JP2018025025A - 排水設備用蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水設備の微小な圧力調整が可能であると共に、排水設備の点検口から多くの排水を排出可能な排水設備用蓋を提供する。【解決手段】蓋10は、排水設備の点検口11に固定される蓋枠12と、排気孔13bが形成され、蓋枠12に載置されることにより蓋枠12に着脱自在に装着される蓋本体15と、排気孔13bを開閉自在に覆うように蓋本体15に載置された排気弁14と、を備える。蓋本体15は、排気孔13bが形成された本体部13と、本体部13が蓋枠12から浮上したときに蓋枠12と係合することによって蓋本体15の飛散を防止するストッパ16と、を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、排水設備に取り付けられる排水設備用蓋に関する。
従来から、例えば、ます、マンホール、雨水貯留槽などの排水設備に、圧力開放機能を有する蓋を設けることが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。圧力開放機能を有する蓋を設けることにより、排水設備の内部圧力が高くなったときに、当該蓋の一部または全部が開くことによって圧力を開放することができる。これにより、排水設備の内部圧力が高くなることを防ぐことができ、内部圧力を所定圧力以下に調整することができる。そのため、逆流の発生や排水設備の破損等を未然に防止することができる。
特許文献1には、圧力開放機能を有するマンホールの蓋が記載されている。この蓋は、中心部に排気孔が形成された蓋本体と、排気孔に取り付けられた排気弁とを有している。特許文献1に記載された蓋では、マンホールの内部圧力が高くなるとその内部圧力によって排気弁が上方に押し上げられ、排気孔が開放される。
特許文献2には、貯留槽の点検口に設けられた蓋が記載されている。この蓋は、点検口に固定された蓋枠と、蓋枠に嵌め込まれた蓋本体とを備えている。蓋本体は、貯留槽の内部圧力が高くなると、その内部圧力によって上方に押し上げられ、蓋枠から浮き上がるように構成されている。特許文献2に記載された蓋では、貯留槽の内部圧力が高くなると、蓋本体が蓋枠から浮上することにより、点検口が開放される。
実公昭59−34617号公報 特許第5513021号公報
ところで、近年、局所的に激しい雨が降ること、すなわち集中豪雨が問題となっている。集中豪雨時には、一時的に大量の雨水が排水設備内を流れるため、意図しない箇所から雨水が漏れたり、排水設備に破損が生じないよう、雨水の一部を点検口から強制排出しなければならない場合がある。このような場合、圧力開放機能を有する蓋によれば、圧力を開放する動作と同様にして、雨水を外部に排出することができる。
しかし、特許文献1に記載された蓋では、排気孔は蓋の中心部のみに形成されており、排気孔の開口面積が小さい。開放されるのは蓋本体の一部のみである。そのため、集中豪雨時に雨水を排出しなければならない場合に、排出できる雨水の量が少ないという課題がある。
特許文献2に記載された蓋では、点検口が開放されるので、集中豪雨時に多くの雨水を排出することができる。しかし、集中豪雨時以外のときに内部圧力を開放する場合にも、点検口の全体を開放するために蓋本体の全体を浮上させなければならない。そのため、内部圧力が相当高くならなければ内部圧力を開放することができず、微小な圧力調整ができないという課題がある。なお、上述の課題は、集中豪雨時の雨水設備に限らず、点検口から水を強制的に排出すべき場合が生じ得る他の排水設備においても、同様に生じる課題である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、排水設備の微小な圧力調整が可能であると共に、排水設備の点検口から多くの排水を排出可能な排水設備用蓋を提供することである。
本発明に係る排水設備用蓋は、排水設備の点検口に固定される蓋枠と、排気孔が形成され、前記蓋枠に載置されることにより前記蓋枠に着脱自在に装着される蓋本体と、前記排気孔を開閉自在に覆うように前記蓋本体に載置された排気弁と、を備える。前記蓋本体は、前記排気孔が形成された本体部と、前記本体部が前記蓋枠から浮上したときに前記蓋枠と係合することによって前記蓋本体の飛散を防止するストッパと、を有している。
上記排水設備用蓋によれば、排水設備の内部圧力が高まると、蓋本体に載置された排気弁がその内部圧力によって上方に持ち上げられる。これにより、蓋本体の排気孔が開かれ、排水設備の内部圧力が高くなることが防止される。内部圧力を開放する際に蓋本体の全体を浮上させる必要がないので、微小な圧力調整が可能である。一方、例えば集中豪雨時に雨水の一部が点検口まで上昇すると、蓋枠に載置された蓋本体がその雨水によって上方に持ち上げられる。これにより、点検口(厳密には蓋枠の開口)が開かれ、雨水を点検口から排出することができる。よって、排気孔からだけでは排出しきれない程の多くの雨水を排出することができる。なお、蓋本体が浮上することによって点検口が開放されるが、ストッパが蓋枠と係合することにより、蓋本体の飛散が防止される。雨水を排出し終わったときに、蓋本体は自重により下降し、点検口は閉じられる。以上のように、上記排水設備用蓋によれば、排水設備の微小な圧力調整が可能であると共に、点検口から多くの排水を排出することができる。
本発明の好ましい一態様によれば、前記排気弁の重量は、前記蓋本体の重量よりも小さい。
上記態様によれば、排気弁は蓋本体よりも浮上しやすいので、排水設備の微小な圧力調整を行うことができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記蓋本体の平面視面積は、前記排気弁の平面視面積よりも大きい。
上記態様によれば、排水により蓋本体が持ち上げられたときに、より多くの排水を排出することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記排気弁は、平面視において円形に形成された弁体部を有している。前記蓋本体の前記本体部は、平面視において前記弁体部の周囲を囲む環状部を有している。なお、「円形に形成された」における「円形」とは、真円に限らず、長円等も含まれる。また、「円形に形成された」は、実質的に円形に形成されていれば足り、例えば、外周縁に凹凸が設けられていてもよい。
例えば集中豪雨時に点検口から雨水を排出する際には、まず、排気弁が浮上し、その後に、排気弁が浮上した状態のまま蓋本体が浮上することになる。上記態様によれば、排気弁および蓋本体は、偏りのない均等な重量バランスを有している。そのため、排気弁が浮上した状態のまま蓋本体が浮上するときに、蓋本体が傾きにくい。よって、蓋本体が真っ直ぐ浮上しやすいので、排水を良好に排出することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記蓋本体の前記本体部のうち前記環状部の径方向内側の部分は、下方に凹んだ凹部を有している。前記排気弁の前記弁体部は、前記凹部に嵌合するように構成されている。前記弁体部が前記凹部に嵌合しているときに、前記蓋本体の上面と前記排気弁の上面とが実質的に面一になるように構成されている。
上記態様によれば、蓋本体の上面を地面と面一に配置することにより、排気弁が凹部に嵌合しているときの排気弁、蓋本体、および地面を面一に配置することができる。すなわち、排気弁が閉じているときの蓋および地面を面一に配置することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記蓋本体の前記本体部は、前記環状部よりも径方向の内側に配置された筒状部と、前記筒状部と前記環状部とをつなぐ架け渡し部とを有している。前記排気孔は、前記筒状部と前記環状部と前記架け渡し部とにより仕切られている。前記排気弁は、前記弁体部から下方に延びかつ前記筒状部にスライド可能に挿通された軸部と、前記軸部における前記筒状部よりも下方の部分に固定され、浮上したときに前記筒状部の下端と当接する弁ストッパと、を有している。
上記態様によれば、排水設備の微小な圧力調整が可能であると共に、点検口から多くの排水を排出可能な排水設備用蓋の好適な一形態を得ることができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記蓋枠は、筒状部と、前記筒状部から径方向内側に突出する被係合部とを有している。前記ストッパは、前記本体部から下方に延びる縦部と、前記被係合部よりも下方にて前記縦部から径方向外側に突出し、前記蓋本体が前記蓋枠から浮上したときに前記被係合部と係合する係合部とを有している。
上記態様によれば、蓋本体が排水によって持ち上げられたときに、ストッパの係合部が蓋枠の被係合部に係合することにより、蓋本体の飛散を防止することができる。
本発明によれば、排水設備の微小な圧力調整が可能であると共に、排水設備の点検口から多くの排水を排出可能な排水設備用蓋を提供することができる。
雨水設備の側面図である。 雨水設備の平面図である。 蓋および点検筒の断面図である。 蓋本体の本体部の平面図である。 蓋の側面図である。 蓋の裏面図である。 蓋の平面図である。 排気弁が開いているときの蓋および点検筒の断面図である。 排気弁および蓋本体が開いているときの蓋および点検筒の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態について説明する。図1は雨水設備1の側面図、図2は雨水設備1の平面図である。本実施形態に係る雨水設備1は、地中に埋設されたものである。ただし、雨水設備1は地中に埋設されたものに限らず、その一部または全部が地上に設置されていてもよい。
雨水設備1は、第1配管21と、第1配管21に接続されたます20と、ます20に接続された第2配管4と、第2配管4に接続された雨水貯留槽3と、雨水貯留槽3に接続された第3配管6とを備えている。第3配管6は側溝60に接続されている。雨水貯留槽3は、槽本体2および点検筒5を有している。第1配管21は、ます20に向けて雨水を導く配管である。第2配管4は、ます20から排出される雨水を雨水貯留槽3に導く配管である。第3配管6は、雨水貯留槽3から側溝60に向けて雨水を導く配管である。
ます20の上部には点検口11が形成されている。雨水貯留槽3の点検筒5の上部にも点検口11が形成されている。点検口11は上向きに開口している。ます20の点検口11および雨水貯留槽3の点検筒5の点検口11には、本実施形態に係る雨水設備用蓋(以下、単に蓋という)10が設けられている。なお、蓋10は、ます20の点検口11および雨水貯留槽3の点検筒5の点検口11のいずれか一方のみに設けられ、他方には圧力開放機能を有さない蓋が設けられていてもよい。
次に、蓋10の詳細について説明する。ここでは、雨水貯留槽3の点検筒5の点検口11に設けられた蓋10について説明する。図3に示すように、蓋10は、点検口11に固定される蓋枠12と、蓋枠12に載置されることにより蓋枠12に着脱自在に装着される蓋本体15と、蓋本体15に載置された排気弁14とを備えている。
蓋本体15は、本体部13およびストッパ16を有している。ここでは、本体部13とストッパ16とは別体であり、ストッパ16は本体部13に取り付けられている。ただし、本体部13およびストッパ16は別体に限らず、一体物であってもよい。蓋本体15は、シール材17を介して蓋枠12に嵌合されているが、蓋枠12の上に載せられているだけであり、接着等によって固定されている訳ではない。
図4は本体部13の平面図である。本体部13は、平面視において環状に形成された環状部13Aと、環状部13Aよりも径方向の内側に配置された筒状部13Bと、筒状部13Bと環状部13Aとをつなぐ架け渡し部13Cとを有している。架け渡し部13Cは、径方向に延びる棒状に形成されている。架け渡し部13Cの本数は特に限定されないが、複数であることが好ましい。ここでは、架け渡し部13Cは4本設けられている。
環状部13Aには、ストッパ16が嵌め込まれる孔13aが形成されている。ここでは、環状部13Aに2つの孔13aが形成されている。2つの孔13aは、本体部13の中心C(なお、本体部13の中心は、排気弁14の中心でもあり、蓋10の中心でもある。)に対して、点対称の位置に配置されている。ただし、孔13aの配置は特に限定されない。また、孔13aの数はストッパ16の本数と同数であればよく、2つに限定されない。孔13aの数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。
環状部13Aの内側には、排気孔13bが形成されている。ここでは、4つの排気孔13bが形成されている。ただし、排気孔13bの数は4に限定されない。排気孔13bの数は1〜3であってもよく、5以上であってもよい。排気孔13bは、環状部13Aと筒状部13Bと架け渡し部13Cとによって仕切られている。筒状部13Bには、挿通孔13cが形成されている。
図3に示すように、環状部13Aの中心部には、排気弁14が嵌め込まれる凹部13dが形成されている。すなわち、本体部13のうち環状部13Aの径方向内側の部分は、凹部13dを有している。排気弁14が凹部13dに嵌め込まれることにより、排気弁14の上面と蓋本体15の上面と地面とが実質的に面一となる。凹部13dの周縁には、中心側に行くにつれて下方へ向かうように傾斜した傾斜面13eが形成されている。環状部13Aの外周面には、シール材17が取り付けられている。
ストッパ16は、環状部13Aの孔13aに嵌め込まれた頭部16Aと、頭部16Aの下方に位置する軸部16Bとを有している。頭部16Aの外周面には、シール材18が取り付けられている。軸部16Bは、頭部16Aから下方に延びる縦部16aと、縦部16aから径方向の外側に延びる係合部16bとを有している。
蓋枠12は点検筒5に固定されている。蓋枠12は、例えば点検筒5に接着されていてもよい。蓋枠12は、点検筒5に接着された接着部を有していてもよい。蓋枠12を点検筒5に固定する構成は何ら限定されない。蓋枠12は、蓋本体13を支持する支持部12aを有している。ここでは支持部12aは、蓋本体13の外周部の下面を支持する平坦面によって構成されている。
蓋枠12は、筒状部12bと、筒状部12bから径方向内側に突出する被係合部12cとを有している。ここでは被係合部12cは、リング状に形成されている。ストッパ16の係合部16bの径方向の外端は、蓋枠12の被係合部12cの径方向の内端よりも、径方向の外側に位置している。平面視において、被係合部12cと係合部16bとは部分的に重なっている。図5は蓋10の側面図、図6は蓋10の裏面図である。図6に示すように、下方から見て、被係合部12cと係合部16bとは部分的に重なっている。そのため、蓋本体15が上方に移動すると、ストッパ16の係合部16bと蓋枠12の被係合部12cとが当接し、蓋本体15の上方への移動が規制される。
図3に示すように、排気弁14は、排気孔13bの上方に位置する弁体部14Aと、弁体部14Aから下方に延びる軸部14Bと、軸部14Bの下端部に固定された弁ストッパ14Cとを有している。軸部14Bは、蓋本体13の筒状部13Bの挿通孔13cにスライド可能に挿通されている。
図7に示すように平面視において、弁体部14Aは円形に形成されている。平面視において、弁体部14Aの周囲は蓋本体15の環状部13Aに囲まれている。図3に示すように、弁体部14Aの側面は、下方に行くほど中心側に向かうように傾斜している。弁体部14Aの側面には、シール材19が設けられている。
弁ストッパ14Cは、軸部14Bにおける筒状部13Bよりも下方の部分に固定されている。弁ストッパ14Cの径方向の外端は、筒状部13Bの挿通孔13cの内周面よりも、径方向の外側に位置している。平面視において、筒状部13Bと弁ストッパ14Cとは部分的に重なっている。そのため、排気弁14が蓋本体15に対して上方に移動すると、弁ストッパ14Cと筒状部13Bとが当接し、排気弁14の上方への移動が規制される。
蓋枠12、蓋本体15の本体部13およびストッパ16、並びに排気弁14の材料は、何ら限定されない。例えば、塩化ビニルなどの合成樹脂であってもよい。
排気弁14の重量は、蓋本体15の重量よりも小さい。図7に示すように、蓋本体15の平面視面積は、排気弁14の平面視面積よりも大きい。
以上が蓋10の構成である。説明は省略するが、ます20の点検口11に設けられる蓋10の構成も同様である。蓋10は、雨水設備1の内部圧力が高くなったときにその圧力を開放する機能と、集中豪雨時に雨水設備1に大量の雨水が流入してきたときに、その雨水の一部を排出する機能とを有する。次に、雨水貯留槽3の点検筒5に設けられた蓋10を例として、蓋10の圧力開放動作および雨水排出動作について説明する。
雨水貯留槽3の内部圧力(空気の圧力)が高くなると、蓋10に対して、下方から上方へ向けて圧力が加わる。圧力が所定の圧力(以下、第1圧力という)以上になると、図8に示すように、排気弁14が上記圧力によって浮上する。すると、排気弁14によって塞がれていた排気孔13b(図4参照)が開放される。これにより、雨水貯留槽3の内部空気の一部が排気孔13bを通じて外部に逃がされ、雨水貯留槽3の内部圧力が低下する。よって、雨水貯留槽3の内部圧力が過剰に高くなることが防止される。なお、排気弁14は弁ストッパ14Cを備えているので、蓋本体15から外れてしまうことが防止される。雨水貯留槽3の内部圧力が第1圧力未満になると、排気弁14は自重によって降下し、蓋本体15の上に載置される。すると、排気弁14によって排気孔13bが塞がれ、雨水貯留槽3は密閉される。なお、雨水貯留槽3の内部圧力が再度高くなると、同様の動作が繰り返される。これにより、雨水貯留槽3の内部圧力が第1圧力未満に調節される。
集中豪雨時に、雨水設備1に大量の雨水が流入し、雨水貯留槽3から雨水が溢れる場合がある。そのような場合には、雨水が点検筒5内を上昇し、この雨水によって、蓋10に上向きの圧力が加わる。蓋10に加わる圧力が第1圧力以上になると、排気弁14が蓋本体15から浮上し、排気孔13bが開放される(図8参照)。雨水は排気孔13bを通じて雨水貯留槽3の外部に排出される。
雨水貯留槽3から溢れる雨水の量が多い場合、排気孔13bのみでは十分な量の雨水を排出しきれず、蓋10に対して更に圧力が加わる。蓋10に対し、第1圧力よりも大きな圧力(以下、第2圧力という)が加わると、図9に示すように、蓋本体15が蓋枠12から浮上し、点検口11が開放される。なお、点検口11には蓋枠12が固定されているので、蓋本体15が蓋枠12から浮上すると、厳密には、蓋枠12の内側が開放されることになる。しかし、本明細書では、このように蓋枠12の内側が開放されることを、「点検口11が開放される」と言うこととする。第2圧力は第1圧力よりも大きいので、蓋本体15は、排気弁14が蓋本体15から浮上した状態のまま、蓋枠12から浮上する。蓋本体15が蓋枠12から浮上すると、雨水は、排気孔13bと、蓋本体15と蓋枠12との間の隙間とから、雨水貯留槽3の外部に排出される。そのため、排出される雨水の量が多くなる。なお、蓋本体15が浮上した後、ストッパ16の係合部16bと蓋枠12の被係合部12cとが係合し、蓋本体15の更なる上昇が防止される。よって、蓋本体15が蓋枠12から飛散することはない。また、蓋本体15が蓋枠12の上方の位置に保たれる。雨水が十分に排出され、蓋10に加わる圧力が第2圧力よりも小さくなると、蓋本体15は自重によって蓋枠12の上に載り、点検口11は閉鎖される。また、蓋10に加わる圧力が第1圧力よりも小さくなると、排気弁14が蓋本体15の上に載り、排気孔13bが塞がれる。
以上のように、本実施形態に係る蓋10によれば、雨水設備1の内部圧力が高まると、排気弁14がその内部圧力によって上方に持ち上げられる。これにより、排気孔13bが開かれ、雨水設備1の内部圧力が過剰に高くなることを防止することができる。本実施形態に係る蓋10によれば、雨水設備1の内部圧力を開放する際に、蓋本体15を浮上させる必要がない。蓋本体15よりも軽い排気弁14を浮上させることにより、雨水設備1内の空気を外部に逃がすことができる。よって、雨水設備1の微小な圧力調整が可能である。一方、集中豪雨時に雨水が点検口11まで上昇した場合、排気弁14が浮上することにより、排気孔13bを通じて雨水の一部を雨水設備1の外部に排出することができる。更に、排気孔13bからだけでは雨水を排出しきれない場合、蓋本体15が蓋枠12から浮上し、点検口11が開放される。そのため、排気孔13bに加えて、蓋本体15と蓋枠12との間の隙間からも、雨水の一部を排出することができる。よって、雨水の排出量を増加させることができる。本実施形態に係る蓋10によれば、集中豪雨時において、排気孔13bだけでは排出しきれない程の多くの雨水を排出することができる。以上のように、本実施形態に係る蓋10によれば、雨水設備1の微小な圧力調整が可能であると共に、集中豪雨時に多くの雨水を排出することができる。
また、本実施形態に係る蓋10によれば、雨水設備1から溢れ出す雨水の量に応じて、雨水の排出量を2段階に調整することができる。よって、集中豪雨時に雨水を好適に排出することができる。
本実施形態に係る蓋10では、排気弁14が浮上することにより排気孔13bが開放されるが、排気弁14が所定量浮上すると、弁ストッパ14Cが蓋本体15の筒状部13Bに当接する。そのため、排気弁14が蓋本体15から外れることがない。よって、雨水設備1の内部の空気または雨水を排気孔13bから排出した後、排気弁14は自重により蓋本体15の上に載り、排気孔13bは閉じられる。
また、蓋本体15が蓋枠12から浮上することによって点検口11が開放されるが、蓋本体15が所定量以上浮上すると、ストッパ16が蓋枠12と係合する。そのため、蓋本体15が蓋枠12の上方の位置から外れることがない。よって、点検口11から雨水を排出した後、蓋本体15は自重により蓋枠12の上に載り、点検口11は閉じられる。
蓋本体15の平面視面積は、排気弁14の平面視面積よりも小さくてもよく、等しくてもよいが、本実施形態では、排気弁14の平面視面積よりも大きい。そのため、蓋本体15が雨水によって持ち上げられたときに、より多くの雨水を排出することができる。集中豪雨時に、より多くの雨水を排出することができる。
本実施形態に係る蓋10では、排気弁14は平面視において円形に形成された弁体部14Aを有し、蓋本体15は平面視において弁体部14Aの周囲を囲む環状部13Aを有している。排気弁14および蓋本体15は、偏りのない均等な重量バランスを有している。そのため、排気弁14が浮上した状態のまま蓋本体15が蓋枠12から浮上するときに、蓋本体15が傾きにくい。よって、蓋本体15が真っ直ぐ浮上しやすいので、雨水を良好に排出することができる。
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明の実施の形態が前記形態に限られないことは勿論である。本発明は、種々の形態にて実施することができる。次に、他の実施形態について簡単に説明する。
前記実施形態に係る蓋10は、雨水貯留槽3の点検筒5またはます10に設けられたものである。しかし、本発明に係る蓋の適用対象は、雨水貯留槽3およびます10に限定されない。本発明に係る蓋は、任意の雨水設備に適用可能である。また、本発明に係る蓋は、雨水設備に限らず、汚水を排出する汚水設備等の他の排水設備に適用することもできる。
前記実施形態では、蓋10は地表面と同じ高さに設置されている。しかし、蓋10の設置高さは何ら限定されない。蓋10は、地上に設置された点検筒等に設けられていてもよく、地下に設置されていてもよい。蓋10は、地表よりも高い位置に配置されていてもよく、地表よりも低い位置に配置されていてもよい。
排気弁14の数は1つに限られない。本発明に係る蓋は、複数の排気弁を備えていてもよい。
排気孔13bおよび排気弁14の位置は、平面視において蓋本体13の中央部に限られない。排気孔13bは、周囲が閉じた孔に限定されない。例えば、排気孔13bおよび排気弁14は、平面視において蓋本体13の径方向の外端部に設けられていてもよい。排気孔13bは、周囲の一部が開いた孔であってもよい。
排気弁14は、上下にスライドする弁に限られない。排気弁14は、例えば、一端が蓋本体15に固定された板ばね式の弁であってもよい。
蓋本体13の架け渡し部13Cの形状は棒状に限られない。架け渡し部13Cの形状として、環状部13Aと筒状部13Bとをつなぐことのできる任意の形状を採用することができる。
前記実施形態では、蓋枠12は点検筒5と別体であり、点検筒5に固定されていた。しかし、蓋枠12は点検筒5と一体化されていてもよい。点検筒5の一部が蓋枠12を兼ねていてもよい。雨水設備1の一部が蓋枠12を兼ねていてもよい。
1 雨水設備
2 雨水貯留槽
5 点検筒
10 蓋
11 点検口
12 蓋枠
12c 被係合部
13 本体部
13A 環状部
13B 筒状部
13C 架け渡し部
13b 排気孔
14 排気弁
14A 弁体部
14B 軸部
14C 弁ストッパ
15 蓋本体
16 ストッパ
16b 係合部

Claims (7)

  1. 排水設備の点検口に固定される蓋枠と、
    排気孔が形成され、前記蓋枠に載置されることにより前記蓋枠に着脱自在に装着される蓋本体と、
    前記排気孔を開閉自在に覆うように前記蓋本体に載置された排気弁と、を備え、
    前記蓋本体は、前記排気孔が形成された本体部と、前記本体部が前記蓋枠から浮上したときに前記蓋枠と係合することによって前記蓋本体の飛散を防止するストッパと、を有している排水設備用蓋。
  2. 前記排気弁の重量は、前記蓋本体の重量よりも小さい、請求項1に記載の排水設備用蓋。
  3. 前記蓋本体の平面視面積は、前記排気弁の平面視面積よりも大きい、請求項1または2に記載の排水設備用蓋。
  4. 前記排気弁は、平面視において円形に形成された弁体部を有し、
    前記蓋本体の前記本体部は、平面視において前記弁体部の周囲を囲む環状部を有している、請求項1〜3のいずれか一つに記載の排水設備用蓋。
  5. 前記蓋本体の前記本体部のうち前記環状部の径方向内側の部分は、下方に凹んだ凹部を有しており、
    前記排気弁の前記弁体部は、前記凹部に嵌合するように構成され、
    前記弁体部が前記凹部に嵌合しているときに、前記蓋本体の上面と前記排気弁の上面とが実質的に面一になるように構成されている、請求項4に記載の排水設備用蓋。
  6. 前記蓋本体の前記本体部は、前記環状部よりも径方向の内側に配置された筒状部と、前記筒状部と前記環状部とをつなぐ架け渡し部とを有し、
    前記排気孔は、前記筒状部と前記環状部と前記架け渡し部とにより仕切られており、
    前記排気弁は、前記弁体部から下方に延びかつ前記筒状部にスライド可能に挿通された軸部と、前記軸部における前記筒状部よりも下方の部分に固定され、浮上したときに前記筒状部の下端と当接する弁ストッパと、を有している、請求項4または5に記載の排水設備用蓋。
  7. 前記蓋枠は、筒状部と、前記筒状部から径方向内側に突出する被係合部とを有し、
    前記ストッパは、前記本体部から下方に延びる縦部と、前記被係合部よりも下方にて前記縦部から径方向外側に突出し、前記蓋本体が前記蓋枠から浮上したときに前記被係合部と係合する係合部とを有している、請求項1〜6のいずれか一つに記載の排水設備用蓋。
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