した後の様子を説明する模式断面図である。
まず、図3に示すように、絶縁電線10の端部を電動ワイヤストリッパーなどの工具で絶縁被膜12及び自己融着層13と共に導体11の一部を削り取り、導体11を露出させる。このため、露出部分の導体11の径が細くなっている。また、このとき、絶縁被膜12と自己融着層13の端面は同じ位置Pとなる。
次いで、露出させた導体11に対して溶接を行うと、図4に示すように、その熱によって絶縁被膜12及び自己融着層13が収縮するが、前記したように、絶縁被膜12は熱硬化性モノマを含有していないのであまり収縮しない。また、本実施形態における自己融着層13は無機フィラを含有しているので、無機フィラを含有していない自己融着層よりも収縮を低減できる。さらに、本実施形態における自己融着層13は無機フィラを含有しているので、絶縁性が向上しており、また、熱ダレも抑制できる。
従って、本実施形態に係る絶縁電線10を用いて溶接を行うと、その溶接部は、図4に示すように、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜12自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の差が小さくなる。つまり、本実施形態に係る絶縁電線10は、溶接を行っても、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆できる。なお、無機フィラを含有しない自己融着層の場合、溶接前に絶縁被膜を除去した位置Pから溶接後の自己融着層の端部までの距離W3(図4において破線で示す)は、前記距離W2よりも長くなる。つまり、この場合、溶接を行うと、自己融着層が絶縁被膜を被覆できないため、浮き剥がれが発生したり、絶縁性を維持できなかったりする。
以上に説明したように、本実施形態に係る絶縁電線10を用いて溶接を行うと、絶縁電線10同士又は他の導電部材との溶接による結線箇所において、絶縁被膜12及び自己融着層13があまり収縮しないので、絶縁性を向上できる。また、溶接による熱が導体11を伝わっても、絶縁被膜12は、無機フィラを含有している自己融着層13で被覆されているので、絶縁被膜12の浮き剥がれを防止できる。さらに、絶縁電線10において曲げ加工された箇所がある場合は、絶縁被膜12が、無機フィラを含有する自己融着層13で被覆されているので、当該曲げ加工された箇所の耐圧性や絶縁性を向上できる。
(回転電機)
次に、図5から図8を参照して本実施形態に係る回転電機について説明する。
なお、図5は、本実施形態に係る回転電機20の一態様を説明する分解模式図である。図6は、図5に示す固定子に本実施形態に係る絶縁電線10を巻き付けたコイル22を説明する端面模式図である。図7は、本実施形態に係る回転電機20の他の態様を説明する分解模式図である。図8は、図7に示す固定子に本実施形態に係る絶縁電線10を巻き付けたコイルを説明する端面模式図である。
図5に示すように、本実施形態に係る回転電機20Aは、固定子21と、回転子22Aと、第1のハウジング23と、第2のハウジング24と、を有している。本実施形態に係る回転電機20Aは、固定子21の外側に回転子22Aを有するものであり、一般的にアウターロータ型回転電機などと呼称されている。
前記した絶縁電線10は、図6に示すように、固定子21の磁極ティース部21Aに巻き付けられ、コイル22を形成している。そして、この絶縁電線10は、固定子21の任意の箇所で絶縁電線10同士又は他の導電部材と溶接されている。溶接された箇所は、絶縁被膜12及び自己融着層13と共に導体11が露出しないように図示しない絶縁ワニスで被覆し、硬化させている。なお、絶縁ワニスとしては、例えば、ソマール社製の粉体ワニスF−219を用いることができるが、導体11の露出部分と、絶縁被膜12及び自己癒着層13と、を被覆できるのであればこれに限定されることなくどのような絶縁ワニスも用いることができる。
第1のハウジング23及び第2のハウジング24はそれぞれ、金属(望ましくは非磁性の金属)で有底筒状に形成されている。第1のハウジング23及び第2のハウジング24は、筒の内側に固定子21及び回転子22Aを設け、溶接やねじ、任意の嵌め込み構造などによって結合されている。
回転子22Aは、固定子21の外側に設けられ、磁束を発生させる永久磁石(図示せず)を備えている。回転子22Aは、固定子21の外側において回転可能となるよう、第1のハウジング23及び第2のハウジング24に設けられた軸受によって支持されている。
このような構成の回転電機20Aは、固定子21の外側に回転子22Aを有しているので、大きなトルクが得られ易く、また、一定回転の場合、回転が安定しているという特長を有する。
また、図7に示すように、本実施形態に係る回転電機20Bは、固定子21と、回転子22Bと、第1のハウジング23と、第2のハウジング24と、を有している。本実施形態に係る回転電機20Bは、固定子21の内側に回転子22Bを有するものであり、一般的にインナーロータ型回転電機などと呼称されている。
前記した絶縁電線10は、図8に示すように、固定子21の磁極ティース部21Bに巻き付けられ、コイル22を形成している。そして、この絶縁電線10は、固定子21の任意の箇所で絶縁電線10同士又は他の導電部材と溶接されている。
なお、固定子21、第1のハウジング23及び第2のハウジング24は前記と同様であるので説明を省略する。
回転子22Bは、固定子21の内側に設けられ、磁束を発生させる永久磁石(図示せず)を備えている。回転子22Bは、固定子21の内側において回転可能となるよう、第1のハウジング23及び第2のハウジング24に設けられた軸受によって支持されている。
このような構成の回転電機20Bは、固定子21の内側に回転子22Bを有しているので、応答性が良く、また、コイルが外側になるため放熱性が良いという特長を有する。
以上に説明した本実施形態に係る回転電機20(20A、20B)は、コイル22に本実施形態に係る絶縁電線10を用いているため、絶縁電線10同士又は他の導電部材との溶接による結線箇所において、絶縁被膜12及び自己融着層13があまり収縮しないので、絶縁性を向上することができる。また、溶接による熱が導体11を伝わっても、絶縁被膜12は、無機フィラを含有している自己融着層13で被覆されているので、絶縁被膜12の浮き剥がれを防止できる。さらに、絶縁電線10において曲げ加工された箇所がある場合は、絶縁被膜12が、無機フィラを含有する自己融着層13で被覆されているので、当該曲げ加工された箇所の耐圧性や絶縁性を向上させることができる。
(絶縁電線の製造方法)
次に、図9及び図10を参照して本実施形態に係る絶縁電線の製造方法について説明する。なお、図9は、本実施形態に係る絶縁電線の製造方法を説明するフローチャートである。図10は、本実施形態に係る絶縁電線の製造方法を実施する製造装置の構成を示す模式概略図である。
図9に示すように、本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法は、絶縁被膜形成工程S2と、自己融着層形成工程S4と、を有し、これらの工程をこの順で行う。
図9に示す本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法は、図10に示す一般的な押出成形による絶縁電線10の製造方法に準じて行うことができる。
以下、本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法について詳細に説明する。
(絶縁被膜形成工程)
絶縁被膜形成工程S2は、予め任意の形状に作製した導体11の周囲に、押出成形によって絶縁被膜12を形成する工程である。絶縁被膜形成工程S2で用いられる導体11及び絶縁被膜12については前述したとおりであるので、その説明を省略する。
絶縁被膜形成工程S2は、主に図10に示す第一の混練押出成形機41を用いて行われる。第一の混練押出成形機41は、導体11の形状に応じた口金を有するクロスヘッドダイ42などを備えている。
予め調製された第一の熱可塑性樹脂43は、ペレット化された状態や樹脂組成物の状態で第一の混練押出成形機41のホッパ・投入口44に投入され、シリンダ(図示せず)に供給される。第一の熱可塑性樹脂43は、シリンダ内において溶融状態で混練され、その後、クロスヘッドダイ42に供給される。
なお、第一の熱可塑性樹脂43が樹脂組成物である場合は、ペレットに代えて、樹脂組成物の各組成成分を第一の混練押出成形機41のホッパ・投入口44に投入してもよい。この場合には、各組成成分がシリンダ内において溶融、混練されて樹脂組成物が調製され、クロスヘッドダイ42に供給される。
このクロスヘッドダイ42には、芯線となる線条の導体11が通過している。導体11は、ダイスを通過させることにより所定の線径まで徐々に引き落とす伸線加工によって得られる。導体11は伸線加工を容易とするため、第一の混練押出成形機41の前に設けられた加熱炉30で加熱するのが好ましい。加熱炉30による導体11の加熱温度は、例えば、300℃などとするのが好ましい。導体11の周囲には、クロスヘッドダイ42を通過する際に、溶融した第一の熱可塑性樹脂43の樹脂組成物が被覆され、被膜が形成される。その後、被膜が形成された導体11を結晶化のための電気炉45を通過させた後、水槽(図示せず)などで冷却し、導体11の周囲に絶縁被膜12を形成する。なお、製造方法の説明において、ここまでの工程で製造した、絶縁被膜12を形成した導体11を「被覆電線46」と呼称することがある。
(自己融着層形成工程)
自己融着層形成工程S4は、前記した絶縁被膜形成工程S2で形成した絶縁被膜12の周囲に自己融着層13を形成する工程である。自己融着層形成工程S4で用いられる自己融着層13については前述したとおりであるので、その説明を省略する。
自己融着層形成工程S4は、主に図10に示す第二の混練押出成形機61を用いて行われる。第二の混練押出成形機61は、被覆電線46の形状に応じた口金を有するクロスヘッドダイ62などを備えている。
予め調製された第二の熱可塑性樹脂63は、ペレット化された状態や樹脂組成物の状態で第二の混練押出成形機61のホッパ・投入口64に投入され、シリンダ(図示せず)に供給される。第二の熱可塑性樹脂63は、シリンダ内において溶融状態で混練され、その後、クロスヘッドダイ62に供給される。
なお、第二の熱可塑性樹脂63が樹脂組成物である場合は、ペレットに代えて、樹脂組成物の各組成成分を第二の混練押出成形機61のホッパ・投入口64に投入してもよい。この場合には、各組成成分がシリンダ内において溶融、混練されて樹脂組成物が調製され、クロスヘッドダイ62に供給される。
このクロスヘッドダイ62には、被覆電線46が通過している。被覆電線46は、ダイスを通過させることにより所定の線径まで徐々に引き落とす伸線加工によって得られる。被覆電線46の周囲には、クロスヘッドダイ62を通過する際に、溶融した第二の熱可塑性樹脂63の樹脂組成物が被覆され、被膜が形成される。その後、被膜が形成された被覆電線46を水槽などで冷却し、絶縁被膜12の周囲に自己融着層13が形成された絶縁電線10を製造する。
このようにして製造された絶縁電線10の断面は、図1や図2に示すように、導体11の周囲に第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜12が形成され、さらにこの絶縁被膜12の周囲に自己融着層13が形成されたものとなる。
(製造方法の好ましい態様)
本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法の好ましい態様として、図9に示すように、絶縁被膜形成工程S2の前に導体表面処理工程S1を有することが挙げられる。
また、本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法の好ましい態様として、図9に示すように、絶縁被膜形成工程S2と自己融着層形成工程S4との間に、絶縁被膜表面処理工程S3を有することが挙げられる。
導体表面処理工程S1及び絶縁被膜表面処理工程S3は、いずれか一方のみを行うことができるが、両方行うのが好ましい。
以下、これらの好ましい態様について説明する。
(導体表面処理工程)
導体表面処理工程S1は、導体11の表面に絶縁被膜12の接着強度を高める表面処理を行う工程である。導体表面処理工程S1は、例えば、有機金属化合物を用いて導体11の表面を処理するのが好ましい。このようにすると、無機物である導体11の表面と、有機物である絶縁被膜12の表面と、の間に介在する有機金属化合物が、両者を強固に接着させる役割を果たす。従って、導体11と絶縁被膜12とがより強力に接着するので、溶接による熱が導体11を伝わっても絶縁被膜12がより浮き剥がれし難くなる。このような有機金属化合物としては、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。有機金属化合物としてシランカップリング剤を用いると、導体11と絶縁被膜12とをより確実かつ強力に接着できるので、溶接による熱が導体11を伝わっても絶縁被膜12がさらに浮き剥がれし難くなる。
導体表面処理工程S1は、図10において図示しない薬剤塗布装置により行うことができる。薬剤塗布装置としては、例えば、ディップコーター、ロールコーター、ダイコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
(絶縁被膜表面処理工程)
絶縁被膜表面処理工程S3は、絶縁被膜12の表面に自己融着層13の接着強度を高める表面処理を行う工程である。このような表面処理としては、例えば、絶縁被膜12の表面をオゾンや強酸を用いて酸化させる酸化処理、化学的なカップリング処理、大気圧プラズマ処理、サンドブラスト処理などの物理的粗面化処理などを任意に選択可能である。絶縁被膜表面処理工程S3における表面処理としては、これらの中でも大気圧プラズマ処理を適用するのが好ましい。大気圧プラズマ処理を適用する場合、プラズマ雰囲気は、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガスなどから任意に選択して用いることができる。
絶縁被膜表面処理工程S3は、電気炉45と第二の混練押出成形機61との間(好ましくは、電気炉45の後に配置される水槽(図10において図示せず)と第二の混練押出成形機61との間)に設置された表面処理装置51で行うのが好ましい。なお、図10では、被覆電線46を上下から挟むようにして表面処理装置51を1台ずつ設置し、大気圧プラズマ52を照射しているが、これに限定されるものではなく、被覆電線46と平行に複数の表面処理装置51を設置して大気圧プラズマ52を照射してもよい。また、表面処理装置51は1台でもよいし、3台以上でもよい。表面処理装置51として大気圧プラズマ処理装置を用いる場合、プラズマを照射するノズルの断面形状は円形状や長方形状などとすることができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る絶縁電線10の製造方法は、少なくとも絶縁被膜形成工程S2と自己融着層形成工程S4とをこの順で行うので、本実施形態に係る絶縁電線10を製造することができる。
次に、実施例及び比較例を示して本発明に係る絶縁電線について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた材料は以下のとおりである。
〔材料〕
第一の熱可塑性樹脂:PPS(東レ製、トレリナT1881)
第二の熱可塑性樹脂(1):フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学製、YP−70)
第二の熱可塑性樹脂(2):ポリアミド樹脂(宇部興産製、XPA−9063X)
架橋剤:エポキシ樹脂(三菱化学製、EP−1011)
硬化剤:フェノール系硬化剤(明和化成製、H−4)
硬化触媒:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成製、2PHZ−PW)
無機フィラ:マイカパウダ(ヤマグチマイカ製、A−11)
実施例及び比較例で用いた自己融着層の組成は表1のとおりである。なお、表1に示す数値の単位は質量部である。表1中の「−」は含有していないことを示す。
Figure 2018026249
[実施例1]
実施例1では、第一の熱可塑性樹脂として、トレリナT1881を用い、第二の熱可塑性樹脂には、フェノキシ樹脂であるYP−70を用いた。架橋剤にはEP−1011、硬化剤にはH−4、硬化触媒には2PHZ−PW、無機フィラにはA−11を用いた。また、芯線となる導体には、1.52mm×3.19mmの平角銅線(単線)を用いた。
本実施例に係る絶縁電線は次のようにして製造した。
まず、PPSを投入した混練押出成形機のクロスヘッドに、加熱炉で300℃に予備加熱した導体を通過させ、導体の周囲にPPS製の絶縁被膜を形成した。この際、押出成形機のシリンダ供給速度と導体の送り速度を調整し、絶縁被膜の膜厚が、おおよそ100μm以上となるように設定した。この後、絶縁被膜の結晶化を促すため空冷にて約130℃まで冷却し、130℃に設定した電気炉内を通過させた。
次に、絶縁被膜を形成した電線の表面(つまり、絶縁被膜の表面)に、絶縁被膜表面処理である大気圧プラズマ処理を施した。大気圧プラズマ処理は、プラズマトリート社製大気圧プラズマ表面処理装置(FG5001)を用いて行った。処理は、当該装置に接続された一対のプラズマ照射ノズルを、絶縁被膜を形成した電線に対して相対するように設置し、平角である当該電線の二つの広い面が直接プラズマに暴露されるようにして行った。プラズマ雰囲気は窒素ガスを用いた。
次に、表1の実施例1に係る組成で第二の熱可塑性樹脂(1)を含む樹脂組成物を調製し、二軸混練機にて混練してペレット化した。そして、得られたペレットを混練押出成形機に投入すると共に、クロスヘッドに前記大気圧プラズマ処理を行った電線を通過させて絶縁被膜の周囲に自己融着層を形成した。この際、混練押出成形機のシリンダ供給速度を調整し、自己融着層の膜厚がおおよそ50μm以下となるように設定した。
得られた電線を、水槽を通過させて冷却し、絶縁電線を得た。このようにして得られた絶縁電線におけるPPS製の絶縁被膜の膜厚は約110μmであり、フェノキシ樹脂製の自己融着層の膜厚は約40μmであった。
続いて、得られた絶縁電線を用いて、コイル加工の際の溶接を模擬した以下の手順により、絶縁被膜及び自己融着層の密着性について性能を確認した。
得られた絶縁電線を10cm程度に裁断し、電動ワイヤストリッパーを用いて、図3に示すように、絶縁電線10の端部の一方を約1cm程度、絶縁被膜12と自己融着層13を削り取り、導体11を露出させた。なお、ワイヤストリッパーは任意のものを用いることができるが、本実施例ではワイヤブラシホイールが回転することで絶縁被膜12及び自己融着層13を剥離する電動ワイヤストリッパーを用いた。ここで、導体11の表面に、絶縁被膜12や自己融着層13が残渣として残っていると、溶接後に再度絶縁材料で封止するときに接着不良の原因となるため、導体11を少量削り取るようにして絶縁被膜12を剥離した。このため、図3のように、絶縁被膜12及び自己融着層13が導体11に被覆されている部分(未剥離の部分)と、剥離部分14とでは、導体11の厚さが異なる。なお、剥離部分14の導体11の表面には、絶縁被膜12及び自己融着層13を剥離する際の研磨でできた傷が目視で確認できた。
続いて、図11に示すように、端部の導体11を露出した絶縁電線10、10を重ね合わせ、露出した端部の導体11をタングステン−不活性ガス溶接にて溶接した。本実施例では、パルス溶接により、絶縁被膜12及び自己融着層13への加熱がないように注意しつつ溶接し、溶接部分15の強度が出るように溶融した。
なお、図11に示す状態で溶接する際に加熱し過ぎると、絶縁被膜12及び自己融着層13が炭化により黒変したり、変色したりする。このような溶接条件では、溶接後、導体11の露出部分に熱硬化性の絶縁ワニスを塗布する際に、導体11、絶縁被膜12及び自己融着層13が絶縁ワニスと接着し難くなってしまう。そのため、溶接時の電流と周波数を調整し、最適な条件で溶接した。つまり、絶縁被膜12及び自己融着層13が炭化により黒変したり、変色したりしないような条件で溶接した。
このようにして溶接した絶縁電線10について、導体11と絶縁被膜12と自己融着層13との境界部分の状態を観察した。この結果、絶縁被膜12及び自己融着層13は、溶融時の熱によって若干収縮していることが確認されたが(図4参照)、導体11からの絶縁被膜12の剥離(浮き剥がれ)、及び絶縁被膜12からの自己融着層13の剥離(浮き剥がれ)は認められなかった。
また、実施例1に係る絶縁電線10について、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の距離を測定した(図4参照)。測定は、両側面と上面・下面それぞれで測定し、その平均とした。この結果、W1<W2であることが確認された。
これは、自己融着層13の熱収縮率の方が、絶縁被膜12の熱収縮率よりも大きいことを示している。その理由としては、自己融着層13は熱硬化性成分である硬化剤及び架橋剤が含まれるため、溶接時の熱により硬化収縮が発生することが挙げられる。しかしながら、本実施例では、自己融着層13が無機フィラを含有しているため、無機フィラを含有していない自己融着層と比較すると硬化収縮する距離は短いと考えられる。また、本実施例では、絶縁被膜12の表面を大気圧プラズマ処理しており、絶縁被膜12と自己融着層13との密着性が向上しているため、大気圧プラズマ処理していない自己融着層と比較すると硬化収縮する距離は短いと考えられる。
なお、溶接によって導体11が露出した距離W1の方が、溶接によって絶縁被膜12が露出した距離W4よりも長かった(W1>W4)。従って、実施例1に係る絶縁電線10は、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆するという観点から好ましい態様であることが確認された。
そして、図12に示すように、導体11(図12において図示せず)が露出した溶接部分に熱硬化性の絶縁ワニス16を塗布して硬化させた。本実施例では、絶縁ワニス16としてソマール社製の粉体ワニスF−219を用いた。
硬化させた絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13(いずれも図12において図示せず)と、の密着性を図示しないカッターによる引き剥がしで評価した。その結果、絶縁ワニス16は粉砕し、一部の絶縁ワニス16は絶縁被膜12及び自己融着層13に強固に接着して残存した。つまり、実施例1に係る絶縁電線10は、絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13と、が強固に密着できることが確認された。自己融着層13に用いられたフェノキシ樹脂は、分子構造中に極性のある水酸基を有していることから、フェノキシ樹脂は分子間の相互作用が強く、結果としてこれが密着性向上に寄与したものと推定される。
以上に説明したように、実施例1に係る絶縁電線10は、回転電機製造の際に実施される溶接工程及びその後の導体11の露出部の絶縁封止処理において、絶縁被膜12及び自己融着層13の接着性が良好であることが確認できた。つまり、本実施例に係る絶縁電線10は、溶接による熱が導体11を伝わっても絶縁被膜12が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できることが確認できた。
[実施例2]
第二の熱可塑性樹脂(1)に替えて第二の熱可塑性樹脂(2)を用いた以外(表1など参照)、実施例1と同様にして実施例2に係る絶縁電線10を製造した。
そして、実施例2に係る絶縁電線10を用いて実施例1と同様にコイル加工の際の溶接を模擬し、絶縁被膜12及び自己融着層13の密着性について性能を確認した。
その結果、実施例2に係る絶縁電線10の絶縁被膜12及び自己融着層13は、溶融時の熱によって若干収縮していることが確認されたが(図4参照)、導体11からの絶縁被膜12の剥離(浮き剥がれ)、及び絶縁被膜12からの自己融着層13の剥離(浮き剥がれ)は認められなかった。
また、実施例2に係る絶縁電線10について、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の距離を測定した(図4参照)。測定は、前記同様、両側面と上面・下面それぞれで測定し、その平均とした。この結果、実施例2に係る絶縁電線10は、実施例1に係る絶縁電線10と同様にW1<W2であることが確認された。
また、溶接によって導体11が露出した距離W1の方が、溶接によって絶縁被膜12が露出した距離W4よりも長かった(W1>W4)。従って、実施例2に係る絶縁電線10は、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆するという観点から好ましい態様であることが確認された。
この後、実施例1と同様、導体11が露出した溶接部分に絶縁ワニス16を塗布して硬化させた(図12参照)。
硬化させた絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13(いずれも図12において図示せず)と、の密着性を図示しないカッターによる引き剥がしで評価した。その結果、絶縁ワニス16は粉砕し、一部の絶縁ワニス16は絶縁被膜12及び自己融着層13に強固に接着して残存した。つまり、実施例2に係る絶縁電線10は、実施例1に係る絶縁電線10と同様、絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13と、が強固に密着できることが確認された。
以上に説明したように、実施例2に係る絶縁電線10は、回転電機製造の際に実施される溶接工程及びその後の導体11の露出部の絶縁封止処理において、絶縁被膜12及び自己融着層13の接着性が良好であることが確認できた。つまり、本実施例に係る絶縁電線10は、溶接による熱が導体11を伝わっても絶縁被膜12が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できることが確認できた。
[実施例3]
第二の熱可塑性樹脂(1)及び第二の熱可塑性樹脂(2)をそれぞれ所定量用いた以外(表1など参照)、実施例1と同様にして実施例3に係る絶縁電線10を製造した。
そして、実施例3に係る絶縁電線10を用いて実施例1と同様にコイル加工の際の溶接を模擬し、絶縁被膜12及び自己融着層13の密着性について性能を確認した。
その結果、実施例3に係る絶縁電線10の絶縁被膜12及び自己融着層13は、溶融時の熱によって若干収縮していることが確認されたが(図4参照)、導体11からの絶縁被膜12の剥離(浮き剥がれ)、及び絶縁被膜12からの自己融着層13の剥離(浮き剥がれ)は認められなかった。
また、実施例3に係る絶縁電線10について、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜を除去した位置から溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の距離を測定した(図4参照)。測定は、前記同様、両側面と上面・下面それぞれで測定し、その平均とした。この結果、実施例3に係る絶縁電線10は、実施例1に係る絶縁電線10と同様にW1<W2であることが確認された。
なお、溶接によって導体11が露出した距離W1の方が、溶接によって絶縁被膜12が露出した距離W4よりも長かった(W1>W4)。従って、実施例3に係る絶縁電線10は、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆するという観点から好ましい態様であることが確認された。
この後、実施例1と同様、導体11が露出した溶接部分に絶縁ワニス16を塗布して硬化させた(図12参照)。
硬化させた絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13(いずれも図12において図示せず)と、の密着性を図示しないカッターによる引き剥がしで評価した。その結果、絶縁ワニス16は粉砕し、一部の絶縁ワニス16は絶縁被膜12及び自己融着層13に強固に接着して残存した。つまり、実施例3に係る絶縁電線10は、実施例1、2に係る絶縁電線10と同様、絶縁ワニス16と、絶縁被膜12及び自己融着層13と、が強固に密着できることが確認された。
また、実施例3に係る絶縁電線10(長さ約60cm)を用いて、エッジワイズ加工によりU字形状とした。このとき、2.0mmφのピンを用い、180度曲げとした。このU字形状の絶縁電線10の屈曲部にアルミ箔を巻きつけ、電極を設置した。さらにU字形状の絶縁電線10の端部の一方にも電極を設置し、絶縁破壊電圧(BDV)を測定した。この結果、絶縁電線10の屈曲部のBDVは、曲げ加工前に比べて12%低下したが、10kV以上あることが確認された。さらに、サンプル毎のバラツキは小さく、絶縁性が良好であることが確認された。
以上に説明したように、実施例3に係る絶縁電線10は、回転電機製造の際に実施される溶接工程及びその後の導体11の露出部の絶縁封止処理において、絶縁被膜12及び自己融着層13の接着性が良好であることが確認された。つまり、本実施例に係る絶縁電線10は、溶接による熱が導体11を伝わっても絶縁被膜12が浮き剥がれせず、また、絶縁性を維持できることが確認された。また、実施例3に係る絶縁電線10は、屈曲部における絶縁性が良好であることが確認された。実施例3に係る絶縁電線10の屈曲部における絶縁性が良好であるのは、自己融着層13が無機フィラを含有していることによるものであると考えられることから、実施例1、2に係る絶縁電線10においても同様に屈曲部における絶縁性が良好であると推測される。
[比較例1]
第二の熱可塑性樹脂(1)に架橋剤、硬化剤、硬化触媒、無機フィラを含有させず、また、大気圧プラズマ処理を行わなかった以外(表1など参照)、実施例1と同様にして比較例1に係る絶縁電線を製造した。
そして、比較例1に係る絶縁電線を用いて実施例1と同様にコイル加工の際の溶接を模擬し、絶縁被膜及び自己融着層の密着性について性能を確認した。
その結果、比較例1に係る絶縁電線の絶縁被膜及び自己融着層は、実施例1〜3と同様、溶融時の熱によって収縮していることが確認されたが(図4参照)、導体からの絶縁被膜の剥離(浮き剥がれ)、及び絶縁被膜からの自己融着層の剥離(浮き剥がれ)は認められなかった。しかしながら、比較例1に係る絶縁電線の自己融着層は、端部近傍において破れている箇所が認められ、絶縁被膜への被覆性(密着性)が悪いことが確認された。
比較例1に係る絶縁電線の自己融着層が破れた理由としては、自己融着層が破れた理由として、自己融着層が無機フィラを含有していなかったため、被膜の強度が低かったことが挙げられる。また、絶縁被膜表面処理である大気圧プラズマ処理を行っていないため、絶縁被膜と自己融着層との密着性が低いことが挙げられる。
また、比較例1に係る絶縁電線について、図4に示すように、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の距離を測定した。測定は、両側面と上面・下面それぞれで測定し、その平均とした。この結果、比較例1に係る絶縁電線は、実施例1に係る絶縁電線10と同様にW1<W2であることが確認されたが、実施例1〜3と比較して距離W2の長さが長くなっており、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆していない箇所が多くなった。これは、自己融着層13が無機フィラを含有していなかったためと考えられる。また、絶縁被膜12の表面を大気圧プラズマ処理していなかったことも影響していると考えられる。
なお、溶接によって導体11が露出した距離W1と、溶接によって絶縁被膜12が露出した距離W4とは、ほぼ同じ長さであった(W1≒W4)。従って、比較例1に係る絶縁電線は、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆するという観点からあまり好ましくない態様であることが確認された。
また、この後、実施例1と同様、導体が露出した溶接部分に熱硬化性の絶縁ワニス16を塗布して硬化させた(図12参照)。
そして、硬化させた絶縁ワニス16と、絶縁電線10の絶縁被膜及び自己融着層(いずれも図12において図示せず)と、の密着性をカッターによる引き剥がしで評価した。その結果、絶縁ワニス16は粉砕し、一部の絶縁ワニス16は絶縁被膜及び自己融着層に若干残存した。しかし、この若干残存した絶縁ワニス16も容易に剥離した。これは、自己融着層が無機フィラを含んでいなかったため、溶接による熱が伝わって硬化収縮し、絶縁被膜が多く露出したことが主因であると考えられる。すなわち、絶縁被膜と絶縁ワニスとの密着性はそれほど良好ではないので、絶縁被膜と絶縁ワニスと接着面が増えることによって絶縁ワニスと絶縁被膜及び自己融着層とが容易に剥離したものと考えられる。また、絶縁被膜の表面を大気圧プラズマ処理していなかったため、自己融着層とPPSを用いた絶縁被膜との接着性が良好でなかったことも一因であると考えられる。すなわち、フェノキシ樹脂を用いた自己融着層と絶縁ワニスの接着性が良好であるのに対し、前記したように、自己融着層と絶縁被膜の表面を大気圧プラズマ処理していない絶縁被膜との接着性が良好でなかったため、絶縁ワニスが自己融着層ごと絶縁被膜から剥離することになったと考えられる。
さらに、実施例3と同様に、長さ約60cmの絶縁電線を用いて、エッジワイズ加工によりU字形状とした。このとき、2.0mmφのピンを用い、180度曲げとした。このU字形状の絶縁電線の屈曲部にアルミ箔を巻きつけ、電極を設置した。さらに、U字形状の絶縁電線の端部の一方にも電極を設置し、BDVを測定した。この結果、絶縁電線の屈曲部のBDVは10kV未満であり、サンプル毎のバラツキが大きく、絶縁性が良好でないことが確認された。
以上に説明したように、比較例1に係る絶縁電線は、回転電機製造の際に実施される溶接工程及びその後の導体露出部の絶縁封止処理において、絶縁被膜及び自己融着層の接着性に問題があることが確認された。また、比較例1に係る絶縁電線は絶縁性が良好でないことが確認された。
[比較例2]
第二の熱可塑性樹脂(1)に無機フィラを含有させず、また、大気圧プラズマ処理を行わなかった以外(表1など参照)、実施例1と同様にして比較例2に係る絶縁電線を製造した。
そして、比較例2に係る絶縁電線を用いて実施例1と同様にコイル加工の際の溶接を模擬し、絶縁被膜及び自己融着層の密着性について性能を確認した。
その結果、比較例2に係る絶縁電線の絶縁被膜及び自己融着層は、実施例1〜3と同様、溶融時の熱によって収縮していることが確認されたが(図4参照)、導体からの絶縁被膜の剥離(浮き剥がれ)、及び絶縁被膜からの自己融着層の剥離(浮き剥がれ)は認められなかった。
また、比較例2に係る絶縁電線について、図4に示すように、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の絶縁被膜12の端部までの距離(導体11が露出した距離)W1と、溶接前に絶縁被膜12及び自己融着層13を除去した位置Pから溶接後の自己融着層13の端部までの距離W2と、の距離を測定した。測定は、両側面と上面・下面それぞれで測定し、その平均とした。この結果、比較例2に係る絶縁電線は、実施例1に係る絶縁電線10と同様にW1<W2であることが確認されたが、実施例1〜3及び比較例1と比較して距離W2の長さがより長くなっており、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆していない箇所がより多くなった。これは、自己融着層13が架橋剤(熱硬化性樹脂、熱硬化性モノマ)を含有しており硬化収縮が発生し易いものであるのに対し、無機フィラを含有していなかったためと考えられる。また、絶縁被膜12の表面を大気圧プラズマ処理していなかったことも影響していると考えられる。
なお、溶接によって導体11が露出した距離W1よりも、溶接によって絶縁被膜12が露出した距離W4の方が長くなった(W1<W4)。
従って、比較例2に係る絶縁電線は、自己融着層13が絶縁被膜12を被覆するという観点からあまり好ましくない態様であることが確認された。
また、この後、実施例1と同様、導体が露出した溶接部分に熱硬化性の絶縁ワニス16を塗布して硬化させた(図12参照)。
そして、硬化させた絶縁ワニス16と、絶縁電線10の絶縁被膜及び自己融着層(いずれも図12において図示せず)と、の密着性をカッターによる引き剥がしで評価した。その結果、絶縁ワニス16は粉砕し、一部の絶縁ワニス16は絶縁被膜及び自己融着層に若干残存した。しかし、この若干残存した絶縁ワニス16も容易に剥離した。これは、比較例1と同様の理由によるものと考えられる。
さらに、実施例3と同様に、長さ約60cmの絶縁電線を用いて、エッジワイズ加工によりU字形状とした。このとき、2.0mmφのピンを用い、180度曲げとした。このU字形状の絶縁電線の屈曲部にアルミ箔を巻きつけ、電極を設置した。さらに、U字形状の絶縁電線の端部の一方にも電極を設置し、BDVを測定した。この結果、絶縁電線の屈曲部のBDVは10kV未満であり、サンプル毎のバラツキが大きく、絶縁性が良好でないことが確認された。
以上に説明したように、比較例2に係る絶縁電線は、回転電機製造の際に実施される溶接工程及びその後の導体露出部の絶縁封止処理において、絶縁被膜及び自己融着層の接着性に問題があることが確認された。また、比較例2に係る絶縁電線は、屈曲部における絶縁性が良好でないことが確認された。
以上、本発明に係る絶縁電線、回転電機及び絶縁電線の製造方法について実施形態および実施例により詳細に説明したが、本発明は前記した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態及び実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態や実施例の構成の一部を他の実施形態や実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態や実施例の構成に他の実施形態や実施例の構成を加えることも可能である。また、それぞれの実施形態や実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10 絶縁電線
11 導体
12 絶縁被膜
13 自己融着層
20、20A、20B 回転電機
21 固定子
22A、22B 回転子
22 コイル

Claims (12)

  1. 任意の形状の導体と、
    前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、
    前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、
    前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、
    前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している
    ことを特徴とする絶縁電線。
  2. 請求項1において、
    前記第二の熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂及びポリアミド樹脂のうちの少なくとも一方を含有していることを特徴とする絶縁電線。
  3. 請求項1において、
    前記無機フィラが板状及び鱗片状のうちの少なくとも一方の形状を呈することを特徴とする絶縁電線。
  4. 請求項1において、
    前記絶縁被膜の熱収縮率が、前記自己融着層の熱収縮率よりも小さいことを特徴とする絶縁電線。
  5. 任意の形状の導体と、前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している絶縁電線と、
    前記絶縁電線を巻き付けた回転子又は固定子と、
    を備えていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項5において、
    前記絶縁電線同士又は前記絶縁電線とその他の導電部材との溶接部において、
    溶接前に前記絶縁被膜及び前記自己融着層を除去した位置から溶接後の前記絶縁被膜の端部までの距離W1が、溶接前に前記絶縁被膜及び前記自己融着層を除去した位置から溶接後の前記自己融着層の端部までの距離W2よりも小さいことを特徴とする回転電機。
  7. 任意の形状の導体と、前記導体の周囲に形成された、第一の熱可塑性樹脂製の絶縁被膜と、前記絶縁被膜の周囲に形成され、自己融着性を有しており、第二の熱可塑性樹脂製の自己融着層と、を備え、前記第一の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのうちの少なくとも一方を含有しており、前記第二の熱可塑性樹脂が、熱硬化性樹脂と、無機フィラと、を含有している絶縁電線を製造する絶縁電線の製造方法であり、
    予め任意の形状に作製した前記導体の周囲に、押出成形によって前記絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    前記絶縁被膜の周囲に前記自己融着層を形成する自己融着層形成工程と、
    を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記絶縁被膜形成工程の前に、
    前記導体の表面に前記絶縁被膜の接着強度を高める表面処理を行う導体表面処理工程を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  9. 請求項8において、
    前記絶縁被膜の接着強度を高める表面処理が、有機金属化合物を用いるものであることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  10. 請求項9において、
    前記有機金属化合物がシランカップリング剤であることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  11. 請求項7において、
    前記絶縁被膜形成工程と前記自己融着層形成工程との間に、
    前記絶縁被膜の表面に前記自己融着層の接着強度を高める表面処理を行う絶縁被膜表面処理工程を有することを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  12. 請求項11において、
    前記自己融着層の接着強度を高める表面処理が、大気圧プラズマ処理、酸化処理、カップリング処理及びサンドブラスト処理のうちの少なくとも1つであることを特徴と絶縁電線の製造方法。
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